◆報告とお礼~12.4 関電包囲全国集会に900人

【2022年12月6日から配布、京都キンカンでは12月9日配付】

報告とお礼

老朽原発うごかすな!
「超危険!美浜3号もう廃炉」を訴え
関電包囲全国集会に900人(12月4日)

危険この上ない老朽原発を体制老朽化の関電が運転

 関電は、運転開始後46年を超えた(本年12月現在)老朽原発・美浜3号機の8月12日再稼動を目指していましたが、目前の8月1日、放射性物質を含む水7トンの漏洩が発覚し、再稼動は延期されました。また、次の再稼動を目論んだ23日の直前の21日に、「緊急時に、原子炉の暴走を防ぐために、1次冷却系に注入するほう酸水を蓄えている蓄圧タンク」の圧力低下が確認され、再稼働はさらに延期され、30日にやっと再稼働に漕ぎつけました。

 これらのトラブルの原因は、あきれ返るほど稚拙なミスです(詳細割愛)。技術者がしっかりしていれば、このようなミスには簡単に気がつくものです。しかし、現在は、下請け任せの上に、責任感と科学的常識の乏しい、技術者、作業者、監督者などが原発を動かそうとしています。原発を動かそうとする体制自体が老朽化・腐敗しているのです。

 なお、その関電は、48年、47年超えの高浜1、2号機の再稼働を来年6、7月に画策しています。

「原発依存社会」を画策する岸田首相

 電力会社、政府、財界などの原発推進勢力は、ウクライナ紛争によるエネルギーひっ迫や炭酸ガス削減を口実にして、原発の稼働に躍起です。

 この状況に乗じた岸田首相は、8月24日、自らが昨年10月に閣議決定した「原発の新増設やリプレースは想定しない」とする「エネルギー基本計画」まで無視し、原発の運転期間は最大60年とした法律を蔑ろにして、唐突に、原子力政策を原発の建て替えや長期運転へと転換する意向を示しました。

 福島原発事故の犠牲と教訓を軽んじ、科学的な説明や議論もなく、原発推進を打ち出したのです。

電気は足りています

 原発推進勢力が原発推進の口実としているのは、電力の需給ひっ迫ですが、電気は足りています(余っています)。一時的な電力逼迫はあっても、節電によって回避できます。このことは今年3月の、地震と寒波に起因する東北、東京エリヤでの電力不足、6月末から7月にかけての猛暑による電力不足を、節電で乗り越えた実績が証明しています。

 したがって、人々に放射線被ばくを強いる原発を稼働させる必要は全くありません。過酷事故の危険性が高い、老朽原発の再稼働などもっての外です。

900人が怒りの「老朽原発うごかすな!
関電包囲全国集会」、御堂筋デモ

 12月4日(日)13時、関電本店周囲は「老朽原発うごかすな!」の怒りと熱気に溢れた。

 集会は、シュプレヒコールから始まった。

 主催者挨拶で中嶌哲演さんは「首都圏や関西への電力供給のために福島や若狭に原発が押し付けられた理不尽」「被ばくを強いる避難計画の不合理」「老朽原発運転の危険性」を強調した。

 井戸謙一弁護士は、
①大阪地裁での「美浜3号機運転差止仮処分」裁判の決定が2カ月以上も遅れて12月中旬に出されること、この裁判と決定の遅れの原発情勢への影響、
②12月1日に大阪地検が「関電幹部の金品受領」「不正・不適切な発注」「役員報酬減額分、追加納税分の補填」の全てを「嫌疑不十分」で不起訴としたことの不当性、
③関電、中部電、中国電、九電が顧客獲得に関するカルテルを結んで、公取委から独禁法違反とされ、関電以外の3社が計1000億円超の課徴金を求められた事件で、関電は、公取委の立ち入り調査前に自主申告(密告)していたこと
などについて述べ、企業倫理に欠ける関電による老朽原発再稼働を許してはならないと結んだ。

 次いで、老朽原発立地の住民からのアピールを受けた。

 美浜3号機から10km圏に住む山本貴美子敦賀市議は、美浜町で行ったアンケート結果によって、避難計画の非合理性、避難の困難さ、原発について公けに語れない住民の不安が浮き彫りにされと述べた。

