・コロナウイルスの感染拡大のため,3/3と6/2の口頭弁論が取消になりました。
・今回は,昨年11月以来,久しぶりの期日です。
・しかし,現下の状況のため,詳細は未定ながら,原告席,傍聴席ともに大幅な削減を余儀なくされています。
・そういう中ではありますが,可能な範囲で多くの皆さまのご参加をお待ちしています。
◆京都脱原発原告団は,「原発の再稼働を許さず,すべての原発を廃炉に」と
6月27日(土)ハートピア京都(京都市中京区)で第8回原告団総会を開きました。
◆新型コロナウィルス感染を防ぐために,200人の会場でしたが,参加者を半分程度とし,事前の宣伝などを控えました。その結果,参加者は84名でした。Facebookでは,ある参加者の感想として
> 人数調整のために入れない場合も予想していたけれど、そんなことはなく、
> むしろ、参加者が少ないくらい。「コロナ明け」と考えると、こんな感じ
> かな?と、思ったりもあるけれど、少し寂しい感じ。
という書き込みがありました。昨年の総会は200名を越える参加者があったことを思うと,確かにそう言えます。しかし,コロナ下の人数としては,妥当なところに収まったと思います。
◆閉会時に参加者の皆さまから多額のカンパをいただきました。ありがとうございました。
◆プログラム
【1】原告団長の挨拶…竹本 修三 原告団長
【2】弁護団から挨拶…中島 晃 弁護団長代行
【3】弁護団からの報告,裁判の経緯と今後の見通し…渡辺 輝人 弁護団事務局長
【4】記念講演…石原 和弘 先生「日本の火山噴火予知の現状」
【5】原告団・世話人会からの報告…吉田 明生 原告団事務局長
【6】会場からの意見,アピールなど意見交換。世話人会からの報告の確認
◆受付配付のPDF資料…出口治男弁護団長の挨拶のほか,原告団・世話人会からの報告など。
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2020年総会資料[612 KB]。
関電側;広報担当者など3名。
使い捨て時代を考える会;4名。
事前に提出した以下の質問書にそって話し合いました。
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1.高浜町元助役森山栄治氏が関与した高浜原発に関する金品受領に関して、貴社が元取締役5人に対して損害賠償の提訴をするとの報道がありました。さらに問題発覚前に知りながら取締役会で報告しなかったということで、森本社長も含めた新旧役員22人に対して損害賠償を求める株主代表訴訟も起こされたとの報道もありました。企業ぐるみの犯罪であり、公益事業であるということも、消費者から電気料金を徴収して運営しているということも、元取締役はじめ経営陣は自覚されていないように見えます。社内調査の隠ぺいなど常識では考えられないことが次々発覚し、愕然とします。貴社に原発を動かす資格はなく、現在動かしていることに恐怖を感じます。現在の状況についてどのようにお考えですか。原発を止めることが先決ではありませんか。
2.新型コロナウイルスの感染拡大により大飯原発3号機の5月8日から開始予定であった定期検査を2~3か月程度延期するとのことです。原子炉は閉鎖的な空間であり、作業員の感染が心配されるので、原子炉内での作業を行わないことは賢明な判断と思いますが、定期検査を遅らせるのではなく、新型コロナウイルスの脅威にさらされている状況においては、直ちに停止させるべきではないかと考えます。万が一事故が起きたら事故処理に当たる作業員も避難する住民も三密は避けられず、二次災害で感染が起きることは明らかです。このことについて貴社の見解をお聞かせください。また、4月から電力会社が24か月まで運転延長、定期検査の期間の短縮などを決められるように変わったとのことですが、どのように変更になったのか教えてください。
3.40年越えの原発、高浜原発1号機・2号機、美浜原発3号機の安全対策工事が2~4か月遅れるとのことですが、多額の対策工事費をかけてなぜ再稼働する必要があるのでしょうか。工事費はどのぐらいでしょうか。今後の稼働次第では採算の取れない可能性もあると思われますが、その見通しはどうでしょうか。40年越えの原発再稼働も金品受領問題と無関係と思えません。そういう背景での老朽原発の再稼働は不安です。なぜ再稼働を急ぐのですか。
4.使用済み核燃料の処理についての見通しを述べてください。使用済みMOX燃料の処理は前進していますか。原発を稼働させて日々使用済み核燃料を増やすことに疑問はないのですか。また六ケ所核燃料再処理工場が原子力規制委員会の基準適合という判断が出ましたが、この施設についてどのように判断されていますか。いつ建ったのか、どういう経緯をたどったか、いつ稼働するのかを示してください。
5.貴社は、温暖化対策も考えて原発を維持していると説明していますが、神戸製鋼が2021年に稼働しようとしている大規模な石炭火力発電所の電力を購入するため神戸製鋼と電力需給契約を結び、温暖化ガスをはじめ環境負荷の非常に高い石炭火力発電を推進しています。説明が矛盾しているのではないでしょうか。環境負荷の高い原発も石炭火力もやめるべきではないでしょうか。また貴社の再生可能エネルギー部門について、どういう部署を設置されているか、そこに何人配置されているか教えてください。また今後の見通しとして「何年までに再生可能エネルギーの割合をどのぐらいにするか」という計画を示してください。
6.厳しい経営環境下で経費削減の努力をしておられると思いますが、原子力設備への投資が増え、しわ寄せが他部門に及んではいないでしょうか。また顧客離れが進んでいますが、貴社の原発推進や原発マネー問題など原発依存の経営姿勢が問われているということではないでしょうか。
高浜原発で露見した汚職で貴社に対する社会的信用は失墜しています。その汚職原資を高い電気代に転嫁し続けたとの疑惑が危険な原発への危惧と重なって、貴社からの契約離脱は300万件を超えたと言われています。どのような状況か、またどのようにお考えでしょうか。
上記の状況下で電力販売量は落ちています。にもかかわらず黒字決算となっているようですが、その収益の根拠は何ですか。
原子力部門は経理経営上の重荷になっていると、社内でも批判的に語られ始めていると仄聞いたします。発電部門ごとの発電量と部門支出を、福島原発事故前と事故後について年次ごとにお教えください。福島事故後、原発部門は会社にどの程度の貢献をしているのか教えてください。廃炉や使用済み燃料の後始末など技術的未解決課題が積み残されており、将来巨額の出費となるのではないでしょうか。原発推進によって経営破綻となるのではないでしょうか。
以 上
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話し合い内容
Q(こちら側の発言)
A(関電の発言)
A 新型コロナで面談を控えていただきありがとうございます。毎回意見は本店にあげて共有しているが、文書回答はしていない。
