法廷内外での活動」カテゴリーアーカイブ

◆原発再稼働は認めない!和歌山集会にて
 竹本修三 原告団長の訴え

2015 年3 月8 日
「フクシマを忘れない!原発ゼロへ 和歌山アクション2015」(3/8和歌山城西の丸広場)
原発再稼働は認めない。すべての原発を廃炉に!
竹本修三(大飯原発差止京都訴訟原告団長、京都大学名誉教授)

◆ご紹介いただいた竹本でございます。本日は、この大きな集会にお招きいただき、発言の機会を与えてくださった金原徹雄先生や江利川春雄先生をはじめとする実行委員会の皆さまに、厚く御礼を申し上げます。

◆さて、ここ和歌山県は、日高町、那智勝浦町周辺及び日置川(ひきがわ)町で原発設置計画がもちあがったときに、そのすべてに「NO!」の回答を出し、県内に原発を作らせませんでした。この和歌山県民の皆さまの見識の高さに、私は深く敬服いたしております。いま、和歌山の皆さんと私たち京都の仲間が、全ての原発を廃炉にするために共に闘っていくことができることを、大変嬉しく存じます。

◆皆さま、よくご存じのように、昨年5月21日に福井地裁で樋口英明裁判長から「大飯発電所3号機及び4号機の原子炉を運転してはならない」という原告勝訴の歴史的判決が言い渡されました。この判決文のなかに、ひとたび原発事故が起これば、250km以内の人に被害が及ぶ可能性があることが指摘されています。日本の原発から250kmの範囲を、コンパスで描いてみますと、日本のほとんどがこの範囲に入ります。僅かに北海道の東部と、沖縄県がここから外れるだけです。

◆和歌山の皆さんも、若狭湾の原発群や浜岡原発から250kmの圏内に入ります。あなた方も原発事故の当事者なのですね。ですから、今日お集まりの皆さんは、原発の問題を他人事でなく、自分の問題として考え、自分のできる範囲で原発ゼロへの意思表示をしたいという思いで来られておられるのだろうと思います。私も同じ思いで、今日、ここに参りました。

◆昨年5月21日に福井判決の出た日に、京都地裁では大飯原発差止訴訟の第四回口頭弁論が開かれておりました。午後 2 時から始まった弁論の最初に、私は「地震国ニッポンで、原発稼働は無理!」という陳述を致しました。午後 3時に口頭弁論が終わり、法廷を出て、横にある弁護士会館で開かれていた報告集会の会場に向かう途中、弁護団から「たったいま、福井地裁で勝利判決が出た」と知らされました。そこで早速私は、弁護団世話人の中島晃弁護士と共に福井に駆けつけ、福井県教育センターで開かれていた福井判決・勝利集会に出席し、福井の仲間と喜びを分かち合いました。この福井訴訟弁護団の事務局長と事務局次長である笠原一浩弁護士と阿部剛弁護士は、二人とも京大理学部の出身で、私の後輩です。この二人を中心に、福井の弁護団が科学的に根拠のある意見陳述をしてくれたことが、勝利判決に大きく貢献したのだろうと考えております。

◆それから1か月ちょっと過ぎた6月28日に、私達は京都駅前のキャンパスプラザで「福井地裁判決の報告集会 in 京都」を開催し、福井訴訟弁護団の事務局長と事務局次長と共に、小浜の明通寺住職の中嶌哲演原告代表、並びに原告団の松田正事務局長をお招きして話を聞かせていただきました。集会には300名を超える人が集まってくれて、福井判決への関心の高さを改めて思い知らされました。

◆福井地裁の判決は、3・11福島第一原発の重大事故のあとに初めて出た原告勝訴の判決です。しかし、それよりも前に2例だけ、原発差止に関する原告勝訴の判決があります。その1つは、1985年に始まる福井県敦賀市の高速増殖炉もんじゅの設置許可無効確認訴訟です。この裁判は、原告の適格性をめぐっていろいろやりとりがあり、福井地裁、名古屋高裁金沢支部及び最高裁の間をいったりきたりしましが、2003年に名古屋高裁金沢支部で、もんじゅの設置許可処分をめぐって原告勝訴の判決が出ました。2つ目は、1999年に始まる石川県の志賀原発2号機建設・運転差止訴訟です。これは、2006年に金沢地裁で運転差止を命ずる判決がでました。しかし、この2例とも、その後の上級審で判決が逆転されて、原告側が敗訴になってしまいました。

◆私達は、2014年 11月 8日にキャンパスプラザにおいて、志賀原発訴訟の原告団・弁護団のメンバーのほか、いまは大津市に住んでおられる当時の裁判長であった井戸謙一弁護士にもビデオ出演をお願いし、「原発再稼働を許すな!京都集会-四半世紀にわたる『能登原発とめよう』運動の経験に学ぶ-」という集会を開催しました。これも大きな反響をよび、200人近い人々が集まってくれました。

◆昨年、福井地裁で大飯原発差止の判決が出されましたが、これ1つだと、それ以前の「もんじゅ」訴訟や「志賀原発」訴訟のように、上級審でひっくり返される可能性が高いです。そこで京都地裁でも福井地裁と同様に原告側の主張を認める判決が出て、2つの地裁で原告側が勝訴すれば、それを高裁でひっくり返すのが難しくなるでしょう。そこからすべての原発を廃炉にする道筋が開けると考えております。

◆また、昨年11月27日に大津地裁では、「大飯原発、高浜原発の再稼働差し止め仮処分申し立て」に対して、山本義彦裁判長から申し立て却下が言い渡されてしまいました。しかし、その決定内容には、基準地震動の策定方法に関して関電から何ら説明がないことや住民の避難計画の策定が進んでいないことなども述べられていて、裁判長が原発稼働に強い危惧を抱いていることが読みとれます。そのうえで、こんな危険な状態なのだから「原子力規制委員会がいたずらに早急に、再稼働を容認するとは到底考えにくい」として、申し立てを却下したのです。この判決が出てすぐに、私は新聞社からコメントを求められ、「裁判長の判断の原子力規制委員会が早急に再稼働を容認するとは考えられないという見通しは、楽観的すぎる」と返事をしました。その後の原子力規制委員会の動きをみますと、まさに私が指摘した通りの経緯を辿っています。

◆今年2月12日に、原子力規制委員会は、高浜原発3・4号機が新規制基準を満たすと認めて、再稼働を承認しました。規制委員会の新規制基準には、「原子力施設の設置や運転等の可否を判断するためのもの」で、「絶対的な安全性」を確保するものではない、と書かれています。つまり、規制委員会は、「安全審査」ではなく、基準に合っているかどうかの「適合性の審査」を行うものであり、原発稼働にお墨付きを与えるための委員会なのです。ですから、規制委員会は、電力会社に対して対応可能な程度の改善策を提示し、電力会社の対応を見たうえで、「運転にあたり求めるレベルの安全性は満足しています」という審査書を出すことは、あらかじめ予想されていました。これは規制委員会と電力業界のなれあいの茶番劇であり、こんなことを許していては、無辜の国民は救われません。

◆話は戻りますが、昨年 5 月 21日に福井地裁で出された判決文の地震と原発に関する個所には、次のように書かれています。「地震大国日本において、基準地震動を超える地震が大飯原発に到来しないというのは根拠のない楽観的見通しにしかすぎない上、基準地震動に満たない地震によっても冷却機能喪失による重大な事故が生じ得るというのであれば、そこでの危険は、万が一の危険という領域をはるかに超える現実的で切迫した危険と評価できる」。これは、当日、福井判決の出る一時間前に私が京都地裁で陳述した内容と軌を一にするものだったので、大変心強く思いました。

◆さらに、福井地裁の判決文には、普通の人が普通の生活をする権利、つまり生存を基礎とする「人格権」こそが、すべての法分野において、最高の価値を持つものであり、それを脅かすものは、排除しなければならないということが述べられています。原発を稼働させないと化石燃料等の輸入が増えるから、国民の負担増になるという意見に対しては、「コストの問題に関して国富の流出や喪失の議論があるが、たとえ本件原発の運転停止によって多額の貿易赤字が出るとしても、これを国富の流出や喪失というべきではなく、豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることこそが国富であり、これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失であると当裁判所は考えている」と、極めて人間性豊かな判決文になっています。

◆また、地球温暖化に関しては、「被告は、原子力発電所の稼働が CO2(二酸化炭素)排出削減に資するもので環境面で優れていると主張するが、原子力発電所でひとたび深刻事故が起こった場合の環境汚染は凄まじいものであって、福島原発事故は我が国始まって以来最大の公害、環境汚染であることに照らすと、環境問題を原子力発電所の運転継続の根拠とすることは甚だしい筋違いである」と、被告側の主張を明快に退けています。ストンと腑に落ちる名判決ですね。この判決文はWebからダウンロードできますので、皆さん、ぜひお読みください。

◆先ほども触れましたが、原子力規制委員会は、つい先日、高浜原発3・4号機が新規制基準を満たすと認めて、再稼働を承認しました。これによって原発再稼働を目指す国や関電の動きは勢いづくと思います。それを視野に入れて、私達は今年5月28日に予定されている京都訴訟の次の第7回口頭弁論で、高レベル放射能廃棄物の処分問題をメインテーマとして陳述を展開したいと考えております。

