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◆[第5回原告団総会]世話人会からの報告とアピール

◆2017年6月25日に開かれた第5回原告団総会における「世話人会からの報告とアピール」は,
以下の通りです。

[1] 1万人原告をめざして

(1)京都脱原発原告団の歩みと原発再稼働

①大飯原発

・福島第一原発の過酷事故(2011年3月11日~)のあと,国内の稼動原発はゼロになりました。ところが,福井県にある関西電力・大飯原発は,当時の民主党政権のもと,新しい規制基準もできていない中,2012年7月に再稼働されました。京都脱原発弁護団・原告団は,すべての原発を止める第一歩として大飯原発差止訴訟を提起し,2012年11月に1,107名の原告で京都地裁に提訴しました。

・その後,2013年12月に856名で第二次[追加]提訴,2015年1月に730名で第三次[追加]提訴,2016年1月に393名で第四次[追加]提訴,2017年2月に184名で第五次[追加]提訴をを行いました。その結果,原告総数は3,270名となっています。現在,第六次[追加]原告を募集し,1万人原告をめざしています。

・なお,大飯原発は2013年9月に定期検査で停まり,以来,日本は再び原発ゼロとなりました。2014年5月には,福井地裁の大飯原発運転差止裁判(樋口英明裁判長)での勝訴とその格調の高い判決文により,京都では訴訟団と市民運動の共同の取り組みが進むようになりました。

・裁判は,関西電力の控訴により名古屋高裁金沢支部で審理中ですが,原子力規制委員会は再稼働を認めているので,現状のままなら2017年10月には再稼働されると報道されています。

②川内原発と伊方原発

・自民党・公明党政権のもと,原子力規制委員会は,原発の再稼働をすすめています。九州電力・川内原発1・2号機は2015年8月,四国電力・伊方原発3号機は2016年8月,再稼働されました。

③高浜原発

・高浜原発3・4号機は,2015年4月,福井地裁の仮処分決定で運転できないことになりました(樋口英明裁判長)。しかし,2015年12月には関西電力の主張を認めた異議審決定(福井地裁,林潤裁判長)で覆されてしまいました。

・その後,2016年3月大津地裁の仮処分決定(山本善彦裁判長)により,運転中の原発として初めて停止させられました。この仮処分決定は新規制基準の問題点にも踏み込んでいます。大津地裁では被告関電による執行停止の申し立て,異議審ともに退けられ,審理は大阪高裁にうつりました。しかし,大阪高裁(山下郁夫裁判長)は2017年3月,再稼働を容認したため,5~6月に再稼働されました。

・原子力規制委員会は,40年越えの高浜原発1・2号機まで動かそうというのですから,もはや「規制」どころか「推進」委員会です。

④福井若狭の原発群について

・福井若狭には多くの原発が集中していて,1機が重大事故を起こせば,隣の原発にも近寄れなくなる事態が予想され,多数の原子炉の重大事故に発展しかねせん。

・重大事故の場合,100km圏内の500万人以上が避難対象となる可能性がありますが,そんな数の避難は不可能でしょう。

・さらにこの圏内には「近畿の水がめ」琵琶湖があり,京阪神1,450万人が安全な飲料水を失ってしまいます。

・再稼働された高浜原発は危険性の高いMOX燃料を使用し,すでに30年を越えています。使用済み核燃料の保管,処分の見通しもありません。

⑤脱原発の運動と世論をさらに大きく

・どの世論調査でも,原発再稼働反対の声は,容認する声の倍程度になっています。

・原発再稼働がすすめられているとはいえ,まだ,川内原発1・2号機,伊方原発3号機,高浜原発3・4号機の5基に押しとどめているのは,脱原発の世論と運動の成果です。さらに市民多数の声を目に見える形にし,原発再稼働を阻止する勢力を大きくしましょう。

(2)第六次[追加]原告の募集

・大飯原発差止訴訟に勝利するために,私たちは1万人原告をめざしています。社会的に見れば,原発に不安を持ち,なくして欲しいと願っている市民が多数派です。こうした草の根の広範な願いを,裁判の原告という形に表現して,目に見える大きな社会的な勢力に広げていきましょう。九州の玄海原発訴訟では既に1万人原告を達成しており,決して不可能な目標ではありません。ただ,訴訟の進行の関係から,原告募集は第六次で終了する方向です。

・世話人会では2017年初より第六次 [追加] 原告の募集をすすめています。6/10の世話人会の段階で,30名となっています。

・5,000円ほどの裁判費用を裁判所に納める関係で,最低700人ほどにならないと原告団の赤字になりますが,第四次[追加]提訴以降は,原告の皆さまのカンパでまかなってきています。

(3)身の回りで脱原発の輪を広げてください!

・第六次 [追加] 原告募集では,お一人の原告が,職場やお近くの知人,友人,ご家族などで,お一人の新しい原告を誘っていただくことを,心から訴えます。
・すでに原告になっている方は,本日の配付資料中の「原告募集案内チラシ」をお知り合いなどにお渡しいただき,ぜひさそってください。
・世話人会では,原告募集の集会の設定,いろいろな機会に原告募集案内チラシを配付するなどの活動をすすめています。
・再生可能な自然エネルギーに依拠した新しい社会,エネルギーを過度に使用しない社会のために,市民の共同の輪をいっそう広げ,脱原発の実現をめざしましょう。

[2] これまでの法廷の内容

(1)各期日のくわしい報告

・原告側の陳述書や弁護団による準備書面,被告(関電,国)の答弁書や準備書面は,原告団Webの中の「裁判資料」(「裁判」→「裁判日程」「裁判資料」)にアップしています。

(2)これまでの内容

…1,107名の原告で提訴したのは,2012年11月29日。その後,各期日ごとに弁護団からの準備書面の提出(パワーポイントでのプレゼン)と,原告の意見陳述を行ってきました。

・第1回口頭弁論(2013年7月2日)
…竹本修三・原告団長が「地震国日本で原発稼働は無理」と陳述。
福島敦子さん(福島県南相馬市からの避難者)の陳述。

・第2回口頭弁論(2013年12月3日)
…原告で,聖護院門跡の宮城泰年・門主が意見陳述。

・第3回口頭弁論(2014年2月19日)
…原告の宮本憲一・元滋賀大学学長・大阪市立大学名誉教授(環境経済学)が意見陳述。

・第4回口頭弁論(2014年5月21日)
…裁判官の交代に伴う弁論の更新。
…竹本修三・原告団長と福島敦子さん(福島県南相馬市からの避難者)が再陳述。

・第5回口頭弁論(2014年9月30日)
…原告の意見陳述は萩原ゆきみさん(郡山市からの避難者)と,
都市計画の観点から広原盛明さん(京都府立大学元学長)。

・第6回口頭弁論(2015年1月29日)
…原告の意見陳述は,高浜原発から15キロ,舞鶴湾を臨むところに住んでいる三澤正之さん(京都府舞鶴市在住)。

・第7回口頭弁論(2015年5月28日)
…原告の意見陳述は,菅野千景さん(福島市からの避難者)。

・第8回口頭弁論(2015年10月20日)
…関西電力の主張に対して原告の側から反論するのが,おもな内容。
…関西電力が想定する地震の規模についての見積もりが甘すぎるという点を,竹本修三・原告団長が分かりやすく解説。

・第9回口頭弁論(2016年1月13日)
…原告の意見陳述は,阪本みさ子さん。大飯原発から20キロ地点の東舞鶴に居住。
…弁護団からは,新規制基準の基準地震動の「標準・平均値」は矛盾に満ちていることを主張。

・第10回口頭弁論(2016年3月15日)
…原告の意見陳述は,林(はやし) 森(もり)一(かず)さん。京都市左京区久(く)多(た)に生家。久多は大飯原発から約34km。
…弁護団からは,避難困難性の敷衍(京都市左京区久多について),2015年12月24日の福井地裁異議審決定の問題点を準備書面として提出。

・第11回口頭弁論(2016年5月16日)
…原告の意見陳述は,大飯原発からは約40kmの綾部市に住む斎藤信吾さん。
…弁護団からは,基準地震動以下の地震動でも大飯原発やその電源が損傷し,過酷事故に陥る可能性があること,大津地裁の高浜原発差し止めを命じる仮処分決定(2016年3月)の意義を主張しました。とくに後者は,出口治男・弁護団長が,最近の関経連関係者が語った「一地方の裁判官が勝手に原発を止めるな」のコメントを,人権の上にエネルギー政策があるのかのような不見識さだと,強く批判しました。

(3)この一年間の内容【2016/7/24の第4回原告団総会のあと】

・第12回口頭弁論(2016年9月14日)
…原告の意見陳述は,避難計画の問題点について栢(かや)下(した)壽(ひさし)さん(京都府南丹市)。
…弁護団からは,被告関西電力が反論していない原告の主張について(第24準備書面)指摘。

・第13回口頭弁論(2016年11月28日)
…原告の意見陳述は,池田豊さん(京都自治体問題研究所),吉田真理子さん(京都府宮津市)。
…弁護団からは,高浜原発広域避難訓練から明らかになった問題点(第27準備書面),宮津市避難計画の問題点について(第28準備書面),などを主張。

・第14回口頭弁論(2017年2月13日)
…原告の意見陳述は,福島県から避難してきた宇野朗子さん(現在は京都府木津川市)。
…弁護団からは,第29準備書面で,①コスト的に成り立たない原発事業,②世界各国における原発産業の状況,③原発御三家の東芝,三菱重工,日立,④原発は産業発展の妨げ,⑤裁判官にのぞむこと,などを主張。
(原告団Webでは,とくに「私たち原告の主張:ハイライト」に掲載しています。)

・第15回口頭弁論(2017年5月9日)
…裁判官の交代(藤田昌宏 裁判長,上田瞳,築山健一)に伴う弁論の更新で,竹本修三・原告団長,福島敦子さん(福島県南相馬市からの避難者)が再々陳述。
…世話人の赤松純平さんが,大飯原発の地盤特性や地域特性について意見を陳述。

(4)今後の予定

・第16回口頭弁論(2017年7月21日)
…原告の意見陳述は,市川章人さん(京都自治体問題研究所)で,避難の問題について。
…弁護団からは,上林川断層(FO-A断層,FO-B断層,熊川断層の共役断層)について,前回に続いて大飯原発の地盤特性や地域特性についての書面,および名古屋高裁金沢支部で証言した島崎邦彦さん(元原子力規制委員会委員長代理)の調書を提出する予定。

・第17回口頭弁論(2017年11月1日)以降…残った主張を出して,立証の段階に入っていきます。

・第18回口頭弁論…来年2018年になります。

[3] この一年間の原告団のおもな活動

(1)毎月1回の原告団・世話人会

①原告団・世話人会の成立(2013/2/9)後,毎月1回の世話人会を開催しています(2017/7/15に第55回)。原告の追加募集,世話人会が関係するいろいろな取り組み,裁判期日の内容の確認などを行っています。今年度より,世話人会の終了後は任意参加でランチ会という,おしゃべり会を設けています。

②現在,原告団・世話人会は25名の世話人で構成しています。昨年総会時の世話人は22名でしたので,新しい人が増えています。世話人は,随時,募集しています。原告の皆さまの中から手を上げていただく方をお待ちしています。

③世話人の中から,原告団長(竹本修三),事務局長(吉田明生),事務局次長(山崎正彦,田中善久)をおいています。

④事務局では,新しい原告への訴状の発送,郵送希望原告への裁判期日の案内手紙の発送,原告団総会の案内ハガキの発送(メールアドレスの登録のない人のみ)などを行っています。また,裁判期日には原告席での参加者を募集しています。

⑤世話人会には弁護団から6名が参加しています。

(2)昨年総会(2016/7/24)以降のおもな催し

①2016/10/30。弁護団を中心にした野島断層見学会。淡路島へ。

②2017/2/13。184名で第五次[追加]提訴を行い,原告総数は3,270名となりました。

③2017/3/28~。昨年,大津地裁で出た高浜原発運転差止の仮処分決定が,大阪高裁でくつがえされた3/28より,市民団体による「原発の電気はいらない署名@関西」による署名運動が開始されました。関電あてに原子力発電を止めてくださいと求める署名です。京都脱原発原告団も賛同団体にはいりました。

④2017/4/16。宮津市にて。「原発事故!すわっ!避難なんてごめんです!京都府北部集会」。昨年11/28に京都地裁で陳述されたお二人の原告にお話ししてもらいました。『自然豊かな宮津の暮らしを守りたい』吉田真理子さん(原発なしで暮らしたい宮津の会),『原発事故から逃げられる?』池田豊さん(自治体問題研究所 事務局長)からそれぞれ熱い思いがあふれました。宮津市では,天橋立を世界遺産にしたいという運動をしています。世界遺産とすぐ近くの原発とは共存できません。

⑤ 上記宮津市での集会を機に,このあたりは大飯原発や高浜原発から何kmかという「このあたりプレート」を表示する運動を提起しています。(→p.18)

(3)原告名簿,原告団MLについて

①原告の皆さまへの連絡は,郵送希望の原告(1,000円の実費で登録)のほかは,原告団メーリングリスト(一斉メール送信,ML)で行っています。できるだけメールアドレス(携帯可)の登録をお願いします。また,最近,配信停止となるメールアドレスが増えていますので,携帯の機種変更などでメールアドレスが変更になった場合は,再度,事務局宛にご連絡ください。

②原告名簿,原告団MLの管理につきまして,この一年でかなり改善を図りました。しかし,専従者がいる訳ではなく,あくまでボランティアベースの活動ですので,行き届かない点もあるかと思われます。今後とも,原告の皆さまのご協力を得て可能な範囲で改善していきますので,お気づきの点はご指摘ください。

[4] 財政について

(1)財政の基本

・弁護団と原告団の活動は皆さまのカンパでまかなっています。財政は弁護団財政一つです。
・弁護団は無報酬で活動しています。
・原告団,世話人の活動も,無償のボランティアが基本です。
・訴訟参加費の5000円は,ほとんどを裁判所に納めています。

