◆関西電力 闇歴史◆097◆

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◆かつて関電などが計画した珠洲(すず)原発は阻止したが、
 今は志賀(しか)原発のある能登半島で大きな地震があいつぐ!
 [2] 2024/1/1には、震度7、M7.6 の能登半島地震で大災害
 【付 日本海側の大地震】
 【付 原発立地で「想定超えの揺れ」が頻発】

 [1] 2018年以来、群発地震が多発し、2023/5/5には、震度6強、M6.5 の地震
 【付 震度と長周期地震動】
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◆[2] 2024/1/1に、震度7、M7.6 の能登半島地震で大災害
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◆M7.6 の能登半島地震

・1/1の大地震の後、震度5以上の揺れが1週間以上もつづき、240人以上の死者、行方不明者、2万人を超える避難者がでている。直後には、多数の負傷者の救出が必要な状況で大混乱。珠洲市が4.5メートルの津波に襲われたのをはじめ、各地に津波が押し寄せた。大規模な火災の発生(輪島市)、家屋の倒壊(全半壊1000戸以上、住宅被害は7万棟こえ)、停電や断水や通信途絶などインフラの崩壊、山間部などで多数の地域の孤立などが発生した。深刻なのは、原発30キロ圏(約15万人)で最大8地区約400人が8日間孤立した。

・原発事故と重なった場合、即時避難は不可能であるし、倒壊もしくはその可能性のある家屋に屋内退避することもできない。土砂崩れや亀裂による段差の発生による道路の寸断(能登地方と金沢を結ぶ幹線の「のと里山海道」なども)(原発30キロ圏で道路の通行止めは16路線30か所)、のほか、空港、港湾などの交通も麻痺した。能登空港は滑走路にできた大きな亀裂を11日に応急処置し仮復旧、地震後10日たってようやく自衛隊機が離着陸できるようになった。民間機の運行再開は27日。港湾も8割が土地の亀裂、隆起などで機能を喪失した(1月末現在、県内69の漁港のうち60港で岸壁や防波堤が損傷、22漁港では海底の露出や水深の不足)。
▼しんぶん赤旗(2024年2月8日)

・観測地点によっては、11,760ガルの加速度(志賀町富来[とぎ]観測点で2828ガルを記録した地震動の加速度応答スペクトルで周期0.5秒以下の極短周期の加速度が、980ガル×12G=11,760ガル)を記録。原発が直撃されたら、どうなるのか。原発は、揺れの大きさに対して耐震設計基準が示されている一方、地盤のズレなどにより「原子炉建屋が傾いたり、損壊したりすれば壊滅的な被害となる」。配管にズレが生じると取水できず、核燃料を冷却できなくなる可能性もある。

・能登半島の北側の海岸部で3~4mもの陸地の隆起で海岸段丘が形成(志賀原発は隆起部分のわずか7kmほど南)。輪島市では約 4 m の隆起と約 1 m の西方向への変動、鹿磯[かいそ]漁港(輪島市)では 3.9 m の隆起と海岸線の海側への 250 mの移動、志賀町赤崎漁港では 0.25 m の隆起が報告されている。元東芝原発設計技術者の後藤政志氏は「メートル単位で上下や水平方向にズレが生じたら、計算するまでもなく原発はもたない」と指摘する。隆起は最大4メートルであったが、志賀原発の取水路の隆起想定は20センチ。
▼しんぶん赤旗(2024年2月18日)

・海底の断層の調査が十分に行われておらず、未知の断層(陸域の富来川南岸断層は認定されているが、それが海底にのびて志賀原発の沖合にまで至っている可能性)の指摘も。

・150キロに及ぶ震源断層とは20キロも離れた別の富来川南岸断層が連動して動いた可能性がある(約3キロにわたり最大50センチ程度の隆起と数十センチの横ずれを観測)。大きな地震の影響で付随的に動くため「お付き合い断層」ともよばれるが、約20キロも離れている例は、これまでにないという。
▼テレ朝news(2024年1月25日)