 高浜町民の東山幸弘さんは、メッセージを寄せ(小浜市民の会代読)、運転開始後37年を超えた高浜原発3、4号機の40年超え運転の認可が申請されたことについて触れ、蒸気発生器伝熱管などのトラブルを頻発させている超危険なこれらの原発の再稼働阻止を訴えた。

 運転開始後43年を超え、3.11で被災した東海第2原発の地元からは、披田信一郎さんが、東海第2原発の再稼働を止める会および東海第2差止訴訟原告世話人の一人としてアピールした。

 運転開始後38、37年になり、運転延長を申請した川内原発1、2号機の立地からは、ストップ
川内原発!3.11鹿児島実行委員会の向原祥隆さんが「たかが40年の原発のために、何万年も住み続けている我々がなぜ避難しなければならないのか?」と怒りの発言。

 若狭の原発の風下にある東海からは、原子力規制委員会を相手に裁判を闘う老朽原発40年廃炉訴訟市民の会の草地妙子さんが「規制委は、関電の提出したデータを鵜吞みにして運転認可している」と規制委のいい加減さを追及した。

 発言後、東海、鹿児島、東海の代表に、実行委員会から「老朽原発うごかすな!」の幟が贈呈された。

 この後、関東、福島、伊方など全国から参加された皆さん、メッセージを頂いた全国各地の団体が紹介された(メッセージは、配布プログラム冊子に収録)。

福島から避難し、国と東電の責任を追及し、被害賠償を求めて闘っている原発賠償3訴訟(京都、ひょうご、関西)の原告は「原発事故は終わっていない」「普通の暮らしと避難の権利を保障せよ」「公正な裁判を」と訴えた。

 続いて、関電に向かってポテッカーアクションを行った後、カンパが要請された(177,971円のカンパを頂いた)。

 関西各地からのアピールが続いた。「脱原発を目指す東びわこ市民の会(沢井清さん)」「原発ゼロの会・大阪(庄司修さん)」「関電の原発マネー不正還流を告発する会(末田一秀さん)」「脱原発播磨アクション(玉田れい子さん)」「原発ゼロ・被災者支援奈良の集い実行委員会(堀田みえこさん)」から、滋賀、大阪、兵庫、奈良の脱原発運動の現状が披露された。

 労働組合からの挨拶で、
大阪ユニオンネットワークの西山直洋代表は「原発の40年廃炉は約束であるから履行させなくてはならない」と、
フォーラム平和・人権・環境の谷雅志副事務局長は「原発に反対の声は多数であることを政府に突きつけよう」と、
全労連近畿ブロックの菅義人議長は「原発をなくし、自然エネルギーを進める議員、議会を増やし、岸田政権を退陣に追い込もう」と訴えた。

 最後に、集会決議(裏面参照)、緊急のアピール(下記参照)が提案・採択され、デモ行進についての説明を受け、関電に向けた「老朽原発うごかすな!」の力強いシュプレヒコールで集会を終えた。
デモは、うつぼ公園から御堂筋を経て難波までのコースで、市民、通行人に「原発全廃」を訴えた。

12.4行動にご参加、ご支援いただきました
皆様、ありがとうございました。

緊急のお願い

 福井、関西在住の9人が、大阪地裁に申し立てていた「美浜3号機運転禁止仮処分」裁判については、早期の決定が待たれていましたが、大阪地裁は、12月2日になってやっと「12月中旬に決定を出す」と発表しました。日時の詳細は、1週間前に井戸弁護団長宛に連絡されます。

 「老朽原発うごかすな!実行委員会」は、決定発表の日、入廷行進の1時間前より、地裁前で前段大集会を開催し「美浜3号うごかすな!」を訴えます。また、決定受取り後には、弁護団からの簡単な報告を受け、関電本店前に移動して、「老朽原発うごかすな!」集会を開催します。

 皆様のご賛同、ご参加をお願いします。

 市民運動と裁判闘争が結合した大きな闘いのうねりを構築し、原発のない、人の命と尊厳が大切にされる社会に向かって前進しましょう!