(2)原告団の活動と財政

・世話人会の会場費,必要不可欠な物品,原告団や世話人会として遠方へ出かける場合などの実費支出は,弁護団財政の中で処理しています。
・いろいろな集会の会場費など,原告団独自の活動は,カンパを募ったり,ボランティアとして進めて,赤字にならないように工夫しています。
・世話人会出席の旅費支給…府北部の世話人のように往復旅費が1回3000円以上かかる場合,旅費を支給することにしました。

・2016年に「脱原発カンバッジ」を制作しました。広く普及したいと思います。2個100円です。
・2015年に「脱原発クリアファイル」を作成しました。500円/5枚で販売中です。

(3)原告参加費用5,000円について

・大飯原発差止訴訟に原告として参加していただくためには,原告参加費用として5,000円のご負担をお願いしています。この大部分は裁判所に提出する訴状に貼る印紙代にあてられます。これ以外にご負担いただく費用はありません。

・判決文で,訴訟費用を原告に負担させる旨言い渡される可能性はありますが,ここでいう「訴訟費用」とは,訴状に貼付する印紙代,証人に支払われる日当や交通費などで,大部分は印紙代のことなので,すでに支払っていただいた5,000円以外に追加で支払義務を負わされることはありません。

・また,大飯原発の運転差し止めが認められた場合でも,関電の損害や被告の弁護士費用などについて,原告が賠償義務を負わされることはありません。

(4)会計の報告

・(2016.4.1~2017.3.31)[略]

[5] 世話人会からのアピール

(1)本日のカンパのお願い

・カンパ袋も配付資料の中にセットにしています。
・経済情勢の厳しい折りですが,当原告団の活動は,皆さまのカンパによって成りたっています。ぜひとも,ご協力いただきますよう,心からお願い申し上げます。

・カンパについて領収書が必要な場合は,袋の表に住所氏名などを記入してください。後日,郵送します。領収書が必要でない場合は,住所や氏名を記入しないでください。(封筒の再利用のため)

・カンパ袋は毎年,再利用しています。カンパが困難な場合でも,袋だけはご返却ください。

・お帰りの際,出口で,ご意見用紙と一緒にお願いします。

(2)いろいろなお願い

・以下,お願いばかりで恐縮ですが,可能な範囲でご協力ください。
・いろいろな運動の形があります。それぞれの人には,得手,不得手のフィールドもありますし,好き,嫌いのフィーリングもあります。しかし,民主主義をめざす,脱原発の社会を実現するという共通点があるのですから,お互いの取り組みを尊重しあいながら,少しずつでも足し算をしていく感覚で多方面に伸びていく運動を期待したいと思います。

①第六次原告募集に協力してください。まわりに知人,友人を原告にさそってください。なお,訴訟の進行の関係から,原告募集は第六次で終了する方向です。

②裁判期日には,原告席や傍聴席にて裁判に参加してください。開廷前には,弁護士会館前を出発して裁判所周辺のデモを行い,市民に脱原発裁判をアピールしています。時間などはその都度,ご連絡します。

③脱原発の思いを陳述書に書いてください。

④書籍,物品販売に協力してください。

⑤「このあたりプレート」を活用してください。
ご自分の土地などに,大型看板を出せる場合,ご連絡ください。

⑥原告の皆さまへの連絡のため,できるだけメールアドレス(携帯可)を登録してください。
携帯の機種変更などでメールアドレスが変更になった場合,事務局宛にご連絡ください。

(3)原告団が協力している署名など

・原発の電気はいらない署名→こちら
・原発賠償京都訴訟の公正判決要請署名→こちら

(4)缶バッジマシンの貸し出し

・缶バッジをつくるための缶バッジマシンは,京都木津川マラソンの東日本震災復興支援に応募して援助を受けたものです。
・マシン本体は他団体への貸し出し(無料)に応じています。パーツを用意されれば,各団体でオリジナルの缶バッジをつくることができます。事務局にご連絡ください。

[6] 訴訟の一覧表

  • 全国 脱原発 訴訟
  • 全国 原発賠償 訴訟

・こちら→ 訴訟の一覧[288 KB]

◆[第5回原告団総会]参加者からの声

2017年6月25日(日)しんらん交流館大谷ホールで開かれた第5回原告団総会で、ご意見を書いていただく用紙を配布したところ、次のような声が寄せられました。ここに一括して、掲載させていただきます。

ご意見をお寄せいただいた皆さま、ありがとうございました。

  • 講演の内容は難しいものもありましたが、原発差止訴訟をめぐる様々な思惑と経緯を知ることができ、大変勉強になりました。今後はもっと原発をめぐる問題に関する勉強をしていきたいと思います。本日はありがとうございました。
  • 記念講演の後半を駆け足で飛ばしたのが残念です。時間をもっと多くとっていただきたかったです。一般市民にとっては科学的な内容は分かりづらいですが、かといって適当に分かった気でいては、今回の訴訟に十分かつ正当に取り組めなくなってしまいます。
    その意味で、纐纈先生という第一人者に東京から来ていただく絶好の機会なのですから、十分な時間をとってほしかったのです。あとはレジュメで勉強します。
  • 纐纈先生には、お立場上難しいでしょうに、講演に来ていただいたことに敬意と感謝を申し上げます。
    講演を聴いて、最後は市民の力、できるだけ広範な団結の力だと確信しました。がんばりましょう!!
  • 世話人の皆様、ありがとうございます。実り多い総会でした。
  • 今日の講演は期待はずれでした。
  • 電源喪失が地震動によるのか、津波によるのか、が争点の一つになっていて、その予測をどうしていたか、対策を講じていたかが議論されていると認識しています。
    この点で地震動の予測は科学研究が困難、判決は裁判官の心証によるところが大きいのではと纐纈先生はお話なさったと思います。
    いやいや難しいなあと。東電の経営首脳が誰一人この大被害をもたらした大事故の責任をとってない。司法で追及されていない(裁判をわたしたち人民の一部が始めましたが)この闘いに勝利したいと。「耐震安全性における科学の問題」の高度に複雑な問題の所在を知って、心揺れますね。
  • 今日は、竹本団長は纐纈さんのご紹介だけでしたが、今日へのご縁とご準備ありがとうございます。
    出口弁護団長、渡辺事務局長のお話も大変勉強になる熱いお話でした。
    私は大阪府民で金沢控訴審のお手伝いをしていますが、がんばって勝訴しましょう。
  • 隣国の韓国では、福島原発直後から、原子力発電の危険性が知られ、特に慶州あたりで地震が発生するようになって、更に廃炉への市民運動が全国に広がりました。今回の大統領選挙で当選した文在寅大統領は、即時運転停止を公約に掲げました。そして、6月に入って停止するイベントをやってまでそれを実現しました。このような市民運動に学んで、連帯して、様々な(広範囲の若い世代も含んだ)運動を展開したいものです。
  • ① 纈先生はQ&Aで原発を徐々に止めていくと解答を言われたように思いますが、原発ゼロでも電気は大丈夫だったのに、何故この答かが分からなかったです!私はすぐ原発全部を止めてほしいです。生命が一番大切です。とまっていた機関が1年以上あった。
    ② 問に答えられるところで、質問そのものの内容が、先生にはわかっても私には分かりませんでした。「このことを聞いておられるのだと思います」と言ってもらって回答をしてほしかったです。
    ③ 震そのものは8.5Mといわれ、たいしたことないと発言されたように思いますが、8.5なら家はこわれる大きさと思いますが、この表現をされるのは心外でした。科学的にみて、そうでも表現の仕方は工夫してほしいと思いました。
  • “研究には制約・限界がある、地震の予測に多領域の同時発生などもあいまい、具体的な断層危険度の予測手法も確立されてはいない”というようなことと思われるが、ならば、地震についてもこんな不確定要素ばかりで科学の問題として解決できないのであれば、きわめて危険な原発の設置を認め、建設してきたことがそもそもの間違いであった。今回の話し方は、だれが原発を推進してきたかの責任の追及を“科学の問題”にすりかえているように感じられた。

◆8.4 講演・討論会 in 若狭 & 交流企画 キャンプ in 若狭和田ビーチ

【2017年7月,お知らせ】

原発再稼働阻止、原発全廃のためにご奮闘の皆様

◆悔しいことに、高浜原発3、4号機は再稼動されてしまいました。圧倒的多数の民意を踏みにじる暴挙です。怒りの炎をさらに燃え上がらせましょう!

◆私たち若狭の原発を考える会は、原発立地・若狭で反原発・脱原発を訴えて活動してきましたが、その中で、若狭にも多数の「原発はあって欲しくない」の声があることを実感してきました。この声を、さらに原発反対の声と行動として顕在化して行かなければなりませんが、それには、若狭の方々に、原発依存時代の生活より脱原発後の生活の方が希望が大きいことを確信していただくことが重要です。

◆私たちは、その一助になれば幸いと考え、添付のチラシのように、「8.4 講演・討論会 in 若狭 原発にたよらない町づくりを目指して」を企画しました。本年4月発売の『なぜ「原発で若狭の振興」は失敗したのか -県民的対話のための提言』の著者・山崎隆俊さんと、韓国で脱原発運動を展開し原発のない町づくりを考える若者の代表(詳細は交渉中)にご講演いただきます。さらに、この講演・討論会の後には、若狭和田浜に移動し、キャンプをしながら、さらに脱原発、反原発のための議論を深めていただく予定です。この機会に、美しい若狭の海を放射性物質で汚染させないという決意をさらに固めていただきたいと思います。

◆諸事ご繁多な折とは存じますが、お繰り合わせの上、ご参加いただければ幸いです。

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8.4 講演・討論会 in 若狭

原発にたよらない町づくりを目指して

講演(1)山崎隆敏さん

;サヨナラ原発福井ネットワーク代表。本年4月発売の『なぜ「原発で若狭の振興」は失敗したのか -県民的対話のための提言』の著者(後段に同書の書評があります。)

講演(2)韓国で脱原発運動を進める若者

;韓国で、脱原発運動を展開し、原発のない町づくりを考える若者の代表

討論

;原発のない町づくりについて、質疑応答、討論をします。

日時

;8月4日(金)13時~16時45分

場所

;JR若狭高浜駅2階「まちの駅ぷらっとHome高浜」

主催

;若狭の原発を考える会(連絡先は末尾をご覧ください)

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反原発・脱原発が民意です

◆原発重大事故の悲惨さは、福島原発事故が、はかり知れない犠牲の上に教えるところです。一方、福島事故以降の経験によって、原発は無くても不都合がないことが実証されました。したがって、原発を運転する必要性は見出だせません、反原発は社会通念=民意 となっています。各種報道機関の世論調査でも、原発反対が賛成のほぼ2倍です。若狭にも、表には出ていないけれども、脱原発、反原発の声は多数あります。

世界も脱原発に向かっています

◆世界では、多くの国が福島原発事故を当事国・日本より深刻に受け止めています。また、安全対策などで原発の建設費、維持費が高騰したこと、自然エネルギーやシェールガスによる発電が進み、発電法、蓄電法が高効率化したこと、節電の機運が醸成されたことがあいまって、脱原発に舵切る国が増え続けています。イタリア、ドイツ、リトアニア、ベトナム、台湾が脱原発に向かい、スイスが国民投票で原発新設を禁止しました。また、韓国でも、文在寅新大統領が「原発建設計画を白紙撤回する」ことを宣言し、 40年超え古里原発1号機の永久停止を決定し、 2基の建設を中断しました。アメリカでも、安全対策に膨大な経費が掛かり、他電源に比べても経済的にも成り立たない原発からの撤退が相次いでいます。今、原発を推進しているのは、電力需要が急増している中国などの新興国と、人の命と尊厳は犠牲にしても、経済的利益を優先させようとする日本やフランスです。日本は、原発輸出を成長戦略の一つに挙げていますが、この戦略が破綻していることは、東芝破綻の例を挙げるまでもなく、明らかです。

重大事故が起る前に、
原発にたよらない町をつくりましょう

◆上記のように、国内でも、世界でも、脱原発は大きなうねりです。したがって、近い将来に、原発のない社会がやってきます。それなら、重大事故の起こる前に原発を全廃するのが賢明です。一日も早く、原発にたよらない町づくりを進め、現在および未来の人びとにとって、不安のない、希望あふれる社会を実現しましょう!

