老朽原発うごかすな!実行委員会」カテゴリーアーカイブ

◆9/8 おおい町議会報告 ◆9/21 MOX燃料搬入に抗議

【2017年9月22日,京都キンカンで配付。】

報 告

9月に入って以下2つの現地行動が行われましたので、その様子を報告します。

① おおい町議会「原子力発電対策特別委員会」(9月8日)にあたっての要請・抗議行動と同会の傍聴

② MOX燃料の高浜原発への搬入に当たっての抗議行動と関電への申入れ(9月21日)


9月8日おおい町議会「原子力発電対策特別委員会」

◆9月8日13時30分より、標記の特別委員会が、大飯原発再稼働への賛否を審議するために開催された。町長はこの審議結果を再稼働容認の拠り所にしてようとしている。

◆同日正午に、関西各府県および福井県内からおおい町役場前に結集した42人は、役場前で「再稼働を許すな!」の要請行動を行い、特別委員会が再稼働容認を決定した後には、この暴挙に断固として抗議した。

◆また、参加者の一部は、特別委員会の傍聴も行った。以下の「傍聴記」で述べられているように、委員会では全ての委員が「再稼働ありき」で用意してきた意見を述べ(ほとんどが読み上げ)、討論は全くなく、その翼賛会議ぶりには唖然とさせられた。町民の安全安心など頭の片隅にもない町議のみで構成される議会を持つ町民は、不幸としか言いようがない。

おおい町議会原子力発電対策特別委員会 傍聴記

大津市 澤田たか子

2017.9.8  13:30~  於:全員協議会室
◆協議事項:大飯発電所3,4号機再稼働に関する意見集約について
◆傍聴番号10番の私は、後で地元の方が来られ、立傍聴を認められた。できるだけ、発言しておられる委員の表情を知りたいと思って臨んだため、正確にメモを取れたわけではないので、ご容赦願いたい。

1.各委員、個人の考えを表明 (順不同)

◆委員①…5.24、大飯原発3、4号機が新規制基準を満たし、科学的見地を示された。8.31、視察をし、所長の安全対策に関する強い決意を聞いた。
(この後、「何故この時期に急いで会議を開くのか? 福島の現実を見よ!」と傍聴席から発言があり、一時中断。―――再開)

◆委員②…日々、住民の意見を聞いてまわった。大多数は地元経済の活性化を望んでいる。賛成。

委員③…規制委員会が厳格に審査された。基準値振動、津波対策など、そのつど理解できた。8.31現地で確認できた。関電常務の安全に対する決意を評価できる。町民の再稼働要望は多い。国や関係機関へ7項目要望する決議もした。同意。

委員④…福島原発事故を教訓に、世界で最も厳しい基準がつくられた。8.31関電は、社員に絶対事故をおこさないよう徹底されていた。7.20の町民説明会でも住民は概ね賛成だった。同意。

委員⑤…原発ができて40年たち、町民として誇らしく思う。40年間地元の経済や雇用を支えてきた。住民の思いはあるが、国でもいわれるように、原発を今すぐなくすことは難しい。原発が動かない事への不安があったが、動かしたらよいという人が多い。安全対策に関して、一般住民へ、議員にするのと同じように、継続的に説明すること。廃棄物問題は、国へ強く求めることが大事。同意。

委員⑥…町民への説明会も行われ、規制庁のビデオを見て住民も十分理解した。国民全体への理解を深めること、防災強化に取組むことを前提として、同意する。

委員⑦…町民の声としては、避難道路の整備、避難計画の改定を重ねてもらいたい。不安をもちながら、常に安全を求め、再稼働すべき。

委員⑧…十分な説明をうけ、現地でも確認できた。素人ながら、住民と話し、再稼働すべき。今後、使用済み廃棄物、最終処分については、国の責任でされる。万一事故が起きた場合、避難についても分かりやすい説明をすべきである。同意。

委員⑨…安全性の確認に関して、以前のレベルより数段高い規制基準になった。40年間国策に則り、基幹産業として経済界を支えており、誇りをもって原発で働いている。安定した電力を供給してきた。広域避難訓練を充実すべき。国が前面に立ち、責任をもってもらえる。国から求められる限り再稼働すべき。

委員⑩…安全対策は大丈夫か、避難経路は大丈夫か、使用済み燃料問題の課題はある。絶対事故を起さない姿勢は示された。自分は素人。新規制基準を信じるしかできない。基幹産業の原発が廃業ともなれば、経済が委縮し、人口も減少する。原発と共存共栄。賛成。

委員⑪…(お一人発言されたが、先の発言者にあきれて、メモ取れず。失礼しました。)

委員⑫…福島原発事故を教訓にした、世界一厳しい規制基準が定められ、合致できた。町の活性化と安心安全のため、再稼働に向けた6団体から要望もだされている。同意。

〈委員長の集約〉

再稼働に関しては、厳しい規制基準があり、4年間慎重に審議してきたこと、委員全員同意の発言をふまえ、委員会として同意に賛成する。(「異議あり」の傍聴席からの不規則発言あり。)

〈私・傍聴者の感想〉

◆この特別委員会を設置する必要性は、「まず住民の安全確保を第一に、原子力発電にかかわる諸問題の調査等を行い、かつ地域の振興や福祉等も考慮しながら取組んでいくこと」とされている。本会議でも原発関係の一般質問が毎議会行われているが、国の動向を確認し、原子力発電所を見、町が関係機関に要請をすれば、議員はそれで了とできるのだろうか。町民は、議会だよりでみて満足できているのだろうか?

◆真に住民の安全を確保するためには、おおい町議会議員のみなさんに福島第1原発事故から今日までの住民生活・自治体の維持・地勢や産業などの現実や、責任体制を直視していただきたいし、関西電力圏内にいる私たちも、立地自治体の住民のみなさんとともに、よく考え、将来にわたって安心できるエネルギー政策への転換を急ぐべきだと強く再認識した。

〈蛇 足〉

◆おおい町議会基本条例では、第1条で議会への民意の反映と議会の情報公開を充実させ、議決機関としての責任を果たすことを目的とし、第2条3項では、町民の多様な意見を的確に把握し(以下省略)とあるが、この会議では、どの委員も、多様な意見でなく、多数の意見を反映されたため、委員間論議もなく、結果的に再稼働同意になった。

◆「異議あり!」は不規則発言であっても、価値があったと思う。
特別委員会でも会議録に準ずるものを公表すべきである。


9月21日MOX燃料搬入に抗議

◆9月21日早朝6時半過ぎ、ウラン燃料より原発重大事故の確率を格段に増大させ、使用済み燃料になった時、発熱量、放射線量が減衰し難いMOX燃料が、武装した運搬船で、戦艦に守られて、フランスから、高浜原発に搬入された。

◆この早朝、高浜原発のある内浦湾の入り口の駐車場には、関西、福井から30数名が結集し、断固糾弾の声を上げた。さらに、原発先の展望台に移動し、展望台から原発北ゲートまでデモ行進した後、2時間にわたるゲート前抗議闘争を貫徹した。抗議集会の中では、参加者ほぼ全員が、「原発全廃」の思いを高浜原発に向かって、声高らかに訴えた。また、関電には「プルサーマル発電の即時停止と原発全廃を求める申し入れ」を行った。


申入書

関西電力株式会社
取締役会長 八木 誠 殿
取締役社長 岩根 茂樹 殿
高浜発電所長 宮田 賢司 殿

プルサーマル発電の即時停止と原発全廃を求める申し入れ

原発が極めて危険な装置であり、原発重大事故が悲惨極まりない被害をもたらすことは、チェルノブイリ原発事故、福島原発事故が教えるところです。したがって、最近のほとんどの世論調査でも、脱原発の声は原発推進の声の2倍以上です。今、脱原発は圧倒的な民意です。

一方、東芝破綻の例を挙げるまでもなく、原発は、事故対策費や使用済み核燃料の処理・処分費を考えれば、経済的にも成り立たないことは明らかです。そのため、国際的にも、イタリア、ドイツに続いて、リトアニア、ベトナム、台湾が脱原発を決意し、スイスが原発新設禁止を国民投票で決定しました。アメリカも原発縮小に向かっています。

それでも、あなた方・関西電力は、原子力規制委員長までもが「安全を保証するものではない」と言う“新規制基準”を“安全基準”と主張し、これに適合したから高浜原発は安全として、去る5月、6月に4号機、3号機を再稼動させました。

高浜原発3,4号機は、危険性が特に高い、一部MOX 燃料原子炉です。MOX燃料では、燃料被覆管が破損しやすく、MOX燃料は溶融しやすく、不均質化しやすく、超プルトニウム元素を生成しやすく、そのため、原子炉の制御が困難になり、とくに、一部の燃料をMOX に置き換えれば、事故の確率が増えることは、多くが指摘するところです。また、使用済みMOX 燃料の放射線量、発熱量は減少し難く、長期の水冷保管を要し、保管時の危険度が大きくなることも良く知られているところです。それにも拘らず、関西電力は、今回も含めて、次々にMOX燃料を搬入し、さらにMOX燃料の割合を増やそうとしています。高浜原発の危険性はますます増加しています。なお、原子力規制委員会の新規制基準適合審査における重大事故対策の有効性評価の解析対象は、ウラン炉心のみであり、MOX炉心については何ら評価されていません。杜撰極まりない審査といわれるのも当然です。

ところで、若狭の原発で福島級の重大事故が起これば、若狭や京都、滋賀の北部はもとより、京都府、滋賀県の全域、関西のかなりの部分が放射性物質に塗れる可能性があります。この地域の500万人を超える住民が避難対象になりかねません。避難は不可能です。

一方、福島原発事故以降の経験は、原発が無くても電気は足りることを教えています。さらに、経産大臣の認可機関である「電力広域的運営推進機関」までもが、原発は無くても、現在も10年後も、電気は十分足りること、すなわち15%以上の余裕があることを認めています。不要な原発を稼働させて、事故のリスクに怯える必要はないのです。あなた方が原発を動かすのは、人の尊厳、生存の権利を犠牲にしても、経済的利益を優先させよう考えているからです。金儲けのために原発を動かすことは、倫理に反します。私たちは、事故の不安なく、安心して生活できる社会を求めます。

原発は、事故の確率の高い、人類の手に負えない装置です。関西電力が進めるプルサーマル発電は、重大事故の確率が特に高い発電法です。二度と福島のような事故を起こさないために、プルサーマル発電の即時停止と全ての原発の早期廃炉を求めます。

私たちは、原発の危険性を再三にわたって指摘してきました。あなた方が、この指摘を無視して、原発を運転して事故が起ったら、それはあなた方の故意による犯罪です。許されるものではありません。

あなた方が、あくまで再稼働を進めるならば、私たちは、あらゆる手段で、粘り強く全原発の廃炉まで闘うことを宣言します。

2017年9月21日
原子力発電に反対する福井県民会議
若狭の原発を考える会
MOX燃料搬入を許さない!緊急現地集会参加者一同


2017年9月22日

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

◆9月20~22日頃、高浜原発にMOX燃料が搬入!MOX燃料搬入を許さない!

【2017年9月15日,京都キンカンで配付。】

9月20~22日頃、高浜原発に
MOX燃料が搬入されようとしている!
断固とした抗議に起とう!

MOX燃料の製造と輸送

◆関電は、2008年に原子燃料工業(原燃工)を通して、原燃工が委託契約しているアレバNC社(フランス)に2回、計48体のウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料の製造を発注していたが、アレバNC社は、16体の製造を今年3月に終えた。この16体は、高浜原発4号機に使用されるもので、7月6日にフランス・シェルブール港から積み出され、9月19日に高浜原発に搬入されようとしている。今回の高浜原発向けMOX燃料には、736キログラムのプルトニウムが含まれる。燃料輸送にあたっているのは、2隻の軽微な武装を施した輸送船、パシフィック・ヘロンとパシフィッグ・イグレットである。

◆なお、関電は、今年7月31日にも、高浜原発3、4号機用のMOX燃料32体の製造契約を原燃工と結んでいる(原燃工は。アレバNC社に製造を発注)。MOX燃料の製造契約は、東電福島第1原発事故後、全国で初めてである。発電所での受け入れまでに2~3年かかる見通しという。関電は国内外に8.7トンのプルトニウムを保有しており、今回発注の32体で約960キログラムを利用する。

MOX燃料とは?

