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◆報告とお礼~8.10「老朽原発・美浜3号再稼働阻止現地緊急行動」に80人

【2022年8月12日,京都キンカンで配付】

猛暑にもコロナにも負けず
8.10「老朽原発・美浜3号再稼働阻止現地緊急行動」に80人

 電力会社、政府、財界などの原発推進勢力は、ウクライナ紛争によるエネルギー逼迫や炭酸ガス削減を口実にして、原発の稼働に躍起です。また、岸田首相は、冬向け電力の逼迫を喧伝し、9基の原発を稼働させる方針を発表しています。

 しかし、電気は足りています。一時的な電力逼迫はあっても、節電によって回避できます。このことは今年3月の、地震と寒波に起因する東北、東京エリヤでの電力不足、6月末から7月にかけての猛暑による電力不足を、節電で乗り越えた実績が証明しています。

 したがって、人々に放射線被ばくを強いる原発を稼働させる必要は全くありません。とくに、圧力容器の脆化が進み、配管トラブル多発の蒸気発生器を持ち、原子炉空焚き過酷事故の危険性が高い、老朽原発・美浜3号機、高浜1,2号機の再稼働などもっての外です。

 それでも、関電は、原発に前のめりな政府に乗じて、10月に予定していた美浜3号機の運転再開(並列)を8月12日(10日再稼働)に前倒しすると発表していましたが、8月1日に水漏れ(後述)が発覚し、再稼働は延期されています(8月11日現在)。

 再稼働予定の美浜3号機は、昨年6月に一旦再稼働したものの、特定重大事故等対処施設の設置が間に合わず、わずか3ヶ月間の営業運転で停止を余儀なくされていたものです。しかも、この短い運転中に二度もトラブルを発生させています。一つは、蒸気発生器中の2次冷却水が喪失したとき、緊急給水するポンプに大きな圧力がかかるトラブルです。関電は、「ポンプ入り口にある金属製のフィルターに鉄さびが詰まったことが原因」としています。老朽原発を全国に先駆けて動かそうとして準備してきたにも拘らず、鉄さびによる目詰まりにも気づかなかった関電と原子力規制委員会のいい加減さは許されるものではありません。

 さらに、美浜3号機では、再稼働を目前にした去る8月1日、放射性物質を含む水7トンが漏洩していることが発覚しています。漏れ出た放射性物質量は、220万ベクレルと発表されていますが、国が法令上のトラブルとする370万ベクレルに近い量です。

 なお、関電の原発では、再稼働の直前、直後にトラブルが頻発しています。トラブル頻発は、配管腐食、機器の損傷、機器の点検や保守・交換時の施工ミス(ボルトに閉め忘れや溶接ミス等)は防ぎきれないことを示唆するとともに、関電の弛緩しきり、傲慢な体質のためだとも考えられます。トラブル頻発の原発再稼働を許してはなりません!

8.10「老朽原発・美浜3号再稼働阻止
現地緊急行動」に決起!

 「老朽原発うごかすな!実行委員会」は「老朽原発完全廃炉を勝ち取るまで、粘り強く、何度でも決起する」の決意の下に、再稼働延期に関わらず、8月10日に予定していた「老朽原発・美浜3号再稼働阻止現地緊急行動」を予定どおり決行し、美浜3号機再稼働を画策する関電に抗議し、美浜町の皆さんに老朽原発再稼働阻止の行動への参加を呼びかけました。

 8月10日、美浜原発近辺(美浜原発に通じる丹生大橋前を北に約300mの道路脇)に、京都、大阪、滋賀などの関西、福井市方面、若狭各地、美浜町内からマイクロバス、自家用車などで結集した約80人は、原発前をデモ行進(13時出発)して、「美浜3号このまま廃炉!」「原発全廃!」を力一杯訴えました。後、関電原子力事業本部前に移動して、14時30分から抗議・申し入れ行動を展開しました。抗議集会は、「京都脱原発原告団」の吉田明生さんの司会で進行し、「老朽原発うごかすな!実行委員会」の中嶌哲演さん、美浜町議の松下照幸さん、「オール福井反原発連絡会」の林広員さん、滋賀、大阪、京都の代表が、トラブル多発の原発の稼働を画策する関電を糾弾し、各地での脱原発・反原発の闘いを報告され、「原発全廃」に向けての強い決意を延べられました。途中、代表が、関電の経営陣への「危険極まりない老朽原発・美浜3号機の再稼働準備の即時中止と廃炉」「関電の原発の全廃」を求める申し入れ行いました(申し入れ文は後に掲載)。

 抗議行動後は、猛暑の中の町内デモ(約2km)に移り、炎天にも届くシュプレヒコール、ショートコールによって「老朽原発・美浜3号廃炉」「原発全廃」「トラブル続き、銭金まみれの関電糾弾」を訴えました。町内デモの途中、各所で美浜町の皆さんのご声援を得ました。「美浜町民です」と名乗ってデモに参加された若い女性もおられました。なお、8.10行動の宣伝途中にも、「老朽原発うごかすな!」の鉢巻きをまいた街宣車をご覧になった若い女性から「思いは一緒です」との激励とともに、多量の冷たいお茶の差し入れていただきました。

8.10行動にご参加、ご支援いただきました
皆様、ありがとうございました。
老朽原発・美浜3号機廃炉に向けて
さらに前進しましょう!


2022年8月11日

老朽原発うごかすな!実行委員会
連絡先・木原(090-1965-7102)


▼毎日新聞 2022年8月11日

▼美浜原発前デモ行進

▼関電原子力事業本部前集会

▼美浜町内デモ行進

▼美浜町内デモ行進

原子炉空焚き過酷事故の危険性が
高い、老朽原発・美浜3号機の
運転を許してはなりません!

老朽原発・美浜3号機完全廃炉を
目指して、現地、関西および全国での
行動に総決起を!

老朽原発完全廃炉を突破口に
原発のない、人の命と尊厳が
大切にされる社会を実現しましょう!

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◆関電への申し入れ
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関西電力株式会社 取締役会長 榊原 定征 様、
取締役社長 森 望 様、
原子力事業本部長 松村 孝夫 様、
美浜発電所長 高畠 勇人 様

申し入れ

 原発は現在科学技術で制御できる装置でないことを、発生から11年を経た福島原発事故が、大きな犠牲の上に教えています。

 その原発が老朽化すれば、原子炉圧力容器の脆化や配管の損傷などが進み、過酷事故の危険度が急増することは多くが指摘するところです。

 また、原発を動かせば、何万年もの保管を要する使用済み核燃料がたまりますが、その永久保管はおろか、中間貯蔵すら引き受ける所もないことは、貴関西電力(関電)がよくご存じのことです。

 さらに、2月に始まったウクライナ紛争では、欧州最大の原発・ザポリージャ原発やチョルノービリ原発が攻撃され、戦争になれば、原発は格好の攻撃目標になることが実証されました。原発はあってはならない施設なのです。

 それでも、財界や政府などの原発推進勢力は、ウクライナ紛争によるエネルギー逼迫や炭酸ガス削減を口実にして、原発の稼働に前のめりです。また、岸田首相は、冬向け電力の逼迫を喧伝し、9基の原発を稼働させる方針を発表しています。

 しかし、電気は足りています。一時的な電力逼迫はあっても、節電によって回避できます。このことは今年3月の地震と寒波に起因する東北、東京エリアでの電力不足、6月末から7月にかけての猛暑による電力不足を、節電で乗り越えた実績が証明しています。したがって、放射線被ばくを強い、子々孫々にまで負の遺産・使用済み核燃料を残す原発を稼働させる必要は全くありません。

 ところで、貴関電は、原発推進の機運に乗じて、10月に予定していた美浜3号機の運転再開を8月12日に前倒しすると発表していましたが、後述のように、8月1日に水漏れが発覚し、再稼働は延期されています。

 再稼働予定の美浜3号機は、昨年6月に一旦再稼働したものの、特定重大事故等対処施設の設置が間に合わず、わずか3ヶ月間の営業運転で停止を余儀なくされています。しかも、この短い運転中に二度もトラブルを発生させています。一つは、蒸気発生器中の2次冷却水が喪失したとき、緊急給水するポンプに大きな圧力がかかるトラブルです。関電は「ポンプ入り口にある金属製のフィルターに鉄さびが詰まったことが原因」としています。老朽原発を全国に先駆けて動かそうとして準備してきたにも拘らず、鉄さびによる目詰まりにも気づかなかった関電と原子力規制委員会のいい加減さは許されるものではありません。さらに、美浜3号機では、再稼働を目前にした去る8月1日、放射性物質を含む水7トンが漏洩していることが発覚しています。漏れ出た放射性物質量は、220万ベクレルと発表されていますが、国が法令上のトラブルとする370万ベクレルに近い量です。

 一方、美浜3号機と同じ加圧水型原発・高浜3、4号機、大飯3、4号機でも、これらの原発は運転開始後40年に至っていないにも拘らず、たびたびトラブルが発生しています。例えば、高浜3号機では、定期点検中の本年3月、蒸気発生器の伝熱管3本の外側が削れて管厚が大幅に減肉・損傷していることが発覚しています。関電は、伝熱管外側に自然発生した鉄さびの塊がはがれて、伝熱管を削ったためとしています。この配管損傷によって、5月に予定していた再稼動は2ヶ月以上遅れました。同様な伝熱管損傷は、2020年11月および去る7月9日、高浜4号機でも発覚しています。これらの原発の蒸気発生器3基の中には、腐食等によって、2トン以上もの鉄さびや鉄イオンが発生しているとも報道されています。

 頻発するトラブルの中でも、320℃、160気圧近くの高温・高圧水が流れる蒸気発生器伝熱管などの1次冷却系配管の損傷は、とくに深刻です。これらの配管が完全破断すれば、1次冷却水が噴出して、原子炉が空焚きになり、メルトダウンに至る可能性があるからです。そのため、蒸気発生器は「加圧水型原発のアキレス腱」といわれていますが、美浜3号機の蒸気発生器は、取り替え後約26年を経た老朽装置で、配管の完全破断を起こしかねません。

 原子炉空焚き過酷事故の危険性が高い、老朽原発・美浜3号機の運転はもってのほかです。

 ところで、政府や自治体は、原発過酷事故を想定した避難訓練を行っています。それは、原発は過酷事故を起こしかねないことを、政府や自治体が認めているからです。ただし、政府や自治体が考えている避難訓練は、原発立地自治体住民のごく一部のみが参加する日帰り訓練です。政府や自治体は、原発過酷事故では、住民の多くが、何年も、何十年も、あるいは永遠に故郷を奪われることをあえて無視して、「避難訓練を行った」とするアリバイ作りをしているに過ぎません。

 なお、美浜原発から100 kmの圏内には、福井県、京都府、滋賀県のほぼ全域、大阪府、兵庫県、岐阜県、奈良県の多くの部分が含まれます。福島事故では、事故炉から約50 km離れた飯舘村が全村避難であったことを考え合わせれば、美浜原発で過酷事故が起こったとき、数百万人が避難対象となりかねません。避難は不可能です。30~80 km圏内にある琵琶湖が放射性物質で汚染されれば、関西1450万人が安全な飲料水を失います。

 以上のように、原発は、トラブルが多発し、何万年もの未来にまで負の遺産となる使用済み核燃料を残し、一旦過酷事故を起こせば、事故終息は絶望的に困難で、多くの人々の故郷と生活基盤を奪い去り、戦争になれば、格好の攻撃目標になります。原発は、人類の手に負える装置ではありません。

 このような視点に立って、私たちは、貴関西電力に、以下を申し入れます。
【1】危険極まりない老朽原発・美浜3号機の再稼働準備を即時中止し、廃炉を決定してください。
【2】原発を動かせば、行き場がなく、子々孫々にまで負の遺産となる使用済み核燃料が増加します。貴社の有する全ての原発を停止し、安全な廃炉を進めてください。