・珠洲市若山町の若山川沿いでも付随的に動いたとみられる断層が見つかっている。最大2メートルほどの段差が東西2キロにわたり確認された。調査が進めばさらに延びる可能性もあるという。能登半島をはじめ日本海の活断層にはまだ分からないことが多い。
▼東京新聞(2024年2月18日)

▼東京新聞(2024年2月18日)若山川沿いの断層

【付 日本海側の大地震】
 高浜、大飯、美浜、敦賀原発が立地する日本海側でも大震災が多発している。過去 100 年間に、新潟県から鳥取県の日本海沿岸では、マグニチュード(M)6 以上の地震が 13 回発生。M7 以上も、本年の能登半島地震の他に、次の4回が発生。
(1) 鳥取地震 1943 年 9 月 10 日 、鳥取県東部を震源とした M7.2の地震。当時の震度階級としては最大の震度 6 を記録。死者・行方不明者 1,083 人。家屋全壊 7,485 棟。
(2) 福井地震 1948 年 6 月 28 日、福井市の北北東約 10 km を震源とした M7.1 の地震。当時の震度階級としては最大の震度 6を記録。死者・行方不明者 3,728 人。家屋全壊 35,382 棟(福井市では、80%の住家が全壊)。
(3) 新潟地震 1964 年 6 月 16 日、新潟県粟島南方沖約 40 km を震源とした M7.5 の地震。死者 26 人。家屋全壊 1960 棟。石油タンク 143 基が延焼。
(4) 鳥取県西部地震 2000 年 10 月 6 日、鳥取県西部を震源としたM7.3 の地震。家屋全壊 435 棟。
【付 原発立地で「想定超えの揺れ」が頻発】
2005年以降に8回も、原発立地で「想定超えの揺れ」が頻発する“呆れた理由”
2024/3/1(科学ジャーナリスト:添田 孝史)→こちら
・揺れの想定超えは、宮城県沖地震(2005年)の際に東北電力女川原発で初めて観測されて以来、志賀原発(2007)、東京電力柏崎刈羽原発(2007)、中部電力浜岡(2009)、女川・東電福島第一・日本原子力発電東海第二(2011)で起きています( ↓ 年表)。
・日本では、今世紀中には確実にやってくる南海トラフ地震、その前に増える内陸地震など、大地震が続きます。古い科学の知識で設計された原発を、どうも信頼しきれない電力会社に再稼働させるより、安くなっている再生可能エネルギーに切り替えた方が安全でしょう。

◆石川県 地域防災計画

・能登半島沖で想定される地震については、27年前に設定された能登半島北方沖を震源とするマグニチュード7.0の地震を想定。今回の地震よりも規模が小さく、「ごく局地的な災害で災害度は低い」と評価していた。
・また、被害想定も、
  死者が7人
  建物の全壊が120棟
  避難者が2781人
などと、今回の地震と比べて大幅に下回る想定となっていた。
・県の防災会議の震災対策部会で委員を務める地元の研究者からは2011年4月に、地震想定の見直しを求める意見書が県に出されていたが、県によると、見直しに着手したのは去年8月になってからであった。

◆志賀原発への影響

・地震発生以来、志賀原発をめぐる北陸電力の発表が訂正を重ねているため、経産省は正確な情報発信を指示した(1/10)。火災が発生したとの発表が取り消されたり、変圧器の油漏れの量について、訂正が重なっていた。

・なお、2026年1月までの再稼働を目指す志賀原発2号機は、敷地内の断層をめぐり、原子力規制委員会の審査が長期化。審査申請から8年半となる2023年3月にようやく「活断層ではない」と認められたばかり。2023年12月28日、経団連の十倉雅和会長が訪れ、格納容器内にまで入って視察、「一刻も早く再稼働できるよう心から願っている」と述べた。その4日後に、能登半島地震がおこっている。