Q 25日の株主総会は驚いた。この面談の機会はありがたいが、ユーザー目線と言いながらそうではない。社内の風通しを良くすると言いながらそうなっていない。株主総会は設定も進行も「これはなんだ」という感じだった。株主は怒っていた。新聞報道は一部だ。森本社長が議長で3時間立ったままやっていたのはすごいと思ったが、議長が何度も発言を制止した。印刷した資料が全くなかった。ふつうはどんな会議でも準備するものだ。議長が1分経つと「時間だから」と制止していた。発言中もたびたび制止した。普通は司会者がタイムキーパーをする。議長の社長が自ら静止していたが、時間ばかり気にして質問を聞いていなかったのではないか。会場からの「本社に行っても関電と会えない」という発言にも「今後そういうことはやめます」とも言わなかった。
Q 消費者は不信感を持つ。スライドがあったが株主からの提案4~29は一括で表示していた。何号議案を議論しているのか全く分からない状態だった。
A コロナのことで質問を短縮した。
Q コロナを口実にしているに過ぎない。不信感が高まっている。このことを告訴すると多くの人が決めたと思う。河合弁護士がそう言っていた。京都市の発言もあったが、1分では何も言えない。失礼ではないか。役員の態度はひどかった。
A ご意見を共有させてもらう。
Q 共有などできるはずがない。全く意見を聞く気がない。
A(質問1について) 会社としては損害賠償をすることになった。迷惑をかけて、信頼を裏切って申し訳ない。内向きの経営姿勢にメスを入れる。3月末の改善計画で実施したものを6月末に出す。
Q 株主総会は本気で考えていると思えない雰囲気だった。橋本元大阪市長を役員にするということも説明なしにNOとした。言葉は美しいが、どう実態で説明するのか。
A ご指摘は認識している。計画を立てただけでは意味がない。魂を込めて、なぜ起きたかなど対応していく。
Q なぜ起きたかの説明はなかった。それが不誠実ということの根拠だ。あなたはどう考えるか、なぜ起きたのか、それが言えないと意味がない。
A 個人としてか、会社としてか。
Q 会社がどう考えているのか答えてほしい。
A 立地において福井には多大な協力をいただいている。誤った行き過ぎがあったと判断した。
Q なぜそう判断したのか。なぜ起きたのか。原因は何か、どう対処するのか、言葉がきれいでも伝わらない。原因は原発でしょ。安全神話も、安定神話も、安価ということもみんな嘘だった。
Q 不信感があって消費者離れは高い。議案書が出る3月ごろは1か月で12万件だった。このようなことはかつてなかった。総会準備過程でそうだったから今後はもっと進む。
Q 原発がすべての原因だ。電気代で不祥事があったとき、消費者から1円返せという提案があった。それを受け止めることなく反対した。そういうことが森山問題を起こした。
株主総会のことはきりがないからこの辺で。
…*…
A(質問2について)定検は福井県外の他県から来るので、2週間水際対策とし待機してもらって実施することにしていたが、延期にした。運転についてもコロナ対応を実施している。感染が拡大しないように出退社も管理し、可能な限り在宅にしている。
Q 定検をなぜ延期したのか。
A 夏の供給のために法定より前倒しで5月8日から定検をすることになっていた。法定では8月の予定だった。
Q 手抜きが起こりがちで危惧している。
Q 4月から電力会社で定検を変更できると聞いたが、電力会社の自由裁量で決めることができるとは怖い。とくに検査の短縮が怖い。定検はキチンと入ってほしい。ちゃんとやるのか。
A 4月に改正されたが、間隔を13か月、18か月、24か月とすることはすでに改正されていた。大飯の場合13か月のタイミングは8月の予定だったが、前倒しして実施することにしていた。(関電は)およそ13か月を超えない範囲で定検を実施している。安全に立って行っている。
Q 今後もその期間で実施してほしい。<関電から定検の資料をもらう>
…*…
A(質問3について)(40年越え原発の安全対策工事費は)2019年は1937億円、累計で7,000億円だ。
Q 大変な出費だ。過去の実績は採算が取れていないことを示している。負担になり、重荷になっている。良かったことはない。電力料金に上乗せしている。何度聞いても納得できない。
A(40年越えの原発を動かす理由は)資源が乏しい。ベストミックスとして維持している。競争力も考えて進めていく。
Q ベストミックスは世界的に信じられていない。平和利用ということばで、商業利用してごまかしてきた。原発が重荷ということは事実が示している。社内でもわかっているはずだ。
…*…
A(質問4について)MOXの処理について具体的に示せることはない。MOXは他の使用済み燃料と同じく再処理するということしか決められていない。
A 国内外でMOX処理の実績がある。日本ではJAEAで実績がある。
Q 商業炉のものか。実証実験を言っているのか。
A (答えてはみたものの混乱、よくわかっていない)
Q プルトニウムを再利用しないとなったら、ウランも使えない。どうしてそれにこだわるのか。軍事なら採算無視だけど商業目的ではないか。
Q 高浜では今後4分の1までMOX燃料を使うと聞いた。その場合MOX中のプルトニウムは1.7tと聞いているが、最大でどのぐらいになるのか聞きたい。もんじゅでも炉心部分では1.4tだ。
A 次回まで調べておく。
…*…
A(質問5について)石炭火力の効率や有害物質対策などは改善されてきている。一定程度活用していくと整理している。バランスの取れたエネルギーとして入れているが、再生エネルギーにも力を入れている。再生エネルギー事業本部という部門で開発しており、関西圏以外でも、例えば秋田の洋上とか海外も含めて開発している。2030年代には600万kWにする。200万kWの新規開発を進めている。現在は447万kWと公表しており、390万kW運転している。
Q 将来計画としてのベストミックスが考えられていない。ベストミックスというなら将来計画を考えてもらいたい。再エネにどのぐらい投資しているのか調べたら、わずか数億円だ。原発には1000億円以上投資しているのに。再エネへの投資は2017年に7億円、2018年に5億円と減らしているではないか。再生エネルギー専任の技術者、職員は何人いるのか。アリバイ的にやっているとしか思えない。
Q 再エネにシフトしないと社会が持たない。コロナ禍のことも考えると再エネへの転換を真剣に考えるべきだ。
Q 再エネへの取り組みが少ないことは国際的にも批判を受けている。原発にお金がかかって再エネに回せないのか。コロナ禍が起きている中で、国は原発事故の際の避難所では、換気しないという指針を出した。放射能を防ぐために、コロナ感染防止をしないということだ。原発を止めたら放射能の問題は解決する。ベストミックスに原発は入れるべきではない。石炭も温暖化でだめだ。自然エネルギーに力を入れるべきだ。再エネにどのぐらいの資金・人員をかけているか、将来計画も示してもらいたい。
…*…
Q(質問6について)今どのぐらい離脱しているのか、株主総会では触れなかった。
A スイッチングは5月末で338万件だ。
Q 電力の売り上げは落ちているのに、なぜ黒字になっているのか。
A 販売電力量は減っている。燃料代の低減など一過性のものもあるが、通信と不動産で黒字になった。
