使い捨て時代を考える会」カテゴリーアーカイブ

◆5月22日に行った関電との話し合いの記録

関電側;広報担当者ほか2名。
使い捨て時代を考える会;3名。

今回は以下の質問書を提出し、話し合いました。
質問書
……………………………………………………………………………
1.大飯原発4号機を5月9日に再稼動させたことに、強く抗議します。安全は確保できているという根拠はどこにあるのですか。再稼動直後に、蒸気発生器の水位の低下を知らせる警報が鳴り、出力の上昇操作を中断したと報道されていますが、原因は何だったのですか?再稼動を急ぐあまり十分な備えを怠っているのではないでしょうか。再稼動を急ぐ理由はどこにあるのでしょうか。

2.原子力規制委員会が九州電力川内原発1号機について、テロ対策等の拠点となる「特定事故等対処施設」の工事を認可したと報じられました。高浜原発、大飯原発に関する特定施設の設置計画について、設置予定年度、予算を示してください。その完成を待たずに再稼動させるのは安全軽視ではないのでしょうか。

3.使用済み核燃料の処理についての、技術的、経費的な目途は立っているのですか。また、中間貯蔵施設を福井県外に作るということで、候補地を2018年に示すとのことですが、具体案はあるのですか。

4.大飯1、2号機の廃炉が決定されました。廃炉費用は現在の見積もりでは総額1160億円で、時間がかかればもっと費用がかかるとの見解でした。どの原子炉もいつかは必ず廃炉になります。廃炉費用さえきちんと計算できないまま、原発建設・運転を進めてきたことに、道義的責任はないとお考えでしょうか。また廃炉費用は託送料金に上乗せするとのことですが、見通しのないまま原発を建設・運転し、廃炉にするという道すじで、膨れた費用を消費者の負担にすることは、企業としてあまりにも無責任ではないでしょうか。

5.日本原電東海第2原発について、再稼動・運転延長には立地自治体以外の5市町村の事前了解を必要とするという安全協定がむすばれました。貴社の原発に関しても京都府・滋賀県の市町村と同様の協定を結ぶ必要があると考えますが、どのような見解をお持ちでしょうか。

6.電力自由化によって、貴社から他社へ切り替えた消費者は、4月末で155万件に上るとのことです。大飯原発再稼動、高浜原発再稼動で契約離れが加速していますが、そのことについてどうお考えですか。消費者は原発に依存しない電力会社を望んでいるのです。このことについてどのような見解をお持ちでしょうか。

以 上
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話し合いの内容(Q;こちら側の発言 A;関電の発言)

A (質問1について) 前に言った事の繰り返しだが「止める、冷やす、閉じ込める」で安全を確保する。運転員の教育など安全性向上対策を京都府などの地域協議会で説明しているし、規制委員会の審査を受けてやっている。総合負荷運転があり安全最優先でやっていく。

大飯4号機の警報のことは、5月10日17:38に起きた。中央制御室に警報が鳴り、運転員が1秒で止めた。水位の変動によるものだが、なぜ大きく変動したか、原因は突き止めていない。計器(水位計)に異常はなく、作業によって揺らぎが起きたか?

Q 原因が分からないのは不安だ。止めて原因を調べるのが常識ではないか。1秒警報が鳴った(実は作業員が警報をすぐ止めた)ことはたいしたことではないと思えるかもしれないが、いったん警報を止めて、次にスイッチを入れ、警報が鳴らなかったから安全、というのが怖い。事故は小さなものから大きく広がるものだ。なぜ運転を止めないのか。
A 出力の上昇操作を止めて検査した。

Q 原子炉は止めていないのか?
A 止めていない。

Q 原因不明なのに大丈夫だと判断したということが不安だ。異常があったら、全て止めるのが常識ではないか。計器に異常がなくても他に異常があったから警報が鳴ったのではないか。水位計はどの程度の異常で警報が鳴るのか。多少の揺らぎでもなるのか。そうならしょっちゅう鳴ることにならないか。
A 一時的に水位が低下したのだと思う。

Q 一般的に水位が変わる理由は何が考えられるか。
A 作業に伴って水位が変わったりする。

Q 計器に異常がないとはどうやって判断したのか。
A 実際の水位と水位計を見て判断した。警報が鳴った時についてはいろいろなルールがある。警報の一部がなっただけで軽微なものだった。

Q 計器に問題がないならほかに問題があるということだ。今はわずかなことだからと運転を続けているが、そういうことが大きな事故になる。原因の説明がないと市民の不安はきつい。
Q 玄海でもトラブルが続いて起きている。チェックができていない。今回、安易に動かしたのではないか。そのまま動かして大丈夫なのか疑問だ。水位変動したのにどの位変動したのかわかっていない。
Q 警報は頻繁に鳴るのか。
A 頻繁にはならない。警報にルールがあって、3つ鳴るとどうだとか、1つだと偶発的だとかいうことがある。国に報告しているし、勝手に動かしたりはしていない。

Q 原因が究明できていないのに動かしているのか。
A 今回は根本的原因があったわけではないので…。

Q 危険な施設だから止めて調べるべきではないか。安全第一と矛盾している。
Q 高浜原発を定期検査で止めるので大飯を動かしたのか。
A そういうわけではない。

Q 経営的に厳しいから動かすのか。
A 安全最優先で動かしている。

Q ぜひ安全は最優先してもらいたいが、そうしていないことがつらい。美浜再稼動も経営のためか。
Q トラブルが起きたら信用を失う。企業的に安定経営をねらうなら、いまは増収増益だから本来止めるべきなのではないか。なぜ再稼動を急ぐのか。
A 増収増益とは我々は切り離している。経営のためでなく、安全確認できたら動かしている。

Q 経営のためでもなく、電気が足りていないわけでもないのに動かすとは?!危険な橋をなぜ渡るのか。なぜ再稼動するのか。
A 日本の電源のあり方で、国でS+3Eとしている。原発をやめて火力にすると価格が上る。再生エネルギーは不安定。エネルギーミックスがベストだというのが国の方針にある。

Q その考え方はマスコミでの評判も悪い。原子力が安くないことはもう分かっている。政府も責任が取れないし、電力会社も責任は取れないだろう。採算が取れないのに見切り発車している。政府は無理な数字を出している。
Q 関電は7基を動かそうとしているが、多すぎるのではないか。中国でも再エネを進め投資しているのに、日本はなぜ原発にこだわるのか。
A いろんな電源をミックスすべきというのは会社の考えだ。

Q なぜそこまで危険を冒すのか。
A 40年越えのものも機器の取り換えをやっている。

Q 運転延長はとにかく危険だ。当初は20~30年が常識だった。今の技術は進んでいるが40年前に設計されたものを長期間使わないでおいて動かすのは大丈夫と言えるのか。
Q 海外ではコアキャッチャーをつけてやっているが、日本ではつけていない。原発は採算が取れないのになぜやるのか。
A 経産省の資料では海外は原発を残していく方向となっているが。

Q それは違う。日立もイギリスの原発から撤退しようとしている。建設費が高騰しているせいで、最後は税金で払うことになる。
Q 福島原発では津波が来ないと思い込んでいた。警報が鳴ったという小さなトラブルを軽く受け止めるか、重く受け止めるか。電力計画を政府が言っているから…というのは軽く考えている。
Q 安全第一でやっていくというが、どうしても2基は動かしていたいのか。
A 今回は、たまたま止まった。

Q 裁判で1日止めると数億円の損害と関電は言っていた。そういうことも関係しているのか。
Q 原発だからこのようなことを言わなくてはならない。他の電源に代えてもらいたい。
A 会社としては3Eで,経済の観点から…

Q 福島事故を受けても関電は何ら変わっていない。事故が心配だから他の電源に代えてもらいたいという市民の意見を上層部に伝えてもらいたい。
Q 計器がおかしくないなら、水位が変動しているはずだ。揺れの幅を考えて設計しているのだから、それを超えたら警報が鳴る。その原因を調べるのは当たり前のことではないか。運転を始めたばかりだから、今なら止めるのは楽だ。いったん止めて徹底的に調べるのが安全第一ではないのか。とにかく警報の原因を調べてもらいたい。
A そろそろ時間なので…

Q (質問5に関して)関電は原発を使っているという理由で他社に切り替えた人は多い。高浜原発が再稼動したときに関電をやめた人が増えた。原発をやめたら関電に戻るという人もたくさんいる。ぜひやめてもらいたい。
Q 水位変動のデータがあればもらいたい。
A あれば次回に。


今回は大飯原発4号機再稼動直後に警報が鳴ったことについて質した。水位が下がって警報が鳴ったが、計器(水位計)に異常はなく、なぜ警報が鳴ったのか原因不明だそうだ。原因不明なのに動かし続けるとは!!!

◆4月5日に行った関電との話し合いの記録

関電側;広報担当者ほか2名。
使い捨て時代を考える会;4名。

今回は以下の質問書を提出し、話し合いました。
質問書
……………………………………………………………………………
1.大飯原発3号機を3月14日に再稼動させたことに、強く抗議します。安全は確保できているという根拠はどこにあるのですか。前回大飯原発、高浜原発について「安全上重要な部位、原子炉圧力容器、一次系配管に神鋼製の納入があったが、不適切な行為に関わる部品は使われていなかった」との回答でしたが、書類上の判断だけで安全性を確認できるのでしょうか。大飯原発4号機についても5月に再稼動予定との報道がありますが、再稼動の必要性をお答えください。

2.使用済み核燃料の処理についての、技術的、経費的なめどは立っているのですか。また、中間貯蔵施設を福井県外に作るということで、候補地を2018年に示すとのことですが、具体案はあるのですか。

3.大飯1、2号機の廃炉が決定されました。廃炉費用は現在の見積もりでは総額1160億円で、時間がかかればもっと費用がかかるとの見解でした。どの原子炉もいつかは必ず廃炉になります。廃炉費用さえきちんと計算できないまま、原発建設・運転を進めて来たことについて、道義的責任はないとお考えでしょうか。また廃炉費用は託送料金に上乗せするとのことですが、見通しのないまま原発を建設・運転し、廃炉にするという道すじで、膨れた費用を消費者の負担にすることは、企業としてあまりにも無責任ではないでしょうか。

4.日本原電東海第2原発について、再稼動・運転延長には立地自治体以外の5市町村の事前了解を必要とするという安全協定がむすばれました。貴社の原発に関しても京都府・滋賀県の市町村と同様の協定を結ぶ必要があると考えますが、どのような見解をお持ちでしょうか。

