◆[2020/12 /15 美浜町議会資料(1) ]原子力発電所特別委員会報告(再稼働派議員の発言など)

 ただ今から、原子力発電所特別委員会の委員長報告を行います。
 令和2年12月9日午前10時00分から美浜町議会全員協議会室で、委員7名及び議長の出席のもとに本委員会を開催し、10月19日及び11月30日に本委員会に付託されました請願12件についての審査を行いました。
 また、職務執行のため議会事務局長を出席させました。
 以下、本委員会で審査された主な点について申し上げます、

(1) 請願第3号 美浜発電所3号機の再稼働を求める請願について

 はじめに、紹介議員の北村晋議員から請願の説明を受け、質疑に入りました。

意見:2030年には、ガソリン車をなくすと言われており、このまま行くと主流になっている火力発電もなくなる状態になってくる。今の太陽光発電や風力発電では、ベースロード電源にはならない。これからの時代に、電気をどのように供給するかということになると、やはり原子力である。安全安心な原子力発電所を稼働することが大事であるので、この請願書には賛成する。

意見:町の経済面を考えた場合、関西電力関係の会社は、元請けと一次、二次、三次以外の下請会社も含めると約350社あり、11月現在、働く作業員は2、200名を超えると聞く。これらの人々による経済効果は非常に大きいので、今回の再稼働には賛成である。

意見:美浜町は、原子力発電所がない頃は何もなかった。その頃は商店街も非常に潤っており、漁業も農業も非常に中堅的な位置にあった。今や農業は衰退し、商店街も崩壊し漁業もいま一歩だと認識している。したがって、これからの美浜町を考えるのであれば、原子力発電所に依存するのではなく、一からこの町をどうするかを、いろんな方面から考え出して、よりよいまちづくりをしていかなければならない。原発のない社会を望んでいるので、再稼働には反対である。

意見:今の脱炭素社会の方向性を見ると、自動車が電気自動車に切り替わっていき、さらなる電気の需要が高まり、電気のない社会は考えられない。今後電気をどのように確保していくかは、今の時点で原子力発電所を全く抜きには考えられない。今後のエネルギー事情を考えると、規制庁の基準に合った設備で稼働できるのであれば、再稼働は認める。

(2) 請願第4号 美浜発電所3号機の再稼働を求める請願について

 はじめに、紹介議員の﨑元良栄議員から請願の説明を受け、質疑に入りました。

意見:現時点において原子力発電は必要であると考える。その大前提は、核燃料サイクルの課題等もあるが、技術面と事業者の管理運営面での安全確保にある。このたび大飯発電所での司法判断が示されたが、それは驚きである。現在、目本のエネルギーは多くの化石燃料を海外に依存しており、非常に低い自給率のエネルギー事情を考えると、原子力は純国産と言われるので、今この原発をやめるという判断は、非常に現実的でないと考える。この請願には賛成である。

意見:再生可能エネルギーに頼るが、再生可能エネルギーの発電は自然が相手なので、安定した電気の供給が難しくなる、その点を考えると、原子力発電の再稼働は必要であるので、この請願には賛成する。

(3) 請願第5号 老朽原発の再稼働に関する謂願書

 はじめに、紹介議員の河本猛畿員から請願の説明を受け、質疑に入りました。

意見:原子力発電所抜きでは将来電気が不足すると思われる。また経済を考えても原子力発電所は動かすべきだと思っているので、この請願には反対する。

意見:大飯発電所の設置基準が裁判で否定されたので、今回はそれを受け止めて再稼働を許可しないこととすべきである。よってこの請願には賛成である。

意見:40年超えは老朽であると言われるが、施設について、関西電力は全ての設備は変えられないが、順次新しいものと交換していると説明している。また、取り替えられない部分については60年の安全性が確保されると説明しているので、この請願には反対する。

(4) 請願第6号 老朽原発美浜3号機の稼働再開について拙速判断を避け、熟議を求める請願書

 はじめに、紹介議員の松下照幸議員から請顛の説明を受け、河本猛議員から補足説明を受けた後、質疑に入りました。

意見:若狭地方における原発反対の立場の方から、いろんな意見を聞いているが、その取り組みに対しては真摯に受け止め敬意を表する。原発事業は福島の原発事故が起きるまでは、非常に明るい展望とビジョンの中で進められてきた政策であった。福島で地震が起き、非常に悲惨な状態になり大変大きな問題となった。これまでにいろんな説明を聞くと、津波に対する考え方が全く浅はかであり、津波という要素がなければ、ここまでひどい放射能汚染はなかったと言われている。なぜそうなったのかは基本的なガバナンスの問題等、非常に奥深いものがある。このことを踏まえ規制委員会ができ、厳しい基準が打ち出され、それに基づいて審査が進められた。現在、配管の欠陥問題が検出され、それを修繕して原子力発電所を健全な状態で維持管理して運転するシステムスタイルができてきていると感じる。このシステムスタイルを今後も継続的にできるのであれば、大きな事故にはつながらないという備えができたというように考える。このような取組を重ねながら継続すべきなので、この請願には反対する。

(5) 請願第7号 美浜3号機の再稼働を止めるよう求める請願書

 はじめに、紹介議員の河本猛議員から請願の説明を受け、質疑に入りました。

意見:立地地域だけで決める問題ではないとの指摘もあるが、ここに住む立地地域の議員の意見集約として、この請願には反対する。

(6) 請願第8号 関電の原発マネー還流の全容解明と美浜3号機再稼働の中止を求める請願書

 はじめに、紹介議員の河本猛議員から請願の説明を受け、質疑に入りました。

意見:関西電力における金品受領問題事件での不祥事は、あってはならないことである。不祥事の発覚以降、自社による努力でうみを出している。その努力をしている限り、そのような努力を認めていくべきであり、今後の努力を期待し、この請願には反対する。