Q 昨年の実績でそうなっているのか。他部門で回復できるほど伸びていない。他部門での売り上げが電力売り上げを上回っているなら納得できる。ムダ金を削るのは良いが必要なところまで削っていないか。
A 有価証券報告を見て言っているのか。
Q そうだ。それしか見ることができない。どこで頑張っているか聞けたら納得する。
A 決算は手元にあるが、販売のことがどう反映しているのか今は答えられない。次回までの宿題にする。
Q 原発の燃料代が安いのは、すでに持っているからだ。それはどのぐらい効果があるのか。ウラン燃料と火力燃料費ではウランは火力の10分の1だが、過去5年間の部門別発電量で計算すると原発は33円、火力は10円である。原発は維持するだけで負担になる。
Q 株主総会をみると責任をもって経営しているのか疑問だ。経営者は無能だ。無能でないことを説明してほしい。
A 発電コストは国が出しているが。
Q 国が出している数字はデタラメだ。私は関電の出している数字に基づいて計算している。
A 確かに、計算できますね。
Q 公表されていないものもあるなら問題だ。部門別発電費とどれだけ発電したかの5年実績を示し、改善できるという見直しを提示してもらいたい。経営という観点でもデタラメだ。10万年先にも消えない毒を作り出している。
Q 汚職を社員も知っているはずだ。原発部門が中心で、配送電部門を切り離したが、配送電部門は窓際のような扱いをされていたと思うが、そもそも配送電部門のようなところが頑張って電力を支えてきたはずだ。配送電部門の社員は本当に情けない思いだろうと思う。将来破綻する。破綻は困る。みなさんの感想を聞きたい。
A 詳しいことはわからないので勘弁してもらいたい。再エネは国内でも限界ある。
Q 例えば農業と共同で行う発電などあるが、そういうことを実際に実験したことはあるのか。再エネの具体的な人員配置など裏付けを知りたい。2017年から2018年に投資が減っているのはなぜか。
Q 個人宅の太陽光に対するケアを減らした。真剣に再エネを考えていないのではないか。コロナ禍が起きている中で、将来エネルギーについても考えてもらいたい。原発は危険だ。太陽光はむしろ優遇するべきではないか。現状と将来設計を聞きたい。
Q 株主総会はひどかった。義を尽くしてやりたいが、そういかなくなる。この場のことは社長さんに伝えてもらいたい。
A 上にあげます。
…*…
株主総会後だったので、関電の不誠実さ、反省のなさに言いたいことがたくさんあり、なんと1時間40分にわたる話し合いでした。関電側の社員は3人。時間超過にも制止することはなく、こちらから「もうそろそろやめましょうか」と言ったぐらい。お客様の文句にはひたすら耐えるようにと指示されているのでしょうか。
関西電力株式会社
取締役社長 森本 孝 様
原子力事業本部長 松村孝夫 様
高浜発電所長 木島和夫 様
美浜発電所長 高畠勇人 様
原発は、事故確率の高さ、事故被害の深刻さ、事故処理や使用済み核燃料の処分の困難さなど、現在科学技術で制御できる装置でないことを、福島原発事故が大きな犠牲の上に教えています。その原発が老朽化すれば、危険度が急増することは多くが指摘するところです。それでも、貴関西電力(関電と略)は、2016年6月20日および2016年11月16日、高浜発電所(高浜原発と略)1、2号機および美浜原子力発電所(美浜原発と略)3号機の40年超え運転の認可を原子力規制委員会(規制委と略)から得て、再稼働準備工事を進めています。
しかし、規制委の認可以降に、関電の原発に関連して、下記のように、認可の過程では想定されなかった、あるいは重要視されなかったトラブル、事故、不祥事が頻発しています。原発の40年超え運転が理不尽であることを示しています。
【1】関電の原発でのトラブルの例
(1)高浜原発4号機では、再稼働準備中の2018年8月19日、事故時に原子炉に冷却水を送るポンプが油漏れを起こし、20日には、温度計差込部から噴出した放射性物質を含む蒸気が原子炉上蓋から放出されました。
(2)高浜原発4号機では、2019年10月、再々稼働準備中に、3台の蒸気発生器の伝熱管5本の外側が削れて管厚が40~60%減少していることが見つかりました。関電と規制委は、伝熱管の減肉や損傷は、混入した異物が、配管を削ったためとしましたが、蒸気発生器の1台からはステンレスの小片が見つかったものの、他の2台の蒸気発生器では、異物は特定できていません。
(3)高浜原発3号機でも、本年2月、再稼働準備中に、蒸気発生器伝熱管の減肉・損傷が見つかりました。関電は、異物の混入のためとしました。
上記のトラブルの中でも蒸気発生器の伝熱管の損傷はとくに深刻です。高温・高圧水が流れている伝熱管が完全に破断すれば、原子炉水が噴出し、原子炉が空焚きになる可能性があります。実際、1991年に美浜原発2号機で伝熱管破断が起き、緊急炉心冷却装置が作動しています。
損傷した伝熱管も多数に上ります。例えば、高浜原発3号機では、2018年9月段階で約1万本の伝熱管の3.6%にあたる364本が摩耗による減肉、腐食、応力腐食割れによって使用不能になり、栓がされていると報道されています。
このように損傷が進む蒸気発生器ですが、高浜1、2号機、美浜3号機の蒸気発生器は、それぞれ1996年、1994年、1996年に取り替えられ、約25年も経過しているにも拘わらず、これらの原発の運転が認可されています。
蒸気発生器の破損は、取り替えたばかりの蒸気発生器でも発生しています。米国のサン・フレスノ原発2、3号機では、2010年、2011年に蒸気発生器を三菱重工業製の新品に取り替えましたが、2012年1月、3号機で放射性物質を含んだ蒸気が漏出し、運転を停止しました。調査の結果、両機ともに3000本以上の蒸気発生器伝熱管に早期摩耗が発見されました。この2基は2013年6月に廃炉となりました。
このように、蒸気発生器は、「加圧水型原発のアキレス腱」と言われるほど、トラブルが頻発する装置ですが、上記(2)、(3)の減肉は、さらに深刻な問題を提起しています。それは、減肉の原因が、規制委の審査では想定されていない「混入した異物による損傷」であることです。「異物の混入」は、防ぎきれない人為ミスによっても起こりますが、炉内での腐食や破損によっても起こります。例えば、規制委の審査では、炉内構造物を固定するバッフルフォーマーボルトの応力腐食割れによる損傷数は60年運転時点で全体の20%以下であるから安全を維持できるとしていますが、破損ボルトが異物として配管、核燃料などを損傷する可能性もあります。
腐食、減肉、損傷が頻発する蒸気発生器を持つ加圧水型原発は、重大事故を起しかねません。運転開始後45年、44年、43年超えにもなる老朽原発・高浜1、2号機、美浜3号機の運転などもってのほかです。
【2】老朽原発再稼働準備工事での人身事故
(1)昨年9月19日、老朽原発・高浜1、2号機の特定重大事故対処施設建設用のトンネル内で溶接作業中の9人が一酸化炭素中毒で救急搬送され、4人が集中治療室に入りました。このトンネルには外気を取り込む送気ダクトが設置されていませんでした。