5.電力自由化によって、貴社から他社へ切り替えた消費者は、1月末で134万軒に上るとのことです。顧客離れに歯止めをかけるために原発を動かし、値下げをするそうですが、命の安全よりお金を優先する経営姿勢と見えます。消費者は原発に依存しない電力会社を望んでいるのです。このことについてどのような見解をお持ちでしょうか。

以 上
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話し合いの内容
(Q;こちら側の発言 A;関電の発言)

A(質問1について) 安全対策の基本「止める、冷やす、閉じ込める」を押さえ、運転員の教育、機器の点検などを十全にすることで安全を確保できると考えている。規制委員会の審査があり、地域協議会で説明して理解してもらっている。神鋼については(質問書では)書類上の判断としているが、10/24から11月いっぱいにかけて14回立ち入り調査をした。神鋼とグループ会社の調査をしている。書類だけではない。

Q 立ち入りで何を見ているのか。
A 部品の検査をしているところを見る。

Q 適正な検査をしているかどうかを見るのか。原発に使われているところの検査ではない。使われているところは検査できない。
A それは(使われている物についての検査は)書類上でしかないが…。

Q 玄海原発で配管から蒸気が漏れるという事故が起きた。10年前に点検してあと47年持つという判断で動かしたら蒸気漏れが起きた。関電は大丈夫か。
A 関電では美浜の事故後に点検箇所が定められた。今、全部出来ているかはわからないが、美浜の事故があったのでしっかりやっている。

Q 玄海事故は写真を見て驚いた。腐食していることが一目でわかる。そんな状態でも再稼働させた。考えられない。関電はちゃんと点検しているのか。
A 全部しているという訳ではないが…。

Q 玄海は2次系の配管だから大丈夫としてやらなかった。2次系だから安心という訳ではない。関電はどうか。
A 九電については公表された情報でしかしらない。作業員が見つけたということだが、関電ではそういう
ことはないと思う。

Q 稼動させる前にテストしているはず。九電は経営が厳しく、不要不急のところは手を抜いたとも考えられるが、関電ではそういうことはないか。
Q 蒸気漏れで発見した。関電でもあり得る。非常に危険だ。安全対策が出来ていない。
Q 動かしながら配管を代えたりしているができるのか。
A 配管は1本ではないから…

Q 同じようなことが起きる可能性があるが、検査をするのになぜ止めないでやるのか。止めない理由は経営上の事か、それとも運転上の事か。
Q 玄海の事故は、「安全の上に安全を」と言っているのに事故が起きてショックだった。不安が増える。社内でも議論してほしい。
Q 福井に行ったら、地元の人達が原発を早く止めてと言っていた。原発が動いているので、いつも不安だと言っている。
Q 高浜3・4号機、大飯3・4号機について、どんなチェックをしているのかプレスリリースしてもらいたい。
A(苦笑)

Q 他社で事故が起きたらフィードバックするだろう。関電ではどんな検査をしているか知らせてほしい。
A 福島事故はフィードバックされている。関電は審査を受ける立場だが、審査にフィードバックされている。

Q 審査というが、今回、九電は新規制基準を通って稼働した。それでも事故が起きたのだから、新規制基準に合格しても、こんな事故が起きるということが明らかになった。新規制基準は信用できない。関電も同じだ。検査や点検が杜撰でないことを見せてもらいたい。
Q 発電費が福島事故前に3000億円だったのが再稼働後2500億円に減っている。どこで減らしているのか。検査などでが、手を抜く対象になっているのではないか。証拠もみせられることなく、「大丈夫」と言われれば言われるほど不安になる。
Q 「関電はこういうチェックをしました」として発表してもらいたい。大丈夫と言う証拠を見せた方が消費者は安心するし、そういう手法を取った方が結局安くなる。リスク管理上、市民不安を押さえた方が会社としても信用される。
Q せめて動かしているのを止めて検査をしてもらいたい。
Q 情報公開してもらいたい。新規制基準に乗っているからと言うが、委員長が安全を保障するものではないと言っている。
A ゼロリスクということですね。

Q 被害を受けるのは市民だ。危険を避けてもらいたい。実情を丁寧に説明してほしい。
安全と言うのであれば、このように点検しているから安全だとプレスリリースしてもらいたい。
A ご意見として伺います。

Q 九電では目視で見つけられなかった。
A 関電では目視以外の検査もしている。

Q 下水の配管などは一定期間経過すると取り替えるが、中を放射性物質が流れている原子炉の配管の取りかえは可能なのか。
A 格納容器以外は取り替えできる。特別点検(40年越えのものについての点検)して取り替える。機器に異常がなかったら取り替えない。

Q 規制委員会の基準は意味がない。自主的に点検してもらわないと信用できない。
A 耐用年数が来たら取り替える。

Q 事故が恐ろしいのは本格運転しはじめたときだ。その時事故になったら大変なことになった。九電は今回はラッキーだった。
A もう時間なのでこの辺で。

Q 最後にいくつか。質問2について、中間貯蔵施設を白浜町に作るという案が出ているそうだが、そうか。
A そういう話は出ていない。

Q 質問4について、東海原発で周辺市町村と立地自治体並みの協定を結んだが、関電も京都府とも立地自治体並みの協定にしてもらいたい。
Q 電力自由化で顧客離れは2月末で142万件になった。大飯原発の再稼働後に目立つ。ぜひそのことを考えてもらいたい。

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今回の質問についてはここまで。玄海原発の事故に関連して、関電は大丈夫かということを追及したので、他の質問について話し合うことができなかった。話し合い終了後次のようなやり取りがあった。

A ここで伝えるのはふさわしくないかもしれないけど(と前置きして)、2月14日の槌田さんからの電話に関して、本社より申し渡しがあった。「京都支社の回答が関電の回答ということ。それが理解してもらえないなら槌田さんの関係したグループとの話し合いはしない」とのことだ。

Q(槌田) 私は関電の考えを冷静に聞いた。不買ではなく原発の電気は買いたくないという事を言っている。私がそういうことを言っているのは別のグループの話だ。
Aこの場は使い捨て時代を考える会の場なので、この場の事ではない。

Q(槌田) 大阪本社で受け取ってもらえなかったのはなぜか。使い捨て時代を考える会は京都にあるので京都支社に行くが、関西圏の話は大阪本社に行く。
A 本社から言ってきたことをお伝えしているのだが、板挟みになっている。配慮してほしい。私自身はこれからもこういう場(話し合い)を持ちたいと思っている。

Q(槌田) 大飯原発再開で関電離れが進んだと思う。原発再稼動は経営に関わるので、大阪本社と話をしたい。経営が苦しくなると安全対策など心配になる。感情的でなく、真剣に経営についての議論がしたい。技術者とも話をしたい。関電は大事な会社だ。

関電大阪本社から具体的に会いたくないと言ってきたことで、しばし、やり取り。使い捨て時代を考える会とは今後も話し合いを進めていくとのことだが、どうなる事か。

◆1月30日に行った関電との話し合いの記録

関電側;広報担当者ほか2名。
使い捨て時代を考える会;4名。

今回は以下の質問書を提出し、話し合いました。
質問書
……………………………………………………………………………
<ol>
<li>大飯原発3号機、4号機について、神戸製鋼のデータ改ざんにより再稼動を遅らすとのことですが、神戸製鋼の製品をどこに使っているのですか。どのような調査をしているのですか。再稼動はいつを予定されていますか。なぜ再稼動を急ぐのかご説明ください。福井地裁で2014年5月に運転差し止めを命じる判決が出ていますが、その事をどう評価されますか。</li>
<li>神戸製鋼の製品は高浜原発3号機、4号機にも使われているとのことですが、きちんと調査はしましたか。外部の第三者機関による調査をされていますか。稼働させたまま調査している事に不安を感じますが、安全性はどうやって確認できているのですか。</li>
<li>大飯1、2号機の廃炉が決定されました。大変喜ばしいことと評価します。廃炉の理由は安全対策費がかかるという理由ですが、その費用はどのぐらいと見積もられたのでしょうか。廃炉費用はどのぐらいかかりますか。廃炉費用を電力料金に上乗せするということも聞きますが、廃炉費用さえきちんと計算しないままで、どうして原発建設・運転を進めて来たのか、その事に道義的責任はないとお考えでしょうか。</li>
<li>使用済み核燃料の処理についての、技術的、経費的なめどは立っているのですか。また、中間貯蔵施設を福井県外に作るということで、候補地を2018年に示すとのことですが、具体案があるのですか。</li>
<li>&gt;電力自由化によって、貴社から他社へ切り替えた消費者は、12月末で120万軒に上るとのことです。顧客離れに歯止めをかけるために原発を動かし、値下げをするそうですが、命の安全よりお金を優先する経営姿勢と見えます。消費者は原発に依存しない電力会社を望んでいることをもっと真摯に考えていただけないでしょうか。</li>
</ol>
以 上
……………………………………………………………………………
話し合いの内容
(Q;こちら側の発言  A;関電の発言)

A(質問1について)高浜3、4号機と大飯3、4号機について、神戸製鋼工場に立ち入り調査を進めている 。安全上重要な部位、原子炉圧力容器、一次系配管に神鋼製の納入があったが、不適切な行為に関わる部品は使われていなかった。

Q 不安が残る。信頼が失われている。どんな調査をしたのか。
A 建設当時の記録が残っているので、メーカーの記録を特定していき、溶接の記録も見に行ったところ神鋼の部品が出てきた。

Q それ以外は何処に使われているか。
A 燃料集合体には使われていなかった。安全対策工事に使われているか確認中だ。大飯3号は調査が完了し、大飯4号は調査中だ。高浜3号ももうすぐ完了する。

Q 高浜は動かしながら調査をしているのか。止めて調査をするのが常識ではないか。
A 弊社のスタンスとしては、安全上問題なく運転できているから安全であるということで止めないで調査している。

Q「運転できているから安全」とは詭弁ではないか。事故はどうやって起きるか考えると、対策をしているうちはまだいいが、気が付かないまま進んで起きるのが事故だ。素朴に不信感を持つ。技術論的に問題がある。

Q 残っている書類で、どうだったかという調査で、テストピースで調べるなどはしていないのではないか。調査そのものも不徹底だし不十分だ。
A できあがった設備をばらしては、なかなかできない。