本講演・討論集会が「原発にたよらない町づくり」を考える一助になることを願っています。是非、ご参加下さい。

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交流企画 キャンプ in 若狭和田ビーチ

8月4日講演・討論会終了後、和田海岸に移動:バーベキュウと懇談(テントで宿泊)

キャンプ in 若狭和田ビーチ

日時;8月4日18時より(5日午前まで)

参加費;実費(3000円程度)

定員;40人

なお、5日は韓国からの訪問者とともに、高浜原発を見学し、
周辺の集落でアメーバデモを行います。

【アメーバデモ】

◆4~5人の少人数に分かれて、「反原発」の赤旗を掲げて、鳴り物を鳴らしながら、若狭と周辺地域の隅から隅までを歩いて巡り、スピーカーで反原発を訴えながら、チラシを各戸配布する行動]

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【書評】

『なぜ、「原発で若狭の振興」は失敗したのか』(著者:山崎 隆敏)を読んで

橋田 秀美(若狭の原発を考える会)

◆若狭を隈無く歩いてアメーバデモやチラシ配布をしながら、「原発のない若狭をめざしましょう」と訴えてきた私は、この本の題名に非常に惹かれて一気に読んだ。

◆「国策である原発を受け入れたのは苦渋の選択だった」と若狭の首長たちは口をそろえて言う。故に「原発マネーで生活が良くなるだろうし、そうであって当たり前。」そう期待していた。それがどうだろう、若者はいなくなり、箱物ばかりが建設されるが観光客はどんどん減っていき維持費に窮している。自立できる産業は衰退の一途。なぜこのような事になったのか、著者はいろんな観点から読み解いている。若狭の各自治体の財政を数字で表し、決して原発マネーで財政が潤うわけではないことを見える化して示しているのは説得力がある。

◆「15基もの原発を造らせた福井県は愚かなのか?そうではない」と、原発立地住民の抵抗の歴史も紹介しているが、高浜の漁村の区長さんの言葉が胸にしみる。「今のままで十分暮らしていける。平和な村を壊してくれたら困る。土地を売って金をもらっても一時的なもの・・・結局は生活基盤を失くすだけ。こういった投機的な火遊びを取り除くために、今こそ立ち上がって反対しよう。」この論理が明快ですごく倫理的であるとの指摘はまったく同感だ。経済や科学ばかりが主張されるが、そこに人の命や生活がある以上、倫理的な面からの考察が絶対必要だと思う。

◆そして、「私たちは、どんな社会、どんな国をめざすのか未来を語らなければならない。」と提言している。これは、反原発運動のみならず、私たちが生きていく社会生活において常に基本として問われる姿勢ではないだろうか。

◆原発全廃をめざす者にとって、これからの運動へのヒントが盛りだくさんに示されている。若狭を愛してやまない筆者の熱い思いも感じられる渾身の1冊である。

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■8.4 講演・討論会 および交流企画「キャンプ in 若狭和田ビーチ」参加申込み
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■乗車予約
・京都、滋賀、大阪などから配車の予定です(9時出発)。
・ご乗車ご希望の方は乗車場所をご指定の上、お申し込みください。
・4日のみで日帰りの方もご相談下さい。
・詳細は、後日ご案内します。
・乗車希望(乗車場所:    ・4日出発、5日帰着    ・4日日帰り)

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連絡先;若狭の原発を考える会
木原(090-1965-7192)、橋田(090-5676-7068)、瀧川(080-8327-5588)

◆6月21日に行った関電との話し合いの記録

関電側;広報担当ほか1名。
使い捨て時代を考える会;4名。

今回は以下の質問書を提出し、話し合いました。

質問書
……………………………………………………………………………

  1. 貴社は5月に高浜4号機を、6月に高浜3号機を再稼働させました。これについて質問します。
    • ①免震棟(あるいは耐震棟)ができていない、ベント付フィルター装置もまだできていないと聞きますが、もし重大事故が起きたらどのように対処するのですか。
    • ②6月6日に日本原子力研究開発機構の大洗研究開発センターでプルトニウム被爆事故がありました。これも人為的なささいなことから起きたミスでした。職員の安全の確保はできますか。
    • ③再稼動するにあたっての住民の避難計画を提示してください。原発から30㎞圏内には福井県民より京都府民の方が多く住んでいることを認識しておられますか。それにもかかわらず、再稼動について京都府の同意を得ないのはなぜですか。
    • ④使用済み核燃料の再処理はできますか。
  2. 1月に起きたクレーン倒壊事故に関連してお聞きします。
    4つのクレーンが、1・2号の横にずっと設置されており、その倒壊範囲内に3・4号機の緊急時対策所用の非常電源車4台がすべて置かれていると聞きました。これでは安全対策になっていないのではないですか。その配置図を福井県での説明会では配布したけれど、京都府には全く知らされていなかったと聞きます。住民を無視したのではありませんか。
  3. 電力自由化によってこれまで他社に切り替えた消費者はどのぐらいの割合ですか。原発ゆえに貴社から他社へ切り替えるという消費者も多数います。今後も増加するでしょう。消費者は原発に依存しない電力会社を望んでいるからです。貴社の経営には深刻な影響があると思われますが、そのことについてどのように考えられますか。
  4. 原発事故処理費用のうち、賠償分について、「本来過去に積み立てておくべきであった費用」を、原発の電気を拒否する新電力も含めて、託送料金に上乗せして、2020年から40年間徴収する方針が出されていますが、福島原発事故の教訓があるというのに、さらに原発の再稼動を行って、それらが事故を起こした場合の賠償費用を新電力からもとろうというのは納得できません。貴社のお考えをお聞かせください。

以上
……………………………………………………………………………

話し合いの内容(Q;こちら側の発言  A;関電の発言)
始める前に口頭で高浜原発4号機、3号機の再稼動に抗議し、すぐに停止させるように要望。
A(1-①について)緊急時対策所が1・2号機内部に設置してある。きちんと(安全は)確保できている。プラスαでサポートする職員の居住空間として免震事務棟を今作っている。

Q どこに作っているのか。免震棟なのか。
A 緊急時対策所は耐震で、免震重要棟は免震だ。どこにあるかはわからない。原子炉から100メートル以上離さいないといけないとなっている。

Q このことはこの前のときに調べてもらうことになっていたが。
A どこでしょうね。

Q 分からないというのは不安だ。前回の宿題だったので、次回までに回答してもらいたい。
A 距離は取れている。

Q 距離が取れすぎていたら仕事ができない。近すぎても被曝が心配だ。とにかく不安だ。
A プラスαで、(安全性を高めるために)重ねて作っている。

Q 緊急時対策所が1.2号機内にあるという現時点でも不安な状態だ。そこでは事故が起きた時に汚染がひどいのではないか。
A 福島事故から想定して、汚染のレベルを考えてやっている。

Q 東電は事故のとき退避しようとした。
A 全員退避というのには諸説あるので…。

Q どう考えてもこのままでは汚染する。
A 福島のような汚染が起きないとして再稼動が認められる。そういう前提なのでレベルが高くなっている。

Q 私たちから見ると非常に甘いレベルだと思える。安全対策ができていないのに再稼動に前のめりになっているように見える。
A 必要なことはしている。水素爆発の可能性は相当低いけれども、そのための安全装置をつけている。

Q 大丈夫と言われても信じられない。水素低減のための装置のレベルでは、加圧水型でも水素を低減しきれないという計算をして、問題にしている研究者もいる。そのような意見も無視しているのではないか。コアキャッチャーも付けていないではないか。
A コアキャッチャーという特定設備は要求されていない。同等のものがある。

Q とても同等とは思えない。水を溜めてそこに溶融した炉心を落とすなどと言うやり方は、どう考えても水蒸気爆発の危険性がある。コアキャッチャーが付いていないということでも無理なのに、安全ということが信用できない。
Q 安全性を高めるためにいろいろやっているが、そんなことまでして、なぜ原発にこだわるのか。そこまでの安全対策が必要な設備にこだわる理由がわからない。
A 総合的に厳しく考えた上で判断している。

Q もっと安全な設備でやったほうがいいのではないか。
A 原子力だけやっているわけではない。

Q 原発にそこまでお金をつぎ込んでやることが得策とは思えない。無理しているから経費節減することになり、安全対策などの見えないところにしわ寄せが行く。
Q 危険なことをなぜあえてやるのか。
A 他の電源にも投資している。子会社などでやっているので、投資額などで見ると小さいかもしれない。

Q 設備投資全体は減っているのに、原子力への投資だけ突出している。
A 経費を切り詰め、周辺資産を減らしている。

Q 原発へ大変な投資をしているが、その投資は無駄だ。7基動かそうとしているが、投資をしたら使わざるを得なくなる。40年超えの原発を何年動かすつもりなのか。
A 何年動かすかはまだ決まっていない。
A(1-②について)大洗のことを言われても…。

Q ずっと慎重に研究してきたが、研究者や技術者が減っていってプルトニウムを扱うということへの常識が忘れられているような状態で事故が起きた。
A 大洗の事はJAEA(研究開発機構)に申し入れてもらいたい。

Q そういうことを言っているのではない。同じような甘い体制で事故が起きることを言っている。クレーン倒壊もそうだ。
A JAEAの事は言語道断だと思う。

Q クレーン事故について京都府に対し大成建設がやったので関電は関係ないというひどい説明をした。
A 当社の関与が甘かったのでということを言った。法的に言って当社の責任は明らかだ。その場にいなかったので分からないが、失礼なことを言ったのかもしれない。

Q 近年は作業員の被ばくが減っているというデータはあるか。
A データは知らない。

Q 安全対策をしているなら減っているはずだ。
A 線量管理は厳重になっている。

Q 福島事故で労働者が福島に集中しており、安全管理がずさんになっていると聞いた。
A 放射線管理は厳重化しているはずだ。

Q 関電として把握しているだろうから公開してほしい。
A ちゃんとなっていると思うし、法制度的にもきちんとしている。

Q 公開してもらいたい。
A 職員の個人情報でもあるし…

Q 個人名ではなく、被曝線量がどの位かを知りたい。きちんと管理しているなら、どういう管理をしているのかも教えてほしい。
Q 高浜から30キロ圏内に京都府民が多いのは知っているか。
A 舞鶴市が多い。

Q なぜ京都府が立地自治体並みでないのか。
A 安全協定のことを言っているのか。長い(話し合いの)中で決まってきたので、京都府を軽視することはできない。

Q クレーン倒壊に関して、高浜3・4号機にどのような影響があるかと言う地図を関電が作成して規制庁に提出している。福井県には説明したが、京都府では出されなかったと聞く。
この地図によれば、高浜1・2号機の原子炉建屋の追加工事のために、高浜3・4号機の規制基準審査の時にはなかったアームの高さ112mの大型クレーンが4台、2019年まで常時高浜1・2号機の周辺に設置されていることになっている。しかもクレーンが倒壊したら影響をうける範囲に、3・4号機の緊急時対策所用の非常電源車4台が全部置かれており、ほかにも重要設備がこの範囲内におかれている。これでは大地震などクレーンが同時に倒壊するような事故が起きたときに、非常用電源車はすべて壊れる可能性もあり、分散配置になっていないではないか。こんなのは規制基準違反だ。あまりにもいい加減だ。
A 説明とは協議会ではなく幹事会でのことか。

Q 市民が出た説明会だ。福井県には出されていたのに、京都府の説明会には配られなかったと聞いたが。
A 京都府にはすべて出している。(関電が国に出したから京都府にも届いているはずということらしい)

Q 京都府が認識していないということか。それについてはこちらでも確認してみる。
しかしそれなら電源車は今は別の場所に移動させているのでしょうね?
A 分散配置になっている。もう時間なので。

Q 移動させていないのか?これで分散配置しているというのか。
A そう思う。

Q この関電の作成した地図ではまったく分散配置になっていない。すべて大型クレーン4台が倒壊したら壊れるような位置に配置されているではないか。倒れたらどうなるか、わかっているでしょう!そんないい加減な安全対策でいいというのか!

広報担当者は「もう時間なので」と言って、席を立ち退席してしまった。残された社員が一人で見送ってくれた。こんな対応は初めて。

◆韓国の新大統領・文在寅(ムン・ジェイン)氏が古里原発永久停止記念式で行ったスピーチの全文

【2017年6月26日】

韓国の新大統領・文在寅(ムン・ジェイン)氏が
古里原発永久停止記念式で行ったスピーチの全文を紹介します。

(Chie Yang さんの訳;You Tubeより)

◆自国民と世界の人々の生命と尊厳を守る立場を鮮明にした素晴らしいスピーチです。日本では、安倍政権だけでなく、野党の一部まで、人の尊厳をないがしろにし、経済的利益を優先させる時代遅れの考え方の下に、原発を推進しようとしています。日本の政治は文在寅大統領の姿勢を見習って欲しいものです。

◆なお、文在寅政権がエネルギー源の原発から再生可能エネルギーなどへの転換を掲げるだけでなく、さらに進んで、エネルギー消費削減を前面に掲げることを期待します。何時までも、エネルギー消費の拡大(再生可能エネルギーも含めて)を志向し続けることは、人類の思い上がりです。人が人間らしく生き、地球環境と人類が共存するためには、便利さ優先と決別し、省エネルギーを徹底することが重要だと考えます。

2017年6月26日

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

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【文在寅(ムン・ジェイン)大統領の古里原発永久停止記念式スピーチ全文】

2017年 6月 19日 0時、大韓民国は国内最初(の原子炉)古里原発 1号機を永久停止いたしました。

1977年の完工後、40年目のことです。過去、古里原発 1号機は大韓民国の経済成長を支えてきました。最初に稼動した1978年にはわが国の発電設備総量の9%を担い、その後増築された原発によって、わが国の経済発展過程に伴う電力需要の増大に対応することができました。

古里1号機はわが国の経済発展の歴史とともに記憶されることでしょう。1971年に着工を始めたその時から今に至るまで、古里1号機の稼動中には多くの方々の汗と努力がありました。自分の青春と人生を古里1号機とともに記憶する人々も多くいらっしゃることでしょう。この先、古里 1号機の解体過程においても多くの方々が汗を流すことでしょう。

この場をお借りして関係者のみなさんのご苦労に敬意を表し、特に現場で古里1号機の管理にご尽力くださったみなさんに深く感謝いたします。

尊敬する国民の皆さん!

