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◆9/25 第48回口頭弁論の報告

  • 原 強(京都循環経済研究所)
京都弁護士会館での報告集会(撮影:平信行さん)
京都弁護士会館での報告集会(撮影:平信行さん)

大飯原発差止訴訟(京都地裁)第48回期日は9月25日(木)に行われました。

今回は、提訴以来の総仕上げの弁論が行われました。これまで多くの原告や証人が述べてきた証言・論点をふまえ、原告代理人の弁護士がリレーで弁論を行い、あらためて原告側の主張を裁判所に伝える機会になりました。

これまで原告側は、大飯原発が地震や自然災害に耐えられるのか、放射能が拡散する重大事故が起きるおそれがないのかということを主張してきました。この日も、地震大国日本では原子力発電所の建設には危険性がともなうこと、とくに大飯原発の敷地地盤には問題が多いこと、新規制基準との関係でも不整合な点があること、大飯原発が内陸型地震、スラブ内地震、南海トラフ大地震などによって過酷事故に至る危険性は十分にあること、などを主張しました。

また、原告側の主張は、原発事故が起きた場合、住民はとても避難できない、このような原発は認めることができないということでした。この日も、これまで証言してきた福島敦子さんをはじめとする原告の主張をあらためて紹介し、原発事故の際の避難の過酷な実態、避難計画の実現困難性を裁判所に訴えました。

今回、原告代理人側の弁論で強調されたのが、「判決に向けて求められる裁判官の態度」ということでした。「福島原発事故後、事故前に原発の運転を是認した裁判官が住民の差し止め請求を棄却したことについて反省の弁を述べる例が少なくなかったが、最近は住民の請求を棄却する事例がめだっている。そこに共通して見られるのは原子力規制委員会の許認可があれば安全性が確保されていると推認できるという点である、福島原発事故から14年、廃炉の見通しもなく、多くの被害者が今なお呻吟しているなかで、原発事故によって生じる深刻な人権侵害からの救済が裁判官にもとめられることである」との弁論は、原告、傍聴者に共鳴をよびました。

最後に中島晃弁護士が原告側弁論の「結語」を述べました。

中島弁護士は、「もし、私たちが暮らす150万近い居住人口を有する京都市の後背地ともいうべき若狭の海に面する大飯原子力発電所で、一旦福島原発事故のような惨劇が発生すれば、その被害は広範囲に及び、文字通り100万をこえるきわめて多くの人々が深刻な打撃を受け、経済的にも社会的にも重大な被害が及ぶことは言うまでもない。そうしたことからいえば、大飯原子力発電所について相対的安全性の考え方は決して採用されてはならず、その安全は絶対に確保されなければならない。そうしたことからいえば、いやしくもその安全性にいささかでも危惧懸念がもたれる時は、そこに暮らす人々の人として生きる権利、その平穏な生存を確保するという人格権にもとづき大飯原子力発電所の運転を差し止めることは、裁判所が国民から負託された当然の責務であるといわねばならない」としめくくりました。この弁論には拍手が起こりました。

関電、国の代理人も弁論を行いましたが、原告側の主張にまともにこたえるものでなく、ただ規制委員会が認めているのだから安全だという論点を繰り返すだけでした。

以上で弁論は終結し、長く続いてきた裁判は結審となり、判決の日時は来年7月14日と指定されました。

この日は、昼休みの時間帯に裁判所を1周するデモが行なわれました。結審にあたるということからメディアにも注目されました。

また、裁判所にこの間集約された署名の提出も行われました。

終了後には弁護士会館で報告集会が行われ、判決の日までさらに世論をたかめていこうと確認しあいました。

◆9/25 第48回口頭弁論 原告提出の書面

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【原告】裁判資料ーー今回の準備書面、意見陳述 → このページでは以下にリンクを掲載。
    前回までの準備書面、意見陳述は → こちらのページから。
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【原告】裁判資料ーー今回の証拠説明書と書証(甲号証)→ このページでは以下にリンクを掲載。
    前回までの証拠説明書と書証は → こちらのページから。
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被告関電の証拠請求の却下申立書[103 KB] (2025年9月5日)


[第115準備書面][6 MB] 尋問結果に基づく主張立証の取りまとめ(2025年9月4日)


