◆報告とお礼~11.17「MOX 燃料搬入抗議!緊急現地行動」に早朝から約30 人

 去る9 月8 日にフランスを出港したMOX 燃料は、11 月17 日(水)午前8 時前に高浜原発に到着しました。

 原発は事故確率の高い装置ですが、MOX 燃料を使用してプルサーマル運転すれば、以下のような理由で、重大事故の確率がさらに高くなります。

①燃料被覆管が破損しやすい。例えば、酸素と結合し難い白金族元素が生成しやすく、余った酸素が被覆管を腐食します。また、核分裂生成物ガスとヘリウムガスであるアルファ線の放出が多く、燃料棒内の圧力が高くなり、被覆管を破損させやすくなります。

②MOX 燃料では、中性子を吸収しやすいアメリシウムの生成量が多く、原子炉の運転や停止を行う制御棒やホウ酸の効きが低下します。

③核燃料の不均質化(プルトニウムスポットの生成)を招きやすい。

④MOX 燃料では、中性子束(中性子密度)が大きく、高出力で、過渡時(出力の増減時)に原子炉の制御が難しくなる。

⑤使用済みMOX 燃料の発熱量は、ウラン燃料に比べて下がり難い。そのため、使用済みウラン燃料の4 倍以上も長期にわたって燃料プール内で水冷保管しなければ、空冷保管が可能な状態になりません。燃料保管プールが脆弱であり、冷却水を喪失しやすいことは、福島原発4号機のプールが倒壊寸前であった事実からも明らかです。

 なお、高浜原発では現在、3 号機で20 体、4 号機で16体のMOX 燃料が使用されていて、両機ともに、最大40 体までの使用が認可されています(全燃料体は157 体)。現在MOX 燃料を使用して、プルサーマル運転を行っている原発は、玄海3 号機(2009 年から)、伊方原発3 号機(2010 年から)、高浜原発3 号機(2011 年から)、4 号機(2016 年から)の4 基です。

「老朽原発うごかすな!実行委員会」の呼びかけに応えて、関西、福井から結集した約30 人は、17 日の早朝・6時頃より、高浜町の音海地区最先端の駐車場で、危険きわまりないMOX 燃料の搬入への抗議行動を展開し、その後、8 時過ぎに高浜原発北ゲートから300 m の「展望所」に移動し、北ゲートに向かってデモ行進の後、ゲート前で抗議集会を行いました(10 時頃まで)。

ご参加、ご支援くださいました皆さん、
ありがとうございました。

2021年11月20日

老朽原発うごかすな!実行委員会
連絡先・木原(090-1965-7102)



▲2021 年11 月18 日 毎日新聞朝刊

▲2021年11月18日 中日新聞朝刊



▲2021年11月18日 福井新聞朝刊


▲2021 年11 月18 日 日刊県民福井朝刊


11.23-11.27
「老朽原発このまま廃炉リレーデモ」、
12 月5 日
「老朽原発このまま廃炉!大集会in おおさか」
ご支援、ご参加を!

 危険きわまりない老朽原発・美浜3 号機は、特重施設の設置が期限(10 月25 日)に間に合わなかったため、僅か3ヶ月の営業運転で、10 月23 日、停止に追い込まれました。しかも、この原発は、短期間の運転の間に、二度も重大なトラブルを起こしています。

①稼働して間もない7 月2 日には、事故時に蒸気発生器に給水するポンプに大きな圧力がかかる異常を発生させています。関電は、「ポンプ入り口にある金属製のフィルターに鉄さびが詰まったことが原因」としています。多量の鉄さびは、今後も、配管破損や目詰まりを引き起こしかねません。このトラブルは、老朽原発を全国に先駆けて動かそうと準備してきたにもかかわらず、鉄さびによるフィルターの目詰まりにも気づかなかった関電と規制委員会のいい加減さを物語ります。

②10 月6 日には、非常用ディーゼル発電機で、回転異常を示す警報が作動し、自動停止したと発表されました。この発電機は、地震などで外部電源の供給が途絶えた時に、自動的に起動して安全上重要な機器を作動させるためのものですから、少なくとも、修理が完了するまでは、原発を停止するのが企業倫理であり、規制基準でも定められていることです。それでも関電は、もう1 台の発電機が正常に作動することが確認できたとして、3 号機の運転を続けました。許されることではありません。