・志賀原発には以下のような影響が!……(1)~(8)は、1月初~中旬の主に朝日新聞記事より

(1) 1、2号機の使用済み核燃料プールから汚染水があふれた。

(2) 1号機核燃料プールの冷却ポンプが約40分間停止した(給水停止)。原子炉内に核燃料はないが、燃料プールには1号機に672体、2号機に200体の使用済み核燃料が貯蔵され、冷却されてる。ただし、運転の停止からは13年近くがたっていることから核燃料の発する熱は大幅に下がっていて、北陸電力によると、仮に冷却が停止した場合、プールの水が蒸発する温度に上がるまでには1号機が17日間、2号機は29日間かかるとの計算。

(3) 1、2号機の外部電源を受け入れる変圧器の油漏れが大量に発生した(当初、1号機で3600リットル、2号機で3500リットルと発表されたが、後に2号機では1万9800リットルと訂正)。原発に隣接する海面には油膜ができた。また、原発が動いていたら、電源ケーブルのスパークで火災が発生した可能性があると指摘されている。原発が停止中で、ケーブルを流れる電流量が少なかったことが幸いしたとみられる。

(4) 外部電源の一部回線(3系統5回線のうち1系統2回線)が使用不能となり(1月末でも使用不能)、完全復旧にはかなりの時間を要する見込み(1回線は変圧器の修理部品がなく最低でも半年との報道)。ただし、非常用ディーゼル発電機の燃料は7日分の備えあり。

(5) 敷地内に引き込んでいる冷却用の海水の水位が3メートル上昇した。なお、押しよせた津波の高さは3メートルあったが、原発敷地は標高11メートルにあるので、影響はなかったとしている。

(6) 周辺(おもに原発北側15~30キロ)に設置したモニタリングポスト18か所の線量計のデータが確認できなかった(モニタリングポストは能登半島全体で120か所)。通信トラブルとみられる。原発から30キロ圏は事故時にはモニタリングポストの実測値で避難するか屋内退避かの判断がなされることになっているので、線量が不明というのは、致命的な結果を招く可能性がある。

(7) 津波対策として、海水を引き込んでいる水槽の周囲に設けた高さ約4メートルの防潮壁の一部が数センチ傾いた。

(8) 1号機原子炉建屋近くで道路の段差が発生した。

【その後、非常用ディーゼル発電機】

(9) 1月17日には、試験運転を行っていた志賀原発1号機の非常用ディーゼル発電機1台が運転開始から15分後に自動停止した。試験運転は、16日に志賀町で震度5弱の揺れを観測する地震が発生したことを受けて、異常がないか確認するため、1台あたり80分間かけて行っていた。なお、1号機、2号機あわせて、ほかに4台ある非常用発電機には異常はみられなかったとのこと。北陸電は自動停止の原因について地震の復旧作業で通常とは異なる電気系統に接続した結果、電気の流れ方が変わったと説明。これに対し、原子力規制委員会の山中伸介委員長は31日の記者会見で「一種の人為的ミス。(北陸電の)検討不足、考察不足。電気回路をしっかり検討していれば防げた」と指摘した。

【その後、放射線防護施設】

(10) 志賀原発30キロ圏にあり、事故時に高齢者らが一時避難する21の放射線防護施設のうち、能登半島地震で6施設に損傷や異常が起きていた。うち2施設は使えずに閉鎖し、病院など別の2施設は患者らを移した。閉鎖した1施設は被ばくを防ぐ機能を維持できず、残る5施設も地震後、長期間、機能の確認ができなかった。断水は全21施設で起きた。(2/21共同通信→こちら
▼新潟日報(2024/2/21)より

