◆報告とお礼~10.21 高浜原発4号機再稼働阻止緊急行動に25人が結集

【2022年10月28日,京都キンカンで配付】

報告とお礼

高浜原発4号機再稼働阻止緊急行動に
25人が結集(10月21日)
高浜4号機は、圧力逃し弁異常で再稼働できず

 去る10月21日、関電は、伝熱管損傷などトラブル多発の高浜4号機の再稼慟を画策していましたが、私たちの予測通り(??)、さらにトラブルを発生させ、再稼慟を延期しました。(高浜4号機は、運転開始後37年の原発で、40年超えの運転を目指して特別点検を始めています。また、MOX燃料とするプルサーマル運転を行っています。)
 関電が21日再稼働を予告したのは、前日の20日でした。去る8月30日に再稼慟した美浜3号機の再稼働予告も前日でした。従来の例からすれば、極めて異常なことですが、関電は、直前の再稼働予告を定常化しようとしているのです。人々、立地自治体などへの原発情報の提供を極力避けようとしているとしか考えられません。許されるものではありません。

 ところで、高浜原発4号機で21日発生したトラブルは、以下のように深刻なものです。

 トラブルは『1次冷却系の加圧器に設置されている「圧力逃し弁」の出口の温度が上昇しているとの警報が鳴り(1時間で42℃から77℃に上昇)、そのため、加圧逃し弁の元弁を閉止した』というものです。原子炉内で緊急事態が発生したとき、1次冷却系に緊急給水しなければなりませんが、1次冷却系の圧力が高すぎると、水が入りません。「圧力逃し弁」は、このような事態に至ったとき、1次冷却系の圧力を逃がすための弁で、緊急事態に対処する場合に、極めて重要なものです。この弁が正常に働かなければ、緊急給水できなくなる場合があります。高浜4号機には、3台設置されています。

 高浜4号機では、今回だけでなく、たびたびトラブルが発生しています。とくに、320℃、160気圧近くの高温・高圧水が流れる1次冷却系配管(蒸気発生器伝熱管など)の損傷は深刻です。これらの配管が完全破断すれば、1次冷却水が噴出して、原子炉が空焚きになり、メルトダウンに至る可能性があるからです。

 例えば、本年6月3日からの定期点検中に蒸気発生器伝熱管12本の外側が削れて管厚が大幅に減肉・損傷していることが発覚しています。関電は、伝熱管外側に自然発生した鉄さびの塊(スケール)がはがれて、伝熱管を削ったためとしています。関電は、蒸気発生器中を薬品洗浄していますが、高浜3号機の例では、洗浄1回で、1基あたり約1トンもの鉄分(スケール、スラッジ、鉄イオン)が除去されたとしています。ただし、洗浄後にも相当量の鉄分が残存し、配管を損傷していることも認めています。

 蒸気発生器伝熱管の損傷は、定期点検のたびに見つかり、高浜4号機では、3基の蒸気発生器中の合計10146本の伝熱管の4.1%(415本)が使用不能になり、栓がされています。

 高浜4号機は、運転後40年に至っていないにも拘らず、上記のようにボロボロです。45年を超えた老朽原発・美浜3号機、高浜1、2号機の運転などもっての他です。

 美浜3号機、高浜1、2号機の完全廃炉を勝ち取り、それを突破口に、原発のない社会を実現しまし
ょう!

 10月21日には、再稼働阻止現地闘争に、緊急の呼びかけにも拘わらず、20数人が結集されました。ご結集の皆様、ご支援いただきました皆様、有難うございました。

▼10月21日の現地闘争

老朽原発うごかすな!実行委員会(090-1965-7102)

▼2022年10月22日 県民福井、中日新聞

ご参加、ご支援のお願い

 福井、滋賀、京都の9人が大阪地裁に申し立てた「美浜原発3号機運転差し止め仮処分裁
判」は、7月31日に最後の審尋が行われ、9月中の運転差し止め決定が期待されましたが、未だに決定は出ていません。(決定の出る日については、1週間前には大阪地裁から連絡されることになっています。)

 そのような中で、「老朽原発うごかすな!実行委員会」は、次の行動を提起しています。皆
様のご参加、ご支援をお願いいたします。

大阪地裁「美浜原発3号機運転差し止め仮処分裁判」決定当日の、
地裁前「前段行動」、
関電本店前「関電糾弾闘争」に結集しよう!