[第116準備書面][3 MB] 赤松純平氏の反対尋問についての補充説明(2025年9月4日)
甲661~664号証(赤松反対尋問関連) 証拠説明書[591 KB] (2025年8月6日)
甲661号証[698 KB] 山﨑断層破砕帯の遠地地震表面波に対する応答特性(2025年8月6日)
甲662号証[593 KB] 山﨑断層破砕帯のS波に対する応答特性(2025年8月6日)
甲663号証[29 MB] 断層破砕帯における地震波の増幅作用(2025年8月6日)
甲664号証[21 MB] 断層破砕帯での特有の動き(2025年8月6日)

◆第13回原告団総会の報告(2025/6/7)

京都脱原発原告団は、「原発の再稼働を許さず、すべての原発を廃炉に」と、6月7日(土)、ハートピア京都(京都市中京区)と、オンラインZoomの併用で、第13回原告団総会を開きました。
当日の参加は、会場約70人、Zoom約20人でした。

会場の様子
会場の様子

福山和人弁護士による開会あいさつの後、弁護団事務局の渡辺輝人弁護士から、裁判の経緯と今後の見通しについての報告がありました。2025年9月25日(木)が結審の口頭弁論で、2026年3月にも判決が予想されます。渡辺弁護士は「山場です。一層の注目、結集を」と呼びかけました。

開会挨拶 福山和人弁護士
開会挨拶 福山和人弁護士
弁護団事務局から報告 渡辺輝人弁護士
弁護団事務局からの報告 渡辺輝人弁護士

今回の総会では2つの記念講演が行われました。

1つ目は、海渡雄一弁護士による「3.11後の原発訴訟の現状と展望」。総会前日に、東京高裁で東京電力への賠償をめぐる判決が出たばかりということもあり、現場の空気を伝える生々しい内容となりました。

海渡弁護士は、原発訴訟において裁判官がどのように判断するかは、法的な論点だけでなく「原発事故の危険性をどれだけ実感させられるか」にかかっていると語りました。東海第二原発差し止め訴訟では、原告が毎回の口頭弁論で自らの思いを語り、避難計画の不備を裁判官に伝えたことが勝訴の決め手になったと紹介。「裁判官を一人にしない、市民の声の後押しが必要」との呼びかけに、会場は深くうなずいていました。

記念講演1 海渡雄一弁護士
記念講演❶ 海渡雄一弁護士

2つ目の記念講演は、市川章人さんによる「原発事故と避難計画 -翻弄される住民の命と自治体-」。原発から30km圏内(UPZ)での避難が「屋内退避」に置き換えられつつある現状についての報告でした。市川さんは、重大事故は起きないという前提のもと、被ばくリスクが過小評価され、避難計画が実効性を失っていると指摘。地震等で避難ルートが損壊する可能性や、責任が自治体に押し付けられている問題にも触れました。市川さんは「福島の教訓が活かされず、新たな安全神話が生まれつつある。住民の命を守る本質的な対策が必要だ」と訴えました。

記念講演2 市川章人さん
記念講演❷ 市川章人さん

事務局からは、会計報告とともに、2024年12月より連絡先・体制が変わったことが報告されました。

新事務局の紹介

当日の会場では、7万7198円のカンパが集まりました。

◆「私も一言」で寄せられた声をご紹介します。

  • 聞いた話を、広く伝えることが出来るようにしたいです。
  • 原子力は高度な科学技術ですが、運用するのは人間。人間の欲(名誉・出世・利益)がうずまく世界を実感しました。
  • きょうはありがとうございました。講演よかったです。これからも出来ることは頑張りたいと思いました。
  • 弁護団の弁護士の方々に深く深く感謝しております。
  • 本当にこれだけ地震の事をそなえろとそなえろとうながしながら原発重視する政府とんでもない。原子力規制員会どうにかしなければ。
  • お二人の御報告ともに分かりやすいもので、よかったと思います。
  • 大変貴重な講演有難うございました。毎日の生活がいつ変わるかも知れない状況です。皆様の長期の斗いに敬意を表します。
  • 海渡先生の講演は、安保法制をめぐる問題でおききしたことがあり、その時も講義の内容もよかったが、お話を通じて感じた先生のお人柄にも、感銘をうけた。今日の講演も初めて知った裁判の詳細など、学ぶことが多かった。私はデモにいったり学習会に参加したりカンパ等しかできないが、できることを少しずつしていこうと思う。海渡さんたちがされてこられたとりくみを伺がうと、本当に頭が下がる。
  • 3.11後の原発訴訟の現状と展望。海渡弁護士さんの40年にわたる原発訴訟の闘いがわかりやすくていねいな報告で大変よくわかりました。周囲の人々に原発の危険性拡げ、大飯原発訴訟必ず勝利したいと思いました。
  • よい話が聞けて良かったです。もう少し多くの人に聞いてもらえたらと思いました。今後の運動に活かしたいと思いました。共に頑張りましょう。
  • わかりやすく力強いご講演ありがとうございました。このところ地裁にも出席できていなかったので、今日は来てよかったです。
  • じっくり資料を読ませてもらいます。私たちも11日にはイオン前で宣伝活動を続けます。二度と原発事故はごめんです。

