◆関西電力 闇歴史◆114◆

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◆六ヶ所再処理工場が27回目の完成延期で
 2026年度に使用済み核燃料を搬出するという関電のロードマップが破綻!
 関電はまたも、その場しのぎの「不退転の覚悟」!
 【付 緊急声明–老朽原発うごかすな!実行委員会】
  使用済み核燃料に関して約束反古を繰り返す関電が、またも詭弁!
  老朽原発即時停止を求めよう!

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■ 2023/10/13【使用済み核燃料の県外搬出計画の工程表に合意】

・福井県は、運転開始から40年を超える老朽原発の再稼働の条件として、関西電力が10/10に示した使用済み核燃料の県外搬出計画の工程表(→こちら)に同意した。「2026年度から青森県六ヶ所村の再処理工場に搬出を始める」ことを軸にしている。

・福井県知事の同意は、提示からわずか3日後に容認している。県民の声を聞こうとしない姿勢が、あまりにも明らか。

・その内容についても、当時から「再処理工場が予定通り完成しなかった場合はどうするのか」「使用済み核燃料の保管の長期化につながり、最終処分場になるのでは」との強い懸念が示されていた。

・関電は「使用済み核燃料を安全に保管し、円滑に搬出するため」「乾式貯蔵施設を新設しても、原則として使用済み核燃料の全体の貯蔵容量は増やさない」「計画通り完成させるのが最重要課題」「完成に向けて一生懸命頑張っている」。

・使用済み核燃料の県外搬出計画の工程表について、詳しくは
 ◆関西電力 闇歴史◆012◆
【付 関電の使用済み核燃料搬出計画(2023年10月)】

■2024/2/8【関電が「乾式貯蔵施設」の設置へ】

・福井県内にある全ての原発の敷地内に使用済み核燃料を一時保管するための「乾式貯蔵施設」を設置する計画に対する了解を求めて、福井県、美浜町、おおい町、高浜町に事前了解願を提出。2025年の着工を目指すとし、高浜原発で最大32基(使用済み核燃料768体分:2027年の運用予定)、大飯原発で最大23基(同552体:2030年の運用予定)、美浜原発で最大10基(同210体:2030年の運用予定)の計65基(1530体)のキャスクを有する乾式貯蔵施設を計画。

■2024/3/15【福井県が「乾式貯蔵施設」の審査申請を了承】

・この事前了解願に関して、福井県は、設置に向けて国に審査を申請することを了承し、関電は同日、原子力規制委員会に審査を申請。

■ 2024/8/29【六ヶ所再処理工場が27回目の完成延期】

・2024年9月末の完成を目標としていた六ヶ所再処理工場について、日本原燃は、27回目となる完成延期を発表、完成時期を2026年度中とした。これにより、2026年度に使用済み核燃料の搬出を始めるとしていた関電のロードマップは破綻。

・2024/8/29、宮下宗一郎 青森県知事「27回目の延期 着工から約30年ということで こうして新しい工程を示してもらっても直ちに信頼することはできない」

・再処理工場の完成延期について、詳しくは
 ◆関西電力 闇歴史◆003◆ 付(2)
【付 (2) ◆核燃料サイクルとその破綻–六ヶ所再処理工場の完成延期 】

■ 2024/8/30【関電が工程表の遅れを福井県に報告】

・関西電力は、福井県に対し2026年から開始するとしていた使用済み核燃料の県外搬出計画に、遅れが生じると報告。

・2023年10月の計画提示後、わずか1年足らずで変更せざるを得なくなった。その理由も、当初から強く懸念されていて、言い訳は通用しない。口から出任せ、その場しのぎを繰り返す関電の経営姿勢がまたも明らかになった。

・再処理工場の完成延期を受け、関西電力の水田仁 原子力事業本部長と資源エネルギー庁の山田仁 調整官が県庁を訪れ、鷲頭美央(わしず・みお)副知事に搬出計画の実行が遅れると報告。