(2)今年3月13日、高浜原発1、2号機の敷地内にある掘削中の作業用トンネルで、発破準備作業の安全監視中であった協力会社社員が、後退してきたトラックにはねられ、3時間後に亡くなられました。はねられた社員は耳栓をし、トラックに背を向けていたと報道されています。
(3)4月11日には、高浜原発1号機の安全対策工事を行っていた協力会社社員が、脚立から転落し、骨盤を折る重傷を負われました。
これらの人身事故は、老朽原発再稼働準備作業中に起こりました。老朽原発を無理矢理動かそうとして、安全な労働環境づくりを怠ったために起こった事故です。
【3】老朽原発運転を企む関電幹部の不祥事
昨年9月、関電が支払った原発関連工事費が、多額の金品として関電幹部に還流されたことが暴露され、今年3月には、電気料金値上げ時にカットした役員報酬や役員が追加納税した税金を、退任後、関電が補填をしていたことが公表されました。しかも、これらの不祥事に関与した関電幹部のほとんどは、原発の推進に奔走した人たちです。原発が、汚れた原発マネーによって推進されたことを示します。
それでも関電は、原発の運転を継続し、危険極まりない老朽原発まで再稼働させようとしています。また、関電は、この不祥事の後、役員人事を刷新し、旧経営陣を告発していますが、真に信頼回復に努めるのであれば、不祥事の原因となった原発の稼働や再稼働準備工事を一端中止して、原発稼働の是非を再考すべきです。
上記【1】~【3】のトラブル、事故、不祥事は、原発の安全にとって看過できないものであり、関電が原発を安全に運転できる資質、能力、体制を持ち合わせていないことを物語る証左です。老朽原発の運転などもっての他です。
なお、人の命と尊厳より自らの利益を優先させる関電は、新型コロナウイルスの危機の中でも、稼働中の原発を停止させないのみならず、危険極まりない老朽原発の再稼働準備工事まで継続しています。
新型コロナウイルス蔓延の中で原発が重大事故を起したら、集団避難のバスの中で、避難先で何年も続く集団生活の中でウイルスの感染を防ぐことは至難です。一方、原発内で感染が拡大すれば、原発の運転が困難になるばかりでなく、検査も行き届かなくなり、原発の安全が保たれなくなります。
以上の視点に立って、「老朽原発うごかすな!大集会inおおさか」実行委員会は、貴関西電力株式会社に、以下を申し入れます。
【1】高浜原発1、2号機、美浜原発3号機の再稼働準備工事を即時中止し、これらの原発の廃炉を決定して下さい。
【2】「新型ウイルス」の危機下でも運転中の大飯原発3、4号機、高浜原発4号機を即時停止して下さい。「新型ウイルス」の危機下でも継続され、人身事故が多発している老朽原発再稼働準備工事の即時停止して下さい。
なお、貴社が、私たちの再三の危険性指摘を無視して原発を稼働して、重大事故が起こった場合、それは貴職らの故意による犯罪であり、許されるものではないことを申し添えます。
2020年6月23日
「老朽原発うごかすな!大集会inおおさか」実行委員会
(連絡先;木原壯林 090-1965-7102)
文中に「サン・フレスノ原発」と書かれていますが、『一般的には「サン・オノフレ原発」と表記するのがよいのではないかと思いますが、いかがでしょうか』というご指摘を受けました。確かにそのとおりですので、「サン・オノフレ原発」に訂正させていただきます。なお、「サン・フレスノ原発」という表現も一部では使われています。
原子力規制委員会 更田豊志 委員長 殿
原発は、事故確率の高さ、事故被害の深刻さ、事故処理や使用済み核燃料の処分の困難さなど、現在科学技術で制御できる装置でないことを、福島原発事故が大きな犠牲の上に教えています。その原発が老朽化すれば、危険度が急増することは多くが指摘するところです。それでも、原子力規制委員会(規制委と略)は、2016年6月20日および2016年11月16日、関西電力(関電と略)高浜発電所(高浜原発と略)1、2号機および美浜原子力発電所(美浜原発と略)3号機の40年超え運転を、拙速審議によって認可しました。しかし、この認可以降に、関電の原発に関連して、下記のように、トラブル、事故、不祥事が頻発しています。これらは、認可の過程では想定されなかった、あるいは重要視されなかったものです。原発の40年超え運転が理不尽であることを示しています
【1】関電の原発でのトラブルの例
(1)高浜原発4号機では、再稼働準備中の2018年8月19日に、事故時に原子炉に冷却水を送るポンプが油漏れを起こし、20日には、温度計差込部から噴出した放射性物質を含む蒸気が原子炉上蓋から放出される深刻なトラブルを起しました。
(2)高浜原発4号機では、2019年10月、再々稼働準備中に、3台設置されている蒸気発生器の伝熱管5本の外側が削れて管厚が40~60%減少していることが見つかりました。関電と規制委は、伝熱管の減肉や損傷は、混入した異物が配管を削ったためとしましたが、蒸気発生器の1台からはステンレスの小片が見つかったものの、他の2台の蒸気発生器では、異物は特定できていません。
(3)高浜原発3号機でも、本年2月、再稼働準備中に、蒸気発生器伝熱管の減肉・損傷が見つかりました。関電は、異物の混入のためとしました。
上記のトラブルの中でも1次系である蒸気発生器の伝熱管の損傷はとくに深刻です。約160気圧、摂氏約320度の高温・高圧水が流れている伝熱管が完全に破断すれば、高圧の原子炉水が噴出し、原子炉が空焚きになる可能性があります。実際、1991年に美浜原発2号機でこのような伝熱管破断が起き、緊急炉心冷却装置が作動しています。損傷した伝熱管も多数に上ります。例えば、高浜原発3号機では、2018年9月段階で約1万本の伝熱管の3.6%にあたる364本が摩耗による減肉、腐食、応力腐食割れによって使用不能になり、栓がされています。
このように損傷が進む蒸気発生器ですが、高浜1、2号機、美浜3号機の蒸気発生器が取り替えられたのは、それぞれ1996年、1994年、1996年であり、約25年も経過しているにも拘わらず、これらの原発の運転が認可されています。
なお、蒸気発生器の破損は、取り替えたばかりの蒸気発生器でも発生しています。米国のサン・フレスノ原発2、3号機では、2010年、2011年に蒸気発生器を三菱重工業製の新品に取り替えましたが、2012年1月、3号機で放射性物質を含んだ蒸気が漏出し、運転を停止しました。調査の結果、両機ともに3000本以上の蒸気発生器伝熱管に早期摩耗が発見されました。この2基は2013年6月に廃炉となりました。
このように、蒸気発生器は、「加圧水型原発のアキレス腱」と言われるほど、トラブルが頻発する装置ですが、上記(2)、(3)で述べた減肉は、さらに深刻な問題を提起しています。それは、減肉の原因が、規制委の審査では想定されていない「混入した異物による損傷」であることです。「異物の混入」は、防ぎきれない人為ミスによっても起こりますが、炉内での腐食や破損によっても起こります。例えば、規制委の審査では、炉内構造物を固定するバッフルフォーマーボルトの応力腐食割れによる損傷数は60年運転時点で全体の20%以下であるから安全を維持できるとしていますが、破損ボルトが異物として炉心や配管を損傷する可能性もあります。
