老朽原発うごかすな!実行委員会」カテゴリーアーカイブ

◆省エネルギー生活を考え、実践しよう

脱原発運動の足元で、
省エネルギー生活を考え、実践しよう

◆原発を動かさなくても電気は足りていることは広く知られるようになりました。

◆しかし、電力会社は目先の企業利益だけのために、また、政府は核兵器の原料を何としても保持したいためか、万一戦争になった時のエネルギー確保のためか、一旦事故が起こると取り返しのつかない事態になることを分かってながら、原発再稼働にとても意欲を燃やしています。

◆脱原発を目指す方々からは、原発電気を止めて、自然エネルギー(太陽光・風力・水力・地熱・バイオマスなど)に変えようという世論が高まっています。(政府が原発推進の考えなので、外国の取り組みからはずいぶん後れをとっていますが。)

◆しかし、自然エネルギーを利用したからと言って、環境問題がすべて解決するというわけではありません。例えば、広大な太陽光発電装置が景観や農地を壊す、近くの家が反射光でまぶしい・暑い、風力発電では低周波が周辺住民を悩ます、などの問題があります。使いやすいものに改良していくには、ある程度の時間が必要でしょう。

◆また、エネルギーも、その地方の特性にあったやり方で地産地消できれば素晴らしいと思います。

◆そのような考え方が深化することを願いつつ、「私たちは無駄にエネルギーを使いすぎてないか? 省エネルギーで発電量を減らせるのではないか?」ということを考えたいと思います。

◆「大江戸省エネ事情」(石川英輔著 講談社文庫)によると、

・江戸時代はエネルギー消費が0に近い(太陽エネルギーだけを使う)生活の時代であったが、当時と比べると昭和27年(戦後復興進む)は10,000倍、昭和35年(高度成長始まる)は50,000倍、そして現在は100,000倍のエネルギーを消費しているそうです!

・江戸時代のように、エネルギー消費が0に近い生活に戻すのは無理としても、楽しく省エネ生活をして、発電量を減らし、地球にも優しくありたいものです。
・下記1、2の行動とともに、3の楽しく家計にも優しい省エネ生活を実践しましょう!

1. 脱原発の世論を高めるアピール・申し入れ・抗議行動などに参加する。
2. 電力会社に方針転換を迫る消費者運動をする。
3. 省エネを実行して、電力消費を地球を痛めつけない量に留める。

「若狭の原発を考える会」では、会員が実践している省エネ生活を紹介し合いました。その一部を以下にまとめてあります。ご参考になれば幸いです。

「若狭の原発を考える会」・瀧川恵子



エネルギー消費を減らす生活

<「若狭の原発を考える会」会員編>


◆衣
・洗濯は1日おきにする。
・夏服は風の通るデザイン・冷感素材を選ぶ。
・ウォームズボンを家でも着用して寒かったこの冬、暖かく過ごせた。
・冬は冷える首・手首・足首を温かくする。


◆食
・電子レンジをやめて、温めは圧力釜とガスレンジの温め機能を利用する。
・食パンをトーストする時、ガスレンジの機能を使う。
・電気釜を使わないで、鍋で炊飯する。
・水筒を携帯して、自販機等で極力飲料を買わない。
・古いタオル等を小さく切って、皿や台所の汚れ拭きに使用する。
・ラップ代わりに丸いタッパーやゼリー容器を蓋として使う。
・鍋帽子で保温調理する。
・圧力鍋で短時間調理する。
・1週間に1度はできるだけ野菜を使いきる。
・賞味期限が過ぎそうな時には、早めに冷凍してしまう。(豆腐も牛乳も。)
・冷凍食材は電子レンジ解凍しないで使えるように献立を見通して冷蔵庫に入れ替える。
・自分で野菜を作り、作れない野菜は、農家が安全に育てたものを、農家が生活できる価格で購入する。


◆家電
・省エネ家電を使う。(1軒ごとが節電所になる)
・照明をLEDにして、夜は部分照明にする。(ゆっくりするときはキャンドルを楽しむ。)
・コンセントをまめに抜く。(夏は補助電気を沢山使うガス温水器のコンセントを抜く。)
・できるだけ食洗機を使わず、少ない水で手洗いする。
・季節に応じて、冷蔵庫の設定温度を変える。
・エアコンを使わない季節は、ブレーカーを切る。
・夏、エアコンと扇風機を併用する。


◆住
・お風呂に湯をためて、入る日を1日おきにする。(なお、お風呂の水は、使った後抜かずに、ためておくと、原発事故や自然災害時に利用できる。)
・お風呂の残り湯を洗濯やトイレに使う。
・風呂を断熱構造に替える。
・雨水タンクの水を、植木の水やりやトイレに使う。
・床をフローリングにして、モップや箒で掃除をする。
・窓をアタッチメントで複層ガラスに替え、よく使う居間と台所はさらに2枚窓にしたら、夏と冬がすごしやすくなった。
・庇(ひさし)を深くして夏の暑さが和らいだ。
・土壁を利用して、夏は夜に換気扇で冷えた空気をとりこみ、暑い日中は涼しい風の入る窓だけ開けて、他の窓を閉める。
・西側にトイレ、洗面所、風呂を配置する。
・夏の日差しを遮るために、葦簀(よしず)や雨戸を使う。
・夏、ベランダにゴーヤカーテンを作る。
・ベランダに遮熱すだれをかけ、コンクリートに蓄熱するのを防ぐ。
・窓に遮熱カーテンを使用。
・節水型トイレに替える。
・加湿器を使わず、冬は室内に植木鉢や花瓶・水盤を置き、水がある状態にする。
・団地の自治会で廃油の回収を行っている。(石鹸業者が引き取る。)


◆全般的に
・原発の電気は使わない。
・不必要で税金の無駄遣いをする原発や基地には反対の声を上げる。
・命を大切にする環境や暮らしやすい社会を考え、行動する。
・省エネルギー生活は家族に強要せず、自分で楽しむ。



ご案内

関電は、大飯原発3号機を3月14日に再稼働させ、
5月中旬には、4号機を再稼働させようとしています。
断固抗議、阻止する行動にたちましょう!


「大飯原発うごかすな!」
4月22日(日)、関電包囲全国集会と御堂筋デモへ大結集を!

主  催:大飯原発うごかすな!実行委員会
呼びかけ:
(1)オール福井反原発連絡会(原子力発電に反対する福井県民会議、サヨナラ原発福井ネットワーク、福井から原発を止める裁判の会、原発住民運動福井・嶺南センター、原発問題住民運動福井県連絡会)
(2)ふるさとを守る高浜・おおいの会
(3)若狭の原発を考える会
お問い合わせは右記まで;090-1965-7102(木原)、090-2741-7128(宮下)
ご参加、ご支援、カンパをお願いします。
(カンパ郵便振込先;加入者名:若狭の原発を考える会;口座記号・番号:00930‐9‐313644:お振込みにあたっては、通信欄に「大飯原発うごかすな!実行委員会へのカンパ」とお書きください。


鴨川に沿って歩きながら、
大飯原発再稼働反対を訴える
一人デモにご参加ください(雨天決行)

日  時:4月8日(日)10:30出発
集合場所:出町柳[鴨川の加茂大橋東側(川端今出川)]河川敷
旗指物、鳴り物、マイクなどをもって、1人づつ100 m 間隔に、出町柳から塩小路橋近くの「ひかり公園」までの5.4 kmを、反原発を訴えながら歩きます。到着地点ではお花見を予定しています。「若狭の原発を考える会」の旗を用意しますが、お手持ちの旗をご持参いただいても結構です。
ご参加いただける方は、木戸までご連絡ください。
世話人;「若狭の原発を考える会」・木戸(090-9213-7395)・木原(090-1965-7102)


キンカン行動にご参加のみなさまへ
アンケートのお願い

「若狭の原発を考える会」では、「節電・省エネルギー生活は、脱原発運動の大事な要素ではないか?」と考えて、会員で意見を出し合いました。
その中で、「キンカン行動に参加されているみなさまは、いろいろな工夫をしていらっしゃるだろうから、みなさまが実行されている節電・省エネルギー法をお聞きすれば、新しいアイデアが出るのでは?」、「集約して、結果をお返しすれば、節電・省エネ議論の一助になる」と考えました。
以下のアンケートにぜひご協力くださいますようお願い申し上げます。

アンケート用紙→ファイル名:kinkan-enquete[50 KB]
(PDFファイル。左クリックで表示。右クリックでダウンロード可。)

・ご意見をチラシとして公表するとき、お名前も載せてもいいですか? ( 可 ・ 匿名希望)

・本日出されない方は来週のキンカンに持ってきていただいてもいいです。
メールで送ってくださる方は、瀧川恵子(2110nkアットknd.biglobe.ne.jp)までお願いします。


2018年4月6日

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

◆伊方2号機も廃炉決定、運動と裁判の成果

【2018年10月9日,京都キンカンで配付。】

大飯原発1、2号機に続いて、伊方2号機も廃炉決定

脱原発・反原発運動、裁判闘争の成果

◆四国電力(四電)は27日、老朽伊方原発2号機[出力57万kW:1982年3月営業運転開始(36年越え)]の廃炉を決めました。36年越えで設計基準が古い2号機を、2011年3月の東日本大震災後にできた新規制基準の下で再稼働させるには、タービン建屋の耐震補強、非常用海水取水設備の造り替えなどの大規模工事が必要で、これらの工事に「3号機の場合の1900億円に近い負担が想定された」(四電佐伯社長談)ためです。また、老朽原発である2号機を運転したとしても、稼働できるのはたかだか20年で、採算が合わないと判断したためです。なお、伊方原発1号機(出力57万kW:1973年6月営業運転開始)は、2016年5月10日に廃炉か決定されています。

◆四電は、かつて、伊方に原発3基を持ち、この3基で域内電力の4割をまかなっていましたが、2号機の廃炉で、3号機[出力89万kW:1994年12月営業運転開始(23年越え):MOX燃料]1基を残すのみとなりました。その3号機も、昨年12月の広島高裁仮処分決定で運転差し止め中です。この仮処分決定では、阿蘇山の巨大噴火による被災の恐れを指摘し、伊方は原発立地に適さないとしました。四電は、異議を申し立てていますが、この他にも、運転差し止めや損害賠償を求める裁判は、松山、大分、高松などでも起こされています。四電にとって、「司法リスク」が続いています。

◆伊方原発は、中央構造線断層帯上にあり、地震による重大事故の可能性もあります。重大事故が起これば、閉鎖水域である瀬戸内海全域が汚染されます。伊方原発3号機も、廃炉に追い込みましょう。地震大国、火山大国に原発があってはならないのです。

◆今回の伊方2号機の廃炉で、福島の事故以降に廃炉が決まった原発は、福島第一以外では、以下のように商用原発9基と「もんじゅ」になりました。

  • 美浜原発1号機(出力34万kW:2015年4月27日廃炉決定:廃止までの運転年数44年)、2号機(出力50万kW:2015年4月27日廃止決定:廃止までの運転年数42年)
  • 敦賀原発1号機(出力36万kW:2015年4月27日廃炉決定:廃止までの運転年数45年)
  • 玄海原発1号機(出力56万kW:2015年4月27日廃炉決定:廃止までの運転年数39年)
  • 島根原発1号機(出力46万kW:2015年4月30日廃炉決定:廃止までの運転年数41年)
  • 伊方原発1号機(出力57万kW:2016年5月10日廃炉決定:廃止までの運転年数38年)、2号機(出力57万kW:2018年3月27日廃炉決定:廃止までの運転年数36年)
  • 大飯原発1号機(出力118万kW:2017年12月22日廃炉決定:廃止までの運転年数38年)、大飯原発2号機(出力118万kW:2017年12月22日廃炉決定:廃止までの運転年数38年)
  • もんじゅ(出力28万kW:2016年12月21日廃炉決定:廃止までの運転年数25年)

◆廃炉が決定された商用原発9基のうちの7基は出力が比較的小さい老朽原発ですが、稼働して40年近くになっった昨年暮れに廃炉となった大飯原発1、2号機は、大きな出力を持ちます(両機とも出力は117.5万キロワット)。大飯原発1、2号機の廃炉について、関電は「これから2千億円を超えるとも言われる安全対策費を投じても、採算が取れない恐れが出ているため」と発表しています。このことは、大型原発でさえ、安全対策費を考えれば、経済的に成り立たないことを示しています。(使用済み核燃料や放射性廃棄物の処理・処分費を含めれば、原発には、無限大ともいえる経費が掛かることは自明です。)

◆福島原発事故は、原発が重大事故を起こせば、人の生命と尊厳を奪い、職場を奪い、農地を奪い、漁場を奪い去ることを教え、福島原発事故以降の経験は、原発はなくても電気は足り、何の支障もないことを実証しました。また、、私たちは工夫すれば、節電も容易であることを体験しました。省エネルギー機器、原発以外の発電法や蓄電法の研究も進んでいます。そのため、脱原発、反原発が民意となり、この民のゆえに、電力会社は、膨大な経費を要する安全対策を施さなければ、原発再稼働の認可を得ることができなくなりました。一方、電力自由化の流れの中で、原発電力に頼らない新電力への移行が進み、原発推進の電力会社の経営は危機へと追い込まれています。原発は、経済的にも破綻しているのです。

そのような視点に立つとき、近年の原発廃炉の決定は、福島原発事故の大惨事の尊い犠牲を踏まえて形成された脱原発、反原発の圧倒的民意を反映したものであり、粘り強い脱原発、反原発運動と裁判闘争の成果であるともいえます。また、脱原発、反原発の運動や裁判は、原発重大事故を防いでいると考えることもできます。

老朽原発高浜1、2号機、美浜3号機の廃炉も勝ち取ろう!

◆上記のように、老朽原発の廃炉決定が相次ぐ一方で、原子力規制委員会(規制委)は、高浜原発1号機(出力83万kW:1974年11月運転開始:現在43年越え)、2号機(出力83万kW:1975年11月運転開始:現在42年越え)について2016年6月20日に、美浜原発3号機(出力83万kW:1976年3月運転開始:現在42年越え)について2016年10月5日に、新規制基準を満たしているとする「審査書」を正式決定しました。これらの原発は、運転開始から40年以上経過し、世界的に見ても老朽な原発ですが、その運転延長を認めたのです。これらの原発が、すでに廃炉決定された原発より安全であるとする根拠はありません。規制委や関電は、彼らの都合だけで、福島原発事故後に導入された運転期間を原則40年に制限する制度・「40年原則」を骨抜きにしようとしているのです。許されるものではありません。伊方原発2号機に引き続いて、老朽高浜原発1、2号機、美浜3号機を廃炉に追い込みましょう!