◆原発を動かす限り、高レベルの放射能廃棄物が貯まり続ける訳ですが、その処分方法は、いまだに何も具体的に決まっていないのです。まさに「トイレなきマンション」ですね。この状態のままにしておいて再稼働を認めれば、高レベル放射能廃棄物をますます増やすことになり、後世の世代に大きな負債を背負わせることになります。この一点だけでも鋭く追及すれば、原発再稼働はアウトです。こうして、福井地裁に続いて京都地裁でも原告勝訴の判決を勝ち取れれば、そこから全ての原発を廃炉にする展望が開けてきます。「今さえよければあとはどうなってもいい。ケセラセラだ」という安倍首相の態度は、あまりに無責任だ、と皆さん思われませんか? 私は許せません。

◆私達は、2012年に1,107名の原告で大飯原発(1~4号機)の運転差し止め訴訟を起こしました。その後、2013年に856名で第二次提訴、2015年1月29日に 730名で第三次提訴を行い、現在の原告は合計2,693 名となっています。数は力なので、2015年中にさらに1,000人の新規原告を増やして第四次提訴をしたいと考えております。今日お集まりの皆さんも、ぜひこの趣旨にご賛同いただき、原告のひとりになっていただきたいと思います。

◆原告になっていただくには5,000円の参加費が要りますが、そのほとんどは訴訟の際の収入印紙代に消えてしまい、弁護士費用も捻出できません。私も個人としては、5,000円の参加費はいささか痛いですが、それが可愛い孫の世代に負債を残さないで済む道筋につながると思えば、仕方ないかと思っております。

◆本日、西の丸広場に大飯原発差止京都訴訟のブースも設けられておりますので、皆さんどうかお立ち寄りください。

◆高浜原発再稼働反対
 京都府民3408名が府議会に陳情書

<高浜原発再稼働に反対する京都府民有志>による陳情書は、
大飯原発差止訴訟の原告の皆さまにも、原告団MLを通じてご協力いただきました。
以下、呼びかけ人の藤井悦子さんからの報告です。
************************************
【ご報告】 京都府民の連名3408名
京都府議会に高浜原発再稼働反対等の陳情書を提出しました。
(2015年2月26日3304名で提出)
(3月3日追加および市区町村別仕分け数修正)

みなさま

京都府民の連名3408名とともに、
「高浜原発の再稼働に反対する京都府民有志」として、
京都府議会に高浜原発再稼働反対等の陳情書を提出しました。
その後、記者会見も行いました。
陳情の要旨と、各自治体の連名の内訳を貼り付けます。
(陳情書全文はこちらの説明にあります)

・・・・・・・・・・・・・・・・・
高浜原発3・4号機再稼働反対の意見表明と
立地自治体並みの安全協定締結等を求める陳情書

陳情の要旨

1)高浜原発3・4号機の再稼働に強く反対してください。
2)関西広域連合の、国への申し入れ(2014年12月25日付)を支持し、
再稼働には30キロ圏自治体の同意が必要だと意思表示してください。
3)京都府および舞鶴市などの隣接自治体と、
再稼働の同意権を含む立地自治体並みの安全協定を直ちに結ぶよう、
あらためて関西電力に強く要求してください。
4)京都府および舞鶴市などの隣接自治体が再稼働の同意権を得るような
法的措置をとるよう、国に強く求めてください。
5)京都において住民説明会を開き、原子力規制委員会に出席を要求し、
説明を求めてください。

連名 京都府民3408名

市区町村別

【伊根町(13人)】
【宮津市(26人)】
【与謝野町(26人)】
【京丹後市(66人)】
【舞鶴市(93人)】
【綾部市(96人)】
【福知山市(36人)】
【京丹波町(20人)】
【南丹市(56人)】
【亀岡市(186人)】
【京都市北区(231人)】
【京都市右京区(243人)】
【京都市西京区(153人)】
【京都市上京区(110人)】
【京都市中京区(147人)】
【京都市下京区(90人)】
【京都市南区(59人)】
【京都市左京区(401人)】
【京都市東山区(29人)】
【京都市伏見区(328人)】
【京都市山科区(97人)】
【京都市 区不明(6人)】
【久御山町(11人)】
【大山崎町(8人)】
【向日市(60人)】
【長岡京市(48人)】
【八幡市(204人)】
【宇治市(293人)】
【京田辺市(57人)】
【城陽市(160人)】
【精華町(14人)】
【木津川市(36人)】
【宇治田原町(5人)】
************************************

◆「高浜原発 規制委が認可」の報道に接して
 竹本修三 原告団長のコメント

2015 年2 月14 日
「高浜原発 規制委が認可」の報道に接して
竹本修三(大飯原発差止京都訴訟原告団長、京都大学名誉教授)

◆原子力規制委員会は、2015 年2 月12 日に高浜原発3・4 号機が新規制基準を満たすと認めて、再稼働を承認した。規制委員会の新規制基準には、「原子力施設の設置や運転等の可否を判断するためのもの」で、「絶対的な安全性」を確保するものではないと書かれている。つまり、ここでは「安全審査」ではなく、「適合性審査」行うものであり、規制委員会は、原発稼働にお墨付きを与えるための委員会であるから、電力会社が対応可能な改善策を提示し、その対応を見たうえで、「運転にあたり求めるレベルの安全性は満足した」という審査書を出すことは、あらかじめ予想されていた。これは規制委員会と電力業界のなれあいの茶番劇であり、こんなことを許していては、無辜の国民は救われない。

◆2014 年 5 月 21 日に福井地裁で「大飯原発3,4 号機運転差止請求の訴訟」の原告側勝利の判決が樋口英明裁判長から言い渡された。判決文の主文には、運転コストが安く、安全である原子力発電を推進したいという被告側の主張を退けて、「大飯発電所3 号機及び4 号機の原子炉を運転してはならない」という原告側の主張がはっきりと記載されている。その後、2014 年11 月27 日に大津地裁で「大飯原発3,4 号機、高浜原発3,4 号機の再稼働差し止め仮処分申し立て」に対して、山本義彦裁判長は申し立て却下を言い渡した。しかし、その決定内容には基準地震動の策定方法に関して関電から何ら説明がないことや住民の避難計画の策定が進んでいないことも述べられている。その現状で、原子力規制委員会がいたずらに早急に、再稼働を容認するとは到底考えにくいとして、申し立てを却下した。この判決が出てすぐに、筆者は新聞社からコメントを求められ、「原子力規制委員会が早急に再稼働を容認するとは考えられないという裁判長の判断は楽観的すぎる」と返事をした。今回の原子力規制委員会の対応をみると、まさに筆者が指摘した通りの結果であった。

◆福井地裁の樋口裁判長は、「地震大国日本において、基準地震動を超える地震が大飯原発に到来しないというのは根拠のない楽観的見通しにしかすぎない上、基準地震動に満たない地震によっても冷却機能喪失による重大な事故が生じ得るというのであれば、そこでの危険は、万が一の危険という領域をはるかに超える現実的で切迫した危険と評価できる」と述べている。また、大津地裁の山本裁判長は、住民の避難計画の策定が進んでいないことも指摘している。

◆これらに加えて重要なことは、貯まり続ける高レベル放射能廃棄物の永久処分をどうするかという問題である。筆者は、2015 年2 月5 日に岐阜県瑞浪市にある日本原子力研究開発機構(JAEA)の東濃地科学センター・瑞浪超深地層研究所を訪問した。この研究所は、高レベル放射性廃棄物の地層処分をめざして、地下の環境や地下深くでどのような現象が起こっているのかを解明するための「地層科学研究」を行っている。現場の当事者から説明を聞いたあと、深さ500m まで掘られた直径6.5mの立坑内の12 人乗りのエレベーターに乗り、深さ100m、200m 及び300m の横坑に置かれた観測計器を見せてもらったが、断層・破砕帯が縦横に走っており、湧き出す地下水を常時ポンプを使って排水しないとたちまち坑内は水没すると聞いて、こんなところで高レベル放射性廃棄物の地層処分は土台無理だ、とつくづく思った。

◆今回訪問した瑞浪超深地層研究所が特殊な地域でなく、日本全国どこでも立坑を掘れば似たような状態だと考えられるので、「日本で高レベル放射性廃棄物の地層処分が本当に可能なのか?」と担当者に聞いてみたが、はっきりした返事はなかった。どうも研究はあまり進んでいないようだ。さらに驚いたことには、この研究所は平成34 年2 月に廃止が決まっており、平成32 年度から深層ボーリング孔の埋め戻し作業が始まるとのことである。JAEA がもう1 カ所やっている北海道の幌延深地層研究センターも同じタイミングで廃止になるそうだ。

◆高レベル放射性廃棄物の地層処分の目途が立たないのに研究施設を廃止してしまうのは、「トイレなきマンション」をそのままにして、負債は後世に残そうとするのか。放射性廃棄物の処分方法も決まらないのに原発再稼働をやろうとして、原発輸出まで目指す安倍首相は絶対に許せない。