(7) 請願第9号 美浜原発3号機の再稼働に反対する請願書

 はじめに、紹介議員の河本猛議員から請願の説明を受け、質疑に入りました。

意見:避難訓練は、美浜町や国、県も実施しているので、この請願には反対する。

(8) 請願第10号 再稼働前に美浜3号機の配管の総点検と関西電力の原発マネー還流の全容解明を求める請願書

 はじめに、紹介議員の松下照幸議員から請願の説明を受け、河本猛議員から、補足説明を受けた後、質疑に入りました。

意見:開西電力の原発マネーは、第三者委員会を設置してコンプライアンスとガバナンスの問題を、1日も忘れないで解決していくとの説明であるので、この請願には反対する。

意見:原発マネーに対して、町長は以前の議会で美浜町はきれいだと話しているが、原発が運転を開始してから50年間の調査は実施していただきたいので、この請願には賛成する。

(9) 請願第11号 関西電力美浜原子力発電所3号機の再稼働に関する請願書

 はじめに、紹介議員の河本猛議員から請願の説明を受け、質疑に入りました。

意見:地震の基準地震動が993ガルでは過小だという説明であったが、規制庁の話では1.5倍の余裕を見ていると聞いている。この請願には反対である。

意見:今回の大飯発電所の裁判結果や現在名古屋地裁で継続進行中の件は、似たようなところがあるので、この請願には賛成する。

(10) 請願第12号 美浜原子力発電所3号機の再稼働を認めないことを求める請願書

 はじめに、紹介議員の河本猛議員から請願の説明を受け、質疑に入りました。

意見:元データづいて、国側がノーチェックであるとか縮尺を変えて比較した等、非常に具体的な内容が書かれているが、それらのノーチェックのことは、ほとんど我々は分からない。これに対して、高浜原発について全く元データも見ずに、さっさと合格にしたというイメージになっているが、そういうことは決してないと考える。したがって、この表現をそのままうのみにすることは出来ないので、この請願には賛成することはできない。

(11) 請願第13号 美浜原子力発電所3号機再稼働に反対する請願

 はじめに、紹介議員の河本猛議員から請願の説明を受け、質疑に入りました。

意見:この請願書に、九州電力の玄海原発4号機の1基しか動いていないが、原子力発電が稼働しなくても何も問題がない。と書かれているが、これは全く認識が違っている。経済的に困窮しているところもあり、非常に多くの燃料費が海外に流出しており、二酸化炭素をたくさん排出している事情もある。原子力というのは、非常にエネルギー密度が高い。例えば100万キロワットの原子力発電所の能力を考えた場合に、美浜の産業団地にも約800キロワットの太陽光ができたが、あれだけ広大で大きなものを24時間運転しても、約100キロワットの能力しかない。そうすると、あの施設が1万ヶ所ないと100万キロワットの原子力発電所1基に相当する能力にはならない、という単純計算になるが、太陽光は夜使えないという問題もある、太陽光パネルを作製する費用、また約20年すればパネルを交換しなければならない等、非常に大きなコストも生じてくる。これだけエネルギー密度の高いエネルギー源は今のところないので、これをいかに有効活用していくかということは避けられないと考える。この請願には反対する。

(12) 請願第14号 老朽原発を動かさないように求める請願

 はじめに、紹介議員の河本猛議員から請願の説明を受け、質疑に入りました。

意見:意見はありませんでした。

以上の審査を終え、委員会採決を行いました結果を報告いたします。

(1)請願第3号 美浜発電所3号機の再稼働を求める請願について
は、賛成多数をもって採択することに決しまLた。

(2)請願第4号 美浜発電所3号機の再稼働を求める請願について
は、賛成多数をもって採択することに決しました。

(3)請願第5号 老朽原発の再稼働に関する請願書
は、賛成少数をもって不採択とすることに決しました。

(4)請願第6号 老朽原発美浜3号機の稼働再開について拙速判断を避け、熟議を求める請願書
は、賛成少数をもって不採択とすることに決しました。

(5)請願第7号 美浜3号機の再稼働を止めるよう求める請願書
は、賛成無しをもって不採択とすることに決しました。

(6)請願第8号 関電の原発マネー還流の全容解明と美浜3号機再稼働の中止を求める、請願書
は、賛成少数をもって不採択とすることに決しました。

(7)請願第9号美浜原発3号機の再稼働に反対する請願書
は、賛成少数をもって不採択とすることに決しました。

(8)請願第10号 再稼働前に美浜3号機の配管の総点検と関西電力の原発マネー還流の全容解明を求める請願書
は、賛成少数をもって不採択とすることに決しました。

(9)請願第11号 関西電力美浜原子力発電所3号機の再稼働に関する請願書
は、賛成少掌をもって不採択とすることに決しました。

(10)請願第12号 美浜原子力発電所3号機の再稼働を認めないことを求める請願書
は、賛成少数をもって不採択とすることに決しました。

(11)請願第13号 美浜原子力発電所3号機再稼働に反対する請願
は、賛成少数をもって不採択とすることに決しました。

(12)請願第14号 老朽原発を動かさないように求める請願
は、賛成少数をもって不採択とすることに決しました。

以上のとおり協議を終了し、午前11時32分本委員会を閉会いたしました。
これをもって、原子力発電所特別委員会の委員長報告を終わります。

↓ 関連ページへのリンク
2020.12.15 美浜闘争 報告とお礼
[2020/12 /15 美浜町議会資料(2) ]河本猛 議員の発言
[2020/12 /15 美浜町議会資料(3) ]松下照幸 議員の発言