新規制基準はデタラメで、規制委の審査は無責任で、科学とは縁遠い

◆高浜原発1,2号機運転延長認可の発表にあたって、当時の規制委員長・田中俊一氏は、「あくまで科学的に安全上問題ないかを判断するのが我々の使命だ」と述べています。

しかし、科学とは、実際に起こった事実を冷静に受け入れ、丁寧に調査し、検証・考察して、その上に多くの議論を重ねて、結論を導くものです。規制委の審査は、この過程を無視しており、科学とは縁遠いものです。

◆実際に起こった最も重大な事実は福島原発事故です。福島事故に関して、事故炉内部の詳細は今でも分からず、事故の原因究明が終わったとするには程遠い状態にあります。「科学」を標榜するのなら、福島事故の原因を徹底的に解明して、その結果を参照して、原発の安全性を議論・考察するのが当然です。大津地裁での運転差止め仮処分決定でもそのことを指摘していますが、規制委はこの指摘を無視しています。

◆しかも、規制委の老朽原発再稼働適合審査では、下記の審査結果(骨子)からも明らかなように、ケーブル、コンクリート、目視可能な鉄筋など、簡単に点検や補修できる箇所については審査しても、点検が困難な冷却細管、点検・交換が不可能な圧力容器については、十分審査しているとは言えません。このように、調査や改修の困難な部分については手抜きする審査は、「科学的」に安全を保証するためのものではありません。

◆なお、科学の基本は実証ですが、規制委による検証のほとんどは、実験結果ではなく、コンピュータによる机上模擬計算(シミュレーション)の結果に立脚しています。しかし、コンピュータシミュレーションの結果は、計算概念(プログラム)と入力データに大きく依存しますので、計算概念が完全でなく、入力データが不適当であれば、大きな意味を持ちません。原発事故の推移をコンピュータシミュレーションできるほど現代科学は完璧ではありません。


規制委発表の高浜原発1,2号機審査結果(骨子)

  1. 工事計画の確定を確認。
  2. 特別点検は運用ガイドに基づき実施。欠陥は見つからず。
  3. ケーブルの絶縁低下まで運転後60年未満のものもあるが、低下前の取換え方針を策定済み。
  4. 熱によるコンクリートの強度低下は制限値を超えない。
  5. 目視確認で鉄骨に腐食は確認されず。
  6. 耐震安全性は延長期間において審査基準の要求に適合。
  7. 津波による影響が有意な機器構造物は抽出されず。
  8. 1、2号機の運転延長を許可する。

老朽高浜原発1,2号機、美浜原発3号機の再稼働審査は、さらに無責任

老朽原発再稼働審査の杜撰(ずさん)さを、高浜1、2号機審査を例に紹介します。

  • 関電は、高浜1、2号機の新規制基準への適合審査を申請したのは2015年3月ですが、2016年4月に設置許可、6月10日に工事計画認可、6月20日に運転延長認可と、他の原発の審査に比べて、異例の短期間で審査を終えています。審査会合も27回と川内、高浜(3、4号機)、伊方原発審査時の約半分です。しかも、先に申請し、終盤を迎えていた他原発の審査を止めての拙速審査です。規制委からの認可取得期限が2016年7月7日に設定されていたために、規制委が審査を早めて、この期限に間に合わせたのです。規制委には、特に慎重であるべき老朽原発審査に対する誠意は感じられません。
  • 審査の手抜きも目立ちます。例えば、蒸気発生器の耐震性は美浜3号機の実証データで代用し、通常なら審査段階で行う耐震安全性の詳細評価を審査後で可とし、実証試験を使用前検査時に先延ばしにしました。さらに、20年延長評価は初めてにも拘らず、パブリックコメントなど、広く意見を求めることもしていません。

◆なお、再稼働審査にあたった田中規制委員長は、「お金さえかければ、技術的な点は克服できる」と述べています。未解明の課題が山積する現代科学技術の水準を理解できず、人間としての謙虚さに欠けた、思い上がった発言です。このような「原子力ムラ」体質が、福島事故を招いたことへの反省は全く感じられません。

原発重大事故は明日にも起きかねません
原発全廃運動の大きなうねりを!

◆老朽原発の再稼働や原発新設を阻止すれば、最悪でも、国内の原発は2030年に13機に、2046年にはゼロになります。原発のない社会を実現できます。とくに、事故の確率が高い老朽原発の廃炉は急務です。

◆しかし、原発事故は明日にも起こりかねません。2046年まで待ってはいられません。また、老朽でない原発も安全ではありません。一日も早く原発を全廃し、事故の不安のない希望溢れる町づくりを考えましょう!

◆地震や火山噴火のような自然災害を止めることはできませんが、原発事故は止められます。原発は人が動かしているのですから、人が原発全廃を決意すれば良いのです。事故が起こる前に、原発を全廃しましょう!


「大飯原発うごかすな!」
4月22日(日)、関電包囲全国集会と御堂筋デモに大結集を!


4.22関電包囲全国集会と御堂筋デモ

主  催:大飯原発うごかすな!実行委員会
呼びかけ
(1)オール福井反原発連絡会(原子力発電に反対する福井県民会議、サヨナラ原発福井ネットワーク、福井から原発を止める裁判の会、原発住民運動福井・嶺南センター、原発問題住民運動福井県連絡会)、
(2)ふるさとを守る高浜・おおいの会
(3)若狭の原発を考える会


関電は、大飯原発3号機を3月14日に再稼働させ、
5月中旬には、4号機を再稼働させようとしています。
断固抗議、阻止する行動にたちましょう!

お問い合わせは右記まで;090-1965-7102(木原)、090-2741-7128(宮下)
ご参加、ご支援、カンパをお願いします。


カンパ郵便振込先;

  • 加入者名:若狭の原発を考える会
  • 口座記号と番号:00930‐9‐313644
  • お振込みにあたっては、通信欄に「大飯原発うごかすな!実行委員会へのカンパ」とお書きく
    ださい。

2018年3月30日

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

◆人類の手に負えない原発の即時全廃を!

【2018年3月23日,京都キンカンで配付。】

◆福島原発事故から 7年を経ましたが、この事故は、原発が重大事故を起こせば、人の命を奪い、人の尊厳を奪い、職場を奪い、農地を奪い、海を奪い、生活基盤を奪い去ることを、大きな犠牲の上に教えました。

◆福島の事故炉は、現在でも廃炉の見通しが立たず、汚染水は垂れ流され続けています。一方、この事故で避難された10 数万人の多くは今でも故郷を奪われたままです。長期の避難生活が健康をむしばみ、家族の絆を奪い、大きな精神的負担となっています。多くの方々が、避難生活の苦痛で病死され、自ら命を絶たれました。癌の苦しみ、発癌の不安にさいなまれています。1昨年暮れのNHKテレビでも報道されましたが、福島事故から4年経った2015年から、自殺者が急増しています。原発事故でなければ、もう復興の目途が立っているはずですが、原発事故は、復興の希望をも奪っているのです。

政府は、避難者を高放射線量地域へ帰還させています。

◆そのような状況の中で、政府は、年間放射線量が20ミリシーベルト(mSv)以下になった地域(福島県浪江町、飯舘村、川又町山木屋地区、富岡町のうち、帰還困難区域を除く)の避難指示を、昨年3月31日と4月1日に一斉解除し、生活基盤も整っていない高放射線地域への避難者の帰還を強要しています。また、これ以前に、一部や全域が「避難指示解除準備区域」や「居住制限区域」であった田村市(2014年6月)、川内村(2014年10月)、楢葉町(2015年9月)、葛尾村(2016年6月)、南相馬市(2016年7月)の指定解除も行っています。これらの解除は、東電や政府の賠償負担や生活支援支出の軽減のためであり、責任回避のためです。

◆図1に避難指示が解除された地域、図2に現在の避難指示解除準備区域、居住制限区域、帰還困難区域を示します。


図1 緑色斜線部分が避難指示が解除された地域


図2 現在の避難指示解除準備区域、居住制限区域、帰還困難区

◆なお、政府は2015年6月に「避難指示解除の要件」を次の①~③のように閣議決定し、この決定を避難者に押し付けています。

空間線量率で推定された年間積算線量が20 mSv 以下になることが確実であること。
電気、ガス、上下水道、主要交通網、通信など日常生活に必須なインフラや医療・介護・郵便などの生活関連サービスが概ね復旧すること、子どもの生活環境を中心とする除染作業が十分に進捗すること。
県、市町村、住民との十分な協議。

本チラシ作成者のコメント:①について、政府は「年間積算線量が20 mSv 以下」が「世界の基準」としていますが、国際放射線防護委員会(IPRP)が定めた一般公衆に対する空間線量限度は年間1 mSvであり、「20 mSv以下」は最高でもこの値と言っているにすぎません。「20 mSv以下」は、人の安全と生命を軽んじる国民だましです。②が満たされたとするにはほど遠いにもかかわらず、帰還を推進しています。

◆政府は、解除準備区域、居住制限区域、帰還困難区域を次のように定義しています。

【避難指示解除準備区域】
➔放射線の年間積算線量が20 mSv以下となることが確実であると確認された地域。当面の間、引き続き避難指示が継続されるが、復旧・復興のための支援策を迅速に実施し、住民が帰還できるよう環境整備を目指す。

【居住制限区域】
➔事故を起こした原子炉が冷温停止状態に達した後、それまでの警戒区域・避難指示区域(計画的避難区域)を見直して新たに設定されたもので、放射線の年間積算線量が20 mSvを超えるおそれがあり、引き続き避難の継続を求める地域。除染を計画的に実施して、基盤施設を復旧し、地域社会の再建を目指す。

【帰還困難区域】
➔事故を起こした原子炉が冷温停止状態に達した後、それまでの警戒区域・避難指示区域(計画的避難区域)を見直して新たに設定されたもので、放射線の年間積算線量が50 mSvを超えており、5年を経過しても20 mSvを下回らないおそれのある地域。

◆次の表に、避難指示解除から1年近く経た3月上旬の浪江町、飯舘村、川又町山木屋地区、富岡町への帰還者の状況を示します(自治体のホームページより編集)。この表には、他の市町村の状況も加えてあります。

【表】本年2月28日あるいは3月1日時点での福島県下の市町村の避難者の状況(川内市は昨年12月1日時点)
(-は、不明を示しますが、2011年3月11日の人口と現在の避難者数や現在の居住者数の比較、あるいは、現在の住民基本台帳人口と現在の居住者数の比較から、避難の現状を理解できます。)


③、②:田村市のうち、①は旧避難指示解除準備区域(20 km 圏)内について、②は旧緊急時避難準備区域(20~30 km 圏)内について。
③:南相馬市全域。
③:南相馬市のうち旧避難指示区域内について。

本チラシ作成者のコメント:浪江町、飯舘村、川俣町(山木屋地区)、富岡町、大熊町、双葉町、葛尾村、南相馬市(旧避難指示区域内)の帰還率は極めて低く、帰還者の多くは高齢者です。

脱原発、反原発は民意です。

◆上記のように、原発重大事故は、人々に塗炭の苦痛を与えます。一方、福島事故以降の経験によって、原発は無くても何の支障もないことが実証されました。そのため、今、脱原発、反原発は圧倒的な民意となっています。

◆若狭の原発を考える会は、毎月4日間かけて、若狭の隅から隅まで歩きながら反原発を訴え、チラシを各戸配布する、アメーバデモと呼ぶ行動を、3年以上継続し、住民1000人以上から、直接お話をうかがってきましたが、その中でも、「原発はいやだ」の声が圧倒的に多数であり、原発推進の声はほとんど聞かれていません。原発立地でも、脱原発、反原発が民意なのです。

「トラブル続きの関電」と
「戦争できる国づくりの安倍政権」が
原発再稼働に躍起です。

◆関電や政府は、原子力規制委員長までもが「安全を保証するものではない」と言う“新規制基準”に適合したことを拠り所にして、昨年、高浜原発3、4号機を再稼働させ、この3月14日には大飯原発3号機を再稼働させ、5月中旬には、4号機の再稼働を企てています。

◆脱原発、反原発の民意を蹂躙し、関電や安倍政権の利己的利益のために、人の命と尊厳をないがしろにするものです。また、脱原発に向かう、世界の潮流に逆らうものでもあります。

◆しかも、原発の再稼動を進める関電は、事故だらけで、トラブル続きの企業です。

◆関電のトラブル続きの根っこは、神戸製鋼などのデータ改ざん、日産やスバルの不正検査、米軍機や自衛隊機の相次ぐ墜落・炎上・部品脱落、JR新幹線車両の杜撰製造などと共通しています。

◆自民党政権が、50年以上にわたって続けた人間性無視の政策、すなわち、極端な合理化、派遣労働、非正規雇用の助長、過剰な科学技術依存、後先考えぬ教育破壊、労働組合破壊、農業破壊、基地拡大政策の付けが回ってきたのです。

◆一方、安倍政権は、2030年までに、いわゆるベースロード電源として、原発電力を20~22%にまで、増加させようとしています。それは、

①原発の製造と輸出によって、原発産業に暴利を与えるためであり、
②戦争になり、天然ガス石油の輸入が途絶えたときの、基盤電源を原発で確保するためであり、また、
③核兵器の原料プルトニウムを生産する

ためです。すなわち、原発の再稼働は「巨大資本に奉仕する国造り、戦争出来る国造り」の一環として行われているのです。

◆こんな社会を許してはならず、一日も早く変革しなければなりません。

原発再稼働を阻止し、
原発全廃を勝ち取りましょう!

◆原発重大事故は、職場を奪い、農地を奪い、漁場を奪い、生活の基盤を奪い去ります。重大事故が起こる前に、あらゆる手段を駆使して、粘り強く原発全廃を勝ち取らなければなりません。

◆そのために、昨年8月に結成された、大飯原発うごかすな!実行委員会は、去る10月15日に「関電包囲全国集会」と御堂筋デモを呼びかけましたが、衆院選の直前で豪雨という悪条件にも拘らず、600名もの結集を得ました。また、12月3日にはおおい町現地全国集会と青空の下の町内デモを500人の参加を得て闘いとり、本年2月25、26日には、延べ220名の参加を得て、若狭湾岸一斉チラシ配布いわゆる拡大アメーバデモと関電原子力事業本部までの美浜町内デモを貫徹しました。さらに、去る3月13日、14日には、大飯原発3号機再稼働阻止のために、それぞれ100名、70名の結集を得て、おおい町現地でのデモと原発ゲート前抗議闘争を果敢に闘いました。

◆再稼働を許したことは、本当に悔しいことですが、少人数とはいえ、現地での連続闘争を貫徹しえた意義は計り知れないと考えます。これらの現地闘争の中でも、住民からの暖かいご声援を得ることができました。原発立地と言えども、脱原発、反原発の声が多数あることを、この度も実感しました。ご参加、ご支援を戴いた皆さんに心より感謝申し上げます。

◆関電は、大飯原発4号機を、5月中旬にもに再稼働させようとしています。座視することはできません。
4月22日(日)に「大飯原発うごかすな!」関電包囲全国集会と御堂筋デモも企画しています。皆様のご参加、ご支援をお願いします。


「大飯原発うごかすな!」
4月22日(日)、関電包囲全国集会と御堂筋デモへも大結集を!


主  催:大飯原発うごかすな!実行委員会
呼びかけ:
(1)オール福井反原発連絡会(原子力発電に反対する福井県民会議、サヨナラ原発福井ネットワーク、福井から原発を止める裁判の会、原発住民運動福井・嶺南センター、原発問題住民運動福井県連絡会)、
(2)ふるさとを守る高浜・おおいの会、
(3)若狭の原発を考える会

◆関電は、大飯原発3号機を3月14日に再稼働させ、
◆5月中旬には、4号機を再稼働させようとしています。
◆断固抗議、阻止する行動にたちましょう!


