◆報告とお礼~11.22 「MOX燃料搬入を許すな!」 緊急抗議行動に20数人が結集

【2022年11月25日,京都キンカンで配付】

報告とお礼

11.22 「MOX燃料搬入を許すな!」
緊急抗議行動に早朝より20数人が結集

 去る9月17日に、2隻の輸送船でフランス、シェルブール港を出港したMOX (ウラン・プルトニウ厶混合酸化物)燃料が、11月22日の早朝に高浜原発に到着しました。

 「老朽原発うごかすな!実行委員会」の緊急の呼びかけに応えて、早朝より高浜町音海地区の「物揚げ広場」(高浜原発が面する内浦湾の入口)に結集した20数人は、以下のように満腔の怒りを込めた抗議行動を展開しました。

①午前6時に高浜町音海地区の「物揚げ広場」で抗議行動
②7時過ぎに高浜原発から音海地区より300mの展望所に車で移動し、デモ行進で、高浜原発北ゲート前に移動
③北ゲート前で抗議行動(9時10分頃解散)

緊急の呼びかけにも拘わらず、
ご結集、ご支援いただいた皆様、
有難うございました。

 日本向けのMOX燃料のフランスからの輸送は、1999年に始まり、今回が8回目です。前回は、昨年9月にシェルブールを出港し、同11月に高浜原発に到着しています。

 今回到着のMOX燃料は、フランスの原子力大手•オラノが製造したもので、高浜原発3、4号機で使用されます。原料のプルトニウムは、関電の原発の使用済み核燃料からラアーグ再処理工場で分離して取り出されたものです。関電は2017年、MOX燃料の集合体32本の製造を日本の会社を介してメロックス工場に委託していましたが、同工場では、ウランとプルトニウ厶が均等に混ざり合わない不良品が続出して、16体は昨年11月に高浜原発に到着したものの、残りの到着は約1年遅れていました。
 MOX燃料出港に際して、環境団体グリーンピースは「世界が極めて不安定な中、危険な物質を輸送するのは全く無責任だ」と批判し、抗議行動を展開しています。なお、今回のMOX燃料の出港は、シェルブール港のクレーンが故障して、燃料の一部を輸送船に積み込めなかったため、10日間遅れています。

MOXを燃料とする原発プルサーマル運転は、
ウラン燃料運転に比べて、格段に危険です。

【1】酸化物であるMOX中のプルトニウ厶が核分裂すれば、酸素と結合し難い白金族元素が多く生成し、酸素が余り、余った酸素が燃料被覆管を腐食します。また、プルトニウムからは、核分裂生成物ガスとヘリウムガスであるアルファ線の放出が多く、燃料棒內の圧力が高くなり、被覆管の破損を招きます。

【2】MOX燃料では、プルトニウムの高次化によって、中性子を吸収しやすいアメリシウムが生成し、原子炉の運転や停止を行う制御棒やホウ酸の効きが低下します。

【3】MOX中のプルトニウムが集まって核燃料が不均質化(いわゆるプルトニウムスポットの生成)します。

【4】MOX燃料では、中性子束(中性子密度)が大きく、高出力で、過渡時(すなわち出力の増減時)に原子炉の制御がより困難です。

【5】使用済みMOX燃料の発熱量は下がり難く、使用済みウラン燃料の4倍以上も長期にわたって燃料プール内で水冷保管しなければ、空冷保管が可能な状態になりません。

 高浜原発1、2号機は、運転開始後48、47年超えの老朽原発です。蒸気発生器伝熱管などの1次冷却系配管のトラブルを頻発させている3、4号機も、もうすぐ38年超えになり、老朽原発の仲間入り直前です。3、4号機は、危険極まりないプルサーマル運転を続けています。したがって、

高浜原発は、世界一危険な原発

と言っても過言ではありません。
 老朽原発•高浜2号機、美浜3号機(12月で46年超え)の廃炉を勝ち取り、それを突破口に原発全廃に向けて前進しましょう!

老朽原発うごかすな!実行委員会・木原壯林


11月22日早朝の緊急抗議行動





▼2022 年11月23日 福井新聞 朝刊

▼2022年11月23日 県民福井・中日新聞 朝刊

▼2022年11月23日読売新聞 朝刊


12.4「老朽原発うごかすな!関電包囲全国集会
-超危険な美浜3号、もう廃炉-」
に総結集を!