Q 放射能汚染しているからだろう。技術的に力がある人が調べないといけないが、そういう人を配置できないだろう。
Q 運転できているから安全で大丈夫とは、希望的バイアスがかかっている。市民の思いとかけ離れている。
Q 福島の事故でも津波に対して6mで充分とやってきた。社内でも13mという意見があったという。大丈夫だろうということに問題あった。もう一歩慎重に考えてというのは心配し過ぎだろうか。
A おっしゃることはわかる。

Q 第3者機関の調査はしているのか。
A していない。第3者機関としては規制委員会がそれにあたる。大飯3,4号は使用前検査をしているので動かせない。非常に厳しくチェックしている。そういう意味では第3者機関の調査を受けている。

Q 神鋼製品が圧力容器に使われているが。
A(神鋼が)大きい会社だから使う。

Q 小さな破綻でも命取りになる。信用できない会社のものを使ったということも命取りだ。
Q 大飯3号だけが調査を完了したのか。
A そうだ。原子炉容器、一次系配管などはすべて完了した。

Q 質問3について聞きたい。前回廃炉ということは社内では出ていないと言っていたが、直後に廃炉が報じられた。
A 本当に社内では出ていなかった。

Q 安全対策に費用がかかると報じられていたが。
A 廃炉は安全対策費が高いからと報道されたが、それが理由ではない。技術的な問題だ。大飯1,2号機はアイスコンデンサ方式という国内唯一のプラントで、格納容器が小さい。安全対策で壁の補強が必要で、壁を補強すると容器内が狭くなり、緊急時に内部で作業が出来なくなるなど技術面の問題がある。新たな設備を設置することが必要になる。資金面ではなくあくまで技術面での問題があって廃炉になった。

Q 廃炉の費用はいくらか。
A 廃炉にしなかった場合については計算していない。廃炉にしたときは大飯1,2号機で総額1160億円だ。今見積もれる費用で、今後時間がかかるのでどうなるかわからない。

Q 廃炉の技術は確立していない。もっと費用は膨らむ。
A やるしかない。電気料金に入ってくるので、値上げするのかということだが、託送料で回収していく。

Q 関電は重荷をしょっている。原発が重い足かせになっている。手際よく廃炉にしてもらいたいが、電力料金に跳ね返ることも問題だ。
Q 原発から早く撤退してもらいたい。技術の問題というが結局費用の問題ではないか。社内内部でも議論してもらいたい。
Q 関電の安全対策費に8300億円かかっているが、大飯1,2号の廃炉費用を引き当てている。引き当てが過小ではないか。
A 総額フィックスではないので…。

Q 背景にコストの問題がある。原発を進めるのが重荷になっていることを社内でも疑問視する声があると聞いている。
A 廃炉はあくまで技術面でのことだ。

Q 20年運転して、どれだけ経済的メリットがあるのか計算しているのか。経営陣は無能としか思えない。
Q とにかく安全第一に。自暴自棄になっているのではないか。立ち止まって、姑息な託送料金などでなく、きっちり対応してもらいたい。なにしろ関電がシェアでは圧倒的なのだから。安定供給は社会的使命だから原発に頼らないでやってもらいたい。
(ここまでで時間切れ)

★「廃炉は安全対策費が理由ではなく技術面の理由」と、ちょっと苦しい説明。対応が穏やかな担当者だけに、いよいよ行き詰っているんじゃないかと勘繰ってしまう。質問4と5は時間切れで今回は返答を聞いていない。また次回という約束を交わして終了。

◆12月4日に行った関電との話し合いの記録

関電側;広報担当者ほか1名。
使い捨て時代を考える会;4名。

今回は以下の質問書を提出し、話し合いました。
質問書
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  1. 高浜原発3号機、4号機の再稼動に強く抗議します。11月29日に北朝鮮のミサイルが日本海に落下しました。原子力発電を稼働させたままにしておくのは、極めて危険だと考えますが、これについての貴社の見解をお示しください。
  2. 来年1月には大飯3号機、3月には大飯4号機の再稼動を計画しているとの報道がありましたが、なぜ再稼動を急ぐのかご説明ください。福井地裁で2014年5月に運転差し止めを命じる判決が出ていますが、その事をどう評価されますか。
  3. 大飯1、2号機を廃炉にするという報道がありましたが、前回「社内から出た話ではない」というご説明でした。廃炉について、貴社内ではどのような議論があり、どのような結論になっているのでしょうか。
  4. 使用済み核燃料の処理についての、技術的、経費的なめどは立っているのですか。また、中間貯蔵施設を福井県外に作るということで、候補地を2018年に示すとのことですが、具体案があるのですか。
  5. 神戸製鋼の製品が高浜原発に使われていたとの発表がありました。前回の質問では使われているかどうかわからないので調べてみるとのご回答でした。調べた結果をお答えください。
  6. 高浜原発、大飯原発について住民の避難計画を提示してください。福井県のみならず京都府、滋賀県についても避難計画ができているのかご説明ください。内閣府が避難道路を検討中ということでしたが、避難のための道路もない状況でなぜ再稼働できるのでしょうか。住民避難のバスの確保、避難先の確保、老人・障がい者・病人など災害弱者への対応、ヨウ素剤の準備、大地震・豪雪・豪雨など重篤な自然災害が伴う場合の対応などについて、貴社自身が独自に検討されたことはありますか。
  7. 電力自由化によって、貴社から他社へ切り替えた消費者は、11月末で114万軒に上るとのことです。顧客離れに歯止めをかけるために原発を動かし、値下げをするそうですが、命の安全よりお金を優先する経営姿勢と見えます。消費者は原発に依存しない電力会社を望んでいることをもっと真摯に考えていただけないでしょうか。

以 上
……………………………………………………………………………
話し合いの内容
(Q;こちら側の発言  A;関電の発言)

A(質問1について)ミサイルに関しての(関電の)見解は、国による防衛システムが第一で、システムは整備されていると思う。国に対処してもらえると思っている。たとえ敷地内に着弾しても分厚いコンクリート内にあり、大事に至らない。多重の防護で安全を確保している。

Q 格納容器の天井は大丈夫か。ミサイルは爆発装置だ。政府が言えば言うほど不安になる。迎撃ミサイルが撃ち落とした実績はない。もし迎撃したらいっそう激しい反撃を受けることになる。
A 迎撃したら、すぐ事業者に止めろと国が言うが、事業者の判断で止められる。

Q 迎撃するというときに止めるのは常識だ。迎撃するから大丈夫とは考えられない。とにかく運転を止めて、少しでも安心と言える状態にしてもらいたい。
Q 電源が落ちたらどうなるのか。起きる被害が大きすぎる。どんな事態でも止めないのか。
A 電源についてはかんしき(寒冷式?)電源車で対応する。

Q 若狭は原発が多いから集中してねらわれる可能性がある。社内で問題になっていないか。
A 話題にはなっているが、会社の見解は先にお答えした通りだ。

Q とにかく一刻も早く止めてもらいたい。
(まだ言いたいこと、聞きたいことあるが次に移る)

A(質問2について)神戸製鋼のことで、大飯3号機は3月、4号機は5月と再稼動が先延ばしになった。新規制基準への対応で神鋼が使われているか調査しているので2か月遅れる。調査は、工事計画書に記載されている材料について、実際に使われているところを見に行き、検査証明書を見て図面を見てメーカーを特定する。10/24~11/30の間に14回やった。調査した結果、神鋼が出てきた。神鋼に立ち入り調査し、格納容器など安全上重要な容器について11/28に確認し、問題ないという結果だった。

Q 不適切な処理はなかったか。資料調査で分かるということが信じられない。資料は破棄されていることが多い。本当にやっているのか。第3者機関を使っているのか。
A 使っていない。

Q 結果は予想済みだったのではないか。都合の悪いことは出さない。
A 燃料集合体について、今調査しているところだ。その他の部品については神鋼が外部の委員会に調査させている。まだ結果は出ていない。

Q どの部品がどこのメーカーかという書類は保存されているはずだ。膨大な資料だと思うが公開してもらいたい。重要な機器については納品段階まで保管しているのか。資料が膨大でパンクすると思うが。
A(調査が内部で行われていることについての不安は)一般的な感覚と理解できる。資料は保管されており、紙の資料で残っている。

Q 検査が杜撰という神鋼の書類を使っているのが不安だ。第3者機関がやっているのは「その他の部品」だけなのか。
A 安全上重要な部位を先にやっている。電力会社に調べるようにと国が言ってきた。

Q 関電内部での調査だそうだが、普通は不正があっても言いたくない、使い続けたいというのが心情だ。関電が安全だからといっても信用できない。企業は隠すことが多い。
Q 東電ではバブルの開け閉めで右往左往した。配管の口径が合わなかったということもあった。東電ほど杜撰ではないと信じたいが、今のレベルでは不安だ。東電と同じではないか。マグニチュード7~9の地震が起きたら大丈夫か。材料は劣化する。作った時の材質は変化している。40年越えの原子炉を動かすことは心配だ。
A 規制委員会では専門家の話を聞いてチェックしている。

Q 神鋼の調査で大飯原発の再稼動が遅れるとのことだが、高浜でも調査しているのか。
A 高浜も調査している。

Q 調査しながら動かしているのか。
Q 調査は第三者に任せてもらいたい。社内の調査では隠すし、規制委員会は信じられない。他の機関で調べてほしい。
A 時間がないので質問3に答えたい。廃炉の方針を固めたという事実はない。

Q 内部から出た話ではないのか。
A リークはあるが、これはそうではない。
A(質問7について)11月末で120万軒になった。1200万軒のうちの1割で、厳しい。原発が止まっているから料金が上がっているので、動かして下げる。総合エネルギー企業として頑張っている。

Q 動かしたら値下げするというのは愚痴に聞こえる。
A 動かしたら値下げすると公開の場で約束させられた。

Q 原発を動かさなかったら大変で、北陸電力は配当ゼロ、値上げになると言っている。関電も同じ事情を抱えているのではないか。原発を動かして事故が起きたら経営は大変だ。他の電力会社でも綱渡り的に経営している。原発を維持する体制に無理がある。

★突っ込みどころ満載の回答でしたが、話し合い時間はたったの30分。少し引き伸ばしても40分にすぎず、こちらは不完全燃焼。問題が多すぎます!