 なお、7月13日の東京地裁「東京電力株主代表訴訟]判決では、福島原発事故前の東電幹部の対応には「安全意識や責任感が根本的に欠如していた」と述べ、東電旧経営陣に、原発事故によって東電に与えた損害・13兆円の賠償を命じています。

 貴職らが、多くの危険性指摘を無視して老朽原発を稼働しようとしていることは「安全意識や責任感が根本的に欠如している」との批判を受けて当然であり、圧倒的な「老朽原発うごかすな!」の民意を蹂躙して老朽原発を稼働させ、重大事故が起こった場合、それは貴職らの故意による犯罪であり、許されるものではないことを申し添えます。

 貴関西電力は、昨日・8月9日を「安全の誓いの日」として、2004年8月9日に発生したような重大事故を二度と繰り返さない決意を新たにされていますが、「安全を誓う」のであれば、「原発全廃」を宣言すべきだと考えます。
2022年8月10日

8.10「老朽原発・美浜3号再稼働阻止現地緊急行動」
参加者一同

◆老朽原発・美浜3号機を廃炉に~過酷事故が起こる前に

【2022年8月,若狭で配付】

老朽原発・美浜3号機を廃炉に
過酷事故が起こる前に

 原発は現在科学技術で制御できる装置でないことを、発生後11年を経た福島原発事故が大きな犠牲の上に教えています。

 一方、去る2月に始まったウクライナ紛争では、欧州最大の原発・ザポリージャ原発やチョルノービリ原発が占領され、戦争になれば、原発は格好の攻撃目標になることが実証されました。

 このように、原発は、人類の手に負える装置でなく、人の命と尊厳を脅かします。

 それでも、電力会社、政府、原発立地自治体などの原発推進勢力は、ウクライナ紛争によるエネルギーひっ迫や炭酸ガス削減を口実にして、原発の稼働に躍起です。岸田首相は、冬向け電力のひっ迫を喧伝し、9基の原発を稼働させる方針を発表しています。

 また、関電は、10月20日に予定していた美浜3号機の運転再開(並列)を8月12日に前倒しすると発表しました(6月10日)。「再稼働(原子炉起動)」は、8月10日と報道されています。

しかし、電力需給がひっ迫するから
「供給を増やす」は古い考え方です。

 かつての電力会社は、電力の無限供給(需要側が使いたい時に必ず供給する)義務を負っていて、その代わりに、地域独占と総括原価方式によって優遇されていました。

 総括原価方式とは、発電費、送電費、電力販売費、人件費などの全ての費用を「総括原価」とし、それに一定の報酬を上乗せして電気料金を決める方式で、電気供給は公共性が高いのでこの方式をとります。この方式だと、電力会社の経営は常に安定しています。

 しかし、地球環境保全(温暖化抑制)の視点からは、電力供給を拡大し続けることは、もう許されません。電力会社の無限供給「義務」、地域独占、総括原価方式は、不合理になっています。

「需要抑制、節電」が
現在的、先見的な考えです。

 供給力を増やすばかりが需給ひっ迫対策ではありません。

 日常的には、電気は足りています(余っています)。一時的に電力不足が発生しても、節電によって回避できます。このことは今年3月の、地震と寒波に起因する東北、東京エリアでの電力不足、6月末から7月にかけての猛暑による電力不足を、節電で乗り越えた実績が証明しています。

【節電協力で電力需給ひっ迫を乗り切った例】
 去る3月22日、東京および東北エリアで、地震による発電所の停止と急激な寒波到来が重なって、電力需給ひっ迫が発生しました。この需給ひっ迫を乗り切れたのは、揚水発電と広域での電力融通に加え、次のような節電が行われたからです。

 当日8〜23時の時間帯で約4000万kWh、また、需要の大きな17時台の1時間に、約500万kWを需要側が節電しています(東電パワーグリッドKKの資料)。原発5基分(約500万kW)もの節電が可能であることを示しています。

 この例は、要請に応えた節電の例ですが、「節電すればそれに応じて対価が得られる需要抑制」の制度化も進んでいます。「ネガワット(負の消費電力)取引」はその例です。「ネガワット取引」とは、仲介業者などとの事前の契約に基づいて、電気の需要がピークに達したタイミングで節電を行うと対価が得られる制度です。

 「節電で生じる余剰電力は発電所を新しく建設することと同じ価値がある」という考えから「発電所ではなくて節電所を」の提案もあります。国民(約1億2500万人一人ひとりが100W(ワット)節電すれば、1250万kW(原発10基分以上)の電力需要を抑制できます。

 電力需給ひっ迫時だけでなく、日常からの節電も重要です。電気機器やシステムのエネルギー効率のよいものへの更新、断熱などの「省エネルギー化」も節電です。

電力需要量と供給量を正しく把握し、
適度な節電に心がければ、
大規模停電=ブラックアウトになることもありません。

 大規模停電は、地震などによって一気・多量の電力供給不足が生じたときに起こります。通常の需要増加で大停電に至った例はありません。原発が重大事故を起こせば、電力の大規模供給不足になり、大規模停電に至る可能性があります。

【大規模停電の例】
 2018年9月6日早朝、北海道胆振(いぶり)東部を最大震度7の地震が襲いました。この地震によって、日本で初めて、電力会社の管轄エリア(北海道)全域で295万戸が大規模停電(ブラックアウト)しました。電力に関しては、供給と需要のバランスが保たれていることが重要で、バランスが崩れると周波数に異常が生じ、安全装置が働いて、発電所が停止します。この北海道大停電では、苫東厚真(とまとうあつま)発電所の大型火力発電機2機の機器が地震により破損し、大型水力発電所からの送電線が切断されて、電力供給が減少し、周波数が下がったため、連鎖的に発電所が停止し、大規模停電に至りました。

 電力需給ひっ迫を口実に、人々や環境に放射線被ばくを強い、子々孫々にまで負の遺産となる使用済み核燃料を残す原発の推進を許してはなりません!とりわけ危険な老朽原発の再稼働など、もってのほかです。

「老朽原発依存社会」を招く
政府、電力会社

 原発の運転期間について、2012年6月の原子炉等規制法の改正で「原発の運転期間は40年とし、例外中の例外として20年の延長を認める」と規定しています。

 したがって、運転延長後40年を超えた全原発の運転延長を認める原子力規制委員会の姿勢は、明らかに法令違反です。なお、「40年」の根拠について、細野原発事故担当相(当時)は、「電力会社が、ほとんどの原子炉の運転年数を40年と想定して認可申請している」からと答弁しています。「40年」は、電力会社が求めたものです。

 それでも、政府、経団連、電力会社は「40年超え運転」を「例外」から「原則」に変えようとし、さらに、福島原発後の原発運転停止期間を運転年数から除外し、停止期間分を追加運転しようとする企みもあります。

 もし、「40年超え運転」を認めず、原発の新設を阻止すれば、2033年に若狭から、2049年に全国から稼働可能な原発が無くなります。

 一方、「40年超え運転」が「原則」となり、建設中の3基の原発(大間原発、島根原発3号機、東電東通原発)の運転が強行されれば、今から
 8年後(2030年)には、稼働可能な原発36基のうちの15基が老朽原発となり、
18年後(2040年)には、稼働可能な原発32基のうちの24基が老朽原発となり、
28年後(2050年)には、稼働可能な原発23基のうちの20基が老朽原発となります。

 さらに、停止期間分の追加運転が許されれば、
2030年には、稼働可能な原発36基のうちの15基が老朽原発となり、
2040年には、稼働可能な原発36基のうちの28基が老朽原発となり、
2050年には、稼働可能な原発30基のうちの27基が老朽原発となります。

政府や電力会社は「老朽原発依存社会」を
作ろうとしているのです。
「原発過酷運転(酷使)」を画策する
政府、電力会社

 岸田政権は、昨年10月22日に、第6次エネルギー基本計画を閣議決定しましたが、この計画では、2030年に原子力を20〜22%にしようとしています。

 政府は、この計画を達成するために、2030年には15基となる老朽原発の再稼働と建設中の3原発の稼働を画策するだけでなく、以下のように、原発の過酷運転を行い、原発利用率を引き上げようとしています。危険極まりない老朽原発運転と原発過酷運転を許してはなりません。

●定期検査間の運転期間の長期化

 現在は13ヶ月ごとに定期検査していますが、18ヶ月〜24ヶ月に変えようとしています。

●検査内容の変更による定期検査の効率的実施と原発酷使

 現在の定期検査では、原子炉を停止し、平均90日をかけて一斉分解点検していますが、これを、米国の30日に倣(なら)って短縮しようとしています。短縮のために、
①「状態監視保全」方式(早めの部品交換をせず、機器ごとに劣化状況に合わせて保守する方式)を導入し、機器を限界まで酷使しようとしています。
②原子炉を止めないでおこなう検査「運転中保全」を導入しようとしています。

 以上の検査内容の変更は2009年に行われていましたが、変更の実行は福島原発事故で中断されていました。

 なお、上記は政府の計画ですが、電気事業連合会(電事連;電力10社で構成)は、さらにスザマシイ目標を掲げています。電事連は、2030年の原発比率29%を目標とし、そのために、原発36基全ての早期稼働と稼働率90%を目指しています。原発60年運転の推進、定期検査の効果的な実施、運転サイクルの長期化をかかげ、原発80年運転への法改正も画策しています。

老朽原発を酷使すれば、
重大事故の危険度が急増します。
原発重大事故時、避難は不可能

 政府や自治体は、原発過酷事故を想定した避難訓練を行っています。それは、原発は重大事故を起こしかねないことを、政府や自治体が認めているからです。しかし、政府や自治体で考えている「原発災害時の避難計画」では、わずかの期間だけ避難することになっていて、原発事故では住民全員が、何年も、何十年も、あるいは永遠に故郷を奪われることをあえて無視しています。「避難訓練を行った」とするアリバイ作りをしているのです。このことは、昨年3月「避難計画やそれを実行する体制が整えられているというにはほど遠い状態」として、老朽・東海第2原発の運転差止を命じた水戸地裁判決にも反映しています。

 ところで、美浜原発で過酷事故が起こったとき、美浜町の皆さんの避難先は、おおい町または大野市になっています。しかし、人口約8100人のおおい町が、9600人を超える美浜町の皆さんを一週間以上の長期にわたって受け入れることは不可能です。人口約33600人の大野市でも不可能です。

 なお、美浜原発で過酷事故が起こったとき、原発から5kmの圏内の皆さんは即時避難となっていますが、それ以外の美浜町民は、屋内退避となっていて、放射能汚染レベルが自然放射能の1万倍の500マイクロシーベルトになって、初めて避難を始めることになっています。一斉避難は不可能であるから、美浜町民のほとんどは、大量被ばくするまで待ちなさいと定めているのです。

 過酷事故を起こしかねず、事故が起これば大量被ばくを強いる老朽原発再稼働を許してはなりません。原発廃炉こそが、最大の安全対策です。美浜3号機即時廃炉を求めましょう!

処理法も行き場もない使用済み核燃料
それでも老朽原発再稼働まで画策

 関電は、2017年、「2018年末までに、使用済み核燃料の中間貯蔵候補地を福井県外に探す」と明言しました。西川前福井県知事が、大飯原発の再稼働に同意したのは、この約束を前提としていました。しかし、関電は、この約束を反古(ホゴ)にし、「候補地提示期限を2020年末まで」と再約束して、原発の運転を継続し、使用済み核燃料を増やし続けました。さらに関電は、再約束の期限も反古にし、昨年2月12日には、候補地提示期限を「2023年末まで」と先送りし、「この期限が守られなければ老朽原発・高浜1、2号機、美浜3号機を停止する」として、福井県に老朽原発再稼働への同意を求めました。これを受けて、杉本知事は、それまでの「中間貯蔵地を示すことが再稼働議論の前提」とした発言を一転させ、再稼働同意へと変節しました。なお、関電が「2023年末を期限」とした拠り所は、青森県むつ市の中間貯蔵施設の共同利用の可能性ですが、宮下むつ市長は、これを否定し、猛反発しています。

 関電は、何の成算も無く繰り返し「空約束」をし、平気でそれを反古にした、倫理のかけらも持ち合わせない企業です。こんな関電に原発を安全に運転できるはずがありません。

老朽原発・美浜3号機の再稼働を許さず、
即時廃炉を!

