◆関西電力 闇歴史◆027◆

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◆配管に4cmの穴でも運転継続(2021年、大飯3)
 循環水管ベント弁付近からの海水漏れ

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 2021年8月4日、大飯原発3号機で、タービンを回した蒸気を冷やすために海水を復水器に送る配管からの水漏れが見つかった。8/5に規制委に報告。2系統ある配管の1系統の空気抜き弁枝管の付け根付近に直径4 cm 程度の穴が開いていた。漏れた海水は約20トンとされる。この配管が大きく破損すれば、十分に原子炉を冷やせなくなる恐れがある。
(詳しい位置は→目次ページの図解)

 それでも関電は、原子炉を停止せず、この系統のポンプを止め、出力を65%に下げて運転を続けた。8月10日、雨水による腐食が原因とみられると発表して、8月11日に出力を100%に戻した。しかし、8月13日、補正報告書で雨水原因説を撤回した。原因は何か、安全軽視としか言いようがない。8月9日には、社長が美浜町で「安全の誓い」を読み上げた(◆004◆)ばかりなのに。

「美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)」のWebサイト(→こちら)では、次のように追求している。
 関電は8月13 日付補正報告書で、10 日付報告書に書いていた、雨水が該当箇所に達していたという雨水原因説の具体的根拠となる唯一の記述を削除している。10 日付報告書で嘘をついて、原因調査できたとして 100%出力運転に戻し、その後でその具体的根拠の記述を削除したのだ。このようなやり方は許しがたい。報告書は撤回し、大飯3号の運転を直ちに停止し、原因調査をやり直すべきだ。

 関電は、9月3日付の広報「原子力発電所の運営状況について」において、原因は「降雨時に雨水がダクトの外側をつたい、垂れ落ちる状況が長年続いていたこと」などとして、図解を掲示している(→こちら)。ただし、その後、雨水説は撤回。

▼右下が4cmの穴。錆止め塗装はしないのか。(写真は関電による)

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