・お問い合わせは右記まで;090-1965-7102(木原)、090-2741-7128(宮下)
ご参加、ご支援、カンパをお願いします。
(カンパ郵便振込先;加入者名:若狭の原発を考える会;口座記号・番号:00930‐9‐313644:お振込みにあたっては、通信欄に「大飯原発うごかすな!実行委員会へのカンパ」とお書きください。)


2018年3月23日

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

◆2月25~26日 若狭湾岸一斉チラシ配布で聞かれた声

【2018年3月9日,京都キンカンで配付。】

2月25日-26日若狭湾岸一斉チラシ配布(拡大アメーバデモ)で聞かれた声

◆去る2月25、26日に、「大飯原発うごかすな!実行委員会」の主催で、若狭湾岸一斉チラシ配布(拡大アメーバデモ)が実施されました。拡大アメーバデモでは、約30グループに分かれて、旗を持ち、鳴り物を鳴らし、マイクで「脱原発、反原発」を訴えながら、高島市、敦賀市、美浜町、若狭町、小浜市。おおい町、高浜町、舞鶴市の隅から隅まで歩きながら、チラシの各戸配布をしました。25日には約120人、26日には約100人が参加され、5万数千枚のチラシを配布し、多くの住民の方と対話することが出来ました。

◆25日夜は、35人が三方(若狭町)に宿泊し、アメーバデモで見聞きしたことや感想を述べあいました。多くの参加者が、出会ったほとんどの住民が暖かくチラシを受け取って下さったことへの感激を述べました。原発立地といえども、表立ってはいないものの、脱原発・反原発が多数の願いであり、民意であることを実感されたようです。

◆26日は、午前中、各所でアメーバデモの後、美浜町に集結し、デモおよび関電原子力事業本部に申し入れを行いました。晴天下のデモには約90人が参加され、美浜町役場、関電原子力事業本部、民家の多い旧街道を経由して美浜駅の約2.8 kmの行程を行進しました。美浜町役場、関電原子力事業本部前では、一段と大きなコールで「原発全廃」を訴えました。デモの途中でも、処々に、手を振って下さる住民、暖かいご声援を下さる住民がありました。

◆以下は、拡大アメーバデモで聞かれた若狭および舞鶴市、高島市の住民の声です。原発立地、原発周辺地域の現状の理解に役立てば幸いです。

◆東舞鶴

  • 「原発なんて怖いもんはいらん。事故があったら、ここらは被害を受けるだけ。」舞鶴市の避難先の神戸から来たことを告げると、「ご苦労様」と言われた。(60歳代 女性)
  • 車で外出先から帰って来られたので、チラシを渡すと、「大飯原発で働いているので結構です」と言われた。(30歳代 女性)
  • 原発反対のチラシですと言うと、「帰って虫メガネで読ませてもらうわ!」  (80歳代 女性)
  • 「わしは原発賛成や。それで飯食べとるんや! 広島生まれやけど、原爆も原発も一緒か。」、最後に「ごくろうさん」といってくれた。(70歳代、男性)
  • 「難しい問題やね。原発で生活している人もいるしね。でも、がんばってください」と言われた。(70歳代 女性)

◆おおい町

  • チラシを渡すと「原発のことね。はい、わかりました。ご苦労様やね」 (80歳代 女性)
  • 「どこからですか?」大阪からですと言うと、「はいはい、後で読みます。原発のことやね。ご苦労さんやね。」(70歳代 男性)
  • 「原発のことやね。ご苦労さん」(70歳代 男性)
  • チラシ配りしていると「うちに何かようですか。」と聞かれて、原発反対のチラシですと言って渡すと、「いつも見てますよ。興味深く読んでいます。いいことを書いてありますよ。」(30~40歳代 男性)
  • 「あんたたちが、こうして反対運動をやってくれるから、まだしも事故が防げていると思う。」もし、反対運動がなかったら、福島のような事故が起きていたのではないか。私たちはなかなか運動できないけど、こうして外からきて反対してくれる人がいることはありがたい。」(本郷付近 男性)
  • 「夏の大風でも家に被害が出た。原発が安全なはずがない。あんたらが、もっと早く、しっかりした反対をやってくれなかったから、原発ができてしまった。」(名田庄、70歳代 男性)
  • 3人の70歳代の女性にチラシを渡すと「この辺に原発賛成の人なんかいない。」とおっしゃるので、「でも町会議員さんには賛成の人が選ばれている。」と言うと、「それが分からんのや。」とのこと。(名田庄、70歳代 女性)

◆小浜市

  • 「原発内で仕事をしている。ドラム缶の周囲の清掃をしていると気分が悪くなる。」(40歳代 男性)
  • チラシを渡すと歓迎してくれて、「原発問題は政治問題だよ。地元でもこんなものはいらないが、いらないと声をあげにくい。外から来た人たちが、パワーをだしてほしい。ごくろうさま。」(70歳代 男性)
  • 「うち、留守をするのでポストをつけてないけど、もらっとくわ。」小さな女の子に、私のアンパンマンを指さして喜んでもらえた。(30歳代 男性)
  • 「ごくろうさんです。同感です。」(50歳代 男性)
  • アパートにチラシを入れていたら、アパートから出てきた男性にこんにちはと挨拶すると、「ごくろうさん。」と言われた。(20歳代 男性)
  • 庭先で娘さんと立ち話中の方に渡すと、「こんなに遠くまで。読ませてもらいます。ありがとう!」(60歳代 女性)
  • チラシ配布の趣旨を説明したときは聞いてくれたが、「原発に勤めているからいらない。」と申し訳なさそうに断られた。(70歳代 男性)
  • そっけなく「要りません」(70歳代 男性)
  • 東小浜では、気持ちよくチラシを受け取ってくれた人が多かった。
  • 庭先で喋っておられた女性2人に、チラシ配布の趣旨を説明すると、「ここらは(原発から)近いから、事故があったらとんでもないことになる。福島原発事故はほんと他人事ではない。でも現実感がないのよねえ。」と顔を見合わせてうなずいておられたが、被害情報を知らないのだと気が付いた。(60-70歳前後 女性)
  • 建設現場で一服していた人に渡したら、気持ちよく受け取ってくれた。振り返ると、読んでくれていた。(30歳代 男性)
  • 2日目は、チラシを要らないという人はいなかった。
  • 「原発はほんとに怖いです。」(60歳代 女性)
  • 「皆さん、遠くから来てくださり、有難うございます。ごくろうさまです。」(70歳代 女性)
  • メガホンで街宣をしていたら、大声で「そのとおり!」。早速チラシを渡して反原発談義(60歳代 男性)
  • メガホンで街宣をしていたら、にこやかに手を振っていただいたのでチラシを渡そうとしたら、「昨日。郵便受けに入っていたので読みました。」とのこと。(50歳代 男性)

◆高浜町

  • 「反原発」の旗を見て,自転車から降りてきて、「ごくろうさん。ありがとう。」と言って下さった。(70歳代 女性)
  • 家の前の庭をいじっている人にチラシを渡したら、「もう原発あかんな。私も反対。ごくろうさん。」と言われた。(70歳代 女性)

◆高島市

  • 別荘も多い。定住の人が話もよく聞いてくれて、チラシもよく受け取ってもらえた。(50歳代 女性)
  • 「安全な原発ってないわな! 国のいうことやから仕方ない。琵琶湖がやられる。ここら、被害地元や!」(70歳代 男性)
  • 「原発は安全って言うてるし、無毒化できるようになったって聞いたけど、違うの?」原発から出る放射能は子々孫々まで無毒化できない、危険なものですと話した。(60歳代 女性)
  • 「原発事故が起こったら逃げ場がないからね。恐ろしいよ。」(80歳代 男性)
  • 「原発止めてもらいたいけど、仕方ないわね。石油を輸入しなければならなくなるから。」(30歳代 女性)
  • 「原発は皆、賛成しているんでしょう?」神戸から原発反対のチラシを配っていますが、大多数の方が原発反対ですよと話した。(60歳代 女性)
  • 「原発やめてほしい言うてもなあ。なかなかなあ。国会みてたけど、なかなか変わらんやろうなあ」(70歳代 女性)
  • 話はよく聞いてくれて、「ごくろうさん」と言ってくださった。(60歳代 男性)
  • 「寒い中ごくろうさま。風邪をひかないようにね。」と労われた。(70歳代 女性)
  • 「頑張ってください。チラシは読まないのでいりません。」私たちが車に乗った後も手を振ってくれた。(10歳代 男性)
  • 洗車している男性2人に渡すと、チラシを受け取って、話を聞くだけだった。(40歳代 男性)
  • 家の前で赤ちゃんを抱いている人とそのお母さん二人にチラシを渡すと、「私たちは原発に反対です。でも、たくさんの雇用があるし、交付金などで町が運営されている現実もあるし。しかし、反対です。」(20歳代・50歳代女性)
  • ビニールハウスの組み立てをしている3人の男性「俺たちは原発賛成。再稼働賛成。」なぜ?と聞くと、「電気代が安くなるから。」(50歳代-60歳代 男性)
  • スーパーで買い物中、美浜に今から原発反対のデモに行くと話してチラシを渡したら、「ありがとう」と受け取ってくださった。(60歳代 女性)
  • 老朽原発の危険性の話をしたら、「今、停まっているでしょう。」と言われ、裁判で逆転判決が出て大飯原発が再稼働することを話した。(50歳代 女性)
  • 琵琶湖の飲み水が原発で汚染されぬよう、美浜で行われるデモに行くと話したら、「ごくろうさま」と言われた。(80歳代 男性)
  • 「せっかく自然に囲まれているからと、ここに住んだのに。原発なしでいけるのだからやめたらいい。頑張ってください。高島も中平さんらが頑張っています。(50歳代 女性)
  • 「皆が選んだ政治家が決めることだから仕方がない。どうしてそんな人を選ぶのかと思う。」(70歳代 男性)

(取りまとめ:大飯原発うごかすな!実行委員会・木戸恵子)


「大飯原発うごかすな!」
3月13日(火)、おおい町現地でのデモとゲート前集会に大結集を!

3.13おおい町現地デモ、ゲート前集会

主催:大飯原発うごかすな!実行委員会
呼びかけ:オール福井反原発連絡会(原子力発電に反対する福井県民会議、サヨナラ原発福井ネットワーク、福井から原発を止める裁判の会、原発住民運動福井・嶺南センター、原発問題住民運動福井県連絡会)、ふるさとを守る高浜・おおいの会、若狭の原発を考える会

◆関電は、大飯原発3号機を3月13日に再稼働させようとしています。重大事故が起これば、人の命、尊厳、生活基盤を奪い去る原発の再稼働を座視することはできません。断固抗議、阻止する行動にたちましょう。3月13日には、正午に、おおい町大島に結集の後、デモ行進にて大飯原発ゲートに向かい、ゲート前で抗議行動を展開します。奮ってご参加ください。

◆なお、再稼働は14日あるいはその後にずれ込むともいわれています。その場合も、連続闘争として現地闘争を闘います。断固とした行動に起ちましょう!

◆京都、大阪、滋賀、福井などからバスや自家用車を配車します。お問い合わせは下記まで。
行動全般について;090-1965-7102(木原)、090-2741-7128(宮下)
乗車申し込みなどについて
福井県以外の方 090-5676-7068(橋田)、福井県内の方 090-8263-6104(林)
乗車申し込み方法;実行委員会の用意する車を利用される方は、ご氏名、電話番号(できれば携帯電話)、希望乗車場所を上記の橋田または林までお知らせください。なお、現在のところ、京都からのバスは、9時に京都駅八条口南、アバンティ北側のバスプールより発車の予定です。8時40分までにお集まりください。他の地域の配車場所は、お申し込み時にお知らせします。


「大飯原発うごかすな!」
4月22日(日)
関電包囲全国集会と御堂筋デモへも大結集を!

主催:大飯原発うごかすな!実行委員会


2018年3月9日

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

◆若狭湾岸一斉チラシ配布(拡大アメーバデモ)の報告とお礼

【2018年3月2日,京都キンカンで配付。】

2月25~26日
若狭湾岸一斉チラシ配布(拡大アメーバデモ)に
延べ220人参加:美浜町デモには90人
敦賀原子力規制事務所、関電原子力事業本部に申し入れ
ご参加、ご支援下さった皆様ありがとうございました。

◆若狭湾岸一斉チラシ配布[拡大アメーバデモ(下記注参照)]は、高島市、敦賀市、美浜町、若狭町、小浜市。おおい町、高浜町、舞鶴市で、約30グループに分かれて実施され、25日には約120人、26日には約100人が参加されました。一部(9人)は、25日、敦賀原子力規制事務所に申し入れを行いました。

◆25日夜は、35人が美浜町に宿泊し、アメーバデモで見聞きしたことや感想を述べあいました。参加者の多くが、出会ったほとんどの住民がチラシを暖かく受け取って下さったことへの感激を述べました。原発立地といえども、表立ってはいないものの、脱原発・反原発が多数の願いであり、民意であることを実感されたようです。

◆26日は、午前中、各所でアメーバデモの後、美浜町に集結し、デモおよび関電原子力事業本部に申し入れを行いました。晴天下のデモには約90人が参加され、美浜町役場、関電原子力事業本部、民家の多い旧街道を経由して美浜駅の約2.8 kmの行程を行進しました。美浜町役場、関電原子力事業本部前では、一段と大きなコールで「原発全廃」を訴えました。

◆下に、敦賀原子力規制事務所、関電原子力事業本部への申し入れ文があります。


[注]アメーバデモとは、3~10数人が1グループとなって、地域の隅から隅まで、旗や横断幕を掲げ、鳴り物を鳴らし、拡声器で呼びかけながら歩き、チラシを各戸配布する行動です。出会う人、畑にいる人には話しかけ、車で通りかかる人には会釈をします。小、中、高校生にも声をかけ、役場にもチラシを届けます。







【ニュース】27日、美浜町議会選挙は無投票で立候補者全員が当選と決定した。脱原発・反原発を訴える議員は、今まで定足数(14人)中1人であったが、この選挙で一挙に4人となった。


「大飯原発うごかすな!」
3月13日(火)、おおい町現地・デモとゲート前集会
主催;大飯原発うごかすな!実行委員会

◆関電は、大飯原発3号機を3月13日に再稼働させようとしています。重大事故が起これば、人の命、尊厳、生活基盤を奪い去る原発の再稼働を座視することはできません。断固抗議し、阻止する行動にたちましょう。当日は、正午におおい町大島に結集の後、デモ行進にて大飯原発ゲートに向かいゲート前で抗議行動を展開します。奮ってご参加ください。
京都、大阪、滋賀、福井などからバスや自家用車を配車します。詳細は下記まで。

◆行動全般について;090-1965-7102(木原)、090-2741-7128(宮下)
◆乗車申し込みなどについて;
・福井県以外の方は 090-5676-7068(橋田)、
・福井県内の方は 090-8263-6104(林)



大飯原発3・4号機の再稼働中止を求める要請書

原子力規制委員会・委員長 更田豊志 様
原子力規制委員会・地域原子力規制総括調整官 西村正美 様

2011年3月11日に発災したあの東京電力福島第一原発事故は、国土を放射能汚染し続け、数万の国民に塗炭の苦しみを強いており、今なお進行中です。

この事故を教訓として、私たちは同様の大事故の再発を防ぐため、貴委員会が大飯原発3・4号機の再稼働中止を決断されることを要請いたします。以下にその理由の一端を述べます。

1.福島事故の真因の解明がなされていないこと。
設備の実物に当たって検証されなければ、発災の真実は解明されない。従って、現状では、有効万全の対策は取れない。

2.適切な管理、処分のできない使用済み核燃料が増え続けること。
廃炉時代以降の子孫にも数10万年に亘って被害を与える。

3. 基準地震動の算出に、政府の地震調査委員会の新知見(2016年12月)が反映されていないこと。
旧来の算出法を踏襲しているため、実際より過小評価になっている疑いが地震学者側より指摘されている。

4.大山噴火による大飯原発周辺への火山灰降下量の評価は過小評価(現状10 cm)であり、京都市右京区での30㎝ の火山灰露頭が確認されたことを受けて、審査のやり直しの必要が生じていること。
因みに火山噴火時期の予見は至難であることは、草津白根山等の噴火でも、実証されている。

5. 避難計画が、規制基準に盛り込まれていないこと。
今月5,6日の北陸豪雪で、国道8号線は大渋滞となり、物資やガソリンが底をつく状況に陥りました。福島事故同様の事故が若狭で起これば、道路や橋は寸断され、たとえ豪雪でなくても同様な大渋滞が処々で起こって、住民の避難が困難になることは明白です。米国では「住民避難」までを規制委員会が責任を持って監督し、この条件を満たされないため廃炉になった原発もあります。

6. ミサイル、飛行物体対策の2重ドームや、溶融対策のコアキャッチャーもなく、フィルタ―つきベント装置や免震事務棟は猶予されています。
諸外国では、9.11以降速やかに取り入れられたテロ対策が、北朝鮮の対岸に位置し、ミサイルの危機が国中で叫ばれている現在も、規制基準として盛り込まれていません。