 関電が、8月10日に再稼働しようとしている美浜3号機は、運転開始後45年を超えた老朽原発で、昨年6月23日に一旦再稼働したものの、特定重大事故等対処施設(特重施設)の設置が間に合わず、わずか3ヶ月の営業運転で停止を余儀なくされていたものです。

 しかも、この短い運転中に二度もトラブルを発生させています。一つは、電源が断たれて蒸気発生器中の2次冷却水が喪失したとき、緊急給水するポンプに大きな圧力がかかるトラブルです。関電は、「ポンプ入り口にある金属製のフィルターに鉄さびが詰まったことが原因」としています。老朽原発を全国に先駆けて動かそうとして、10年近く準備してきたにも拘らず、鉄さびによる目詰まりにも気づかなかった関電と原子力規制委員会のいい加減さは許されるものではありません。

 一方、美浜3号機と同じ加圧水型原発・高浜3、4号機、大飯3、4号機でも、これらの原発は運転開始後40年に到っていないにも拘らず、たびたびトラブルが発生しています。とくに、320℃、160気圧近くの高温・高圧水が流れる1次冷却系配管(蒸気発生器伝熱管など)の損傷は深刻です。これらの配管が完全破断すれば、1次冷却水が噴出して、原子炉が空焚きになり、メルトダウンに至る可能性があるからです。

 例えば、本年3月、定期点検中の高浜原発3号機では、蒸気発生器伝熱管3本の外側が削れて管厚が大幅に減肉・損傷していることが発覚しています。関電は、伝熱管外側に自然発生した鉄さびの塊がはがれて、伝熱管を削ったためとしていますが、蒸気発生器の中には、腐食等によって、2トン以上もの鉄さびや鉄イオンが発生しているともいわれています。同様な伝熱管損傷は、一昨年11月、高浜4号機でも起こっています。

 このようにトラブル多発の蒸気発生器ですが、美浜3号機の蒸気発生器は、取り替え後25年を経た老朽機器です。配管の完全破断を起こしかねません。

企業倫理と責任感が欠如した電力会社は
原発過酷事故を起こしかねません。

 7月13日、東京地裁は「東電株主代表訴訟]判決で、福島原発事故前の東電幹部の対応には「安全意識や責任感が根本的に欠如していた」と述べ、東電旧経営陣に、原発事故による損害・13兆円の賠償を命じています。

 今、関電経営陣が、多くの危険性指摘を無視して老朽原発を稼働するのは「安全意識や責任感の根本的欠如」のためとしか言いようがありません、圧倒的な「老朽原発うごかすな!」の民意を蹂躙して老朽原発を稼働させ、重大事故に至った場合、それは関電経営陣の故意による犯罪です。

原子炉空焚き過酷事故の危険性が高い、
老朽原発・美浜3号機の運転を許してはなりません!
再稼働阻止の行動に起ちましょう!

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8.10 老朽原発・美浜 3 号再稼働阻止現地緊急行動

にご参集ください!
行動概要

●8 月 10 日(水)13 時に美浜原発周辺に結集→原発前を デモ行進→関電原子力事業本部前に移動して抗議・申し入れ行動→町内デモ行進(16 時解散予定)
●主催;老朽原発うごかすな!実行委員会
(詳細は下記連絡先まで)
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老朽原発うごかすな!実行委員会
連絡先・木原(090-1965-7102)

◆8.10 老朽原発・美浜3号 再稼働阻止!現地緊急行動

【2022年8月30日から配付】

老朽原発・美浜3号機を廃炉に!
過酷事故が起こる前に

8.10老朽原発・美浜3号
再稼働阻止現地緊急行動

に起とう!

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行動概要(詳細は追ってご連絡します)

●8月10日(水)13時に美浜原発周辺に結集→原発前をデモ
行進→関電原子力事業本部前に移動して抗議・申し入れ行動→町内デモ(16時解散予定)
●大阪、京都、滋賀からは、マイクロバスなどを配車予定
【ご利用希望者は、橋田(電話090-5676-7068)まで】
●主催;老朽原発うごかすな!実行委員会
(行動日程は、再稼働が早まれば、変更します。)
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 関電は、10月に予定していた美浜3号機の運転再開(並列)を8月12日に前倒しすると発表しました(6月10日)。「再稼働(原子炉起動)」は8月10日と推測されます。

 再稼働される美浜3号機は、運転開始後45年を超えた老朽原発で、昨年6月23日に一旦再稼働したものの、特定重大事故等対処施設(特重施設)の設置が間に合わず、わずか3ヶ月間の営業運転で停止を余儀なくされていたものです。

 しかも、この短い運転中に二度もトラブルを発生させています。一つは、蒸気発生器中の2次冷却水が喪失したとき、緊急給水するポンプに大きな圧力がかかるトラブルです。関電は、「ポンプ入り口にある金属製のフィルターに鉄さびが詰まったことが原因」としています。

 老朽原発を全国に先駆けて動かそうとして準備してきたにも拘らず、鉄さびによる目詰まりにも気づかなかった関電と原子力規制委員会のいい加減さは許されるものではありません。

 一方、美浜3号機と同じ加圧水型原発・高浜3、4号機、大飯3、4号機でも、これらの原発は運転開始後40年にいたっていないにも拘らず、たびたびトラブルが発生しています。とくに、約320℃、約160気圧の高温・高圧水が流れる1次冷却系配管(蒸気発生器伝熱管など)の損傷は深刻です。これらの配管が完全破断すれば、1次冷却水が噴出して、原子炉が空焚きになり、メルトダウンに至る可能性があるからです。

 例えば、本年3月、高浜原発3号機では、蒸気発生器伝熱管3本の外側が削れて管厚が大幅に減肉・損傷していることが発覚しています。関電は、伝熱管外側に自然発生した鉄さびの塊がはがれて、伝熱管を削ったためとしていますが、蒸気発生器の中には、腐食等によって、2トン以上もの鉄さびや鉄イオンが発生していると報道されています。

 このようにトラブル多発の蒸気発生器ですが、美浜3号機の蒸気発生器は、取り替え後26年を経た老朽機器で、配管の完全破断を起こしかねません。

老朽原発うごかすな!実行委員会
連絡先・木原(090-1965-7102)


┌────────────────────────────────
 電気は足りてる
 大停電は節電で回避できる
 危険な老朽原発うごかすな!
└────────────────────────────────

 今、原発推進派は、ウクライナ紛争によるエネルギー逼迫や炭酸ガス削減を口実にして、原発の稼働に躍起です。また、岸田首相は、冬向け電力の逼迫を喧伝し、9基の原発を稼働させる方針を発表しています。

 しかし、電力需要量と供給量を正しく把握し、適度な節電に心がければ、電力不足にはならず、大規模停電=ブラックアウトになることもありません。

 大規模停電は、地震などによって電力供給不足が一気に多量に起こったときに起こります。通常の需要増加で大停電に至った例はありません。原発が重大事故を起こせば、電力の大規模供給不足になり、大規模停電に至る可能性があります。

【大規模停電の例】
 2018年9月6日早朝、北海道胆振(いぶり)東部を最大震度7の地震が襲いました。この地震によって、日本で初めて、電力会社の管轄エリア(北海道)全域で295万戸が大規模停電(ブラックアウト)しました。電力に関しては、供給と需要のバランスが保たれていることが重要で、バランスが崩れると周波数に異常が生じ、安全装置が働いて、発電所が停止します。この北海道大停電では、苫東厚真(とまとうあつま)発電所の大型火力発電機2機の機器が地震により破損し、大型水力発電所からの送電線が切断されて、電力供給が減少し、周波数が下がったため、連鎖的に発電所が停止し、大規模停電に至りました。

電気の需給ひっ迫に、
どう対処すればよいか?

[1]「供給を増やす」は旧来の考え

 かつての電力会社は、電力の無限供給(需要側が使いたい時に必ず供給する)義務を負っていて、その代わりに、地域独占と総括原価方式(発電、送電、電力販売費、人件費などの全ての費用を「総括原価」とし、それに一定の報酬を上乗せして電気料金を決める方式で、電気供給は公共性が高いのでこの方式をとる:この方式だと経営は常に安定している)によって優遇されていました。

 しかし、地球環境保全の視点からは、電力供給を拡大し続けることは、もう許されません。
 電力会社の無限供給「義務」、地域独占、総括原価方式は、すでに不合理になっています。

[2]「需要抑制、節電」が現在的、先見的な考え

 供給力を増やすばかりが需給ひっ迫対策ではありません。

 需要抑制、節電こそ、これからの需給ひっ迫対策です。

【節電協力によって危機を乗り切った例】
 去る3月22日、東京および東北エリアで、地震による発電所の停止と急激な寒波到来が重なって、電力需給ひっ迫が発生しました。この需給ひっ迫を乗り切れたのは、揚水発電と広域での電力融通に加え、次のような節電が行われたからです。

 当日8〜23時の時間帯で約4000万 kWh、また、需要の大きな17時台の1時間に、約500万 kWを需要側が節電しています(東電パワーグリッドKKの資料)。原発5基分(約500万 kW)もの節電が可能であることを示しています。

 この例は、要請に応えた節電の例ですが、「節電すればそれに応じて対価が得られる需要抑制」の制度化も進んでいます。「ネガワット(負の消費電力)取引」はその例です。「ネガワット取引」とは、仲介業者などとの事前の契約に基づいて、電気の需要がピークに達したタイミングで節電を行うと対価が得られる制度です。

 「節電で生じる余剰電力は発電所を新しく建設することと同じ価値がある」という考えから「発電所ではなくて節電所を」の提案もあります。国民(約1億2500万人一人ひとりが100W(ワット) 節電すれば、1250万 kW(原発10基分以上)の電力需要を抑制できます。

 電力需給ひっ迫時だけでなく、日常からの節電も重要です。電気機器やシステムのエネルギー効率よいものへの更新、断熱などの「省エネルギー化」も節電です。

 節電し、電力使用を削減すれば、子々孫々にまで放射線被ばくを強いる原発は不要です。

◆報告とお礼~7.24「老朽原発・美浜 3 号うごかすな!現地全国集会」に300 人

【2022年7月29日,京都キンカンで配付】

報告とお礼

7.24「老朽原発・美浜 3 号うごかすな!現地全国集会」
に 300 人

 原発は、人類の手に負える装置でないことを、福島原発 事故が大きな犠牲の上に教えました。また、ウクライナ紛争では、戦争になれば、原発は格好の攻撃目標になることが実証されました。

 それでも、電力会社、政府などの原発推進派は、ウクライナ紛争によるエネルギー逼迫や炭酸ガス削減を口実にして、原発の稼働に躍起です。また、岸田首相は、冬向け電力の逼迫を喧伝し、9 基の原発を稼働させる方針を発表しています。

 しかし、電気は足りています。一時的な電力逼迫はあっても、節電によって回避できます。このことは今年 3 月の、地震と寒波に起因する東北、東京エリヤでの電力不足、6 月末から 7 月にかけての猛暑による電力不足を、節電で乗り越えた実績が証明しています。