◆11/8 ストップ原発再稼働!京都集会
 ご意見・ご感想

当日、たくさんの「ご意見、ご感想」をいただきました。ありがとうございました。

  1.  井戸謙一さんのビデオメッセージを聞いて非常にはげまされました。また、各組織の代表の話は、経過や実情がよくわかりました。

     

  2.  珠洲市の出身です。「過疎が進行するととんでもない資本がやってくる」という話に歴代の政府、自民党、財界の地域破壊があったことを実感します。
     夏(時には冬)に里帰りするたびに地域の重苦しい話にやるせなさを覚えました。でも、名古屋高裁の勝利判決の「幕」をもって男性が走り出てきた映像にびっくりしました。同級生で高屋で漁業をしているI君でした。
     3・11のあと珠洲の兄夫婦と話をしていて、「あの時原発をやめさせといてよかったなあ」「おいや~、ほんとやわ」としみじみ思いました。京都の久美浜原発をやめさせたことも同じです。
     北野さんの話を聞くのは初めてでしたが、いろいろこれまでの長い長い取り組みに敬服します。石川県は県労評(総評)との連携がずっと続いていたと思うのですが、地域の課題を取り上げる真面目さ(?)があったと思います。京都の労働界や民主団体もキャンペーン的運動ではなく、もう一歩ふみこんだ“地域”を視点にした取り組みが欲しいなあと思っています。

     

  3.  川内原発が再稼働されようとしています。これに対し近くの市町村で意見表明が出来ないことは問題です。被害は近隣の30km内又は80km内に出るといわれているのに国がそれを認めないことは違法です。季節によって風の流れも変わるでしょうし、長崎、広島の原爆でさえ2kmが言われましたが、それ以上の区域で被害が出ているのですから。国民を守る国、政府ではないことははっきりしています。どこも再稼働を許さないよう頑張りましょう。
     再生可能エネルギーとして太陽光発電がだいぶ普及してきました。ここに来て再生ネルギーの買い取りを拒否する電力会社が出ています。国策としていないところに電力会社の言い分が通っている根っこになっています。3・11以前は10円~50円/月、時には無料だった再エネ料は今200~300円/月を支払っております。脱原発の運動と共に再生ネルギーの推進と発展をさせていくことが重要ではないかと考えます。意見表明が出来る場を知りたいし、参加していきたいと思っています。

     

  4.  各原発の差止め訴訟が地元の各地裁で勝訴している現実はある意味、当然のようにも思います。大飯原発の再稼働を認めない福井地裁判決は画期的な内容とも言われますが、「原子力(核)が人類と共存できない」見地に立てば原発事故を人類(地元住民)生存の上に置く判決などは出せないと考えます。
     なお、当集会が3時間30分に及ぶ長丁場で、しかも裁判報告や訴訟の現状等に限定されたことは如何なものか…という印象を持ちました。

     

  5.  珠洲の動きの転換点の背景がお聞きしたかったと思います。なぜ地方選挙が転換点になったか、その裏というか、きっかけというか 一つではないと思いますが

     

  6.  いい勉強ができました。こういう会を開いていただきありがとうございました。

     

  7.  井戸謙一氏のビデオ講演は特によかった! 原告としてよい勉強をさせていただきました。ありがとうございました。

     

  8.  デモをするときは、通りすがりの人に渡す専用のわかりやすいビラを用意してはどうでしょうか。アピールにはいいと思います。

     

  9.  私はあの3月11日前後に仕事で福島に行き、3月11日前には原発にかかわる機械メーカーの品質部門の責任者であり関わっていました。事故後、福島の惨状を見て、原発は即廃止する立場になりました。
     今回、福島にいて被害を受けられた方々の声を直接に聞くことにより、より原発廃止の運動を拡散していきたいと思います。福島の実態を知らすことが、より共感を得る運動にするテコになると思っています。出来る範囲で出来るだけやっていきたいと思います。

     

  10.  志賀原発訴訟の原告勝利の判決を出した裁判官井戸謙一さんのビデオ講演は感動的なものでした。福島事故がおこる前にそれまでの判例にとらわれず勇気ある判決を信念を持って出されたときの思いが、すがすがしいまでに高められて伝わってきました。現在は弁護士として生き方も筋を通しておられる姿もすばらしいと思いました。
     北野進原告団長、岩淵正明弁護団長、堂下健一事務局長のお話もよくわかるすばらしいお話でした。「裁判官がすばらしい」だけではないことがよくわかる話でした。
     今日の集会に参加して、私たちのやっていることの意味をより確信できました。

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  11.  井戸謙一(元金沢地裁裁判官)さんのビデオ講演を見聞して、大飯原発差止訴訟の勝利の道が一層開けていることを知りました。2006年1月頃、プレッシャーに寝汗をかきながら判決文を書いた毎日との報告には頭が下がります。私達原告団をはげましてくれます。
     渡辺輝人弁護団事務局長の報告と具体的な運動の提起もありました。京都集会のアピールの実現のために出来ることを精一杯やりたいと思います。

     

  12.  長年にわたりたたかってこられた現場からのお話は、とても迫力があり、力をいただけたと思います。中でも井戸先生のお話はビデオとは思えないくらい感動的かつリアリティがあってひきこまれて聞き入っていました。
     原告を1人でも増やすこと、周囲の人に脱原発をひろげていこうと思います。ありがとうございました。

     

  13.  図版など多用し、パワーポイントのレジュメも文字が(大体は)大きく、わかり易かったと思います。弁護士や議員の方の発言が多かった。喋るのがうまいのは良いことです(元居眠り学生)。
     それにしても集会となると若い人が少ない。やっぱりタルイんだろうな…。

     

  14.  お二人の弁護士さんのお話が具体的にどう裁判に取り組んでいったらよいのかという大きなヒントになると考えます。又、真摯な姿勢とある時はユーモラスな語り口に感心しました。
     最後にこのような集まりを用意してくださったスタッフの皆さんありがとうございました。

     

  15.  井戸元裁判官、岩淵弁護士の貴重なお話を伺え、有意義な集会でした。ぜひ原告団を増やしたいと思います。

     

  16.  福島の事故について、原発についての講演会に参加したことはありましたが、今日のような裁判についてのくわしい学びの場に参加したのは、はじめてです。ひとつひとつの報告がわかりやすく、とても納得いきました。井戸謙一弁護士のビデオレターには特に心うたれました!
     渡辺事務局長のパワーポイントによるお話もこれからどうしていけばよいのか具体的な道が示されて元気が出ました!

     

  17.  北野さん、堂下さんの話は原発訴訟の先輩として頭が下がる思いになりました。原発推進派が何の根拠もなく、カネと世論操作でくるのに世論と選挙を通じて闘ってきたのがよくわかりました。
     弁護団長岩淵さんの話は大変興味深く刺激的な内容でした。できましたら今後の活動に使いたいので、パワーポイントの内容をデータ(紙データでもけっこうです)で、いただけませんか?

     

  18.  内容の濃い主張に共感できる集会でした。
     ただし、最後に発言された**氏にひとこと
     自席にPCセットして入力されるのは自由ですが、所有される携帯電話を4度までも集会の講演中に鳴らされたのは、電源を即切るべきと考えます。
     《集会実行委より: ご迷惑をおかけしてすみませんでした。当人に申し伝えます。ありがとうございました。》
     11/5(水)、京大職組証人尋問聴講に生まれて初めて参加しました(13:10~16:30 京都地裁101号法廷)。11/14 11:00~、1/29 14:00~ のいずれかに参加したいと考えています。法廷でお会いできるかもわかりません。

     

  19.  井戸元裁判官の内実はすごかったですね。ビデオですらあの迫力なのだから、是非とも1時間半ほどの講演会というよりは学習会を企画していただけないでしょうか。とてもすばらしかったです。

     

  20.  被災者の生の声を地域に届けることが原発を止める大きな力の一つになると思います。大飯の原告を増やすためにも、活動する人を増やすためにも、運動人口に若者を入れるためにも(運動の継承者)、被災者のお話し会、災害防止セミナー、人権セミナー、父兄・PTAの教養講座、大人向け子供向けなど開いて頂くと助かります。

     

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◆11/8 ストップ原発再稼働!京都集会
 その報告

  • 川内原発や高浜原発の再稼働がせまる中、187人という多くの参加をいただきました。
  • 集会の内容は好評でしたし、集会アピールによって、再稼働反対の大きな意思表示ができました。
  • この集会の様子は、京都新聞などマスコミにも報道されました。7d7a30cac27dd5d0819c35d73d48ad96
  1. 集会のビデオとレジメ。( ↓ すぐ下)
  2. 集会アピール→こちら
  3. 集会の配付資料→こちら
  4. 開会の挨拶…竹本修三 大飯原発差止訴訟原告団長→こちら
  5. 集会で提出いただいた感想、意見など→こちら