 決定が出る日には、入廷行進の前に、大阪地裁前で1時間程度の大規模前段集会を行いま
す。決定文を受け取り、旗出しの後には、大阪地裁前での短時間の報告集会の後、関電本店に移動し、関電糾弾集会を行います。奮ってのご参加をお願いします。

12月4日(日)
「老朽原発うごかすな!
関電包囲全国集会
―超危険な美浜3号、もう廃炉―」
に総結集を!

 大阪地裁仮処分裁判に勝っても負けても、仮処分決定が出ていなくても、12月4日(日)、「老朽原発うごかすな!関電包囲全国集会」を開催し、御堂筋デモを敢行します。ご賛同、ご支援、ご参加をお願いします。

 以下は、12.4集会のチラシです。
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(チラシ表面)
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(チラシ裏面)
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老朽原発うごかすな!
超危険な美浜3号、もう廃炉!
「12.4関電包囲全国集会」に総結集を!

 原発は現在科学技術で制御できる装置でないこと、発生後11年半を経た福島原発事故が大きな犠牲の上に教えています。一方、ウクライナ紛争では、戦争になれば、原発は格好の攻撃目標になることが実証されました。

 このように、原発は、人類の手に負える装置でなく、人の命と尊厳を脅かします。

 それでも、政府や電力会社は、ウクライナ紛争によるエネルギーひっ迫や炭酸ガス削減を口実にして、原発の稼働に躍起です。

 政府は、昨年10月に決定した「エネルギー基本計画」の中で「原発の新増設や建て替えは想定しない」としていましたが、岸田首相は、決定から1年もたたない8月24日、この基本計画まで無視し、また、原発の運転期間は最大60年とした法律を蔑ろにして、
●次世代原発の建設検討、
●原発運転期間の60年超への延長、
●新規制基準審査に合格している原発17基のうち最大9基の今冬、残る8基の来年以降早期の稼働
を打ち出しました。福島原発事故の犠牲と教訓を軽んじ、科学的な説明や議論もなく、さらなる原発推進を打ち出したのです。

 一方、関電は、昨年6月に再稼働したものの「特重施設」の設置が間に合わず、わずか4カ月の稼働の後停止していた老朽原発・美浜3号機(運転開始後45年超)の稼働を去る8月30日に強行しました。この原発は、昨年の再稼慟以降に、過酷事故につながりかねない深刻なトラブルを4度も発生させています。しかも、トラブルの原因は、いずれもあきれ返るほど稚拙なミスです。このようなミスは、技術者がしっかりしていれば、簡単に気がつくものです。しかし、現在は、下請け依存の上に、責任感の薄い、関電および下請けの技術者、監督者、点検者などが原発を動かそうとしています。原発を動かそうとする体制自体が腐敗しているのです。

 その関電は、運転開始後48年、47年になろうとする老朽原発・高浜1、2号機の来年6、7月稼働も画策しています。

 今、原発の推進のために電力需給のひっ迫が喧伝されています。しかし、日常的には、電気は余っています。一時的に電力ひっ迫が発生しても、節電によって回避できます。このことは今年3月の、地震と寒波に起因する東北、東京エリアでの電力不足、今夏の猛暑による電力不足を、節電で乗り越えた実績が証明しています。

 一時的な電力需給ひっ迫を口実に、人々や環境に放射線被ばくを強い、負の遺産・使用済み核燃料を残す原発の推進を許してはなりません!とりわけ危険な老朽原発の再稼働など、もってのほかです。

 美浜3号機、高浜1、2号機の廃炉を勝ち取り、それを突破口に原発のない社会を実現しましょう!

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12.4集会概要

日時:12月4日(日)13:00~14:30(集会)
場所:関西電力本店前(地下鉄肥後橋駅、京阪中之島線渡辺橋)
集会後、うつぼ公園に移動して、
15:00にデモ出発。16:30頃なんばで解散。
主催:老朽原発うごかすな!実行委員会
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岸田政権の原発推進への暴走を許すな!

老朽原発うごかすな!実行委員会(090-1965-7102)