以上、6項目は、原発の事故を防ぎ、国民の生命と財産を守るために欠かすことのできない重要なもので、本来貴委員会が厳しく律するべき案件です。貴委員会のホームページでも、更田委員長自ら、「福島第一原子力発電所事故の教訓に基づき、独立した規制機関として設置されました。これまで、高い透明性の確保や、国内外で起きた教訓事例・最新知見の規制への反映に努めてきました」との言葉を述べられています。しかし現状は、貴規制委員会が原発推進側に組し、「組織としての評価を得ようとして、一番大切な安全性の基準を緩めてしまう組織体質にあること」を残念に思います。日本の電力は、高コスト高リスクの原子力発電に依らなくても十分足りています。ましてや世界の趨勢が、脱原発・脱化石で経済発展を遂げる方向に大きく転換している今、貴委員会が独自の検証能力を涵養し、本来の責務に立ち返り、大飯原発3・4号機の再稼働中止を命ずることを強く要請いたします。

2018年2月25日


申し入れ書

関西電力株式会社
取締役会長 八木 誠 様、
取締役社長 岩根茂樹 様、
取締役原子力事業本部長 豊松秀己 様、
大飯発電所長 吉田裕彦 様

今冬の豪雪は、若狭の原発群で「フクシマ」が再発した場合の大惨禍をわたしたちに如実に想像させるものでした。交通途絶による避難不能、豪雪に閉じ込められる住民の大量被ばくなど、原子力ムラ・行政の安全・避難対策や責任の口約束がいかに根拠もなく、脆弱であるかを万人に思い知らせたのではないでしょうか。

わたしたちが高浜や大飯の原発の再稼働に反対せざるをえない理由は、決して上記に尽きるものではありません。

先ず、福井地裁の樋口判決が生きており、名古屋高裁金沢支部の判決が出されていないにも拘らず、貴社は大飯原発3・4号機の再稼働を強行突破されようとしています。大津地裁の仮処分決定を覆し、大阪高裁で再稼働のお墨付きを得たのだから―という弁明にも、原発マネーに汚染された「地元同意」のみですべての手続きを推進してこられた従来の姿勢に対する一片の反省すらも見られません。係争中の地震・津波・火山灰などへの対応(元規制委員長代理・島崎邦彦氏の証言無視など)だけでなく、こうした貴社の拙速で不誠実な対応に危惧を抱かざるをえないのです

原発の再稼働・延命に巨額の対策費を要する一方、貴社の顧客離れが加速・拡大していることによって、安全対策や消費者へのサービスを縮減・削除されている貴社の現状にも、大事故誘発の不安を禁じえません。

何よりも、大飯3・4号機が1年間再稼働すれば、死の灰が広島原爆2,000発分、プルトニウムが長崎原爆60発分も新たに生成・増加され、後世代に負の遺産をのこすだけでなく、大事故で環境放出されればいかに過酷な事態が現世代のわたしたちたち自身にも襲いかかるかは、「フクシマ」が実証しているところです。そもそもそれ故にこそ、原発電力を大量に消費する関西大都市圏を避け、若狭の過疎地域に貴社の11基の原発群が集中立地させられたのだと言えましょう。フクシマ後において、この差別的な立地構造を温存したまま再稼働することを、わたしたちは断じて認めることができません。

大飯3・4号機を強引に再稼働し、たとえ年間数千億円の電気料金を獲得されるとしても、貴社の顧客たちの新電力会社への切り替えをむしろ促進するだけではないでしょうか。それよりも、再稼働の中止・断念、脱原発への方針転換の英断こそ、貴社の健全経営に資し、消費者・顧客たちの共感と踏み止まり、支持を得られることにもなりましょう。

わたしたちは若狭の原発地元・周辺地域で過去4年間で150日近くにわたって宣伝行動を行い、1,000人以上の住民の方から直接お話をうかがってきましたが、今や全国の世論と同じように、若狭の住民の大多数が、潜在的にではあっても、原発再稼働に反対であることを痛感しています。

今国会では、「原発ゼロ・自然エネルギー推進法案」が上程され、本格的な議論も展開されようとしています。国会外の市民・国民の注目と期待、世論と運動も広がるでしょう。

先ずは、高浜3・4号機の速やかな停止と、大飯原発3・4号機の再稼働予定の撤回・中止・断念を、貴社が英断されるよう強く要請する次第です。

以 上
2018年2月26日


申し入れ者はいずれも
大飯原発動かすな!実行委員会

・オール福井反原発連絡会(原子力発電に反対する福井県民会議、サヨナラ原発福井ネットワーク、福井から原発を止める裁判の会、原発問題住民運動福井嶺南センター、原発問題住民運動福井県連絡会)
・ふるさとを守る高浜・おおいの会
・若狭の原発を考える会


2018年2月28日

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

◆原発、最近の出来事(本年1月~)

【2018年2月9日,京都キンカンで配付。】

◆安倍政権は、福島原発事故炉の内部の様子もほとんど分からず、汚染水は垂れ流され続けているにもかかわらず、福島事故は収束したかのように、世界をだまして、オリンピックに邁進し、福島の避難者に、高放射線で、インフラも整っていない故郷への帰還を強要しています。一方、脱原発・反原発の民意をないがしろにして、全国の原発を次々に再稼働させようとしています。経済的利益のために、人の命と尊厳を踏みにじるものです。

◆以下に、2018年になってから話題になった原発関連の出来事をまとめてみました(出来事の発生日順)。脱原発、反原発運動をさらに高揚させ、原発のない社会を展望する上で、参考になれば幸いです。

日立が進める英原発新設計画に官民で3兆円の融資方針

【1月3日報道】
◆日立製作所が英国で進める原発新設プロジェクトに、三菱東京UFJ、三井住友、みずほの3メガバンクと、国際協力銀行(JBIC)を含む銀行団が総額1.5兆円の融資を行う方針を固めた。事故などによる貸倒れに備えて、日本政府がメガバンクの融資の全額を債務保証する。政府系の日本政策投資銀行(政投銀)も出資を行い、中部電力などの電力各社も出資を検討している。総額3兆円規模に上る原発輸出を政府主導の「オールジャパン体制」で後押ししている。投融資の対象となるのは、日立の英国子会社が2020年に稼働を目指して英中部アングルシー島で進める原発新設プロジェクトである。

◆この融資方針だけを見ても、安倍政権が、大資本に暴利を与えるために原発を推進していることは明らかである。なお、JBICや政投銀は政府系であるので、事故などで、損失が発生すれば、最終的には国民にツケが回ってくる。

関電は福井の使用済み核燃料を青森で中間貯蔵する方針:むつ市は拒否

【1月7日報道】
◆関電が若狭の3原発から出た使用済み核燃料を、青森県むつ市の中間貯蔵施設に搬入し、一時保管する方針を1月6日に固めた。関電は、福井県から県外への搬出を求められており、今年中に決定すると明言していた。使用済み燃料は、各原発のプールに保管されているが、容量に限界がある。国は、関電以外にも相乗りさせ、使用済み燃料をむつ市に集中させる方針で検討している。むつ市の中間貯蔵施設は、東電と日本原子力発電の共同出資で建設され、両者の使用済み燃料のみを受け入れる予定であったが、福島事故などの影響で稼働していない。関電が出資する代わりに一部のスペースを使用する計画である。関電など西日本に多い加圧水型原発の燃料を本格的に受け入れるには、今後、改造や増設が必要になるという。

◆この関電の計画について、7日、宮下むつ市長は、「仮に関電にそうした計画だあったとしても、事業者の立場で判断できるレベルの話ではない。地域の気持ちを無視したやり方では到底受け入れられない」と拒否の考えを示した。

原発即時停止に賛成は49%

【1月15日報道】
◆共同通信社が1月13、14日に行った全国世論調査で、全原発の即時停止に賛成は49.0%、反対は45.2%であった。調査は、全国の有権者を対象に、コンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかける方法で行われた。有権者がいる世帯の固定電話739件に電話がかかり、507人から回答を得た。また、1122件の携帯電話に電話がかかり、506人から回答を得た。

日米原子力協定自動延長に

【1月16日報道】
◆米国は、原子力技術を他国に供与する際、核不拡散の立場から、原子力協定で核物質や関連施設の取り扱いを規制している。日米原子力協定では、非核保有国の日本に、使用済み核燃料からのプルトニウムの抽出(再処理)、混合酸化物(MOX)燃料としての再利用、ウラン濃縮などの核燃料サイクル事業を行うことを特例的に認めている。

◆1988年7月に発効した日米原子力協定は今年7月16日に期限の30年を迎えるが、その6か月前までに、日米いずれかが終了を通告しなければ、自動延長されることになっているため、1月16日に自動延長が事実上確定した。この自動延長により、再処理などの日本の核燃料サイクル政策は継続できることになる。なお、延長後は、日米いずれかが通告すれば、半年後に協定を終了できる。

◆核燃料サイクルは、高速増殖炉と再処理を基軸にしているが、「もんじゅ」の廃炉が決まり、危険極まりなく、トラブル続きの再処理工場(青森県)は運転の目途がたっていない。核燃料サイクルはとっくに破綻している。それでも、安倍政権は核燃料サイクル政策の維持に躍起である。

◆日本は、再処理で得たプルトニウムを国内外に47トンも保有し、再処理工場を運転すれば、年間最大8トンのプルトニウムが増える。核兵器に転用できるプルトニウムを消費するあてのないまま大量に持つことは、核の拡散防止の視点から問題が多い。中国や韓国との間に緊張をもたらし、米国からも懸念の声が上がる。なお、プルトニウムをMOX燃料にして軽水炉で燃やすプルサーマル発電を2基(高浜3、4号機)で実施しているが、ウラン燃料軽水炉に比べても格段に危険度が高く、使用済み核燃料になったとき、ウラン燃料の4倍もの冷却期間を要し、経済性もない。

福島2号機、事故後7年にして、やっとデブリ(溶け落ちた核燃料)の一部を確認

【1月20日報道】
◆東電は、1月19日、福島第1原発2号機でカメラ付きパイプを使って原子炉格納容器(原子炉本体である圧力容器を格納する容器)内を調査し、燃料集合体の一部が、溶けてできた圧力容器の穴を通って格納容器の底部に落下していること、また、その周辺にデブリと考えられる堆積物があることを確認した。

◆調査は、格納容器の貫通部から長さ13 m のパイプを挿入、圧力容器の真下にある作業用足場の脱落部分から、先端のカメラをケーブルで釣り下ろして撮影することによって行われた。昨年1~2月の前回調査では、圧力容器から落ちたとみられる金属などの溶融物が作業用の足場を広範囲に脱落させ、足場の下から水蒸気が立ち上がる様子を観察していた。今回は、格納容器底部全体に広がる小石状の堆積物(デブリと考えられる)と粘土状の堆積物(デブリかどうかは不明)が観察されている。小石状堆積物をデブリと断定した根拠について、東電の原子力・立地本部長代理は「燃料集合体の部品が近くにあること、デブリでないという方が難しいから」としている。科学的な説明とは程遠い。

◆この調査で、圧力容器の直下の空間放射線量は毎時7~8シーベルトで、温度は21度であったこと、また、前回調査で毎時70シーベルトが観察された圧力容器を支える土台の外側は、今回の測定では毎時15~42シーベルトであったことを明らかにしている。デブリ取り出し作業などは、このような高放射線下(人は1時間以内に確実に死ぬ)で、遠隔操作で行わなければならす、困難を極めることが予測される。

◆原発事故から7年近くたった今回の調査でやっとデブリが確認されたが、確認までにこのように長期を要すること自体が、原発事故収束の困難さを物語っている。なお、この観察作業を行った作業員の被曝は相当なものではないかと懸念される。

草津白根山が噴火:火山の噴火予測は至難

【1月26日報道】
◆1月23日、草津白根山が噴火し、訓練中の自衛隊員が亡くなられ、11人が負傷した。草津白根山は、活動が低下していた火山で、噴火前には、地下で熱水やマグマが動いたとき発生する火山性微動は観測されていたものの、気象庁が設定する噴火警戒レベルで、危険性が最も低いレベル1であった。レベル1は、かつては「平常」とされていたが、2014年に御岳山がレベル1の状態から噴火したことを受け、「活火山であることに留意」へと変更された。御岳山や草津白根山の噴火は、「現在の火山学では予測不可能な噴火」であった。

◆噴火の可能性のある「活火山」は国内に111ヵ所ある。このうち、気象庁などが異常がないかを常時観察しているのは、50火山に絞られる。観測体制が敷かれていても、いつ、どこで噴火するかを予測することは難しい。

◆火山噴火に関連して、昨年12月13日、広島高裁は、伊方原発3号機運転差止めの決定を出した。9万年前の阿蘇山の噴火では、火砕流が伊方原発まで届いており、今後もこのような噴火で、原発に大きな損傷を与える可能性があると判断したためである。なお、9万年前の阿蘇の大噴火では、北海道に15 cm、関東に20 cm、関西に1 mの火山灰が積もり、日本中が火山灰に覆われたといわれている。

◆前述のように、日本には阿蘇以外にも多くの火山があり、したがって、日本中の全ての原発が火山灰や火砕流に襲われる可能性がある。草津白根山の噴火はこのことを裏付けている。

◆現在科学技術は、火山の噴火や大地震の発生を予知するにはほど遠いものである。人間にはなすすべがない自然の脅威は沢山ある。火山大国、地震大国に原発があってはならない。

「空きゼロ」とされた送電線の利用率は23%に過ぎない:原発稼働のために空けている

【1月28日報道】
◆基幹送電線の利用率は19.4%に過ぎないと、京都大学再生可能エネルギー経済学講座の安田陽特任教授が分析した。このことは、全国の送電線には十分な余裕があり、この余裕を利用すれば、風力や太陽光で発電した電気を送ることが十分可能であることを意味する。それにもかかわらず、大手電力会社は、「空き容量ゼロ」として、新たな再生可能エネルギー設備への接続を認めない送電線を続出させている。

◆電力各社の高電圧(50万ボルトや27万5千ボルトなど)の基幹送電線399路線について、電力広域的運営推進機関(広域機関)が公表しているデータ(2016年9月~17年8月)をもとに調査した送電線利用状況である。1年間に送電線に流せる電気の最大量に対する実際に流れた量の割合を「利用率」としている。

◆全国の基幹送電線の平均利用率は19.4%、東京電力が最も高く27.0%、最低は東北電力で12.0%であった。一時的に利用率が100%を超える「送電混雑」が1回でも起こったのは60路線で、東京電力が22路線を占めた。

◆一方、「空き容量ゼロ」とされた基幹送電線は、139路線であったが、実際の平均利用率は23.0%であった。「空き容量ゼロ」は運転停止中の原発や老朽火力がフル稼働した時の送電量を想定したもので、実際の送電量ははるかに少ない。送電線に余裕があるのに、「空き容量ゼロ」とする理由は、「原発電力をベースロード(基幹)電力として優先して利用しよう」という、安倍政権の政策の実行のために送電線を開けておきたい意図があるからである。なお、欧米では、実際の電気量を基にしたルールで送電線を運用していて、そのために、再生可能エネルギーの大量導入が進んでいる。

東電、旧保安院の津波見直し試算勧告を無視

【1月30日報道】
◆東電は、福島原発事故の9年前に、福島沖での津波地震のシミュレーション(試算)を勧告されていたにもかかわらず、反発し試算を見送っていたことが、原発避難者が国などを相手に起こした訴訟で、千葉地裁に提出された陳述書で判明した。東電がこの段階で試算していたら、津波対策に早く着手でき、事故を避け得た可能性もある。