古里 1号機の稼動の永久停止は脱原発(※原文=「脱核」)国家に向かう出発です。安全な大韓民国への大転換です。

私は今日を基点に私たちの社会が国家エネルギー政策についての新たな合意を集めながら進んでいくことを期待しています。

これまで、わが国のエネルギー政策は低コストと効率性を追求してきました。発電単価の低コスト化を最優先し、国民の生命と安全を後回しにしてしました。持続可能な環境についての考慮も軽視してきました。原発エネルギーはエネルギーのほとんどを輸入に頼らねばならず、わが国が開発途上にある時期に選択したエネルギー政策でした。

しかし、変えるべき時がきました。国家の経済水準が変わり、環境の重要性についての認識も高まりました。国民の生命と安全が何よりも重要だということが確固たる社会的合意として根付いています。国家のエネルギー政策もこのような変化に足並みをそろえるべきです。方向は明らかです。国民の生命と安全、健康を脅かす要因を取り除いていくべきなのです。持続可能な環境、持続可能な成長を追及すべきなのです。国民の安全を最優先とする清浄なエネルギー時代、私はこれがわが国のエネルギー政策が追求する目標だと確信します。

昨年の9月、慶州の大地震で私達は大きな衝撃を受けました。震度5.8、 1978年に気象庁の観測が始まって以来、韓半島(※原文ママ)に発生した最大規模の地震でした。幸い死亡者はいませんでしたが、23人が負傷し、計110億ウォンの財産被害が発生しました。

慶州地震の余震は現在も続いています。六日前にも震度2.1の余震が発生し、今までの9ヶ月の間に計622回の余震が続いています。

私たちはこれまで大韓民国は地震からは安全な国だと信じてきました。しかし、もはや大韓民国が地震安全地帯ではないことを認めなければなりません。

私たちは当面した危険を直視しなければなりません。特に地震による原発事故はあまりに致命的です。

日本は地震に対する準備が最も優れた国と評価されてきました。しかし、2011年に発生した福島原発事故で2016年3月現在、計 1,368人が死亡し、被害の復旧に計 220兆ウォンという天文学的な予算が必要だといいます。事故後の放射能の影響による死亡者や癌患者の発生数は把握することすら不可能な状況です。福島原発事故は原発が安全でもなく、低コストでもなく、環境にやさしいエコでもないという事実を明らかに見せつけました。

その後ヨーロッパの先進国家は早い速度で原発を減らしつつ脱原発を宣言しています。しかしわが国は相変わらず原子力発電所(※原文=核発電所)を増やし続けてきました。その結果わが国は全世界の中で原発が最も密集した国になってしまいました。国土面積当たりの原発設備容量はもちろん、団地別密集度、半径30㎞以内の人口もすべて世界1位です。

特に古里原発は半径30㎞内に釜山248万人、蔚山(ウルサン)103万人、慶南29万人、計382万人の住民が住んでいます。月城(ウォルソン)原発も130万人で2位につけています。福島原発事故当時、住民退避令が出された30㎞内の人口は17万人でした。しかし、わが国の場合、それよりも実に22倍を越す人口が密集しています。可能性はとても低いとはいえ、万が一原発事故が発生したならば想像も適わぬ被害が続くことでしょう。

尊敬する国民のみなさん!

私は先の大統領選挙において安全な大韓民国を約束申し上げました。セウォル号以前と以後では全く異なった大韓民国をつくりあげると約束しました。安全な大韓民国はセウォル号の子どもたちと結んだ堅い約束です。新政府は原発の安全性確保を国の存亡がかかった国家安保問題として認識し、対処していきます。

大統領が直接点検し、管理します。原子力安全委員会を大統領直属委員会に昇格させ、多様性と代表性、独立性を強化します。

原発政策も全面的に再検討します。原発中心の発電政策を廃棄し脱核時代に向かいます。準備中の新規原発の建設計画は全て白紙に戻します。

原発の設計寿命を延長させません。現在寿命を延長して稼動している月城 1号機は電力需給状況を考慮し、できる限り早く閉鎖します。設計寿命の尽きた原発稼動を延長することは船舶運行の船齢を延長したセウォル号と同じです。

現在建設中の新古里 5,6号機については安全性に伴い工程率と投入費用、補償費用、電力設備予備率などを総合的に考慮し、なるべく早く社会的合意を導きだしたいと思っています。

原発安全基準も大幅に強化します。今脱原発を始めたところで現在稼働中の原発の寿命が尽きるまでにはこの先にも数十年の時間がかかります。その時まで国民の安全が最後まで完璧に守られなければなりません。現在稼働中の原発の耐震設計は福島原発事故後補強されました。その補強が十分であるのか、正確に行われたものなのか、今一度点検します。

新政府の原発政策の主体は国民です。原発運営の透明性も大幅に強化します。これまで原発運用過程において大なり小なりの事故が起きており、さらには原子炉の電源が切れるブラックアウトが発生したこともありました。しかしながら、過去の政府にはこれを国民に正確に知らせずに隠蔽した事例もありました。新政府では、どんなことでも国民の安全にかかわることならば国民に透明に知らせることを原発政策の基本とします。

脱原発をめぐり、電力需給と電気量を心配する産業系の憂慮があります。莫大な閉鎖費用を心配する意見もあります。しかし脱原発は逆らう事のできない時代の流れです。この先数万年この地で生きていく我々の子孫らのために今、必ずや始めなければならないことです。

脱核、脱原発政策は核発電所を長い歳月をかけ徐々に減らしていくもので、私達の社会は十分にそれを引き受けうけることができます。国民たちが安心できる脱核ロードマップをなるべく早いうちに準備します。

尊敬する国民のみなさん!

新政府は脱原発とともに未来エネルギー時代を開きます。新再生エネルギーとLNG発電をはじめとしたきれいで安全なエネルギー産業を直接育成します。第4次産業革命と連携し、エネルギー産業が大韓民国の新たな成長動力になるよう力を尽くします。

今、世界はエネルギー戦争を繰り広げています。地球温暖化に伴う異常気象、高温、パリ気候協定など国際環境の変化に能動的に対処していかねばなりません。

石油の国、サウジアラビアが「脱石油」を宣言し、政府系ファンドをつくり太陽光のような新再生エネルギー事業に力を注いでいます。Appleも太陽光電気販売を開始し、Googleも「Googleエネルギー」を設立し太陽光事業に参与してから随分たちます。

私たちも世界の趨勢に乗り遅れてはなりません。原発とともに石炭火力発電を減らし、天然ガス発電設備稼働率を増やしていきます。石炭火力発電所の新規建設を全面中断します。古くなった石炭火力発電所10基についての処置も私の任期内に完了させます。すでに5月5日に微細ホコリ対策として30年以上運営された石炭火力発電所8基を一時中断していたことがあります。石炭火力発電を減らす第一歩を踏み出しました。

太陽光、海上風力産業を積極的に育成し、第4次産業革命に備えたエネルギー生態系を構築していきます。環境にやさしいエネルギー税制を合理的に整備し、エネルギー高消費産業構造も効率的に変えていきます。産業用電気料金を再編し、産業部分での電力過消費の防止に努めます。産業競争力に被害のないように中・長期的に推進し、中小企業を支援します。

尊敬する国民のみなさん!

今日、古里 1号機の永久停止は私たちにとってまたひとつの機会です。原発の解体についてのノウハウを蓄積し、原発解体産業を育成することのできる契機となるからです。

原発の解体は多くの時間と費用と先端科学技術を必要とする高難度の作業です。脱原発の流れのなか、世界各国で原発解体の需要が多く発生しています。しかし、これまでに原発解体の経験がある国家はアメリカ、ドイツ、日本だけです。現在のわが国の技術力はアメリカなど先進国の80%水準であり、原発解体に必要な商用化技術 58のうち41を確保しています。

少し急ぎます。 原発解体技術力確保のために東南圏(※釜山、蔚山圏)地域に関連研究所を設立し、積極的に支援します。大韓民国が 原発解体産業の先導国家となれるよう政府は努力と支援を惜しみません。

尊敬する国民のみなさん!

私達は今、新たな挑戦を始めています。慣れたものと決別し、新たなものを創造していかねばなりません。国民の生命と安全を守りながらも安定的な電力供給も維持できなければなりません。原発と石炭火力を減らしながらこれに代わる新再生エネルギーをその都度低価格で生産しなければなりません。

国家エネルギー政策の大転換、決してたやすいことではありません。政府と民間、産業界と科学技術界が協力しなければなりません。国民のエネルギー認識も変わらなければなりません。脱原発, 脱石炭とともに環境にやさしいエネルギー政策をたてていきます。

多くの困難があることでしょう。しかし明らかに進まなければならない道です。健康なエネルギー、安全なエネルギー、きれいなエネルギー時代に進みます。国民の安全と生命を最高の価値と考える安全な大韓民国をつくっていきます。

ありがとうございます。
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◆再稼働を許さず、重大事故の不安のない社会を目指しましょう!

【2017年6月23日,京都キンカンで配付。今後、若狭でのアメーバデモで配布予定】

原発の再稼働を許さず、原発を全廃して、
重大事故の不安のない社会を目指しましょう!

◆原発が極めて事故率の高い装置であることは、過去40年間に稼働した世界の原発570余機の中の9機が大事故を起こしていること(5機は炉心溶融事故)からも明らかです。また、原発重大事故の悲惨さは、福島原発事故が大きな犠牲の上に教えています。

◆福島原発事故から 6 年と3ヶ月経ちましたが、避難された10 数万人の多くは今でも故郷を奪われたままです。長期の避難生活が健康をむしばみ、家族の絆を奪い、大きな精神的負担となっています。多くの方が、避難の苦痛で病死され、自ら命を絶たれました。癌の苦しみ、発癌の不安にさいなまれています。福島事故から4年経った一昨年から、自殺者が急増しています。原発事故でなければ、もう復興の目途が立っているはずですが、原発事故は、復興の希望も奪っているのです。

◆一方、事故炉内部の調査は、ミューオン(宇宙線の1種)を使った透視や各種のロボットの投入によって行われれていますが、高放射線のため、今でも溶け落ちた燃料の存在場所の全体像すら分っていません。また、事故原因も解明したとするには程遠い状態です。。汚染水対策の切り札と言われた凍土壁は、完全には凍らず、その効果を発揮していません。汚染土壌を詰めたフレコンバッグは、放射線分解と風化によってボロボロです。したがって、事故当日発令された「原子力緊急事態宣言」は今も解除されていません。それでも政府は、今年3月から年間空間放射線量が20ミリシーベルト(国際放射線防護委員会が勧告する平常時の管理基準年間1 ミリシーベルトの20倍でチェルノブイリの移住義務基準の4倍)以下になった地域の避難指示を解除し、避難者(子供を含む)の帰還を強要しています。

◆政府は昨年末に、事故を起こした福島原発の廃炉費、除染費、被害を受けた人々への賠償費などの事故対策費の総額は想定の11兆円を大幅に上回り、21兆5000億円に膨れ上がったと発表しました。ただし、この経費は、事故を起こした原子炉の内部も分からず、溶融核燃料がどこに、どの程度あるかも分からない現時点での試算ですから、額はさらに膨れ上がるともいわれています。原発は、事故や使用済み核燃料の保管を考え合わせれば、経済的にも成り立たないことは明らかです。

反原発・脱原発が民意です

◆上記のように、原発は人類の手に負える装置ではありません。一方、福島事故以降の経験から、原発は無くても不都合がないことを学びました。したがって、原発を運転する必要性は見出だせません。そのため、日本でも、脱原発、反原発は社会通念=民意 となっています。

◆本年2月の朝日新聞、3月の毎日新聞の世論調査でも、原発再稼働反対がそれぞれ57%、55%で、賛成のほぼ2倍でした。一昨年2月から11月に伊方町で実施された住民アンケートでは、伊方原発再稼働に反対が53.2%、賛成は26.6%でした。昨年12月には、高浜原発の地元・音海(おとみ)地区の自治会が老朽原発運転延長反対を決議されました。また、高浜原発のクレーン倒壊事故以降には、高浜原発全ての再稼働にも反対されています。若狭の他の地域でも、表には出ていないけれども、脱原発、反原発の声は多数あります。

世界も脱原発に向かっています

◆世界では、多くの国が福島原発事故を当事国日本より深刻に受け止めています。また、安全対策などで原発の建設費や維持費が高騰したこと、自然エネルギーやシェールガスによる発電が進み、発電法、蓄電法が高効率化したこと、節電の機運が醸成されたことがあいまって、脱原発に舵を切る国が増え続けています。

◆イタリア、ドイツ、リトアニア、ベトナム、台湾が脱原発に向かい、最近では、スイスが国民投票で原発新設を禁止しました。また、韓国でも、設計寿命(30年)を10年超えた古里原発1号機の永久停止を決定しました。文在寅(ムンジェイン)新大統領は「新規の原発建設計画は全面的に白紙撤回する」と脱原発を宣言しました。アメリカでも、安全対策に膨大な経費が掛かり、シェールガス発電などに比べても経済的に成り立たないとして、原発からの撤退が相次いでいます。

◆今、原発を推進しているのは、電力需要が急増している中国などの新興国と、人の命と尊厳は犠牲にしても、経済的利益を優先させようとする日本やフランスです。日本は、原発輸出を成長戦略の一つに挙げていますが、この戦略が破綻していることは、東芝破綻の例を挙げるまでもなく、明らかです。

若狭の原発は老朽原発です:
原発の危険度は運転年数とともに急増します

◆原発は本来事故の確率が大きい装置ですが、老朽化すると、重大事故の確率が急増します。したがって、韓国の古里原発1号機(40年越え)が永久停止され、若狭でも、2015年に、当時45年あるいは43年越えであった敦賀1号機、美浜1号機、2号機の廃炉が決定されています。

◆しかし、昨年、原子力規制委員会(規制委)は、関電、政府の意を受けて、運転期間を原則40年に制限する制度・「40年原則」を無視して高浜原発1号機(43年越え)、2号機(42年越え)、美浜3号機(41年越え)の20年間運転延長を適当としました。これは、「2030年の電源構成で、原発比率を20~22%とする」という、安倍政権のエネルギー政策に迎合し、政治や経済のためには、安全・安心を犠牲にしても原発を運転しようとするものです。原発新設は望めないから、安全はないがしろにしても、老朽原発を活用して目標を達成しようとしているのです。

◆若狭のその他の原発、高浜3号機(32年越え)、4号機(32年越え)、大飯1号機(38年越え)、2号機(38年越え)、3号機(26年越え)、4号機(24年越え)の老朽化も進んでいます。

◆老朽原発の危険度が急増すると考える多くの理由のうちの2例を以下に述べます。

①原発の圧力容器、配管等は長期にわたって高温、高圧、高放射線にさらされているため、脆化(ぜいか:金属などが軟らかさを失い、硬く、もろくなること)、腐食(とくに、溶接部)が進んでいます。中でも、交換することが出来ない圧力容器の脆化は深刻です(下記【注】をご参照下さい)。電気配線の老朽化も問題です。

②老朽原発には、建設時には適当とされたが、現在の基準では不適当と考えられる部分が多数あります。しかし、全てが見直され、改善されているとは言えません。例えば、地震の大きさを過小評価していた時代に作られた構造物、配管の中で交換不可能なもの(圧力容器など)です。