[1]……「11/8 ストップ原発再稼働!京都集会」のビデオとレジメ

  • ビデオは、YouTubeにもアップされています。
  • ビデオ撮影、編集は、正木デザイン工房。
  • 2006年に「志賀原発を廃炉に!訴訟」で、原告勝利の判決をだした元金沢地裁裁判官である井戸謙一弁護士からのビデオメッセージ ↓ (20分48秒)
  • 集会全体のダイジェスト版ビデオ ↓ (6分9秒)
  • 北野進 さん(「志賀原発を廃炉に!訴訟」原告団表)の講演
    珠洲原発阻止の闘い。
    ・ビデオ→YouTube こちら。(25分13秒)
    ・レジメ→ 20141108-kitano[2 MB]
  • 堂下健一 さん(「志賀原発を廃炉に!訴訟」原告団事務局長)の講演
    志賀原発差し止めの闘い。
    ・ビデオ→YouTube こちら。(23分30秒)
    ・レジメ→ 20141108-dousita[2 MB]
  • 岩淵正明 弁護士(「志賀原発を廃炉に!訴訟」弁護団長)の講演
    能登半島における原発建設に反対してきた闘い
    ・ビデオ→YouTube こちら。(34分23秒)
    ・レジメ→ 20141108-iwahuti[838 KB]
  • 石田紀郎 さん(市民環境研究所、福島告訴団関西支部)
    東電刑事告発の福島告訴団よりの報告
    ・ビデオ→YouTube こちら。(7分35秒)
  • 木原 壯林さん(汚染水問題を憂う京都府民の会、「若狭の家」運営委員会)
    ・福井若狭の原発の状況、「若狭の家」の設置に関して
    ・ビデオ→YouTube こちら。(14分50秒)
    ・報告内容→ 20141108-kihara[168 KB]

[2]……「11/8 ストップ原発再稼働!京都集会」の集会アピール

  • pdfファイル… 20141108-appeal[147 KB] 、ただし配付資料中に含む。
  • 以下は、テキスト全文。

    「ストップ原発再稼働!京都集会」のアピール …現状と今後の方向

    前のめりの原発再稼働
    ▼現在、安倍政権の下で、九州電力の川内原発、関西電力の高浜原発で再稼働の動きが急速になっています。原子力規制委員会の田中俊一委員長は「電力会社から再稼働の申請が出されれば粛々と審査していく」、「地元自治体との調整については規制委員会では関与しない」などと述べています。川内原発再稼働の前提となる審査を事実上、合格させたにも関わらず、「安全とは言えない」と責任を回避しています。
    ▼安倍政権は、規制委員会からお墨付きを得たという姿勢で、結局は誰も責任を取らない原発無責任体制で再稼働が進められています。いったん事故がおこった場合の避難計画も、現実性が欠如しているうえ、避難計画は再稼働の必要条件になっていません。避難計画が必須の発電所など、私たちは必要としていません。

    原発輸出の推進
    ▼インドやトルコなどに原発を輸出しようとする策動も進行しています。自国の核廃棄物を処理するための場所もないのに、売り込んだ原発の放射性廃棄物は、日本が全部引き受けること、日本が輸出した原発が事故をおこした場合、その費用はすべて日本国民の税金から支払うこと、といった約束がされると報道されています。
    ▼現在、国会には、「原子力損害の補完的な補償条約(原発賠償条約)」の承認案と関連法の改正案が提案されようとしています。この条約によれば、原発事故の責任は電力会社などに限られ、メーカーには及ばないとして、日立、東芝、三菱重工といった日本の原子炉メーカーの原発輸出を後押しする効果が期待されています。

    政府や地方自治体の役割
    ▼福島第一原発の事故原因は究明されず、現在も放射能汚染水が漏れ続けています。12万人をこえる避難者は、故郷を追われ、生活再建に苦心しています。福島県では「除染」が進んだとして、汚染地域へ住民を帰らせようとする政策が強要されつつあります。鼻血などの訴えを抑圧し、子どもの健康被害を直視せず、県民にさらなる被曝を甘受させようとしています。事故の影響を小さく見せかけて、「放射能汚染はたいしたことがない」という宣伝が強められています。関東地方の各地にある局所的な汚染地は無視されています。
    ▼国会、政府、地方自治体は、国民の生命と健康を守るべき役割を果たしているのか、疑問をいだかざるを得ません。

    脱原発訴訟の前進
    ▼裁判所では、原発推進勢力に対する闘いが進んでいます。「生業を返せ、地域を返せ!福島原発訴訟」の原告は、4000人規模になりました。福島原発告訴団は、原発事故の責任を追及しています。原子炉メーカーに対する製造物責任も問われています。放射能汚染をさけて福島県や東北・関東各県などから避難した市民による賠償訴訟は、避難の権利、健康被害の救済なども掲げて、京都、大阪、神戸を始め全国で展開されています。9月には脱原発原告団全国連絡会が結成され、京都脱原発原告団を始め、全国から22原告団が参加し、横のつながりを強めています。
    ▼今年5月には、福井地裁(「福井から原発を止める裁判の会」による大飯原発の運転差止訴訟)で大飯原発3、4号機の運転差止を命ずる歴史的な判決が出ました。この福井地裁判決は,憲法上の人格権を最優位において,原子力発電の根源的な危険性を指摘している点で,日本のすべての原発の運転を認めない立場を明示しています。
    ▼京都地裁では、「大飯原発差止訴訟」と「原発賠償 京都訴訟」の二つの原告団・弁護団が、国、関電、東電を相手に闘っています。現在、この二つの訴訟を中心に「京都原発訴訟・支援交流ネットワーク」の結成が検討されています。京都地裁における二つの原発訴訟の裁判支援、原告や会員拡大などを強めましょう。訴訟支援と運動の交流を、ネットワークとして共同で取り組んでいきましょう。
    ▼すべての原発をなくし再稼働を許さないため,京都脱原発弁護団・原告団では1万人の原告をめざし、原発賠償訴訟・京都原告団を支援する会ではさらに会員を増やし、ともに裁判所を大きく包み込んでいきましょう。

    脱原発運動のさらなる社会的な広まりを
    ▼安倍政権や原子力ムラなど原子力推進勢力と、脱原発を求める国民多数の声とは、激しくせめぎ合っています。こうした状況を反映し、多くの市民団体、労働団体が脱原発の声をあげています。脱原発や再稼働反対を訴える全国の定例行動は、原発のない沖縄県を除く全国46都道府県279か所にのぼり、草の根の脱原発運動は、かつてない広まりと継続性をみせています。関電京都支店前のキンカン・アピール行動も、毎週、続いています。
    ▼脱原発の社会的な運動をさらに広め、高めていくことにより、再生可能な自然エネルギーに依拠した、新しい経済と社会を実現しましょう。私たちは、こうした社会実現のために奮闘します。

    以上,本日の集会参加者の総意として,決議します。
    2014年11月8日
    ストップ原発再稼働!京都集会 参加者一同

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[3]……「11/8 ストップ原発再稼働!京都集会」の配付資料

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[4]……「11/8 ストップ原発再稼働!京都集会」の開会挨拶

  • 竹本修三 大飯原発差止訴訟原告団長
    皆さん今日は。原告団長の竹本です。今日はお忙しいなかをおいでいただき誠にありがとうございました。ご存じのように、今年5月21日に福井地裁で大飯原発差止訴訟の原告側勝訴という歴史的判決が下されました。これを受けて私達は6月29日に福井訴訟報告集会をこのキャンパスプラザで開催しまた。そして今日は、この福井地裁の判決より18年前の2006年に金沢地裁で原告側勝訴を勝ちとった石川県の志賀原発2号機差止訴訟の原告団・弁護団の代表をお招きし、同じ石川県の珠洲原発設置計画を阻止した経験も含めて長年にわたる闘いの経緯をお話いただきます。当時の裁判長であった井戸謙一弁護士には、原告側勝訴を言い渡した前後の心境をビデオ出演で語ってもらいます。これらの経験をお聞きして、我々の京都訴訟の闘いに活かしたいと考えております。「福井地裁で大飯原発差止の原告側勝訴の判決が出たのだから、もう京都地裁で同じ大飯原発差止訴訟を続けなくてもいいのではないの?」という声があります。これに対しては、福井地裁の判決だけだと志賀原発差止訴訟のときと同じように上級審でひっくり返される可能性が高いです。そこで京都地裁でも同様に原告側勝訴の判決が出れば、それを高裁でひっくり返すのが難しくなるでしょう。そこから全原発を廃炉にする道筋が開けると思っています。いま、京都訴訟の第三次原告募集をやっておりますので、皆さんのご協力をよろしくお願いいたします。今日の集会のメインテーマは「ストップ原発再稼働!京都集会」です。折しも川内原発の再稼働が現実味を増してきています。本日の集会アピールにもありますように、このような動きを断固として阻止しなければなりません。2011年の福島第一原発の事故は、その前後で価値観が180度変わったということで終戦のときと同じです。戦後の日本は、国民の努力で立派に立ち直りました。福島原発の事故後、原発がなくても電気は足りていることが明らかになりました。第二次大戦は、広島と長崎の2発の原発を受けてやっと終結しました。原発再稼働を急ぐ安倍総理は、もう一度事故が起きるまで懲りないのかも知れません。しかし、こんなことは、可愛い孫の世代のために、断じて許せません。【最初に戻る