◆福島原発事故は、想定外の津波によって電源が喪失し、冷却水が送れなくなったために発生したとされている。福島第1原発では、1号機の建設当時(1971年)は、最大の津波を高さ海抜約3.1 m と想定していた。しかし、2002年7月に政府の地震調査委員会が、大津波の危険性を指摘する長期評価を発表したため、当時の経産省原子力安全・保安院は、東電に、福島沖で津波地震が起きた時のシミュレーションを勧告した。しかし、東電は反発し、動かなかった。東電がやっとシミュレーションを行ったのは、2008年春、国の原発耐震指針改定を受けた安全性見直し作業によるものであった。この作業では、敷地の高さを大きく超える最大15.7 m の津波の危険性が示されたが、東電はこの結果を、3.11事故の直前まで原子力安全・保安院に報告せず、具体的な対策も取らなかった。傲慢で、安全を軽視し、経済的利益のみに奔走する東電が、福島事故を引き起こしたともいえる。

大飯原発の揺れに関する規制委の算定法は「不十分」、地震を「過少評価」

【1月30日報道】
◆東京新聞や中日新聞によると、大飯原発の安全審査の主要な判断基準=基準地震動(最大の揺れ)の算定方式をめぐり、算定元である政府の地震調査委員会(調査委)内で、原子力規制委員会(規制委)の認識を否定する見解が示されていた。規制委は、2つある計算手法(①地震を起こす活断層の形状をあらかじめ設定して算出する、②地表で確認できる活断層の長さから算出する)のうち1つだけ(①だけ)で再稼働を認めたが、算定方式(レシピ)を定めた調査委は「1つでは不十分」との見解を示していた。

◆レシピでは、2つの手法の使用を義務付けてはいないが、規制委が審査中の2016年9月、調査委の強震動評価部会では、①の手法について、「知見が不足している」、「不確実性が残っている。両方やることに賛成」などの意見が出、より精度の高い計算手法の確立には「3年くらいかかる」との見方も示された。しかし、規制委の更田委員長は、「関電が採用した計算手法で信頼できる」とした。規制委の姿勢や審査のあり方が問われている。

大飯原発3号機、2月9日に燃料装填(そうてん)を開始

【2月2日報道】
◆関電は2月1日、神戸製鋼所や三菱マテリアル子会社のデータ改ざんに関わる調査結果を福井県に報告したが、その際、大飯原発3号機の再稼働に向け、原子炉への核燃料の装填を9日から始めることを明らかにした。関電によると、三菱マテリアル子会社製のゴム製品が使われ、品質基準を満たしているか否かを確認できなかった大飯原発3、4号機の装置約100台のうち、3号機の約50台の交換が1日に終り、4号機は2月中旬に交換を終えるという。データ改ざんのあった神戸製鋼所製の製品は使用していないとしている。関電は、3号機を3月中旬、4号機を5月中旬に再稼働させようとしている。

◆原発は万が一にも事故を起こしてはならない装置である。神戸製鋼所や三菱マテリアル子会社の製品のみのモグラたたき的な検査や交換で、原発の安全が保証されるとは考えられない。事故が起こる前に、原発は全廃しなければならない。

東京地裁、東電に対して南相馬市住民への賠償支払いを命令

【2月8日報道】
◆福島原発事故で避難指示区域になった南相馬市小高区の住民321人が「ふるさとの暮らしを奪われて精神的苦痛を受けた」として、東電に損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は7日、318人に計約11億円(1人当たり原則330万円)の支払いを命じた。

◆故郷に生きる権利を認め、「生活基盤の大幅な変容という過去に類を見ない極めて甚大な被害が生じた」と避難生活による損害を認めた点では評価できるが、人が安全に、安心して生きる権利の代償としては、額が極めて不十分である。したがって、原告側は控訴を検討中という。なお、南相馬市小高区の人口は、事故前には約1万2800人であったが、昨年12月時点で実際に居住しているのは約2400人にとどまっている。


2月25日(日)— 26日(月)大飯原発うごかすな!
若狭湾岸一斉チラシ配布(拡大アメーバデモ)

主催:大飯原発うごかすな!実行委員会
ご参加、ご支援、カンパをお願いします。
(カンパ郵便振込先;加入者名:若狭の原発を考える会;口座記号・番号:00930‐9‐313644)
(お振込みにあたっては、通信欄に「若狭湾岸一斉チラシ配りへのカンパ」とお書きください。)


2018年2月9日

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

◆大飯原発うごかすな!原発に頼らない社会をつくろう

【2018年2月25~26日,若狭湾岸一斉配布。】

◆原発は、事故の多さ、事故被害の深刻さ、使用済み燃料の保管や処理の困難さなど、あらゆる視点から、人類の手におえる装置ではありません。一方、福島原発事故以降の経験は、原発はなくても、電気は足り、何の支障もないことを教えています。そのため、ほとんどの世論調査でも、原発反対は賛成の2倍以上となっています。脱原発、反原発が人々の願い・民意なのです。

◆それでも、関西電力(関電)は、前原子力規制委員長までもが「安全を保証するものではない」と繰り返す“新規制基準”への適合を拠り所にして、高浜原発3,4号機を再稼働させました。また、来る3月、5月には、大飯原発3,4号機の再稼働を狙っています。関電の利益のために、民意を蹂躙し、人の命と尊厳をないがしろにするものです。許されるものではありません。

◆以下、原発を現代科学技術で安全に制御できない理由、とくに脆弱(ぜいじゃく)な使用済み核燃料プールの危険性、“新規制基準”の問題点を考え、原発が人類の手におえない装置であることを再確認したいと考えます。

【1】原発の安全確保は、最新の科学技術でも困難です

◆私たち人類を取り巻く環境は、化学反応で維持されています。化学反応ではエネルギーがやり取りされますが、この化学反応(例えば、石油の燃焼)のエネルギーを使って得られる温度は精々数1000℃です。一方、原発内で生じる核反応では、化学反応の100万倍ものエネルギーが放出され、数億度℃以上の温度が得られます。言い換えれば、核反応1反応によって100万に近い化学反応が爆発的に起こることになります。膨大なエネルギーを放出する核反応を化学結合でできた材料によって閉じ込めておくことは極めて困難であることは明らかです。

・原発は事故を起こし易く、被害は広域・長期に及び、事故収束は困難・大惨事は瞬時に進行する

◆核反応エネルギーは膨大ですから、原子炉は大量な水で冷やし続けなければならず、水がなくなると、瞬時に大惨事になります。原発の重大事故時には、膨大な核反応エネルギーに起因する熱によって、核燃料や被覆材などの原子炉材料が溶融し、水素ガスの発生・爆発あるいは水蒸気爆発(水の爆発的蒸発)が引き起こされ、メルトダウン、メルトスルーにつながります。

◆そのように瞬時に進行する事故への対応は至難で、進み始めた事故を止めることは困難です。例えば、重大事故に際して、海水を大量注入してメルトダウンを防ぐ判断を、会社の上層部や政府に仰いでいる暇はありません(海水の原子炉への大量注入は何千億円もする原子炉を使用不能にしますから、現場でその決断はできません)。事態を把握し、議論している間に、原子炉が深刻で取り返しのつかない状況になります。なお、今までの全ての重大事故では、事故を深刻でないとする判断(願望も含めて)を行い(例えば、計器の指示ミスと判断)、事態をより深刻にしています。

・原発重大事故は、原爆とは比較にならない量の放射性物質を放出する

◆原爆は、一瞬の核分裂で生成した放射性物質(死の灰)が放出されます。一方、原子炉内には、数年にもおよぶ長期の核分裂反応で生成した放射性物質が蓄積していて、原発重大事故では、それが放出されます。例えば、100 万キロワットの原子炉を1年間運転したときの生成放射性物質量は約 1トンで、広島原爆でばらまかれた放射性物質量750 グラムの約1,300倍です。放出された放射性物質を完全回収できるほど現在科学技術は進歩していないことは、福島事故の経験が教えるところです。

・原発の重大事故の被害は広域におよぶ(火災が10 km 先に飛火することは無い)

◆原発重大事故によって放出された放射性物質は、事故炉近辺を汚染させるだけでなく、風で運ばれた後、雨で降下しますから、汚染地域は極めて広範囲に広がります。福島事故でも、約50 km 離れた飯舘村も全村避難になり、約200 km 離れた東京や千葉にも高濃度の放射性物質が降下しました。海に流出した放射性物質は海流に乗って広範囲の海域を汚染します。避難計画や原発稼働への同意などでは、30 km圏(UPZ)内が対象とされますが、被害は30 kmをはるかに超えて広域におよびます。

◆若狭の原発の重大事故では、関西はもとより、中部、関東も高濃度の放射性物質で汚染される可能性があります。京都駅、大津駅は高浜原発、大飯原発から60数km、大阪駅は80数kmの位置にあります。250万人が住む京都府、150万人が住む滋賀県のほぼ全域が100 km 圏内にあり、この全域からの避難が不可能であることは自明です。琵琶湖の汚染は、1,450万人の飲用水を奪います。原発からの汚染水は日本海にたれ流されますが、日本海は太平洋に比べて比較にならないほど狭い閉鎖海域ですから、高濃度に汚染されます。美しい海岸線を持ち、漁獲豊かな若狭湾の汚染はさらに深刻です。

・放射性物質による被害は長期におよぶ

◆火事は長くても数十日で消火できますが、放射性物質は、半減期(半分になるまでの時間)に従って消滅するまで、放射線とそれによる熱を発生し続けます。例えば、半減期2万4千年のプルトニウムを1/10000に減少させるには約32万年かかります。それでも、安全なレベルになるとは限りません。

・原発事故の収束には、途方もない時間を要する;住民は故郷を奪われる

◆放射性物質は長期にわたって放射線を出し続けますから、事故炉の廃炉は困難を極めます。また、放射線による熱発生のため、冷却水が途絶えると、核燃料が再溶融し、再び核分裂を始める可能性もあり、長期間冷却水を供給し続けなければなりません。福島原発事故炉の完全廃炉には、50年以上を要するとの見解もあります。

◆原発事故では長期の避難を強いられ、住民は故郷を奪われ、家族のきずなを断たれ、発癌の不安にさいなまれます。通常の災害では、5年も経てば、ある程度、復興の目途が立ちますが、原発事故は、生活再建の希望も奪い去ります。福島事故では、4年経った2015年から、絶望のために自ら命を絶たれる避難者が急増していると報道されています。

【2】原発は、長期保管を要する使用済核燃料、放射性廃棄物を残す

◆原発を運転すると、核燃料の中に運転に不都合な各種の核分裂生成物(死の灰)が生成します。したがって、核燃料を永久に使用することは出来ず、一定期間燃焼させると、燃料となるウランやプルトニウムは十分残っていても、新燃料と交換せざるを得なくなり、そのため、使用済み核燃料がたまります。現在、日本には使用済み核燃料が17,000 トン以上たまり、原発の燃料プールや再処理工場の保管場所を合計した貯蔵容量の73%が埋まっています。原発が再稼働されれば、貯蔵限度を超え、原発の稼働は出来なくなります。

◆なお、混合酸化物(MOX)燃料が使用済み燃料となったとき、放射線と発熱量の減衰速度は、ウラン燃料の4倍程度遅く、4倍以上長く水冷保管しなければなりません。その点からも、MOX燃料は厄介です。

◆一方、日本には、低レベルおよび高レベル放射性廃棄物が200リットルドラム缶にしてそれぞれ約120万本および約1万本蓄積されていますが、その処分は極めて困難で、永久貯蔵はおろか中間貯蔵を引き受ける所もありません。

◆数万年を超える保管を要する使用済み核燃料、放射性廃棄物の蓄積の面からも、原発は全廃しなければなりません。


福島原発事故以降の経験は、原発はなくても電気は足りることを実証しました。
重大事故を起こしかねない原発を動かす必要はありません。


【3】使用済み燃料プールが危ない

◆前述のように、使用済み燃料プールは満杯に近づいています。若狭の原発13基が持つ使用済み核燃料貯蔵施設でも、7割近くがすでに埋まっています。その使用済み燃料プールは、原子炉本体である圧力容器に比べて、圧倒的に脆弱です。

◆燃料プールは、原子炉の上部横に設置されていて、水で満たされています。原子炉圧力容器中の使用済み核燃料を燃料プールに移送するにあたっては、原子炉上部の原子炉ウエルと言われるプールに水を満たし、圧力容器の上蓋を空け、クレーンで圧力容器内の燃料棒を原子炉ウエルに釣り上げます。沸騰水型では、原子炉ウエルの水中を移動させて燃料棒を隣にあるプールに移動させ、プール内のラックと呼ぶ仕切りの中に納めます。加圧水型では、燃料棒を原子炉ウエル中で横にして、トンネルをくぐって燃料プールに移し、プールで直立させて、ラックに納めます。プール中の水は、冷却材の役目だけでなく、放射線遮蔽材の役目も果たし、その水深は燃料棒の上端から7~8 m 程度です。

・使用済み燃料プールの水が減少すれば、燃料溶融に至り、核爆発を起こす

◆鋼鉄ででき、高温高圧にも耐える圧力容器とは異なり、使用済み燃料プールには何の防御もないので、「むき出しの原子炉」とも考えられ、脆弱(ぜいじゃく)で、冷却水を喪失して、メルトダウンする危険性が大です。例えば、地震によって、燃料プールの水位が下がって、燃料が水から顔を出すと、水が沸騰し、無くなります。そうすると、ジルコニウム合金の燃料被覆管が燃え上がり、発生した水素が爆発します。燃料は溶融し、核爆発に至ります。直近にある原子炉本体も制御困難になります。

・福島第1原発4号機の燃料プールは、崩壊の危機にあった

◆福島原発事故当時、4号機の燃料プールには、使用済み核燃料1,535体が保管されていました。含まれる放射性物質の量は、事故で放出された放射性物質の量の27倍と推定されています。この4号機では、水素爆発のために、プールの下の支えが破壊され、プールは崩壊寸前でしたが、コンクリートで補強して危機を回避しました。当時、近藤俊介原子力委員長は、管直人首相に、プール崩壊による「首都圏壊滅」の最悪の事故シナリオを伝えていました。

・一刻も早く原発を全廃し、燃料プールを空にしよう!