◆基準地震動との関係

・日経新聞など…原発には施設や設備ごとに考えられる最大の揺れがあり、構造物ごとに揺れの大きさを示す加速度(ガル)を想定する。

1、2号機の原子炉建屋の基礎部分で揺れが想定を上回った。東西方向の0.47秒の周期で、1号機では918ガルの想定に対し957ガル、2号機では846ガルに対して871ガルであった。ただし規制委は、0.47秒という周期の振動は原発の安全機器が揺れやすい周期ではないとしている。北陸電力は、1号機の原子炉建屋地下で、399.3ガルを記録したと発表している。

・志賀原発の基準地震動との関係で、以下、井戸謙一弁護士のFB投稿→こちら

・志賀1,2号機とも、原子炉建屋基礎下端における東西方向の水平動が、周期0.47秒付近で1000ガル弱に達し、福島事故前の耐震バックチェック時(2006年に新耐震設計審査指針が定められたことから原子力安全・保安院の指示で北陸電力がバックチェックをした時)の基準地震動(Ss-1)を上回りました(なお、志賀1号機は廃炉が決まっていますから、これに代わる基準地震動はなく、志賀2号機は新規制基準での適合性審査に合格していませんから、新しい基準地震動は決まっていません)。……一部で超えています。たまたま、その周期付近を固有周期とする安全上重要な施設がなかったので、大事には至らなかったようです。この点からも、今回は、極めて幸運でした。

・志賀原発の基準地震動との関係で、以下、若狭連帯ネットワークの指摘。基準地震動を問題にする場合には解放基盤表面で定義された基準地震動と岩盤中(EL-10m)の地震観測記録のはぎとり解析結果とを比較するのが正しいやり方。
・はぎとり解析、はぎとり波とは→こちら

・志賀原発敷地内岩盤中地震観測記録が、周期0.4545秒で979ガル(EW方向:はぎとり解析なし)を記録し、基準地震動(耐震バックチェック時のSs-1)の同周期で969ガルを超えた(岩盤中記録をはぎとり解析すれば1.8倍程度に大きくなり広範囲の周期で基準地震動を超える)
・志賀原発北北西9kmの富来川南岸断層が連動して3km以上の地震断層が現れ、数km西のK-Net 富来観測点(志賀原発から11km北北西)で地表最大加速度2,828ガル(3成分合成値)を記録した(地震基盤波のはぎとり波は、この半分程度で1,000ガルを超える)

◆珠洲原発との関連

・さらに、建設されなかった珠洲原発との関連も、改めて注目されている。

・「幻の珠洲原発は原発集中立地計画だった、珠洲原発を阻止した人びとが日本を救った」小坂正則(脱原発大分ネットワーク「つゆくさ通信」第182号、2024年1月20日)→こちら[2 MB]

・北野進氏講演会 能登半島地震!
   (志賀原発を廃炉に!訴訟・原告団長)
   2024/2/18/14:00〜
   こちら

◆能登半島地震の教訓

・井戸謙一弁護士…3つの幸運と2つの教訓

幸運1…志賀原発は震度7を免れた。K-net富来[とぎ]観測点2828ガル、志賀原発地下2階399ガル
幸運2…志賀原発敷地は隆起を免れた
幸運3…とんでもない短周期地震動に襲われなかった~富来観測点の地震記録の特徴
教訓1地震については、まだよく分かっていない…①活断層の存否、位置、規模、②活断層の連動の可能性、地盤の隆起、③地震動の規模。
教訓2避難計画は絵に描いた餅…①屋内退避ができないこと、②交通(道路、港湾、空港)が途絶し避難ができないこと、③放射線量が分からないこと、④安定ヨウ素剤の配布ができないこと、⑤自治体の職員が被災者になってしまい住民避難対応をする余裕がないこと。

◆風力発電にも大打撃

・石川県能登地方で稼働している73基の風力発電施設すべてが、能登半島地震で運転を停止した。風車のブレード(羽根)が折れて落下したほか、施設を動かす電源が使えなくなり、半数超で運転再開の見通しが立っていないとのこと。(東京新聞、3月11日)
 
