[NEW]◆関西電力 闇歴史◆119◆

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◆関電が「使用済み核燃料の県外搬出に向けたロードマップ」の
 実効性のある見直しをできない以上、老朽原発は止めるべき!
 2024年度末までが見直しを約束した期限のはず!
 【付 福井県議会あて陳情書(老朽原発うごかすな!実行委員会)】

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▼2023年10月のロードマップ…実効性のなかったことは明白。
(関西電力が示した「使用済み核燃料の県外搬出に向けたロードマップ」、関電資料

▼破綻した上記ロードマップに代わる2025年2月のロードマップ…これに実効性があるのか。
(関西電力が示した「使用済み核燃料の県外搬出に向けたロードマップ」、関電資料

 関西電力は「使用済み核燃料の中間貯蔵候補地を福井県外に探す」と何度も福井県と約束しながら、全てを反故にしています。2024年8⽉に再処理工場の完成延期が発表され「工程表=ロードマップ」は完全に破綻しました。関電は「2024年度末までに実効性のある工程表の⾒直しができなければ老朽原発を止める」としています。2025年2月に再提出されたロードマップも、前回同様に実効性はありません。関電は約束どおり、冷却系配管の腐食、減肉、圧力容器の脆化が進んだ危険極まりない老朽原発を即時停止すべきです。

【参考】関電「使用済燃料対策ロードマップ」に実効性なし
 ・末田一秀さんによるyoutube解説
【参考】3/31(月)使用済み核燃料の行き場はないぞ 関電は約束まもれ!美浜集会
 ・時間…13:00~、集会後に町内デモ(~15:30)
 ・場所…関電原子力事業本部前(福井県美浜町/JR美浜駅から徒歩3分)
 ・主催…老朽原発うごかすな!実行委員会

◆114◆ 関電のロードマップが破綻!
◆012◆ 関電の中間貯蔵施設をめぐる動き
(16) 関電は福井県内に使用済み核燃料の中間貯蔵施設「乾式貯蔵施設」の建設へ(2024年2月)
(13) 関電の「使用済み核燃料の県外搬出に関するロードマップ」(2023年10月)
(12) 上関町に中間貯蔵施設を(2023年8月)
(8) 電事連「むつ市の中間貯蔵施設を全国の電力会社で共同使用」を検討
(7)~ 杉本達治 知事(2019年~)
(3)~(6) 西川一誠 知事(2003~2019年)のとき
(1)~(2) 栗田幸雄 知事(1987~2003年)のとき

 以下、2025年2月12日に「老朽原発うごかすな!実行委員会」が福井県議会に提出した陳情書が、その場しのぎの空約束と約束反古を繰り返している関電の姿を明らかにしています。なお、同実行委は、3月31日に「使用済み核燃料の行き場はないぞ 関電は約束まもれ!美浜集会」を予定しています。

 関電の森望社長は「本年度末(2025年3月末)までに実効性のある新たな(使用済み核燃料対策)工程表を提示できない場合には、40年超運転の原発3基の運転は実施しないという不退転の覚悟で臨みます。」と言明しています(2024 年9 月5 日)。

【付 福井県議会あて陳情書】

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福井県議会議長
宮本 俊 様

老朽原発うごかすな!実行委員会
連絡先;木原 壯林(090-1965-7102)

陳情書

 「使用済み核燃料の県外搬出に関するロードマップ」の実効性のある見直しができない関西電力(関電)に、危険極まりない老朽原発の廃炉を実行するよう求めて下さい

 県議会議長、県議会議員の皆様には、弛まぬ福井県政へのご尽力に、敬意を表します。

 さて、関電は、1昨年10月10日、使用済み核燃料の福井県外搬出に関するロードマップを発表し、杉本達治福井県知事は、わずか3日後にこれを容認しています。関電は、このロードマップの中に、青森県の核燃料再処理工場の活用、中間貯蔵施設の確保を盛り込み、いかにも近々使用済み核燃料の福井県外搬出が可能であるかのように見せかけています。