腐食、減肉、損傷の頻発する蒸気発生器を持つ加圧水型原発は、重大事故を起しかねません。運転開始後45年、44年、43年超えにもなる老朽原発・高浜1、2号機、美浜3号機の運転などもってのほかです。
【2】老朽原発再稼働準備工事での人身事故
(1)昨年9月19日、老朽原発・高浜1、2号機の特定重大事故対処施設建設用のトンネル内で溶接作業中の9人が一酸化炭素中毒で救急搬送され4人が集中治療室に入りました。このトンネルには外気を取り込む送気ダクトが設置されていませんでした。
(2)今年3月13日、高浜原発1、2号機の敷地内にある掘削中の作業用トンネルで、発破準備作業の安全監視中であった協力会社社員が、発破用の火薬を運ぶために後退してきたトラックにはねられ、病院に搬送されましたが、3時間後に亡くなられました。はねられた社員は耳栓をし、トラックに背を向けていたそうです。
(3)4月11日には、高浜原発1号機の安全対策工事を行っていた協力会社社員が、脚立から転落し、骨盤を折る重傷を負われました。
これらの人身事故は、老朽原発再稼働準備作業中に起こりました。老朽原発を無理矢理動かそうとして、安全な労働環境づくりを怠ったために起こった事故です。
【3】老朽原発運転を企む関電幹部の不祥事
昨年9月、関電が支払った原発関連工事費が、多額の金品として関電幹部に還流されたことが暴露され、今年3月には、電気料金値上げ時にカットした役員報酬や役員が追加納税した税金を、退任後、関電が補填していたことが公表されました。しかも、これらの不祥事に関与した関電幹部のほとんどは、原発の推進に奔走した人たちです。原発が、汚れた原発マネーによって推進されたことを示します。
それでも関電は、原発の運転を継続し、危険極まりない老朽原発まで再稼働させようとしています。また、関電は、この不祥事の後、役員人事を刷新したとし、旧経営陣を告発していますが、真に信頼回復に努めるのであれば、不祥事の原因となった原発の稼働や再稼働準備工事を一端中止して、原発稼働の是非を再考すべきです。
上記【1】~【3】のトラブル、事故、不祥事は、原発の安全にとって看過できないものであり、関電が原発を安全に運転できる資質、能力、体制を持ち合わせていないことを物語る証左です。老朽原発の運転などもっての他です。
なお、人の命と尊厳より自らの利益を優先させる関電は、新型コロナウイルス(「新型ウイルス」と略)の危機の中でも、稼働中の原発を停止させないのみならず、危険極まりない老朽原発の再稼働準備工事まで継続しています。
「新型ウイルス」蔓延の中で原発が重大事故を起したら、集団避難のバスの中で、避難先で何年も続く集団生活の中で「新型ウイルス」の感染を防ぐことは至難です。一方、原発内で感染が拡大すれば、原発の運転が困難になるばかりでなく、検査も行き届かなくなり、原発の安全が保たれなくなります。
以上の視点に立って、「老朽原発うごかすな!大集会inおおさか」実行委員会は、貴原子力規制員会に、以下を申し入れます。
【1】高浜原発1、2号機、美浜原発3号機の運転期間延長認可を取り消し、これらの原発の即時廃炉を決定して下さい。
【2】「新型ウイルス」の危機下でも運転中の大飯原発3、4号機、高浜原発4号機の即時停止を求めて下さい。「新型ウイルス」の危機下でも継続され、人身事故が多発している老朽原発再稼働準備工事の即時停止を求めて下さい。
2020年6月23日
「老朽原発うごかすな!大集会inおおさか」実行委員会
(連絡先;木原壯林 090-1965-7102)
文中に「サン・フレスノ原発」と書かれていますが、『一般的には「サン・オノフレ原発」と表記するのがよいのではないかと思いますが、いかがでしょうか』というご指摘を受けました。確かにそのとおりですので、「サン・オノフレ原発」に訂正させていただきます。なお、「サン・フレスノ原発」という表現も一部では使われています。
美浜町・町長 戸嶋 秀樹 様
原発は、事故確率の高さ、事故被害の深刻さ、事故処理や使用済み核燃料の処分の困難さなど、現在科学技術で制御できる装置でないことを、福島原発事故が大きな犠牲の上に教えています。その原発が老朽化すれば、危険度が急増することは多くが指摘するところです。それでも、原子力規制委員会(規制委と略)は、2016年6月20日および2016年11月16日、関西電力(関電と略)高浜発電所(高浜原発と略)1、2号機および美浜原子力発電所(美浜原発と略)3号機の40年超え運転を、拙速審議によって認可しました。
しかし、この認可以降に、関電の原発に関連して、下記のように、トラブル、事故、不祥事が頻発しています。これらは、認可の過程では想定されなかった、あるいは重要視されなかったものです。原発の40年超え運転が理不尽であることを示しています。
【1】原発でのトラブルの例
(1)高浜原発4号機では、2018年8月19日に、事故時に原子炉に冷却水を送るポンプが油漏れを起こし、20日には、温度計差込部から噴出した放射性物質を含む蒸気が原子炉上蓋から放出される深刻なトラブルを起しました。
(2)高浜原発4号機では、2019年10月、3台の蒸気発生器の伝熱管5本の外側が削れて管厚が40~60%減少していることが見つかりました。関電と規制委は、伝熱管の減肉や損傷は、伝熱管内に異物が混入し、配管を削ったためとしましたが、蒸気発生器の1台からはステンレスの小片が見つかったものの、他の2台の蒸気発生器では、異物は特定できていません。
(3)高浜原発3号機でも、本年2月、蒸気発生器伝熱管の減肉・損傷が見つかりました。関電は、異物の混入のためとしました。
上記のトラブルの中でも蒸気発生器伝熱管の損傷はとくに深刻です。約160気圧、摂氏約320度の高温・高圧水が流れている伝熱管が完全に破断すれば、高圧の原子炉水が噴出し、原子炉が空焚きになる可能性があります。実際、1991年に美浜原発2号機でそのような伝熱管破断が起き、緊急炉心冷却装置が作動しています。損傷した伝熱管も多数に上ります。例えば、高浜原発3号機では、、2018年9月段階で約1万本の伝熱管の3.6%にあたる364本が摩耗による減肉、腐食、応力腐食割れによって使用不能になり、栓がされています。
このように損傷が進む蒸気発生器ですが、高浜1、2号機、美浜3号機の蒸気発生器が取り替えられたのは、1996年、1994年、1996年であり、約25年も経過しているにも拘わらず、これらの原発の運転が認可されています。
蒸気発生器は、「加圧水型原発のアキレス腱」と言われるほど、トラブルが頻発する装置ですが、上記(2)、(3)で述べた減肉は、さらに深刻な問題を提起しています。それは、減肉の原因が、規制委の審査では想定されていない「混入した異物による損傷」であることです。「異物の混入」は、防ぎきれない人為ミスによっても起こりますが、炉内での腐食や破損によっても起こります。例えば、規制委の審査では、炉内構造物を固定するバッフルフォーマーボルトの応力腐食割れによる損傷数は60年運転時点で全体の20%以下であるから安全を維持できるとしていますが、破損ボルトが異物として配管や核燃料を損傷する可能性もあります。