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◆[1] 2018年以来、群発地震が多発し、2023/5/5に、震度6強、M6.5 の地震
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◆関電などが計画していた珠洲(すず)原発は阻止したが、
 もしここに原発ができていたら、
 最近の群発地震、震度6強、M6.5 の地震(2023/5/5)で大丈夫か(>_<)?
 住民「揺れるたび、珠洲に原発なくてよかったと思う」
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◆珠洲原発

・珠洲原発は、石川県珠洲市に建設する計画であった原子力発電所。北陸電力、中部電力、関西電力の電力会社3社による共同開発として取り組まれたが、1975年の計画浮上から29年目の2003年12月、地元から反対運動、産業構造の変化、景気低迷などにより、電力会社側が計画を凍結した。

・中部電力は珠洲市三崎町寺家(じけ)で、関西電力は珠洲市高屋町でそれぞれ立地を計画し、北陸電力が地元の調整役を担うという役割分担の下、3電力の共同開発として進められる。1993年、寺家地点、高屋地点を特定せず、珠洲地点として135万kW級2基を建設し2014年運転開始をするとの計画で国の要対策重要電源の指定を受ける。


▲「珠洲原子力発電所計画の凍結について」(2003年12月5日)より(→ こちら)。
ただし志賀原発の位置は加筆。

・以下、計画の始まりから凍結まで。おもに関電の動き
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・1975年11月…珠洲市議会が「調査要望書」を議決。
・1976年3月…資源エネルギー庁が珠洲市高屋町と三崎町寺家の両地区で地質調査を開始。これをうけ、北陸電力、中部電力、関西電力3社は同月、共同調査のためのプロジェクトチームを編成、原子力立地に向けた調査活動を開始。
・1984年4月…電力3社が「珠洲電源開発協議会」を開設
・1988年12月…北陸電力、関西電力が珠洲市に高屋地区での立地可能性調査を申し入れ
・1989年5月…関西電力が高屋地区での立地可能性調査に着手したが、建設反対派住民が珠洲市役所内で座り込みを開始。翌月、関西電力は立地可能性調査を一時見合わせ(以後、調査再開に至らず)。
・1996年5月…1993年に実施された珠洲市長選挙の無効訴訟で最高裁が上告を棄却。推進派の当選無効が確定。
・2003年12月…電力3社が珠洲原発計画の凍結(事実上の撤退)。
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◆珠洲市で地震多発

・2023/5/5、石川県珠洲市で、★震度6強M6.5の揺れを観測する地震が発生。能登半島では2018年以来、地震回数が増加し、群発地震が継続している。珠洲市では2021年以後、M5以上の地震が4回もおきているが、今回、5/5にM6.5、その後の余震でM5.8、M4.9などを記録。火山などのないこの地域の地震は、地下の流体が原因ではないかと報道されている。
・珠洲原発建設予定地であった三崎町では、★震度5強、★長周期地震動(揺れが1往復するのにかかる時間が長い大きな揺れ)階級3 が、記録された。

【付 震度と長周期地震動】
震度こちら
・6強…はわないと動くことができない。飛ばされることもある。固定していない家具のほとんどが移動し、倒れるものが多くなる。耐震性の低い木造建物は、傾くものや、倒れるものが多くなる。大きな地割れが生じたり、大規模な地すべりや山体の崩壊が発生することがある。
・5強…物につかまらないと歩くことが難しい。棚にある食器類や本で落ちるものが多くなる。固定していない家具が倒れることがある。補強されていないブロック塀が倒れることがある。
長周期地震動こちら
・階級3…立っていることが困難になる。キャスター付き什器が大きく動く。固定していない家具が移動することがあり、不安定なものは倒れることがある。間仕切り壁などにひび割れ・亀裂が入ることがある。