◆3/6 第47回口頭弁論 原告提出の書面

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【原告】裁判資料ーー今回の準備書面、意見陳述 → このページでは以下にリンクを掲載。
    前回までの準備書面、意見陳述は → こちらのページから。
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【原告】裁判資料ーー今回の証拠説明書と書証(甲号証)→ このページでは以下にリンクを掲載。
    前回までの証拠説明書と書証は → こちらのページから。
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甲660号証[3 MB] 池内了氏意見書(2024年12月19日)
甲660号証 証拠説明書[84 KB] 池内了氏意見書(2025年1月24日)
[第111準備書面][260 KB] 池内了氏意見書関連(2025年1月24日)
[第111準備書面(訂正書)][110 KB] 池内了氏意見書関連(2025年3月13日)
[第113準備書面][2 MB] 「寸法効果」に関する補充主張等(2025年2月12日)
[第114準備書面][66 KB] (2025年2月12日)

◆12/24 第46回口頭弁論の報告

京都地裁「大飯原発差止訴訟」第46回期日は12月24日に行われました。今回は、9月17日の赤松純平さん(元京都大学助教授、専門:地盤構造)の証人尋問のつづきで、被告側弁護士による反対尋問、原告側弁護士による再尋問が行われました。

赤松さんは、この訴訟が提訴されてから、ご専門の立場から、さまざまな意見書によって

(1)大飯原発の「基準地震動策定」において、1.原発敷地地盤構造の評価に合理性がないこと、2.地盤モデルに妥当性がないこと、3.基準地震動に妥当性がないこと、

(2)基準地震動による地盤のすべり安定性評価に問題があること

などの論点について意見をのべてこられました。

また、今回の証人調べにあたっても、「大飯原発敷地の地盤構造の評価について」「大飯原発の基準地震動について」「大飯原発の地震力に対する基礎地盤の安定性の評価について」「若狭湾地域で発生した地震の応力降下量について」「PS検艘におけるダウン・ホール法とサスペンション法の違いについて」等の意見書を提出されています。

9月17日の主尋問で、赤松さんは、これらの論点をもとに証言されました。今回の反対尋問で、これらの論点についてどのような反証が行われるのか、注目されました。

午前10時半に始まったこの日の尋問は、昼食休憩、午後の途中休憩をはさみ、午後4時半近くまで続きました。

反対尋問は、赤松さんの意見について論理的な反証をするものではなく、赤松さんの意見の根拠になる数値の根拠や算定方法について細かく問うというものでした。

すなわち、地盤構造を評価する場合の数値・データの取り方について赤松さんとは違う事例をいろいろ示しながら、赤松さんの数値・データの取り方に間違いがないかと問いただし、細部の「ミス」をみつけることで、論理全体に疑念があると主張しようとするものでした。

予備知識、専門知識が少ないうえに、手元に裁判資料を持っていない傍聴者にとっては、何が問題になっているのかわからない専門的・技術的なやりとりが続きましたので、理解できなかった点や聞き洩らしがあるとは思われますが、結局、反対尋問は関電の主張を押し付けるだけのものでしかなく、赤松さんの基本的な論点をくずすことは出来なかったようです。

このあと、原告側弁護士の再尋問が行われ、赤松さんの意見の内容を再確認していくものとなりました。

また、今回、裁判所からの質問が行われました。赤松さんの意見を裁判所としても無視できないものと受け止めていると感じさせられるものでした。

以上により、赤松さんの証人尋問が終りました。

次回、第47回期日は3月6日で、11月26日に証言された石橋克彦さんへの反対尋問が行われます。

私たちにできることは傍聴席を埋めることです。

次回も一日がかりの証人尋問ですが、ぜひ傍聴に来てください。

(文責:原 強)