 したがって、人々に放射線被ばくを強いる原発を稼働させる必要は全くありません。とくに、圧力容器の脆化が進み、配管トラブル多発の蒸気発生器を持ち、原子炉空焚き過酷事故の危険性が高い、老朽原発・美浜 3 号機、高浜1,2 号機の再稼働などもっての外です。

 なお、7 月 13 日の東京地裁「東電株主代表訴訟]判決では、福島原発事故前の東電幹部の対応には「安全意識や責任感が根本的に欠如していた」と述べ、東電旧経営陣に、原発事故による損害・13 兆円超の賠償を命じています。

 今、関電経営陣が、多くの危険性指摘を無視して老朽原発を稼働するのは「安全意識や責任感の根本的欠」のためとしか言いようがありません、圧倒的な「老朽原発うごかすな!」の民意を蹂躙して老朽原発を稼働させ、重大事故に至った場合、それは関電経営陣の故意による犯罪です。許されるものでは在りません。

 7 月 24 日の「老朽原発・美浜 3 号うごか すな!現地全国集会」には、コロナ急増を乗り越え、猛暑にもめげず、約 300 人が大結集 され、弁天崎(美浜原発を望む岬)集会→町内デモ→関電原子力事業本部前抗議・申入れ集会→町内デモを敢行しました。先の 5.29「原 発のない明日を ー老朽原発このまま廃炉!大集会 in おおさかー」(2,100 人結集)に引き続いて「老朽原発うごかすな!」の決意と怒りが噴出した行動でした。町内デモの途中、各所で美浜町の皆さんのご声援を得ました。

 この集会には、福井、大阪、京都、滋賀から大型バスで駆 け付けた皆さんをはじめ、地元若狭、兵庫、奈良、岐阜、愛知(名古屋地裁で老朽原発廃炉訴訟を闘う皆さんなど)、遠くは、東京など関東(老朽・東海第 2 原発廃炉を闘う皆さんなど)、愛媛、香川などの四国(伊方原発廃炉を闘う皆さんなど)のご参加を得、文字どおり「全国集会」となりました。
(関電への申入れ文を後段に紹介します。)

ご参加、ご支援いただきました皆さん、
ありがとうございました。
老朽原発・美浜3号機廃炉に向けて
さらに前進しましょう!

 関電は、8 月 10 日の美浜 3 号機再稼働を画策していると推測されます(確定ではありません)。それは、関電は 8 月 9 日を「安全の誓いの日」としていて、この日までの再 稼動は避けようとする一方、8 月 12 日「運転再開(並列)」を公表しているからです。なお、8 月 9 日は、2004 年のこの日(15 時 22 分)に、美浜 3 号機の 2 次系配管(復水配管)が大破損し、約 140 度の熱水と蒸気が噴出して協力会社の 5 人が亡くなられ、6 人が重症を負われた日です。

 「安全を誓う」のであれば、「原発全廃」を宣言すべきです。とくに、次々に配管の減肉や損傷が発覚し、腐食によって数トンもの鉄さびや鉄イオンが発生し、ボロボロになった蒸気発生器を抱える加圧水型原発の再稼動など許されるものではありません。しかも、美浜 3 号機の蒸気発生器は、交換後 26 年を経た老朽装置です。

 「老朽原発うごかすな!実行委員会」は、老朽原発完全廃炉まで闘い続けます。皆様のご支援、ご参加をお願いします。

老朽原発完全廃炉を勝ち取り、
それを突破口に原発のない、人の命と尊厳が
大切にされる社会を実現しましょう!

2022年7月26日

老朽原発うごかすな!実行委員会
連絡先・木原(090-1965-7102)


▼2022年7月26日、中日新聞(日刊県民福井)

▼2022年7月26日、しんぶん赤旗

▼2022年7月27日、福井新聞

▼2022年7月30日、毎日新聞

▼弁天崎集会

▼町内デモ(第 1 梯団)

▼町内デモ(第 2 梯団)

老朽原発・美浜 3 号機完全廃炉を目指して、
8 月上旬の関西および現地での行動に総決起を!


関電への申し入れ書

関西電力株式会社 取締役会長 榊原定征 様、
取締役社長 森 望 様、
原子力事業本部長 松村孝夫 様、
美浜発電所長 高畠勇人 様

 福島原発事故から 11 年が経ちましたが、今でも避難者の多くが故郷を失い、苦難の生活を続けておられます。事故炉内部の詳細は未だに不明で、増え続ける放射性汚染水は太平洋に垂れ流されようとしています。このように、福島原発事故は、原発は現在科学技術で制御できる装置でないことを、大きな犠牲の上に教えています。その原発が老朽化すれば、原子炉圧力容器の脆化や配管の損傷などが進み、過酷事故の危険度が急増することは多くが指摘するところです。

 また、原発を動かせば、何万年もの保管を要する使用済み核燃料がたまりますが、その永久保管はおろか、中間貯蔵すら引き受ける所もありません。

 さらに、去る 2 月に始まったウクライナ紛争では、欧州最大の原発・ザポリージャ原発やチョルノービリ原発が占領され、戦争になれば、原発は格好の攻撃目標になることが実証されました。原発はあってはならない施設なのです。

 それでも、電力会社や政府は、ウクライナ紛争によるエネルギー逼迫に乗じて、また、炭酸ガス削減を口実にして、危険極まりない老朽原発の再稼働など、原発推進に躍起です。

 貴関西電力(関電と略)は、6 月 10 日、10 月に予定していた運転開始後 45 年を超えた老朽原発・美浜 3 号機の運転再開(並列)を 8 月 12 日に前倒しすると発表しています。

 この美浜 3 号機は、昨年 6 月 23 日に一旦再稼働したものの、特定重大事故等対処施設(特重施設)の設置が間に合わず、わずか 3 ヶ月間の営業運転で停止を余儀なくされていましたが、この短い運転期間中に二度もトラブルを発生させています。一つは、蒸気発生器中の 2 次冷却水が喪失したとき、緊急給水するポンプに大きな圧力がかかるトラブルです。関電は、「ポンプ入り口にある金属製のフィルターに鉄さびが詰まったことが原因」としています。老朽原発を全国に先駆けて動かそうとして準備してきたにも拘らず、鉄さびによる目詰まりにも気づかなかった関電と原子力規制委員会のいい加減さは許されるものではありません。

 一方、美浜3号機と同じ加圧水型原発・高浜3、4号機、大飯3、4 号機でも、これらの原発は運転開始後 40 年に至っていないにも拘らず、たびたびトラブルが発生しています。例えば、高浜 3 号機では、定期点検中の本年 3月、蒸気発生器の伝熱管 3 本の外側が削れて管厚が大幅に減肉・損傷していることが発覚しています。関電は、伝熱管外側に自然発生した鉄さびの塊がはがれて、伝熱管を削ったためとしています。この配管損傷によって、5 月に予定していた再稼動は 2 ヶ月以上遅れました。同様な伝熱管損傷は、2020 年 11 月および去る 7 月 9 日、高浜 4 号機でも発覚しています。これらの原発の蒸気発生器 3 基の中には、腐食等によって、2 トン以上もの鉄さびや鉄イオンが発生しているとも報道されています。

 頻発するトラブルの中でも、約 320℃、約 160 気圧の高温・高圧水が流れる1次冷却系配管(蒸気発生器伝熱管など)の損傷は、とくに深刻です。これらの配管が完全破断すれば、1次冷却水が噴出して、原子炉が空焚きになり、メルトダウンに至る可能性があるからです。そのため、蒸気発生器は「加圧水型原発のアキレス腱」といわれていますが、美浜 3 号機の蒸気発生器は、取り替え後約 26 年を経た老朽機器で、配管の完全破断を起こしかねません。

 原子炉空焚き過酷事故の危険性が高い、老朽原発・美浜3 号機の運転はもってのほかです。

 ところで、政府や自治体は、原発過酷事故を想定した避難訓練を行っています。それは、原発は過酷事故を起こしかねないことを、政府や自治体が認めているからです。ただし、政府や自治体が考えている避難訓練は、原発立地自治体住民のごく一部のみが参加する日帰り訓練です。政府や自治体は、原発過酷事故では、極めて多数の住民が、何年も、何十年も、あるいは永遠に故郷を奪われることをあえて無視して、「避難訓練を行った」とするアリバイ作りをしているに過ぎません。このことは、昨年 3 月「避難計
画やそれを実行する体制が整えられているというにはほど遠い状態」として、老朽・東海第 2 原発の運転差止を命じた水戸地裁判決にも反映しています。

 なお、美浜原発から 100 km の圏内には、約 76 万人が住む福井県だけでなく、約 250 万人が住む京都府、約 140 万人が住む滋賀県のほぼ全域、大阪府、兵庫県、岐阜県、奈良県の多くの部分が含まれます。福島事故では、事故炉から約 50 km 離れた飯舘村が全村避難であったことを考え合わせれば、美浜原発で過酷事故が起こったとき、数百万人が避難対象となりかねません。避難は不可能です。30~80
km 圏内にある琵琶湖が放射性物質で汚染されれば、関西1450 万人が飲料水を失います。

 以上のように、原発は、トラブルが多発し、何万年もの未来にまで負の遺産となる使用済み核燃料を残し、一旦過酷事故を起こせば、事故終息は絶望的に困難で、多くの人々の故郷と生活基盤を奪い去り、戦争になれば、格好の攻撃目標になります。原発は、人類の手に負える装置ではありません。

 このような視点に立って、私たちは、貴関西電力に、以下を申し入れます。

【1】 危険極まりない老朽原発・美浜 3 号機の再稼働準備を即時中止し、廃炉を決定してください。

【2】 原発を動かせば、行き場がなく、子々孫々にまで負の遺産となる使用済み核燃料が増加します。貴社の有する全ての原発を停止し、安全な廃炉を進めてください。

 なお、7 月 13 日の東京地裁「東京電力(東電)株主代表訴訟]判決では、福島原発事故前の東電幹部の対応には「安全意識や責任感が根本的に欠如していた」と述べ、東電旧経営陣に、原発事故によって東電に与えた損害・13 兆円の賠償を命じています。

 貴職らが、多くの危険性指摘を無視して老朽原発を稼働しようとしていることは「安全意識や責任感が根本的に欠如している」との批判を受けて当然であり、圧倒的な「老朽原発うごかすな!」の民意を蹂躙して老朽原発を稼働させ、重大事故が起こった場合、それは貴職らの故意による犯罪であり、許されるものではないことを申し添えます。

2022 年 7 月 24 日

7.24「老朽原発・美浜 3 号うごかすな!現地全国集会」
参加者一同


 

◆大飯原発4号機再稼働を許さない!~~7/15 抗議行動

大飯原発4号機再稼働を許さない!