◆10月20日に行った関電との話し合いの記録

関電側;広報担当者ほか1名。
使い捨て時代を考える会;4名。

今回は以下の質問書を提出し、話し合いました。
質問書
……………………………………………………………………………

  1. 高浜原発3号機、4号機の再稼動に強く抗議します。再稼働後に出てくる使用済み核燃料は1日あたりどのぐらいありますか。その処理についての計画をお聞かせください。
  2. 北朝鮮のミサイルが脅威を及ぼしていますが、ミサイルに対して運転中の原発は危険極まりないものです。停止させることで幾分安全が確保できると考えますが、このことについての貴社の見解をお聞かせください。
  3. 大飯原発3号機を来年1月に、4号機を3月に再稼動させる計画と報道がありました。免震事務棟は整備中であり、テロや大規模自然災害に備えるという特定重大事故対処施設はできていない状態と発表されていますが、なぜ再稼働できるのですか。
  4. 高浜原発、大飯原発について住民の避難計画を提示してください。行政との連携と聞いていますが、具体的にどのような計画が進められているのか示してください。住民避難のバスは確保できるのですか。避難先はどこですか。老人・障がい者・病人など災害弱者への対応はできるのですか。ヨウ素剤の準備はできていますか。大地震・豪雪・豪雨など重篤な自然災害が伴う場合の対応はできるのですか。
  5. 電力自由化によって、貴社から他社へ切り替えた消費者は、9月30日時点で109万軒に及びます。原発の電気は使いたくないという理由で切り替えた消費者も多数います。原発に依存しない電力会社を望んでいるからです。顧客離れは今後も増加するでしょう。8月に値下げをされた結果をどのように評価しておられますか。

以上
……………………………………………………………………………
話し合いの内容
(Q;こちら側の発言  A;関電の発言)

A(質問1について)高浜3,4号機の稼働に伴って出てくるのは、運転の仕方によって異なる。処理は六ケ所の稼働による。六ヶ所への搬出がなければ7年程度で満杯になる。大飯・美浜も含め、廃炉を除き9基が稼働しても、六ケ所が順調なら満杯は回避できる。

Q 1日あたりに出てくる量は?
A 数字はない。動いている日があったり動いていない日があったりするので、70%の利用率として計算している。

Q 使用済み核燃料は溜まる一方だ。安全性を危惧している。冷却水が抜けたらどうなるのか。
A 大飯原発について住民向けに説明会をしている。冷やす対策はしている。

Q 六ケ所の見通しはあるのか。
A(手持ちの書類を繰って調べる)

Q 六ケ所の稼働を期待しているということでしょう。
A いつと言うのはないが、今の状況で言うと、技術的課題が解決したことになっている。新規制基準への対応が少し残っている。審査は終わっている。

Q 六ケ所は、うまくいくはずでダメと言うことが続いてきた。後始末が確信できないことを心配している。そういう中での再稼動は不信を感じる。
A(質問2について)住民にもミサイルのことを聞かれた。弾道ミサイルで国が防衛システムを整備している。防衛大臣が破壊措置命令を出してくれる。着弾しても、ポンプなど堅牢な建物の中にあるので、直ちに大きなことは起きると考えていない。電源車、消防車など安全対策をとっている。国に言わせると、規制庁の回答では国が命令し、事業者に無理やり止めさせるが、事業者の判断で止められるとなっている。飛んでくると言ったらすぐ止める。

Q この前に飛んだ時は止めなかったではないか。できるかどうか不安だ。
Q 避難訓練はのどかなもので、地下に避難するとか机にもぐるとかいうことだったが、最も危険な原発は動いていた。すぐ止めるべきではないか。
Q 核施設を持っているということ自覚してもらいたい。上の人に伝えて。
Q 設計した人は、上に落ちたらどうしようもないと言っていた。
Q いまは破壊措置命令を防衛相は常時出している状態だ。危険と判断するべきだ。
A(質問3について)大飯3、4号機については稼動計画というより使用前検査を受けている状況だ。来年の再稼動は、見込みということだ。特定重大事故対処施設は、法律であとから出てきた。工事計画認可から5年の猶予となっている。設備はすぐにはできない。

Q 設備ができてから動かすのが常識ではないか。
Q 神戸製鋼は福島第2原発に搬入されたというが、関電はどうなっているのか。強度が満たないものは使わないでほしい。
A 神戸製鋼のものを使っているか調べてみる。配管が神戸製鋼のものかどうかで審査をしていない。

Q 審査は信用ならない。手抜きの材料が使われているかどうかだ。
A 基準にあった配管かどうかで審査をするので神戸製鋼かどうかということではない。

Q 規制委員会が実際に検査をするのではなく、神戸製鋼が出した書類で審査をしているのではないか。
A 調べてみる。

Q 日産の件はリコールになったが、原発はリコールの対象にできない。神戸製鋼製かどうか調べていないというのも不信だ。
A 私が知らないのかもしれない。他の部署で知っている人がいるのかもしれない。推測だが規制庁から何も言って来ないから大丈夫かと思う。

Q 規制庁は信用できない。ぜひ調べてもらいたい。
A すぐ調べてみる。

Q 大飯1,2号機が廃炉と言う報道があったが、どういう判断で廃炉にするのか。岩根社長が運転延長の申請をしたというわずか1か月後に廃炉となった。40年超のものを動かす方向と言っていたのに大転換だ。8月に値下げをしたが、顧客離れは減っていない。それが深刻なのではないか。
A 大飯1,2号機の運転延長を進めると社長が言ったのは事実だが…。

Q 廃炉は大変なことだ。あれは観測気球的なことか。
A 突然出てきた。社内は大混乱した。日経に出て、朝日、毎日にも出た。社内でどこから出たのかわからない。

Q 動かすつもりなのか。
A 動かす方向で準備している。

Q 電力自由化以降客離れのスピードが落ちていない。原発だから、高いからという両方と思うが、原発をやっているからという理由は大きい。それを見て廃炉にするのかと思った。
A 客離れは深刻だが、それでどうこう(廃炉か否か)ということではない。大飯原発の廃炉のことは関電が発表したものではない。

Q 高浜原発の安全対策にかかる費用は8300億円と聞いたが、大飯はどの位か。
A 1基あたり1000億円以上となる。運転延長申請の時に合算して、採算が取れるという金額で出す。

Q 経営が厳しくなり、経費削減して、労働強化や下請け労働者へのしわ寄せがあるのではないか。手抜きにつながると思うが、対策は。
A 対策をとる。経費をけずってはいない。

Q 経費を削った結果がクレーン事故だったのではないか。ほかにも事故が起きている。運転したときにどうなるか不安だ。安全最優先と言っているのに。
A 安全最優先ではない経営者はいない。安全最優先でやっている。

Q 安全最優先というなら、安全対策設備ができてから動かすのが常識ではないか。
Q お金がかかる火力を切り替えたいということで無理をしなくてはならなくなっているのではないか。結果的に手抜きをしなければならないほど切羽詰まっているのではないか。
A 修繕費もだいぶ削ってはいる。

Q それが大問題だ。大事故につながりかねない。火力の事故は原発よりもまし。原発はどうしようもない。
A 時間がないので、質問4について答えたい。避難計画は国、内閣府が京都府とやることになっている。京都では住民も入って第3回地域協議会が開かれた。第2回のものだが、協議会の内容が京都府のHPに出ている。

Q 関電がむしろ国に避難計画を言っていくべきではないか。
A 内閣府も意見を聞いている。私どもがやる立場にない。

Q 住民は不十分と考えている。京都府も立地県並みと関電は認めるべきだ。国に任せてあるでは済まされない。
A 訓練を一緒にやっている。

Q 福井県境で足止めになる。福島では米兵が急性被ばくに近い形で被曝し、9人死んだという。それに近い状況が起きる。
Q 市民の中でヨウ素剤を配ってほしいという要求がある。冬は交通マヒになる。現地で心配している。他人事ではない。
A 避難計画については内閣府が持ち帰り、道路をつくることを検討している。

Q 道路ができる前に再稼働するのはおかしい。屋内退避と言うが無理だ。危険と分かっているのになぜ再稼動するのか。
A 地域協議会のHPに規制庁、関電関連の資料も出ているので見てもらいたい。もう時間なので。

以上

◆9月5日に行った関電との話し合いの記録

関電側;広報担当者ほか1名。
使い捨て時代を考える会;4名。

今回は以下の質問書を提出し、話し合いました。
質問書
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  1. まず、高浜原発3号機、4号機の再稼動に強く抗議します。安全対策も不十分なままなぜ動かす必要があったのかお答えください。
  2. 高浜原発の緊急時対策所、免震重要棟について、再度お聞きします。どこにあるのか、どのような設備か、職員の安全は保障できるのか、お答えください。
  3. 大飯原発3号機を来年1月に、4号機を3月に再稼動させる計画と報道がありました。免震事務棟は整備中であり、テロや大規模自然災害に備えるという特定重大事故対処施設はできていない状態と発表されていますが、なぜ再稼働できるのですか。
  4. 高浜原発、大飯原発について住民の避難計画を提示してください。行政との連携と聞いていますが、具体的にどのような計画が進められているのか示してください。
  5. 再稼動でこれからどんどん使用済み核燃料が増えますが、再処理の計画を示してください。
  6. 1月に起きたクレーン倒壊事故に関連して再度お聞きします。
    4つのクレーンが、1・2号の横にずっと設置されており、その倒壊範囲内に3・4号機の緊急時対策所用の非常電源車4台がすべて置かれています。これでは分散配置になっていません。クレーン倒壊に耐えられるのでしょうか。
  7. 電力自由化によってこれまで他社に切り替えた消費者はどのぐらいの割合ですか。原発ゆえに貴社から他社へ切り替えるという消費者も多数います。今後も増加するでしょう。消費者は原発に依存しない電力会社を望んでいるからです。貴社の経営には深刻な影響があると思われますが、そのことについてどのように考えられますか。

以上
……………………………………………………………………………
話し合いの内容(Q;こちら側の発言  A;関電の発言)
今回から担当者が交替しました。
A(質問1について)高浜3・4号機については規制員会の審査を受け認可をもらった。動かしてかまわないという判断で動かしている。安全対策をクリアする形で対応した。安全対策には終わりがないので、引き続き必要なものに取り組んでいく。

Q 規制委員会が良いと言ったからというのは責任転嫁ではないか。
A 第3者として国が入り、審査をしている。昔は別の機関であったが、福島事故以来大幅に組織を変えて規制委員会となっている。

Q 規制員会は信用を失っている。関電として、これをやったから安全なのだという方向で責任をもってやってもらいたい。
A 関電としては免震棟など基準で求められていないものもやっている。