◆ほとんどの原発[普通の水(軽水)で冷却されるから軽水炉といい、沸騰水型(BWR)と加圧水型(PWR)がある]では、燃料としてウラン酸化物(二酸化ウラン)を用いている。この燃料のウランは、天然にあるウラン(天然ウラン:ウラン235約0.7%、ウラン238約99.3%を含む)とは異なり、核分裂し易いウラン235を2~5%(通常約4%)になるように濃縮したものである。ウラン235が核分裂したとき放出される中性子をウラン燃料の主成分=ウラン238が吸収するとウラン239になるが、ウラン239は、2度のβ-崩壊(電子の放出)を経てプルトニウム239に変化する。そのプルトニウム239も核分裂する。その結果、発電量全体に占めるプルトニウムによる発電量は平均約30%となる(プルサーマル発電を行わない場合でも、運転中の軽水炉の中にはプルトニウムが存在している)。

◆一方、MOX 燃料は、ウラン238とプルトニウム(239が主体)の混合酸化物 (Mixed Oxide;MOX) であり、プルトニウムの富化度(含有量)は4~9%である。MOX燃料は、原子炉で使い終えた核燃料を溶解して、燃え残ったウランや新たにできたプルトニウムなどを分離抽出して(再処理して)つくる。すなわち、MOX燃料の製造には、危険極まりない再処理が不可欠である。

◆MOX燃料の値段は公表されていないが、通常のウラン燃料の約9倍の燃料棒1本あたり9億円程度とも言われている。燃料集合体1体は、例えば264本の燃料棒で構成される。

◆なお、高速増殖炉でもMOX燃料が使用されるが、プルトニウムの富化度は20%前後である。

プルサーマル発電とは?

◆プルサーマル発電とは、プルトニウムを一般的な原子炉(軽水炉)で燃やす発電方法のことであり、MOXを燃料としている。プルサーマルという用語は、プルトニウムの「プル」とサーマル・ニュートロン・リアクター(熱中性子炉)の「サーマル」を合わせた和製英語である。サーマル(熱運動する)・ニュートロン(中性子)すなわち熱中性子とは、高速で原子核から飛びだした中性子が、冷却材である水(軽水)の水素に衝突し、水素を跳ね飛ばしながら熱運動の速さまで減速した中性子のことである。この速度に減速された中性子は、ウラン235やプルトニウム239に吸収されて、これらを核分裂させる。なお、熱運動とは、水中でインクが拡散したり、空気中で匂い物質が拡散するような速度の運動である(温度が高いほど速い)。

◆プルサーマル発電において、原子炉内の燃料の1/3程度をMOX燃料、残りをウラン燃料とした場合、発電量全体に占めるプルトニウムによる発電量は平均50%強となる。

高浜原発のMOX燃料

◆高浜3、4号機に装荷されたMOX燃料は、各々24体(全157体中)、4体(全157体中)である。関電は今回搬入されるMOX燃料16体を2018年の高浜4号機の定期点検での燃料交換で装荷すると考えられる。

MOX燃料の危険性は、ウラン燃料より格段に高い

◆既存原発のプルサーマル化では、元々ウラン燃料を前提とした軽水炉のウラン燃料の一部をMOX燃料で置き換えて運転するので、技術的な課題が多い(全MOX炉も制御困難)。なお、原子力規制委員会の新規制基準適合審査における重大事故対策の有効性評価の解析対象は、ウラン炉心のみであり、MOX炉心については何ら評価されていない。過酷事故を起こしたときには、猛毒のプルトニウムや超プルトニウム元素が飛散して、深刻な内部被ばくを起こす危険性も格段に高い。

重大事故の確率が高い

◆・燃料被覆管が破損しやすい。例えば、プルトニウムの核分裂では、酸素と結合し難い白金族元素が生成し易いので、プルトニウム酸化物中でプルトニウムと結合していた酸素が遊離するが、遊離した酸素が被覆管を腐食する。また、プルトニウムはヘリウムの原子核であるα粒子を放出(α崩壊)し易く、放出されたα粒子はヘリウムガスになるので、燃料棒内の圧力が高くなり、被覆管を破損させる可能性がある。

◆・MOX燃料の融点は、ウラン燃料の融点より高いが、MOX燃料の熱伝導率は低く、電気抵抗率が高いので、燃料温度が高くなり、溶けやすくなる。

◆・当初はMOX燃料中のウラン、プルトニウムを均質に混合していても、核分裂によって高温になった燃料中では、不均質化(プルトニウムスポットの生成)が起こりやすい。そのため、燃料の健全性が失われる。

◆・ウラン燃料と比べて、MOX燃料では燃焼中に核燃料の高次化(ウランより重い元素が生成する)が進み易い。とくに、中性子吸収断面積の大きい(中性子を吸収しやすい)アメリシウム等が生成され易くなる。そのため、高次化が進んだ燃料を含む原子炉では、運転や停止を行う制御棒やホウ酸の効きが低下する。さらに高次化が進むと、核分裂反応が阻害され、臨界に達しなくなり、核燃料として使用できなくなる。事故が発生した場合には、従来の軽水炉よりプルトニウム、アメリシウム、キュリウムなどの超ウラン元素の放出量が多い。これらは、吸入したとき、深刻な内部被曝を与えるα粒子を放出する。

◆・MOX燃料は、中性子束(中性子の密度)が大きいため、高出力である。したがって、MOX燃料装荷によって 運転の過渡時(出力の増減時)に炉の制御性が悪くなる。(1/3程度しかMOXを装荷できない。)

◆・一部の燃料棒のみをMOX燃料と入れ替えると、発熱量にムラが生じる。温度の不均衡が進行すると、高温部の燃料棒が破損しやすくなる。

使用済みMOX燃料の発熱量は、ウラン燃料に比べて下がり難い

◆核分裂によってMOX燃料から生じる元素(死の灰)の種類は、ウラン燃料から生じるものとは異なり、使用済み核燃料になったとき、放射線量や発熱量の減衰速度も異なる。使用済みMOX燃料の発熱量は下がり難いため、長期にわたって(使用済みウラン燃料の4倍以上)プール内で水冷保管しなければ、空冷保管が可能な状態にはならない。取り出し後50年~300年の使用済みMOX燃料の発熱量は、使用済みウラン燃料の発熱量の3~5倍である。また、使用済みMOX燃料の発熱量を、50年後の使用済みウラン燃料の発熱量レベルに下げるには300年以上を要する。MOX燃料は、その意味でも、極めて厄介な核燃料である。

◆なお、若狭の原発の使用済み燃料プールは近い内に満杯になるが、長期の水冷保管を要するMOX使用済み燃料が増えれば、燃料プール不足はさらに深刻になる。そこで危惧されるのは、空冷できるまでに発熱量の下がった使用済み燃料を空冷キャスクに移して、燃料プールに空きを作ろうとする策動である。空冷キャスクに入れられた使用済み燃料を受け入れる場所は無いので、結局、若狭の原発敷地内に居座ることになる。

◆ここで、使用済み燃料保管プールが、脆弱であり、冷却水を喪失しやすいことは、福島原発4号機のプールが倒壊寸前であった事実からも明らかである。この燃料プールで長期保管をしなければならない使用済みMOX燃料の増加は、重大事故の確率をさらに増加させる。

MOX燃料製造で発生した高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の行き場はない

◆フランスでのMOX燃料の製造過程では、高放射線量の核のごみが発生する。この核のごみは、国内に返還されることになっているが、その最終処分地は決まっていない。政府は、処分場になり得る地域を示した「科学的特性マップ」を、選んだ科学的な根拠も示さずに、7月28日に公表したが、核のごみの保管を歓迎する場所はない。

なぜプルサーマル発電を進めようとするのか

◆日本は、核兵器の材料となるプルトニウムを利用目的なく持たないことを国際公約しているが、高速増殖炉「もんじゅ」の廃炉が決定した現在、プルトニウムの利用手段を高速炉とすることはできない。そこで、政府や電力会社は、プルトニウムをプルサーマル発電で消費するとしている。一方で、政府は、プルトニウム保有量をさらに増加させる再処理工場の稼働を策動している(実際にはこの危険極まりない再処理工場の稼働は、至難である)。このことから、政府は、全国の原発のプルサーマル化を狙っているとしか考えられない。原発の危険性は、どんどん増加していく。

以上のように、ウラン燃料でも危険な原発の燃料をMOX燃料に代えて発電(プルサーマル発電)すれば、さらに危険度が増し、さらに厄介な使用済み燃料を残す。許してはならない。

そこで、このMOX燃料搬入に抗議するために、次の行動を計画しています。万障お繰り合わせの上、ご参加下さるようお願いいたします。


MOX燃料搬入を許さない!緊急現地集会とデモ

■日時;9月20日(水)~22日(木)[未確定](当初,19日の予定でしたが、変更しています。)
■集合場所;高浜町音海地区の駐車場(高浜原発ゲート前を通過して約3 km、道路が突堤に到って行き止まる場所にある駐車場
■行動予定;6時から抗議行動を開始し、通過するMOX燃料運搬船を徹底糾弾。後、原発ゲート先の展望所に車で移動し、展望所から原発北ゲートに向かってデモ行進。北ゲート前の広場で、抗議行動と申入
れ。後、解散。
■呼びかけ団体; 原子力発電に反対する福井県民会議、若狭の原発を考える会
■連絡、お問い合わせ先;木原壯林(090-1965-7102)、宮下正一(090-1395-2628)


重大事故が起ってからでは遅すぎます。
原発全廃の行動に今すぐ起ちましょう!

2017年9月14日

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

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◆事故だらけで、たるみ切り、傲慢な関電

【2017年9月6日,京都キンカンで配付。】

事故だらけで、たるみ切り、傲慢な
関電が大飯原発を再稼働させようとしています
許してはなりません!

過去2年間で関電関係会社が引き起こした事故の例

1.美浜町のヘリ運搬資材落下

(毎日新聞2016年3月18日より)

◆関西電力の鉄塔建て替え工事の資材を運搬していた朝日航洋(本社・東京)のヘリコプターが今月1日、美浜町の山中に碍子(がいし)入りの木箱(重さ約800キロ)を落とした事故で、両社は17日、資材をつるすワイヤが完全に固定されていないまま飛行したことが原因と考えられると発表した。

◆両社によると、資材運搬の際は、ワイヤの両端をヘリから垂れ下がったフックとつなぎ、ワイヤが外れないようフックの可動式ストッパーをロックする。だが、ワイヤのねじれなどが原因でロックが正常にかからないことがあるという。また、ロックされていないのにロックしたことを示す機内のライトが点灯する場合があることも確認した。

◆今後は別の構造のフックを使用するなどの対策を行い、23日にも建て替え工事を再開するという。

2. ヘリから800キロ鉄板落下 関電資材運搬中に山中へ 奈良・十津川

(産経West 2016年8月5日より)

◆関西電力は5日、奈良県十津川村長殿付近を同日午前10時25分ごろ飛行していた協力会社のヘリコプターから約 800キロの鉄板1枚が山中に落下したと発表した。けが人や建物への被害はなかった。

◆国土交通省は事故につながりかねない重大インシデントと認定。運輸安全委員会が6日に調査官2人を現地に派遣する。

◆関電によると、ヘリは朝日航洋(東京都江東区)が運航するスーパーピューマAS332L。送電線の鉄塔を建て替える工事のため、奈良県五條市内のヘリポートから約3キロ離れた工事現場に運ぶ途中で、高度は約200メートルだった。

◆鉄板の大きさは縦約1・5メートル、横約3メートル、厚さ約2センチとみられる。ワイヤでつり下げ、ヘリのフックに掛けていた。機長が飛行中に落下に気付いた。関電によると、3月にも福井県美浜町の上空を飛行中のヘリから約800キロの資材入り木箱が山中に落下。当時のヘリは今回と同じ機体だったという。

3.高浜原発 大型クレーン倒れる…建屋2棟、一部損傷

(毎日新聞2017年1月21日より)

◆20日午後9時50分ごろ、関西電力高浜原発(福井県高浜町)で、新規制基準対応工事用に設置していた大型クレーン(長さ112.75メートル)1台が、2号機の原子炉補助建屋と燃料取り扱い建屋に倒れ込んだ。関電によると、それぞれの屋根の一部が変形したが、放射能漏れなど環境への影響は無く、けが人などもいないという。

◆関電によると、中央制御室にいた運転員が大きな音を聞いて点検すると、4台設置されていた移動式クレーンのうち1台が倒れていた。クレーンは2号機の格納容器の上部に新たなドームを取り付ける工事のため置かれていた。夜間で作業はしていなかったが、県内では暴風警報が出ていた。

◆燃料取り扱い建屋には、核燃料259体を保管するプールがあるが、落下物は確認されておらずプールや核燃料への影響はないという。現場では、クレーンが西から東に向かって建物にもたれかかるように倒れ、建物の形に沿ってぐにゃりと曲がっていた。燃料取り扱い建屋と原子炉補助建屋のうち、鉄筋コンクリート製屋根の端に取り付けられている金属製笠木(かさぎ)が破損したという。(後略)

4.作業員が親指切断=大飯原発、安全点検の中-福井

(時事通信2017年3月30日より)

◆30日午前10時25分ごろ、福井県おおい町の関西電力大飯原発で、「作業員が機械に指を巻き込まれた」と119番があった。 県警小浜署によると、大飯3、4号機の海水ポンプエリアで作業をしていた男性(24)が左手親指を切断する重傷を負った。