◆11/8 ストップ原発再稼働!京都集会
 ご案内

  • 以下のチラシは、事務局の京都第一法律事務所に置いてあります。
  • このチラシをご希望の方は、お持ちかえりいただけます。
  • 集会成功のために、皆さまがこのチラシ配布、宣伝にご協力いただきますよう、お願いします。

11_8集会の宣伝チラシ(4)_ページ_1

集会の概略

  • 原発再稼働に前のめりの安倍政権の下、川内原発、関電では高浜原発などの動きが活発で、原子力ムラの行動は日増しに暴力的になっています。私たちの脱原発運動をさらに大きくし、再稼働阻止を訴えていくことが必要になっています。
  • こうした状況に対応し、11月8日(土)に「ストップ原発再稼働!京都集会」を開きます。6/28の「福井地裁判決報告集会in京都」に続いて、脱原発の世論を高め、大飯原発差止訴訟の1万人原告をめざす大集会にしましょう。
  • 呼びかけ:大飯原発差止京都訴訟原告団・弁護団
  • 主  催:ストップ原発再稼働!京都集会・実行委員会
  • 会  場:キャンパスプラザ京都5F 第1講義室
  • 時  間:16:10受付開始、16:30開会~20:00閉会

集会の内容

  • 集会趣旨:「志賀(しか)原発を廃炉に!訴訟」では、2006年に金沢地裁で原告勝利の判決を勝ち取りました。珠洲(すず)原発を阻止し、志賀原発と闘い、2006年に金沢地裁で運転差止判決を勝ち取った「志賀原発を廃炉に訴訟」に学び、当時の裁判長からも話を聞く。その中で、原発再稼働を許さない決意を表明し、大飯原発差止訴訟の原告拡大を図る。
  • メインの講演
    北野 進さん…「志賀原発を廃炉に!訴訟」原告団表…珠洲原発を阻止した闘いも。
    堂下 健一さん…「志賀原発を廃炉に!訴訟」原告団事務局長…志賀原発を廃炉に。
    岩淵 正明弁護士…「志賀原発を廃炉に!訴訟」弁護団長。
    井戸 謙一弁護士…2006年に原告勝利の判決をだした元金沢地裁裁判官。
     現在、大飯原発差止訴訟などの弁護団。
  • 「特別ミニ報告」
    石田 紀郎さん…東電刑事告発の福島告訴団関西支部より。
    木原 壮林さん…「若狭の家」の設置について。
    ・原発避難者の自殺に賠償を命じた判決の意義、最近の司法の流れ…弁護団より。

集会のプログラム(予定)

  • 16:10  受付開始
  • 16:30  開会
  • 16:30 ~ 16:35 開会挨拶 竹本 修三(京都訴訟原告団長)
  • 16:35 ~ 17:00 「志賀原発を廃炉に!訴訟」原告団からの報告(1)…珠洲原発阻止の闘い。
    北野 進さん(原告団長) 
  • 17:00 ~ 17:25 「志賀原発を廃炉に1訴訟」原告団からの報告(2)…志賀原発差し止めの闘い。
    堂下 健一さん(事務局長)
  • 17:25 ~ 17:50 志賀原発を廃炉に訴訟弁護団からの報告
    岩淵 正明弁護士(弁護団長)…能登半島における原発建設に反対してきた闘い
  • 17:50 ~ 18:10 (休憩20分、原告募集)
  • 18:10 ~ 19:00 金沢地裁の判決を振り返って
    井戸 謙一弁護士(元金沢地裁裁判官)。ビデオ講演。
    …2006年に原告勝利の判決をだした元金沢地裁裁判官。
    …現在、大飯原発差止訴訟などの弁護団。
  • 19:00 ~ 19:10  特別ミニ報告① 東電刑事告発の福島告訴団よりの報告
    石田 紀郎さん(市民環境研究所、福島告訴団関西支部)
  • 19:10 ~ 19:20  特別ミニ報告②「若狭の家」の設置について
    木原 壯林さん(汚染水問題を憂う京都府民の会)
  • 19:20 ~ 19:35  京都地裁での訴訟の現状と今後の方向、
    原発避難者の自殺に賠償を命じた判決など最近の司法の流れ
    渡辺 輝人弁護士(京都訴訟弁護団事務局長)
  • 19:35 ~ 19:45  京都原告団から訴え…福島敦子さん
  • 19:45 ~ 19:50  集会アピールの提案と採択…宇野朗子さん
  • 19:50 ~ 20:00  閉会挨拶 川中 宏弁護士(京都訴訟弁護団)
  • 20:00 カンパの要請、閉会
     
    *集会のプログラムは変更する場合があります。

11_8集会の宣伝チラシ(4)_ページ_2

◆「志賀原発を廃炉に!再稼働は認めない」
 集会で講演

  • 【2014年9月4日】 志賀原発を廃炉に!訴訟 原告団の集会
  • 「志賀原発を廃炉に!再稼働は認めない」
     講演『地震国ニッポンで原発再稼働は無理!
        -5.21福井地裁判決を踏まえて-』
     竹本修三原告団長
  • 大飯原発差止訴訟・原告団の活動の紹介
     吉田明生事務局長

     

  • 4日夜に「志賀原発を廃炉に!訴訟原告団」の学習会ということで、金沢に行って来ました。京都から特急サンダーバードで往復。学習会は、竹本団長が『地震国ニッポンで原発稼働は無理!』という講義を1時間くらいして、その後、吉田事務局長から『大飯原発差止訴訟・原告団の活動の紹介』ということで10分ほどの話をしました。

  • 5日はレンタカーで、志賀町の志賀原発を見てきました。入口で記念撮影はしましたが、当然、中には入れてくれません。警備の人に「原子炉は向こうにあるんですか」と聞いたら「そういうことは答えられません。PR館に行ってください」との返答でした。その後、PR館によってきましたた。さすがにお金を掛けてつくったPR館「アリス館」は、子どもの興味を引こうとて、豪華で凝ったつくりになっています。

  •  11/8の集会には、今回お世話になった方々が、京都で講演、報告をしてもらうことになっています。

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講演会の様子

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道路から見える志賀原発

◆福井地裁判決の報告集会in京都
 (2014年6月28日)の報告

[0] 当日のビデオ映像

  • IWJ  [Independent Web Journal]
    福井地裁判決報告集会in京都…ビデオ映像(動画)
  • ビデオその1…1/2(13:27~ 3時間0分)
    (1)主催者あいさつ
    05分~ 木原壯林氏(汚染水問題を憂う京都府民の会、京都工芸繊維大学名誉教授)
    11分~ 竹本修三氏(京都脱原発訴訟原告団、京都大学名誉教授)竹本氏あいさつ
    (2)「福井から原発を止める裁判の会」からの報告
    17分~ 松田正氏(原告団事務局長)
    43分~ 安部剛氏(弁護団事務局次長)
    1時間28分~ 中嶌哲演氏(原告団代表、明通寺住職)
    2時間24分~笠 原一浩氏(弁護団事務局長)
  • ビデオその2…2/2(16:27~ 41分間)
    00分~ 笠原氏〔続き〕
    02分~ 質疑応答
    (3)京都地裁・大飯差止訴訟の現状と今後について
    12分~ 出口治男氏(京都脱原発弁護団)
    (4)集会アピール
        34分~

[1] 当日の配付資料

  • 全16ページ。PDFファイル、140628_haihusiryou[557 KB]
    5/21福井地裁判決の「第4 当裁判所の判断」の全文を含んでいます。
    イベントツリーの図あり。
  • 福井地裁判決の内容、テキストファイルなどについては→こちら

会場の様子

[2] プログラム

  • 13:00~ 受付開始
  • 13:30~13:45 開会,開会挨拶
    (司会は、藤井悦子、坂本真由美、吉田明生)
    実行委員会より(木原 壯林 汚染水問題を憂う京都府民の会 代表世話人)
    京都脱原発原告団より(竹本 修三 団長)(福井からの報告者の紹介を兼ねる)
  • 13:45~14:45 福井からの報告(前半)
    松田 正 福井原告団事務局長(約20分)
    安部 剛 福井弁護団事務局次長(約30分),のち質疑応答
  • 14:45~15:00 休憩
  • 15:00~16:30 福井からの報告(後半)
    中嶌 哲演 福井原告団代表(約50分)
    笠原 一浩 福井弁護団事務局長(約30分),のち質疑応答
  • 16:30~16:50 京都地裁での訴訟の現状と今後の方向
    出口 治男 京都弁護団長(約20分)
  • 16:50~17:00 集会アピールの提案と採択(提案:林 玉枝 京都原告団事務局次長)
  • 京都原告団拡大などの訴え,閉会(吉田 明生 京都原告団事務局長)

[3] 集会の内容

  • 会場は350人を超えて、盛況でした。
  • 実行委員会より。木原 壯林(汚染水問題を憂う京都府民の会 代表世話人)の挨拶。→こちら
  • 京都脱原発原告団より。竹本 修三 原告団長の挨拶。→こちら
  • 福井からの4人の報告。→IWJのビデオ映像でご覧ください。
  • 京都地裁での訴訟の現状と今後の方向…出口 治男 京都弁護団長。→こちら
  • ご参加の皆さんのご意見用紙の内容→こちら