◆11/26 第45回口頭弁論の報告

京都地裁の「大飯原発差止訴訟」第45回期日は11月26日(火)午後に行われました。

今回は、石橋克彦さん(神戸大学名誉教授、専門:地震学)の証人調べでした。

石橋さんは『大地動乱の時代』(岩波新書、1994年刊)などの著作物を通じて地震災害への備えを説いてこられました。とりわけ『阪神・淡路大震災の教訓』(岩波ブックレット、1997年刊)で、「原発震災」という用語で原発と地震の関連について警告されたことは今日においても注目すべきものです。

今回の証言でも、石橋さんは、地震学者としての研究、原発関連各種委員会等における調査・提言などをふまえて、2時間を超える証言をしていただきました。

証言内容は、事前に提出された「意見書」の内容にもとづくもので、主な論点はつぎのとおり。

●地震現象の基本的なこと地震とは「震源断層運動」であり、それがくりかえされた結果できあがる地形を作った「古傷」を「活断層」とよぶ。「活断層」は将来地震を引き起こすことが想定される。ただ、「活断層」がなくても地震がおきることもある。

●2024年能登半島地震が再提起した「原発と地震」の課題2024年能登半島地震は、日本海側では最大級の内陸地殻内地震で、活断層の連動によるものとされているが、地下の「地震発生可能断層帯」は一続きの長いもので、その一部や全体が動いて地震をおこし、別々に見える活断層を作っているとも考えられる。地震時地殻変動をとらえることは重要なことで、今回、100kmにわたって、4mもの隆起があったことは、海底活断層を推定するうえでも重視しなければならない。

●新規制基準と適合性審査の問題点原発について新規制基準による適合性審査が行われるようになったが、基準そのものの不備が少なくないうえ、審査が基準に違反している事例も見られる。「基準地震動」と「検討用地震の選定」に関わっての問題点が少なくない。川内原発の審査は問題を残した。海洋プレート内地震(スラブ地震)についての検討は重要なことであるが、十分な検討がされていない。

●大飯原発3、4号機の審査書の誤り大飯原発3、4号機の審査においても「検討用地震の選定」について南海トラフ巨大地震や海洋プレート内地震(スラブ地震)の影響についての考慮がされていないのは誤り。2024年能登半島地震で確認された隆起海成段丘と地震時地殻変動は「原発と地震」にとって重要な点であるが、この点でも不備、誤りがある。

●今後の広域地震活動と大飯原発日本列島はどこでも地震が起こる可能性がある。フイリピン海プレートの影響とともに、アムールプレート東縁変動帯として地震発生の場であることも注意すべきである。若狭湾とその周辺は歴史上複数の大地震が起こっており、海底活断層も複数知られていることから、近い将来の大地震を考える必要がある。なかでも小浜湾は「大地震空白域」であり、警戒すべきである。大飯原発の重大事故の影響はとても大きい。場所と時間を決めた地震発生予測ができない以上、予防原則に徹して、大飯原発の運転を停止すべきである。

(以上は、証言傍聴メモの不十分な部分を「意見書」で補ったものです)

今回の、石橋さんの証言についての反対尋問は2025年3月6日の予定です。

「大飯原発差止訴訟」は、2012年11月提訴以来、いよいよ最終段階を迎えています。

「原発回帰・推進」の流れが強まる中、「脱原発」の声を大きく広げる必要があります。「大飯原発差止訴訟」についてひきつづき注目していきたいと思います。

(文責:原 強)

◆11/26 第45回口頭弁論 原告提出の書面

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【原告】裁判資料ーー今回の準備書面、意見陳述 → このページでは以下にリンクを掲載。
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【原告】裁判資料ーー今回の証拠説明書と書証(甲号証)→ このページでは以下にリンクを掲載。
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[第109準備書面][289 KB] 石橋克彦氏意見書に基づく主張(2024年10月7日)
証拠申出書[133 KB] 石橋克彦氏(2024年10月15日)
甲第658号証 証拠説明書[119 KB] 石橋克彦氏意見書(2024年10月7日)
甲第658号証[3 MB] 石橋克彦氏意見書(2024年10月7日)
甲第659号証 証拠説明書[192 KB] 石橋克彦氏意見書(2024年10月31日)
甲第659号証[15 MB] 尋問用資料集(番号付き)

