京都脱原発原告団 >
メディア >
◆1/13の第9回口頭弁論の報告
~救援新聞より
- 救援新聞 京都版No.1268 2016年4月5日
橋本宏一(日本国民救援会京都府本部 事務局長)
琵琶大飯原発差し止め訴訟で393人が第4次提訴
3068人の大原告団のたたかいへ
―第9回口頭弁論開く―
- 京都府などの住民が関西電力と国を相手に大飯原子力発電所1から4号機の運転差し止めと慰謝料を求めている訴訟は、第9回口頭弁論の開かれる1月13日、新たに393人の原告が提訴し、合計3068人の大原告団が弁護団とともにたたかう裁判として、京都地裁(第6民事部合議A係・堀内照美裁判長)101号法廷で開かれました。法廷は柵内に弁護団、原告50人余り、満席の傍聴者(80人、外れた人は弁護士会館での模擬法廷に参加)、関電や国の代理人など160人ほどが席を埋めての進行となりました。
- 弁論では、原告代理人の岩佐英夫弁護士が第16準備書面の要旨を陳述。関西電力が標準的・平均的な地震の震動を前提に策定した「基準値振動」の不合理性を、「貯蓄の平均額が暮らしの実相を少しも示していないのと同じ」とパワーポイントの図表を示しながら批判しました。「日本の1世帯あたりの貯蓄平均は1739万円だが、3割以上いるといわれる貯蓄ゼロの世帯が除かれている。平均値からは貯蓄高の実際はみえてこない。地震についても同様で、関電の主張には合理性がない。地震にはばらつきがあり、地下の深部での動きは推測に頼らざるを得ない。将来予測は困難。バラつきによる誤差は2倍から5倍以上になる。従来の地震動評価は過小評価であることが実際に起こった地震の事例をとりあげ専門家からも指摘されている。関電の主張は万が一を大きく上回る危険を全く考慮しないで原発を稼働させるものだ」と陳述しました。
- つづいて、舞鶴市在住の原告・阪本みさ子さんが意見陳述。要旨、以下のように述べました。「私は、1950年生まれの65歳。大飯原発から20キロメートル弱、高浜原発から約9キロメートルで夫と二人で暮らす。訴訟に踏み切ったのは、大切な舞鶴の人たちが命をなくしたり行き場を失ったりするようなことがあってはならないと考えたから。私は小学校の教員をしてきた。そのうちの20年ほどは1、2年生の担任で、子どもやその家族に支えられて務めをはたすことができた。助け合って学び成長する、いままでできなかったことができるようになった子どもたちのいくつもの笑顔が浮かんでくる。それを支え続けた家族の方々、そんな人たちの行き場がなくなるようなことはあってはならない。そのためにも制御のできない危険な原発をやめていただきたい。原発以外にいくらでも電気を作る方法があるのだから、ぜひ止めてもらいたい。原発事故を想定した舞鶴市の避難計画も、確保した事業者の車で20往復もしないと住民を移動させられない。多くの人がその間に放射能汚染にさらされる恐れがある、しかも観光客は自力で避難をしてもらうなど、実際不可能な、ずさんで、安全性のないもの。私たち夫婦は、70坪の畑ももっていて、そこで栽培したイチゴや玉ねぎなどの農作物を近所の人に配って喜ばれている。コミュニケーションが生まれきずなが強まり、夫の生きがいでもある。原発事故が起こればこんな地域の人間関係がすべて失われてしまう。夫は事故があってもここに残るといっている。しかし、避難命令が出ればそれも選択できなくなる。舞鶴の人たちは、事故があったらもうだめやわ、といっている。起きたらもうどうしようもない。こんなことがゆるされるのでしょうか」
終わると傍聴席などから拍手が起こりました。
- 次回、第10回口頭弁論は、3月15日(火)午後2時から、101号法廷で。
Top