┌─────────────
12.4「関電包囲全国集会」に関する
決議文、写真、新聞報道は以下をご覧ください。
└─────────────

┌─────────────
12.4「老朽原発うごかすな!関電包囲全国集会」決議
└─────────────

超危険な老朽原発を廃炉にし、
原発のない明日を実現しよう!

 今、岸田政権は、原発の60年超え運転を画策するだけでなく、「革新」や「小型」の言葉をもてあそび、人々をだまして、原発の新増設も企てています。また、60年以上も膨大な研究費を投下してきたにも拘らず、実用化の兆しも見えない高温ガス炉や核融合、破綻が明らかな高速炉を新しいテーマのごとく取り上げて、さらに膨大な予算を投下しようとしています。「原子力ムラ」の経済的救済のためであり、福島原発事故の犠牲と教訓を軽んじ、人の命と尊厳を蹂躙するものです。

 一方、関電と政府は、運転開始後48年、47年、46年を超えた老朽原発・高浜1、2号機、美浜3号機の稼働に躍起です。

 このうち、昨年6月に再稼働したものの特定重大事故等対処施設の設置が間に合わず、わずか4カ月の稼働の後に停止していた美浜3号機については、8月10日再稼動を目指していましたが、目前の8月1日、放射性物質を含む水7トンが漏洩していることが発覚し、再稼動は延期されました。また、次の再稼動を目論んだ8月23日の直前の21日に、「緊急時に、1次冷却系に注入するほう酸水を蓄えているタンク」の圧力低下が確認され、再稼働はさらに延期され、8月30日になってやっと再稼働に漕ぎつけました。

 トラブルによる再稼働延期は、運転開始後40年に満たない高浜原発4号機でも発生しています。関電は、去る10月21日、伝熱管損傷などのトラブル多発の高浜4号機の再稼慟を画策しましたが、私たちの予測通り(??)、さらにトラブルを発生させ、再稼慟は11月4日にずれ込みました。トラブルは『1次冷却系の加圧器に設置されている「圧力逃し弁」の異常』です。

 これらの原発過酷事故を招きかねない極めて深刻なトラブルの原因は、あきれ返るほど稚拙なミスです。下請け任せの上、責任感と科学的常識の乏しい、技術者、作業者、監督者などが原発を動かそうとしていることを示します。原発を動かそうとする体制自体も老朽化しているのです。

 その関電は、老朽原発・高浜1、2号機の来年6月、7月稼働も画策しています。許してはなりません。

 今、電気は足りています(余っています)。一時的な電力需給のひっ迫はあっても、節電によって乗り越えることができます。したがって、放射線被ばくを強い、過酷事故で人々に塗炭の苦難を与えかねず、何万年もの未来にまで負の遺産・使用済み核燃料を残す原発を稼働させる必要は全くありません!

 本日、「老朽原発うごかすな!」を合言葉に関電を包囲した私たちは、老朽原発の完全廃炉を勝ち取り、それを突破口に、原発のない、人の命と尊厳が大切にされる社会の実現に向けて邁進することを決議します。

2022年12月4日
「老朽原発うごかすな!関電包囲全国集会」参加者一同

┌─────────────
関電本店前を埋め尽くす集会参加者
└─────────────
(1)

(2)

(3)

(4)

┌─────────────
ARDドイツテレビが取材
└─────────────

┌─────────────
御堂筋を堂々のデモ
└─────────────
(1)

(2)

(3)

┌─────────────
2022年12月2日 毎日新聞(集会の案内)
└─────────────

┌─────────────
2022年12月5日 しんぶん赤旗
└─────────────

┌─────────────
老朽原発うごかすな!実行委員会
2023年の予定
・関電本店-高浜原発200kmリレーデモ、
  3.21(火、休)関電本店前を出発、
  4. 2(日)高浜原発着
・「老朽原発・高浜1、2号機うごかすな!高浜全国集会」
  4.29(土、休)、高浜文化会館
└─────────────

2022年12月6日老朽原発うごかすな!実行委員会
連絡先;木原(090-1965-7102)