◆10/29 第44回口頭弁論の報告 ~救援新聞より

  • 救援新聞 京都版No.1534 2024年11月5日
    橋本宏一(日本国民救援会京都府本部 事務局長)

「ふるさとなくすのは私たちだけに」
大飯原発差止京都訴訟で証人尋問

福井県の大飯原発の稼働停止と損害賠償を求めて、京都などの住民3,477人が関西電力と国を相手に起こした訴訟の、第44回口頭弁論が、10月29日京都地裁(第6民事部合議係齋藤聡裁判長)101号法廷で開かれました。この日の法廷では約60人の傍聴者が見守る中、2人の証人と1人の原告が証言台に立ち、東京電力福島第一原発の事故による被害の実相を証言、「ふるさとをなくすのは私たちだけにしてほしい」などと、原発の稼働停止を訴えました。尋問の原告代理人弁護士と証言者、証言要旨は次の通りです。

大河原壽貴弁護士―國分(こくぶん)富夫さん

事故当時、原発から15キロ離れた南相馬市で暮らしていた。大きな揺れの地震を外で感じ家に帰ると妻は家の隅で固まっていた。その後孫が帰宅。津波が家の数10メートルのところまで押し寄せてきていた。原発の水素爆発をみて避難を考えた。近所の人たちは「15キロ離れているから大丈夫」といったが、私はとっさに危険を感じた。南相馬市小高地区に原発をつくる計画がもちあがったとき、反対同盟を結成して活動してきた。息子の妻の実家に集まろうと避難。イオンモールで必要なものを買って行こうとしたらものがほとんどない。次女は南相馬市の職員で対策の仕事があり避難できない。その後、避難は福島市へ。ホテル探すがどこも一杯、避難所の校庭に車を停めて車中泊をした。避難が早かったので渋滞に遭わなかった。子どもたちの未来を考えたら放射線被ばくが恐ろしい。次に息子の友人のいる会津若松市へ移動。雪が残っていて、大変寒い。さらに南会津へ移動。空き家で過ごした後、借り上げ住宅に移り、南相馬の借り上げ住宅に入れた。次女は体育館の避難対策で働くうちうつ病になり退職せざるを得なくなった。私は市内小高町の生まれで多くをここで暮らしている。近所の人たちと流しそうめんをしたり、花火大会を楽しんだりした。そんな環境がすべて失われた。住まなくなった家は人が入ったあと(空き巣)もあり、荒れて朽ちている。とうとう解体した。基礎を打ち、山から材木運んでつくった家だ。今は、100人で避難者訴訟の原告副団長も務める。バラバラになった仲間のコミュニティとして「相双の会」を立ち上げて活動している。同じ悩みや苦しみを語り合い、会報も発行しているし、会合ももっている。郡山の会合では泣きながら分かれた。1万人いた町に3800人程が帰っているがこの先は無理。放射線量を測定しているが、非常に高いところもあり、草木に含まれて大雨も降るので危険だ。農業はあきらめている。秋はきのこ、春は山菜をとりにいった山は荒れ放題だ。原発をつくるのに反対してきたが、反対した人のほとんどは亡くなった。当時を知る人は「おまえたちの言ってきたことは間違っていなかった」という。地域の自然を壊したのは原発。人のつくったもので壊れないものはない。大飯原発も同じ。事故起きれば取り返しのつかないことになる。