◆関電は1月に高浜原発(同県高浜町)で起きたクレーン倒壊事故を受け、県内に保有する美浜、大飯、高浜の3原発全11基を対象に、安全管理の総点検を進めている最中だった。 同署によると、男性は当時、2人1組で防潮堤に鉄筋を打ち込む作業をしており、別の作業員が使っていたハンマードリルにゴム手袋が巻き込まれたという。

5.作業員、右足骨折の重傷 関電・労災相次ぐ /大飯原発

(毎日新聞2017年4月26日より)

◆関西電力大飯原発(おおい町)で24日午後4時ごろ、コンクリートを壊す作業に従事していた男性作業員(56)が、電動式ハンマーと接触し、右足を折る大けがをした。

◆小浜署によると、4号機の近くのコンクリート製の見学用通路(幅2メートル、延長43メートル)で、別の男性作業員が電動式ハンマーを使ってコンクリートを壊していたところ、ハンマーの先端がそれて、すぐそばでコンクリート片を片付けていた男性作業員の右足に接触した。 関電の原発では今年に入り、工事作業員が負傷する労災事故が相次いでいる。

◆大飯原発では、3月30日にも防潮堤に鉄筋を打ち込んでいた男性作業員(24)が別の作業員の操作するドリルに手を巻き込まれ親指を切断。美浜原発(美浜町)でも1月26日に、地下水を観測していた60代男性作業員が山の斜面で滑落してけがをした。 けが人はいなかったが、1月20日には高浜原発(高浜町)で大型クレーンが倒壊する事故も起きている。 関電は「労働災害を発生させ大変申し訳ない。再発防止に努める」とコメントした。

6.高浜原発で男性作業員が重傷 トンネル掘削などの作業中

(福井新聞2017年7月13日より)

◆12日午後5時35分ごろ、福井県高浜町の関西電力高浜原発構内で、トンネル掘削などの作業をしていた建設作業員男性(59)にコンクリートを流し込む配管の接合部分が当たり、右大たい骨を折る重傷を負った。

◆小浜署によると、男性はほかの2人と作業中だった。トンネル壁面にコンクリートを吹きつけた後、配管を外そうとしたところ、重さ十数キロの鉄製の接合部分が落ちたという。

7.黒薙(くろなぎ)第二発電所の北又えん堤修繕工事中のヘリコプターからの運搬物の落下について

(関電プレスリリース2017年8月3日より)

◆本日、10時2分頃、関西電力株式会社黒薙第二発電所の北又えん堤修繕工事中、協力会社である朝日航洋株式会社がヘリコプターによる運搬作業を行っていたところ、工事に伴い使用する索道※の設置にかかる資機材(約700kg)が落下しました。 ※ 空中に張り渡したワイヤーロープに搬器を吊るし、建設工事資材などを運搬する設備。

◆落下場所は、富山県黒部市宇奈月町舟見明日音沢付近の山中であり、けが人や設備の損壊等については、現在調査中です。また、原因についても、現在調査中です。(後略)

8.高浜原発の構内で作業員がやけど

(福井新聞2017年9月2日より)

◆関西電力は1日、高浜原発構内で8月20日に可搬式ポンプの作動確認検査中、ホースが外れてポンプ内の熱水が協力会社の50代男性作業員にかかったと発表した。この作業員は顔と右腕、腹部、両脚にやけどを負った。ポンプは新規制基準対応で新設したもので、停止時の操作手順は作業書に明記されていなかった。関電によると、8月20日午前11時10分ごろ、可搬式ポンプの作動確認検査として3、4号機の使用済み燃料プールへの送水訓練を行った。ポンプを停止しようと、別の作業員がポンプから少し離れた電源車の電源を切ったところ、ホースが外れてポンプ内で加熱された熱水が飛散した。熱水は約30リットルで湯気が確認できたという。約3週間の入院が必要という。

◆関電は、ポンプを停止する際、放水側の弁を完全に閉止する前に電源を切ったため、ホースに圧力がかかり外れたのが原因と推定しており、「連携ミス」としている。対策として、ポンプ停止時の操作手順などを作業手順書に明記するなどした。

◆可搬式ポンプは事故時に電源が喪失した際、海水を燃料プールへ送り込み冷却するために導入。再稼働を目指す大飯原発にも導入されている。今回の労災について、関電は8月20日に敦賀労働基準監督署から、安全衛生指導書を受けている。

関電のお粗末な姿勢に不信感

(上記の高浜原発新規制基準対応設備で起きた作業員の負傷事故について)

◆関西電力はポンプの作業手順書に、停止時の手順を明記していなかったことを理由に「操作ミスとはいえない」との説明を繰り返した。作業手順の一部がないこと自体がお粗末である上、「マニュアルがないからミスとはいえない」とする同社の姿勢には不信感を覚える。

◆同社によると、ポンプの検査を終えた後、本来は出口弁を完全に閉めてから電源を切るべきだったという。複数の作業員で行う作業で、同社の担当者は「連携に誤りはあった」としつつも「社としては操作ミスという認識ではない」と言い切った。真夏に湯気が立つほどだった熱水の温度も「測っていないので分からない」と説明した。

人類の手に負えず、人類に不要な原発を動かして、
大きな犠牲を払うこと、
事故の不安に慄(おのの)くことは無い!
1~3月ともいわれる大飯原発3、4号機の再稼働を
断固阻止し、原発全廃を勝ち取ろう!


10.15大飯原発うごかすな!関電包囲全国集会

ご賛同、ご結集をお願いします。

◆日時:2017年10月15日(日) 13時~14時45分
◆場所:関西電力本店前(大阪市北区中之島3丁目)
◆<集会後、御堂筋デモ>関電包囲集会が終わり次第、徒歩で靭(うつぼ)公園(大阪市西区靭本町)に移動。
・デモ出発:15時30分
・デモ出発地:靭(うつぼ)公園(デモは難波まで。17時頃終了予定)


12.3大飯原発うごかすな!現地集会・町内デモ

◆日時:2017年12月3日(日)13時30分~
◆場所:おおい町総合町民センター(おおい町役場横)、集会後デモ。

こちらの現地集会・町内デモにもご賛同、ご結集をお願いします。


◆上記の2集会について
主 催:
→大飯原発うごかすな!実行委員会
呼びかけ:
→原子力発電に反対する福井県民会議(連絡先:宮下正一:090-1395-2628)、
→若狭の原発を考える会(連絡先:木原壯林:090-1965-7102)
◆集会にご賛同頂けます場合は、お名前、ご住所およびお名前の公表の可否を木原(kiharas-chemアットzeus.eonet.ne.jpまたは090-1965-7102)までお知らせください。


2017年9月6日

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

◆原発は無くても電気は足りる

【2017年9月1日,京都キンカンで配付。】

原発は無くても電気は足りる

経産大臣の認可法人「電力広域的運営推進機関」が報告

危険と不安がいっぱいの原発を全廃しよう!

「電力広域的運営推進機関」(以下、「広域機関」と略記)とは?

◆「広域機関」は、改正電気事業法に基づいて、2015年4月に業務を開始した経産大臣の認可法人であり、全電気事業者[一般電気事業者(東電、関電など、電力10社)、卸電気事業者(電源開発、日本原電)、特定電気事業者(限定された区域に、自社所有の発電設備や電線炉によって電気を供給する事業者)、特定規模電気事業者(商社やガス会社が設立した電気の小売り事業者)]が会員になることを義務付けられている。

◆経産省資源エネルギー庁の資料(2015年4月発表)によれば、この法人は、「これまで、原則として地域(エリア)ごとに行われていた電力需給の管理を、地域を越えて、より効率的に行なうことによって、安定的な電力需給体制を強化し、電源の広域的な活用に必要な送配電網(連系線)の整備を進めるとともに、全国規模で平常時や緊急時の電力需給の調整機能の強化を図ること」を目的としている。以下の業務を行っている。

  1. 運用業務:電力需給の広域運用の司令塔として、全国レベルでの監視を行い、実際の需給バランスを常に監視し、各電力エリアの中央給電指令所へ指示・調整する業務。
  2. 計画業務:従来、一般電気事業者が国に提出していた各エリア内の電力需給予測データ、供給計画などの電力需給に関する短期・長期の計画業務を、「広域機関」は一元的に実施する(各電気事業者からの報告をうけ、需給想定、供給計画のとりまとめ、供給信頼度評価を実施する)。
  3. 設備形成:広域系統連系設備(連系線、地内基幹送電線、変圧器など)に関して、従来とは異なるルール(設備形成の起案者に国も加え、その間口を広げたほか、特定負担者募集や実施案の公募、)をもとに運用する。
  4. 系統アクセス業務:再生可能エネルギー電気などを電気事業者に供給するとき、発電設備を電気事業者の電力系統に接続(系統アクセス)しなければならない。従来、業者や小売事業者からの電源等の系統アクセスに関する申込みは、一般電気事業者(電力10社)のみが受け付けてきた。「広域機関」設立後は、出力1万kW以上の電源に関しては、「広域機関」対しても申込みを行えるようになった。これによって、申込者と一般電気事業者の間に「広域機関」が入ることとなり、一般電気事業者からの回答の妥当性を広域機関が中立的な立場で評価し、必要に応じて一般電気事業者に再検討指示をすることができるようになり、中立性を担保した系統アクセス運用が可能となった。
  5. 需要家のスイッチング(切り替え)支援:電力小売全面自由化にともない、需要家が独自の判断で自由に電力の小売事業者を選定でき、かつ、スムーズに小売事業者を切り替えられるよう、支援する業務。

「広域機関」発表(本年3月)の

「平成29年度供給計画の取りまとめ」の内容

1.取りまとめの前提

1.1 電気事業法第29条に基づき電気事業者(938社)が国に届け出た平成29年度電力供給計画について取りまとめた。なお、「広域機関」は、提出された供給計画を取りまとめ、毎年3月末に経産大臣に提出している。

【電気事業者(938社)の内訳】発電事業者542、小売電気事業者(電力小売り全面自由化以降、電力小売りに参入した新電力のうち一般家庭向けに販売する事業者)367、登録特定送配電事業者16、特定送配電事業者1、送電事業者2、一般送配電事業者(北電、東北電、東電、中部電、北陸電、関電、中国電、四電、九電、沖電)10。

1.2 原子力発電による電力供給力について、届出時点(2017年3月)で再稼働している原子力発電所(川内原発1、2号機、伊方原発3号機)を除き、供給力を「未定」と届出ているため、需給バランスなどの算定では、2017年3月時点で再稼働していない原子力発電所の供給力は「ゼロ」としている。なお、2017年3月時点で再稼働していた原子力発電所3機の供給量は、全国総供給量の2%弱である。

2.取りまとめの内容

2.1 電力需要に関する昨年度(2016年度)の推定実績および本年度(2017年度)の見通し

  • 一般送配電事業者10者が届け出た月別の最大3日平均電力[毎日の需要電力(1時間平均値)の最大値を月別に上位から3日とり、それを平均した値]は、夏季最大の8月が冬季最大の1月を1 千万kW程度上回り、全国の需要としては8月が最大であった。
  • 8月の最大3日平均電力(全国需要)は、2016年度の推定実績15,617万kW、2017年度見通し15,656万kWで、2017年度は0.2%増加となった。
  • 一般送配電事業者10者が届け出た一般送配電事業者エリアの需要電力量(一般送配電事業者の流通設備を介して一般の需要に応じて供給する電気の量)を全国合計した年間需要電力量は、2016年度の推定実績8,871億kWh、2017年度見通し8,805億kWhで、2017年度は0.7%の減少となった。

2.2 電力需要に関する本年度(2017年度)以降10年間の長期見通し

  • この見通しは、国内総生産(実質GDP )が、2017年度540.1兆円、2026年度582.0兆円で、年平均0.8%の増加、鉱工業生産指数(IIP)が、2017年度99.8、2026年度108.2で、年平均0.9%の増加と見通して、行っている。
  • 8月の最大3日平均電力(全国需要)は、2017年度見通し15,656万kW、2021年度見通し9,005万kW、2026年度見通し16.031万kWで、年平均0.3%増加となっている。
  • 年間需要電力量は、2017年度見通し8,805億kWh、2021年度見通し8,891億kWh、2026年度見通し8,805億kWhで、年平均0.2 %増加となっている。
    なお、8月の最大3日平均電力、年間需要電力量が、継続的な増加傾向としている理由は、節電の取り組みや省エネの進展、人口の減少傾向、負荷平準化対策などによる減少要因はあるものの、経済規模の拡大や電化の進展の方が大きく寄与すると考えたためとしている。

2.3 需給バランス(短期)