Q 福島事故では、どこで指揮を執ったのか。免震棟を言わない規制委員会は疑問だ。
Q いま北朝鮮のミサイルのことがあるが、原発がテロの標的となっている。核施設を持っているという自覚があるのか。
A セキュリティは厳しくしている。核を扱っていることもひしひしと感じている。ミサイルが飛んできたらどうするかということで、規制委員会で審査を受けている。ミサイルについては建物の強度がどうかということだが、ジャンボジェットを衝突させるという実験があり、それに耐えうる。

Q それは横からでしょう?もし上から来たらどうなるのか。
A ミサイルの話は一会社の話ではない。レーザーによる迎撃を国が開発中だ。PAC3というのもある。

Q 迎撃は無理ですね。レーザーも何年も先の話でしょう。
A 会社としてできることではない。

Q 対応できないなら少なくとも原発の運転は止めるべきだ。もしミサイル攻撃を受けたら、原発は動いていなくても危険だが、動いていたらもっと危険だ。少しでも安全にしようと考えるなら、すぐに止めるしかない。
A 原子力は使って行きたい。国のエネルギー政策上でもそう考える。

Q「国は」というが、もしものことがあったら企業の存亡の問題だ。国が何と言おうが、関電としてやめるのが普通の考え方ではないか。事故が起きたら存亡に関わる。客離れも進んでいるのではないか。
A 電力が全面自由化されて、28年度から売電量がすごく落ちている。このままで客がついて来てくれるのかという議論が社内であるが、国で必要と判断されているので、その判断に依っている。東電は20~22%減っていて、リーディングカンパニーとして厳しい状況だ。

Q 関電は原発依存率何%を目指しているのか。
A かつては11基動いていて50%だった。美浜が廃炉になるので現在は9基になった。高浜3・4号機、大飯3・4号機は動かしたい。

Q 高浜1・2号機、美浜3号機も動かすとなると7基になる。全国的に見てすごく率が高い。
A 基本的に再稼働させる方向だ。

Q 40年超えのものを動かすのは怖くないのか。
A 基本的に怖いと思って動かすことはない。原発を作ったら、そのままということはく、必要な部分を取り替えている。

Q 格納容器は取り代えないではないか。
Q 福島事故を見ると、古くなってバルブが動かないという状況もあった。
A 動かす方向にしていないと全く金食い虫だ。

Q 2011年段階で、事実においていろいろなことが分かってきた。いろいろ安全対策をしていくと聞くと、よけいに不安に駆られる。
Q 高浜3・4号機の審査ではクレーンはない状態で行われた。クレーンは1・2号機の再稼動のための工事用だ。1・2号機の再稼動を急がなければクレーン事故は起きなかったのではないか。急いで手抜きになっているのではないか。再稼動のために資本を投資すると、その設備を使わざるを得なくなる。悪循環だ。他のものにお金をかけてもらいたい。
Q 世界は原発をやめる方向に進んでいる。安全対策にどんどん追加費用がかかっているためだ。東芝は破たんしているではないか。
A 安全の面、経営の面では質が異なる。危険だと思ったら再稼動は考えていない。安全対策に終わりはないと思うが、一定程度安全ならと思っている。経営については、客の減少には危機感を持っている。電気料金を下げたい。

Q 原発をやめたら電気料金は上がらない。現時点でも、八木前社長が、再稼働をした場合も料金は下がるが、全原発を廃炉にした場合も電気料金は下がると発言しているではないか。
A ある程度見通しを立ててやっている。

Q その考えは甘いと思う。今後、再稼動のための費用はどんどん増えていく。判断が間違っているのではないか。
Q 安全対策はマイナスだという世界の流れになっている。だから世界で原発関連会社が破たんしている。
Q すでに設備があるから動かすのだろう。だから怖い。
Q 値下げの原資がないのに値下げをしたと新聞に書かれていたが、すでに経営が破たんしているのではないか。客離れはもともと電気料金が高いからであって、今まで高く売っていた。値下げするのは、高く売っていたからではないかという疑問を持つことになる。電気は血液みたいなものだから、関電が潰れては困る。昔、停電の時に復旧工事をしていた人が感電死したのを見た。だからこそ、今の状態が怖い。
Q 原発に集中すると安全対策費用が上乗せになり、経営が大変になる。そういうことについて社員の中で議論はないのか。
Q 消費者の安全、社員の安全のために共に闘いましょう。命を大事にするということを考えましょう。
A(みなさんが)そういった気持ちでやっていることは認識している。

Q 資産価値の維持は無駄ではないか。そもそも原発の寿命というのはもともと15年とみられていて、それが、20年、30年。40年、…60年と延長されてきた。信じられない話だ。格納容器も昔のままで、脆性破壊の問題もあるのに、60年も安全に運転できるとは到底思えない。他の電源に代えてもらいたい。資産にしてしまったら動かしたくなり、われわれを危険にさらす。なかでも関電の社員の皆さんがまっさきに危険にさらされるのだ。急いで安全対策をやっていてクレーン事故が起きた。
A 高浜1・2号機はそのまま置いておくとお金だけかかる。動かすと経済性があるという判断で動かしている。

Q 安全性に関する追加工事がどんどんあり、どんどんお金がかかるではないか。
Q 世界がやめているのに、関電だけなぜ動かすのか。福島事故直後の関電の判断も遅れていた。
A いろいろ中長期的に判断している。ご理解いただきたい。

Q 理解はできない。40年前の技術で作られたものは、金属疲労が進む。60年なんて考えられない。事故が起きたら一般市民にとって不安では済まない。関電は中部電力に2位を明け渡した。関電の経営姿勢が客離れを生んでいるのではないか。我々は関電をつぶそうと思っているのではない。つぶさないために言っている。
Q 8月末で何件が関電をやめたか。
A 90万件(数字を間違えた)

Q 96万件だ。もう100万件を超えるだろう。
Q 事故対策を客に転嫁しようとしている。客を裏切っている。
A(同席の社員が、もう時間ですからと促す)

Q 大飯原発のHPに「特定重大事故対処施設」をつくると書いてあったが、この施設の設置はいつ決まったのか。
A 福島事故後に法律で決まった。緊急時のために制御室、発電設備などを備えた施設で、高浜原発は作っているところだ。平成30年ごろに完成させるとなっている。また工事計画ができてから5年以内に完成させるとなっている。

Q 工事を請け負う会社がないと聞いているが。
Q そういう施設もできていないのに再稼動は考えられない。特にテロ対策を考えた「特定重大事故対処施設」がないのでは、今の情勢に対応できない。安全のためには原発を止める以外にない。
A ミサイルへの対応についてはまだ書類を読めていないので、調べておく。

2015年7月から2年間担当した方に変わって今回から新しい方になった。誠実に対応してくれるが、中身は会社の言い分に過ぎない。ミサイル攻撃についても危機感を持っていないように見えた。

◆6月21日に行った関電との話し合いの記録

関電側;広報担当ほか1名。
使い捨て時代を考える会;4名。

今回は以下の質問書を提出し、話し合いました。

質問書
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  1. 貴社は5月に高浜4号機を、6月に高浜3号機を再稼働させました。これについて質問します。
    • ①免震棟(あるいは耐震棟)ができていない、ベント付フィルター装置もまだできていないと聞きますが、もし重大事故が起きたらどのように対処するのですか。
    • ②6月6日に日本原子力研究開発機構の大洗研究開発センターでプルトニウム被爆事故がありました。これも人為的なささいなことから起きたミスでした。職員の安全の確保はできますか。
    • ③再稼動するにあたっての住民の避難計画を提示してください。原発から30㎞圏内には福井県民より京都府民の方が多く住んでいることを認識しておられますか。それにもかかわらず、再稼動について京都府の同意を得ないのはなぜですか。
    • ④使用済み核燃料の再処理はできますか。
  2. 1月に起きたクレーン倒壊事故に関連してお聞きします。
    4つのクレーンが、1・2号の横にずっと設置されており、その倒壊範囲内に3・4号機の緊急時対策所用の非常電源車4台がすべて置かれていると聞きました。これでは安全対策になっていないのではないですか。その配置図を福井県での説明会では配布したけれど、京都府には全く知らされていなかったと聞きます。住民を無視したのではありませんか。
  3. 電力自由化によってこれまで他社に切り替えた消費者はどのぐらいの割合ですか。原発ゆえに貴社から他社へ切り替えるという消費者も多数います。今後も増加するでしょう。消費者は原発に依存しない電力会社を望んでいるからです。貴社の経営には深刻な影響があると思われますが、そのことについてどのように考えられますか。
  4. 原発事故処理費用のうち、賠償分について、「本来過去に積み立てておくべきであった費用」を、原発の電気を拒否する新電力も含めて、託送料金に上乗せして、2020年から40年間徴収する方針が出されていますが、福島原発事故の教訓があるというのに、さらに原発の再稼動を行って、それらが事故を起こした場合の賠償費用を新電力からもとろうというのは納得できません。貴社のお考えをお聞かせください。

以上
……………………………………………………………………………

話し合いの内容(Q;こちら側の発言  A;関電の発言)
始める前に口頭で高浜原発4号機、3号機の再稼動に抗議し、すぐに停止させるように要望。
A(1-①について)緊急時対策所が1・2号機内部に設置してある。きちんと(安全は)確保できている。プラスαでサポートする職員の居住空間として免震事務棟を今作っている。

Q どこに作っているのか。免震棟なのか。
A 緊急時対策所は耐震で、免震重要棟は免震だ。どこにあるかはわからない。原子炉から100メートル以上離さいないといけないとなっている。

Q このことはこの前のときに調べてもらうことになっていたが。
A どこでしょうね。

Q 分からないというのは不安だ。前回の宿題だったので、次回までに回答してもらいたい。
A 距離は取れている。

Q 距離が取れすぎていたら仕事ができない。近すぎても被曝が心配だ。とにかく不安だ。
A プラスαで、(安全性を高めるために)重ねて作っている。

Q 緊急時対策所が1.2号機内にあるという現時点でも不安な状態だ。そこでは事故が起きた時に汚染がひどいのではないか。
A 福島事故から想定して、汚染のレベルを考えてやっている。

Q 東電は事故のとき退避しようとした。
A 全員退避というのには諸説あるので…。

Q どう考えてもこのままでは汚染する。
A 福島のような汚染が起きないとして再稼動が認められる。そういう前提なのでレベルが高くなっている。

Q 私たちから見ると非常に甘いレベルだと思える。安全対策ができていないのに再稼動に前のめりになっているように見える。
A 必要なことはしている。水素爆発の可能性は相当低いけれども、そのための安全装置をつけている。