(緊急のお知らせとお願い)

「老朽原発完全廃炉」に向けてご奮闘のこと、ありがとうございます。

 さて、関電の原発では、トラブルが頻発しています。
 運転開始後45年超えの老朽原発・美浜3号機は、昨年6月23日に再稼働し、わずか3ヶ月間の営業運転をしましたが、この短い運転期間中に二度もトラブルを発生させています。一つは7月2日に発生したもので、電源が断たれて蒸気発生器中の2次冷却水が喪失したとき、蒸気発生器に給水する配管に設置されたポンプに大きな圧力がかかるトラブルです。関電は、「ポンプ入り口にある金属製のフィルターに鉄さびが詰まったことが原因」としています。

 高浜3号機では、定期点検中の本年3月、蒸気発生器の伝熱管3本の外側が削れて管厚が大幅に減肉・損傷していることが発覚しています。関電は、伝熱管外側に自然発生した鉄さびの塊がはがれて、伝熱管を削ったためとしていますが、蒸気発生器3基の中には、腐食等によって、2トン以上もの鉄さびや鉄イオンが発生しているともいわれています。高浜3号機は、5月に再稼動を予定していましたが、今も停止したままです。(同様な伝熱管損傷は、2020年11月、高浜4号機でも起こっています。)

 7月上旬の稼働予定で定期点検中であった大飯原発4号機では、6月27日、ポンプの過熱を防ぐために設置された配管(電動主給水ポンプミニマムフロー配管)からの水漏れが発覚し、関電は、取り替えのため再稼働を7月下旬に先送りすると発表しました。(同様な配管トラブルは2006年、大飯1号機でも発生しています。)ただし、関電は、この再際稼働予定を、7月1日にまた変更し、7月15日に前倒しすると発表しています。

 今、政府や電力会社は原発稼働のために、電力需給ひっ迫を大宣伝し、危機感をあおっていますが、上記のように、原発は、定常的に電気を供給できる電源ではありません。原発は、不安定で信頼できない電源です。もし原発電気に頼っていて、その原発が重大事故を起こせば、電力の大規模供給不足になり、大規模停電に至る可能性もあります。
 「老朽原発うごかすな!実行委員会」は、上記のような状況を踏まえて、7月15日(金)に、下記の要領で「大飯原発再稼動を許さない!緊急行動」に起ちます。

【7月15日(金)行動概略】

・12時30分におおい町大島半島「しーまいる」前集合、13時デモ出発、13時40分頃より大飯原発ゲート前で抗議行動(14時30分頃まで)。
・抗議行動後、おおい町内で、7.24「老朽原発・美浜3号うごかすな!現地全国集会」への結集を訴えるチラシ配布(「アメーバデモ」)を予定しています。

皆様のご参加をお願いします。詳細は「老朽原発うごかすな!実行委員会」木原(090-1965‐7102)、橋田(090-5676-7068)または木戸(090-9213-7395)までお尋ね下さい。


2022年7月5日「老朽原発うごかすな!実行委員会」事務担当・木原壯林(090-1965‐7102)
追記 すでに何度もお願いしていますが、7.24「老朽原発・美浜3号うごかすな!現地全国集会」(→こちら)への大結集をお願いします。大阪、京都、滋賀からはバスを配車します。


◆7/24老朽原発・美浜3号うごかすな!現地全国集会~~電気はいつも足りてる

【2022年6月27日から配付】

老朽原発・美浜3号機を廃炉に!
過酷事故が起こる前に

 原発は現在科学技術で制御できる装置でないことを、発生後11年を経た福島原発事故が大きな犠牲の上に教えています。

 一方、去る2月に始まったウクライナ紛争では、欧州最大の原発・ザポリージャ原発やチョルノービリ原発が占領され、戦争になれば、原発は格好の攻撃目標になることが実証されました。

 このように、原発は、人類の手に負える装置でなく、人の命と尊厳を脅かします。

 それでも、電力会社、政府、自民党、国民民主党、日本維新の会、連合の一部などを含む原発推進派は、ウクライナ紛争によるエネルギー逼迫に乗じて、また、炭酸ガス削減を口実にして、危険極まりない老朽原発の再稼働など、原発推進に躍起です。

 関電は、10月20日に予定してた美浜 3 号機の運転再開(並列)を8月12日に前倒しすると発表しました(6 月 10 日)。「再稼働(原子炉起動)」は、8月上旬と推測されます。

 再稼働される美浜3号機は、運転開始後45年を超えた老朽原発で、昨年6月23日にいったん再稼働したものの、特定重大事故等対処施設(特重施設)の設置が間に合わず、わずか3ヶ月間の営業運転で停止を余儀なくされていたものです。

 しかも、この短い運転中に二度もトラブルを発生させています。一つは、蒸気発生器中の2次冷却水が喪失したとき、緊急給水するポンプに大きな圧力がかかるトラブルです。関電は、「ポンプ入り口にある金属製のフィルターに鉄さびが詰まったことが原因」としています。

 老朽原発を全国に先駆けて動かそうとして準備してきたにも拘らず、鉄さびによる目詰まりにも気づかなかった関電と原子力規制委員会のいい加減さは許されるものではありません。

 一方、美浜3号機と同じ加圧水型原発・高浜3、4号機、大飯3、4号機でも、これらの原発は運転開始後40年にいたっていないにも拘らず、たびたびトラブルが発生しています。とくに、約320℃、約160気圧の高温・高圧水が流れる1次冷却系配管(蒸気発生器伝熱管が完全破断すれば、1次冷却水が噴出して、原子炉が空焚きになり、メルトダウンに至る可能性があるからです。

 例えば、本年3月、定期点検中の高浜原発3号機では、蒸気発生器伝熱管3本の外側が削れて管厚が大幅に減肉・損傷していることが発覚しています。関電は、伝熱管外側に自然発生した鉄さびの塊がはがれて、伝熱管を削ったためとしていますが、蒸気発生器の中には、腐食等によって、2トン以上もの鉄さびや鉄イオンが発生しているともいわれています。同様な伝熱管損傷は、一昨年11月、高浜4号機でも起こっています。

 このようにトラブル多発の蒸気発生器ですが、美浜3号機の蒸気発生器は、取り替え後25年を経た老朽機器で、配管の完全破断を起こしかねません。

原子炉空焚き過酷事故の危険性が高い、
老朽原発・美浜3号機の運転を許してはなりません!
再稼働阻止の行動に起ちましょう!
「老朽原発・美浜3号うごかすな!現地全国集会」にご参集ください!

●7月24日(日)12:00~13:00
場所:福井県美浜町菅浜「弁天崎」(美浜原発が望める岬:県道33号「佐田竹波敦賀線」を美浜駅方面から美浜原発方面に向かい、「水晶浜」手前の「菅浜黒藤トンネル」を出てすぐ左折)
●14:00~16:00
美浜町内デモ(美浜町役場裏「はあとぴあ」駐車場出発)→「関電原子力事業本部前」抗議集会と申入れ→美浜町内デモ(「はあとぴあ」駐車場まで)



老朽原発うごかすな!実行委員会
連絡先・木原(090-1965-7102)


電気は足りてる大停電は節電で回避できる
危険な老朽原発うごかすな!

 今、政府や電力会社は原発稼働のために、今夏の電力不足の可能性を大宣伝し、危機感をあおっています。

 しかし、電力需要量と供給量を正しく把握し、適度な節電に心がければ、電力不足にはならず、大規模停電=ブラックアウトになることもありません。

 大規模停電は、地震などによって電力供給不足が一気に多量に起こったときに起こります。通常の需要増加で大停電に至った例はありません。原発が重大事故を起こせば、電力の大規模供給不足になり、大規模停電に至る可能性があります。

【大規模停電の例】

 2018年9月6日早朝、北海道胆振(いぶり)東部を最大震度7の地震が襲いました。この地震によって、日本で初めて、電力会社の管轄エリア(北海道)全域で295万戸が大規模停電(ブラックアウト)しました。電力に関しては、供給と需要のバランスが保たれていることが重要で、バランスが崩れると周波数に異常が生じ、安全装置が働いて、発電所が停止します。この北海道大停電では、苫東厚真(とまとうあつま)発電所の大型火力発電機2機の機器が地震により破損し、大型水力発電所からの送電線が切断されて、電力供給が減少し、周波数が下がったため、連鎖的に発電所が停止し、大規模停電に至りました。
 大規模停電を避けるためには、大規模供給不足に対処できる体制が必要です。

電気の需給ひっ迫に、どう対処すればよいか?

[1]「供給を増やす」は旧来の考え

 かつての電力会社は、電力の無限供給(需要側が使いたい時に必ず供給する)義務を負っていて、その代わりに、地域独占と総括原価方式(発電、送電、電力販売費、人件費などのての費用を「総括原価」とし、それに一定の報酬を上乗せして電気料金を決める方式で、電気供給は公共性が高いのでこの方式をとる:この方式だと経営は常に安定している)によって優遇されていました。

 しかし、地球環境保全の視点からは、電力供給を拡大し続けることは、もう許されません。

 電力会社の無限供給「義務」、地域独占、総括原価方式は、すでに不合理になっています。

[2]「需要抑制、節電」が現在的、先見的な考え

 供給力を増やすばかりが需給ひっ迫対策ではありません。

 需要抑制、節電こそ、これからの需給ひっ迫対策です。

【節電協力によって危機を乗り切った例】

 去る3月22日、東京および東北エリアで、地震による発電所の停止と急激な寒波到来が重なって、電力需給ひっ迫が発生しました。この需給ひっ迫を乗り切れたのは、揚水発電と広域での電力融通に加え、次のような節電が行われたからです。

 当日8〜23時の時間帯で約4000万kWh、また、需要の大きな17時台の1時間に、約500万kWを需要側が節電しています(東電パワーグリッドKKの資料)。原発5基分(約500万kW)もの節電が可能であることを示しています。

 この例は、要請に応えた節電の例ですが、「節電すればそれに応じて対価が得られる需要抑制」の制度化も進んでいます。「ネガワット(負の消費電力)取引」はその例です。「ネガワット取引」とは、仲介業者などとの事前の契約に基づいて、電気の需要がピークに達したタイミングで節電を行うと対価が得られる制度です。

 「節電で生じる余剰電力は発電所を新しく建設することと同じ価値がある」という考えから「発電所ではなくて節電所を」の提案もあります。100万人が各自1kW節電する節電所ができれば、100万kW(原発1基分)の電力需要を抑制できます。

 電力需給ひっ迫時だけでなく、日常からの節電も重要です。電気機器やシステムのエネルギー効率よいものへの更新、断熱などの「省エネルギー化」も節電です。

節電し、電力使用を削減すれば、原発は不要です。
危険な老朽原発は即時廃炉!


【参考】◆電気は足りてる~異常な「電気が足りない」宣伝~[付 容量市場]→ こちら


◆5/29「老朽原発このまま廃炉!大集会 in おおさか」に2100人…報告とお礼

【2022年6月2日】

報告とお礼
5.29「原発のない明日を
―老朽原発このまま廃炉!大集会in おおさかー」に2100 人

 福島原発事故から11 年が経ちましたが、この事故は、原発は、現在科学技術で制御できる装置でないことを大きな犠牲の上に教えました。その原発が老朽化すれば、危険度が急増することは多くが指摘するところです。

 さらに、去る2 月に始まったウクライナ紛争では、ヨーロッパ最大の原発・ザポリージャ原発やチョルノービリ原発が攻撃・占領され、戦争になれば、原発は格好の攻撃目標になることが実証されました。

 原発、とくに老朽原発は、あってはならない装置です。

 ところで、昨年6 月23 日に当初の目論見より約半年遅れて再稼働した老朽原発・美浜3 号機は、特重施設の設置が期限に間に合わず、10 月23 日に、わずか4 ヶ月間の運転で停止を余儀なくされました。一方、老朽原発・高浜1、2 号機も特重施設が間に合わず、停止したままです。

 老朽原発停止の表向きの理由は特重施設が未完成のためですが、原発電気の消費地・関西と原発立地・若狭が固く連帯し、また全国からの支援を得て展開されたたび重なる「老朽原発動かすな!」の行動や各地での裁判闘争が、政府と電力会社の原発推進に向かった暴走に歯止めをかけ、「老朽原発廃炉!」の民意の形成を後押し、「原発停止」を勝ち取らせたと言っても過言ではありません。

 美浜3 号機、高浜1、2 号機の特重施設の完成は早くても本年10 月頃、来年5 月、6 月頃といわれていますが、これらの老朽原発は、特重施設の完成後に再稼働されたとしても、来年末には停止に追い込まれる可能性が大です。それは、関電が「使用済み核燃料の県外中間貯蔵地を来年末までに探せなければ、老朽原発を停止する」と明言していますが、中間貯蔵候補地探しは至難であるからです。老朽原発停止を突破口に原発全廃に向かって大きく前進する好機です。