 福井、滋賀、京都の9人が大阪地裁に申し立てた「美浜原発3号機運転差し止め仮処分裁判」は、7月31日に最終審尋が行われ、9月中の運転差し止め決定が期待されましたが、未だに決定は出ていません。(決定の出る日は、1週間前には大阪地裁から連絡されることになっています。)

 そのような中で、「老朽原発うごかすな!実行委員会」は、次の行動を提起しています。皆様のご参加、ご支援をお願いいたします。

 大阪地裁仮処分裁判に勝っても負けても、仮処分決定が出ていなくても、12月4日(日)、「老朽原発うごかすな!関電包囲全国集会」を開催し、御堂筋デモを敢行します。ご支援、ご参加をお願いします。

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12.4集会概要

日時:12 月 4 日(日)13:00~14:30(集会)
場所:関西電力本店前
(地下鉄肥後橋駅、京阪中之島線渡辺橋)
集会後、うつぼ公園に移動して、
15:00 にデモ出発。16:30頃なんばで解散。
主催:老朽原発うごかすな!実行委員会

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以下は、12.4集会のチラシの裏面です。


老朽原発うごかすな!
超危険な美浜3号、もう廃炉!

「12・4関電包囲全国集会」に総結集を!

 原発は現在科学技術で制御できる装置でないことを、発生後11年半を経た福島原発事故が大きな犠牲の上に教えています。一方、ウクライナ紛争では、戦争になれば、原発は格好の攻擊目標になることが実証されました。

 このように、原発は、人類の手に負える装置でなく、人の命と尊厳を脅かします。

 それでも、政府や電力会社は、ウクライナ紛争によるエネルギーひつ迫や炭酸ガス削減を口実にして、原発の稼働に躍起です。

 政府は、昨年10月に決定した「エネルギー基本計画」の中で「原発の新増設や建て替えは想定しない」としていましたが、岸田首相は、決定から1年もたたない8月24日、この基本計画まで無視し、また、原発の運転期間は最大60年とした法律を蔑ろにして、

•次世代原発の建設検討、
•原発運転期間の60年超への延長、
•新規制基準審査に合格している原発17基のうち最大9基の今冬、残る8基の来年以降早期の稼働

を打ち出しました。福島原発事故の犠牲と教訓を軽んじ、科学的な説明や議論もなく、さらなる原発推進を打ち出したのです。

 一方、関電は、昨年6月に再稼働したものの「特重施設」の設置が間に合わず、わずか4力月の稼働の後停止していた老朽原発•美浜3号機(運転開始後45年超)の稼働を去る8月30日に強行しました。この原発は、昨年の再稼慟以降に、過酷事故につながりかねない深刻なトラブルを4度も発生させています。しかも、トラブルの原因は、いずれもあきれ返るほど稚拙なミスです。このようなミスは、技術者がしっかりしていれば、簡単に気がつくものです。しかし、現在は、下請け依存の上に、責任感の薄い、関電および下請けの技術者、監督者、点検者などが原発を動かそうとしています。原発を動かそうとする体制自体が腐敗しているのです。

 その関電は、運転開始後48年、47年になろうとする老朽原発・高浜1、2号機の来年6、7月稼働も画策しています。

 今、原発の推進のために電力需給のひつ迫が喧伝されています。しかし、日常的には、電気は余っています。一時的に電力ひつ迫が発生しても、節電によって回避できます。このことは今年3月の、地震と寒波に起因する東北、東京エリアでの電力不足、今夏の猛暑による電力不足を、節電で乗り越えた実績が証明しています。

 一時的な電力需給ひつ迫を口実に、人々や環境に放射線被ばくを強い、負の遺産・使用済み核燃料を残す原発の推進を許してはなりません!とりわけ危険な老朽原発の再稼働など、もってのほかです。

 美浜3号機、高浜1、2号機の廃炉を勝ち取り、それを突破口に原発のない社会を実現しましょう!

岸田政権の原発推進への暴走を許すな!

老朽原発うごかすな!実行委員会(090-1965-7102)