◆関西電力 闇歴史◆085◆

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◆シビアアクシデント対策は、放水砲とシルトフェンス!
 放水砲とシルトフェンスで放射能の拡散を防げるか??
 「格納容器の破損」「炉心を損傷するような重大事故」対応??

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・大気への放射能放出抑制→放水砲(大型の放水銃)
・海洋への放射能拡散抑制→シルトフェンス(放射性物質吸着剤をつけたカーテン)

【放水砲】
・格納容器に水をかけて、放出される目に見えない放射性物質を打ち落とすというわけか?
放水砲で落とすことができても、できなくても、極度の汚染は免れないのでは?
格納容器が破損してしまったような事態のとき、損傷筒所へ放水するという(関電 原子力ライブラリ)が、こんな放水砲が本当に有効なのか?

【シルトフェンス】(下の絵は→こちら を開いて「放射性物質の拡散抑制」をクリック)
・半減期が8日のヨウ素をフェンス内で閉じ込める作戦とのこと。根本的に放出をとめてる訳ではないので、たいして意味はない。どこから漏れてるかもわからない。
・たいそうな名前が付いていても、単なる布切れのカーテン。海底からすべてをカバー出来るわけもなく、隙間もある。波もなく、潮の満ち引きもなく、海底が平坦で、土砂には隙間もない、そんな場所が、この地球上に存在するのか。
・シルトフェンスなんか張ってるときか?
トットと逃げるときでは?

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関電は京都地裁「大飯原発差止訴訟」で
放射性物質の異常放出が生じる危険性はない、と断言
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・「本件発電所において重大事故等が発生し、放射性物質の異常放出等が生じて原告らの人格権などが侵害される具体的危険性が認められることはない。」
・「周辺環境に放射性物質が大量に放出されることはなく、原告らの人格権等が侵害される具体的危険性が認められることない。」
・関電のこのような主張(関電提出の第20、31準備書面)は、まさに「安全神話」そのもの。ここには、福島第一原発事故の反省にたち、「原子炉」の安全だけでなく、「周辺住民」の安全を重視するという姿勢がまったくない。
・この姿勢こそが被告関電の本質。(原告第95準備書面)

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「格納容器の破損」「炉心を損傷するような重大事故」も想定していると言いつつ
基本的に、「原発安全神話」と「放射能安全神話」の世界
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「原発安全神話」…関電は、原発で過酷事故が起こる可能性に向きあっていない。原発は安全、事故は起きないという「お花畑」で、「原発安全神話」にひたりきっている。
「放射能安全神話」…関電は、放射能の異常放出は起きないし、放出は少量なので、そんな放射能はたいして危険ではない、と考えている。福島第一原発事故の後に広められている「放射能安全神話」にほかならない。

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「放射性物質が大量に放出されない」前提で、形だけの訓練
訓練は、いかにも形だけ、ちゃち
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・しかし、周辺住民には、「格納容器の破損」「炉心を損傷するような重大事故」も想定して訓練をしているという、ポーズが求められるため、形だけの訓練を行って宣伝している。
・あくまで「周辺環境に放射性物質が大量に放出されることはない」という前提にたっての訓練。
・したがって、そうした訓練に実効性があるとは考えられない。
・自治体の避難訓練が、「日帰りピクニック」に終わっているのと同じ。
・関電のシビアアクシデント対策の中心は、放水砲とシルトフェンスであるが、このほかに、瓦礫撤去の大型ブルドーザーとか、「格納容器の破損防止、水素爆発防止対策」のため、水素を酸素と結合させたり、燃焼させて減少させる装置(イグナイタ。ライターみたいな点火装置。格納容器の中に設置)もある。いざというとき、きちんと機能して、水素爆発を防止できるかどうか、火遊びでなければ良いが??