腐食、減肉、損傷の頻発する蒸気発生器を持つ加圧水型原発は、重大事故を起しかねません。運転開始後45年、44年、43年超えにもなる老朽原発・高浜1、2号機、美浜3号機の運転などもってのほかです。
【2】老朽原発再稼働準備工事での人身事故
(1)昨年9月19日、老朽原発・高浜1、2号機の特定重大事故対処施設建設用のトンネル内で溶接作業中の9人が一酸化炭素中毒で救急搬送され4人が集中治療室に入りました。このトンネルには外気を取り込む送気ダクトが設置されていませんでした。
(2)今年3月13日、高浜原発1、2号機の敷地内にある掘削中の作業用トンネルで、発破準備作業の安全監視中であった協力会社社員が、発破用の火薬を運ぶために後退してきたトラックにはねられ、3時間後に亡くなられました。はねられた社員は耳栓をし、トラックに背を向けていたそうです。
(3)4月11日には、高浜原発1号機の安全対策工事を行っていた協力会社社員が、脚立から転落し、骨盤を折る重傷を負われました。
これらの老朽原発再稼働準備作業中の人身事故は、老朽原発を無理矢理動かそうとして、安全な労働環境づくりを怠ったために起こった事故です。
【3】老朽原発運転を企む関電幹部の不祥事
昨年9月、関電が支払った原発関連工事費が、多額の金品として関電幹部に還流されたことが暴露され、今年3月には、電気料金値上げ時にカットした役員報酬や役員が追加納税した税金を、退任後、関電が補填をしていたことが公表されました。しかも、これらの不祥事に関与した関電幹部のほとんどは、原発の推進に奔走した人たちです。原発が、汚れた原発マネーによって推進されたことを示します。
それでも関電は、原発の運転を継続し、危険極まりない老朽原発まで再稼働させようとしています。また、関電は、この不祥事の後、役員人事を刷新し、旧経営陣を告発していますが、真に信頼回復に努めるのであれば、不祥事の原因となった原発の稼働や再稼働準備工事を一端中止して、原発稼働の是非を再考すべきです。
上記のトラブル、事故、不祥事は、原発の安全上、看過できないものであり、関電が原発を安全に運転できる資質、能力、体制を持ち合わせていないことを物語る証左です。老朽原発の安全運転など到底無理です。
以上の視点に立って、「老朽原発うごかすな!大集会inおおさか」実行委員会は、美浜町・町長に、以下を申し入れます。
①原発マネー不祥事は,原発を推進した関電幹部には、事の善悪を判断し、法令を遵守する資質と能力が欠如していたことを明らかにしました。
美浜町は、その関電による美浜原発の運転を容認してきましたが、この姿勢を白紙に戻し、重大事故を起しかねず、何万年もの保管を要する使用済み核燃料を残す原発の稼働の是非を再審議して下さい。
②危険極まりなく、重大事故の確率の高い老朽原発・美浜3号機の運転を認めないことを宣言して下さい。
③関電が進める老朽原発・美浜3号機の再稼働準備関連工事の即時停止を求めて下さい。
2020年6月23日
「老朽原発うごかすな!大集会inおおさか」実行委員会
(連絡先;木原壯林 090-1965-7102)
【1】の(2)
「関電と規制委は、伝熱管の減肉や損傷は、伝熱管内に異物が混入し、配管を削ったためとしました」
とある個所は,
「関電と規制委は、伝熱管の減肉や損傷は、混入した異物が配管を削ったためとしました」
とするほうが適切です。
京都脱原発原告団…大飯原発差止訴訟[京都地裁]…は,
下記のように2020年原告団総会を開きます。
●日時と場所
6月27日(土)13:30~
ハートピア京都(京都市営地下鉄 烏丸線「丸太町」駅下車すぐ上)
●記念講演…当初予定は,下記のお二人でしたが,②島崎邦彦さんの講演は取りやめ
講演① 石原和弘さん「日本の火山噴火予知の現状」
講演② 島崎邦彦さん「大飯原発と熊本地震」……取りやめ
【特別のお願い】
【チラシPDF】→こちら[829 KB](ファイル名:2020-06-27-sokai)。以下のチラシにある島崎邦彦さんの講演は取りやめとなりました。
◆3.11福島第一原発事故以前には,1973年から始まった伊方裁判(1992年に最高裁で敗訴)など,多くの原発運転差止裁判がありましたが,2勝33敗に終わっています。
◆勝訴した2件も,その後の控訴審,上告審ですべて敗訴。その意味で,福島第一原発事故は,裁判所にも責任があると言えます。
◆勝訴したのは,2003年のもんじゅ訴訟(名古屋高裁金沢支部の差戻控訴審)で初の設置許可無効判決,2006年の志賀原発2号機訴訟(金沢地裁,井戸謙一裁判長)で初の運転差止判決,この2件のみでした。
・3・11前には原告勝訴の判決は,二つだけ(他に原告適格で勝訴判決が一つ)。
・2勝33敗で,ほとんどが敗訴。
・勝訴した2件も,その後の控訴審,上告審ですべて敗訴。
・参考図書
→岩波新書『原発訴訟』海渡雄一(かいとゆういち)。(¥886)
→産経新聞出版『法服の王国 小説 裁判官』黒木(くろきりょう)。(上下各¥1944)(文庫版で上下各¥1188)
…裁判官は「憲法と良心のみに従う」ことが原則なのに…。
◆3.11以降はさすがに流れは変わり,これまで(~2020年3月)で8勝22敗となっています。とりわけ,2014年の大飯原発差止訴訟での勝訴(福井地裁,樋口英明裁判長)は,判決内容も素晴らしいものでした。
◆最新の勝訴は,2020年1月,伊方原発について広島高裁が運転禁止の仮処分決定を出しています。電力会社にとっては,一つの裁判で負けるだけで,他の裁判でいくら勝っても,重大な司法リスクをひきずることになります。
◆関電の原発については,京都地裁の他,大阪地裁,大津地裁,名古屋地裁で審理が続いています。「裁判官をして市民に顔を向かせるのは,絶えることなく裁判所にとどけられる市民の声」(井戸謙一弁護士)という言葉をかみしめて,市民運動を大きくしていきましょう。
福井地裁(樋口英明裁判長)において,大飯原発3,4号機の運転を差し止め。生存権を基礎とする人格権(憲法13条,25条)が最高の価値をもっているとし,この権利からすれば,経済活動で原発を動かす権利は「劣位」だと断罪。
福井地裁(樋口英明裁判長)において,高浜原発3,4号機の運転を認めない仮処分の決定。
高浜原発3,4号機運転差止仮処分決定に対し,関電が執行停止を申し立てをした件について,福井地裁(林潤裁判長)は却下の決定。
大津地裁(山本善彦裁判長)は関西電力高浜原発3,4号機の運転差止仮処分を認める決定。
関西電力高浜原発3,4号機(福井県高浜町)の運転差し止めを命じた2016年3月9日の大津地裁の仮処分決定を不服として,関電が取り消しを求めて申し立てた異議について,同地裁(山本善彦裁判長)は12日,退ける決定。
広島高等裁判所第2部( 野々上友之裁判長)は,伊方原発即時抗告の申し立てを認め,2018年9月30日まで伊方原発3号機の運転を禁じた。
広島高裁が四国電力伊方原子力発電所の運転を差し止めた2017年12月13日の決定に対して,四国電力が異議申立と執行停止を求めていたところ,2018年3月22日,広島高裁第2部(三木昌之裁判長)は四国電力の執行停止の申立を却下。