◆住民の声

珠洲原発反対の運動に取り組み、現在も志賀しか原発に反対する運動をになっている北野進さん(「志賀原発を廃炉に!訴訟」原告団長、珠洲市在住)は、Facebookで、以下のように書いている。
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・ここ2年半、ほぼ3日に1回の地震。「揺れるたび、珠洲に原発なくてよかったと思ってる」との声を聞きます。
・6日に開かれた政府の地震調査委員会臨時会後の記者会見で平田直(なおし)委員長(東京大名誉教授)は「地下では、まだ私たちの理解が及ばない現象が起きている。引き続き研究を深めていく必要がある」と述べています。
・最も心配なのは地下の流体が能登半島北部沿岸域を走る断層帯を動かすケースです。この断層帯は北陸電力の評価では96 kmとされています。この断層帯が動くと能登の住民としては想像したくもない大地震となり、志賀原発への影響も否定できません。周辺断層の活動の影響を審査する今後の規制委の審査会合に注目です。理解できないことをさも理解できているかのように議論を進め「重大な影響はなし」と結論付けることは許されません。
・ちなみに珠洲原発の計画があった当時はこの断層帯の存在は明らかにされていませんでした。関電の予定地・高屋や中電の予定地・寺家のすぐ近くを走っています。断層帯の存在がわかっていればもっと早く珠洲原発の計画は中止になっていたと思います。
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◆参考サイト

【参考サイト(1)】
関西電力の「珠洲原発」用地先行取得の舞台裏と検察OBコネクション
村山 治(朝日新聞「論座」> 法と経済のジャーナル)
2020年02月14日【シリーズ】関西電力元副社長・内藤千百里[ちもり]の証言
こちら(なお、朝日新聞「論座」サイトは2023年7月末に閉鎖、「Re:Ron」に移行)

朝日新聞「論座」 > 法と経済のジャーナル
以下、関電に関連した記事は、事件記者の目(村山 治)より。

      1. 関西電力元副社長が告白、トラブル解決で森山助役に依頼した県への圧力
        2020年03月07日
      2. 関西電力元副社長が語った中曽根、福田ら元首相への「盆暮れ」は漢方薬
        2020年03月01日
      3. 関西電力首脳から歴代首相への政治献金と原発建設ラッシュの関係は?
        2020年02月21日
      4. 関西電力の「珠洲原発」用地先行取得の舞台裏と検察OBコネクション
        2020年02月14日
      5. 関西電力と竹下蔵相、後藤田官房長官、磯田住銀会長、平和相銀事件
        2020年01月02日
      6. 関電元副社長の語る大物右翼との親密、暴力団幹部との会合
        2019年12月26日
      7. 関西電力元副社長「うるさい人が味方になったらこれはすごい」
        2019年12月19日
      8. 関電最高実力者側近だった元副社長が語る森山助役との出会いと腐れ縁
        2019年12月12日

【参考サイト(2)】
原発と関電マネー 立地「工作班」の証言
(全5回)→◆037◆
石川県・能登半島の最北端で、かつて関西電力が進めた原発計画。現地で展開された数々の「工作活動」を元社員が証言。原発立地をめぐる電力会社の水面下の動きとは。

【参考サイト(3)】
石川県珠洲群発地震と志賀原発・珠洲原発
| 2023年5月5日の地震は仮に珠洲原発が稼働中なら
| 旧耐震指針の「直下地震」タイプの可能性
└──── 今井孝司(地震がよくわかる会 → こちら
→志賀原発_諸問題(珠洲群発地震、珠洲原発、運転差し止め判決、能登半島地震等)関連記事
(同上サイト→こちら
→珠洲群発地震と志賀原発・珠洲原発
(同上サイト→こちら
  
つくづく、この地に、珠洲原発2機(135万kW)が建設されてなくてよかったと、心底思います。今回の地震の震源と建設予定地の位置を地図上にプロットしてみましたが、まさに、旧耐震指針で、直下地震として、定義したマグニチュード6.5と同じであり、距離10キロ以内でこそありませんが、10数キロであり、ほぼ、定義通りの直下地震といえるでしょう。

◆096◆←←関西電力 闇歴史→→◆098◆