福井原告団事務局長・松田正さんの報告

福井弁護団事務局次長・安部剛弁護士の報告

福井原告団代表・中嶌哲演さんの報告

福井弁護団事務局長・笠原一宏弁護士の報告

[4] 「1万人原告をめざす脱原発アピール」賛同団体や個人

  • 脱原発の社会的な運動を,ネットワークとして拡げていきましょう。
  • 「福井地裁判決の報告集会in京都」の実行委員会は, 「1万人原告をめざす脱原発アピール」に賛同される団体,個人を募ってきました。
  • 集会開会までの賛同団体,個人(敬称略)(賛同順,175団体・個人)→こちら

[5] 「福井地裁判決の報告集会in京都」の集会アピール

【福井地裁判決について】
☆「福井から原発を止める裁判の会」による大飯原発の運転差止訴訟で,5月21日,福井地裁は,原告勝訴,大飯原発3,4号機の運転差止を命ずる判決を出しました。 ☆この福井地裁判決は,憲法上の人格権を最優位において,原子力発電の根源的な危険性を指摘している点で,日本のすべての原発の運転を認めない立場を明示しています。 ☆この判決について,私たちは本日の集会で,福井訴訟の原告団,弁護団からの報告をうけました。そして,この判決は,全国各地に広がる脱原発をめざす社会的な運動の大きな成果であり,この判決の歴史的な意義を確認し,今後の脱原発運動に生かしていくことを,共通の認識にしました。 ☆被告の関西電力は判決文をきちんと読んだのかどうかも疑わしいまま,これを不服として直ちに高裁に控訴しています。関西電力には控訴の取り下げを求めるとともに,私たちは,福井判決を高裁でも維持し,発展させるよう,さらに運動を拡げ強めていきます。

【京都地裁の大飯原発差止訴訟について】
☆現在,京都地裁に提訴している大飯原発差止訴訟においても,「福井地裁判決」を踏まえ,大飯原発全機の運転差止を命じる「京都地裁判決」を勝ち取りましょう。 ☆京都地裁における大飯原発差止訴訟は,2012年11月29日に1107名の原告で第一次提訴を行いましたが,その後,2013年12月3日に856名で第二次提訴を行いました。その結果,原告総数は1963名になっています。 ☆すべての原発をなくし,再稼働を許さないため,現在,さらに新しい原告を募集しています。脱原発の声を社会的に大きくするため,いっそう大きな原告団をつくる方針をかかげています。1万人の原告で裁判所を包み込みましょう。今年中に3千人の原告団を実現しましょう。

【連帯とネットワークについて】
☆私たちは,脱原発を求める日本や世界の人々との連帯をめざします。 ☆各地域に草の根に広まっている脱原発運動との連帯を強め,さらに,脱原発運動の全国的なネットワークに参加しましょう。 ☆福島での原発事故の原因が分からないまま,その上,誰一人として責任を取らないまま,日本の原発の再稼働を進めることは,けっして認められません。また,被曝の危険の拡散および国際的孤立,核軍拡競争激化に直結する原発輸出は,即時,中止するよう求めます。世界のすべての原発廃炉を,全世界とすべての人々に訴え  ていきます。 以上,本日の集会参加者の総意として,決議します。
2014年6月28日
福井地裁判決報告集会in京都 参加者一同

[6] 京都地裁での訴訟の現状と今後の方向

出口治男・京都弁護団長の報告(板書は笠原弁護士による)
…出口治男・京都弁護団長の報告……

(はじめに)
まず、福井地裁判決を生み出した福井訴訟原告・弁護団の皆様に深甚の敬意を表します。私に与えられたテーマは「京都訴訟の現状と今後の方向について」というものですので、最初に「京都訴訟の現状」についてお話しをし、次いで「今後の方向」について申し上げます。

1 京都訴訟の現状について

(1)京都訴訟は2012年11月29日、原告数1107名で提起されました。京都地裁では、過去に例をみない多数の原告となりました。次いで、2013年12月3日、原告数856名で第二次訴訟が提起され、現在1963名の原告団で闘っています。原告団の団長は竹本修三京大名誉教授です。

(2)
審理の状況は次のとおりです。
 第1回期日は2013年7月2日、第2回が同年12月3日、第3回が2014年2月19日、第4回が同年5月21日に行われ、第5回が同年9月30日に予定されています。

 審理の中身について簡単に申し上げますと、
第1回期日では、まず原告団の竹本団長と、原告福島敦子さん、同大庭佳子さんが陳述しました。
竹本団長は「地震国ニッポンで、原発は無理!」というテーマで、パワーポイントを駆使しながら、専門の立場から「原子力規制委員会は、大飯原発敷地内の重要施設の直下を通る「F-6破砕帯」が活断層であるかどうかに焦点を絞って検討を進め、「活断層ではない」との結論を出したが、これは空しい議論である」とされ、その根拠を詳しく挙げられました。

また基準地震動について、次のような具体的事例を指摘されました。「1 984年の長野県西部地震のときに、1km×3kmという狭い範囲ではあったが、埋まっていた石が飛んだ。単に置いてある石なら、980ガルをこえる地震動の加速度が動けば浮く。しかし、埋まった石が飛ぶためには、それよりもずっと大きな加速度が働かねばならない。京大防災研の研究者の計算では、埋まっている石が飛び出す為には、15000ガル以上の加速度が働かなければならない。地球の重力加速度の15倍である。非常に局所的ではあるが、M6.8の地震で、こんな大きな加速度が働いた例がある。関電が基準地震動を700ガルから856ガルに見直したといっても、それで安全だということには全くならない。15000ガルの加速度に耐えうる設備を作るのは技術的にも経費面でも不可能である。関電は直ちに廃炉に踏み切るべきだ」と結ばれました。

又福島県から避難してこられた福島敦子さんと大庭佳子さんは、避難を余儀なくされた福島県の人々の苦難の実情を、深い憤りと悲しみを込めながら、静かに訴えられました。福島さんは「司法が健全であることを信じています。日本国民は、憲法より守られていることを信じています。」と結び、法廷は深い感動と共感で満たされました。

玄海原発等の差止訴訟に奔走しておられる熊本県の板井優弁護士に応援弁論をして頂き、差止の必要性を強く訴えて頂きました。弁護団はパワーポイント、動画等を用いて訴状を分担して陳述し、原発の安全神話の崩壊、原発事故による甚大で取り返しのつかない被害を直視して、原発を差し止めるように訴えました。

 第2回の原告本人の陳述は、聖護院門跡の宮城泰年さんが、宗教者の立場から危険な原発の稼働は認められないと、諄々と説かれ、腸にしみ入るお話しをして頂きました。弁護団は、福島の人達の悲惨な避難の状況を具体的に、写真等をまじえて明らかにし、原発事故がいかに多くの人達の人間としての尊厳を傷つけているかを訴えました。

 第3回は、宮本憲一元滋賀大学長が原告として意見陳述され、専門の公害環境研究者の立場から、福島第一原発事故によって多くの住民が故郷を失った苦難の事実を指摘し、福島第一原発事故は、足尾銅山鉱毒事件によって消滅した谷中村の悲劇よりもさらに大きい、わが国史上最大最悪の公害事件であると指摘されました。

弁護団は、放射線被爆が人体に及ぼす影響の仕組みと、チェルノブイリ原発事故が人々に及ぼした巨大な影響を明らかにするとともに、これらの放射線による被害の重大さにくらべて、政府がこれまでにとってきた放射性物質に関する法規制がいかに杜撰であったか、そしていまもなお具体的な法規制の整備が行われていない、にもかかわらず大飯をはじめとする各地の原発の再稼働を推し進めようとしていることは、福島第一原発事故を経験してもなお、政府や電力会社が「安全神話」を捨てていないと強く批判しました。

そして、このような状況下において、司法の果たす役割は極めて重大で、裁判所は、大飯原発を含むあらゆる原発の危険性を正しく認識し、市民の生命、身体の安全と健康を守るため、子ども達の未来を守るため、大飯原発の運転を許さない判断を下すことを求めました。

 第4回は、裁判官全員が交代したので、第1回から第3回迄行ってきた意見陳述と弁論を、再度全てではないが再現しました。これらの意見陳述と弁論には、裁判官も時折うなづきながら静かに耳を傾け、意見陳述、弁論のおわり毎に起きる傍聴席からの拍手を制止することはありませんでした。

 なお、裁判では、毎回傍聴希望者が多数のため、法廷へ入廷できる原告団、傍聴者の数が限られるので、裁判と同時平行で、弁護士会館の大会議室を借り切り、弁護団が役割分担をして、法廷でその日に行われている内容を再現するという工夫もしているところです。
以上がこれ迄の状況です。