◆人類は、原発を運転するという、大きな過(あやま)ちを犯してしまいました。この原発を全廃するには、生じた使用済み核燃料、放射性物質の処理と保管について、考えざるを得ません。これらを、盥(たらい)回しをしていても、原発廃炉は進みません。以下は、使用済み核燃料についての提案です。

① まず、原発の廃炉を決定し、危険極まりない使用済み燃料プールを一日も早く空にしましょう。満杯になったプールを空けて、新しい使用済み燃料の受け入れを可能にし、原発運転を継続しようとする策動を許してはなりません。

② 原発から取り出した使用済み核燃料は、耐震性、耐災害性を強化した使用済み燃料プールで一定期間保管して、放射線量、発熱量の減少を待ったのち、一刻も早く空冷保管可能な状態にしましょう。現在のプールでは、保管中に発生する大災害に耐えられません。少々改造しても、安全なプールの建設は不可能ですから、一刻も早くこれを空にし、使用済み核燃料をより安全性の高い空冷容器(キャスク)で乾式貯蔵しましょう。空冷保管法として、膨大な費用がかかっても、東京や大阪のような都市(原発電気の消費地)で保管しても不安が無いような、頑丈な方法を開発しましょう。

③ 危険極まりなく、放射性廃棄物を増やすだけの使用済み核燃料再処理は断念しましょう。再処理のように、それまで鞘(さや)に封じ込めていた使用済み核燃料を切断・溶解することは廃棄物を増やすだけです。また、再処理で出る高濃度放射性廃液はガラス固化することになっていますが、ガラス固化体は安全でもなく、廃棄物容量を膨大にするだけです。なお、将来、別の保管法が見つかったとき、放射性物質をガラス固化体から取り出して、新保管法を適用することは困難です。

【4】“新規制基準”に適合したからと言って原発は安全ではない

◆“新規制基準”、原子力規制委員会(規制委)審査は、次のように、原発の安全を保証するものではありません。

・福島原発事故の原因、知見、教訓に学んでいない“新規制基準”

◆福島原発事故で溶け落ちた原子炉は、高放射線で、内部の様子は事故から7年近く経った今でもほとんど分かっていません。したがって、福島事故が大惨事に至った真の原因が究明されたとは言えません。一方、汚染水はたれ流され続け、汚染土壌は、有効な除染法がないため、はぎ取ってフレコンバッグに袋詰めしているだけです。その袋も風化でボロボロになろうとしています。

◆このように、事故の収束の見通しも立たず、使用済み核燃料の処理処分法もなく、地震や火山噴火の発生時期や規模を予測することも不可能な状態が科学・技術の現状です。最新の科学・技術といえども原発の安全運転を保証するものでないことは明らかです。それでも、電力会社や政府は、福島事故から2年半もたたない2013年7月に施行された“新規制基準”を福島事故に学んで作った「安全基準」とし、“新規制基準”適合を拠り所にして、原発の再稼働を進めています。

・杜撰(ずさん)かつ非科学的な事故対策でも容認する規制委審査

◆関西電力は、重大事故対策の目玉として、原発重大事故で空気中へ飛散した放射性物質は放水銃で打落すといい、海へ流出した放射性物質は、吸着剤と吸着性シルト(沈泥)フェンスで食い止めるといいます。放水で放射性物質の拡散が防げるのはほんの一部であり、放水された水は結局汚染水になります。吸着剤とシルトフェンスだけで放射性物質を除去できるのなら、福島での放射性物質流出防止に適用すべきです。規制委の審査では、こういう子供だましの対策でも可と評価しています。

・住民避難計画は規制委審査の対象外:それでも規制委の審査結果が再稼働を左右する

◆原発事故時の避難計画について、規制委では審査せず、立地自治体や周辺自治体に丸投げしています。一方、自治体は、どこかでできたパターンに沿って避難計画を作成しています。そのため、避難計画では当該自治体の地理的、人的特殊性はほとんど考えられていません。しかも、自治体の作成した避難計画たるや、数日のピクニックにでも出かけるような計画であり、過酷事故では、永久に故郷を失うという危機感がありません。

◆また、避難地域は100 km 圏を超える広域に広がり、若狭の原発事故では、京都、大阪、滋賀の数100万人の住民避難の可能性もあるという認識がありません。さらに、避難指示解除に関して、住民の意向を聴きませんし、避難指示が解除されても、帰還先は高放射線量で(放射線量20ミリシーベルト/年で解除)、必要な生活基盤も整っていないこと、帰還後一定期間の後には賠償金や支援が打ち切られること、種々の事情で避難継続を選択すれば、賠償や支援はないこと、などの非人道性も念頭にありません。

【5】原発に頼らない社会を創りましょう!

◆「大飯原発うごかすな!」実行委員会を構成する団体は、福島原発事故以降、若狭やその周辺地域で、多くの住民の方々のご意見を直接うかがってきました。その中でも、「原発はいやだ」の声が圧倒的に多数であり、原発推進の声はほとんど聞かれていません。原発立地・若狭でも、表の声にはなっていないけれども、脱原発、反原発が民意なのです。今、原発を推進している人の多くまでもが脱原発時代は来ると考えています。関電も、昨12月に老朽大飯原発1、2号機の廃炉を決定しました。一方、原発の新設を企む議論は全くと言ってよいほどありません。したがって、原発のない時代は近いうちにやってきます。日本の原発の多くは老朽ですから、60年運転されたとしても、2030年には18機、2049年には0になります。

◆しかし、それを待っている間にも、老朽原発が重大事故を起こし大惨事になる可能性があります。事故が起こる前に、目先の便利さや経済的利益のためにのみ運転される原発を全廃し、人間の尊厳(人格権)を大切にし、地球に負の影響を与えない社会を考えましょう。

◆今、若者、ファミリー世代の農山漁村への移住希望が増え、30代女性の多くが「農山漁村での子育て」を志向しているといわれています。実際、都市から農山漁村への移住者は、2009年から2014年の5年間で4倍に増加したと報告されています。移住者の多くは、いわゆる6次産業[農業、漁業(1次産業)+産物の加工(2次産業)+産地直送販売(3次産業)]を生業(なりわい)としています。日本の食糧消費額は74兆円ですが、国内食用農水産物生産額は9兆円に過ぎず(現在自給率12%)、差の65兆円が6次産業の経済規模です。1%の移住者がいれば、地域が維持されるといわれます。

◆上記のように、農山漁村の魅力は再発見されつつあります。しかし、原発に依存する市町村がその対象にされることは難しいと考えられます。

◆若狭には、豊かな漁場と美しい海岸があり、第6次産業や観光に適した資源があります。例えば、これらの資源を生かした町づくりも考えられます。この他にも、様々な町おこし策があるはずです。原発は早晩なくなります。今から「原発に頼らない社会」を考えることは、現在に生きる私たちの未来に対する責務ではないでしょうか。


重大事故が起こってからでは遅すぎます。原発全廃の行動に今すぐ起ちましょう!
事故の原因=原発を廃止することこそ原子力防災です


2018年2月

大飯原発うごかすな!実行委員会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

◆原発に頼らない社会を!

【2018年1月26日,京都キンカンで配付。】

原発はなくても何の支障もない

◆原発は、事故の多さ、事故被害の深刻さ、使用済み燃料の保管や処理の困難さなど、あらゆる視点から、人類の手におえる装置ではありません。一方、福島事故以降の経験によって、原発はなくても何の支障もないことが実証されています。そのため、ほとんどの世論調査でも、原発反対は賛成の2倍以上となっています。また、昨年末には、広島高裁が伊方原発3号機運転差止めを決定し、関電が老朽大飯原発1、2号機の廃炉を決断せざるを得なくなりました。これらは、福島原発事故の大惨事の尊い犠牲を踏まえて形成された脱原発、反原発の圧倒的民意を反映したものであり、脱原発、反原発の粘り強い闘いの成果です。

◆それでも関電は、前原子力規制委員長までもが「安全を保証するものではない」と繰り返す“新規制基準”への適合を拠り所にして、高浜原発3,4号機を再稼働させました。また、来る3月、5月には、大飯原発3,4号機の再稼働を企て、「原発銀座・若狭」の復活を狙っています。関電の利益のために、人の命と尊厳をないがしろにするものです。許されるものではありません。

◆ところで、私たちは、若狭やその周辺地域で、長期にわたって毎月2回・4日間のチラシ配布(アメーバデモ)、集会・デモ、原発ゲート前行動を展開し、住民の多くからご意見をうかがってきました。その中でも、「原発はいやだ」の声が圧倒的に多数であり、原発推進の声はほとんど聞かれていません。原発立地でも、表立ってはいないものの、脱原発、反原発が民意なのです。この民意が、顕在化すれば、原発を止めることができます。

◆ここでは、脱原発、反原発の声をさらに大きくするために、原発が地域の振興に障害であること、原発はなくても何の支障もないことを再確認したいと考えます。

【1】原発は地域を豊かにするか?

◆原発は、原発導入まで地域を支えてきた産業のほとんどを消滅させている。加えて、原発による繁栄はせいぜい50年で、一旦ことあれば、原発は「死神」である。また、せっかく原発マネーでハコモノを作っても、過疎化が進む原発立地には使う人がいなくなっている。その上、原発マネーがなくなったら、ハコモノの維持費もなくなる。その意味で、窪川原発反対運動での島岡幹夫さんの次の発言(1980年)は、傾聴に値する。「窪川町には農業と畜産で80億円、林業で30億円、加工産業は150億円近い収入があった。四国有数の食糧生産地なのに、たかだか20~30億円の税収に目がくらみ、耐用年数10年程度の原発のために2000年続いてきた農業を捨てるのは愚の骨頂。」

◆以下は、山崎隆敏著『なぜ「原発で若狭の振興」は失敗したのか』(白馬社)、第2章「原発で地域は振興できたのか?」の概要である。若狭の地域振興にとって、原発が桎梏(しっこく;手かせ足かせ)となっていることは明らかである。
(なお、以下、「嶺南」とは「若狭」とほぼ同義で、福井県南部の若狭湾沿岸の地域を指し、原発立地の高浜町、おおい町、美浜町、敦賀市、原発のない小浜市、若狭町が含まれる。「嶺南」とは、福井県の敦賀市以西の市町。南越前町以北は「嶺北」)

1.伸びない嶺南の製造品出荷額と雇用

◆1965年から2001年の36年間での福井県内の市町の製造品出荷額の伸びは、原発のない市町では13~88倍であったが、原発立地市町では5~11倍にとどまった。2001年度の敦賀市の製造業従事者は、人口が似ていて原発のない武生市、鯖江市の3分の1程度で、原発立地では雇用が伸びていないことを示す。

◆1967年から2013年の46年間での嶺南全体の製造品出荷額の伸びは4.4倍で、嶺北全体の伸び(9.2倍)の半分以下である。なお、1967年の一人当たりの出荷額は、嶺南で33万円で、嶺北で28.9万円であり、嶺南は貧しさゆえに原発を導入したという説は当を得ない。2013年の一人当たりの出荷額は、嶺南で143万円、嶺北で247.6万円と逆転している。

2.伸び悩む嶺南の観光

◆観光客の年間入込(いりこみ)数(受入数)は、1968年からの40年間で、嶺北では約2.5倍と大幅に増加したが、嶺北では約1.15倍と微増であった。なお、1968年の人口一人当たりの年間観光客入込数は、嶺北で12人、嶺南で35人であり、嶺南は美しい海岸と古刹寺社などの名所旧跡を有する人気の観光地であったことを示す。

◆嶺南の原発のない三方町(2005年に合併で若狭町になる)の2012年の年間観光客入込数は、1971年に比べて12%増で、原発立地の高浜町は48%減、美浜町は46%減であった。原発立地である大飯町は、良好な海水浴場がなかったために、1971年には高浜町や美浜町の1割に満たなかった年間観光客入込数を、2012年には高浜町や美浜町に匹敵するまでに増やしている。ポスト原発を見越した努力の成果であろう。

3.「双子の町」・美浜町と若狭町の比較

◆同じ三方郡内で、原発を持つ美浜町と持たない若狭町(2005年、旧三方町と旧上中町が合併)の経済活動を比較すれば、原発に依存し自助努力を怠った美浜町と原発に依存できない財政運営・地域振興を図った若狭町の差は歴然である。

◆1965年の美浜町の年間製造品出荷額は3.7億円で、三方町の2億円、上中町の3億円と大差はなかったが、2004年には美浜町は約10倍の38億円になったのに対し、三方町は約105倍の212億円、上中町は約113倍の346億円と伸び率に大差が出た。

◆年間商品販売額、1964年には、美浜町が8.29億円、上中町が5.28億円であったが、2004年には、美浜町が114.53億円、上中町が123.52億円となり、人口(美浜町;11023人、上中町;8288人)が少ない上中町に美浜町は追い抜かれた。

◆年間観光客入込数は、1971年以降、美浜町が常にリードしてきたが、2000年を境に逆転し、2001年には美浜町101万人、三方町106万人となった。なお、合併してからの若狭町には通年型の集客力があり、原発のない街の健闘と努力が伺える。

【2】原発と自治体財政

◆原発は電源三法交付金、核燃料税交付金などの補助金や固定資産税などによって地方自治体財政を膨張させたが、次に問題点を指摘する電源三法交付金のように、原発に関わる財政補助には、様々な弊害があるから、「地域全体の経済や自治体経済に役立っている」とは言い難い。(注)電源三法;オイルショック直後の1974年、火力発電以外の電源(とくに原発)の開発のために制定された電源開発促進税法、電源開発促進対策特別会計法、発電用施設周辺地域整備法。

1.電源三法交付金の問題点

① 依存性;地域が交付金に依存して自律性を失する。それまで地域を支えてきた産業は、ほとんど消えている。

② 時限性;恒久的ではない。・原発による繁栄は30~40年、一旦ことあれば、原発は「死神」。原発マネーがなくなったら、せっかく作ったハコモノや施設の維持費も出ない。

③ 目的限定性;その利用目的に柔軟性がない。ハコモノや施設の建設が中心。地域が過疎化し、老齢化すると、ハコモノや施設を作っても使う人がいなくなる。

2.原発立地の福井県と原発を拒否した徳島県の比較

(山崎隆敏氏の前掲著書、第3章「原発と自治体財政」より)

◆福井県と徳島県は人口、財政規模が類似している。2012年の福井県、徳島県の人口はそれぞれ約82万人、約81万人。2012年の福井県の一般会計歳入総額は4618億円、県税収入は926億円、国庫支出金は670億円、地方交付税交付金は1316億円であり、徳島県の一般会計歳入総額は4721億円、県税収入は695億円、国庫支出金は569億円、地方交付税交付金1528億円である。福井県の県税収入のうちの120億円は電力会社からの法人県民税、法人事業税、核燃料税の合計で、国庫支出金のうちの84億円は電源三法交付金であり、合計204億円がいわゆる「原発マネー」で、徳島県には入らない収入である。

◆福井県の県税収入、国庫支出金、地方交付税交付金の合計は2912億円で、徳島県の2792億円より120億円多いに過ぎない。徳島県には「原発マネー」はないけれども、地方交付税交付金を福井県より212億円多くもらっているのである。このことがもっと顕著なのは2010年で、福井県の県税収入、国庫支出金、地方交付税交付金の合計は2856億円(187億円の「原発マネー」を含む)で、徳島県の2854億円よりわずかに2億円多いに過ぎない。徳島県が地方交付税交付金を福井県より219億円多くもらった結果である。なお、「原発マネー」の多くは、原発がなければ必要がない避難道路の建設や放射線監視などの費用として消えている。原発はなくても、徳島県は福井県と大差のない財政運営をしている。また、県の借金残高(2007年度)は、福井県が7990億円(県民1人当り93万円)で、徳島県の6330億円(県民1人当り78万円)より多い。

【3】原発は農山漁村の魅力を失わせる

◆今、若者、ファミリー世代の農山漁村への移住希望が増え、30代女性の多くが「農山漁村での子育て」を志向しているといわれている。実際、都市から農山漁村への移住者は、2009年から2014年の5年間で4倍に増加したと報告されている。20~30代が中心で、女性の割合が上昇している。Iターンが多いが、これがUターンを刺激している。移住者は、いわゆる6次産業[農業、漁業(1次産業)+産物の加工(2次産業)+産地直送販売(3次産業)]を生業(なりわい)とする場合が多い。日本の食糧消費額74兆円であるが国内食用農水産物生産額は9兆円に過ぎず(現在自給率12%)、差の65兆円が6次産業の経済規模である。1%の移住者がいれば、地域が維持される。

◆上記のように、農山漁村の魅力は再発見されつつあるが、原発に依存する市町村がその対象とされ難い。

【4】原発はなくても大丈夫

1.多量エネルギーは本当に必要か

◆人類が1日当り使用するエネルギーの量は、火も使わず、動物に近い生活をしていた時代(数10万年前)には約2000キロカロリー(kcal)であった。ところが、現在は日本で160,000 kcal、米国で280,000 kcalである。こんなに多量のエネルギーを浪費しても良いものであろうか?

◆人口一人当たりのエネルギー消費量は、日本では原発が商業運転を始めた1965年からの10年間で約4倍に増加し、韓国でも20年遅れて同様な増加を見せ、中国では現在、増加の途上にある。人類史上、10年間でエネルギー使用量が4倍にも急増したことはない。この事態に、人類は、文化的、精神的に、また、地球環境との共存の視点から、真に対応できているのであろうか?