【注】老朽原発圧力容器の脆性破壊
金属は、ある程度の軟らかさを持っていますが、高温で中性子などの放射線にさらされると、硬化しやすくなり、脆(もろ)くなります。脆くなると、ガラスのように、高温から急冷したとき破壊されます。原子炉本体である圧力容器は鋼鉄で出来ていて、運転中は、約320℃、約150気圧の環境で放射線にさらされています。この鋼鉄が脆くなる温度は、、運転時間と共に上昇します。例えば、初期には‐16℃で脆くなった鋼鉄も、40年間炉内に置くと100℃以上で硬化するようになり、脆くなります。したがって、老朽原子炉が、緊急事態に陥ったとき、冷却水で急冷すると、圧力容器が破裂する危険があります。

MOX燃料・プルサーマル炉はさらに危険です

◆高浜原発3、4号機は、元々ウラン酸化物を燃料とする軽水炉ですが、現在は、燃料の一部をウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料で置き換えて(プルサーマル化して)運転しています。関電は、大飯原発3、4号機のプルサーマル化も画策しています。一部燃料のMOX化には技術的な課題が山積です。それでも、規制委は「厳しい新規制基準の下では、MOX燃料かどうかは議論にならない」として新規制基準適合審査では、ウラン炉心のみを解析対象とし、MOX使用については何の評価もしていません。プルサーマル炉が重大事故を起こしやすいと考える理由の例を以下に述べます。

①燃料被覆管が破損しやすい。例えば、酸素と結合し難い白金族元素が生成しやすく、余剰酸素が被覆管を腐食する。また、核分裂生成物ガスとヘリウムの放出が多く、燃料棒内の圧力が高くなり、被覆管を破損させる。

②ウラン燃料と比べて燃焼中に核燃料の高次化(ウランより重い元素が生成する)が進み、中性子を吸収しやすいアメリシウム等が生成されやすくなる。核燃料の高次化が進むと、原子炉の運転や停止を行う制御棒やホウ酸の効きが低下する。

使用済みになったMOX燃料の発熱量は、ウラン燃料に比べて下がり難いため、長期にわたってプール内で水冷保管しなければ(使用済みウラン燃料の4倍以上)、空冷保管が可能な状態にならない。

④MOX燃料にするためには、使用済み燃料再処理が必須であるが、再処理を行うと、使用済み燃料をそのまま保管する場合に比べて、事故、廃棄物、など全ての点で危険度と経費が膨大に増える。なお、再処理工場は稼働の見通しもない。

無防備で、脆弱(ぜいじゃく)な使用済み燃料プールは
もうすぐ満杯です

◆原発を運転すると、

①核分裂を起こすウランやプルトニウムが減少し、中性子発生数が減少して、核分裂反応が進みにくくなります。また、
②核燃料の中に運転に不都合な(中性子を吸収し、原発運転を困難にする)各種の核分裂生成物(死の灰)や超プルトニウム元素(プルトニウムより重い元素;アメリシウムなど)が生成します。さらに、
③核燃料を閉じ込めておく燃料被覆管の腐食(核分裂によって、余剰となった酸素と被覆管の反応、放射線による腐食など)やひずみが発生します。

したがって、核燃料は永久に使用することは出来ず、一定期間燃焼させると、ウランやプルトニウムを使い切っていないにもかかわらず、新燃料と交換せざるを得なくなります。そのため、使用済み核燃料がたまります。

◆現在、日本には使用済み核燃料が17,000 トン以上たまり、原発の燃料プールや再処理工場の保管場所を合計した貯蔵容量の73%(2016年)が埋まっています。原発が順次再稼働した場合、数年後には満杯になります。

◆福井県にある原発13基が持つ使用済み核燃料貯蔵施設の容量は5,290トンですが、その7割以上が埋まっています。関電の原発内の保管プールの貯蔵割合は、4月末で、大飯と高浜が約71%、美浜が63%に達しています。関電の廃炉が決まっていない原発の全て(9基)が運転されれば、7年程度で貯蔵限度を超え、原発の稼働は出来なくなります。

◆使用済み核燃料貯蔵プールは、原子炉本体の上部あるいは横に設置されていて、燃料集合体はプール内に臨界に達しないように(核分裂連鎖反応を起こさないように)間隔をあけて置かれ、水がはられ(例えば、燃料集合体の上部から7 mの水深)、循環していて、燃料を冷却しています。水は、放射線の遮蔽材の役目も果たします。

使用済み核燃料貯蔵プールは、同じく核燃料の容器である圧力容器(原子炉本体)と比べて、無防備と言っても過言でないほど脆弱です。深さ10 m近くのプールが地震などで破壊され、一気に水が抜ければお手上げです。プールに入っている燃料が、原子炉から引き抜いて2~3年以内のものであれば、冷却水喪失で燃料溶融に至ります。一方、燃料集合体間の間隔を隔てているラックが倒壊あるいは崩壊すれば、局所的な温度上昇による水の蒸発(→冷却機能の喪失)や核燃料の再臨界(核分裂連鎖反応の再発)の可能性があります。再臨界に達すれば、急な温度上昇による巨大な水蒸気爆発、水素爆発が起こり、冷却材が供給されない状況下では火災となり、揮発しやすい成分(セシウム137など)が世界を汚染させます。地震によって、巨大プールの水に周期の長い揺れ(波)が発生し、それが共振して拡大すれば、プールの倒壊も危惧されます。

原発を再稼働させれば、新しい使用済み燃料が増え、
使用済み核燃料プールの危険度が急増します

◆福島原発以降、多くの原発が停止しています。したがって、燃料プールにある核燃料の放射線量や発熱量は、かなり減少しています。中には、もう少し冷却すれば、乾式(空冷)保管が出来るようになるものもあります。そうなれば、使用済み核燃料の保管は格段に容易になります(それでも、使用済み核燃料の長期安全保管は至難です)。しかし、原発を再稼働させれば、旧(もと)の木阿弥(もくあみ)で、放射線量と発熱量が多い使用済み核燃料が増え、危険度は急増します。

原子力機構、傲慢(ごうまん)、杜撰(ずさん)な
「原子力ムラ」体質を露呈

◆高浜原発3号機が再稼働された6月6日、茨城県の日本原子力研究開発機構(原子力機構)大洗研究所で、ウラン(U)やプルトニウム(Pu)の酸化物粉末(U・Pu粉末と略記)による汚染事故が発生した。U・Pu粉末は、ビニール袋に密閉されてステンレス製円筒容器に保管されていたが、容器を空けた途端に、ビニール袋が破裂して、U・Pu粉末が飛び散り、作業していた5人が被曝したという。最悪の内部被曝で、発癌のリスクが高く、被曝された方には大変お気の毒な事態である。

杜撰なプルトニウム管理と取扱い、知識不足の原子力機構、隠ぺい体質の「原子力ムラ」

◆問題のU・Pu粉末は1991年に封入されたが、内部の点検は26年間されていなかった。同じものが入った保管容器は20個残っているという。今回開封した容器に保管されていたU・Pu粉末の量は、合計300 gとされる。尋常な量ではない。

◆このU・Pu粉末入り容器をフード(ドラフト)内で開封したと発表された。フードは、内部の空気をフィルターを通して吸い出す換気装置を備えた箱状(大型冷蔵庫大)の実験台で、学校の化学実験室などで見かけるものと類似している。前面の窓は、作業時にはある程度解放されている。したがって、U・Pu粉末の密閉が何らかの手違いで破壊されれば、U・Pu粉末はフード外にも飛散する。本来、極めて危険なPuはグローブボックスと言われる完全密閉の手袋のついた箱内で扱わなければならない。しかも、今回のPuの量はフードでの取り扱いが許されている量に比べて、けた違いに多い。

◆今回の事故の原因について原子力機構は「同様な事故はなく、想定外」と説明しました。Pu-239は、アルファ粒子(ヘリウムの原子核:放出されれば、ヘリウムガスになる)を放射します。したがって、多量のPuを長期保管していれば、ヘリウムが蓄積し、これにビニールなどの放射線分解によるガスが加われば、密閉容器の内圧が上昇することは、プルトニウム取扱い経験者なら常識です。上記の説明は、原子力機構がこのような常識すら忘れ去っていることを示しています。なお、原子力機構は、22日になって、放射性物質の粉末を固定するためにエポキシ樹脂を用いていたことを明らかにし(本チラシの著者注:Puを吸入して内部被曝しているので、粉末が完全に固定されていたとは考えられない)、「この樹脂が放射線分解されてガスを出す可能性は否定できない」と発表した。

◆原子力機構の事故やトラブル、その隠蔽は枚挙のいとまがありません。日本最大の研究機関・原子力機構のような巨大組織にも、知識不足、安全軽視の傲慢体質が蔓延(まんえん)しているのです。原子力を安全に利用できる筈がありません。

◆なお、6日の原子力機構の発表(同日のテレビや翌日の朝刊の報道)には、「作業者5人に核物質付着」、「体調に異常がない」、「鼻腔内から最大24ベクレルの放射性物質」、「この程度なら健康に影響はない」、「外部への影響はない」 など、事故を過小評価する言辞が目立ちます。さらに、その後、被曝者の搬送先・放射線医学総合研究所は、あたかもPuの内部被曝は無かったような発表をしています。Puと共存するアメリシウムが検出されていますから、Puも吸収されたと考えるのが当然ですが、知識不足あるいは隠蔽のためです。19日には、被曝者の尿からPuが検出されたことを「微量である」というコメント付きで発表し、Puの内部被曝を認めましたが、尿に出てくるほどの被曝は相当深刻です。

◆事故を深刻に受け止める姿勢を欠いた「原子力ムラ」体質が、福島事故を拡大したことへの反省が全く感じられません。

◆この事故と、1昨年再稼働した川内原発1号機での復水器冷却細管破損、昨年の高浜原発4号機での1次冷却系での水漏れ、発電機と送電設備の接続不具合による原子炉が緊急停止、伊方原発3号機での1次冷却水系ポンプでの水漏れなどの事故、関電の関連企業が、昨年、運搬中の鉄塔工事用の資材1トン近くをヘリコプターから落下させた2度の事故、今年1月の高浜原発でのクレーン倒壊事故などを考え合わせるとき、

「原子力ムラ」に原発を安全運転する能力、資格、体質が
無いことは明らかです。
重大事故が起ってからでは遅すぎます。
原発全廃の行動に今すぐ起ちましょう!

2017年6月22日

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

◆第15回口頭弁論 意見陳述

第15回口頭弁論意見陳述

福島敦子   竹本修三   赤松純平[5 MB]6/22提出の4枚めグラフ訂正版[523 KB]

福島敦子

水は清き故郷(ふるさと)でした。
命がけで川へ戻ってくる鮭の躍動が、子どもたちに感動を与えてくれる故郷(ふるさと)でした。
たらのめや栗や、まつたけが季節の移り変わりを教えてくれました。
今は、除染の効果が少なく、人間の住む世界と隔絶された世界が大きく広がる故郷(ふるさと)になりました。
癒しと恵みをもたらしてくれた私たちの故郷(ふるさと)の山や海に、何百年も消えることのない毒をまかれたのです。

私は、福島県南相馬市より京都へ避難してきた福島敦子です。
福島第一原子力発電所の爆発当時は川俣町そして、放射線量が最も高く示された福島市に避難しておりました。あの頃は、なぜ近距離の南相馬市より線量が高いのか解りませんでした。
一度戻ろうと思った南相馬市は13日には市の境に川俣町の警察署員などによりバリケードが張られ、入ることができなくなりました。
2011年3月13日の夜、福島市飯坂町の小さな市民ホールの避難所には、800人以上の人が押し寄せました。地震のたびに携帯電話を手にする人々、消灯後の部屋がぼんやり青白く光ると、夜中なのに大きな荷物をもってせわしなく足早に出入りする人々が寝ているわが子の頭を踏みそうになります。放射能が多く降り注いだとされる15日には、仮設トイレまで雪をかぶりながら入らなければなりませんでした。私はその日の夕方、鼻血を出しました。目の前の男性も2人、鼻血を出していました。
毎日毎日外で遊べない子どもたち。ボランティアの人に風船をもらった娘たちは次々に飛び跳ねては上手にパスしあいます。足元には、体を横たえている大人が数人いました。わたしは、一番年長の娘に今すぐやめるよう強く言いました。辛抱強い娘は子どもたちにそれぞれ家族のもとへ戻るよう告げると、声を殺して泣きました。
明け方のトイレには、壁まで糞便を塗りつけた手のあと。苦しそうな模様に見えました。
食べるものなどほとんど売っていないスーパーに何時間も並び、列の横に貧血で倒れている老女がいました。インフルエンザが蔓延した近くの避難所では、風呂に入ることができないため、温泉街までペットボトルに温泉水を汲みに行き、湯たんぽの代わりにして暖をとる人がいました。
ガソリンを入れるのに長時間並び、ガソリンを消費して帰ってきました。思うほどガソリンが手に入らずより遠くへは避難できない人がたくさんいました。
雪が降る季節なのに、冷たいおにぎりや菓子パンと紙パックの牛乳を配る列に並んでいると、「戦争が終わって、年をとってもまたこうして配給の列に並ばなければならないなんて」と涙を流す人がいました。隣のスペースに、孫にかかえられて避難してきた年老いた人は、硬い床に座っていることがつらくて、物資の届かない南相馬市へ帰っていきました。ロビーにあるテレビで、次々に爆発していく福島第一原子力発電所の様(さま)を避難所の人たちが囲

んで観ている。毎日が重く張り詰めた空気の中、私を含め死を覚悟した人も大勢いた避難所の生活は、昨日のことのようで忘れられません。

2011年4月2日、私は娘2人を連れ、京都府災害支援対策本部やたくさんの友人の力を借り、ごみ袋3つに衣服と貴重品をつめて、京都府へと3度目となる避難をしてまいりました。
その時に、貴重品以上に大切なものが私たちにはありました。『スクリーニング済証』というものです。
これを携帯しなければ、病院に入ることも避難所を移ることもできませんでした。私たちは、被ばくした人間として、移動を制限されていたからです。また、この証明書は、外部被ばくに限られた証明書であって、私たち家族の内部被ばくの状況は、今はまだはっきりとわかりません。これは、広島長崎の原爆被害、チェルノブイリの症状でも明らかなように、血を受け継いでいくものであり、永遠の苦しみとなることはゼロではないからです。
到着は夜でした。翌朝からは、京都府災害支援対策本部の方の案内で居住地を決めたり、娘2人の小学校の手続きをしたりしました。2日後に、始業式がせまっていました。