Q 大丈夫と言われても信じられない。水素低減のための装置のレベルでは、加圧水型でも水素を低減しきれないという計算をして、問題にしている研究者もいる。そのような意見も無視しているのではないか。コアキャッチャーも付けていないではないか。
A コアキャッチャーという特定設備は要求されていない。同等のものがある。

Q とても同等とは思えない。水を溜めてそこに溶融した炉心を落とすなどと言うやり方は、どう考えても水蒸気爆発の危険性がある。コアキャッチャーが付いていないということでも無理なのに、安全ということが信用できない。
Q 安全性を高めるためにいろいろやっているが、そんなことまでして、なぜ原発にこだわるのか。そこまでの安全対策が必要な設備にこだわる理由がわからない。
A 総合的に厳しく考えた上で判断している。

Q もっと安全な設備でやったほうがいいのではないか。
A 原子力だけやっているわけではない。

Q 原発にそこまでお金をつぎ込んでやることが得策とは思えない。無理しているから経費節減することになり、安全対策などの見えないところにしわ寄せが行く。
Q 危険なことをなぜあえてやるのか。
A 他の電源にも投資している。子会社などでやっているので、投資額などで見ると小さいかもしれない。

Q 設備投資全体は減っているのに、原子力への投資だけ突出している。
A 経費を切り詰め、周辺資産を減らしている。

Q 原発へ大変な投資をしているが、その投資は無駄だ。7基動かそうとしているが、投資をしたら使わざるを得なくなる。40年超えの原発を何年動かすつもりなのか。
A 何年動かすかはまだ決まっていない。
A(1-②について)大洗のことを言われても…。

Q ずっと慎重に研究してきたが、研究者や技術者が減っていってプルトニウムを扱うということへの常識が忘れられているような状態で事故が起きた。
A 大洗の事はJAEA(研究開発機構)に申し入れてもらいたい。

Q そういうことを言っているのではない。同じような甘い体制で事故が起きることを言っている。クレーン倒壊もそうだ。
A JAEAの事は言語道断だと思う。

Q クレーン事故について京都府に対し大成建設がやったので関電は関係ないというひどい説明をした。
A 当社の関与が甘かったのでということを言った。法的に言って当社の責任は明らかだ。その場にいなかったので分からないが、失礼なことを言ったのかもしれない。

Q 近年は作業員の被ばくが減っているというデータはあるか。
A データは知らない。

Q 安全対策をしているなら減っているはずだ。
A 線量管理は厳重になっている。

Q 福島事故で労働者が福島に集中しており、安全管理がずさんになっていると聞いた。
A 放射線管理は厳重化しているはずだ。

Q 関電として把握しているだろうから公開してほしい。
A ちゃんとなっていると思うし、法制度的にもきちんとしている。

Q 公開してもらいたい。
A 職員の個人情報でもあるし…

Q 個人名ではなく、被曝線量がどの位かを知りたい。きちんと管理しているなら、どういう管理をしているのかも教えてほしい。
Q 高浜から30キロ圏内に京都府民が多いのは知っているか。
A 舞鶴市が多い。

Q なぜ京都府が立地自治体並みでないのか。
A 安全協定のことを言っているのか。長い(話し合いの)中で決まってきたので、京都府を軽視することはできない。

Q クレーン倒壊に関して、高浜3・4号機にどのような影響があるかと言う地図を関電が作成して規制庁に提出している。福井県には説明したが、京都府では出されなかったと聞く。
この地図によれば、高浜1・2号機の原子炉建屋の追加工事のために、高浜3・4号機の規制基準審査の時にはなかったアームの高さ112mの大型クレーンが4台、2019年まで常時高浜1・2号機の周辺に設置されていることになっている。しかもクレーンが倒壊したら影響をうける範囲に、3・4号機の緊急時対策所用の非常電源車4台が全部置かれており、ほかにも重要設備がこの範囲内におかれている。これでは大地震などクレーンが同時に倒壊するような事故が起きたときに、非常用電源車はすべて壊れる可能性もあり、分散配置になっていないではないか。こんなのは規制基準違反だ。あまりにもいい加減だ。
A 説明とは協議会ではなく幹事会でのことか。

Q 市民が出た説明会だ。福井県には出されていたのに、京都府の説明会には配られなかったと聞いたが。
A 京都府にはすべて出している。(関電が国に出したから京都府にも届いているはずということらしい)

Q 京都府が認識していないということか。それについてはこちらでも確認してみる。
しかしそれなら電源車は今は別の場所に移動させているのでしょうね?
A 分散配置になっている。もう時間なので。

Q 移動させていないのか?これで分散配置しているというのか。
A そう思う。

Q この関電の作成した地図ではまったく分散配置になっていない。すべて大型クレーン4台が倒壊したら壊れるような位置に配置されているではないか。倒れたらどうなるか、わかっているでしょう!そんないい加減な安全対策でいいというのか!

広報担当者は「もう時間なので」と言って、席を立ち退席してしまった。残された社員が一人で見送ってくれた。こんな対応は初めて。

◆5月1日に行った関電との話し合いの記録

関電側;広報担当者ほか2名。
使い捨て時代を考える会;4名。

今回は以下の質問書を提出し、話し合いました。
質問書
……………………………………………………………………………

  1. 去る3月28日の大阪高裁決定により、貴社は高浜原発3、4号機の再稼動を進めておられますが、これについて質問します。
    • ①免震棟(あるいは耐震棟)ができていない中で事故が起きたらどう対処するのですか。
    • ②福島原発事故では多くの東電社員と下請け労働者が被爆したと伝えられていますが、職員の安全の確保はできますか。
    • ③ベント付フィルター装置もまだできていないと聞きますが、もし重大事故が起きたらどのように対処するのですか。
    • ④再稼動するにあたっての住民の避難計画を提示してください。
    • ⑤六ヶ所再処理工場の完成は2018年と言われています。さらに伸びる可能性もあると言われています。使用済み核燃料の再処理の見通しが立たないのになぜ再稼動するのですか。
    • ⑥1月に起きたクレーン倒壊事故は全く人為的なミスでした。今後このような事故が起きないと断言できますか。
    • ⑦なぜ、再稼動を急ぐのですか。命よりもお金を重視した経営と思わざるを得ません。なぜそのような経営方針を取るのですか。
  2. 電力自由化によってこれまで他社に切り替えた消費者はどのぐらいの割合ですか。また高浜原発の再稼働に踏み切られた時には、貴社から他社へ切り替えるという消費者も多数います。今後も増加するでしょう。消費者は原発に依存しない電力会社を望んでいるからです。貴社の経営には深刻な影響があると思われますが、そのことについてどのように考えられますか。
  3. 原発事故処理費用のうち、賠償分について、「本来過去に積み立てておくべきであった費用」を、原発の電気を拒否する新電力も含めて、託送料金に上乗せして、2020年から40年間徴収する方針が出されていますが、福島原発事故の教訓があるというのに、さらに原発の再稼動を行って、それらが事故を起こした場合の賠償費用を新電力からもとろうというのは納得できません。貴社のお考えをお聞かせください。

以上
……………………………………………………………………………
話し合いの内容(Q;こちら側の発言  A;関電の発言)
Q 質問書にひととおり答えてください。
A(1-①)耐震棟というか緊急時対策室が、1.2号機の間にある。1.2号機が動くなら使えなくなるので別の所に作る。
(1-②)当然だが線量管理をし、訓練している。
(1-③)フィルター付ベントは猶予期間があるが、それまで他の対策をしている。福島で起きた水素爆発が起きないように水素を軽減する装置がある。炉内が高温にならないような対策もしている。
(1-④)避難計画は自治体がやっていて、当社としてはやっていないが、丸投げはしていない。協力できる部分は協力する。たとえばスクリーニングとか。
(1-⑤)六ケ所の再処理がいつ始まるかは言える段階ではない。中間貯蔵計画も進めていく。
(1-⑥)クレーン倒壊はお詫びをする。ちゃんと手を打たないといけないので、調査して手を打った。3月末に動かしていいことになったが、(対策していたので)5月再稼動になった。
(1-⑦)(再稼動を)急いでいるわけではない。慎重に工程を進めている。
A(質問2について)電力自由化で切り替えた割合は一般(小規模)で72万件だ。当社のグループ会社に切り替えた例もあるが、割合としては5%。切り替えた理由は価格、電源構成など。しっかりと考えていきたい。

Q 今後も関電離れは続くと思う。子どものときからお世話になっているので、義理はないけど、こういう事態は気になる。
A 電源構成でも(切り替えに)動くということは承知している。

Q それでも再稼動するのか。新電力に変えた人で、原発が嫌いな人は客としていらないということか。
A 5%は重大な割合なので必死で考えている。原発がいらないという人を切り捨ててよいとは思っていない。

Q 避難計画が作られても、仮に避難ができたとしても、大事故が起きれば何年も避難しなくてはならなくなることは明らかだ。それにもかかわらず再稼動するのか。再稼動は危険だ。何故いそぐのか。
A 当社としても安易に再稼働を進めれば会社として成り立たない。安全性を確認しながら一歩ずつ進んでいる。

Q 東電は批判にさらされている。東電は破産状態だが国に守られている。国に守られているから、いくら安全第一と言っても口先で言っているとしか思えない。
A(質問3について)福島の賠償金を託送料金に乗せるということは議論されている。意見書が出された段階だ。福島の分だけで、これから再稼動する分については対象外だ。

Q そのことはどこで確認できるか。
A 委員会報告で出されている。機構法(原子力損害賠償・廃炉等支援機構法)が福島の事故が起きる前にはちゃんとできていなかった。福島事故は機構法ができる前の事故だ。

Q モラルハザードではないか。決済済みの取引を遡るのは理不尽だ。それでは決済がいつまでも終わらない。モラルがなさすぎる。
A 過去分について、その分も見積もって考えていく。被害者の賠償を先に考えていく。

Q 東電では始末ができない。事故を起こした当事者責任をだれもとっていない。国の問題でもある。事故を起こしたら現場検証するが、炉心に近寄れないから今でもできていない。そのことは警告されていたのに安全と押し通してきた。当たり前のように進んできたことに我慢がならない。
A さまざまな意見があるが福島事故の被害者がきちんと賠償されればいいということしか言えない。