  • 各エリアの供給力(最大3日平均電力発生時に安定的に見込める供給能力)とエリア需要を基に、各エリアおよび全国の需給バランスを評価している。各エリアの供給力とは、小売電気事業者および一般送配電事業者が各エリア向けに確保した供給力と発電事業者の発電余力(販売先未定で保有している供給電力)を足し合わせたものである。
    ここで、需給バランスの評価にあたっては、エリアごとに予備率[予備力=(供給力-最大3日平均電力)を最大3日平均電力で割って得た値を%で表したもの]が8%以上であることを基準としている。
  • 2016年8月の最大3日平均電力(全国合計)は15,576万kW(気温補正後)、供給力(全国合計)は18,040万kW、予備力は 2,464万kWであり、予備率は15.8%であった。この全国合計の予備率も各エリア別の予備率も、安定供給の基準とする予備率8%を大きく上回っている。
  • 2017年度の月別の全国合計での予備率の見通しは、4月21.8%、5月25.1%、6月21.7%、7月13.6%、8月13.0%、9月18.3%、10月24.8%、11月20.7%、12月16.9%、1月15.7%、2月14.4%、3月19.0%で、各月とも安定供給の基準とする予備率8%を大きく上回っている。

    これは、ほとんどの原発は動いていなくても、電気は十分足りることを示している。

  • 2017年度の月別のエリアごとの予備率の見通しでは、一部のエリア・月(東京7、8月、中部12~3月)で8%を下回るものの、連系線を利用した他エリアからの供給を考慮すれば、全てのエリアで安定供給の基準とする予備率8%を上回る見通しである。

2.4 需給バランス(長期:2017年度以降10年間の見通し)

  • 各年8月の最大3日平均電力(全国合計)から見た需給バランスは、2017年度;需要電力15,656万kW、供給力17,692万kW、予備率は13.0%、2021年度;需要電力15,857万kW、供給力17,555万kW、予備率は10.7%、2026年度;需要電力16,031万kW、供給力18.591万kW、予備率は16.0%と見通せ、全国合計では、各年度とも予備率8%を上回っている。
  • 8月の最大3日平均電力を基にしたエリアごとの各年の予備率の見通しでは、東京エリアで2017~2023年度、中部エリアで2019~2021年度、関西エリアで2021年度に、8%を下回るものの、連系線を利用した他エリアからの供給を考慮すれば、全てのエリアで安定供給の基準とする予備率8%を上回る見通しである。

◆以上の他、「平成29年度供給計画の取りまとめ」には、電源構成の変化に関する分析、送配電設備の増強計画、広域的運営の状況、電気事業者の特性分析、その他が述べられている。


人類の手に負えず、人類に不要な原発を動かして、
大きな犠牲を払うこと、

事故の不安に慄(おのの)くことは無い!
今すぐ、全ての原発を廃炉にしよう!


報告 8/26東海第二原発を取り巻く「人間の鎖」行動

若狭の原発を考える会 木戸恵子

◆8月26日(土)、東海第二原発包囲行動に、泊、志賀、福島、伊方、川内など全国から1100人が駆け付けた。主催は原発いらない茨城アクション実行委員会。「原発現地に行く会」の募集により、東京からも94名が2台のバスに分乗して参加した、若狭の原発を考える会からも5名が行動を共にした。この他、電車での10数名、福島から乗用車での7名なども加わった。

◆東海第二原発は、電力会社9社と政府の出資で設立された日本原電によって、1978年に運転開始。東日本大震災以降、停止状態だが、運転開始から40年を迎えるこの老朽原発に、さらに20年運転延長の許可が下り、再稼働されようとしている。
包囲行動に先立つ全国集会は、東海村阿漕ケ浦公園で行われ、原発いらない茨城アクション、福島の女たち、住民代表・大川てるよさん、前東海村村長・村上達也さん、鎌田慧さんがスピーチした。

◆集会終了後、1.5 km歩いて東海第二原発まで移動。翌27日投票の県知事選挙に再稼働反対を掲げて立候補している鶴田真子美候補の宣伝カーも、村上前東海村村長とともに登場。東海第二原発に到着した参加者は、「人間の鎖」で老朽原発を囲み、再稼働反対の力強いシュプレヒコールをあげた。

◆その後、東海村コミュニティーセンターで行われた「原発現地に行く会」の交流会では、阿部功志東海村村議と若狭の原発を考える会の木原壯林さんが報告。阿部功志村議は、原発事故時の避難計画のバス300台と運転手の確保は、実施不可能であり、住民の命を蔑(ないがし)ろにする再稼働を許してはならないと訴えた。木原壯林さんは、8頁の資料をもとに、プルトニウムの危険性、「常陽」および「もんじゅ」のブランケットには、再処理すれば30発以上の原発が作れる兵器級プルトニウムがあること、高速炉「常陽」、「もんじゅ」は、危険極まりなく、廃炉も技術的に困難であることを解説の後、「10.15大飯原発うごかすな!関電本店包囲全国集会」への結集を呼びかけた。

◆交流会後、参加者は大洗町に移動し、プルトニウム被爆で5人の被爆者を出した日本原子力研究開発機構(大洗)をバスの中から見学。周囲を樹木で囲まれ敷地内部の様子は見えにくい。すぐ横は茨城名産のサツマイモ畑が囲み、被爆事故のあった建物が数百メートル先に見える場所で、木原壯林さんから説明を聞いた。

◆山一つ見えない雄大な関東平野をバスの車窓から見、木原壯林さんが35年前に勤務していた東海村の風景に思いをはせながら、東京に戻った。


1月ともいわれる大飯原発再稼働を断固阻止し、即時廃炉を勝ち取ろう!

10.15大飯原発うごかすな!関電包囲全国集会

ご賛同、ご結集をお願いします。

日時:2017年10月15日(日) 13時~14時45分
場所:関西電力本店前(大阪市北区中之島3丁目)
<集会後、御堂筋デモ>関電包囲集会が終わり次第、徒歩で靭(うつぼ)公園(大阪市西区靭本町)に移動。
デモ出発:15時30分
デモ出発地:靭(うつぼ)公園
(デモは難波まで。17時頃終了予定)
◆主 催:大飯原発うごかすな!実行委員会
◆呼びかけ:原子力発電に反対する福井県民会議(連絡先:宮下正一:090-1395-2628)、
若狭の原発を考える会(連絡先:木原壯林:090-1965-7102)
本集会にご賛同頂けます場合は、お名前、ご住所およびお名前の公表の可否を
木原(kiharas-chem@zeus.eonet.ne.jpまたは090-1965-7102)までお知らせください。


2017年9月1日

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

◆「新規制基準」で原発の安全は確保できるか

【2017年8月24日,京都キンカンで配付。】

「新規制基準」で原発の安全は確保出来るか?

◆関電は、原子力規制委員長までもが「安全を保証するものではない」と言う“新規制基準”を「安全基準」とし、原発に「絶対的安全性を求めるべきではない」と主張している。さらに、「原発は安全であるから、“新規制基準”に避難計画は不要」としている。「新しい安全神話」を作ろうとするものであり、電力会社や原発産業の利益のために、人の命と尊厳をないがしろにするものである。

◆若狭の原発が、矢継ぎ早に再稼働されようとしている今、「新規制基準」や原子力規制委員会の審査が。如何に非科学的であり、欺瞞であるかをまとめてみた。

1.新基準では「過酷事故も起きうる」ことを前提とした安全対策(?)を導入したという。

◆福島原発事故以前には、過酷事故(巨大な自然災害や重大な人為ミスなどで原子炉が暴走するような深刻な事態)を考えていなかった。また、炉心損傷に至らないとした設計基準を採用していた(単一の機器の故障のみを想定し、一つの機器の故障が、他の機器の故障を誘発し、炉心損傷を招くことは考えていなかった)。「新規制基準」では、それを改めたという。

◆例えば、新基準では、フィルター付きベント(排気)装置の設置を義務付けるとした。炉心損傷では、放射性ヨウ素(気体)を含む圧力容器内気体を緊急排気しなければならないが、排気装置にこの気体を捕集するフィルターがなかった。また、新基準では、移動式の電源車、全電源喪失でも炉を冷やせる注水車の装備を義務付けた。素人でも必要だと考えるこれらの装置がなかったこと自体が問題である。

◆フィルター付きベント(排気)装置、移動式電源車、注水車の装備は、すでに、国際原子力機関(IAEA)が各国に求めており、過酷事故対策は世界の主流になりつつあったが、日本の規制当局は福島事故まで動かなかった。その理由は、日本の原発は完全な安全対策がとられており、過酷事故は起こり得ないことになっていたからである。すなわち、政府や電力会社は、安全神話を振りまいてきたのであるが、その同じ「原子力ムラ」が、福島大惨事の責任も取らずに、福島事故後には「新規制基準」を作り、「今度こそ安全だ」と言っているのである。「新規制基準」は、やっと世界基準に近付いただけで、後述のように、これによって原発の安全性が飛躍的に向上したわけではない。なお、フィルター付きベントの設置を義務付けはしたが、規制委の審査では、その設置を5年間猶予している。

2.「新規制基準」は、満たせることしか要求していない。

(1) 福島原発の事故原因を深く追及していない「新規制基準」。

事故炉内部のミューオン透視は税金の無駄遣いで、溶け落ちた燃料の情報はほとんど得られなかった。次々に投入するロボットは高放射線のために討ち死にし、事故から6年半経った今でも、事故炉内部の詳細は分っていない。それでも、政府は、事故から2年半もたたず、事故原因の議論も全く不十分な2013年7月、事故の教訓や知見を反映するものとして、「新規制基準」を施行した。
事故原因について、東電や政府は、事故直後に発表した「津波による全電源喪失」に固執し、「想定外の地震や津波であったから、事故は止むを得ず、政府や東電に事故を起こした責任はない」と言わんばかりである。事故原因は、冷却水配管の地震による破断など、この他にも種々考えられる。また、この事故は、重大事故に対する対策・装備の不備、非常電源の設置上の問題、不適当な事故対応など、反省すれば、人災と考えられる部分も多い。事故原因が異なれば、対策も当然異なる。「新規制基準」では、そのことがほとんど勘案されていない。
なお、科学とは、実際に起こった事実を冷静に受け入れ、丁寧に調査し、検証・考察して、その上に多くの議論を重ねて、結論を導くものである。「新規制基準」や規制委の審査は、この過程を無視しており、科学とは縁遠い。

(2) 安全に不可欠でも、実現不能なことは要求しない「新規制基準」。

かつて、原発立地について、以下の[a]、[b]を定める立地審査指針があったが、福島事故の被害はこの指針の定める枠を越え、この指針の下での原発稼働は不可能になったため、「新規制基準」では、この指針を廃止した。

[a] 重大な事故の発生を仮定しても、周辺の公衆に放射線障害を与えないこと。
[b] 重大事故を超えるような、技術的見地からは起こるとは考えられない事故の発生を仮想しても、周辺の公衆に著しい放射線災害を与えないこと 。

海外の新型原子炉では標準装備の設備であるコアキャチャーや航空機落下に備えた二重ドームの設置は不要としている(設置に多額の費用と長時間を要するから)。

原子炉の中で進行する事態の把握法を定める「重要度分類指針」(平成2年決定)を改定していない。すなわち、原発の中で起こっている事態を把握するための原子炉周辺設備・機器の耐震基準が甘いままである。
福島第一原発事故においては、水位計が機能喪失してメルトダウンの判断を困難にした。また、主蒸気逃がし弁が過酷事故時に格納容器内背圧が高くなると働かないことも、事故後に判明している。

「新規制基準」を満たしていない施設でもその充足を猶予している。
例えば、PWRでは、「重要事故対策設備」であるフィルター付きベント装置の設置を5年間猶予している。

3.都合の良いデータのみ採用して適合とする規制委審査

例:炉心溶融時の水素の爆轟(化学反応による爆発のうち、火炎の伝播速度が音速を上回るもの)防止は必須事項である。高浜原発3,4号機の審査書では、格納容器内水素濃度の最大値は約12.3%で、爆轟防止の判断基準=13%以下であるとしている。

◆しかし、高浜3,4号機と出力規模、ループ数、格納容器型式などが同一である川内1、2号機の審査書と同じ基準で評価をすれば、水素濃度の最大値は約14.8%となり、爆轟防止基準を明らかに超えている。高浜原発の審査書では、川内原発のそれより水素発生量の不確かさの度合いを、意図的に小さくして、基準をクリヤーしている。

4.杜撰(ずさん)かつ非科学的な事故対策でも容認する規制委審査

例:関電は、重大事故対策の目玉として、原発重大事故で空気中へ飛散した放射性物質を打ち落とす放水設備を備えたという。また、海への放射性物質流出は、吸着剤と吸着性シルト(沈泥)フェンスで食い止めるという。

◆放水で放射性物質の拡散が防げるのはほんの一部であり、放水された水は結局汚染水になる。吸着剤とシルトフェンスだけで放射性物質を除去できるのなら、福島での放射性物質流出防止に適用すべきである。規制委員会の審査では、こういう子供だましの拡散抑制対策でも可と評価している。

5.杜撰、手抜きかつ虚偽の規制委審査

例1:「新規制基準」への適合評価は事業者(電力会社)任せで、事業者による原子炉施設やその立地条件に関する評価をそのまま受け入れ、規制委員会のチェックや独自調査はほとんどしてない(基準地震動、活断層、火砕流・・・の評価)。