 ところで、10 月23 日に停止した美浜3 号機の特重施設の完成には約1 年を要するといわれています。一方、特重施設の設置が期限の6 月9 日に間に合わず、当面の再稼動を中止した老朽原発・高浜1、2 号機の特重施設の完成は早くても2023 年5 月、6 月頃といわれています。しかし、これらの老朽原発は、特重施設の完成後に再稼働されたとしても、2023 年末には停止に追い込まれる可能性が大です。それは、関電は「使用済み核燃料の県外中間貯蔵地を2023 年末までに探せなければ、老朽原発を停止する」と明言していますが、中間貯蔵候補地探しは至難であるからです。老朽原発停止を突破口に原発全廃に向かって大きく前進する好機です。

 ただし、10 月初めに誕生した岸田政権は、原発推進内閣、核依存内閣です。炭酸ガス排出削減を口実にして、原発の60 年運転の推進を掲げるだけでなく、80 年運転への道を開こうとしています。また、新型小型原子炉や核融合の開発を画策し、核燃料サイクルを推進しようとしています。これらの策動を葬り去るためにも今は正念場です。

 老朽原発の運転停止に追い討ちをかけ、「老朽原発このまま廃炉」を勝ち取り、原発全廃へと前進しましょう!

 「老朽原発うごかすな!実行委員会」は、1600 人が結集した昨年9 月6 日、1300 人が結集した本年6 月6 日の「老朽原発うごかすな!大集会in おおさか」をさらに拡大し、来る12 月5 日に、大阪市西区のうつぼ公園で、「老朽原発このまま廃炉!大集会in おおさか」を開催し、10 月23 日(美浜3 号機停止日)~12 月4 日を「老朽原発このまま廃炉!キャンペーン期間」として、老朽原発廃炉に向けて「やれることは全てやる」ことを決定しています。

(12.5 大集会、IWJ によって全国に中継されます。)
 なお、「10.23 – 12.4 老朽原発このまま廃炉!キャンペーン期間」に協賛する50 以上の行動が関西、福井をはじめ全国ですでに展開され、あるいは企画されています。

 行動の一つは、11 月23 日(火、休)~27 日(土)に以下の行程で実施される高浜-美浜リレーデモです。ご参加をお願いします。

・11 月23 日(火、休)11 時30 分に高浜原発北ゲートから約300 m 先の展望所に集合、デモで北ゲート前に向かい、抗議行動(12 時30 分まで)。高浜町役場まで車で移動。13 時30 分に町役場前で簡単な抗議行動の後、デモ出発。16 時頃にJR 和田駅着。

・11 月24 日(水)10 時におおい町役場からデモ出発。尾内まで。昼食後、小浜公園まで車で移動し、13 時30分にデモ開始、15 時30 分頃にJR 小浜駅着。

・11 月25 日(木)10 時にJR 東小浜駅からデモ出発。国道27 号線の一筋山側の道の国分付近まで。昼食後、国道27 号線天徳寺前信号付近まで車で移動し、13 時30 分にデモ開始、15 時頃に三宅の神社前着。

・11 月26 日(金)10 時に道の駅「若狭熊川宿」からデモ出発。関、瓜生を経て、農村総合公園で昼食後、同公園から13 時にデモ出発。JR 十村駅まで。相田付近まで車で移動し、15 時頃に相田からデモ出発。16 時頃にJR 三方駅着。

・11 月27 日(土)10 時にJR 美浜駅集合。車で移動し、10 時20 分に久々子西端からデモ出発。JR 美浜駅まで。昼食後、13 時に美浜駅からデモ出発。関電原子力事業本部前で40 分程度の抗議行動の後、デモを継続し、15 時30 分頃に佐柿の若狭国吉城跡付近着。リレーデモ終了。

 12.5「老朽原発このまま廃炉!大集会in おおさか」「10.23 – 12.4 老朽原発このまま廃炉!キャンペーン行動」で老朽原発全廃を!

 原発の40 年超え運転を阻止すれば、2033 年に若狭から、2049 年に全国から稼働する原発がなくなります。老朽原発廃炉を突破口に、原発のない、人の命と尊厳が大切にされる社会を実現しましょう!


2021年11月20日老朽原発うごかすな!実行委員会
連絡先・木原(090-1965-7102