Q 福島事故では賠償を軽く見積もっていた。これからもどんどん増えるだろう。浪江町では高汚染地帯で山火事が起きた。今も想定外の事が起きている。(これからも起きることを)関電は今の時点で想定して進めているとは思えない。賠償額を現時点では見積もれないし、積み立てられないだろう。そうすれば関電は事故費用を負担できないのではないか。それなのになぜ再稼動するのか。
A 東電の概算は甘かったかもしれない。福島と同じことが起きることがないように、起こさない基準を敷いている。事故に至らない対策をしている。

Q 福島原発も多重防護で絶対に大丈夫だと言っていたのにあんな事故が起きた。関電は大丈夫と言う根拠はない。関電の経営はとても厳しい。しかしその出口を原発に求めることに経営の無能さを感じる。
A 原子力以外の取り組みもしている。

Q 現在発電していないのに3000億円も出費している。
A 原発を動かしたらどうなるか、動かすのにどれだけかかるかを考えて再稼動を決めている。

Q 原発を動かしたらどれだけ収益が上がるのか。収益で維持費を回収しようとしているのか。原発を再稼動しても100億円レベルの収益が出るだけだろう。40年超えの原発も含めて何基も再稼動して何とかしようとしているが、追いつかないだろう。
A 維持費の回収が再稼動の理由ではない。

Q 詳しい数字を知りたい。
A 経営上の戦略で出せない数字もある。

Q 関電は他社に比べて圧倒的な力を持っている。企業宣伝がいらないのに原発の宣伝までしてきた。その反省も無しに再稼動するのか。
A いまは総括原価方式の世界ではないので、状況が厳しくなっている。

Q 4号機をなぜ先に再稼動するのか。
A 作業工程の関係だ。3号機は一度再稼動したので、点検をしなくてはならないという法的制約があるが、4号機は動かしていないのでそれがいらない。

もう時間ですと立ち上がったが、ここで以下の「申し入れ書」を読み上げて提出した。

申し入れ書

高浜原発3、4号機を再稼動させないでください。
貴社は3月28日の大阪高裁の決定によって、高浜原発3・4号機の再稼動を進めておられます。大津地裁では、関電が2基の安全性の証明を尽くしておらず、地震・津波対策や避難計画にも疑問が残るなどと指摘し、滋賀県の住民が訴えた人格権の侵害の恐れを認めて稼働を停止するという判断でした。大阪高裁の判断はまったく大津地裁の判断を覆すものでした。このように正反対の司法判断が出た中での再稼動は無謀としか思えません。なぜ大津地裁のような判断が出されたのか、真摯に考えてみるべきです。
安全対策も道半ばで、住民の避難計画もなく、使用済み核燃料の処理についても全く見通しが立たないという中での再稼動はありえません。
貴社との話し合いでは、安全を最優先させているといつも表明されていますが、あまりにもミスが多すぎるのではないでしょうか。今年1月20日にはクレーンが倒壊し核燃料が保管されている建屋を壊すという考えられない事故を起こしました。フィルター付きベントもまだ取り付けられておらず、緊急時のための施設も完成していないということですが、再稼動は、安全より経営を優先させていると見受けられます。
今、私たちの最大の心配は、取り返しのつかない大事故が起きることです。
高浜原発3、4号機の再稼動を断念するよう強く申し入れます。

◆3月28日に行った関電との話し合いの記録

関電側;広報担当者ほか2名。
使い捨て時代を考える会;4名。

今回は以下の質問書を提出し、話し合いました。

質問書
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  1. 1月20日に起きた高浜原発2号機における大型クレーン倒壊事故について、プレスリリースを拝見しました。これについて質問します。
    • ①燃料取扱建屋と原子炉補助建屋の構造を教えてください。建屋内にはどのように燃料が保管されているのかも教えてください。
    • ②大型クレーンをたたむ作業はどのように行い、どれだけ手間を要することなのでしょうか。たたまずに済ませようとしたのは、費用の節約ではないのですか。
    • ③もし建屋が損傷したら、どのような事故になったかという予測をお聞かせください。
    • ④ささいな人為的ミスが事故に至るという事例と思いますが、貴社および元請会社は極めて危険な施設を取り扱っているという認識が甘いのではないでしょうか。
    • ⑤今回の事故を見て、自然現象への読みの甘さが第二の福島原発事故を起こすことになりかねないと懸念しますが、地震・津波・豪雨・豪雪・強風等すべての自然現象について十分に検討されていますか。
  2. 高浜原発緊急時対策所および耐震棟について質問します。
    • ①前回高浜1・2号の間に緊急時対策所が設置してあり、別途耐震棟をつくると聞きしましたが、それぞれどういう機能のものですか。
    • ②緊急時対策所には職員が寝泊まりすると聞きしましたが、職員の安全は確保できるのですか。
    • ③耐震棟は準備工事に入ったそうですが、いつまでにできるのですか。またベント付フィルター装置についても準備に入ったと聞きしましたが、いつまでにできるのですか。
    • ④全体で7300億円という工事費用は高浜原発全体の安全対策費用ですか。
  3. 大飯原発について質問します。
    • ①まもなく運転開始から40年となる大飯原発1.・2号機の運転延長を申請する方針であると聞きました。巨額の安全対策費が必要であるにもかかわらず、なぜ延長しなければならないのですか。老朽原発の危険性をどう認識していますか。
    • ②大飯3・4号機が新規制基準に適合しているとの規制委員会による審査書案がまとまり、貴社は再稼動を進める方向でおられますが、新基準については地震動評価で専門家の食い違いがあり、確実な安全性は誰も保証できない状況です。それでも再稼動するのでしょうか。
  4. 使用済み核燃料の処理・処分についての今後の見通しをどのように判断しておられますか。
  5. 電力自由化によってこれまで他社に切り替えた消費者はどのぐらいの割合ですか。原発に依存しない電力会社を選んだ消費者が少なくないと聞きますが、そのことについてどのように考えられますか。
  6. 原発事故処理費用のうち、賠償分について、「本来過去に積み立てておくべきであった費用」を、原発の電気を拒否する新電力も含めて、託送料金に上乗せして、2020年から40年間徴収する方向が出されていますが、福島原発事故の教訓があるというのに、さらに原発の再稼動を行って、それらが事故を起こした場合の賠償費用を新電力からもとろうというのは納得できません。貴社のお考えをお聞かせください。

以上
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話し合いの内容(Q;こちら側の発言  A;関電の発言)
Q 質問1(クレーン事故)について、燃料取扱建屋と原子炉補助建屋の構造を聞きたい。
A 構造は鉄骨、一部コンクリートで、取扱建屋には燃料プールがある。プールの上には空間があって、その上にクレーンが移動する構造がある。

Q 空間の高さは?
A 相当高い。港にあるようなクレーンが天井のキワにある。

Q 事故がひどかったらどうなっていたか。
A 規制庁でリスクを言われたのは、通信ケーブルのたぐいだ。今回腰壁が損傷し、変形したがそれ以上は大丈夫だった。

Q 事故は起きる。現場が気象警報を知らなかったとは驚きだ。
A 警報が作業後に出た。連絡体制に不備があり、ご迷惑をかけた。

Q ゼネコンに友人がいるがありえない事故だ、このような事故を起こしたら首になると言っている。大成建設が請け負っていたというが。
A 大成建設についての事情は言えない。

Q この近く工事現場のクレーンについても心配だが、原発はもっと危険性がある。
A 場所が、場所なので…。

Q 赤字が大きく、保安にお金をかけられないので下請けにしわ寄せが行ったのではないか。
関電職員の自殺は、1,2号機の申請で自殺されたとか。すごく急いでいるのではないのか。
A 自殺についてはここでは言えない。安全対策を値切ったと言われるが、お金をケチって事故を起こした方が損害は大きい。
A(1-②について)クレーンの倒壊は事前評価で42m/秒の風速で大丈夫ということだった。その評価で作業を終えた時に大丈夫ということだった。

Q 現地は無人だったのか。
A 直営社員は常駐しているが、クレーンの管理まではしていなかった。

Q 社員が管理するのか。
A 社員が直接管理はできないが、管理体制に関与する方向だ。

Q 他の場所でもか。
A 原発は電力会社が責任を負う。
A(1-③について)通信設備の不具合の可能性があったかもしれない。通信設備には複数あるが、衛星通信設備が使えなかったかもしれない。

Q どういう影響があるのか。
A バックアップ体制に影響あったかもしれない。

Q 一部の建物で無く高浜原発全体への影響か。
A そうだ。天井の近くにケーブルがあるから。大きな事故だったら、そういうこともあるかもしれないと規制委員会の委員が言っていた。

Q 原発はコストが見合わないのでは。東芝もアメリカなどの規制強化でコストがどんどん上がり、困っている。
A 東芝のことはわからないが、コスト面では運転期間とか回収期間とかいろいろ要因はある。

Q 投資と見合っているのか。
A 重要な電源として考えている。

Q 耐震棟について聞きたいが、免震棟ではなく耐震棟にしたとのことだが、揺れに耐えられるのか。耐震棟は着工しているのか。
A 緊急時対策所として既存の建屋内にある。高浜1,2号機の中にある。原発が動いていない場合に限る。1,2号機が動いたら建てる。基本設計がある。昨年から始めて3年かかる。

Q フィルタ付ベントはどうなっているのか。
A 5年間に作るというルールがある。平成32年までに作るので準備をしている。

Q 最大限の安全が確保できてから動かすべきだ。そういうコストをかけずに再稼動してお金を回収しながら進めるのか。
Q 耐震棟やフィルタ付ベントができても不安だ。規制委員会はどういうチェックをしているのか。
A 規制委員会で潰れそうになった電力会社もある。

Q 規制委員会は電力会社とつるんでいると思える。
A 規制委員会の範囲はとても広い。部門をあげてやっている。

Q 質問2について聞くが、免震と耐震は違う。
A 揺れに耐えるのが耐震で、福島は免震重要棟と言っていた。固有名詞だ。

Q なぜ免震でなく耐震なのか。
A 免震神話があったのではないかと言われている。関電としては耐震の方が技術が確立している。安全性もあって耐震とした。免震でなくても、耐震で機能が維持されると評価された。

Q 安全第一というが、コアキャッチャーを造ろうともしていない。
A 原子力のタイプで違う。溶融燃料を受け止めるために、水をはる機能はある。規制基準は、機能の要求で設備の要求ではない。