伊方原発3号機の運転差止を求めて,2017年3月3日山口地裁岩国支部に山口県住民が申し立てた仮処分事件は,2019年3月15日に却下決定となり,3月29日に即時抗告,広島高裁で争われることに。2019年9月11日第1回審尋期日を経て,2020年1月17日原告勝訴の決定(森一岳裁判長)。原発の近くに活断層がある可能性を否定できないにもかかわらず「四国電は十分な調査をせず,原子力規制委員会も稼働は問題ないと判断した」と指摘。阿蘇山についても「一定程度の噴火を想定すべきだ」として,その場合でも火山灰などの量は四国電の想定の約3~5倍に上ると判断し「四国電の想定は過小だ」と結論付けた。運転差し止めの期間について,山口地裁岩国支部で係争中の差し止め訴訟の判決言い渡しまで(この判決の期日は未定)とした。
◆高浜3号機の蒸気発生器の細管で傷が見つかった問題、傷の元になったと見られる異物(下図)の一部が回収された問題(関電の4/17のプレスリリース)は、深刻な事故につながりかねない。
◆高浜原発では、これまでから稼働中の3号機と4号機で蒸気発生器細管の損傷事故が続いている。
(1) 2018年9月に3号機で1本、
(2) 2019年10月には4号機で計5本の蒸気発生器細管で削れられたとみられる個所が確認された。
(3) 今回、2020年2月、3号機で2本に接触痕が認められた。
◆(1) の3号機の場合は、異物は発見されたが、それは管に傷を付けるほどのものでないということで、原因は不明のまま。作業員の衣服等に付着したものが外部から混入したと決めつけ「分解点検時に使用する機材や内部に立ち入る作業員の衣服等に異物の付着がないことを確認することについて、作業手順書に追記して、異物混入防止の更なる徹底を図る」ことで決着している(2018/9/20)。
◆(2) の4号機の場合も、傷の元になった異物を見つけられないまま、無理矢理、再稼働している。関電の対策は、原因を作業員の衣服等に付着したものが外部から混入したとして、「作業員が機器に立ち入る際には、作業服を着替えるとともに靴カバーを着用する。垂直配管に取り付けられている弁の点検後、目視による点検が困難な箇所に対してファイバースコープによる異物確認を行う」ことに(2019/11/28)。規制意欲のない規制委もこれを追認した。滋賀県は、関電に対して徹底して調べるように求めた(2019年11月「避難計画を案ずる関西連絡会」の申入に県が回答)が、無視された。
◆(3) 今回、3号機で細管の傷の元になったと見られるステンレス金属片が見つかったのは良かったが、他にはないのか。それがどうして混入してしまったのか、元はシール材とすればどうして剥がれてしまったのか。剥がれないようにできるのか。
◆また、今回の減肉はB-SGの伝熱管1本とC-SGの伝熱管1本で発生しているのに、異物が発見されたのは、A―SGとC―SG各1個ずつで、B-SGではまだ見つかっていない。
(SG=蒸気発生器。高浜原発では、A~Cの3台の蒸気発生器がある)
◆今回のプレスリリース(4/17)を読むと
(→こちら)
┌─────────────────────────────────
高浜3号機で蒸気発生器の細管を傷つけた金属片について。
・C―SGで回収した金属片は、一つが縦約33mm、横約5mm、厚さ約0.2mm、重さ約0.3g、A―SGで回収した金属片は、縦約24mm、横約5mm、厚さ約0.2mm、重さ約0.2gの線形状。
・成分分析の結果、主成分は鉄であり、その他にクロムとニッケルが検出され、ステンレス鋼と推定。
・これらの分析結果から、金属片は配管等に使用されているうず巻ガスケット(幅4.5mm程度。配管の継手部や容器のマンホール部、弁やポンプのボンネット部に使われているシール材。SG外の2次冷却系配管内の部品)の一部である可能性があると推定。
・電子顕微鏡による観察の結果、金属片にはいずれも複数箇所で筋状の擦れ跡や摩耗、打痕が認められた。
└─────────────────────────────────
◆関西電力は4/17、高浜原発3号機の定期検査を12/22まで延長し、再起動を12月に延期すると明らかにした。当初は4月上旬を予定していたが、伝熱管の損傷が見つかり、蒸気発生器から異物が発見されたため調査する。3号機は、テロ対策で設置が義務付けられた「特定重大事故等対処施設」(特重施設)が期限の8/3までに完成できないため、営業運転は3か月程度で停止する見込みだった。定期検査の延長(~12/22)で、関電は「再起動は特重施設の設置後(12/23~)」としている。
◆1991年2月9日、美浜原発2号機の蒸気発生器の細管1本が破断し、原子炉が自動停止、緊急炉心冷却装置 (ECCS) が作動する事故が発生。この事故は日本の原子力発電所において初めてECCSが実際に作動した事故であった。
◆原因は、伝熱管の振動を抑制する金具が設計通りに挿入されておらず、そのため伝熱管に異常な振動が発生し、高サイクル疲労(金属疲労)により破断に至ったものと判明した。この金具は点検対象とされていなかったことも一因とされる。
◆この事故により微量の放射性物質が外部に漏れたが、周辺環境への影響はなかったと発表されている。しかし、美浜沖の海水から、通常なら数Bq/Lより少ないトリチウムが、2月10日に470Bq/L、2月18日にも490Bq/L検出された(Wikipedia)。
◆福島原発事故から 10年目になりました。この事故は、原発が重大事故を起こせば、人の命と尊厳を奪い、職場を奪い、農地を奪い、海を奪い、生活基盤を根底から奪い去ることを、大きな犠牲の上に教えました。原発事故の被害は長期におよびます。避難された方の多くは今でも、避難先で苦難の生活を送っておられます。事故を起した原子炉の内部の様子は、高放射線のため、ごく一部しか分からず、溶け落ちた核燃料の取り出しの目途も立っていません。汚染された土壌の除染法はなく、ごく表層をはぎ取ってフレコンバックに保存する他はありませんが、そのフレコンバックも、放射線と風化によって破損し始めています。トリチウムなどの放射性物質を含む大量の汚染水が溜り続け、太平洋に垂れ流されようとしています。
◆福島原発事故は、原発が重大事故を起せば、放出された放射性物質が風に乗って運ばれ、被害は広域におよぶことを実証しました。事故炉から50 km離れた飯舘村も全村避難になり、200 km以上離れた関東でも高放射線地域が見つかっています。これは、若狭の原発が重大事故を起せば、約260万人が住む京都府、約140万人が住み琵琶湖を有する滋賀県を始め、関西や中部の多くの部分が放射性物質に汚染されかねないことを示します。
◆原発は、事故を起さなくても、運転すれば、長期の保管を要する使用済み核燃料を残しますが、その行き場はなく、何万年もの未来にまで負の遺産を押し付けることになります。また、トリチウムを含む冷却水を垂れ流します。
◆福島事故後に再稼働した原発でもトラブル続きです(以下はトラブルの例です)。
