◆危険すぎる老朽原発・美浜3号機、高浜1、2号機の即時廃炉を!関電本店(大阪市)~原子力事業本部(美浜町)200 km リレーデモ 出発宣言

危険すぎる老朽原発・美浜3号機、高浜1、2号機の即時廃炉を!
関電本店(大阪市)~原子力事業本部(美浜町)200 km リレーデモ

出発宣言

 福島原発事故から10年近くになりますが、避難者の多くは今でも故郷を奪われたままです。事故収束の見通しは立たず、トリチウムなどの放射性物質を含む大量の汚染水が太平洋にたれ流されようとしています。原発は、事故確率の高さ、事故被害の深刻さ、事故処理や使用済み核燃料処分の困難さなど、現在科学技術で制御できる装置ではありません。その原発が老朽化すれば、危険度が急増することは多くが指摘するところです。
 
 それでも、関電は運転開始後44年、45年を超えた老朽原発・美浜3号機、高浜1、2号機の再稼動を画策し、全国の原発の60年運転を先導しようとしています。
 
 さて、原子力規制委員会が、これらの老朽原発の運転を認可したのは2016年ですが、認可以降に、関電の原発に関連して、高温、高圧の1次冷却水が流れる蒸気発生器配管の損傷などのトラブル、再稼働準備工事中の死亡を含む人身事故、原発マネーに係わる不祥事が頻発しています。一方、関電は「使用済み核燃料の中間貯蔵施設候補地を2018年までにさがす」としながら、その約束を反故(ほご)にしたままです。これらは、認可の過程では想定されなかったものばかりです。原発の40年超え運転が、人の命や尊厳、企業倫理をないがしろにして画策され、無責任な規制委員会がそれを認可していることを示しています。
 
 美浜原発、高浜原発から100 km 圏内には、76万人が住む福井県のみならず、257万人が住む京都府、141万人が住む滋賀県のほぼ全域、198万人が住む岐阜県の西半分が含まれます。大阪府、兵庫県の多くの部分も含まれます。このことと、福島原発事故では事故炉から約50 km 離れた飯舘村も全村避難であったことを考え合わせれば、美浜原発や高浜原発で重大事故が起これば、原発周辺の住民のみならず、何百万人もの人々が避難対象になりかねません。避難は不可能です。琵琶湖は30~80 km 圏内にあり、重大事故では関西1450万人の飲用水が奪われます。危険極まりない老朽原発の運転などもっての外です。
 
 今、老朽原発・美浜3号機、高浜1号機再稼動の動きが急を告げています。高浜町では、11月12日に臨時町議会を開き、高浜原発1号機の再稼動を求める請願を採択し、「立地地域の振興や原発の安全管理の徹底を求める」意見書を可決し、経産省などに提出しています。また、25日に全員協議会を開催し、再稼働同意についての議会の意見をまとめ、野瀬豊町長に報告するスケジュールを進めています。
 
 一方、美浜町では、11月30日に議会本会議を予定し、美浜3号機の再稼動への同意を強行しようとしています。まさに「風雲急を告げる」事態です。
しかし、もう一つの原発立地自治体である福井県の杉本知事は、10月22日、「運転に同意するには、関電が使用済み核燃料の中間貯蔵施設の県外候補地を示すことが前提」と明言しています。どんなカラクリがあるかは疑問ですが、私たちの行動如何では、老朽原発即時廃炉の可能性はまだまだ十分あります。
 
 何としても老朽原発を廃炉に追い込み、それを突破口に原発全廃を実現しなければなりません。本日、関電包囲大集会に結集した私たちは、関電本店~美浜町へ至る200km、17日間のリレーデモを貫徹し、原発重大事故では、避難者になりかねない沿道各地の皆様に、老朽原発即時廃炉を訴えます。また、最終日の12月9日には、老朽原発再稼働を画策する関電原子力事業本部および美浜町を断固として糾弾します。
 
 リレーデモおよび美浜行動を何としても成功させましょう!
原発の40年超え運転と新設を阻止すれば、最悪でも、2033年には若狭から、2049年には全国から稼働する原発が無くなります。老朽原発を廃炉に追い込み、原発のない、人の命と尊厳が大切にされる社会を実現しましょう!

2020年11月23日
「老朽原発うごかすな!関電包囲大集会」参加者一同