・水田原子力事業本部長「できるだけ速やかにロードマップの見直しに着手するとともに、今後公表される日本原燃の再処理計画を反映した上で、ご報告させていただきます」。

・鷲頭副知事「計画通り搬出できなくなったということは、2023年10月の県との約束に反するもの。関西電力は2023年のロードマップを策定する前の議論に立ち返って『不退転の覚悟』を示すべき」として、これまで関電が幾度となく繰り返してきた発言を引き合いに出し、原発の稼働停止も視野に「確実に実行できる搬出計画の提示」を強く求めた。

■ 2024/8/31【福井県は使用済み核燃料の県外搬出計画の合意を否定】

・福井県の杉本達治 知事「大変遺憾。昨年10月の工程表の合意はなくなった」

■ 2024/9/5【関電が「不退転の覚悟」を表明】

・関西電力の森望社長は、福井県の杉本知事に「使用済み核燃料の県外搬出のロードマップを2024年度末までに見直して提示する」「万が一、この見直しができない場合は運転開始から40年を超える県内の原発3基、美浜3号機、高浜1、2号機の運転は実施しないという不退転の覚悟で臨みたい」
・杉本知事「福井県と関西電力との信頼関係に関わる重大な問題で極めて遺憾。(ロードマップを)年度末と言わず、出来るだけ早く示して欲しい」
・杉本知事「(昨年10月に工程表とともに関電が約束した立地地域の地域振興について)何ら目に見える形で進んでいない。具体的な内容や必要な財源を早期に明示するよう」

■ 2024/9/6【乾式貯蔵施設の設置について】

・杉本知事「実効性のある内容でなければ乾式貯蔵施設の設置について事前了解をしない」
・杉本知事「(工程表の実効性の考え方について)基本は使用済み核燃料の搬出容量が継続的、安定的に確保されること。ただ出てくればいいのではない」

■ 2024/9/6【経産省は関電に厳しく指導すると表明】

・齋藤経産相「工程表の見直しが必要な状況となったことは大変重く受け止めている。関西電力に対しては実効性のあるロードマップを提示するよう厳しく指導する」

■ 2024/9/7【経産省は言葉だけ】

・河本猛さん(美浜町議会議員)「過去の経過を見ると経産相が一番甘いこと言って、福井県知事を説得して原発を継続運転させてきたのに、こんな時だけ関電を厳しく指導っておかしくない。これまでお墨付きを与えてきたのは経産省なんだから、厳しく指導するなんてのは言葉だけですね。
経産省こそ、使用済み核燃料、中間貯蔵施設、最終処分場、再処理工場、核のゴミ問題を先送りするなよ!原発止めろ!」

■ 2024/9/9【福井県議会にて】

・力野県議会議員「ロードマップを示すまで、福井県が納得するまで、直ちに3基を停止するべき」
・野田県議会議員「大手電力会社として責任の取り方が甘いんじゃないか」

【付 緊急声明–老朽原発うごかすな!実行委員会】

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緊急声明
使用済み核燃料に関して約束反古を繰り返す関電が、またも詭弁!
老朽原発即時停止を求めよう!

老朽原発うごかすな!実行委員会・木原壯林

 日本原燃は、8月23日、核燃料再処理工場(青森県)の完成目標を2026年度内に変更するとした、27回目の完成延期を表明しました。
 これを受けて、関西電力青関電の県望社長は、9月5日、杉本達治福井県知事と面談し、関電の原発でたまり続けている使用済み核燃料の外搬出に向けた「ロードマップ」(昨年10月発表)を、「本年度末までに見直す。実効性のある見直しができない場合、老朽原発・高浜1、2号機、美浜3号機を運転しない」と述べました。またも、原発全廃を求める多くの人々の心情を蹂躙する、白々しい詭弁です。森社長は、美浜町、おおい町、高浜町も訪れ、同様な面談を行っています。関電が倫理のかけらでも持ち合わせる企業であろうとするなら、2021年の約束(下記参照)を完全履行し、直ちに老朽原発を停止するのが当然です。