 なお、「老朽原発うごかすな!」の闘いは、国内だけでなく、韓国をはじめ世界の脱原発運動から注目されています。

 現在、川内原発1、2 号機、高浜3、4 号機が運転開始後それぞれ37、36、37、37 年超えです。また、韓国の原発5 基も35 年を超え、2 基は来年40 年を迎えようとしています。もし、高浜1、2 号機、美浜3 号機、東海第2 原発の再稼働を許せば、世界の老朽原発稼働の前例にされます。一方、老朽原発の運転と原発の新設を阻止すれば、最悪でも、2033年に若狭から、2049 年に全国から稼働する原発が無くなり、世界の脱原発を先導できます。

 5 月29 日、大阪市西区のうつぼ公園で開催された「原発のない明日をー老朽原発このまま廃炉!大集会in おおさかー」には2100 人が結集し、1 昨年の9.6(1600 人結集)、昨年の6.6(1300 人結集)「老朽原発うごかすな!大集会in おおさか」、12.5「老朽原発このまま廃炉!大集会in おおさか」(1600 人結集)を上回る大集会となりました。

 この集会には、コロナ禍で、市民団体や労働団体の組織参加は自粛されたものの、脱原発を目指す市民団体、労働団体、政党の多くの代表が参加されました。関西、福井をはじめ、遠く関東、東海、四国、鹿児島、青森、島根などからの参加も得ました。

 快晴のこの日、うつぼ公園では、赤く染められた「老朽原発うごかすな!」の大横断幕が参加者を待っていました。

 正午から始まった川口真由美さんのグループ、綾部うたごえサークル「広場」を中心とする歌声の皆さんなどのオープニングライブで盛り上がった後、大集会は13 時より、高槻市議・高木隆太さんの司会で始まりました。

 主催者挨拶に立った中嶌哲演さんは「ウクライナ紛争は、戦時下には原発施設そのものが核兵器に転嫁されかねないことを世界に実感させた。今や、戦争に反対し、老朽原発再稼働に反対する潜在的な世論は絶対過半数を超えている。その意思を顕在化させる最大のチャンスは今夏の参院選」と訴えられた。井戸謙一弁護士は、美浜3 号機運転差止仮処分裁判と子ども甲状腺がん裁判について語られ、甲状腺がん裁判では、20 代女性原告の証言に、傍聴席からすすり泣きの声が漏れ、裁判官も目頭を熱くしたかに見えたと報告されました。その後、名古屋地裁の老朽原発廃炉訴訟の草地妙子さん、老朽原発・美浜3 号機地元の山本雅彦さん、老朽・東海第2 原発地元の披田信一郎さん、原発事故避難者の佐藤勝十志さんの発言が続きました。次いで、全国から駆け付けた約20 人が登壇・紹介され、「なくそう原発・核燃、青森ネットワーク」の中道雅史さん、「さよなら島根原発ネットワーク」の芦原康江さんのアピールを受けました。さらに、「老朽原発うごかすな!」のポスターを掲げて集合写真撮影を行い、関西の市民団体「脱原発市民ウオークin 滋賀」「綾部うたごえサークル〝広場”」「ストップ・ザもんじゅ」「原発ゼロの会大阪」「原発をなくし自然エネルギーを推進する兵庫の会」「原発ゼロ・被災者支援奈良の集い実行委員会」の代表からの連帯のあいさつを受けました。後、社民党、新社会党、日本共産党、緑の党グリーンズジャパン、立憲民主党、れいわ新選組の代表(国会議員2 人を含む)に登壇いただき、紹介されました。さらに、労働組合関係団体「フォーラム平和・人権・環境」「全国労働組合総連合近畿ブロック」「大阪ユニオンネットワーク」からのメッセージを受けました。最後に、集会アピール「老朽原発をこのまま廃炉にし、原発のない明日を実現しよう!」が提案、採択されました(以下に掲載)。

 集会には、先述の6 政党および全国で脱原発、核施設建設反対を闘う18 団体からのメッセージが寄せられ、冊子として配布されました。

 集会後は、炎天下をものともせず、圧巻の御堂筋デモを行い、市民。通行人に「老朽原発このまま廃炉!」を訴えました。

ご参加、ご支援くださいました皆さん、
ありがとうございました。

「老朽原発うごかすな!」を7 月参院選の
争点とし、核依存、原発推進の岸田政権に
NO をつき付けましょう!

老朽原発完全廃炉を勝ち取り、
それを突破口に原発のない、人の命と尊厳が
大切にされる社会を実現しましょう!

2022年6月2日

老朽原発うごかすな!実行委員会
連絡先・木原(090-1965-7102)

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▼2022 年5 月30 日しんぶん赤旗

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5.29「原発のない明日を-老朽原発このまま廃炉!大集会inおおさか-」
集会アピール

老朽原発をこのまま廃炉にし、原発のない明日を実現しよう!

 福島原発事故から11年が経ちましたが、この事故は、原発がひとたび重大事故を起こせば、職場を奪い、農地を奪い、漁場を奪い、学校を奪い、生活の基盤を根底から奪い去ることを、大きな犠牲の上に教えました。福島県の「震災関連死」は、原発事故のため、他県に比べて格段に多く、福島県が認定しただけでも2300人を超え、今でも増え続けています。この事故での避難者の多くはふるさとを奪われたままです。事故炉の内部は、ごく一部しか分からず、溶け落ちた核燃料の取り出しの目途も立っていません。大量の放射性物質汚染水が溜り続け、太平洋にたれ流されようとしています。汚染土壌の処理法はなく、ごく表層をはぎ取って保存する他はありません。政府はこの汚染土壌を全国の公共工事で使用しようとしています。

 一方、原発を運転すれば、何十万年もの保管を要し、子々孫々にまで負の遺産となる、使用済み核燃料が蓄積しますが、その処分法はなく、中間貯蔵すら引き受けるところがありません。

 さらに、去る2月に始まったウクライナ紛争では、ヨーロッパ最大の原発・ザポリージャ原発やチョルノービリ原発が攻撃・占領され、戦争になれば、原発は格好の攻撃目標になることが実証されました。

 それでも、岸田政権は、ウクライナ紛争によるエネルギー逼迫や炭酸ガス削減を口実にして、老朽原発の再稼働を画策し、小型新型原子炉の導入、核燃料サイクルの遂行に、私たちの支払った税金や電気料金を使おうとしています。岸田政権は、人々を放射線被ばくにさらしてまでも原発を推進しようとする、核依存内閣です。

 ところで、関電は、昨年6月、運転開始後45年を超え、危険極まりない老朽原発・美浜3号機を稼働させましたが、この原発は、僅か4ヶ月の運転で停止を余儀なくされました。関電が、再稼働を画策している47年、46年超えの老朽・高浜1、2号機は停止したままです。

 老朽原発停止の表向きの理由は特定重大事故等対処施設が未完成のためですが、全国で展開された「老朽原発うごかすな!」の市民運動、裁判闘争などの行動が、政府と電力会社の原発推進に向かった暴走に歯止めをかけ、「老朽原発廃炉」の民意を後押し、「原発停止」を勝ち取らせたと言っても過言ではありません。

 もっともっと大きな行動を展開すれば、老朽原発を廃炉に追い込み、それを突破口に、原発のない社会を実現できることを予感させます。

 なお、「老朽原発うごかすな!」の闘いは、国内だけでなく、韓国をはじめ世界の脱原発運動から注目されています。
< em> 現在、川内原発1、2号機、高浜原発3、4号機が運転開始後36年を超えています。また、韓国の原発5基も35年を超え、2基は来年40年を迎えます。もし、高浜1、2号機、美浜3号機の再稼働を許せば、国内だけでなく、世界の原発の40年超え運転の前例にされてしまいます。一方、老朽原発の運転と原発新設を阻止すれば、最悪でも、2033年に若狭から、2049年に全国から稼働する原発が無くなり、世界の脱原発の動きを先導できます。

 「老朽原発完全廃炉」に向けて、やれることは全て実行しましょう!「老朽原発うごかすな!」を7月参議院選挙の争点にし、「美浜3号機運転差止め仮処分」を審理中の大阪地裁へのメッセージとし、核依存、原発推進の岸田政権にNoを突きつけましょう! 老朽原発完全廃炉を勝ち取り、それを突破口に、原発のない、人の命と尊厳が大切にされる社会を実現しましょう!

2022 年5 月29 日
「原発のない明日を-老朽原発このまま廃炉!大集会in おおさか-」参加者一同
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札幌地裁が泊原発1、2、3 号機の運転差し止めを命令(5 月31 日)
安全性の立証責任を果たさない北海道電力の無責任と迷走を批判

2020 年12 月の大阪地裁による大飯原発3、4号機運転差し止め、
2021 年3 月の水戸地裁による東海第2 原発の運転差し止め判決に次ぐ快挙!

全原発の運転差し止めを目指して前進しよう!

▼2022 年6 月1 日京都新聞朝刊

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◆老朽原発完全廃炉を突破口に
原発のない明日を実現しよう!

原発は、人の命と尊厳を脅かし、
戦争になれば攻撃目標になる

 福島原発事故から 11 年が経ちましたが、被害者の多くは今でも、避難先あるいは被害地・福島で、苦難の生活を続けておられます。事故を起こした原発の内部は、高放射線のため、ごく一部しか分からず、溶け落ちた核燃料の取り出しの目途も立っていません。大量の放射性物質汚染水が溜り続け、太平洋に投棄されようとしています。汚染土壌の処理法はなく、ごく表層をはぎ取って保存する他はありません。東電と政府は、この汚染土壌を全国の公共工事で「再利用」しようとしています。

 一方、2 月に始まったロシア・ウクライナ紛争では、チェルノブイリ原発や欧州最大の原発・ザポリージャ原発がロシア軍に攻撃・占拠されました。

 このように、原発は、人類の手に負える装置でないことは明らかです。また、戦争になれば、原発は格好の攻撃目標になります。

ウクライナ紛争に乗じた原発推進

 今、原発推進派は、ウクライナ紛争に起因するエネルギー逼迫に乗じて、原発稼動を声高に叫んでいます。

 例えば、「日本維新の会」は、3 月 15 日、ウクライナ情勢を受けたエネルギー資源価格の高騰対策として、老朽原発・美浜 3 号機、高浜1、2 号機の緊急稼働を求める要望を政府に行っています。また、自治体として最大の株主である大阪市の松井市長は、関電の株主総会で行ってきた脱原発提案について、内容を改める考えを表明しています。目の前の経済的利益のために「大阪市民だけでなく広域の住民に放射線被曝を強いる原発運転」を容認しようとする背信行為です。

 なお、ウクライナ紛争に関連して、安倍元首相は米国との「核共有」を主張し、高市政調会長をはじめ、自民党の多くがこれに同調しています。また、杉本福井県知事は、自衛隊による迎撃態勢の強化を岸防衛相に求め、福井県嶺南地域への自衛隊配備も要請しています。この機に、核武装の議論を進展させ、自衛隊を増強しようとする、火事場泥棒のような行為です。

地球温暖化防止を口実にした原発推進

 原発推進派は、炭酸ガスを地球温暖化の元凶に祭り上げ、その削減を口実にして、世界的な脱原発の流れへの反転攻勢を強めています。

 EUは、原子力発電を「温暖化ガス排出ゼロに貢献する経済活動」と認める「EU タクソノミー」に追加しようとし、岸田政権も同様な立場で原発を推進しようとしています。

 炭酸ガスが地球温暖化の主原因とする科学的根拠はきわめて希薄で、結論を得るにさらなる議論が必要ですが、よしんば、炭酸ガスが主原因であることを認めたとしても、原発が、炭酸ガスを増加させないとする原発推進派の主張は誤りです。

