[NEW]◆12/24 第46回口頭弁論の報告

京都地裁「大飯原発差止訴訟」第46回期日は12月24日に行われました。今回は、9月17日の赤松純平さん(元京都大学助教授、専門:地盤構造)の証人尋問のつづきで、被告側弁護士による反対尋問、原告側弁護士による再尋問が行われました。

赤松さんは、この訴訟が提訴されてから、ご専門の立場から、さまざまな意見書によって

(1)大飯原発の「基準地震動策定」において、1.原発敷地地盤構造の評価に合理性がないこと、2.地盤モデルに妥当性がないこと、3.基準地震動に妥当性がないこと、

(2)基準地震動による地盤のすべり安定性評価に問題があること

などの論点について意見をのべてこられました。

また、今回の証人調べにあたっても、「大飯原発敷地の地盤構造の評価について」「大飯原発の基準地震動について」「大飯原発の地震力に対する基礎地盤の安定性の評価について」「若狭湾地域で発生した地震の応力降下量について」「PS検艘におけるダウン・ホール法とサスペンション法の違いについて」等の意見書を提出されています。

9月17日の主尋問で、赤松さんは、これらの論点をもとに証言されました。今回の反対尋問で、これらの論点についてどのような反証が行われるのか、注目されました。

午前10時半に始まったこの日の尋問は、昼食休憩、午後の途中休憩をはさみ、午後4時半近くまで続きました。

反対尋問は、赤松さんの意見について論理的な反証をするものではなく、赤松さんの意見の根拠になる数値の根拠や算定方法について細かく問うというものでした。

すなわち、地盤構造を評価する場合の数値・データの取り方について赤松さんとは違う事例をいろいろ示しながら、赤松さんの数値・データの取り方に間違いがないかと問いただし、細部の「ミス」をみつけることで、論理全体に疑念があると主張しようとするものでした。

予備知識、専門知識が少ないうえに、手元に裁判資料を持っていない傍聴者にとっては、何が問題になっているのかわからない専門的・技術的なやりとりが続きましたので、理解できなかった点や聞き洩らしがあるとは思われますが、結局、反対尋問は関電の主張を押し付けるだけのものでしかなく、赤松さんの基本的な論点をくずすことは出来なかったようです。

このあと、原告側弁護士の再尋問が行われ、赤松さんの意見の内容を再確認していくものとなりました。

また、今回、裁判所からの質問が行われました。赤松さんの意見を裁判所としても無視できないものと受け止めていると感じさせられるものでした。

以上により、赤松さんの証人尋問が終りました。

次回、第47回期日は3月6日で、11月26日に証言された石橋克彦さんへの反対尋問が行われます。

私たちにできることは傍聴席を埋めることです。

次回も一日がかりの証人尋問ですが、ぜひ傍聴に来てください。

(文責:原 強)