◆関西電力 闇歴史◆095◆

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◆関電・舞鶴発電所でバイオマス燃料から発火、
 火災は10時間半後に鎮火、4棟全焼(2023年3月14~15日)
 【付 グリーンウォッシュ】

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 2023/3/14、夜に京都府舞鶴市千歳で発生した関西電力舞鶴発電所の火災は、バイオマス燃料の供給設備4棟延べ計約1100平方メートルを焼き、通報から約10時間半後の15日午前8時半ごろに鎮火。けが人はなかった。

 舞鶴市消防本部や関電によると、焼けたのは木質ペレットを貯蔵するバイオマスサイロ2棟と燃料を供給するベルトコンベヤーの中継所2棟。舞鶴発電所は石炭火力発電所で、木質ペレットは石炭と混ぜて燃やすという。敷地内には1、2号機(出力計180万キロワット)があり、出火当時は2号機が運転中だった。

 火災の原因について関西電力は、バイオマス燃料として使う木質ペレットが発酵して発熱しサイロにたまった一酸化炭素などの可燃性のガスに引火して自然発火したとする社内調査の結果を発表。停止していた舞鶴発電所2号機は安全性が確認されたとして、3/20に運転を再開。

【舞鶴発電所とは】
・関西電力唯一の石炭火力発電所。
・京都府舞鶴市)西端、若狭湾国定公園内に位置し、1号機は平成2004年、2号機は2010年に営業運転を開始。
・関電によれば、「石炭は、埋蔵量が豊富で安定した電力供給を支えており、バイオマス燃料の木質ペレットを混焼することで、CO2排出量を削減しながら、お客さまに品質の良い電気を届けております。」とのこと。
・石炭落下事故については→◆081◆

【バイオマス混焼および専焼化はグリーンウォッシュ】
・国際環境 NGO FoE Japan、国際環境 NGO グリーンピース・ジャパンなど、90のNGO団体は、2023年4月、石炭火力発電のバイオマス混焼および専焼化はグリーンウォッシュ、気候変動を加速させ、森林生態系を破壊する」とのNGO共同声明[384 KB]を発表している。(Webサイト→こちら
1. 気候変動を加速させる
 1) バイオマスを燃焼するとCO2が排出される
 2) 石炭火力発電所を延命させる
2. 森林生態系を破壊する

【付 グリーンウォッシュ】

 企業や組織が自らの環境配慮や持続可能性に関する取り組みを、実際よりも良い印象を与えるように宣伝や広告を行い、環境に対する社会的な責任を装ったり、事実を歪めたりする行為のこと。

 具体的には、企業が環境に配慮した取り組みを公表し、環境保護や持続可能性に対する取り組みをアピールする一方で、実際には環境に対する悪影響を持続している場合や、環境に対する取り組みが不十分であるにもかかわらず、環境に優しいイメージを持たせるために広告や宣伝を行うことがある。

 グリーンウォッシュは、企業や組織が環境に対する取り組みを真剣に行っているかどうかを客観的に評価することが難しいため、社会的な問題となっている。消費者や投資家は、企業の環境に対する取り組みを見極める際に慎重になり、環境情報を正確に評価する必要がある。また、企業や組織に対しては、環境に対する責任を真剣に持ち、透明性を持って情報を公表することが求められている。

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