 原発の運転でも、炭酸ガスは増加します。原発では、原子核に閉じ込められた膨大なエネルギーを解放し、最終的には環境に放出するのですから、原発運転は、海洋を含む地球表面の温度を上昇させます。水への炭酸ガスの溶解度は水の温度が上昇すれば減少しますから、海洋の温度が上昇すれば、海洋に溶解していた大量の炭酸ガスの一部が大気中に放出され、大気中の炭酸ガス濃度が増加します。一方、原発の建設、核燃料の製造、使用済み燃料の保管、重大事故時の対策にも多量のエネルギーを要し、その過程で、炭酸ガスが発生します。また、これらの過程で使用されるセメントの製造工程で多量の炭酸ガスが発生します。

 結局、化石燃料も原発も炭酸ガスを増加させます。炭酸ガスを増やさないためには、太陽から今現在受けているエネルギー以外を使ってはならないのです。また、炭酸ガスを減らす唯一の方法は、植物、とくに樹木を育てて、植物に炭酸ガスを蓄えてもらうことです。

老朽原発運転と原発過酷運転を強いる
エネルギー基本計画

 岸田政権は、昨年 10 月 22 日に、第 6 次エネルギー基本計画を閣議決定しましたが、この計画では、2030 年に原子力を 20~22%にしようとしています。

 原発電力 20~22%を達成するために、政府は、2030 年には 15 基となる老朽原発の再稼働と建設中の 3 原発の稼働を画策し、以下のような、原発利用率の引き上げのための原発過酷運転も行おうとしています。危険極まりない老朽原発運転と原発過酷運転を許してはなりません。

●定期検査間の運転期間の長期化 現在は 13ヶ月ごとに定期検査していますが、18 ヶ月~24ヶ月に変えようとしています。

●検査内容の変更による定期検査の効率的実施と原発酷使 現在の定期検査では、原子炉を停止し、平均 90 日をかけて一斉分解点検していますが、これを、米国の 30 日に倣って短縮しようとしています。短縮のために、「状態監視保全」方式(早めの部品交換をせず、機器ごとに劣化状況に合わせて保守する方式)を導入し、機器を限界まで酷使しようとしています。

●原子炉を止めないでおこなう検査「運転中保全」の導入 「安全上重要な機器」は予備系統で多重化されてはいますが、検査中は予備系統がなくなります。

(以上の検査内容の変更は 2009 年に行われていましたが、変更の実行は福島原発事故で中断されていました。)

老朽原発運転と原発過酷運転を強いる
のは、「巨大資本に奉仕する国造り、
戦争出来る国造り」のため

 政府が、老朽原発の運転、原発過酷運転に固執するのは、

①使用済み核燃料、核廃棄物の保管・処理費や事故による損失を度外視すれば、安上がりな原発電力によって、電力会社や大企業を儲けさせ、

②総括原価方式の下で集めた電気料金を、原発を介して、ゼネコンや原発関連大企業へ垂れ流すためです。さらに、第 6 次エネルギー基本計画では、原発の他に、再生可能エネルギーを拡大するだけでなく、炭酸ガス排出量の多い石炭火力を 19%も残そうとしています。それは、

③戦争になり、天然ガスや石油の輸入が途絶えたときの基盤電力を、国内で調達できる電源である原発、再生可能エネルギー、石炭火力で確保するためです。すなわち、老朽原発の再稼働は、「巨大資本に奉仕する国造り、戦争出来る国造り」のために行われているのです。

老朽原発廃炉を突破口に原発全廃を!

 昨年 6 月 23 日に当初の目論見より約半年遅れて再稼働した老朽原発・美浜 3 号機は、特定重大事故等対処施設(特重施設)の設置が期限・10月 25 日に間に合わず、10 月 23 日に、わずか 4ヶ月間の運転で停止を余儀なくされました。一方、関電が昨年 6 月に再稼働を目論んだ老朽原発・高浜 1、2 号機は停止したままです。

 老朽原発停止の表向きの理由は特重施設が未完成のためですが、全国で展開されたたび重な
る「老朽原発うごかすな!」の行動や裁判闘争が、政府と電力会社の原発推進に向かった暴走に歯止めをかけ、「老朽原発廃炉!」の民意の形成を後押しし、「原発停止」を勝ち取らせたと言っても過言ではありません。

 停止している美浜 3 号機、高浜 1、2 号機の特重施設の完成は早くても本年10月頃、来年5月、6 月頃といわれていますが、これらの老朽原発は、特重施設の完成後に再稼働されたとしても、来年末には停止に追い込まれる可能性が大です。それは、関電が「使用済み核燃料の県外中間貯蔵地を来年末までに探せなければ、老朽原発を停止する」と明言していますが、中間貯蔵候補地探しは至難であるからです。老朽原発停止を突破口に原発全廃に向かって大きく前進する好機です。

 一方、日本原電が再稼働を企む老朽東海第二原発の安全対策工事の完成時期は 2 度目の延期となり、約 2 年遅れて、2024 年 9 月と発表されています。また、30 km 圏の 14 市町村の実効性のある避難計画が出そろう見通しも立っていません。

 老朽原発をこのまま廃炉に追い込み、原発全廃へ前進しましょう!

世界が注目する
「老朽原発うごかすな!」の行動

 今、「老朽原発うごかすな!」の闘いは、国内だけでなく、韓国をはじめ世界の脱原発運動から注目されています。

 現在、川内原発 1、2 号機、高浜原発 3、4 号機が運転開始後それぞれ 37、36、37、36 年超えです。また、韓国の原発 5 基も 35 年を超え、2 基は来年 40 年を迎えます。もし、高浜 1、2号機、美浜 3 号機の再稼働を許せば、国内だけでなく、世界の原発の 40 年超え運転の前例にされてしまいます。

 一方、老朽原発の運転と原発新設を阻止すれば、最悪でも、2033 年に若狭から、2049 年
に全国から稼働する原発が無くなり、世界の脱原発を先導できます。
 

「老朽原発うごかすな!実行委員会」は

5 月 29 日(日)、大阪で
「原発のない明日を‐老朽原発このまま廃炉!大集会 in おおさか‐」を計画し、今までを格段に上回る結集を目指しています。

 また、この大集会を頂点として、ヒトリデモ、アメーバデモ、原発電気不買運動など、創意工夫を凝らした行動を実行します。

皆様のご支援、ご参加をお願いします。

2022 年 4 月 12 日
老朽原発うごかすな!実行委員会
連絡先:木原(090-1965-7102)

◆松井大阪市長、原発推進に変節?

 3月24日の「電気新聞」は、「関電の発行済み株式の7.64%を保有する、自治体として最大の株主である大阪市の松井市長は23日、関西電力の定時株主総会で行ってきた脱原発提案について内容を改める考えを示唆した」と報じています(添付記事をご参照ください)。事実だとすれば、大阪市民のみならず、脱原発を願う民意に対する背信行為です。

 目の前の経済的利益のために「大阪市民を含む広域の住民に放射性物質汚染を強いることになりかねない原発運転」を容認しようとしているのです。自治体住民の安心・安全な生活を最優先にしなければならない地方自治体の首長の原発推進への変節を許してはなりません。

 なお、「日本維新の会」は15日、関電の老朽原発・美浜3号機、高浜1、2剛毅の緊急稼働を求める要望を政府に行っています。
今、原発推進派は、炭酸ガス削減を口実にして、また、ロシアによるウクライナ侵攻に起因するエネルギー逼迫、東北地震での発電所損傷による電力不足等を声高に叫んで、原発再稼動に躍起です。

 原発は、一旦重大事故を起こせば、住民の生活基盤を根底から奪い去り、住民に塗炭の苦痛を与えることは、事故後11年を経てもなお収束の見通しも立たない福島原発事故が、大きな犠牲の上に教えています。

 いかなる理由があろうとも、人類の手に負えない原発の推進は許されるものではありません。

危険極まりない老朽原発の完全廃炉を勝ち取り、それを突破口に原発のない、人の命と尊厳が大切にされる社会を実現しましょう!

「老朽原発うごかすな!実行委員会」は、

5月29日に開催される
「原発のない明日を‐老朽原発このまま廃炉!大集会in おおさか」

へのご結集を呼びかけています。
 また、この大集会を頂点として、リレーデモ、リレー集会、ヒトリデモ、原発電気不買運動などの多彩な行動を企画しています。
皆様のご賛同、ご支援、ご参加をお願いします。
 現在停止中の老朽原発。高浜1、2号機、美浜3号機、東海第二原発をこのまま廃炉に追い込み、原発全廃に前進しましよう!

2022年3月25日
老朽原発うごかすな!実行委員会:木原壯林

◆報告とお礼~12.5「老朽原発このまま廃炉!大集会in おおさか」に1600 人

【2021年12月9日,実行委MLで配付】

 関電が6 月に再稼働させた危険極まりない老朽原発・美浜3 号機は、特重施設の設置が期限に間に合わなかったため、僅か4 ヶ月の運転で、10 月23 日、停止に追い込まれました。老朽原発・高浜1、2 号機も、特重施設が完成せず、今でも停止したままです。美浜3 号機、高浜1、2 号機の特重施設の完成は、早くても2022 年9 月、2023 年5、6 月といわれています。ただし、これらの老朽原発は、特重施設の完成後に再稼働されたとしても、2023 年末には停止に追い込まれる可能性が大です。それは、関電は「使用済み核燃料の県外中間貯蔵地を2023 年末までに探せなければ、老朽原発を停止する」と明言していますが、中間貯蔵候補地探しは至難であるからです。老朽原発停止を突破口に原発全廃に向かって大きく前進するチャンスです。

 そう考えた「老朽原発うごかすな!実行委員会」は、老朽原発廃炉に向けて「やれることは全てやる」ことを決定し、現在までに以下を実行しました。

【1】「老朽原発このまま廃炉キャンペーン期間」(10 月23日~12 月4日)を設定しましたが、賛同して実施された行動は全国で72 に上りました(期間に先立つ行動を含む)。「ヒトリデモ」「集会」「デモ行進」「スタンディングアピール」「チラシ配布とアメーバデモ」など、多種多様な行動でした(後段参照)。以下は、代表的な行動です。

10.25「美浜3 号もう動かすな!現地行動」;美浜3 号機が停止した直後の10 月25 日、関西・福井・中部などから63名が美浜原発対岸の公園に結集し、集会、原発ゲート前を往復するデモで関電を糾弾しました。後、関電原子力事業本部(美浜町)前に移動し、怒りのアピールと、申入れの後、町内デモで「美浜3号もう動かすな!」を訴えました。大雨、寒風にも拘わらず、熱い行動でした。

11.17「MOX 燃料搬入抗議行動」;運搬船到着地・高浜原発の対岸・荷上場に、早朝より、関西、福井の30 名が結集し、12 メートルの横断幕2 枚を掲げて、2 時間にわたって「プルサーマル運転反対!」「MOX 燃料の搬入を許さないぞ!」などの怒りの声を上げた後、原発までデモ行進し、北ゲート前で抗議行動を展開しました。

11.23(高浜原発前出発)-11.27(美浜町到着)「老朽原発このまま廃炉!リレーデモ」;延べ130 名が参加しました(出発日には、名古屋、岐阜、関西一円、福井から、約60名が参加)。天候が急変し、雨、霰、みぞれ、強風が襲う荒天にもめげず、5 日間を歩きました。今回のリレーデモでは、若狭の住民からのご声援が格段に多くなっていることを実感し、参加者一同、感激することしきりでした。

【2】「12.5 老朽原発このまま廃炉!大集会in おおさか」に全国から1600 名が結集し、昨年の9.6(1600 人結集)、本年の6.6(1300 人結集)「老朽原発うごかすな!大集会in おおさか」に引き続く大集会となりました。集会後は、圧巻の御堂筋デモ行進を行いました。コロナ禍で、市民団体や労働団体の組織参加は自粛されたものの、脱原発を目指す市民団体、労働団体、政党の多くの代表が参加されました。