2.エネルギー使用量(要求量)を減らすことは可能か?

◆以下のように考えれば、可能であることは明らかである。ただし、人類が麻薬依存症のように、いつまでもエネルギー依存、便利さ要求を拡大し続ければその限りでない。「欲を少なくし、足るを知り、質素でも心豊かな生活を求める」価値観への転換も重要である。

・エネルギーの開発より今の 1/10 のエネルギーで働く装置の開発を!

◆近年の科学技術は、省エネルギー機器の開発を可能にしている。例えば、1948年に発見されたトランジスターは、真空管とは比較のしようもないないほど小さな電力で真空管と同じ機能を発揮する。もし、真空管で携帯電話を働かせようとすれば、ナイヤガラ瀑布の水を全て使っても、発熱を冷却しきれないであろう。また、近年普及が進んでいるLEDは。蛍光灯の1/10の電力で、蛍光灯と同等の明るさを与える。さらに、軽くて丈夫な素材(炭素繊維、軽金属、有機材料)の開発も進み、軽量で燃費の少ない車、航空機の製造を可能にしている。

◆原発に費やす人材、資金、時間を省エネ機器の開発に回せば、エネルギー使用量の削減は可能になろう。

・貴重な資源とエネルギーの投棄を見直そう!

◆50年前には、少なくとも田舎では、ゴミ収集車は来なかったが、現在は、膨大な量のゴミが焼却され、埋め立てられている。現在、日本での食べ残し食料は、1日800万食と言われる。一方、明治以来、水洗便所の普及率が文明の尺度と勘違いされ、水洗トイレによってし尿が垂流されている。しかし、ごみ、食べ残し食料、し尿は、貴重な資源である。

◆とくに、し尿は、臭いと寄生虫がなければ、立派な肥料(窒素、リン酸源)である(リンは、細胞膜を構成するなど、生体に不可欠の成分であるから肥料として植物に与える)。今、世界のリン鉱石が枯渇しかかっている。し尿の垂れ流しを止めて有効利用しなければならない。

・修理より買った方が安い社会構造の見直しを!

◆現在、修理を依頼しても、「修理できない」、「買い替えた方が安い」と断られることが大抵である。そのため、ゴミとして廃棄される。エネルギーの無駄使いでもある。

・エネルギー投入型生産の見直しを!

◆戦前までのように、人力を主体とし、化学肥料、農薬を使わない農業をやれば、現在の1/10 程度のエネルギーで米や野菜を生産できるという。難点も多々あろうが、見直すこともできると考えられる。

3.少し待てばエネルギー増産は不要になる

◆現在は増加している世界の人口は50年以内に減少に転じ、エネルギー使用量も減少する。一方、省エネ機器の開発、水力・火力・その他の発電法の効率化と新発電法の開発、大容量蓄電法の開発なども進み、エネルギー生産を減少させても何の支障もない時代が到来すると予想される。ましてや、負の側面しか持たない原発など不要となり、原発を利用した過去を後悔することになろう。なお、原発はなくても、そのような時代を待つに十分なエネルギー源は十分存在する。石油は200年、石炭は1000年以上現在のペースで使い続けても枯渇しないといわれている。太陽光、風力、波動、地熱、天然ガス、メタンハイドレート、オイルシェールなどもある。

福島原発事故以降の経験は、原発はなくても電気は足りること、節電は大きな困難もなく実行できることを実証しました。また、覚悟して備えていれば停電も怖くないことも体験しました。人類の手におえない原発を動かす必要はありません。


2月25日(日)~26日(月)
大飯原発うごかすな!
若狭湾岸一斉チラシ配布(拡大アメーバデモ)

関電原子力事業本部へのデモと申し入れ、原子力規制事務所への申し入れ

主催:大飯原発うごかすな!実行委員会

呼びかけ:オール福井反原発連絡会、若狭の原発を考える会、ふるさと守る高浜・おおいの会

連絡先:木原(090-1965-7102:若狭の原発を考える会)、宮下(090-2741—7128:原子力発電に反対する福井県民会議)
ご参加、ご支援、カンパをお願いします。
(カンパ郵便振込先;加入者名:若狭の原発を考える会;口座記号・番号:00930‐9‐313644:お振込みにあたっては、通信欄に「若狭湾岸一斉チラシ配りへのカンパ」とお書きください。


2018年1月26日

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

◆原発はなぜ人類の手におえないのか

【2017年10月9日,京都キンカンで配付。】

原発再稼働を阻止し、原発を全廃するためにもう一度考える

◆関電や政府は、大飯原発3、4号機の3、5月再稼働を企み、老朽高浜原発1、2号機、美浜3号機の再稼働も画策しています。一方、原子力規制委員会は、福島原発事故の収束も見通せないにもかかわらず、東電柏崎・刈羽原発の「新規制基準」適合を発表しました(12月27日)。「新規制基準」は、福島原発事故から2年半もたたない2013年7月に施行されたものです。事故炉の内部の詳細は今でも分かっていないにもかかわらず、福島事故に学んで作成したとしているように、科学的根拠の極めて薄いものです。前規制委員長も繰り返し述べたように、安全を保障するものではありません。

◆原発を現代科学技術で制御し難いことは、福島事故の悲惨さと事故処理の困難さが教えるところです。また、事故後の経験は、原発はなくても、何の支障もないことを明らかにしています。それでも、政府や電力会社は、原発再稼働の動きを活発化させようとしています。

◆ここで、原発が人類と共存できない理由を再確認し、再稼働阻止、原発全廃の断固とした運動を構築するための一助にしたいと考えます。

【1】核反応エネルギーは化学反応エネルギーの数百万倍

◆私たち人類を取り巻く環境は、化学結合で成り立っています。化学結合の切断、生成(これを化学反応という)で得られるエネルギー(すなわち化学反応エネルギー)は、エレクトロンボルト(eV)と呼ばれる単位で評価されます。このeVの世界で得られる温度は、精々数1000℃です。生体内での化学結合はさらに弱く、生体内化学反応の多くは0.1 eV 以下のエネルギーのやり取りで進行します。すなわち、100℃までの世界で、100℃を越えて生きる生物は稀です。

◆一方、原発内などで生じる核反応では、ミリオンエレクトロンボルト(MeV:M=100万)のエネルギーが得られます。このMeVの世界では、理論的には、数億度℃以上の温度が得られます。換言すれば、核反応1反応によって100万に近い化学反応が生じる(結合が切断される)ことになり、核反応によって化学反応が爆発的に起こることになります。このことは、核反応を化学反応によって制御することができないことを示します。なお、体内に取り込まれた放射性物質から出る放射線による内部被曝では、1核反応によって1000万に近い体内の化学結合が切断されます(実際には、核反応エネギーの一部しか結合切断に使われないので、もっと少ない)。

◆以上のように、化学反応エネルギーの数百万倍もの大きさの核反応エネルギーを、化学結合でできた材料によって閉じ込めて置くことは極めて困難です。したがって、原子炉は大量な水で冷やし続けなければならず、水がなくなると、あっという間に大惨事になります。原発の重大事故時には、膨大なエネルギーに起因する熱(核反応熱;核分裂で出る熱、崩壊熱;放射線を出して別の物質に変わるときに出る熱)によって核燃料や被覆材などの原子炉材料が溶融し、水素ガスの発生・ 爆発あるいは水蒸気爆発(高温での水の爆発的蒸発)を引き起こし、メルトダウン、メルトスルーにつながります。化学反応エネルギーでは、このような事態にはなりません。

【2】原発は事故を起こし易く、被害は広域・長期に及び、事故収束は困難

・大惨事は瞬時に進行する

◆前述のように、核反応エネルギーは膨大ですから、原発で冷却水が途絶えると、瞬時に(火災などとは比較にならない速度で)材料の熱融解、水素ガスの発生・爆発あるいは水蒸気爆発を引き起こします。

◆そのように瞬時に進行する事故への対応は至難で、進み始めた事故を止めることは極めて困難です。いわゆる「人為ミス」は避けえません。例えば、海水の原子炉への大量注入は何千億円もする原子炉を使用不能にしますが、重大事故に際して、海水を大量注入してメルトダウンを防ぐ判断を、会社の上層部や政府に仰いでいる暇はありません。事態を把握し、議論している間に、原子炉が深刻で取り返しのつかない状況になります。なお、今までの全ての重大事故では、事故を深刻でないとする判断(願望も含めて)を行い(例えば、計器の指示ミスと判断)、事態をより深刻にしています。

・事故炉は容易に再臨界に達する

◆原発重大事故でメルトダウンした核燃料(デブリ:debris:破片、堆積物の意)は、分散していれば、核分裂反応を起こしませんが、冷却水が途絶えると、崩壊熱で燃料が溶融・集合し、核分裂連鎖反応を開始します(再臨界に達する)。したがって、デブリは、取り出しまで長期間冷却し続けなければなりません。

・原発重大事故は、原爆とは比較にならない量の放射性物質を放出する

◆原爆は、瞬時の核分裂によって放射性物質(死の灰)を放出します。一方、原子炉内には、数年にもおよぶ長期の核分裂反応によって生成した放射性物質が蓄積していて、原発重大事故では、それが放出されます。例えば、100 万kWの原子炉を1年間運転したときの生成放射性物質量は約 1 t(トン)で、広島原爆がばらまいた放射性物質量750 gの約1,300倍です。原発事故で放出された放射性物質を完全回収できるほど現在科学は進歩していないことは、福島事故の経験が教えるところです。結局は、海洋や大気へ垂れ流され、地球全体を汚染させます。

・原発の重大事故の被害は広域におよぶ
(火災が10 km 先に飛火することは無い)

◆原発重大事故によって放出された放射性物質は、事故炉近辺を汚染させるだけでなく、風によって運ばれた後、雨によって降下しますから、汚染地域は極めて広範囲に広がります。福島事故でも、約50 km 離れた飯舘村も全村避難になり、約200 km 離れた東京や千葉にも高濃度の放射性物質が降下しました。チェルノブイリ事故では、日本でも放射性物質が検出されました。海に流出した放射性物質は海流に乗って広範囲の海域を汚染します。福島の放射性物質はアメリカ西海岸にも到達します。避難計画や原発稼働への同意などでは、30 km圏(UPZ)内が対象とされますが、被害は30 kmをはるかに超えて広域におよびます。

◆若狭の原発の重大事故では、関西はもとより、中部、関東も高濃度の放射性物質で汚染される可能性があります。京都駅、大津駅は高浜原発、大飯原発から60数km、大阪駅は80数kmの位置にあります。250万人が住む京都府、150万人が住む滋賀県などのほぼ全域が100 km 圏内にあり、この全域が避難対象になっても、避難は不可能であることは自明です。琵琶湖の汚染は、1,450万人の飲用水を奪います。原発からの汚染水は日本海にたれ流されますが、日本海は太平洋に比べて比較にならないほど狭い閉鎖海域ですから、高濃度に汚染されます。美しい海岸線を持ち、漁獲豊かな若狭湾の汚染はさらに深刻です。

・放射性物質による被害は長期におよぶ

◆火事は長くても数十日で消火できますが、放射性物質は、半減期に従って消滅する[放射線を出して他の物質(核種)に変わる]まで、放射線とそれによる熱を発生し続けます。代表的な放射性物質の半減期は、プルトニウム239で2万4千年、ネプツニウム237で214万年、セシウム137で30.7年、ストロンチウム90で28.8年、ヨウ素131で 8.02 日です。

◆放射性物質は、1半減期で1/2に、半減期の10倍で約1/1000、13.3倍で約1/10000、20倍で約1/100万に減少します。例えば、プルトニウム239を1/10000に減少させるには約32万年かかります。それでも、安全なレベルになるとは限りません。

◆なお、半減期の短い物質は早く崩壊しますから、物質の量が同じであれば、時間当たりにすれば、多くの放射線を出します。

・原発事故の収束には、途方もない時間を要する

◆放射性物質は長期にわたって放射線を出し続けますから、高放射線のために事故炉の廃炉は困難を極めます。また、放射線による熱発生のため、冷却水が途絶えると、核燃料が再溶融し、再び核分裂を始める可能性もあり、長期間冷却水を供給し続けなければなりません。福島原発では、事故から7年近く経っても、溶け落ちた燃料の位置も一部しか分かっていません。完全廃炉には、50年以上を要するとの見解もあります。

◆放射性物質による被害は長期におよびますから、原発事故では長期の避難を強いられ、住民は故郷を奪われ、家族のきずなを断たれ、発癌の不安にさいなまれます。通常の災害では、5年も経てば、復興の目途はある程度立ちますが、原発事故は、生活再建の希望も奪い去ります。福島事故では、4年経った2015年から、絶望のために自ら命を絶たれる避難者が急増していると報道されています。

【3】原発は、長期保管を要する使用済核燃料、放射性廃棄物を残す

◆原発を運転すると、核燃料の中に運転に不都合な各種の核分裂生成物が生成します(中性子を吸収する中性子毒核種など)。したがって、核燃料を永久に使用することは出来ず、一定期間燃焼させると、核分裂性のウランやプルトニウムは十分残っていても、新燃料と交換せざるを得なくなり、そのため、使用済み核燃料がたまります。現在、日本には使用済み核燃料が17,000トン以上たまり、原発の燃料プールや再処理工場の保管場所を合計した貯蔵容量の73%が埋まっています。原発が順次再稼働した場合、数年後には満杯になります。なお、混合酸化物(MOX)燃料が使用済み燃料となったとき、放射線と発熱量の減衰速度は、ウラン燃料の4倍程度遅く、そのため、4倍以上長く水冷保管しなければなりません。

◆国の計画では、全国の使用済み核燃料は、使用済み核燃料プールで冷却した後、六ケ所村の再処理工場に輸送して、再処理して、ウラン、プルトニウムを取り出し、再利用することになっていました。しかし、再処理工場の建設はトラブル続きで、すでに2兆2千億円をつぎ込んだにもかかわらず、完成の目途(めど)は立っていません。1,300 kmもの配管を持ち、危険極まりないこの工場の運転は不可能と言われています。もし、再処理できたとしても、膨大な放射性物質を含み、長期保管を要する高レベル放射性廃液が多量に生まれます。これを、ガラス物質と混合して、ガラス固化体として、地下に保管する研究も進められていますが、何千年以上も安定で、放射性物質が溶出しないガラス固化体はありません。

◆使用済み核燃料を、使用済み核燃料プールで、一定期間(5年程度)冷却した後、再処理せずに、そのまま空冷保管する方が、再処理するよりは安全と考えられますが、それでも、何万年以上の安全保管は至難です。

◆福井県にある原発13基が持つ使用済み核燃料貯蔵施設の容量は5,290トンで、その7割近くがすでに埋まっています。高浜、大飯、美浜の原発が再稼働されれば、7年程度で貯蔵限度を超え、原発の稼働は出来なくなります。

◆なお、使用済み核燃料貯蔵プールは脆弱(ぜいじゃく)で、冷却水を喪失し、メルトダウンする危険性が高いことは、福島第1原発4号機の燃料プールから冷却水が漏れ、核燃料溶融の危機にあった事実からでも明らかです。

◆一方、日本には、低レベルおよび高レベル放射性廃棄物が200リットルドラム缶にしてそれぞれ約120万本および約1万本蓄積されていますが、その処分は極めて困難で、永久貯蔵はおろか中間貯蔵を引き受ける所もありません。

◆数万年を超える保管を要する使用済み核燃料、放射性廃棄物の蓄積の面からも、原発は全廃しなければなりません。放射性物質を消滅させるに有効な方法はありません。

【4】原子燃料は無尽蔵で、燃料枯渇が原発廃止の理由にならないから厄介

◆地球表面の土壌中のウランの平均濃度は1 ppm (ppm;100万分の1) と言われています。土壌 1 t に 1 gのウランが存在します。富鉱では、0.3~0.7% すなわち岩石1 t に 3~7 kgのウランが存在します。したがって、原子燃料は多量に存在すると言えます。ただし、ウラン[238U(約99.3%)、 235U(約0.7%)]を核燃料として使用するには、膨大な費用を要する235Uの濃縮が必要です。

◆一方、原子炉を運転すれば、核燃料であるプルトニウム生成します。このプルトニウムの化学的性質は、他の元素とかなり異なりますので、プルトニウムを取り出すことは、ウラン濃縮よりは簡単で、安上がりです。

◆もちろん、高放射線下でのプルトニウム取り出し作業(再処理)が困難なことは、前述のとおりですが、もし、再処理が可能が可能になれば、原理的には、核燃料を無尽蔵に取出せることになります。したがって、政府、財界、電力は、ウラン燃料炉よりさらに運転が難しく厄介であるにもかかわらず、プルサーマル炉を求めているのです。また、そのために、プルトニウムを作り、取り出す高速増殖炉と再処理工場が必要と考えているのです。[化学、化学工学は、高速増殖炉、再処理工場を操業できるほど発達していない!]