40歳の2人の子を持つ女性として、就職活動も始めなければなりませんでした。時給800円の6ケ月期限の事務の仕事にかろうじて就くことができました。
学校では、名前がふくしまということもあり、『フクシマグンバツ』とあだ名をつけられたこともあった娘ですが、気遣ってくださる先生方、たくさんの気の合う友達に恵まれ、持ち前の明るさで乗り切りました。さよならを言う間もなくバラバラになってしまった南相馬市の友達には、避難所の様子や仮の校舎で学ぶ姿をテレビの報道で見つけては、元気をもらっているようでした。
私たちの暮らしは、その日その日を精一杯『生きる』ことで過ぎていきました。

福島第一原子力発電所の状況は収束せず放射能が放出し続けています。なぜ事故が起こったのかの具体的な理由も責任も、誰一人問われることなく、ただ被災した人々は日々の生活に疲弊し、家族の崩壊と向かい合っていかなければならなくなりました。除染が進まない避難指示区域の解除をされても、家はすでにすさみ、なじみの店はありません。孤独死や、自殺する人を耳にすることが増えました。子どもたちの声も聞かなくなりました。
私たちが今、福島県へ帰ったとしても、元の街にはもう戻らないのです。

こう陳述したのはちょうど3年前。
国は、『避難者がいる状態が、復興の妨げである』との政治判断の元、このすさんだ状況そのものがまちの復興を妨げていると思わせるかのように、避難指示区域解除を続けざまに打ち立てていきました。避難者への住宅無償提供の一方的な打ち切りもこの避難指示区域解除に通ずるものであります。東京を中心に、この京都でも住宅無償提供打ち切りになった今、私を含め路頭に迷いつつある仲間がいます。わが身をわが子とともにここ京都に

安心して暮らす生活基盤を置くこともできない、それが原発事故の恐ろしさです。

また、最近の『福島県民健康調査』の結果では、185名の子どもたちが小児甲状腺がんの患者数だと公表されていますが、実際には2千人以上の子どもたちが、B判定以上の結果を受けておきながら『経過観察』とされ、この健康調査から外され、小児甲状腺がんになっても保険診療になっていて数すらわからず、県民健康調査における患者数にカウントされていない今後もされないことが明らかになったことも、事故の真相をうやむやにしようとしている証拠です。

このような一つ一つの衝撃的事実がある中で、多くの国民が、原発事故は収束していない、避難者は強制帰還させられている、事故の原因究明もなされず、国や東電は謝罪もしていないことをきちんと知ることもなく日々を過ごしています。

6年が経ち、真の情報に触れることができない多くの人々は、原発事故への関心が薄れていき、意識の風化と知識の開きが生まれ、無意識の中で子どもたちにも飛び火し、全国で『原発いじめ』が起こりました。

私たち自主避難者は、このように経済的にも追いつめられ、原発事故の罪にも問われない国と東電のあまりにも非情な対応にも歯を食いしばり、この京都にいなければならないのはなぜか。避難指示区域解除後のまちに戻った人々はほんの1割程度にとどまる自治体があるのはなぜなのか。
私たち避難者は、国の復興大臣から「避難は自己責任だ」と罵声を浴びせられたとしても、「裁判でもなんでもすればいい」と切り捨てられても、そして、私たちの美しかった故郷を、水は清かった故郷を、『事故は東北だったからよかった』とののしられ、打ちのめされても、なぜ踏みとどまっているのか。
避難指示解除されたとしても、放射能汚染の状況が変わらなければ帰れない。はっきりとした理由。それは、私たちはみな、『放射能汚染した地から、被ばくを避けるために避難してきた』からです。

子どもの引きこもりが原因で避難元に戻った仲間もいます。福島県や、その近隣都県に住まう人々の中にも、放射能汚染に対する不安を抱え住んでいる人は多いのです。

そうした中での大飯原発の再稼働は、関西電力の経営努力の怠慢さも浮き彫りになり、地元の人々の不安と日本国民の原発に対する懸念の声を全く無視した人権侵害であり、日本だけではなく世界最大級の公害問題といえます。また、先の名古屋高裁金沢支部であった大飯原発3・4号機差し止め請求裁判控訴審では、専門家の証人尋問で元原子力規制委員会の島崎委員長が、「問題の入倉・三宅の過小評価」を証言したことは記憶に新しいです。

司法に対しては、日本国民の大きな民意を水俣裁判のように50年以上も放置することなく、真剣に向き合ってくださることを希望します。

今日もここに、私の実家の庭の土を持ってまいりました。子どものころにシャベルで穴を堀ったり、イチゴを摘んだり、母は長い年月をかけてコケを育て、灯篭の上にも珍しい種

の苔が生える自慢の癒しの日本庭園でした。そのコケをはぎ、むき出しになったこの土を、京都・市民放射能測定所で測定したところ、放射性セシウム濃度は、1平方mあたり93万ベクレルでした。
これは、チェルノブイリ被災者救済法では移住必要地域にあたるレベルです。ここが、チェルノブイリのある地域なら、母たちは移住しているはずであります。

裁判長、子どもを守ることに必死な、懸命な母親たちをどうか救ってください。
子どもたちに少しでも明るい未来をどうか託してあげてください。
私たち国民一人ひとりの切実な声に、どうか耳を傾けてください。
大飯原発の再稼働は、現在の日本では必要ないと断罪してください。
もう、私たち避難者のような体験をする人を万が一にも出してはいけないからです。
司法が健全であることを信じています。日本国民は、憲法により守られていることを信じています。

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地震国ニッポンで原発稼働は無理!  原告団長 竹本修三

図1 地震国ニッポンで原発稼働は無理!

(1)福島第一原発の事故は6年経ったいまでも収束していない。

国会事故調は、大気中への放射能漏れについて、「福島第一原発事故の主因を津波のみに限定するべきではなく、地震による配管損傷の可能性も否定できない」としている。

(2)福島の原発事故は例外的なものではなく、地震国ニッポンの全ての原発が同様な事故を起こす危険性をはらんでいる。

図2 世界の地震・日本の地震

M4以上の地震をプロットすると日本の島影は見えなくなる。
日本の国土面積は全世界の約0.25%.そこで、世界のM6以上の地震の約20%が起こっている。

図3 世界の地震源分布と原発立地の図

4つのプレートの会合部である日本に50基超の原発が設置されたのは世界的に見て異常。

図4 6年を経た福島第一原発事故の現状(1~4号機)

  • 2011年に大気中に放出された放射能は全体の約1%、 残り約99%は辛うじて原子炉と建屋の使用済み核燃料プールの中にあるという。
  • 1~3号機の格納容器内に276トンのデブリ、また燃料プール中には、合計1573体の燃料棒が残っている。

図5 とくに2号機は?

格納容器内の空間で650Sv/hが見つかる!(1時間650シーベルト=年間569万シーベルト)。これは、「避難指示解除」の基準になっている年間20ミリシーベルトの約2.8億倍に相当する。

図6 福島第一原発は3・11地震(Mw9,0)の余震域にある!

  • 2011年4月11日にM7.0の余震が起きた(福島県浜通り地震)。
  • 原発までの震央距離は61.7km、いわき市で震度6弱 。
  • この地震で装置の損傷等は報告されていない。震度5強くらいの揺れではデブリは大丈夫ということであろう 。

図7 アンダーコントロール?

  • 余震域にある福島第一原発の直下(震央距離10km以内)で、M7クラスの地震が起こること、傷だらけの原子炉が震度6強~7の揺れに見舞われ、新たな放射能汚染(あるいは放出)をひき起こすことになる。
  • これまでの世界の原発事故で、メルトダウンの後に核燃料デブリが震度6強とか震度7の強震動で揺すられた例は過去にない。地震国ニッポンの福島第一原発が初めて経験することになるであろう。

図8 M7クラスの地震予知は不可能!

  • 1995年1月の兵庫県南部地震(M7.3)のあと、2016年4月の熊本地震(M7.3)の直前までの約20年間に、M7以上の内陸の地殻内断層地震は、2000年に鳥取県西部地震(M7.3)、2005年に福岡県西方沖地震(M7.0)、2008年に岩手・宮城内陸地震(M7.2)、2011年福島県浜通り地震(M7.0)と、5~3年間隔で広範囲な地域でバラバラと起こった。
  • これらの地震の前兆的ひずみ変化は観測されなかった。さらに、2000年鳥取県西部地震と2005年福岡県西方沖地震は活断層の知られていないところで起こった。
  • 全国の原発が危ない。いつM7級の地震に襲われるか、地震学者もわからない。

図9 日本付近の地震

  • M8を超す大地震は、太平洋側の海・陸プレート境界で起きる海溝型巨大地震である。
  • 日本列島内陸部及び日本海側では、プレート間のせめぎあいによる地殻ひずみの蓄積に伴ってM8以下の地殻内断層型地震が起きる。

図10 わが国の地震予知研究の現状

  • 1962:地震予知のブループリント(坪井・和達・萩原)。
  • 1965:地震予知計画が発足。そのなかで地震の直前予知の本命と目されていたのが傾斜計や伸縮計を用いた地殻変動連続観測である。(1943年鳥取地震M=7.2の際に地球潮汐変化の2倍近くの異常傾斜変化を京都大学が生野鉱山で観測したことが契機。)

図11 地震予知計画発足前の地震直前の異常地殻変動

昭和18(1943)年9月:鳥取地震(M=7.2)のときに震央から60km離れた生野鉱山で異常傾斜変化が観測された。

図12 ブループリントのまとめ(32ページ)

  • 地震予知がいつ実用化するか、すなわち、いつ業務として地震警報が出せるようになるか、については現在では答えられない。しかし、本計画のすべてがきょうスタートすれば、10年後にはこの間に充分な信頼性もって答えることができるであろう。
  • 1965年に発足したわが国の地震予知5か年計画(第1次のみ4年で終了)は第2次、第3次と進むにつれて、次第に研究の進捗面と予算要求の書類上の乖離が大きくなった。

図13 わが国の地震予知計画は1995年兵庫県南部地震で破綻

  • 図は兵庫県南部地震(M=7.3)の本震と24時間以内の余震分布及び六甲高雄観測室の位置を示す。
  • 震源断層面のほぼ直上で高精度レーザー伸縮計を用いて精密観測を実施していたが、地震前の異常変化はまったく観測されなかった。

図14 六甲高雄観測室内のレーザー伸縮計の配置

図15 兵庫県南部地震の予知はできなかった!【地震前1週間の記録】

京大防災研・理学部では、新神戸駅から2kmほど北に上がった新神戸トンネル内の六甲高雄観測室でレーザー伸縮計を用いた高精度地殻変動精密観測を続けていたが、地震の前兆的変化は捉えられなかった。

図16 地震前30時間の記録

M7.3の震源領域のほぼ真上で観測していたにもかかわらず、地震発生前に異常ひずみ変化は、まったく見られなかった。精密地殻変動の観測をやっていても、M7クラスの地震の予知はできない。

図17 兵庫県南部地震前10年間の微小地震活動

微小地震の活動変化を追いかけても、地震予知にはつながらない。

図18 活断層はどうだろうか?

  • 兵庫県南部地震までに認識されていた近畿およびその周辺の近畿地方では山崎断層や三峠断層が注目されていた。六甲断層系と淡路島の断層系がいっしょに動いてM7.3 の地震が起こるとは予測されていなかった。
  • 地震後に、兵庫県南部地震の震源断層と山崎断層は共役断層との見方もある(藤田1995)。
  • 活断層だけに注目していても、地震予知はむずかしい。

図19 兵庫県南部地震の地震断層

  • 兵庫県南部地震の際に、地表に地震断層が現れたのは、淡路島北部の野島断層だけであった。
  • 後世の人が野島断層を見て、ここだけが活断層と考えれば、兵庫県南部地震の全体像を見失うことになる。

図20 活断層が知られていない場所でも、M7級の地震は起こる

2000年10月6日13時30分 鳥取県西部地震(M7.3)の例。

図21 福岡県西方沖地震の例

  • 2005年3月20日の福岡県西方沖地震(M7.0)は、近くの陸域には警固(けご)断層という活断層が認められていたが、地震はその北西延長上の玄界灘の地震空白域で発生した。この地震の余震域と警固断層が直線上にほぼ連続していることから、2005年の地震後は、一連の活断層帯であると考え、これらをまとめて警固断層帯として扱っている。
  • 若狭湾の活断層が連動して動く可能性は十分考えられるし、既知の活断層の延長上を含めていっしょに割れる可能性も考えておかなければならないであろう。

図22 大飯原発の現状:補正書の概要(地震)関電資料(2016)

  • ここまでは、主にわが国の地震予知の現状を説明したが、専門家の話によれば、“いわゆる地震予知と、JASO(耐震総合安全機構)による耐震安全性審査で行われているシナリオ地震動予測とはまったく無関係である。”と指摘された。これも問題であるがそれはさておき、以下に関電が大飯原発で用いている想定地震についての矛盾点を述べる。
  • 関電は2013年7月の段階でFO-B~FO-A断層の2連動を基本ケースとして基準地震動700ガルを策定した。ここで、FO-A断層と熊川断層は15km離れており、この間が連続していることを示す地質構造は確認されていなかったそうだ。
  • その後、原子力規制委員会の議論も踏まえて、2016年5月には、熊川断層を含む3連動を基本ケースとして基準地震動856ガルを策定した。

図23 FO-B~FO-A~熊川断層の3連動の想定地震

  • ・想定地震の断層面は、既存のFO-B、FO-A及び熊川断層の3つの活断層をつなぐ位置に仮定された。
  • 1~9は、想定地震動の計算に用いられた破壊開始点の位置を示す。
  • 断層面はこの位置を通り基本的に鉛直方向(断層傾斜角90°)である。
  • アスペリティの領域は薄い緑色で示されているが、この範囲が唯一解ではない。
  • 856ガルという基準地震動を決めるのに用いられたパラメータには2桁の精度が保証できないものも多数含まれている。
  • このことは、すでに指摘したが、準地震動を3桁の有効数字で表記するのは、ゴマカシである。

図24 上林川断層の評価

  • 関電は、断層の南西端を味方町付近と評価。また、断層の北東端を福井県との県境付近と評価。
  • 想定地震断層の北東端から大飯原発は20km離れているので、大きな影響はない。  ホントにそうか?