例2:地震による配管破断はほとんど考慮せず、対策を講じないなど、重大事故対策のシナリオ策定は事業者任せである。

例3:原発立地の表層数km以内の活断層の有無が、再稼働の大きな判断基準とされている。しかし、これまでの大地震のほとんどは、探査不能な地中数10 km の震源、いわゆる「未知の深層活断層」に起因している。表層に活断層が無くても、
原発は地震で破壊される可能性がある。規制委は、都合の良いデータだけで審査しているとしか考えられない。

例4:川内原発の審査で、規制委は、火山噴火をモニタリングで予知して、原子炉から核燃料を引き抜いて安全な状態にできるという、九電の申請書を認めている。火山噴火や地震の余裕を持った予知は不可能であることは誰もが認めるところである。また、予知できたとしても、そのときに燃料プールやキャスクに余裕があるとは限らないし、燃料プールも安全ではない(圧力容器より脆弱である)。このように、規制委審査は、不可能を可能と偽って人々を騙す審査である。

例5:想定した原発事故に関する解析のほとんどは、コンピュータによる計算結果に基づいていて、実験的検証は少ない。このコンピュータ解析は、前提条件(プログラム)と入力データの質に強く依存するが、現代科学は実証された完全な条件やデータを持合わせていない(分かっていないこと、予測できないことが多過ぎて、完全なプログラムはできない)。したがって、解析者の原発を動かそうとする恣意(しい)が大きく結果に反映される。

6.適合性審査は、申請書に書かれた方針の審査であり、実行されるか否かは検証していない。

◆適合性審査が実態を伴うためには、設置変更(設計の基本条件を規定:絵に描いた餅)許可だけでなく、具体的・詳細な工事計画 (詳細設計の内容を含む)認可、保安規定(その設備を安全に運転・保守するための管理法を規定)認可が一体で行われなければならないし、実際に、工事が完了したことが確認されなければならない。

7.住民避難計画は規制委審査の対象外であるが、それでも規制委の審査結果が再稼働を左右する。

◆原発事故時の避難計画について、規制委は立地自治体や周辺自治体に丸投げしている。一方、自治体は、どこかでできたパターンに沿って避難計画を作成している。そのため、避難計画では当該自治体の地理的、人的特殊性はほとんど斟酌(しんしゃく)されていない。また、事業者(電力会社)はその作成に責任を負っていない。

◆しかも、自治体の作成した避難計画たるや、数日のピクニックにでも出かけるような計画であり、過酷事故では、永久に故郷を失うという危機感がない。また、避難地域は100 km 圏を超える広域におよび、若狭の原発事故では、京都、大阪、滋賀の住民数100万人の避難の可能性もあるという認識がない。

◆さらに、避難指示解除に関して、住民の意向を聴かないし、避難指示が解除されても(放射線量20ミリシーベルト/年で解除)、帰還先は高放射線量で、必要な生活基盤も整っていないこと、帰還後一定期間の後には賠償金や支援が打ち切られること、種々の事情で避難継続を選択すれば、賠償や支援はないこと、などの非人道性も念頭にない。原発事故に関しては、「地方自治体住民の福祉の増進を図ることを基準とする」という地方自治法の精神は全く生かされていない。

◆原発の再稼働は、住民の生命・財産に大きく関わるので、それを判断する地方自治体には、原子力利用推進政策から独立した姿勢が要求される。また、原発の被害は、極めて広域におよぶので、原発立地自治体だけでなく、周辺自治体の住民の声を十分聴かなければならない。

8.とんでもないパブリックコメント(パブコメ)のとり方

◆規制委の審査結果に対するパブコメは、わずか1ヶ月間、「科学的・技術的」部分に限って募集されている。しかし、国民のほとんどは、原子力分野の専門家ではない。専門家でも、原子力のような広範囲の知識を要する分野へのコメントを1ヶ月で出すことは至難である。また、ある意見が「虚偽である」ことを実証するには大変な労力を要する。

◆規制委は、プロでない国民が、片手間でできる筈がないことを見越して、非科学的審査書を作り、パブコメを求めている。さらに、国民の生命と財産に関わる原発再稼働に関しては、その是非や、防災・避難計画も含めて、国民的議論を展開すべきであるが、パブコメでは、その意見は受け入れていない。

◆しかも、国民が懸命に書いたパブコメ1万7千8百(川内原発)あるいは3千6百(高浜原発)について、わずか20数日で分類整理し、枝葉末節だけを取り入れ、基本的部分は無視している。それでも、規制委の審査書によって、実質的に再稼働の可否が判断される。国民を愚弄するためのパブコメの誹り(そしり)を受けるのは当然である。

原子力防災とは、災害(事故)の原因である原発をなくすことである。
人類の手に負えず、人類に不要な原発を動かして、大きな犠牲を払うこと、
事故の不安に慄(おのの)くことは無い!
今すぐ、全ての原発を廃炉にしよう!


10.15大飯原発うごかすな!関電包囲全国集会

ご賛同、ご結集をお願いします。

  • 日時;2017年10月15日(日) 13時~14時45分
  • 場所:関西電力本店前(大阪市北区中之島3丁目)
  • <集会後、御堂筋デモ>関電包囲集会が終わり次第、徒歩で靭(うつぼ)公園(大阪市西区靭本町)に移動。
  • デモ出発:15時30分
  • デモ出発地:靭(うつぼ)公園(デモは難波まで。17時頃終了予定)
  • 主 催:大飯原発うごかすな!実行委員会
  • 呼びかけ:原子力発電に反対する福井県民会議(連絡先:宮下正一:090-1395-2628)、若狭の原発を考える会(連絡先:木原壯林:090-1965-7102)
  • 本集会にご賛同頂けます場合は、
    お名前、ご住所およびお名前の公表の可否を
    木原(kiharas-chemアットzeus.eonet.ne.jpまたは090-1965-7102)まで
    お知らせください。

2017年8月24日

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

◆8月4日に高浜町で行った「講演・討論会 in 若狭 〝原発にたよらない町づくりを目指して″」の報告

【2017年8月下旬,若狭で配付。】

高浜町で「講演・討論会 in 若狭」
〝原発にたよらない町づくりを目指して″
が開催されました

◆標記の講演・討論会は、8月4日(金)13時~17時、JR若狭高浜駅2階「まちの駅ぷらっとHome高浜」で、「若狭の原発を考える会」の主催で開催されました。ご講演は、本年4月発売の『なぜ「原発で若狭の振興」は失敗したのか -県民的対話のための提言』の著者・山崎隆敏さん(和紙会社経営)および韓国で脱原発運動を進める青年・琴東運(クム・ドンウン、25歳、男性、青年緑ネットワーク会員)さん、裵聖敏(ペ・ソンミン、31歳、男性、脱核釜山市民連帯執行委員)さん、安瀅準 (アン・ヒョンジュン、24歳、男性、脱核蔚山市民共同行動執行委員)さん。

◆講演、質疑応答の後、若狭にお住まいで、脱原発社会を願って活動されている皆さんからの簡単なご報告・アピールがあり、原発にたよらない町づくりを目指して討論しました。

◆会場(60人定員)は溢れんばかりの盛況でした。なお、講演・討論会終了後には、「キャンプ at 若狭和田ビーチ」が企画され、韓国、福井、滋賀、京都、大阪、兵庫、徳島、福島、関東などからのご参加を得て、脱原発の議論と交流が続きました。

◆以下に、会を開催した趣旨と、会の模様のご報告を致します。原発重大事故の不安のない町、使用済み核燃料を蓄積しない町を目指すためのご参考になることを願います。

「講演・討論会 in 若狭」開催の趣旨

反原発・脱原発が民意です

◆原発重大事故の悲惨さは、福島原発事故が、はかり知れない犠牲の上に教えるところです。一方、福島事故以降の経験によって、原発は無くても不都合がないことが実証されました。したがって、原発を運転する必要性は見出だせません、反原発は社会通念=民意 となっています。本年行われた各種報道機関の世論調査でも、原発反対が53~57%と、賛成の20数%のほぼ2倍でした。

世界も脱原発に向かっています

◆世界では、多くの国が福島原発事故を当事国・日本より深刻に受け止めています。また、安全対策などで原発の建設費、維持費が高騰したこと、自然エネルギーやシェールガスによる発電が進み、発電法、蓄電法が高効率化したこと、節電の機運が醸成されたことがあいまって、脱原発に舵切る国が増え続けています。イタリア、ドイツ、リトアニア、ベトナム、台湾が脱原発に向かい、スイスが国民投票で原発新設を禁止しました。

◆また、韓国でも、文在寅新大統領が「原発建設計画を白紙撤回する」ことを宣言し、 40年超え古里原発1号機の永久停止を決定し、2基の建設を中断しました。アメリカでも、安全対策に膨大な経費が掛かり、他電源に比べても経済的にも成り立たない原発からの撤退が相次いでいます。

◆今、原発を推進しているのは、電力需要が急増している中国などの新興国と、人の命と尊厳は犠牲にしても、経済的利益を優先させようとする日本など少数の経済先進国です。日本は、原発輸出を成長戦略の一つに挙げていますが、この戦略が破綻していることは、東芝の例を挙げるまでもなく、明らかです。

若狭にも脱原発を願う声は多数あります

◆原発立地の若狭にも、表立ってはいないものの、原発に不安を感じる声、脱原発を望む声は多数あります(原発推進の声を大きく上回っているといっても過言ではありません)。脱原発には、この隠れた声を顕在化させて頂かなければなりません。それには、今までタブー視されてきた脱原発後の社会を展望する議論を日常茶飯事にして頂くことが大切です。

重大事故が起る前に、原発にたよらない町をつくりましょう

◆上記のように、国内でも、世界でも、若狭でも脱原発は大きなうねりです。したがって、近い将来に、原発のない社会がやってきます。それなら、重大事故の前に原発を全廃するのが賢明です。一日も早く、原発にたよらない町づくりを進め、現在および未来の人びとにとって、不安のない、希望あふれる社会を実現しましょう。

本講演・討論集会は、「原発にたよらない町づくり」を考える一助になることを願って開催されました。

2017年8月5日毎日新聞朝刊

報告「原発依存こそが町おこしの阻害要因?」
山崎隆敏さん原発地元で語る

若狭の原発を考える会・橋田秀美

◆『なぜ「原発で若狭の振興」は失敗したのか』の著者・山崎さんのご講演の概要を報告する。
原発で地元が振興しなかったこと、原発の未来は危ういこと、推進派はそれをよく知っているし、危機感も抱いている。しかし「脱原発」に舵を切ることをしない。減価償却による固定資産税の減収や電源三法交付金の目減りを、「もんじゅ」再稼動や原発増設を「取引材料」として一時しのぎの金を引き出して、補おうとしてきた。

◆そして、原発立地には、普通交付税や国庫支出金(原発がなくても得られる国庫補助)に加えて、原発関連の税金や交付金が入ってくると期待していたら、大間違いで、原発関連の税金や交付金が相殺される形で差し引かれて支給されるからくりが明らかになり、愕然とした。結局、原発がない町の方が国の財源配分率が高いのだ。

◆原発収入がある美浜町を「御曹司」、原発に頼れない旧三方町を「苦学生」に例え、原発に依存し、自助努力を怠ってきた美浜町が、原発に依存できず独自に努力してきた旧三方町に観光客数、製造品出荷額、商品販売額で追い抜かれたことを報じた新聞記事を紹介し、原発依存が地域の振興を阻んできた事実を明らかにされた。

◆自前の収入がどれくらいあるかを示す「財政力指数」が県内上位を占めるのはやはり原発立地市町であるが、原発頼みの「財政力指数」の高さを市民、町民は誇りに思えるのか。幸いにもおおい町や高浜町は、借金返済など将来に及ぼす影響の度合いを示す「将来負担比率」が0である。今が麻薬のような原発を捨てて町の再生を目指すチャンスであると山崎さんは力説された。若狭のきれいな自然、歴史や文化、海産物や山の幸、これらは原発に頼らない町づくりに大いに活かせるだろう。そのためにも、原発は一日も早く無くしたい代物であると結ばれた。

報告「原発反対を訴える韓国青年たちの息吹に触れて」

若狭の原発を考える会・松原康彦

◆韓国で反原発運動を取り組んでいる20代から30代の青年3人が、この集会に参加して「韓国の脱核運動」と題して韓国での反原発運動の現状などについて報告した。

◆韓国の原発は運転中が24基、建設中が5基、計画中が6基あり、その大半が釜山から北の半島東海岸に集中している。韓国ではこれまで地震をほとんど経験してこなかったが、昨年9月、原発が50%以上立地する地域・釜山北部の慶州で、マグニチュード5.8の地震が起こり、多くの人が恐怖に震え、2011年の福島地震・原発事故を思い起こした。

◆他方、古里(コリ)3、4号機の格納建屋鉄板腐食と原子炉冷却材露出事故が起こった。ただ一つの電力会社・韓国電力がすべての電力を支配し、巨大な2企業の独占で原発関連工事が行われている韓国では、「核マフィア」(日本の「原子力ムラ」に相当)が「安心」と宣伝しているが、原発立地の海岸では誰一人泳ごうとしない。今回、高浜の海岸で多くの海水浴客が楽しんでいることに正直、驚いたそうだ。