◆このように、再稼働、再々稼働を進める全ての電力会社がトラブルを起こしています。これは原発の点検・保守や安全維持の困難さを示唆し、配管の腐食や減肉、部品の摩耗などが進んでいることを示しています。また、傲慢で安全性を軽視することに慣れ切り、緊張感に欠けた電力会社が原発を運転する能力・資格を有していないことを実証しています。とくに、蒸気発生器へのたび重なる異物の混入は、原発の保守や点検がずさんな体制で行われていることを示します。さらに、規制委員会が適合とした多くの原発が再稼働前後にトラブルを起こした事実は、原発の再稼働にお墨付きを与えた新規制基準が極めていい加減な基準であり、規制委員会の審査が無責任極まりないことを物語っています。
◆なお、トラブルの中でも蒸気発生器伝熱管の損傷はとくに深刻です。蒸気発生器は、原子炉から出てくる高温・高圧の熱湯によって蒸気を発生させる装置で、伝熱管の内部には、約160気圧、摂氏約320度の高温・高圧水が流れています。もし、この伝熱管が完全に破断すれば、高圧の原子炉水が噴出し、原子炉が空焚きになり、ついにはメルトダウンする可能性があります。実際、1991年に美浜原発2号機でこのような伝熱管破断が起き、緊急炉心冷却装置が作動しています。損傷した伝熱管も多数に上ります。例えば、高浜原発3号機には伝熱管が約1万本ありますが、一昨年9月段階でその3.6%にあたる364本が摩耗による減肉や腐食と引っ張る力の共同作用で生じるひび割れ、いわゆる応力腐食割れによって使用不能になり、栓がされています。
◆上記のトラブルを起こした原発は、1984年7月(川内1号機)、1985年1月(高浜3号機)、1985年6月(高浜4号機)、1994年3月(玄海3号機)、1994年12月(伊方3号機)に運転を開始していますから、トラブルを起こした時点で、運転開始後21年~35年超えでした。このように、運転開始後40年に満たない原発であっても、腐食や摩耗が進み、また、ずさんな点検・保守によって、重大事故を起しかねない状況にあります。
◆その原発が、老朽化すると、重大事故の確率が急増します(運転開始後40年を超えた原発を老朽原発と呼びます)。老朽化すれば、例えば、高温、高圧下で大量の放射線(中性子)に曝(さら)され、交換することのできない圧力容器(原子炉本体)などが脆化(ぜいか;もろくなること)し、配管が腐食などによって減肉(やせ細ること)するからです
◆また、40年以上も前に建設された原発では、建設時には適当とされていたが、現在の基準では不適当と考えられる部分が多数あります。しかし、その全てが見直され、改善されているとは言えません。例えば、地震の大きさを過小評価していた時代に作られた構造物、配管の中で交換不可能な圧力容器などです。
さらに、老朽原発では、建設当時を知る技術者は殆ど退職していますので、非常時、事故時の対応に困難を生じます。一方、建設当時の図面などの記録が散逸している可能性があり、原発の安全管理の支障となります。
◆それでも、関西電力(関電)と政府は、今年、運転開始後45年超え、44年超え、43年超えになる老朽原発・高浜1、2号機,美浜3号機の再稼動を画策しています。また、原発の40年超え運転は「例外中の例外」としていた政府は、この約束も反古(ほご)にしようとしています。
◆昨年9月、関電が支払った原発関連工事費が、多額の金品として関電幹部に還流されていたことが明らかになり、また、今年3月には、電気料金値上げの際にカットした役員報酬や役員が追加納税した税金を、退任後、関電が補填をしていたことが明らかになり、多くの人々の怒りをかっています。
◆このお金は、元をただせば私たちが支払った電気料金です。私たちの電気料金を建設業者などに垂れ流し、汚れた原発マネーとして関電幹部に還流させたのです。
◆しかも、お金を受けとった関電幹部のほとんどは、原発の推進に奔走した人たちです。この事は、危険極まりなく、喜んで引き受ける場所がない原発を引き受けさせる見返りとして、地域自治体、企業、住民に汚れた原発マネーをバラマキ、「人の命と尊厳」を犠牲にして「経済的利益」を選択することを強いたことを物語っています。関電とその幹部たちは、住民の安心・安全や電力消費者の利益をないがしろにして、私服を肥やしていたのです。とんでもないことです。
◆このように、原発が汚れた原発マネーによって推進されたことは明らかですが、それでも関電は、原発の運転を継続し、危険極まりない老朽原発まで再稼働させようとしています。また、不祥事を反省して役員人事を刷新したと言っていますが、会長に、不祥事の原因である原発の推進を掲げる榊原前経団連会長を就任させようとしています。関電幹部には、人の命と尊厳を大切にするための企業倫理や法令を遵守する姿勢がないことは明らかです。
◆昨年9月19日、老朽原発・高浜1、2号機の特定重大事故対処施設(いわゆるテロ対策施設)建設用のトンネル内で溶接作業にあたっていた9人が一酸化炭素中毒で救急搬送されました。一人は、滋賀県の病院にドクターヘリで運ばれ、集中治療室で治療を受け、ほかの8人は小浜市の病院に搬送され、3人が集中治療室に入りました。事故の起こったトンネルには外気を取り込む送気ダクトが設置されていませんでした。
◆今年3月13日には、高浜原発1、2号機の敷地内にある掘削中の作業用トンネルで、発破準備作業の安全監視中であった協力会社社員が、発破用の火薬を運ぶために後退してきたトラックにはねられ、病院に搬送されましたが、3時間後に亡くなられました。はねられた社員は耳栓をし、トラックに背を向けていたそうです。このトンネルは、テロ対策施設建設用に掘削されていました。関電は、この死亡事故によって、高浜原発1、2号機で進めている安全対策工事などの行程を見直し、1号機では工事完了時期が4カ月遅れ、9月にずれ込むと発表しました。
◆さる4月11日には、高浜原発1号機の安全対策工事を行っていた協力会社の会社員が、脚立から転落し、骨盤を折る重傷を負われました。
◆これらの最近起こった人身事故は、老朽原発再稼働のために行われていた作業中のものです。老朽原発を無理矢理動かそうとして、安全な労働環境づくりを怠ったために起こった事故です。経済的利益のみを優先して進められる老朽原発再稼働準備が、悲劇を呼んでいるのです。
◆危険な原発、とりわけ危険な老朽原発再稼働のための工事の即時停止を求め、老朽原発の即時廃止を実現しましょう!
◆今、関電や政府は、45年超えにもなろうとする老朽原発・高浜1、2号機、美浜3号機を再稼働させ、全国の原発60年運転を先導しようと懸命です。人の命と尊厳をないがしろにする原発社会の延命を図っているのです。許してはなりません!
◆いま、脱原発・反原発は圧倒的な民意ですが、老朽原発の運転に反対する声はさらに大きく、運転を認める声などほとんどありません。
◆原発の40年超え運転を阻止すれば、美浜町からは即時、高浜町からは5年後に、おおい町からは13年後に、原発がゼロになります。2033年には若狭から、2049年には全国から、運転中の原発が無くなります。
◆原発反対の行動が高揚すれば、もっと早く原発をなくすことも可能です。原発のない社会は、すぐそこです。原発ゼロに向けて、大きく前進しましょう!
「老朽原発うごかすな!大集会inおおさか」実行委員会
連絡先:木原(若狭の原発を考える会090-1965-7102)