図25 FO-B、FO-A、熊川断層と上林川断層

  • 国土地理院の過去111年の測量結果によれば、このあたりは東西方向に主応力の方向があり、年間1×10-7の割合で縮み変化を示している。
  • 関電は、FO-B、FO-A、熊川断層の3連動による想定地震を最も深刻なケースとして856ガルの基準地震動を定めているが、その場合の起震力としては、東西方向の主応力を考えているのであろう。
  • これが重要なポイントで、それならば、共役関係をなす上林川断層も同じウェイトで考えなければならない。
  • FO-Aと熊川断層の間が連続していることを示す地質構造は認められず、15km離れているものを一連の想定地震の震源として認めている。
  • 上林川断層の北東端を走行に沿って20km延長したとことに大飯原発がある。
  • 地震断層の一部しか活断層として残っていない1995兵庫県南部地震の場合や、既存の活断層の延長上の空白域で起こった2005福岡県西方沖地震の例から考えても、上林川断層の北東端の延長上を大飯原発まで伸ばした想定地震を考えなければならない。

図26 国土地理院 過去111年間の地殻変動

  • この地域は東西方向に1×10-7/年の縮み変化をしている。
  • 早ければ1000年に1度、同じ場所で地震が発生することになる。

図27 共役(共軛:きょうやく)断層

水平方向の同じ圧縮(または引っ張り)力が働いたとき、互いに断層面が直交し、ずれの向きが逆向きになる断層の組のこと。郷村断層と山田断層の走行は約90°ずれており、主圧力の方向と互いに約45°ずれているのは、その典型的な例。「FO-B、FO-A及び熊川断層」と「上林川断層」は東西主圧力のもとでの共役断層と考えられる。

図28 南海トラフの海溝型巨大地震と若狭湾周辺の地殻内断層地震

1925年 北但馬地震(M6.8)、1927年 北丹後地震(M7.3)
1943年 鳥取地震 (M7.2)、
1944年 東南海地震(M7.9、Mw8.2)
1946年 南海地震(M8.0、Mw8.4)、
1948年 福井地震(M7.1)、1963年 越前岬沖地震(M6.9)
2000年 鳥取地震西部地震(M7.3)、2016年 鳥取地震中部地震(M6.6)
2038年(?) 南海トラフの海溝型大地震(>M8.0)

図29 2016年10月21日の鳥取県中部地震(M6.6)

だんだん若狭湾に近づいてきている。次は。若狭湾(?)

図30「新規制基準の考え方について」

「科学技術の分野においては、絶対的に災害発生の危険がないといった『絶対的な安全性』というものは、達成することも要求することもできないもの…」(2ページ)。

  • このことは航空機の発達の例から、一般論としては理解できる。しかし、航空機事故は被害が限定的であるのに対して、原発事故は、無関係な広範の人々・動植物が被害を受けるだけではなく、地球全体に影響が及ぶ点が根本的に異なる。
  • 東電は、原発事故前に敷地を15.7mの津波が襲うことも検討していながら、そんなことは千年に1度あるかないかのことだから、いまその対策を考える必要はないと言い切って、津波想定を6.1mとしていた。そして現実には15.5mの津波が、福島第一原発を襲った。
  • いまの原子力規制委員会の「新規制基準」を忠実に守っていても福島第一原発のような事故は再び起こるであろう。
  • 裁判官が、科学技術の進歩のためにはそれも許せると考えるかどうかに注目している。

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◆第15回口頭弁論 原告提出の書証

甲第343~356号証(第34準備書面関係)
甲第357~360号証(第35準備書面関係)
甲第358-2号証(第35準備書面関連)

※このサイトでは下記書証データ(PDFファイル)は保存していませんので、弁護団事務所の方にお問い合わせください。


証拠説明書 甲第343~356号証[161 KB](第34準備書面関係)
2017年(平成29年)5月8日

・甲第343号証
活断層とは何か(ホームページより)(国土交通省国土地理院)

・甲第344号証
兵庫県南部地震の概要(国土地理院時報1995 No.83)(地殻調査部橋本 学)

・甲第345号証
北淡震災記念公園写真撮影報告書(原告代理人弁護士渡辺輝人)

・甲第346号証
神戸市三宮周辺について兵庫県南部地震直後と現在の状況の対比報告書
(本報告書は兵庫県南部地震直後に大木本美通氏が撮影した被災状況の写真(神戸大学のホームページで「震災記録写真(大木本美通撮影)」として公開されているもの)と同じ場所の2016年10月30日の状況の弁護士渡辺輝人撮影の写真を対置し比較したもの。)

・甲第347号証
新編 日本の活断層―分布図と資料 京都及大阪(抜粋)(活断層研究会編 東京大学出版会)

・甲第348号証
新編 日本の活断層―分布図と資料 和歌山(抜粋)(同上)

・甲第349号証
新編 日本の活断層―分布図と資料 姫路(抜粋)(同上)

・甲第350号証
新編 日本の活断層―分布図と資料 徳島(抜粋)(同上)

・甲第351号証
新編 日本の活断層―分布図と資料 45 長岡(抜粋)(同上)

・甲第352号証
平成19年(2007年)新潟県中越地震の評価(主に断層面に関する評価)(ホームページより)(地震調査研究推進本部地震調査委員会)

・甲第353号証
2007年新潟県中越沖地震直後の東京電力柏崎刈羽原子力発電所の状況写真(原子力・安全保安院、武本和幸)

・甲第354号証
各号機における報告書柏崎刈羽原子力発電所(ホームページより)(東京電力ホールディングス)

・甲第355号証
新潟県中越沖地震記録誌 第7章 中越沖地震に係る原子力発電所への影響(抜粋)(新潟県)

・甲第356号証
平成15年に実施した柏崎刈羽原子力発電所地域活断層の再評価に関する調査結果について(東京電力株式会社)

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証拠説明書 甲第357~360号証[130 KB](第35準備書面関係)
2017年(平成29年)5月8日

・甲第357号証
意見書「大飯発電所基準地震動の策定における問題点 ―地盤の速度構造(地盤モデル)について―」(赤松純平(元京都大学防災研究所助教授))

甲第358号証[5 MB]
パワポ資料「基準地震動の策定における問題点 ―地域性および地盤モデルについて―」(同上)

・甲第359号証
学会報告要旨「日本における原発運転上の測地学的及び地震学的リスク」(竹本修三(京都大学名誉教授))

・甲第360号証
パワポ資料「地震国ニッポンで原発稼働は無理!」(同上)


証拠説明書 甲第358-2号証[96 KB](第35準備書面関連)
2017年(平成29年)6月22日

甲第358-2号証[523 KB]
パワポ資料「基準地震動の策定における問題点―地域性および地盤モデルについて」の中の(2)地震波の伝播特性減衰定数Q値についてのページ(赤松純平元京都大学防災研究所助教授)

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◆原子力機構で過去最大の内部被曝

【2017年6月9日,京都キンカンで配付。】

極めて杜撰(ずさん)なプルトニウムの取り扱い
原子力機構で過去最大の内部被曝

◆高浜原発3号機が再稼働された6月6日の11時過ぎ、茨城県大洗町の日本原子力研究開発機構(原子力機構:JAEA)大洗研究研究所開発センターにある燃料研究棟(高速炉などの燃料を研究開発する建屋)では、ウランやプルトニウムの酸化物粉末(以下、U・Pu粉末と略記)による汚染事故が発生していた。このU・Pu粉末は、ビニール袋に密閉されてステンレス製円筒容器(手のひら大)に保管されていたが、容器を空けた途端に、ビニール袋が破裂して、U・Pu粉末が飛び散り、作業していた5人(原子力機構職員2人、協力企業職員3人)が被曝したという。

◆5人のうち4人については、肺からもプルトニウムやアメリシウムが検出される内部被曝であった。4人の肺に吸入されたプルトニウム239の測定値は、22,000、14,000、6,000、5,600ベクレルとされ、残る1人も内部被曝の可能性があるという。22,000ベクレルの被曝者は、肺以外の部位を含めると36万ベクレルの内部被曝をしたと推定されている。国内では、前例のない最悪の内部被曝と報道されている。発癌のリスクが高く、被曝された方には大変お気の毒な事態である。

杜撰なプルトニウム管理と取扱い

◆問題のU・Pu粉末は1991年に封入され、年に1回程度は容器の外観を検査していたが、内部は26年間一度も点検していなかった。同じものが入った保管容器は20個残っているという。今回開封した容器に保管されていたU・Pu粉末の量は、合計300 gとされるがウラン、プルトニウムの割合は明らかでない。仮にプルトニウムが2割程度であったとしても尋常な量ではない。

◆一方、U・Pu粉末入り容器をフード(ドラフト)内で開封したと発表された。フードは、内部の空気をフィルターを通して吸い出す換気装置を備えた箱状(大型冷蔵庫大)の実験台で、学校の化学実験室などで見かけるものと類似している。前面には開閉できる窓はあるが、作業時にはある程度解放されている。したがって、U・Pu粉末の密閉が何らかの手違いで破壊されれば、U・Pu粉末はフード外にも飛散する。本来、極めて危険なプルトニウムはグローブボックスと言われる完全密閉の手袋のついた箱内(内部の圧力は外部より低くしてある)で扱わなければならない。

◆今回の場合、ビニール袋に密閉されているから大丈夫と安易に考えて、フード内で取り扱ったものと考えられるが、放射線によるビニールの劣化やガス発生(後述参照)は、プルトニウム扱い経験者なら当然予測できることであるから、原子力機構は慎重さに欠け、安全軽視に慣れ切った組織と非難されても当然であろう。しかも、プルトニウムの量がフードでの取り扱いが許されている量に比べて、けた違いに多い。作業者は、防護服を着用し、ゴム手袋の上に綿手袋をかぶせ、半面マスクで顔を覆っていたとされるが、装備(とくにマスク)にも不備があったと考えられる。

知識不足の原子力機構

◆今回の事故の原因について原子力機構は「同様な事故はなく、想定外」と説明している。プルトニウム239は、アルファ粒子(ヘリウムの原子核:放出されれば、ヘリウムガスになる)を放射する。したがって、多量のプルトニウムを長期保管していれば、ヘリウムの蓄積によって密閉容器の内圧が上昇することは、プルトニウム取扱い経験者なら常識である。上記の説明は、原子力機構(少なくとも記者会見に関わった職員)がこのような常識すら持ち合わせていないことを示している。

◆原子力機構は、1956年に発足した日本原子力研究所(原研)と原子燃料公社(原燃)が2005年に統合されて設立された国内最大の研究開発機関(国立研究開発法人)であり、2015年現在の常勤職員数は3683人で、1954億円の予算を有している。前身である原研は統合までその名称を維持したが、原燃は事あるごとに名称を変更し、1967年に動力炉・核燃料開発事業団(動燃)、所管の「もんじゅ」がナトリウム漏れ事故を起こした翌年の1998年には核燃料サイクル機構と改称している。原子力機構の原燃系部署の事故やトラブル、その隠蔽は枚挙のいとまがない。原子力機構のような巨大組織にも、知識不足、安全軽視の傲慢体質が蔓延(まんえん)している。原子力を安全に利用できる筈がない。

プルトニウムの内部被曝は深刻、排出薬剤の効果は疑問

◆先述のようにプルトニウム239は、アルファ粒子を放射する。この、アルファ粒子は空気の中を 4 cm 程度しか飛ぶことが出来ず、紙一枚で遮蔽できる。ガンマ線は、数m飛ぶので、遠くからでもガンマ線を出す物質の存在を知ることが出来るが、プルトニウムは4 cm程度以内に近寄らなければ検出できない。このことは、プルトニウムが体内に取り込まれたとき(内部被曝)、アルファ粒子が持つエネルギーの全てが体内で失われ、DNAなど体内の物質が破壊される(その結果、例えば、癌化する)ことを意味する。

◆プルトニウム239からのアルファ線が持つエネルギーは5.16 MeV(ミリオンエレクトロンボルト;100万電子ボルト)あるいは5.46 MeVであり、体内で物質を結合させている化学エネルギー[数eV(エレクトロンボルト;電子ボルト)以下]に比べて100万倍以上であり、原理的には、1個のアルファ粒子の放出で100万個以上の生体物質が損傷することになる(実際にはそんなに効率は高くない)。今回の内部被曝36万ベクレルとは、1秒間に36万個のアルファ粒子が放出されることを示す。

◆一方、プルトニウムは、体内に取り込まれたら、そのすべてを排出させることは難しい。体内での滞留の仕方は体の部位によって異なるが、長く滞留する部位では、生体半減期(取り込まれた物質の半分が排出されるまでの期間)が50~200年と言われている。なお、プルトニウム239自身がアルファ粒子を放出して、その半分がウラン235に変化する期間(半減期)は約24,100年である。

◆内部被曝で取り込まれたプルトニウムの対外への排出は、キレート剤(プルトニウムのような金属と結合し易い薬剤)によって促されると言われているが、効果は未知数であり、完全な排出は期待できない。とくに、難溶性のプルトニウム酸化物が肺胞などに沈着した場合、その排出は難しい。また、キレート剤は、体内の有用元素(プルトニウムとは異なる元素)と結合し、薬害(副作用)をもたらす可能性もある。

初期の発表には事故を過小評価する姿勢

◆6日の原子力機構の発表(同日のテレビや翌日の朝刊の報道)には、「作業者5人に核物質付着」、「体調に異常がない」、「鼻腔内から最大24ベクレルの放射性物質」、「この程度なら健康に影響はない」、「外部への影響はない」など、事故を過小評価する言辞が目立つ。事故を深刻に受け止める姿勢が欠如した「原子力ムラ」体質が、福島原発事故を拡大したことへの反省が感じられない。

