【2019年5月24日,京都キンカンで配付】
「5.19老朽原発うごかすな!関電包囲全国集会」
報告とお礼
◆標記の集会は「原発うごかすな!実行委員会@関西・福井」の主催で、169の団体、912人の個人のご賛同を得て(5月18日現在)、5月19日(日)午後1時より大阪の関電本店前で開催されました。750名の結集を得て、老朽原発再稼働阻止、原発全廃の強い決意を関電と政府に突きつけることが出来ました。また、御堂筋デモでは、大阪市民、内外からの観光客、ご通行の皆さんに、声を限りに「老朽原発再稼働阻止!原発全廃!」を訴え、大きなご声援をいただきました。
ご参加、ご賛同、ご支援をいただきました皆様に、
深く感謝し、お礼申し上げます
◆「3.24老朽原発うごかすな!高浜全国集会」、「5.19老朽原発うごかすな!関電包囲全国集会」の成果を拡大し、さらに大きな反原発運動を波状的に展開して、老朽原発廃炉を実現ましょう!
「原発うごかすな!実行委員会@関西・福井」木原壯林(若狭の原発を考える会)
韓国原発、あわや大惨事
以下は「ハンギョレ新聞」チェ・ハヤン記者の記事(5月22日)を参照した解説です。
中性子反応度の手計算ミスで、無免許運転員が制御棒を過多に抜き取り
◆21日の韓国原子力安全委員会(原安委)と韓国水力原子力(韓水原)側の説明によると、10日にハンビッ1号機の熱出力が運営技術指針書上の制限値の5%を超え、18%まで急騰した。その原因は、原子炉の制御棒運転者らの計算と判断による制御棒の過多抜き取りだった。
◆制御棒は完全挿入時には0ステップ、完全抜取時には231ステップと表現される。原安委によると、制限値である5%の熱出力を維持するためには、制御棒は43ステップでなければならなかった。しかし、原子炉操縦士の免許がない韓水原職員が100ステップまで制御棒を抜き取った。これによって1時間に最大3%ずつ高くなるべき出力が、わずか1分で18%まで跳ね上がる事態が起きた。
◆制御棒の過多抜き取りは、当時の現場作業者の中性子反応度の手計算ミスと抜き取り可否の判断ミスのためだったという。原発総合設計技術公企業である韓国電力技術で制御棒に関連する業務を行っていたハン・ビョンソプ原子力安全研究所長は「単純な操作ミスや設備の欠陥ではなく、人間の理性的行為の結果、事故が起きたことに注目しなければならない」と指摘した。1979年米国のスリーマイル、1986年ウクライナのチェルノブイリ、2011年日本の福島事故も、ヒューマンエラーが主な原因だったという指摘も多い。
◆熱出力急増の時点以降、午後10時2分に原子炉が緊急停止されるまで12時間近くかかったのは、韓水原が様々な方法で測定される出力値のうち、低い値を基準としていたためであった。原子炉出力方式には、①炉心外の中性子束を見る方法、②主給水流量を通じて計測する方法、③電気タービン出力を見る方法など、3つがある。原安委と現場に調査団を派遣した原子力安全技術院は、①の方式で熱出力が18%まで高騰したのを確認し、韓水原は②の方法で計測して手動停止せず引き続き稼動した。このため原子力安全技術院調査団が午後4時に現場点検に着手し、6時間後になって手動停止が行われた。ハン・ビョンソプ所長は「意見の違いがあっても、安全を最優先にするならば保守的な計測方法を準用して直ちに手動停止すべきだった」と指摘した。
◆この「熱出力暴騰事故」は、設備運転者たちの判断ミスや安全不感症が原因であった。人的な緩み、錯覚、予測失敗、未熟練などの「ヒューマンエラー」が重なった場合、設備の異常や地震のような自然災害より深刻な過酷事故が発生する可能性があることを示唆する。
2019年5月23日発行
連絡先;木原壯林(若狭の原発を考える会)
電話:090-1965-7102