◆エネルギーは麻薬のようなものですから、それを欲する限り、麻薬の製造装置である原発から脱却できないだけでなく、上限なしに原発を増設することになりますから、厄介です。この意味で、原発製造企業=麻薬生産者、電力会社=麻薬の売人、原発賛成の人=麻薬患者といえます。

福島原発事故以降の経験は、
原発はなくても電気は足りることを実証しました。
人類の手におえない原発を動かす必要はありません。


2月25日(日)~26日(月)
大飯原発うごかすな!若狭湾岸一斉チラシ配布
(拡大アメーバデモ)

関電原子力事業本部へのデモと申し入れ、原子力規制事務所への申し入れ

ご参加、ご支援、カンパをお願いします。

・主催:大飯原発うごかすな!実行委員会
・呼びかけ:オール福井反原発連絡会、若狭の原発を考える会、ふるさと守る高浜・おおいの会
・連絡先:木原(090-1965-7102:若狭の原発を考える会)、宮下(090-2741—7128:原子力発電に反対する福井県民会議)


2018年1月12日

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

◆2018年を原発のない社会創り元年に!

【2018年1月5日,京都キンカンで配付。】

◆新年おめでとうございます。今年が、原発と決別し、過剰なエネルギー消費、物質浪費社会を根底から問い直す年になることを願っています。

◆昨年12月には、嬉しいことが2つありました。

◆第一は、13日の広島高裁での伊方原発運転差止め決定です。この決定は、3.11福島原発事故の大惨事の尊い犠牲の上に、形成された脱原発、反原発の圧倒的民意を反映したものであり、脱原発、反原発の粘り強い闘いの成果です。

◆第二は、関電が、2019年3月と12月に40年越えとなる老朽大飯原発1、2号機の廃炉を発表せざるを得なかったことです(12月21日)。2千億円を超えると言われる安全対策費がこの決断をうながしたことは明らかです。これは、福島事故の大きな犠牲とその後の大衆運動、裁判闘争の高揚によって、安全対策をないがしろにできなくなったためであり、大衆運動、裁判闘争の成果ともいえます。(ただし、喜んでばかりはいられません。関電や政府は、これと引き換えに、原発新設を狙う可能性もあります。注視が必要です。)

◆今年は、脱原発、反原発運動をさらに高揚させ、原発のない社会を展望しましょう!

大飯原発3、4号機再稼働阻止を突破口に、
原発全廃を勝ち取ろう!

 関電や政府は、大飯原発3、4号機の3、5月再稼働を企み、「原発銀座・若狭」の復活を狙っています。若狭の原発には、他の原発に比べて次のような特殊事情があり、福島原発事故以上の被害をもたらす重大事故の可能性が高いと考えられます。
(以下は、昨年5月配布のチラシを改定したものですが、再稼働阻止闘争のさらなる高揚のために再録します。)

若狭の原発が持つ特殊な問題

【1】若狭には原発13 基、「もんじゅ」、「ふげん」が集中

・重大事故の場合、1基に留まらない

◆高浜原発、大飯原発は同じ敷地内に各々4基、美浜原発、敦賀原発、廃炉決定の「もんじゅ」、廃炉中の「ふげん」は近接していて、合計7基の原子炉があります。このように原子炉が近接しているとき、1基が重大事故を起こせば、隣の原発にも近寄れなくなり、多数の原子炉の重大事故に発展しかねないことは、3基がメルトダウンし、3基が水素爆発した福島原発事故が教えるところです。

◆なお、高浜原発が地震や津波に襲われれば、14 km 弱の至近距離にあり、高浜原発と同様に若狭湾に面している大飯原発も同じ被害を被ることは容易に想定できます。

・原発依存度が高く、広域の自治体が原発を推進;脱原発、反原発の声を上げ難い

◆例えば、川内原発では、原発推進の立場をとるのは原発立地の薩摩川内市のみであり、隣接するいちき串木野市、阿久根市、出水市、日置市、さつま町などは、再稼働への地元同意の対象外とされたことへの不満と再稼働への異議は多数です。いちき串木野市での緊急署名では、再稼働反対が市民の過半数を越えました。

◆しかし、若狭ではこの地域の1市、3町が原発立地で、原発推進の立場に立っています。これらの自治体の原発依存度は、薩摩川内市に比べても圧倒的に高く、そのため、脱原発、反原発の声を上げ難いと考えられます。ただし、次のように、若狭でも、顕在化はしていないけれども、脱原発、反原発を望む声は極めて多く、とくに、老朽原発運転反対は大多数です。


コラム「若狭の原発を考える会」の経験から

◆「若狭の原発を考える会」は、アメーバデモと称する行動を、毎月2回(1回2日間)行っています。関西や福井から原発立地の若狭あるいは原発周辺の東舞鶴(京都府)、高島市(滋賀県)に集まり、3~5人が一組になり、徒歩で、鳴り物を鳴らしながら、また、「反原発」の旗を掲げ、肩にかけたスピーカーで呼びかけながら、全ての集落の隅から隅まで、チラシを配り歩く行動です。普通は、2グループ程度ですが、多いときには、全国からの応援を得て、10グループ以上になることもあります。

◆「若狭の原発を考える会」は、アメーバデモを3年以上継続し、お会いした住民1000人以上から、直接お話をうかがってきましたが、その中でも、「原発はいやだ」の声が圧倒的に多数であり、原発推進の声はほとんど聞かれていません。原発立地でも、表には表れていないけれども、脱原発、反原発が多数の願いであり、民意なのです。


【2】100 km 圏内に1千万人以上が住む;避難は全く不可能:1,450 万人の水源がある

◆高浜原発や大飯原発から50 km圏内には、京都市、福知山市、高島市の多くの部分が含まれ、100 km圏内には、京都府(人口約250万人)、滋賀県(人口約140万人)のほぼ全域、大阪駅、神戸駅を含む大阪府、兵庫県のかなりの部分が含まれます。このことと、福島原発から約50 km離れた飯舘村が全村避難であったことを考え合わせれば、若狭の原発で重大事故が起こったとき、500万人以上が避難対象となる可能性があり、避難は不可能です。

◆しかし、政府や自治体が行う避難訓練では、そのことが全く考えられていません。この圏内には琵琶湖があり、1,450万人の飲用水の汚染も深刻な問題です。

◆さらに、避難訓練には、原発事故での避難は極めて長期に及ぶ(あるいは永遠に帰還できない)という視点がありません。福島およびチェルノブイリの事故では、今でも避難された10数万人の大半が故郷を失ったままです。

◆1昨年8月27日に高浜原発から30 km圏の住民179,400人を対象にして行われた避難訓練は、最大規模と言われながら、参加者数は屋内退避を含めて7,100人余りで、車両などでの避難に参加したのはわずか約1,250人でした。それも県外への避難は約240人に留まりました。この規模は、重大事故時の避難の規模とはかけ離れた小ささです。

◆車道などが使用不能になったことを想定して、自衛隊の大型ヘリによる輸送訓練も予定されていましたが、強風のために中止されました。また、悪天候のために、船による訓練は全て中止されました。老人ホームなどへの事故に関する電話連絡は行われましたが、実際行動の必要はないとされました。

【3】高浜、大飯、美浜原発は加圧水型(PWR):沸騰水型(BWR)より安全とは言えない

◆原子力規制委員会や政府は、加圧水型原子炉(PWR)は、沸騰水型原子炉(BWR)より安全であるとして、PWRである川内、高浜、大飯、伊方、泊などの原発の再稼働を先行させようとしていますが、これは、「事故を起こした福島原発とは型が異なるから安全」とする国民だましです。以下に述べますように、過酷事故はBWRよりPWRの方が起こりやすく、起こると急激です。

スリーマイル島(TMI)原発事故が教えるPWRの危険性

◆福島原発事故の32年前(1979年)に炉心溶融事故を起こしたTMI原発はPWRでした。

◆高浜原発(PWR)の炉内圧力は約150気圧で、福島原発(BWR)の約70気圧の倍であり、配管が破断したとき、噴出する冷却水の量と勢いは格段に大です。出力密度がBWRの約2倍で、それだけPWRの方が炉心溶融しやすく、事故発生から炉心溶融まで、PWRでは1時間程度(TMIの例)、BWRでは5~12時間(福島事故の例)と推定されます。

◆PWRの方が、中性子照射量が多いため、材料の照射劣化がより早く進行します。加圧熱衝撃を受けると、高圧と相まって、原子炉容器の破裂事故(最悪の事故)を招きかねません。この危険性は、中性子などの放射線照射量に応じて大きくなるため、原発老朽化は大問題です。なお、高浜1号機は43年、2号機は42年、3号機は33年、4号機は32年、大飯1号機(廃炉決定)は39年、2号機(廃炉決定)は38年、3号機は36年、美浜3号機は42年を経過した、何れも老朽原発です。

◆過酷事故時の挙動が福島原発より複雑です。例えば、PWRでは、運転中に生成したプルトニウムの偏りが起こり易く、炉内での核分裂挙動が複雑となり、進行している事態の評価や判断を誤らせる一因となります。

◆PWRでは、格納容器内でも水素爆発が起きます。BWRでは格納容器内に窒素を充填しているため、格納容器内では水素爆発は起こりません(福島事故での水素爆発は全て格納容器外)。

【4】ウラン―プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料プルサーマル炉・ 高浜3、4号機

◆既存原発のプルサーマル化では、元々ウラン燃料を前提とした軽水炉のウラン燃料の一部をMOX燃料で置き換えて運転するので、技術的な課題が山積です(全MOX炉も制御困難)。なお、原子力規制委員会審査における重大事故対策の有効性評価の解析対象は、ウラン炉心のみであり、MOX炉心については何ら評価されていません。過酷事故を起こしたときには、猛毒のプルトニウムや超プルトニウム元素が飛散して、深刻な内部被ばくを起こす危険性も大です。

重大事故の確率が大きい

◆燃料被覆管破損の危険性が大です。例えば、MOX燃料中に酸素と結合し難い白金族元素が生成しやすく、余剰酸素が被覆管を腐食します。また、核分裂生成物ガスとヘリウムの放出が多く、燃料棒内の圧力が高くなり、被覆管を破損させかねません。

◆核燃料の不均質化(プルトニウムスポット)が起こりやすく、燃料溶融の原因になります。

◆ウラン燃料と比べて燃焼中に核燃料の高次化(ウランより重い元素の生成)が進みやすく、特に中性子吸収確率の大きいアメリシウム等が生成しやすくなります。核燃料の高次化が進むと、原子炉の運転や停止を行う制御棒やホウ酸の効きが低下します。さらに進むと、核分裂反応が阻害され、臨界に達しなくなり、核燃料として使用できなくなります。

◆中性子束(密度)が大きく、高出力ですから、MOX燃料装荷によって 運転の過渡時(出力の増減時)に炉の制御性が低下します。(1/3程度しかMOX燃料を装荷できない。)

◆一部の燃料棒のみをMOX燃料にすると、発熱量にムラが生じます。温度の不均衡が進行すると、高温部の燃料棒が破損しやすくなります。

使用済みMOX燃料の発熱量は、ウラン燃料に比べて、下がり難い:長期の水冷保管が必要

◆発熱量が下がり難いため、長期にわたってプール内で水冷保管しなければ(使用済みウラン燃料の4倍以上)、空冷保管が可能な状態にはなりません。使用済み燃料保管プールが、脆弱で、冷却水を喪失しやすいことは、福島原発4号機のプールが倒壊寸前であった事実からも明らかです。

◆取り出し後50年~300年の使用済みMOX燃料の発熱量は、使用済みウラン燃料の発熱量の3~5倍です。

◆使用済みMOX燃料の発熱量を、50年後の使用済みウラン燃料の発熱量レベルに下げるには300年以上を要します。

MOX燃料にするためには、使用済み燃料再処理が必須

◆再処理を行うと、使用済み燃料をそのまま保管する場合に比べて、事故、廃棄物など全ての点で危険度と経費が膨大に増えます。(再処理費までMOX燃料の製造コストの一部と看做すと、MOX燃料の使用は経済的にも引き合わない。)

【5】関電や政府は、40年越え老朽原発・高浜1,2号機、美浜3号機の再稼働も企む

◆原発は事故の確率が高い装置ですが、老朽化すると、重大事故の確率が急増します。次のような理由によります。

◆高温、高圧、高放射線に長年さらされた圧力容器、配管等の脆化(ぜいか:もろくなること)、腐食は深刻です。中でも、交換することが出来ない圧力容器の脆化(下記注を参照)は深刻です。電気配線の老朽化も問題です。

◆建設時には適当とされたが、現在の基準では不適当と考えられる部分は多数ありますが、全てが見直され、改善されているとは言えません。例えば、地震の大きさを過小評価していた時代に作られた構造物、配管の中で交換不可能なもの(圧力容器など)です。最近は、安全系と一般系のケーブルの分離敷設の不徹底なども指摘されています。

◆建設当時の記録(図面など)が散逸している可能性があり、メンテナンスに支障となります。

◆建設当時を知っている技術者は殆どいないので、非常時、事故時の対応に困難を生じます。

◆とくに、ウラン燃料対応の老朽原発でMOX燃料を使用することは、炉の構造上、大きな問題です。


(注)老朽原発圧力容器の脆性破壊
原子炉本体である圧力容器は鋼鉄で出来ていて、運転中は、約320℃、約150気圧の環境で中性子などの放射線に曝(さら)されています。この鋼鉄は、高温では、ある程度の軟らかさを持っていますが、温度が下がると、ガラスのように硬く、脆(もろ)くなります。圧力容器は原子炉運転期間が長くなると、硬化温度(脆性=ぜいせい=遷移温度)が上昇します。例えば、初期には‐16℃で硬くなった鋼鉄も、1年、18年、34年と炉内に置くとそれぞれ35℃、56℃、98℃で、40年を超えると100℃以上で硬化するようになり、脆くなります。原子炉が、緊急事態に陥ったとき、冷却水で急冷すると、圧力容器が脆化していれば、破裂する危険があります。初期(未照射)の鋼鉄は、水冷では破壊されません。とくに、不純物である銅やリンの含有量が多い鋼鉄で出来た老朽圧力容器の脆化(ぜいか)は著しいと言われています。


福島原発事故以降の経験は、
原発はなくても電気は足りることを実証しました。
重大事故を起こしかねない原発を動かす必要はありません。
原発の稼働は、電力会社の金儲けのためです。

原子力防災とは、避難計画ではありません。
不可能な避難を考えるより、
事故の原因=原発を廃止することが原子力防災です。
原発全廃こそ原子力防災です。

重大事故が起こってからでは遅すぎます。
原発全廃の行動に今すぐ起ちましょう!

2018年1月5日

若狭の原発を考える会(連絡先・木原壯林 090-1965-7102)

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