◆関西電力 闇歴史◆034◆

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◆関電と元高浜町助役、癒着の闇 (1)
~原発の残土工事で増額分を関電が負担(2021年報道)
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 原発をもつ関西電力と、原発地元の実力者だった高浜町元助役との癒着の闇は深い。その一つとして2021年11月10日朝日新聞に報道されたのが、「原発の残土工事で増額分を関電が負担した」という問題。関電の原発関連工事を受注した「吉田開発」(森山栄治・元町助役が経営に関与)がトラブルを起こして工事費が上がったが、その増額分は関電が自ら負担していた。

 この工事は関電の高浜原発、大飯原発の特定重大事故等対処施設(いわゆるテロ対策施設)の敷地造成などで出た残土の処分。この施設は東電福島第一原発事故後にできた新規制基準の下で再稼働に必要となったもので、関電によると残土は2013〜20年、両原発で計約220万m3生じた。

 関電関係者によると、関電はこの残土処分を準大手ゼネコンに発注し、ゼネコンは高浜町の土木建築会社「吉田開発」に下請けに出した。ゼネコンへの発注額は残土2500円/m3。ところが、吉田開発が2014年、残土を町内の山中に投棄していたことが発覚し、近隣住民とトラブルになって搬入をやめた。このトラブルのため、残土は別の場所で処分することになり、処理費が、3400円/m3 に上がった。

 処理費が上がった原因は、受注側が起こしたトラブルであって、こういう場合は新たに生じた費用は受注側が負担するのが一般的という。しかし、関電は自ら増額分を負担することをゼネコン側に申し出たとのこと。このトラブルの後、残土処分は吉田開発を介した形で地元業者が担うことになったが、間にたっただけの「吉田開発」にも取り分が確保されていた。

  • 関電→ゼネコン…当初の処理費は2500円/m3。それがトラブル後、3400円/m3にはね上がった。
  • ゼネコン→吉田開発…3400円/m3。ゼネコンは同額で下請けに出した。
  • 吉田開発→地元業者…2380円/m3。仲介した吉田開発の取り分は1020円/m3。
    (残土は2013〜20年、高浜、大飯両原発で計約220万m3)

 朝日新聞の記事によると、関西電力広報室は残土処分に関して、「個別の契約内容については回答を差し控える」。そして、関電は11日に「重大なコンプライアンス違反ではない」「問題ない」との他人事のような見解を表明している(↓下記参照)。

【m3=立法メートル】
【下図は、朝日新聞より】


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2021年11月11日
関西電力株式会社
残土工事に関する一部報道について(こちら
一部報道機関が、11月10日付の記事で、当社の残土工事について報じていますが、本件に関する当社のスタンスは、以下のとおりです。
<当社スタンス>
○第三者委員会には、金品受取り問題等について客観的かつ徹底的な調査をしていただきました。
○その後は、業務改善計画に基づき、外部の専門家の審査等を通じて、工事の発注や契約等に関する手続きの適切性、透明性の確保に努めております。
○重大なコンプライアンス違反事象が判明した場合には、速やかにお知らせしております。
以 上
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関電の原発マネー不正還流を告発する会」の
検察庁、大阪第2検察審査会あて 申入書 補充書4には
土砂処分事案の詳細な解説があります。
(電気料金値上げ時の説明とは異なり、実際には高値発注、高値賃借)

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