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本当はどうか?
どちらにしろ、関電の姿勢には大きな問題!
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シビアアクシデントはないと思っているなら、訓練は、実のないものになるだろう。

「本当はこんなことは必要ないんだ」と思っていたら、まともな訓練ができるはずがない。現実に、シビアアクシデント対策の放射性物質の拡散抑制は、放水砲とシルトフェンスという、きわめて不十分でいい加減な対処にとどまっている。そういうところをみると、こちらが関電の本心のように見える。シビアアクシデントはないと思っていても、起こった場合を想定しておくのが深層防護だから(前段否定:前の層が万全であっても、失敗するとして対策を取る。後段否定:後の層が万全であっても、頼らない。)訓練をしても良いのだが、放水砲とシルトフェンスでは、余りにも頼りない、いい加減な訓練ではないか。

シビアアクシデントがあると思っているなら、法廷で、嘘を言っていることになる。

関電もシビアアクシデントは起こる前提に立ちながら、しかし、福島ほどの事故にはならないとか、「放射能安全神話」に浸っている可能性もあるように見える。この場合、法廷でのウソは許しがたい。

・形だけの訓練をしているか、法廷で嘘をついているか、どちらか。

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以下、Webサイトで大宣伝の放水砲とシルトフェンス
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Webサイトで宣伝の「放射性物質の拡散抑制」とは
放水砲とシルトフェンス(>_<)
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・放射性物質の拡散抑制は、放水砲とシルトフェンスだけ。
・関電の訓練では、敷地外への放射性物質の拡散抑制として、陸では放水砲、海ではシルトフェンスが登場している。
・これは、関電に限らず、すべての大手電力に共通。

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(1) 放水砲とシルトフェンスで、放射性物質の拡散抑制【その1】
 関西電力の地域交流誌「越前若狭のふれあい」特別号No.27(平成26年6月4日現在)
こちらより
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▲陸では放水砲、海ではシルトフェンス

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(2) 放水砲とシルトフェンスで、放射性物質の拡散抑制【その2】
 →滋賀県資料より。関電提供の写真。こちら
 →長浜市の資料より。関電提供の写真。こちら
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(3) 放水砲で、放射性物質の拡散抑制【その1】
 関電HOME>事業概要>原子力発電について>あくなき安全性の追求>安全対策>万が一の重大事故に備えた技術力の向上と体制の整備
 こちらより
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▲どこにあるのか見えない放射能を打ち落とすのか。
仮に打ち落としたとして、その放射能は、地表に拡散される。

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(4) 放水砲で、放射性物質の拡散抑制【その2】
 関電HOME>事業概要>原子力発電について>あくなき安全性の追求>安全対策>様々なリスクへ備える安全対策
 こちらより
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▲左下のヘリコプターの写真は、別サイトによれば「ヘリコプターで資機材を運搬」となっている。
関電HOME>事業概要>原子力発電について>あくなき安全性の追求>安全対策>万が一の重大事故に備えた技術力の向上と体制の整備。→こちらより
さらに、別サイトによれば、「当社提供のヘリによる避難訓練」となっている。→こちらより


▲発電所外に置いてある資機材を運搬
計測器類、放射線防護服、防護用全面マスクなど。
ただし、ヘリコプターは、気象条件によっては飛べなくなるし、
離着陸の場所も限定される。
▼ヘリによる避難訓練

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(5) 放水砲で、放射性物質の拡散抑制【その3】
 こちらより
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(6) 放水砲で、放射性物質の拡散抑制【その4】
 放水砲に水を送るのは、大容量ポンプ車
 関電HOME>事業概要>原子力発電について>あくなき安全性の追求>安全対策>万が一の重大事故に備えた技術力の向上と体制の整備
 こちらより
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(7) 放水砲で、放射性物質の拡散抑制【その5】
 大地震による美浜原発3号機の事故を想定…住民避難の訓練も実施 原子力総合防災訓練(2022年11月5日)
 → YouTube こちらより
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(8) 使用済燃料ピットでの大規模漏えいを仮定
 こちらより
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 「基準地震動にも耐える構造・強度であるが、敢えてピットが損傷することを仮定」との断り書きあり。

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