大島麻子弁護士―三瓶(さんぺい)春江さん

原発から30キロの浪江町内で暮らしていて事故にあった。戦後間もない入植。姉は看護師で津島診療所勤務、妹は川俣町へ嫁いだ。長男は自衛隊で福島にいたが除隊した。私は、会社員だったが結婚して夫の手伝いで内職をするようになった。ワラビ、ぜんまい、マツタケなどをよくとってきた。母は野菜づくりをしていて、父母と近所の人たちは毎日交流し、子どもたちの運動会もあった。原発事故でそれが全く変わってしまった。避難者は集会場へ集まり、うちからは調味料や食器を持参した。そのあと原発が水素爆発、避難は当初考えなかった。30キロ離れていたから危険ではないとのことだった。しかし、皆さんが自主避難を始めたので考えた。母方のオバが住む二本松へ避難。これには2人の兄が反対「国が見殺しにするはずがない。危険なら連絡があるはずだ」という。孫たちを守らなくてはと話し合うが変わらず、自分は避難すると決めた。結局、夫は宮城、両親は福島、長男と子どもは郡山、私は田村市と家族バラバラに避難した。避難先では避難者であることを黙っていた。わかるといじめにあうからだ。車を傷つけられたりもした。友人も離れ離れで、結婚にも影響。息子は結婚していない。自宅は帰還困難区域で、除染もされず荒れたまま。屋根が腐って天井にも穴があいている。楽しくバーベキューをしたところもその面影もない。寺には墓があり毎回お参りするが子どもは被ばくの恐れがあるので立ち入り制限がある。建物、給食施設、雑貨店など街そのものが破壊されたままだ。除染もされないまま、放置されている。元に戻して欲しい。原発事故さえなかったらこんなことにはならなかった。ふるさとをなくすのは私たちだけにして欲しい。私たちの訴訟では裁判官が現場を見に来るという。見ないと判決は書けない。それによって判断してもらいたい。人災は止めることができる。被害の訴えを聞く司法があれば希望がもてる。

福山和人弁護士―福島敦子さん(原告本人)

事故当時、南相馬市で小学生の娘2人と3人で暮らし、下水処理会社で働いていた。3月12日の原発1号機の爆発を市の防災無線で知り避難しなければと思った。学生時代チェルノブイリ原発事故の知識を得ていたので。ほぼ着の身着のまま車避難した。川俣町の警察駐車場で車中泊。ガソリンがなくなるのでエアコンもつけず、寒さに耐えた。そこから福島市役所へ移動し避難所へ。避難所ではポリ袋のご飯、衣類も足りない。寝具の代わりに新聞紙で寝たこともある。鼻血が出た。事故の影響を考えた。子どもたちを被ばくさせたくないとの思い、不安とストレスがたまり、京都の友人より府が支援をしていると連絡してくれたので京都への避難を決めた。木津川市へ移住した。子どもには甲状腺嚢胞がみられ、私も、その後脳腫瘍がみつかるなど、放射線の影響とみられる症状が出ている。父は南相馬市の病院で母にみとられ前立腺がんで亡くなった。親の死に立ち会えなかった。私は2018年、PTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断された。東電や国の対応にストレスがたまった。分断されたままだが、放射線量の高さから帰ることは考えていない。去年の今頃測ったが毎時1ミリシーベルトを超えている。一番気にしているのは娘たちが被ばくしないようにすること。2011年4月5日避難したが、子どもたちを始業式に向かわせたかった。京都府の職員に支えられてきた。避難者は心を病んでいる人も多い。避難してきたところで再び事故に遭わないよう大飯原発の停止にも声をあげた。公正な判断を出していただきたい。

次回口頭弁論は、11月26日(火)午後2時から、石橋克彦氏の証人調べ

◆10/29 第44回口頭弁論 原告提出の書面

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【原告】裁判資料ーー今回の準備書面、意見陳述 → このページでは以下にリンクを掲載。
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【原告】裁判資料ーー今回の証拠説明書と書証(甲号証)→ このページでは以下にリンクを掲載。
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甲第657_17号証 「最新技術で”新事実”判 明 原発爆発”黒い煙”の正体は?」(日本テレビ 2021年3月11日放送「未来へのチカラ」より) (2024年9月4日)
甲第657_17号証 証拠説明書[36 KB] 証人 三瓶春江氏関係 (2024年9月4日)
甲第657_18~20号証[26 MB] (2024年10月9日)
甲第657_18~20号証 証拠説明書[50 KB] 証人 三瓶春江氏関係追加分 (2024年10月9日)

◆9/17 第43回口頭弁論 原告提出の書面

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【原告】裁判資料ーー今回の証拠説明書と書証(甲号証)→ このページでは以下にリンクを掲載。
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赤松氏の尋問で示す資料の特定について[76 KB] (2024年9月5日)
甲第655_7号証[34 MB] 赤松純平証人尋問資料 (2024年9月17日)
甲第655_7号証 証拠説明書[36 KB] 証人 赤松純平関係 (2024年9月20日)
上申書[72 KB] 2024年12月24日予定の赤松氏反対尋問の進行について (2024年9月20日)