◆また、建設中の新古里5、6号機の送電のために従来の送電塔の2倍以上の94 mの巨大鉄塔が蜜陽(ミリャン)で建設され、多くの住民が立ち退かされ、地域の共同体が破壊された。住民は「何のための電力なのだ」と怒っている。

◆韓国民衆の「ローソク革命」によってパク・クネを打倒し、就任したムン・ジェイン新大統領は、選挙前は「原発ゼロ」を公約しながら、当選後には、老朽化した古里1号機を永久停止して、稼働原発24基という現状を生んだものの、すべての原発が耐久年度40年を過ぎる2079年を「原発ゼロ」にすると変節し、しかも、建設中の古里5、6号機などの是非は「世論に問う」と変わっている。そして、米韓首脳会談と北の共和国のICBM発射を受けて、THAAD(サード;終末高高度防衛ミサイル)配備を強化するなど、多くの韓国民衆の思いと離れている現実が指摘された。

◆また、「若い人たちが頑張っている」という聴衆からの声に、「子どもたちの貧しさが尋常ではなく、それに大学を卒業しても職がない」現実を指摘された上で、「韓国でも1980年代に頑張った大人たちが指導部を牛耳っていて、日本とそれほどかわらないのでは」と答えられた。

報告「原発にたよらない町づくりをめざして、地元から」

若狭の原発を考える会・木戸恵子

◆山崎隆敏さん、韓国青年の講演後、若狭の市民や地方議会議員から、原発立地の現状や活動について報告があった。

◆「ふるさとを守る高浜・おおいの会」の東山幸弘さん(高浜町在住)が、昨年12月、高浜町音海地区が関電と高浜町対し、高浜原発1、2号機の運転延長に反対する意見書を提出したことについて、音海地区だけにとどまらず、多くの高浜町民の支持を得ていると、地元の状況を語られた。同会の宮崎慈空さん(おおい町在住)は、7月20日おおい町が実施した大飯原発3、4号機に関する住民説明会の報告をされた。再稼働には福井県とおおい町の同意が必要で、おおい町は説明会の内容、住民や町議会の考えを踏まえて可否を判断する。当日は、200人程度が出席したが、一般公募で選ばれた住民はわずか20数名で、大半は、町内の区長、商工会など各種代表者であった。住民からの質問には十分に答えず、再稼働ありきの形だけの住民説明会となった。

◆美浜町議の河本猛さんは、経産省発表の核廃棄物処分地地図「科学的特性マップ」について、地層が隆起し活断層も多い若狭の沿岸も「適性が高い地域」とされたことに対し、住民は「核のゴミ捨て場になるのではないか」と不安や疑念の声を上げていると報告された。また、町の財源を原発に頼っている限り、安易な再稼働容認が続くと指摘され、原発依存から脱却する産業の一つとして、再生可能エネルギーの普及促進を挙げられた。

◆敦賀市議の今大地はるみさんは、福井県・敦賀市・美浜町が、もんじゅ廃炉にかかわる地域振興策について国へ要請に出かけるに先立って敦賀市が開いた説明会は、姑息にも、非公開で原発推進派議員重視で行われたことが披露された。また、今年5月、福井地裁に高浜原発運転差し止め仮処分を、弁護士をたてずに、「原発事故が起きて放射性物質が拡散されれば人格権が侵害される」として、提訴したことを報告された。この仮処分申請は難しいものではないので、大いに活用することを勧められた。

◆若狭町議の北原たけみちさんは、地場産業のひとつとして「コケ屋上緑化植物」の栽培工場を紹介された。ヒートアイランド緩和効果などのある「コケパネル」は、普及段階に入っていると報告された。

◆「原子力発電に反対する福井県民会議」代表委員の中嶌哲演さんは、福井県の2017年度の一般会計当初予算案における歳入は、全体は前年度と比べて3%減少したにもかかわらず、電源三法交付金や核燃料税などの原発関連歳入は過去10年で最多になり、6.9%(326億円)を占めたこと、この福井県の歳入は、原発立地の市や町の原発関連歳入(敦賀市:約49億円、美浜町:約28億円、高浜町:約54億円、おおい町:約64億円)より圧倒的に多いことを資料を提示しながら指摘された。なお、高浜町、おおい町の2017年度の原発関連歳入は、一般会計予算の55%、63%を占め、本年度は大幅に増額したことも述べられた。

◆「若狭の原発を考える会」の木戸恵子は、若狭で行っているアメーバデモは、原発立地の住民と琵琶湖の水を飲んでいる関西の住民が、若狭の街角で原発への思いを交換する場であると紹介し、そこで聞いた地元の声を報告した。少しづつではあるが、かつては見られなかった地元のみなさんの変化が感じられ、それに希望をつなげたいとした。

2017年8月

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

◆原発立地・地元の声

【2017年7月21日,京都キンカンで配付。】

最近のアメーバデモなどで聞いた
原発立地・地元の声

取りまとめ:若狭の原発を考える会・木戸恵子

 アメーバデモとは、毎月2回4日間、大阪、兵庫、京都、滋賀から原発立地の若狭に集まり(イベント時には、関東など全国からの応援も得て、総勢50人になることもあります)、3~4人が一組になり、太鼓や鈴を鳴らしながら、また、「反原発」の赤旗を持ち、肩にかけたスピーカーで原発全廃を呼びかけながら、A3用紙に赤と黒で印刷した原発全廃を訴えるチラシを全ての集落の隅から隅まで配り歩く行動です。音を聞いた人が出てきて、チラシを受け取り、話をします。

 以下に、4月30日~7月9日に行われたアメーバデモおよびチラシ配りでお聞きした地元の声の典型例をまとめました。チラシを受け取らない人はほとんどなく、反原発は民意であることを、アメーバデモで実感しています。

◆原発で働く人が周りにいるから大きい声では言えないが、原発は反対や。福島原発事故をみたらわかる。(高浜町薗部 男性)

◆昔は原発で働いていた。線量計を付けていたが、作業をしているみんなのアラームが鳴るので誰が鳴っているかわからない。あんな怖いものとは知らされず、仲間の多くは70才で死んだ。(美浜町 男性)

◆遠いところからごくろうさまです。この辺りは避難区域なんです。(美浜町 女性)

◆原発に土地を売った。一緒に住んでいる嫁が原発を怖がる。(高浜町鎌倉 男性)

◆老婦人が3人で立ち話をしていたところにチラシを渡すと「原発は駄目やなあ」、「原発反対や」、「そおや」と3人の反原発談議が続いた。(滋賀高島町)

◆ご苦労様です。先日、井戸弁護士のお話を聞きました。原発はダメですね。(高島市 女性)

◆「チラシはいりません。ごめんね。家族が関電で勤務しているから。」(高浜町音海 女性)

◆高浜原発が正面に見える内浦湾、「昔はわかめが採れていたけど、原発が来てからは温排水が流されるから、わかめは取れず、藻も生えなくなった」(高浜町上瀬 女性)

◆ご苦労さんの上に、好意的に周辺の空き家情報を教えてくれた。(高浜町城山荘付近 女性)

◆原発反対と言った50代女性は、草取りを止めて、チラシを読んでいた。(美浜町役場の奥)

◆チラシを直接手渡したら、ご苦労さんと言われた。(美浜町美浜原発に近い集落)

◆「私の里も京都の八幡や」という人は、こんなきれいなところで原発事故が起きたら全部パーやねと言うと、「ほんまや!」

◆「安倍があほや。あんたらこんなチラシ配ってたら捕まるで。」(美浜町役場寄り耳川付近)

◆世界は福島事故をみて原発から撤退していると言ったら、「日本はあかん!」(美浜町役場寄り耳川付近)

◆原発のチラシですと言ったら、「反対か!」そうですと言ったら、「ほんならもらうわ」(美浜町役場寄り耳川付近:同様な声は、高浜町旧役場付近でも)

◆チラシを渡すと「原発はもういらんな!」(美浜町佐柿関所跡付近)

◆農作業を終えた4人が集まって話をしていた。ビラを渡すと、「原発がなくなるとどうなるんや」と聞かれ、「一時的には電気代は上がるでしょう」と答える。「福島原発事故みたいになったら大変ですからね」と言うと、「あれはずさんすぎる。関電はそんなことないで」と言い、「関電もたいがいずさんでっせ」と答えた。(美浜町織田神社付近)

◆「原発事故が起きたら、ここだけの問題だ。」琵琶湖の水を関西一円で使っているのでここだけの問題ではない、と答えた。(美浜町久々子)

◆「今、介護で大変だが、原発事故の危機感はある。福島原発事故で若狭の原発事故が一層身近な問題だ。」(美浜町久々子 女性)

◆日曜日のため、多くの人が外に出ていて話せた。原発賛成の人には会わなかった。

◆チラシの見出しを声を出して読み、「地震が多いから原発危ないわな。やっぱりない方がいいわ。ごくろうさん」(美浜町 男性)

◆玄関に座っている80代男性、「暑いのにご苦労さんやなあ」(美浜町)

◆「あんた、原発は反対か」。原発全廃を訴えてチラシを配ってますと答えると、「原発は反対や」(美浜町 男性)

◆玄関先に座っている80代女性にチラシを渡すと「あんた電気使っているやろ」、掃除機や電子レンジを使わず、コンセントをまめに抜いて、10年前より電気代が1/3に減りましたと言うと、「おお、頑張ってるんや。ご苦労さん」(美浜東小学校付近)

◆暑い昼下がり、草取りをしている女性に渡すと「遠方ご苦労様」といって、すぐチラシを読んでいた。(高浜町立正佼成会辺り)

◆「どこから来られたの?」京都、滋賀、大阪から来ています。意外と若狭の原発から近いのですよ。それに私たちは皆、琵琶湖の水を飲ましてもらっていますから切実ですというと、「それはそうやね! 飲み水がやられたら大変やな。そんな遠くから?ご苦労さんです。」

◆1回目「ありがとう。」と手を出して丁寧に受け取って下さった。2回目、覚えておられたようで「いつもご苦労さんです。」と笑顔で受け取って下さった。

◆通りの小さな体操(ヨガ?)教室にビラの説明をして1枚渡そうとしたら「私もほしい。」と言われ皆さん(数人)に渡した。

◆40歳ぐらいの女性に手渡したところ「この辺の方ですか?」、京都、滋賀、大阪から来ていますと答えると、「福井は原発地元なのに原発の情報がほんとに少なくてこういう詳しいのをもらうととてもうれしい。助かる。この辺の新聞は地方紙をとっている人が多いが、一つは政府寄り、もう一つもさらっと一通りのことしか書かない。」と言われ、若狭の各地に毎月来ているというと「頑張ってくださいね。」

◆校門近くで下校する高校生に渡した。半分ぐらいの生徒は受け取ってくれた。興味深そうにその場で読みながら行く生徒もいたし、全く関心なさそうな生徒もいた。

◆保育園、幼稚園近くではお迎えのお母さんたちはチラシをよく受け取ってくれた。

◆家庭菜園の畑に出かけようとしていた70歳前後の女性。「自分のうちで食べる分をお金の節約と楽しみで作っている。年金生活なので畑で賄えるのは大きいよ。今の生活が気にいってる。原発は怖いなぁ。何かあったらここに住んでこういう生活できなくなるんやから・・・。原発関係で働いている人がこの辺多いから言えないけど私は原発反対。」

5月8日~12日の高浜町-福井市リレーデモの途中で多く聞かれた声

◆5月7日の高浜原発前集会、高浜町内での現地集会、高浜町内デモの翌日、福井市までのリレーデモに出発して1時間、家の玄関が開けられていて、通りすがりに中を見ると、上りかまちの薄暗がりの中で3人の方がデモ隊に何度も会釈をされていた。私も帽子を取って会釈した。(高浜町)

◆アメーバデモの鳴り物、スピーカーから流れる原発全廃を訴える声と反原発の赤旗をみて、草刈りの途中だった男性、鎌を持ったまま玄関に表れて「原発反対や、がんばってや」(越前市 男性)と言われた。

◆チラシをポストにいれていたら、音を聞いて玄関前まで出てこられて、「わしは原発反対や、原発は危ない」(越前市男性)と訴えられて、後から来た街宣車に乗っているHさんにも訴えておられた。

◆高齢の男性は、リレーデモに手を合わせておられた。

◆女性が、リレーデモをわざわざ追ってこられ「一緒に歩けませんが・・・」とカンパをくださった。

◆福井市内に入った時、鳴り物やスピーカーから流れる音を聞きつけて、路地からリレーデモを見に来られ
た男性は、ちらしを他所のポストに入れているのを見て、「わしにもください」と走って来られた。


【最近のニュースから】

最大原発依存国・フランスでも
脱原発が進んでいる!

