◆原告第7準備書面
第7 立地審査を行わない理由は,福島事故を仮定すると
原子力発電所の立地が出来なくなるからである

原告第7準備書面
-立地審査指針について- 目次

第7 立地審査を行わない理由は,福島事故を仮定すると原子力発電所の立地が出来なくなるからである

以上の通り,原子力規制委員会が,新規制基準から立地審査を捨て去ったことには合理的な理由がない。では,なぜ立地審査は新規制基準に採用されなかったのか。

田中俊一原子力規制委員長は「福島のような放出の状況を仮定すると立地条件に合わなくなってしまう」と記者会見で述べた(甲63-16,17)。

この唖然とする程あけすけな規制委員長の発言に端的に示されているように,原子力規制委員会は,シビアアクシデントを想定すると日本の全ての原発の敷地境界での住民被曝線量が,立地評価の目安値以下になる見通しがなく,したがってわが国においては,全ての原発の再稼働が不可能となるため,バックフィット審査を経て設置許可を継続するには立地評価自体を捨て去るしかないと判断したものと考えられる。