Q 水をはることができるのか確信がない。より強固な安全性を。
A 安全に投資している。

Q 避難場所の問題とかいろいろある。避難は国と電力会社の責任だ。体制が整っていないのに安全重視と言っている。
Q 賠償費用などが倍になった。20兆円以上となっている。新電力も負担するという。採算が合わないのではないか。福島原発ではカメラが入って2時間で壊れた。コストが膨らむ一方だ。
Q 福島原発では除染や終息作業の作業員がのべ12万人という。5ミリシーベルト/年を浴びて被ばくした作業員が1万人以上だそうだ。年間5ミリシーベルトで白血病の症状が出て、労災認定されている。6000人弱が今も毎日フクイチで働いている。東電社員がもっとも大量に被ばくした。関電も自社の原発で事故が起きたら、関電社員が最も被ばくすることになるだろう。そこまでして、なぜ原発を続けるのか。健康被害はどこまでいくかまだ分からない。どんどんコストが上る。リスクが高すぎる。
A おっしゃる通り、一番(被ばくするのは)は社員だ。

Q 命をかけてまでやるのか。そうなる前にやめた方がいい。
Q 耐震棟、ベントなどできてもいないのに再稼動は心配だ。
Q 働く人が減るだろうし、再稼動はしてほしくない。
Q 長崎出身だが、しばらくして影響が出たことを知っている。原発を動かすとさまざまなリスクが生まれる。
A すべてのリスクを考えてやっている。
A(2-④について)大飯も含め再稼動を進めているものについて8300億円だ。
(3-①について)大飯1・2号機の申請については最後の判断はしていない。
(4について)六ケ所の処理場が基本だ。

Q 稼動していないではないか。再処理工場の放射能の環境への放出は、1日で通常の原発の1年分であり、運転自体が危険だ。再処理自体をやめるべきだ。
A 六ケ所に関しては(稼働について?)もうすぐ発表される。中間所蔵所も考えてある。

Q いったいどこに作るのか。
Q いつ稼働させるつもりか。
A 粛々と準備している。

Q なぜ違う形で技術や資金を使えないのか。
A 原子力のみの会社ではない。
A(同席した他の社員)もう時間なので。

質問したことが多くて若干散漫なやり取りとなってしまいました。次回はもっと要点を絞ってのぞもうと思います。

◆2月6日に行った関電との話し合いの記録

関電側;広報担当者ほか2名。
使い捨て時代を考える会;4名。

今回は以下の質問書を提出し、話し合いました。
質問書
……………………………………………………………………………

  1. 1月20日に高浜原発1、2号機再稼働準備のための工事中に、15mほどの強風によって大型クレーンが倒壊し、2号機の原子炉補助建屋と、核燃料プールのある燃料取扱建屋の屋根を変形させるという大変危険な事故が起きたと報道されています。この程度の強風でこれほどの事故が起きるなど、工事の安全対策に大きな疑問を感じています。
    • ①この事故について詳しくご説明ください。
    • ②核燃料保管庫が大きな損傷を受けた場合、どのような事故に発展しうる危険性があるのか、お聞かせください。
    • ③このような事故が起きることが予測できなかったのでしょうか? 工事の安全対策についてお聞かせください。
  2. 緊急時対策所および耐震棟について質問します。
    • ①前回高浜1・2号の間に緊急時対策所が設置してあり、別途耐震棟をつくると聞きしましたが、それぞれどういう機能のものですか。
    • ②緊急時対策所には職員が寝泊まりすると聞きしましたが、職員の安全は確保できるのですか。
    • ③耐震棟は準備工事に入ったそうですが、いつまでにできるのですか。またベント付フィルター装置についても準備に入ったと聞きしましたが、いつまでにできるのですか。
    • ④全体で7300億円という工事費用は高浜原発全体の安全対策費用ですか。
  3. 使用済み核燃料の処理・処分についての今後の見通しをどのように判断しておられますか。
  4. 電力自由化によってこれまで他社に切り替えた消費者はどのぐらいの割合ですか。原発に依存しない電力会社を選んだ消費者が少なくないと聞きますが、そのことについてどのように考えられますか。
  5. 原発は本当に安いのですか。コスト計算の根拠を具体的に教えてください。原発は重大事故が起きれば甚大な被害が生じます。福島原発事故では被害総額は11兆円を超えたと言われています。たとえ重大事故が起らないとしても、発生する核廃棄物の後処理に莫大な費用が要します。何を指して「原発は安価」とされているのですか。
  6. 原発事故処理費用のうち、賠償分について、「本来過去に積み立てておくべきであった費用」を、原発の電気を拒否する新電力も含めて、託送料金に上乗せして、2020年から40年間徴収する方向が出されていますが、福島原発事故の教訓があるというのに、さらに原発の再稼動を行って、それらが事故を起こした場合の賠償費用を新電力からもとろうというのは納得できません。貴社のお考えをお聞かせください。

以上
……………………………………………………………………………
話し合いの内容(Q;こちら側の発言  A;関電の発言)
Q 質問1(クレーン事故)について聞きたい。
A 最終調査結果が出ていないのでしばしお待ちください。

Q 現時点で分かっていることを聞きたい。
A 高浜1、2号機の格納容器にトップドームという屋根を追加でかけることになった。40年超えなので工事をする。クレーン4台中の1台が倒れた。クレーンは第1段階、第2段階となっていて100メートルぐらいのところにトップがある。クレーンの全長は120mほど。おそらく風の影響で先端が燃料プールのある燃料取扱建屋に倒れたと思うが、原因は調査中。建屋の屋上の手すり壁(こしかべ)が破損した。建屋本体を点検したが、有意な損傷はなかった。

Q 瞬間風速も調査中か。
A クレーンのところの風速はわかっていない。

Q 雪が降って作業が中断したが、大丈夫か。
A 慌ててやることではないので…。

Q 倒れたのは想定外だったのではないか。
A(工事を請け負っていたのは)クレーン専門の会社だが、瞬間風速42m/秒でいけるとなっていた。

Q 怖い話だ。
A そこも調査中だ。

Q 当日は15m/秒だったと聞いているが、風速はわからないということか。
Q 想定外とすると、福島事故もそうだった。この程度で事故が起きるとは。大丈夫はずだと見積もっていたのに、クレーンが倒れるという大事故が起きてしまったということだ。関電が大丈夫だ、事故は起きないと言っても、信用できないというということになる。
A 調査中だ。42m/秒と評価していたが、風速がそれ以上だったのかどうかも含めて調査中だ。風速は地形の影響などもある。

Q 手すり壁の損傷で良かった。天井が壊れたかもしれないのだ。
A 壊れるか否かも調査中。

Q 建屋にどれだけ燃料があったのか。
A 259体あった。使用後のものと使用前のものがある。
A 今回は放射能の飛散はなかった。一番大切なのは燃料プールの水が保たれていることだ。水を確保するのが大事だ。

Q 背筋が寒くなる事故だった。核燃料のことを考えると大変なことが起きたのだ。
A 相当の耐震設計でできているし、たくさん何重もの給水システムも持っている。

Q 高浜1,2号機は保管庫での燃料棒のリラッキングをしているのか。つまり燃料プールの空きが少ないので、本来の隙間をさらに詰め込んで保管しているのか? 上からの衝撃があった時どうなるのか。
A この建屋はリラッキングの対象かどうかは記憶していない。影響を最小化するために放水して、空中に(放射能が)巻き上がらないようにする機能を備えている。

Q 放射能が出たら放水車のようなもので放水して放射能を落とすというやつのことか。あれで本当に効果があるのか?
A 効果があるということになっているので…。効果があるから設置しているのだろう。

Q 燃料は何本の燃料棒で1体になっているのか。組成は。
A 新品はほぼウランだが、使用済み燃料はプルトニウムが1%、ほかに悪さをするものが3%だ。

Q それぞれ何体あるのか。
A 使用済み215体、未使用44体。未使用には1回使ったもの、2回使ったもの、3回使ったものが混ざっている。

Q 完全に使ったものはプルトニウムが多くなると聞いている。(保管されている燃料は)プルサーマルのMOX燃料どころではないと、福島の環境創造センターの職員がいっていたが本当か?
A ウランが95%残る。残り5%がそのほかのものだ。

Q リラッキングされていると聞いているが、上からの衝撃は大丈夫なのか。
A全部が全部リラッキングされているわけではない。

Q 上からの衝撃で核燃料が詰まってしまうことないのか。詰まった場合に、臨界が起きるということはないとは思うが、どんな事故が起りうるのか。詰まってしまったらどうなるのか。
A 当然天井が抜けないようにすること、水を確保することは対策しているが、落下物については今は答えられない。すみません。起りうることとして水を確保することはきっちりやっている。

Q 崩壊熱で水と反応することもありうる。福島原発事故の例を考えると、燃料プールは直接外界と接しており、そういう意味では格納されている、熔融した炉よりも心配だ。
A 今回の事では心配をかけたことをお詫びする。

Q 孫が4人いるが心配だ。ニュースが流れたのが翌日だった。風向き考えたら京都に放射能が届いている。逃げられない。
Q ニュースに流すのが常に遅れるので信用できない。
A 大規模に拡散しないようにしている。

Q 当たり前だ。
Q あのような事故が起きるとは通常考えられない。普通、原発でなくても、工事現場でクレーンが倒れるなどあってはならない事故だ。街中でクレーンが倒れたら、大変な被害が出ることは明らかだ。それが、厳重な安全管理が必要なはずの原発の工事であのような事故を起こすとは、あまりにも安全対策が不備だということではないか。
A 申し訳ない。

Q このような事故が起きるわけがないと思っているところに起きた。原発が動いていなくても大事故が起きる可能性がある。ささいな事故でも怖い。風速15m/秒で起きるなんて話にならない。風力についてどこまでシュミレーションしているのか。
A 42m/秒ということで…。

Q100m上空の風速を想定していないのでは。事故から20日も経っているのにまだ調査ができていないのか。
A 報告書を出すのに時間がかかっている。規制庁などを意識して作るので。

Q 関電の状況把握に緊張が感じられない。社を代表して言っていると思うが。
A さまざまなところの確認をとったら報告を出す。

Q 事故報告について書面で回答してもらいたい。
A 文書としては出せないので、プレスリリースを見てもらいたい。

Q 100メートルのクレーンが倒れる事故が起きた。安全対策をしているということが信じられない。
Q たくさんの安全対策が必要な施設はやめてもらいたい。
A 今回の事故は申し開きできない。

Q 菅元首相は福島の時、避難で困っていた。的確な情報が伝わらないと避難もできない。
A(同席した社員が)もう時間なので。

100mのクレーン倒壊というありえない事故をめぐって、関電を追及した。さすがに言い訳はできないようだが、単純な事故なのに未だに調査報告ができていないことに不信感が募る。