◆フランスエコロジー相は、会計検査院の勧告により最大17基の原発の廃炉を発表した。(NHK BSニュースがフランスドゥの報道として伝えた。(放送時刻 7月12日4時18分)

◆フランス会計検査院はすでに、2025年に向けて原発エネルギーを50%削減するように勧告していたが、これに沿うものである。

◆フランスには、現在、19箇所に原発があり、58基が稼働中である。全てフランス原子力公社が保有している。このうち6箇所の15基は35年以上経過した老朽原発であり、これが廃炉の対象となる。フランスに豊富に存在する、風力、水力、太陽光、地熱に置き換えようとするものである。17基廃炉されれば、原子力エネルギーを25%削減できる。

◆「この発表は、あと30年の運転を見込んでいたフランス原子力公社にとっては大打撃であるが、フランスの原子力産業にとっては革命になるかも知れない」とフランスドゥはコメントしている。

◆この報道はNHKBSニュースだが、全てのメディアは報道せず。地上波NHKも報道していない。国民には知らせたくないニュースらしい。

東電、汚染水の海洋放出を明言

田中原子力規制員長も海洋放出を求めている

◆福島第一原発では、凍土壁の効果もほとんどなく、汚染水は増え続けている。したがって、この汚染水を浄化した処理水も増え続けている。処理水は、除くことが出来ず、内部被曝による障害が深刻なトリチウムだけでなく、除ききれなかった他の放射性物質も含んでいる。

◆薄めれば、海に流しても良いとするのは大きな誤りである。風評被害のみでなく、生物濃縮の危険性も大である。

◆今後、海洋放出が既成事実化し、拡大する可能性も大きい。

海洋放出以外に処理法が無い放射性物質を生む原発を動かしてはならない。


▲2017年7月14日京都新聞朝刊

2017年6月8日

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

◆最新=8/4講演・討論会in若狭 & 交流企画 チラシ改訂版

8.4 講演・討論会 in 若狭
原発にたよらない町づくりを目指して

講演 山崎隆敏さん…和紙会社経営、サヨナラ原発福井ネットワーク
本年4月発売の『なぜ「原発で若狭の振興」は失敗したのか -県民的対話のための提言』の著者

講演 韓国で脱原発運動を進める若者
韓国で、脱原発運動を展開し、原発のない町づくりを考える若者の代表

討論 原発のない町づくりについて、質疑応答、討論をします。

場所;JR若狭高浜駅2階 「まちの駅ぷらっとHome高浜」

日時;8月4日(金)13時~16時45分 入場無料
京都、滋賀などから配車の予定です(4日9時出発)

主催;若狭の原発を考える会。本講演・討論会開催の趣旨、参加申込み、乗車申込み
については以下をご覧ください。


「8.4 講演・討論会 in 若狭」後、和田海岸に移動し、バーベキューと交流の夕べを催します。

交流企画 キャンプ at 若狭和田ビーチ

日時;8月4日18時より
定員;40人
以下の2つのコースを用意しています。
①バーベキューと交流を楽しんだ後、テントに宿泊して5日午前解散
②バーベキューと交流を1時間半程度楽しんだ後、帰路に(宿泊なし)
参加費;実費;3000円程度(①宿泊あり)、2000円程度(②宿泊なし)
なお、5日は韓国からの訪問者とともに、高浜原発を見学し、周辺の集落でアメーバデモを行います。お時間の許す限りご参加下さい。
[注] アメーバデモ:4~5人の少人数に分かれて、「反原発」の赤旗を掲げて、鳴り物を鳴らしながら、若狭と周辺地域の隅から隅までを歩いて巡り、スピーカーで反原発を訴えながら、チラシを各戸配布する行動


【8.4講演・討論会開催の趣旨】

反原発・脱原発が民意です

◆原発重大事故の悲惨さは、福島原発事故が、はかり知れない犠牲の上に教えるところです。一方、福島事故以降の経験によって、原発は無くても不都合がないことが実証されました。したがって、原発を運転する必要性は見出だせません、反原発は社会通念=民意 となっています。各種報道機関の世論調査でも、原発反対が賛成のほぼ2倍です。若狭にも、表には出ていないけれども、脱原発、反原発の声は多数あります。

世界も脱原発に向かっています

◆世界では、多くの国が福島原発事故を当事国・日本より深刻に受け止めています。また、安全対策などで原発の建設費、維持費が高騰したこと、自然エネルギーやシェールガスによる発電が進み、発電法、蓄電法が高効率化したこと、節電の機運が醸成されたことがあいまって、脱原発に舵切る国が増え続けています。

◆イタリア、ドイツ、リトアニア、ベトナム、台湾が脱原発に向かい、スイスが国民投票で原発新設を禁止しました。また、韓国でも、文在寅新大統領が「原発建設計画を白紙撤回する」ことを宣言し、 40年超え古里原発1号機の永久停止を決定し、 2基の建設を中断しました。最大の原発依存国・フランスでさえ、17基の35年越え老朽原発の廃炉を発表しました(7月12日報道)。アメリカでも、安全対策に膨大な経費が掛かり、他電源に比べても経済的にも成り立たない原発からの撤退が相次いでいます。

◆今、原発を推進しているのは、電力需要が急増している中国などの新興国と、人の命と尊厳は犠牲にしても、経済的利益を優先させようとする日本などの少数です。日本は、原発輸出を成長戦略の一つに挙げていますが、この戦略が破綻していることは、東芝の例を挙げるまでもなく、明らかです。

重大事故が起る前に、
原発にたよらない町をつくりましょう

◆上記のように、国内でも、世界でも、脱原発は大きなうねりです。したがって、近い将来に、原発のない社会がやってきます。それなら、重大事故の起こる前に原発を全廃するのが賢明です。一日も早く、原発にたよらない町づくりを進め、現在および未来の人びとにとって、不安のない、希望あふれる社会を実現しましょう!

8.4講演・討論集会が「原発にたよらない町づくり」を考える一助になることを願っています。是非、ご参加下さい。


8.4 講演・討論会 in 若狭「原発にたよらない町づくりを目指して」
および交流企画「キャンプ at 若狭和田ビーチ」参加申込み

ご氏名;
ご住所;
連絡先  [電話;     E-メール;     ]
参加希望(ご希望に○をお付け下さい)
①8.4 講演・討論会 のみ
②8.4 講演・討論会 および交流企画の両方(宿泊する)
③8.4 講演・討論会 および交流企画の両方(宿泊しない)
④交流企画のみ(宿泊する)
⑤交流企画のみ(宿泊しない)
乗車予約 [京都、滋賀などから配車の予定です(4日9時出発)。
ご乗車ご希望の方は乗車場所をご指定の上、お申し込みください。
詳細は、後日ご案内します。]
→乗車希望場所 [          ]
→帰路の希望
・5日帰路へ
・4日、集会後すぐ帰路へ(京都には20時30分頃到着予定)
・4日、集会後1時間半程度交流企画に参加した後、帰路へ(京都には21時30分頃到着予定)


連絡先;若狭の原発を考える会
木原(090-1965-7192)
橋田(090-5676-7068)
瀧川(080-8327-5588)

◆8.4 講演・討論会 in 若狭 & 交流企画 キャンプ in 若狭和田ビーチ

【2017年7月,お知らせ】

原発再稼働阻止、原発全廃のためにご奮闘の皆様

◆悔しいことに、高浜原発3、4号機は再稼動されてしまいました。圧倒的多数の民意を踏みにじる暴挙です。怒りの炎をさらに燃え上がらせましょう!

◆私たち若狭の原発を考える会は、原発立地・若狭で反原発・脱原発を訴えて活動してきましたが、その中で、若狭にも多数の「原発はあって欲しくない」の声があることを実感してきました。この声を、さらに原発反対の声と行動として顕在化して行かなければなりませんが、それには、若狭の方々に、原発依存時代の生活より脱原発後の生活の方が希望が大きいことを確信していただくことが重要です。

◆私たちは、その一助になれば幸いと考え、添付のチラシのように、「8.4 講演・討論会 in 若狭 原発にたよらない町づくりを目指して」を企画しました。本年4月発売の『なぜ「原発で若狭の振興」は失敗したのか -県民的対話のための提言』の著者・山崎隆俊さんと、韓国で脱原発運動を展開し原発のない町づくりを考える若者の代表(詳細は交渉中)にご講演いただきます。さらに、この講演・討論会の後には、若狭和田浜に移動し、キャンプをしながら、さらに脱原発、反原発のための議論を深めていただく予定です。この機会に、美しい若狭の海を放射性物質で汚染させないという決意をさらに固めていただきたいと思います。

◆諸事ご繁多な折とは存じますが、お繰り合わせの上、ご参加いただければ幸いです。

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8.4 講演・討論会 in 若狭

原発にたよらない町づくりを目指して

講演(1)山崎隆敏さん

;サヨナラ原発福井ネットワーク代表。本年4月発売の『なぜ「原発で若狭の振興」は失敗したのか -県民的対話のための提言』の著者(後段に同書の書評があります。)

講演(2)韓国で脱原発運動を進める若者

;韓国で、脱原発運動を展開し、原発のない町づくりを考える若者の代表

討論

;原発のない町づくりについて、質疑応答、討論をします。

日時

;8月4日(金)13時~16時45分

場所

;JR若狭高浜駅2階「まちの駅ぷらっとHome高浜」

主催

;若狭の原発を考える会(連絡先は末尾をご覧ください)

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反原発・脱原発が民意です

◆原発重大事故の悲惨さは、福島原発事故が、はかり知れない犠牲の上に教えるところです。一方、福島事故以降の経験によって、原発は無くても不都合がないことが実証されました。したがって、原発を運転する必要性は見出だせません、反原発は社会通念=民意 となっています。各種報道機関の世論調査でも、原発反対が賛成のほぼ2倍です。若狭にも、表には出ていないけれども、脱原発、反原発の声は多数あります。

世界も脱原発に向かっています

◆世界では、多くの国が福島原発事故を当事国・日本より深刻に受け止めています。また、安全対策などで原発の建設費、維持費が高騰したこと、自然エネルギーやシェールガスによる発電が進み、発電法、蓄電法が高効率化したこと、節電の機運が醸成されたことがあいまって、脱原発に舵切る国が増え続けています。イタリア、ドイツ、リトアニア、ベトナム、台湾が脱原発に向かい、スイスが国民投票で原発新設を禁止しました。また、韓国でも、文在寅新大統領が「原発建設計画を白紙撤回する」ことを宣言し、 40年超え古里原発1号機の永久停止を決定し、 2基の建設を中断しました。アメリカでも、安全対策に膨大な経費が掛かり、他電源に比べても経済的にも成り立たない原発からの撤退が相次いでいます。今、原発を推進しているのは、電力需要が急増している中国などの新興国と、人の命と尊厳は犠牲にしても、経済的利益を優先させようとする日本やフランスです。日本は、原発輸出を成長戦略の一つに挙げていますが、この戦略が破綻していることは、東芝破綻の例を挙げるまでもなく、明らかです。

重大事故が起る前に、
原発にたよらない町をつくりましょう

◆上記のように、国内でも、世界でも、脱原発は大きなうねりです。したがって、近い将来に、原発のない社会がやってきます。それなら、重大事故の起こる前に原発を全廃するのが賢明です。一日も早く、原発にたよらない町づくりを進め、現在および未来の人びとにとって、不安のない、希望あふれる社会を実現しましょう!