2 今後の方向について

(1)
提訴に当たり、私達は、福島第一原発事故によって原発の危険性が明らかになったにもかかわらず、政府、電力会社が臆面もなく原発再稼働に遮二無二突き進んでいる姿勢を厳しく批判し、訴訟をとおして原発の危険性を徹底的に浮き彫りにすることによって、脱原発を実現する第一歩として、大飯原発の差止めを目指すことを確認しました。しかしながら、この訴訟の取組みをとおして、脱原発を求める広範な国民世論を大きく広げることこそが最も重要であり、このことをぬきにして、訴訟での勝利の展望を切りひらくことはできないと考えました。

私達は、法廷での戦いと法廷外での運動を車の車輪と位置づけ、法廷外の運動を推し進めるうえで、この訴訟の原告をさらに大きく広げていくことが重要であると考え、原告団弁護団ともに、引き続き追加提訴にむけて全力を傾けています。

又法廷での弁論も、安易な技術論争に入り込むのではなく、シビアアクシデントが避けられず、そして一旦それが生じたときにはコントロールすることも不可能で、放射性物質が外部に大量に放出されて取り返しのつかない広範で深刻な被害を引き起こすことを、チェルノブイリや福島での事故をもとに具体的に明らかにしていくことを考えています。このような方針のもとで、これ迄私達は取り組んできました。

(2)
5・21福井地裁判決は、私達が追求してきた方向が正しかったことを明らかにしてくれました。この判決は、もはや晴れることはないであろうと感じていた司法の暗闇に、一筋の大きな光を与えてくれました。裁判所にはなお、このような判決を出す裁判官たちが存在する。そのことを実感できました。

私達はこの判決を今後の闘いの橋頭堡として、一歩たりとも後退させず、私達の訴訟と運動両面にわたる導きの星としていきたいと考えています。

(3)
他方、原子力規制委員会では、地震の専門家である島崎邦彦委員が、官産学の一致した強い意向によって、任期満了により再任されませんでした。そしてあろうことか、というか恥知らずにも、政府は原子力ムラの田中知という人物を規制委に送り込みました。今後、規制委が、再稼働に向けてフル活動することは目に見えています。

福井地裁判決を契機として、私達の原発再稼働阻止、原発廃炉を求める闘いの大きな大きな意義を改めて確認し合い、全国の仲間たちとともに裁判での更なる勝利と再稼働阻止、原発廃炉実現を目指して互いに闘っていきましょう。

本日は参加して頂いた多勢の方々、特に福井の皆さんに心から感謝の意を表して、私の報告といたします。どうもありがとうございました。
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[7] 実行委員会より挨拶

実行委員会より……木原 壯林(汚染水問題を憂う京都府民の会 代表世話人)

汚染水問題を憂う京都府民の会の木原です。本集会の実行委員会の一員として、ご挨拶を申し上げます。木原壯林さんの挨拶

さて、5月21日には、福井地裁で、「人間の生きる権利は経済に優先する。したがって、原発の再稼働は認めない。」とする、私たちの叫びを代弁してくれる格調高く、美しくもある画期的な判決が出ました。人間を経済の奴隷にしようとする現在社会の暗闇の中に、一条の光を見出だした思いです。私たちは、この勝訴の趨勢を燎原の炎の如く全国に拡大しなければなりません。

本日は、この福井の勝利判決を京都につなげ、全ての原発の運転を止めさせるために、福井地裁判決の報告集会in京都を企画しましたところ、皆様にはご多用のところ、多数ご参加くださりありがとうございます。また、福井の原告団、弁護団に「福井から原発を止める裁判の会」のご報告をお願いいたしましたところ、原告団代表の中島哲演さんを始め、原告団事務局長、弁護団事務局長、事務局次長には、快くお引き受けくださり、誠にありがとうございます。なお、本集会の実行委員会は「1万人原告をめざす脱原発アピール」に賛同される団体、個人を募ってまいりましたが、本日までに、本集会資料に記しましたように、175の団体と個人のご賛同をいただいております。

さて、福井の判決では、電力や政府の安全軽視の姿勢を指摘・弾劾しています。また、原子力規制委員会が拠って立とうとする科学技術が原発の安全を保障するには極めて不十分であることも明快に指摘しています。したがって、この判決は、全国の原発の再稼働にNOを突きつけるもので、政権、電力に衝撃と恐怖を与えるものです。それ故、今後、政府、電力とその操り人形の原子力規制委員会は、さらに、躍起になって再起動を画策してくるものと考えられます。
政府が原発再稼働に慎重な島崎邦彦氏の規制委員への再任を拒否し、原発推進で良く知られる田中 知東大教授を指名したのはその手始めです。

ところで、私は、50年近く原子力を含む理工学なかんずくChemistryに携わってきたものとして、如何に政府や電力が虚偽と欺瞞に満ちた議論のうえに安全性を主張しようとも、原発は人類と共存し得ないと確信しています。

その理由の第一は、核反応のエネルギーはミリオンエレクトロンボルトの高エネルギーレベルで、これは、通常の化学反応エネルギーの百万倍から数千万倍に相当し、現代科学はこれをコントロールできるほど進歩していないということです。

理由の第二は、次のような原発事故の特徴です。
すなわち、①原発で冷却水が途絶えると、秒単位の速度で、大惨事につながること、②原発事故では、原爆とは比較にならない量の放射能が放出されること、③放出された放射能を消滅させる方法はないこと、④事故炉は容易に再臨界に達すること、⑤原発事故による放射能汚染は極めて広域であることです。
理由の第三は、使用済核燃料、放射性廃棄物を消滅させる方法はなく、何万年もの長期間安全保管するための処理、保管法もないことです。

残余の理由は割愛しますが、このように、原発は人類の手におえるものではありません。それでも政府、財界、電力は、規制委や政府の意を何でも受け入れ、安全性や事故時の避難法には頬かむりする九州電力の川内原発の再稼働を実現し、川内原発での審査を手本として、高浜、大飯、伊方などの原発の再稼働を一気に推し進めようとしています。

人類と共存し得ない原発を稼働させてはなりません。原発全廃のための重要な手法が原発差し止め訴訟です。

世論調査などによりますと原発再稼働には国民の6割から8割が反対していて、再稼働反対は多数派です。このことが選挙に反映されていないのは誠に残念でありますが、全国の訴訟に次々に勝利すれば、反対の声は、必ずや広がります。福井に引き続いて、京都をはじめとする全国でも、差し止め訴訟に勝利しましょう。また、裁判を支え、再稼働を阻止するための多彩な運動を広範に展開しましょう。

最後に、この集会は、京都脱原発訴訟原告団の皆様の献身的な努力によって開催に至りました。この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。共に頑張りましょう。
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[8] 京都脱原発原告団より挨拶

京都脱原発原告団より……竹本 修三 原告団長

ご紹介いただいた竹本です。本日は沢山の方にお集まりいただき、誠にありがとうございます。竹本修三原告団長からの挨拶

皆さん、ご存じのように5月21日の午後3時に福井地裁で大飯原発差止訴訟の原告側勝訴の歴史的な判決が出ました。この日は、午後2時から京都地裁で大飯原発差し止めの京都訴訟の第4回口頭弁論が行われていましたが、午後3時過ぎに口頭弁論が終わって法廷の外に出ると、福井地裁で原告側勝訴のニュースを知らされました。早速、弁護団から中島晃弁護士、原告団からの私の二人が福井に向かい、報告集会が開かれていた福井県教育センターに駆けつけ、福井の人々と喜びを分かち合いました。

この大飯原発差止の福井訴訟の勝利判決をわれわれの京都訴訟につなげたいと考え、現地の原告団・弁護団の方々に京都で福井訴訟の報告集会を開きたいので協力してほしいとお願いしたところ、快諾していただきました。京都に戻った私は、京都訴訟原告団の吉田明生事務局長と相談して福井訴訟報告集会の準備を始めたところ、「キンカン」運動に集う京都の多くの団体や個人の方々との協力による集会を開くことになりました。そしてこれらの広範な人々に支えられて実行委員会が組織され、宣伝活動を繰り広げて本日を迎えた訳です。実行委員会の皆さまのご努力に深く感謝いたしております。

さて、本日福井からお招きしている4名の方々のなかで中嶌哲演原告代表は小浜・明通寺の住職で著名な方ですが、1960年代の終わり頃に関電が小浜に原発を作ろうとしたときに、それに反対する市民の声をまとめて関電と対峙し、ついに関電に小浜原発建設計画を断念させて以来、40年以上にわたって反原発の立場を貫いている筋金入りの活動家です。これに対して私は、恥ずかしながら3年前の福島第一原発の事故が起こるまでは、「安全神話」を深く疑ってみることもせず、化石燃料資源の乏しいわが国においては、膨大な電力需要を賄うためには原発依存も仕方ないかと思っていました。科学者としてお恥ずかしい話です。

福島第一原発の事故が起こる約10か月前に、私の息子と娘のところにそれぞれ女の子が生まれました。この二人の孫娘が可愛くて仕方ありません。福島の子供達が原発事故で大変な苦労を強いられているニュースを見て、うちの孫の世代にあんな苦労をさせてはいけないと強く思いました。そこで、地震国ニッポンにおける原発稼働の危険性について調べてみました。私の専門は固体地球物理学・測地学で、いま原子力規制委員会の委員長代理をしている島崎邦彦さんといっしょに地震予知連絡会の委員を務めたこともあります。