 しかし、このロードマップは、日本原燃が、昨年8月23日、「核燃料再処理工場の完成目標を2026年度内に変更する」と、27回目の完成延期(約2年半)を表明したことによって破綻しました。

 それでも、関電の森望社長は開き直って、9月5日、杉本福井県知事と面談し、使用済み核燃料の県外搬出に向けた「ロードマップ」を、「本年度末までに見直す。実効性のある見直しができない場合、高浜1、2号機、美浜3号機を運転しない」と述べています。しかし、現在までに、「使用済み核燃料の行き場」に関して、その場しのぎの空約束と約束反古を繰り返してきた関電の言動は、信用できるものではありません。今回も「使用済み核燃料のフランスへの搬出を若干上乗せする」などの小手先の奇策で誤魔化すと危惧されます。

 なお、再処理工場の稼働は極めて困難であること、例え稼働したとしても過酷事故の確率が高いことは、多くが指摘するところです。また、関電は、再処理できない高燃焼度の使用済み核燃料および使用済みMOX燃料も抱えています(これらは、今後増大します)。

 したがって、使用済み核燃料の行き場はなく、福井県内に永久あるいは長期保管される可能性は大と言わざるを得ません。関電は、約束通り老朽原発・高浜1、2号機、美浜3号機の廃炉を実行し、使用済み核燃料の発生源・原発の全廃に向かうべきです。

 このような状況に鑑み、福井県議会に以下を陳情いたします。

陳情項目

[1]関電に、「本年度末までに、ロードマップの実効性のある見直しができない場合、高浜1、2号機、美浜3号機を運転しない」との約束を即時履行させてください。このとき、「実効性のある見直し」とは、「関電の保有する、あるいは今後発生させる使用済み核燃料の全ての県外搬出が見通せるもの」であることです。

[2]関電は、「使用済み核燃料の搬出の円滑化」を口実に「乾式貯蔵施設」を建設しようとしています。しかし、今までの搬出の実績からして、「乾式貯蔵施設」はなくても、使用済み核燃料は搬出できます。「乾式貯蔵施設」の建設は、永久あるいは長期福井県内貯蔵への道を開くことになりかねません。「乾式貯蔵施設」の建設を認めないでください。

[3]高浜原発1号機は運転開始後すでに50年を超え、高浜2号機、美浜3号機も、もうすぐ50年超えの「超老朽原発」です。老朽原発では、圧力容器の脆化、配管の腐食、減肉、電源ケーブルの劣化が進んでいます。また、老朽原発には、建設時には適当とされたが、現在の基準では不適当と考えられる部分が多数ありますが、全てが見直され、改善されているとは言えません。例えば、地震の大きさを過小評価していた時代に作られた構造物の中で交換不可能なもの(圧力容器など)があります。関電に、危険極まりない「超老朽原発」の即時廃炉を求めて下さい。

[4]私たち「老朽原発うごかすな!実行委員会」は、福井県内だけでなく、関西、中部など全国の会員で成り立っています。そこで、福井県外の住民の立場から、福井県議会に以下をお願いいたします。

 原発および使用済み核燃料保管施設が過酷事故を起こせば、その被害は、福井県内だけでなく、広く関西、中部などにおよぶことは、福島原発事故の教訓から容易に推測されます。例えば、京都府や滋賀県の大部分は若狭の原発から70km以内にあり、高浜原発、大飯原発は福井県庁のある福井市より近距離にあるのみならず、特に冬場は、若狭の風下になります。
 したがって、福井県議会や福井県知事の決断は、福井県外の多くの住民の命と生活に関わります。福井県議会は、周辺府県の住民の「原発のない、自然エネルギーのみで成り立つ社会」を求める声にも十分に耳をお貸し下さい。

2025年2月12日

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