本講演・討論集会が「原発にたよらない町づくり」を考える一助になることを願っています。是非、ご参加下さい。

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交流企画 キャンプ in 若狭和田ビーチ

8月4日講演・討論会終了後、和田海岸に移動:バーベキュウと懇談(テントで宿泊)

キャンプ in 若狭和田ビーチ

日時;8月4日18時より(5日午前まで)

参加費;実費(3000円程度)

定員;40人

なお、5日は韓国からの訪問者とともに、高浜原発を見学し、
周辺の集落でアメーバデモを行います。

【アメーバデモ】

◆4~5人の少人数に分かれて、「反原発」の赤旗を掲げて、鳴り物を鳴らしながら、若狭と周辺地域の隅から隅までを歩いて巡り、スピーカーで反原発を訴えながら、チラシを各戸配布する行動]

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【書評】

『なぜ、「原発で若狭の振興」は失敗したのか』(著者:山崎 隆敏)を読んで

橋田 秀美(若狭の原発を考える会)

◆若狭を隈無く歩いてアメーバデモやチラシ配布をしながら、「原発のない若狭をめざしましょう」と訴えてきた私は、この本の題名に非常に惹かれて一気に読んだ。

◆「国策である原発を受け入れたのは苦渋の選択だった」と若狭の首長たちは口をそろえて言う。故に「原発マネーで生活が良くなるだろうし、そうであって当たり前。」そう期待していた。それがどうだろう、若者はいなくなり、箱物ばかりが建設されるが観光客はどんどん減っていき維持費に窮している。自立できる産業は衰退の一途。なぜこのような事になったのか、著者はいろんな観点から読み解いている。若狭の各自治体の財政を数字で表し、決して原発マネーで財政が潤うわけではないことを見える化して示しているのは説得力がある。

◆「15基もの原発を造らせた福井県は愚かなのか?そうではない」と、原発立地住民の抵抗の歴史も紹介しているが、高浜の漁村の区長さんの言葉が胸にしみる。「今のままで十分暮らしていける。平和な村を壊してくれたら困る。土地を売って金をもらっても一時的なもの・・・結局は生活基盤を失くすだけ。こういった投機的な火遊びを取り除くために、今こそ立ち上がって反対しよう。」この論理が明快ですごく倫理的であるとの指摘はまったく同感だ。経済や科学ばかりが主張されるが、そこに人の命や生活がある以上、倫理的な面からの考察が絶対必要だと思う。

◆そして、「私たちは、どんな社会、どんな国をめざすのか未来を語らなければならない。」と提言している。これは、反原発運動のみならず、私たちが生きていく社会生活において常に基本として問われる姿勢ではないだろうか。

◆原発全廃をめざす者にとって、これからの運動へのヒントが盛りだくさんに示されている。若狭を愛してやまない筆者の熱い思いも感じられる渾身の1冊である。

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■8.4 講演・討論会 および交流企画「キャンプ in 若狭和田ビーチ」参加申込み
ご氏名
ご住所
連絡先 電話 E-メール
参加希望(ご希望に○をお付け下さい)
・8.4 講演・討論会 および交流企画の両方
・ 8.4 講演・討論会 のみ
・交流企画のみ

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■乗車予約
・京都、滋賀、大阪などから配車の予定です(9時出発)。
・ご乗車ご希望の方は乗車場所をご指定の上、お申し込みください。
・4日のみで日帰りの方もご相談下さい。
・詳細は、後日ご案内します。
・乗車希望(乗車場所:    ・4日出発、5日帰着    ・4日日帰り)

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連絡先;若狭の原発を考える会
木原(090-1965-7192)、橋田(090-5676-7068)、瀧川(080-8327-5588)

◆韓国の新大統領・文在寅(ムン・ジェイン)氏が古里原発永久停止記念式で行ったスピーチの全文

【2017年6月26日】

韓国の新大統領・文在寅(ムン・ジェイン)氏が
古里原発永久停止記念式で行ったスピーチの全文を紹介します。

(Chie Yang さんの訳;You Tubeより)

◆自国民と世界の人々の生命と尊厳を守る立場を鮮明にした素晴らしいスピーチです。日本では、安倍政権だけでなく、野党の一部まで、人の尊厳をないがしろにし、経済的利益を優先させる時代遅れの考え方の下に、原発を推進しようとしています。日本の政治は文在寅大統領の姿勢を見習って欲しいものです。

◆なお、文在寅政権がエネルギー源の原発から再生可能エネルギーなどへの転換を掲げるだけでなく、さらに進んで、エネルギー消費削減を前面に掲げることを期待します。何時までも、エネルギー消費の拡大(再生可能エネルギーも含めて)を志向し続けることは、人類の思い上がりです。人が人間らしく生き、地球環境と人類が共存するためには、便利さ優先と決別し、省エネルギーを徹底することが重要だと考えます。

2017年6月26日

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

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【文在寅(ムン・ジェイン)大統領の古里原発永久停止記念式スピーチ全文】

2017年 6月 19日 0時、大韓民国は国内最初(の原子炉)古里原発 1号機を永久停止いたしました。

1977年の完工後、40年目のことです。過去、古里原発 1号機は大韓民国の経済成長を支えてきました。最初に稼動した1978年にはわが国の発電設備総量の9%を担い、その後増築された原発によって、わが国の経済発展過程に伴う電力需要の増大に対応することができました。

古里1号機はわが国の経済発展の歴史とともに記憶されることでしょう。1971年に着工を始めたその時から今に至るまで、古里1号機の稼動中には多くの方々の汗と努力がありました。自分の青春と人生を古里1号機とともに記憶する人々も多くいらっしゃることでしょう。この先、古里 1号機の解体過程においても多くの方々が汗を流すことでしょう。

この場をお借りして関係者のみなさんのご苦労に敬意を表し、特に現場で古里1号機の管理にご尽力くださったみなさんに深く感謝いたします。

尊敬する国民の皆さん!

古里 1号機の稼動の永久停止は脱原発(※原文=「脱核」)国家に向かう出発です。安全な大韓民国への大転換です。

私は今日を基点に私たちの社会が国家エネルギー政策についての新たな合意を集めながら進んでいくことを期待しています。

これまで、わが国のエネルギー政策は低コストと効率性を追求してきました。発電単価の低コスト化を最優先し、国民の生命と安全を後回しにしてしました。持続可能な環境についての考慮も軽視してきました。原発エネルギーはエネルギーのほとんどを輸入に頼らねばならず、わが国が開発途上にある時期に選択したエネルギー政策でした。

しかし、変えるべき時がきました。国家の経済水準が変わり、環境の重要性についての認識も高まりました。国民の生命と安全が何よりも重要だということが確固たる社会的合意として根付いています。国家のエネルギー政策もこのような変化に足並みをそろえるべきです。方向は明らかです。国民の生命と安全、健康を脅かす要因を取り除いていくべきなのです。持続可能な環境、持続可能な成長を追及すべきなのです。国民の安全を最優先とする清浄なエネルギー時代、私はこれがわが国のエネルギー政策が追求する目標だと確信します。

昨年の9月、慶州の大地震で私達は大きな衝撃を受けました。震度5.8、 1978年に気象庁の観測が始まって以来、韓半島(※原文ママ)に発生した最大規模の地震でした。幸い死亡者はいませんでしたが、23人が負傷し、計110億ウォンの財産被害が発生しました。

慶州地震の余震は現在も続いています。六日前にも震度2.1の余震が発生し、今までの9ヶ月の間に計622回の余震が続いています。

私たちはこれまで大韓民国は地震からは安全な国だと信じてきました。しかし、もはや大韓民国が地震安全地帯ではないことを認めなければなりません。

私たちは当面した危険を直視しなければなりません。特に地震による原発事故はあまりに致命的です。

日本は地震に対する準備が最も優れた国と評価されてきました。しかし、2011年に発生した福島原発事故で2016年3月現在、計 1,368人が死亡し、被害の復旧に計 220兆ウォンという天文学的な予算が必要だといいます。事故後の放射能の影響による死亡者や癌患者の発生数は把握することすら不可能な状況です。福島原発事故は原発が安全でもなく、低コストでもなく、環境にやさしいエコでもないという事実を明らかに見せつけました。

その後ヨーロッパの先進国家は早い速度で原発を減らしつつ脱原発を宣言しています。しかしわが国は相変わらず原子力発電所(※原文=核発電所)を増やし続けてきました。その結果わが国は全世界の中で原発が最も密集した国になってしまいました。国土面積当たりの原発設備容量はもちろん、団地別密集度、半径30㎞以内の人口もすべて世界1位です。

特に古里原発は半径30㎞内に釜山248万人、蔚山(ウルサン)103万人、慶南29万人、計382万人の住民が住んでいます。月城(ウォルソン)原発も130万人で2位につけています。福島原発事故当時、住民退避令が出された30㎞内の人口は17万人でした。しかし、わが国の場合、それよりも実に22倍を越す人口が密集しています。可能性はとても低いとはいえ、万が一原発事故が発生したならば想像も適わぬ被害が続くことでしょう。

尊敬する国民のみなさん!

私は先の大統領選挙において安全な大韓民国を約束申し上げました。セウォル号以前と以後では全く異なった大韓民国をつくりあげると約束しました。安全な大韓民国はセウォル号の子どもたちと結んだ堅い約束です。新政府は原発の安全性確保を国の存亡がかかった国家安保問題として認識し、対処していきます。

大統領が直接点検し、管理します。原子力安全委員会を大統領直属委員会に昇格させ、多様性と代表性、独立性を強化します。

原発政策も全面的に再検討します。原発中心の発電政策を廃棄し脱核時代に向かいます。準備中の新規原発の建設計画は全て白紙に戻します。

原発の設計寿命を延長させません。現在寿命を延長して稼動している月城 1号機は電力需給状況を考慮し、できる限り早く閉鎖します。設計寿命の尽きた原発稼動を延長することは船舶運行の船齢を延長したセウォル号と同じです。

現在建設中の新古里 5,6号機については安全性に伴い工程率と投入費用、補償費用、電力設備予備率などを総合的に考慮し、なるべく早く社会的合意を導きだしたいと思っています。

原発安全基準も大幅に強化します。今脱原発を始めたところで現在稼働中の原発の寿命が尽きるまでにはこの先にも数十年の時間がかかります。その時まで国民の安全が最後まで完璧に守られなければなりません。現在稼働中の原発の耐震設計は福島原発事故後補強されました。その補強が十分であるのか、正確に行われたものなのか、今一度点検します。

新政府の原発政策の主体は国民です。原発運営の透明性も大幅に強化します。これまで原発運用過程において大なり小なりの事故が起きており、さらには原子炉の電源が切れるブラックアウトが発生したこともありました。しかしながら、過去の政府にはこれを国民に正確に知らせずに隠蔽した事例もありました。新政府では、どんなことでも国民の安全にかかわることならば国民に透明に知らせることを原発政策の基本とします。

脱原発をめぐり、電力需給と電気量を心配する産業系の憂慮があります。莫大な閉鎖費用を心配する意見もあります。しかし脱原発は逆らう事のできない時代の流れです。この先数万年この地で生きていく我々の子孫らのために今、必ずや始めなければならないことです。

脱核、脱原発政策は核発電所を長い歳月をかけ徐々に減らしていくもので、私達の社会は十分にそれを引き受けうけることができます。国民たちが安心できる脱核ロードマップをなるべく早いうちに準備します。

尊敬する国民のみなさん!

新政府は脱原発とともに未来エネルギー時代を開きます。新再生エネルギーとLNG発電をはじめとしたきれいで安全なエネルギー産業を直接育成します。第4次産業革命と連携し、エネルギー産業が大韓民国の新たな成長動力になるよう力を尽くします。

今、世界はエネルギー戦争を繰り広げています。地球温暖化に伴う異常気象、高温、パリ気候協定など国際環境の変化に能動的に対処していかねばなりません。

石油の国、サウジアラビアが「脱石油」を宣言し、政府系ファンドをつくり太陽光のような新再生エネルギー事業に力を注いでいます。Appleも太陽光電気販売を開始し、Googleも「Googleエネルギー」を設立し太陽光事業に参与してから随分たちます。

私たちも世界の趨勢に乗り遅れてはなりません。原発とともに石炭火力発電を減らし、天然ガス発電設備稼働率を増やしていきます。石炭火力発電所の新規建設を全面中断します。古くなった石炭火力発電所10基についての処置も私の任期内に完了させます。すでに5月5日に微細ホコリ対策として30年以上運営された石炭火力発電所8基を一時中断していたことがあります。石炭火力発電を減らす第一歩を踏み出しました。

太陽光、海上風力産業を積極的に育成し、第4次産業革命に備えたエネルギー生態系を構築していきます。環境にやさしいエネルギー税制を合理的に整備し、エネルギー高消費産業構造も効率的に変えていきます。産業用電気料金を再編し、産業部分での電力過消費の防止に努めます。産業競争力に被害のないように中・長期的に推進し、中小企業を支援します。

尊敬する国民のみなさん!

今日、古里 1号機の永久停止は私たちにとってまたひとつの機会です。原発の解体についてのノウハウを蓄積し、原発解体産業を育成することのできる契機となるからです。

原発の解体は多くの時間と費用と先端科学技術を必要とする高難度の作業です。脱原発の流れのなか、世界各国で原発解体の需要が多く発生しています。しかし、これまでに原発解体の経験がある国家はアメリカ、ドイツ、日本だけです。現在のわが国の技術力はアメリカなど先進国の80%水準であり、原発解体に必要な商用化技術 58のうち41を確保しています。

少し急ぎます。 原発解体技術力確保のために東南圏(※釜山、蔚山圏)地域に関連研究所を設立し、積極的に支援します。大韓民国が 原発解体産業の先導国家となれるよう政府は努力と支援を惜しみません。

尊敬する国民のみなさん!

私達は今、新たな挑戦を始めています。慣れたものと決別し、新たなものを創造していかねばなりません。国民の生命と安全を守りながらも安定的な電力供給も維持できなければなりません。原発と石炭火力を減らしながらこれに代わる新再生エネルギーをその都度低価格で生産しなければなりません。

国家エネルギー政策の大転換、決してたやすいことではありません。政府と民間、産業界と科学技術界が協力しなければなりません。国民のエネルギー認識も変わらなければなりません。脱原発, 脱石炭とともに環境にやさしいエネルギー政策をたてていきます。

多くの困難があることでしょう。しかし明らかに進まなければならない道です。健康なエネルギー、安全なエネルギー、きれいなエネルギー時代に進みます。国民の安全と生命を最高の価値と考える安全な大韓民国をつくっていきます。

ありがとうございます。
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