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 関電は1996年に「使用済み核燃料は福井県外に搬出する」と、当時の福井県知事に約束しました。青森県の再処理工場が稼働すれば、青森県に搬出できると楽観しての約束でした。しかし、1997年に予定されていた再処理工場の稼働は、延期を重ね、未だに稼働の見通しは立っていません。そのため、関電は「福井県外に中間貯蔵地を探す」という約束の反古を繰り返しています。

 2021年、関電は、福井県知事に「使用済み核燃料の中間貯蔵地を2023年末までに福井県外に探す。探せなければ老朽原発を停止する」と約束しましたが、未だに候補地を見出すことはできていません。老朽原発・美浜3号機、高浜1、2号機の再稼働への福井県知事の承認を得るための空約束でした。

 切羽詰まった関電は、昨年6月、使用済み燃料の一部(約200トン)を、電気事業連合会が行うMOX燃料再処理実証試験に供するために、フランスに持ち出す計画を示し、「県外に搬出されるという意味で、中間貯蔵と同等の意義がある」としました。しかし、搬出量は、福井県内の原発で保管する使用済み核燃料の5%程度で、搬出予定も今すぐでなく、2020年代の後半です。

 さらに、関電は中国電力と結託して、昨年8月、唐突に中間貯蔵地建設のための調査を上関町に申し入れました。原発建設に反対する住民の心情を逆なでにし、希少な瀬戸内海の生態系を破壊し、漁民のなりわいを奪おうとするものです。関電の原発電気を消費したことも作ったこともない上関や青森県に、交付金をチラつかせて、中間貯蔵を押し付けることがあってはなりません。
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 関電は、このように「何の成算もなく空約束し、約束を反古にしても、その口を拭うために小手先の策を弄した詭弁でさらに人々を欺く企業」です。

 使用済み核燃料の行き場に関して、福井県から説明を求められた関電は、昨年10月10日、「使用済み核燃料に関するロードマップ」を発表しましたが、これによって、関電の使用済み核燃料をめぐる情勢は一転しました。このロードマップで、関電は、再処理工場の活用、中間貯蔵施設の確保を盛り込み、いかにも近々使用済み核燃料の福井県外搬出が可能であるかのように見せかけていますが、いずれも実現の可能性はない「絵に描いた餅」です。

 それでも、関電は「使用済み核燃料搬出の円滑化のために原発構内に乾式貯蔵施設の設置を検討する」とし、福井県内での乾式貯蔵への布石をしました。関電の燃料プールは3~6年後に満杯になって、原発を停止せざるを得なくなるため、プールに空きを作ろうとする詭弁です。福井県知事は、わずか3日後にこれを容認しました。「原発の運転継続ありき」の出来レースです。

 関電は、本年2月8日、福井県内にある全ての原発の敷地内に使用済み核燃料を一時保管するための「乾式貯蔵施設」を設置する計画に対する了解を求めて、福井県、美浜町、おおい町、高浜町に事前了解願を提出しました。来年の着工を目指すとし、高浜原発で最大32基(使用済み核燃料768体分:2027年の運用予定)、大飯原発で最大23基(同552体:2030年の運用予定)、美浜原発で最大10基(同210体:2030年の運用予定)の計65基(1530体)のキャスクを有する乾式貯蔵施設を計画しています。この事前了解願に関して、福井県は3月15日、設置に向けて国に審査を申請することを了承し、関電は同日、原子力規制委員会に審査を申請しました。

 使用済み核燃料の福井県内「乾式貯蔵」を許してはなりません。
 何としても、関電と福井県に2021年の約束を履行させ、全ての老朽原発を廃炉に追い込みましょう!

2024年9月6日

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