 12 月5 日のうつぼ公園(大阪市西区)では、赤く染められた「老朽原発うごかすな!」の大横断幕が参加者を待っていました。一時間前から始まった川口真由美さん等のミニライブで盛り上がった後、中嶌哲演さんの主催者あいさつで集会が開始されました。中嶌さんは、「目に見え、耳に聞こえる運動で世論を作ろう」と訴え、さらに大きな運動の構築を目指す次回実行委員会(12 月14 日)への結集を呼びかけました。

 井戸謙一弁護士は、大阪地裁に申し立てた「美浜3号機運転差し止め仮処分」の経緯と現状を報告しました。また、「裁判官も一人の人間。老朽原発の稼働は誤りと思わせるように、大衆運動の力で背中を押そう」と呼びかけられました。

 名古屋地裁の老朽原発廃炉訴訟、老朽原発の地元(若狭町、小浜市、東海)からの発言が続き、全員でのポスタ―掲示行動の後、原発賠償関西訴訟原告の発言、全国から駆け付けた闘うみなさん(青森、福島、首都圏、石川、四国)20 数名および参加政党の代表の紹介、関西の市民団体からからのアピール、「キャンペーン期間」の行動報告、労働団体からのあいさつと続き、最後に、「原発のない、人の命と尊厳が大切にされる社会を実現しよう!」という集会アピールが提案され、拍手で採択されました。集会後の御堂筋デモは、にぎやかに貫徹され、道行く人から熱い応援を得ました。

 集会には、全国で脱原発、核施設建設反対を闘う立地の団体、住民からのメッセージが寄せられ、冊子として配布されました。また、集会に先立つライブ、集会、デモの様子は、IWJにより全国に中継されました。

ご参加、ご支援くださいました皆さん、
ありがとうございました。

老朽原発をこのまま廃炉に追い込み、
原発全廃の突破口にしよう!
来る年には、さらなる大行動を!

2021年12月8日
老朽原発うごかすな!実行委員会
連絡先・木原(090-1965-7102)


▼2021 年12 月6 日しんぶん赤旗

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*老朽原発このまま廃炉!大集会in おおさか/ IWJ・エリアCh6/ へのアクセス
・前段ライブ:→こちら
・集会:→こちら
・デモ:→こちら
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「老朽原発このまま廃炉!キャンペーン」期間中に
取り組まれた行動(全74)

(12 月5 日までに実行委員会が把握している行動)

【注】以下、①ヒトリデモ、ひとりウオークとは;一人ひとりが十分な間隔(例えば20m)をとって、拡声器、ポスター、旗、のぼりを持って「原発反対」を訴えながら歩く行動。②アメーバデモとは;小集団に分かれて地域の隅から隅まで、徒歩あるいは街宣車で「原発反対」を訴えながら廻り、チラシを各戸配布する行動。①、②ともに「集団示威行動」にはならず、警察への届け出は不要で、いつでもどこでも実行できます。
<大阪(ヒトリデモ6回、スタンディング・チラシ配布2回、団体廻り1回)>
・8月20 日:枚方ヒトリデモ、第1回御堂筋ひとりウォーク、
・10 月26 日:「原子力の日」反原発関電本店前行動、
・10 月8日:高槻ヒトリデモ、
・11 月2 日:第2回御堂筋ひとりウォーク、
・11 月7 日:釜ヶ崎ヒトリデモ、
・11 月9 日:政党、労組、団体廻り9か所、
・11 月11 日:高槻駅歩道橋スタンゲィングとチラシ配布、
・12 月1 日:第3回御堂筋ひとりウォーク

<兵庫(団体廻り1回、集会でアピール1回)>
・11 月8 日:政党、議員、労組、団体廻り9 か所、
・11 月8日:樋口英明さん講演会でアピール

<奈良(集会アピール・デモ4 回、スタンディングアピール13 回)>
・8月~11 月の6 日:ロックアクションでアピールとゼッケンデモ、
・8月~11 月の、9 日と19 日:近鉄生駒駅前スタンディングアピール、
・8月28 日、9月25 日、11 月13 日:JR 王寺駅前スタンディングアピール、
・9月18、28日:メガソーラ反対行動

<京都(ヒトリデモ8 回、集会チラシ配布数回、アメーバ各戸チラシ配布1 回、申入れ行動1 回、団体廻り1 回)>
・8 月31 日:鴨川ヒトリデモ、
・9月3、10 日:三条から関電ヒトリデモ、
・9月19 日、10 月1 日:市役所から関電ヒトリデモ、
・11 月3 日:憲法集会でチラシ配布、
・10 月2 日、11 月6 日、12 月4 日:八幡ヒトリデモ、
・10 月29 日:洛北街宣とアメーバ各戸チラシ配布、
・11 月11 日:関電京都支社へ申入れ行動、
・11 月16 日:政党、労組、団体廻り5 か所

<滋賀(ヒトリデモ3 回、デモ7 回、講演会2 回、団体廻り1 回)>
・8 月28 日、9 月11 日、10 月23 日、11 月13 日、12 月4 日:脱原発市民ウォークin しが、
・8月28 日、9月11 日:びわ湖ヒトリデモ、
・10 月6 日:髙島ヒトリデモとチラシ各戸配布、
・10 月9 日:「美浜3号機差止仮処分申し立ての意義」井戸謙一弁護士講演会、
・10 月30 日、11 月27 日:脱原発市民ウォークin 近江八幡、
・11 月3 日:憲法集会でチラシ折込み、
・11 月13 日:「老朽原発このまま廃炉」井戸弁護士講演会、
・11 月16 日:政党、労組廻り4 か所

<福井(アメーバ各戸チラシ配布4 回、アンケート結果配布1 回、緊急行動とデモ2 回、リレーデモ5 日間)>
・8月8日:美浜町住民へのアンケート結果の配布、
・10 月13 日:美浜町アメーバ各戸チラシ配布(美浜)、
・10 月25 日:「美浜3号もう動かすな!現地行動」抗議集会とデモ(63 人)、
・11 月10 日:アメーバ各戸チラシ配布(高浜)、
・11 月17 日:アメーバ各戸チラシ配布(高浜)、
・11 月17 日:MOX燃料搬入抗議行動とデモ(30 人)、
・11 月23 日~27 日:老朽原発このまま廃炉高浜から美浜リレーデモ・アメーバ各戸チラシ配布も(のべ130 人)

<名古屋>「老朽原発40 年廃炉訴訟市民の会」による
・10月23日:美浜原発このまま廃炉スタンディングアクション
・11月15日:老朽原発40年廃炉訴訟 期日(名古屋地裁)支援、報告集会でアピール
・12月 5日:名古屋同時スタンディングアクション(名古屋栄ラシック西側歩道)

<岐阜>
・12 月11 日(予定):さよなら原発パレードin ぎふ(12.5 集会に連帯して)

<郡山>
・11 月6 日:「原発いらない福島の女たち」「チェルノブイリ法日本版の会」による連帯アピール行動

<岩国>
・11 月22 日:岩国基地反対集会で、全員でプラカードを掲げるアピール行動


12.5 集会にメッセージを寄せられた団体、個人

北海道後志(しりべし)原発とエネルギーを考える会、
核の中間貯蔵はいらない!下北の会、
なくそう原発・核燃、あおもりネットワーク、
原発いらない福島の女たち、
放射能ゴミ焼却を考えるふくしま連絡会、
みやぎ脱原発・風の会、
東海村議会議員、
柏崎刈羽原発絶対反対地元住民有志、
さよなら原発・ぎふ、
浜岡原発を考える静岡ネットワーク、
敦賀市議会議員、
美浜町議会議員、
おおい町住民、
高浜町住民、
さよなら島根原発ネットワーク、
上関原発を建てさせない山口県民連絡会、
伊方から原発をなくす会、
玄海原発プルサーマルと全原発をみんなで止める裁判の会、
ストップ川内原発!3.11 鹿児島実行委員会


12.5 大集会で採択された集会アピール

原発のない、人の命と尊厳が
大切にされる社会を実現しよう!

 福島原発事故は、原発が一旦重大事故を起こせば、人々の生活を根底から奪い去ることを、大きな犠牲の上に教えました。それでも、関電と政府は、運転開始後45 年を超える、危険極まりない老朽原発・高浜1、2 号機、美浜3号機の運転を画策しています。

 私たちは、以下の理由により、老朽原発廃炉、原発全廃を訴えます。

原発を動かせば、何万年もの保管を要する負の遺産・使用済み核燃料を生み出しますが、その処理・処分法はなく、中間貯蔵すら引き受ける場所がありません。

政府や自治体は、私企業である電力会社が運転する原発の重大事故を想定した避難訓練を、血税を使って行っていますが、それは、原発は重大事故を起こしかねないことを政府や自治体が認めているからです。ただし、その「避難訓練」も、僅かの人数による僅かの期間だけの訓練で、「避難訓練を行った」とするアリバイ作りに過ぎません。原発過酷事故時の避難は、訓練ができないほど深刻で困難なのです。

関電の原発に関して、各種のトラブルが頻繁に発生、発覚しています。

 最近では、1 昨年10 月および昨年11 月に高浜4 号機で、昨年2 月に高浜3 号機で蒸気発生器伝熱管の損傷・減肉が発覚しました。去る6 月に再稼働した老朽原発・美浜3 号機でも、7 月2 日に、緊急時に蒸気発生器に給水する補助給水ポンプのフィルターに鉄さびが詰まるトラブル、10 月6 日には、非常用ディーゼル発電機が緊急停止するトラブルが発生しています。7 月に再稼働した大飯3 号機でも、8 月4 日、復水器に海水を送る配管が腐食し、直径4 cm の穴が開いていました。

 このような数々の配管トラブルは、若狭の原発の配管は相当危険な状況にあることを示します。老朽原発の運転など、もってのほかです。

若狭の原発の耐震性は疑問です。例えば、活断層の巣の中にある美浜3 号機の耐震性の評価にあたって、震源が近くにあることの配慮はなく、地盤変位に対する考察もありません。また、地震が繰り返された場合の考慮が不十分です。さらに、美浜3 号機の基準地震動の評価は、405 ガルから993 ガルへと増大していますが、それに見合って原発の耐震性が強化されているとは言えません。

原発電力のコストは上限を試算できないほど高額です。去る7 月に試算された2030 年の1 キロワット時あたりの発電コストは、原発では「11 円台後半以上」で、太陽光や陸上風力などに比べて、原発の優位性は否定されています。なお、原発コストの試算額には上限がありません。「事故処理費用が見込みづらい」ためです。使用済み核燃料や放射性廃棄物の処理・保管費を含めれば、原発の発電コストは膨大になります。

関電は、老朽原発の再稼働を巡って、立地自治体に同意を要請し、苦悩の選択を迫りましたが、福井県知事が同意を表明した直後に、高浜1、2 号機の再稼働断念を発表しました。このように、関電は、自社の都合のみで、人々を混乱に陥れています。このことと、一昨年来の原発マネー不祥事、使用済み核燃料中間貯蔵地探しに関わる再三の約束違反を考えあわせますと、関電は、企業倫理に欠け、何の成算もなく約束し、それを平気で反古にする企業と言わざるを得ません。

 以上のように、原発は、使用済み核燃料の蓄積、重大事故時の避難の困難さ、トラブルの多さ、耐震性の低さ、発電コストの高さ、電力会社の企業倫理の低さ、いずれの面からも、稼働を容認できる装置ではありません。原発は万が一にも重大事故を起こしてはならない装置です。
 老朽原発を廃止に追い込み、それを突破口に、原発のない、人の命と尊厳が大切にされる社会を実現しましょう!
2021 年12 月5 日

「老朽原発このまま廃炉!大集会in おおさか」参加者一同