報 告

「6.6 高浜原発うごかすな!現地集会」と関連新聞記事

◆5月17日の関電高浜原発4号機の再稼動に続いて、3号機の再稼働が、6月6日、多くの反対の民意を踏みにじって強行された。

◆「若狭の原発を考える会」は、現地緊急行動を呼びかけ、5日には高浜町でアメーバデモを展開し、6日早朝には出勤してくる町役場職員へのチラシ配布の後、高浜原発周辺や舞鶴東部の集落の各戸にもチラシ配布を行った。

◆6日正午には、高浜原発奥の展望所に、福井、近畿各地、東京、福島、愛媛、徳島など全国の原発再稼働を憂う市民が、続々とマイクロバスやマイカーで結集した。展望所からは、美しい若狭湾にはそぐわない高浜原発が一望できる。

◆緊急抗議行動の参加者120人は、午後1時 から高浜原発北ゲート前まで力強くデモ行進し、怒りのシュプレヒコールをたたきつけた後、関電への申しれを行った。その後も若い仲間の力強いコールなど、果敢な抗議行動は続けられた。

◆午後2時、3号機再稼働のスイッチが押されたという知らせが伝えられると、高浜原発に向けての怒りの声は一段と大きくなった。怒りの歌も始められる。今、同時刻に沖縄辺野古で闘う仲間を思い、『座り込めここへ』も歌われた。伊方原発地元の闘い、通産省前座り込み、地元・高浜町の闘う仲間、滋賀の市民運動、前々日の京丹後Xバンドレーダー基地反対集会に参加のため訪日されたサードミサイル配備反対を闘う韓国の市会議員、福島の闘う女性などの連帯の挨拶が続いた。

◆最後に、「原発全廃まで闘い続けよう」との締めのあいさつの後、関電本店や安倍政権まで届けとばかりの力いっぱいのシュプレヒコールを全参加者で唱和し、3時過ぎに解散した。

◆2017年6月7日 京都新聞朝刊(↓)

2017年6月8日

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

◆使用済み核燃料は超長期に危険

【2017年6月2日,京都キンカンで配付。】

人類史より長い未来にまで危険と不安を残す
使用済み核燃料を増やしてはなりません!

高浜原発の再稼働を許さず、原発を全廃して、
重大事故の不安のない社会を目指しましょう!

◆原発を運転すると、次のような原発運転に不都合な事態が生じます。

・核分裂を起こすウランやプルトニウムが減少し、中性子発生数が減少して、核分裂反応が進みにくくなります。

・核燃料の中に運転に不都合な(中性子を吸収し、原発運転を困難にする)各種の核分裂生成物(死の灰)や超プルトニウム元素(プルトニウムより重い元素;アメリシウムなど)が生成します(注1参照)。

・核燃料を閉じ込めておく燃料被覆管の腐食(核分裂によって、余剰となった酸素と被覆管の反応、放射線による腐食など)やひずみが発生します。

◆したがって、核燃料は永久に使用することは出来ず、一定期間燃焼させると、ウランやプルトニウムを使い切っていないにもかかわらず、新燃料と交換せざるを得なくなります。そのため、使用済み核燃料がたまります。

◆現在、日本には使用済み核燃料が17,000 トン以上たまり、原発の燃料プールや青森県六ケ所村の再処理工場の保管場所を合計した貯蔵容量の73%(2016年)が埋まっています。原発が順次再稼働した場合、数年後には満杯になります。

◆国の計画では、全国の使用済み核燃料は六ケ所村に移送し、再処理して、ウラン、プルトニウムを取り出し、再利用することになっていました。しかし、再処理工場の建設はトラブル続きで、すでに2兆2千億円をつぎ込んだにもかかわらず、完成の目途(めど)は立っていません。危険極まりないこの工場の運転は不可能とも言われています。再処理工場にある容量3,000トンの使用済み燃料一時保管場所の98%はすでに埋まっています。

【注1】 使用済み核燃料の組成

使用前のウラン燃料(3% 濃縮ウラン燃料) 1 t 中には、ウラン238が 970 kg、ウラン235が 30 kg 含まれますが、燃焼後、交換が必要になった時点では、ウラン238が 950 kg、ウラン235が 10 kg に減少し、プルトニウムが 10 kg、核分裂生成物生成物が 30 kg が生成しています。

使用済み核燃料の行き場はない

現在科学技術で核燃料再処理は不可能

◆使用済み核燃料は、原子炉から取り出し、原子炉に付置された燃料プールで一定期間(3~5年)冷却して、放射線量と発熱量が空冷保管できるまで減少した後、特殊な容器(キャスク)に入れて保管します。

◆使用済み核燃料の処理・処分には2つの方向があります。

◆一つは、使用済み核燃料を溶解し、核燃料として再利用できるウランやプルトニウムを分離回収して、プルサーマル炉や高速増殖炉で燃料として利用しようとする(核兵器にも利用できる)、いわゆる再処理です。日本はこの方向ですが、後述のように、危険極まりない再処理工場の稼働は遅れに遅れています。

◆他の一つは、使用済核燃料を再処理せず、燃料集合体をそのままキャスクに入れて、地中の施設に保管する「直接処分(ワンスルー方式)」です。「直接処分」の方が安全で、放射性廃棄物量も少ないと考えられ、アメリカはその方向ですが、10万年以上の保管を要し、これにも多くの問題があります。

◆再処理にあたっては、使用済み核燃料を再処理工場サイトにある貯蔵施設に運びます(日本では、青森県六ケ所村)。再処理工程では、燃料棒を切断して、鞘(さや)から使用済み燃料を取り出し、高温の高濃度硝酸で溶解します。溶解までの過程で、気体の放射性物質(希ガスなど)が放出されます。白金に類似した物質は溶け残ります。溶解したウラン、プルトニウム、核分裂生成物(死の灰)などを含む高濃度硝酸溶液中のウラン、プルトニウムは、これらの元素と結合しやすい試薬を含む有機溶媒を用いて取り出し(溶媒抽出)、さらに精製して核燃料の原料とします。この過程で、硝酸の分解ガスが発生し、爆発したこともあります。また、死の灰などの不要物質が、長期保管を要する高レベル(高放射線)廃棄物として大量に発生します。その処理処分法は提案されてはいますが、問題山積です。保管を受け入れる場所もありません。

◆使用済核燃料は高放射線ですから、再処理工程の多くは、流れ系を採用し、遠隔自動操作で運転されます。そのため、再処理工場には、約10,000基の主要機器があり、配管の長さは約1,300 km にも及びます(うち、ウラン、プルトニウム、死の灰が含まれる部分は約60 km:継ぎ目の数は約26,000箇所)。高放射線に曝(さら)され、高温の高濃度硝酸を含む溶解槽や配管(とくに継ぎ目)の腐蝕、減肉(厚さが減ること:溶解槽で顕著)、金属疲労などは避け得ず、安全運転できる筈がありません。長い配管を持つプラントが、地震に弱いことは容易にうなづけます。再処理工場は完成からは程遠い状態にあります。

再稼働が続けば、若狭の原発の燃料プールも7年で満杯

◆上記のように、再処理は不可能に近い状態ですから、使用済み核燃料は蓄積の一方です。若狭にある原発13基が持つ使用済み核燃料貯蔵施設の容量は5,290トンですが、その7割以上が埋まっています。関電の原発内の保管プールの貯蔵割合は、4月末で、大飯と高浜が約71%、美浜が63%に達しています。新規制基準審査未申請の2機を含めた関電の原発9基が運転されれば、年間約370体の使用済み燃料が発生しますから、7年程度で貯蔵限度を超え、原発の稼働は出来なくなります。

高浜原発3号機再稼働を許すな!6日(火) 高浜原発現地集会に総結集しよう!

・12時;高浜原発先の展望所に集合、
・13時;高浜原発北ゲートに向かってデモ、
・13時30分;関電への申入れ、
・17時30分頃まで抗議行動

京都(9時:JR京都駅南バスプール)、大津(9時;JR大津駅・逢坂支所前、9時10分;JR大津京駅前)よりバスを配車の予定。
・バスを利用して、ご参加下さる方は、早めに、090-5676-7068橋田(京都発)、080-5713-8629稲村(大津発)までお申し込みください。

無防備で脆弱(ぜいじゃく)な使用済み燃料プール

◆一般的に、使用済み核燃料貯蔵プールは、沸騰水型(BWR)原子炉では原子炉本体の上部に、加圧水型(PWR)では原子炉本体の横に設置されていて、被曝をせずに使用済み燃料を圧力容器からプールに移送できるようになっています。このプールには、燃料集合体が臨界に達しないように(核分裂連鎖反応を起こさないように)間隔をあけて置かれ、水がはられ(例えば、燃料集合体の上部から7 mの水深)、循環していて、燃料を冷却しています。水は、放射線の遮蔽材の役目も果たします。このプール内には最大で、10炉心分の燃料が保管されています。

◆使用済み核燃料貯蔵プールは、同じく核燃料の容器である圧力容器(原子炉本体)と比べて、無防備と言っても過言でないほど脆弱です。深さ10 m近くのプールが地震などで破壊され、一気に水が抜ければ、お手上げです。このように、冷却水を喪失し、メルトダウンする危険性が高いことは、福島第1原発事故で、4号機の燃料プールから冷却水が漏れ、核燃料溶融の危機にあった事実からでも明らかです。プールに入っている燃料が、原子炉から引き抜いて、かなりの年数(例えば、3~5年)が経ったものであれば、放射線量、発熱量もある程度は減少していますから、燃料溶融(メルトダウン)に至るまで少々はゆとりがありますが、もし、取り出して間もない燃料が露出することになれば、燃料溶融に至ります。

◆一方、燃料集合体間の間隔を隔てているラックが倒壊あるいは崩壊すれば、局所的な温度上昇による水の蒸発(→冷却機能の喪失)や核燃料の再臨界(核分裂連鎖反応の再発)の可能性があります。再臨界に達すれば、急な温度上昇による巨大な水蒸気爆発、水素爆発が起こり、冷却材が供給されない状況下では火災となり、揮発しやすい成分(例えば、セシウム137)が世界中を汚染させます。地震によって、巨大プールの水に周期の長い揺れ(波)が発生し、それが共振して拡大すれば、波の力によるプールの倒壊も危惧されます。

原発を再稼働させれば、新しい使用済み燃料が増え、
使用済み核燃料プールの危険度が急増する

◆福島原発以降、多くの原発が停止しています。したがって、燃料プールにある核燃料の放射線量や発熱量は、かなり減少しています。中には、もう少し冷却すれば、乾式(空冷)保管が出来るようになるものもあります。そうなれば、使用済み核燃料の保管は格段に容易になります(それでも、使用済み核燃料の長期安全保管は至難です)。しかし、原発を再稼働させれば、旧(もと)の木阿弥(もくあみ)で、放射線量と発熱量が多い使用済み核燃料が増え、危険度は急増します。再稼働を阻止し、原発を全廃し、重大事故の不安のない社会をつくりましょう!

安易に乾式中間貯蔵所を作り、燃料プールを空けて、
原発の運転を継続する企(たくら)みは許されない

◆上述のように、原子炉から取り出して間もない使用済み核燃料の保管は、極めて危険です。したがって、原発を運転して、使用済み核燃料を生じさせてはなりません、一刻も早く全原発の廃炉を決意し、使用済み燃料を危険度の低い乾式貯蔵が可能な状態にしなければなりません。また、数万年もの長期間にわたって使用済み核燃料を、安全に乾式貯蔵する技術と体制を整えなければなりません。

◆今、使用済み燃料プールが満杯に近付いています。満杯になれば、原発の運転は不可能になります。そこで、原発敷地内に中間貯蔵所を設けて、そこに使用済み燃料プールから燃料を移し、空いたプールにさらに使用済み燃料を貯蔵できるようにして、原発を運転し続けようとする企みがあります。この企みが拡大すると、際限なく使用済み核燃料が増え、原発敷地内は使用済み核燃料で溢れ、原発の危険度は急増します。

◆なお、中間貯蔵を原発敷地内で行うことを認めれば、使用済み燃料を引き受けてくれる場所のない現状では、原発立地が長期保管地になりかねません。使用済み燃料の保管は、例え膨大な費用を要しても、現存する最高の技術と英知を結集した施設で行わなければなりません。そのような施設の建設を、人の命や尊厳より経済的利益を優先する電力会社に期待することはできません。

プルサーマル炉は発熱量が下がり難い使用済み核燃料を生む

◆高浜原発3、4号機のようなプルサーマル炉は、ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)を燃料としていますが、核分裂によってMOX燃料から生じる元素は、ウラン燃料から生じるものとは異なり、使用済み核燃料になったとき、放射線量や発熱量の減少速度も異なります。使用済みMOX燃料の発熱量は下がり難いため、長期にわたってプール内で水冷保管しなければ(使用済みウラン燃料の4倍以上)、空冷保管が可能な状態にはなりません。取り出し後50年~300年の使用済みMOX燃料の発熱量は、使用済みウラン燃料の発熱量の3~5倍です。また、使用済みMOX燃料の発熱量を、50年後の使用済みウラン燃料の発熱量レベルに下げるには300年以上を要します。MOX燃料は、その意味でも、極めて厄介な核燃料です。

最近の経験は、原発はなくても電気は足りることを実証しました。重大事故を起こしかねず、危険極まりない使用済み燃料を生む原発を動かす必要はありません。

原発の稼働は、電力会社の金儲けのためです。

原発事故は自然災害とは異なります。自然災害を止めることはできませんが、原発事故は止められます。原発は人が動かしているのですから、人が原発全廃を決意すれば良いのです。

原子力防災とは、避難計画ではありません。不可能な避難を考えるより、事故の原因である原発を廃止することが原子力防災です。原発全廃こそ原子力防災です。

重大事故が起こってからでは遅すぎます。原発全廃の行動に今すぐ起ちましょう!

2017年6月1日

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)