資料に基づいて調べた結果、福島第一原発の事故が「想定外」で、例外中の例外ではなく、地震や火山活動が活発な日本においては全ての原発が同様な事故に見舞われる危険性を有していることを知って慄然としました。津波の影響は、日本海側は太平洋側に比べると小さいのであまり考えなくてもよいと言われていますが、これも問題です。海岸付近の山体崩壊や海底の斜面崩壊(地すべり)によって局所的に大きな津波が押し寄せることもあるのです。

ハイテクの粋を集めた原発でも、それを扱うのは人間です。立っていられない程の地震動に襲われたときなど冷静に対応できず、思わぬ操作ミスも起こり、非常時に制御不能が心配されます。こんな危険な原発を一刻も早く停止させることは、子や孫の代に負債を残さないために、我々の世代の課せられた義務だと考えます。そこで、福井地裁での原告側勝利判決に続いて京都地裁でも勝利判決を勝ち取り、これを足がかりとして全国の原発を廃炉に追い込みたいと考えておりますので、皆さまに一層のご支援をお願いいたします。

さて、本日お招きした4人のなかで、中嶌哲演原告代表とは昨年10月に「原発ゼロをめざす城陽の会」の開沼淳一事務局長と明通寺でお目にかかっています。そのときお聞きした話で一番印象に残っているのは、「小浜には原発を作らせなかったし、その後は使用済み核燃料の中間貯蔵施設建設の動きがありましたが、やはり市民たちの力で阻止しました。しかし、すぐ近くの大飯や高浜に同様の問題がもちあがったときに自分の問題として向き合えずに、原発を設置させてしまったことに、忸怩(じくじ)たる思いがします。」ということでした。私も福島の事故が起きるまでは若狭湾の原発は遠い存在で、これを自分の問題として捉えることができませんでした。今回の福井地裁の判決では樋口英明裁判長が、原発から250km以内の地域は事故のときに被害が出る可能性があることを示しています。日本地図でそれぞれの原発から半径250kmの範囲をコンパスで描いてみますと、北海道の一部と沖縄を除いた日本のほとんどの地域がこの範囲に含まれます。つまり、日本国民全体が原発問題を他所事でなく、自分の問題として捉えなければならないということです。中嶌哲演さんの「忸怩たる思い」をみんなでかみしめてみましょう。

次に、福井原告団事務局長の松田正さんには、今年5月21日に福井県教育センターで初めてお目にかかりました。福井県坂井市で印刷・出版業を営なんでおられるそうで、裁判の会を始める以前は、もんじゅ事故があったときに「大事なことはみんなで決めよう、県民投票条例」などに取組んでこられたほか、人権問題をライフワークとして、在日外国人の参政権、日本軍従軍慰安婦問題や教科書問題などにこだわってこられたそうです。福井の裁判の会は原告の数も少なく、一時は松田さんお一人で原告団を支えた時期もあったそうで、苦しい中、今回のような嬉しい判決が出されたことに感謝しておられるそうです。今日は、福井で裁判が始まった経過や会の動きなどを報告していただけると思います。

弁護団からおいでいただいた笠原一浩事務局長と阿部剛事務局次長は、お二人とも京大理学部の出身で私の後輩です。笠原弁護士は私と同じ地球物理学教室の出身で、私は第一講座(測地学)ですが、彼は第二講座(海洋物理学)の出身です。平成10(1998)年に大学卒業後、幅広く環境問題に取り組みたいという志をもっていて、故郷の福井の社会福祉法人に就職しましたが、その間に法律を勉強して、平成4(2002)年に司法試験に合格しました。弁護士になってからは、日弁連公害環境委員会エネルギー・原子力部会長なども務めておられるほか、大飯原発差止訴訟では福井弁護団事務局長として活躍しておられます。

阿部剛弁護士は京大理学部の数学教室の出身で、学生時代の彼の指導をしたのは私の教養部時代の同級生の井川満京大名誉教授(解析学)です。この報告集会に井川さんも出席してくれているはずですが…。あ、あそこにいました。阿部さん、あとで井川さん挨拶しておいてください。井川さんの話によると、阿部さんはとても優秀な学生で、卒業後は別の分野に進みたいと言われたとき、手放すのを残念に思ったそうです。阿部さんは笠原さんの4年下です。

大飯原発差止・福井訴訟の弁護団の中心になって戦っているこの二人の若い弁護士が京大理学部の私の後輩であることを嬉しく思います。今日は、阿部さんには福井訴訟の経緯と判決文の要点、笠原さんには関電が控訴したいま、これからの戦いの見通しを中心にお話していただければありがたいと考えております。ではどうかよろしくお願いいたします。
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◆おおい町見学ツアー
 (2014年7月6日)の案内

「おおい町見学ツアー」とは

  • おおい町と大飯原発の所在地を自分の目で確かめます。
  • 海からしか見えない大飯原発3、4号機を、遊覧船で見てきます。
  • 大飯原発で事故がおこったときに対処の拠点となるオフサイトセンターの位置を確かめます。
  • おおい町の施設、道路などを、いくつか回って見学します。
  • 現地の案内は、舞鶴の府職労連の方に依頼しています。
  • 大飯原発差止訴訟の原告団が主催します。
  • 参加者への連絡事項
    (1)7月6日(日)朝8:00出発です。
    (2)集合場所は、京都駅八条口、南北通路階段西側、観光バスプール。
     大飯原発差止訴訟の緑の幟を立てています。奈良観光のバスです。
    (3)参加費は4500円。
     おつりのないように準備してください。当日お支払いください。
     昼食費はふくみません(「うみんぴあ大飯」のフードコートで各自注文)。
    (4)疑問点、当日の急な連絡は、吉田携帯まで。

スケジュール

  • 7月6日(日)、8:00京都駅前から貸し切りバスで出発。19:30頃に同じ場所に帰着。
  • 京都駅前以外からの参加者は、おおい町の道の駅「うみんぴあ大飯」で合流。
  • 13:00~13:50に、遊覧船の青戸クルージングで、大飯原発3、4号機を見学。
    おおまかな日程の案は、こちらの「おおい町見学ツアー」日程表(案)[54 KB]をご覧ください。

参加方法や費用など

(1) 原告の中から参加者を募集します。

  • 今は原告でない方でも、原告になれば応募できます。
  • 原告の友人や知人をお誘いください。

(2) 参加費用は4500円程度とし、すべての参加者が同一金額とします。

  • 参加者の確定後、最終的な参加費と旅程を通知します。
  • キャンセルの場合、キャンセル待ちの人を繰り上げます。
  • 現在、国交省の指示により観光バスの「新運賃制度」への移行途中で、費用確定までもう少し時間がかかりそうなためです。
  • なお、参加費には、バス代、遊覧船代、行事スポット保険費用をふくみ、昼食費をふくみません。
  • 昼食は、道の駅「うみんぴあ大飯」のフードコートで各自でとります。

(3) 京都府北部などからの参加者

  • 京都駅前からのバスが最初に到着する「うみんぴあ大飯」で合流し
    (各自の車はそこに駐車。駐車場は無料)、
    その後はバスに乗車し同一行動をとります。
  • 帰りは、再び「うみんぴあ大飯」に戻り、そこで解散します。

 (追記) 

  • 丹後および宮津与謝舞鶴の方で参加を希望される場合、京丹後市の山根義夫さん(原告団・世話人)が集合場所までマイカーで参加されるので、相乗り可能かも知れません。
  • 最終的に清算して、余剰金が出ているようであれば、京都駅前以外からの参加者(府北部などからの参加者)にバス代の一部を適宜、還元します。

おおい町見学ツアーの報告

◆福井地裁判決の報告集会in京都
 (2014年6月28日)の案内

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  • 福井から原発を止める裁判の会」による大飯原発差止訴訟で、5月21日(水)、福井地裁は原告勝訴、大飯原発3,4号機の運転差止を命ずる、歴史的な判決を出しました。3.11以降、仮処分を求める訴訟を除いて、本裁判における司法の最初の判断ですが、判決は内容的にもひじょうに優れたもので、私たちの裁判にも大きな励みになると考えられます。
  • この判決を受け、福井から原告団と弁護団の代表を招き、標記の集会を開きます。
  • 集会の宣伝ビラ 福井判決報告集会in京都[713 KB]
  • 福井地裁の判決文全文[3 MB]、および判決要旨[3 MB] 
  • 福井地裁の判決文(「第4 当裁判所の判断」)リッチテキストファイル[260 KB](Wordで開けます。判決要旨部分は黒字、その他の部分は青字)
    (「原発ゼロをめざす湖西ネット」代表世話人 野口宏さんから配信。2014.6.16差し替え版)
  • この判決に対する竹本修三 原告団長のコメント 福井地裁判決を読んで
  • メディア→【2014年5月21日の福井地裁判決について】 にも投稿があります。

福井の勝利判決を京都につなげよう!
すべての原発の運転を止めさせよう!

☆ 6月28日(土) 13:00 開場 13:30 開会~17:00 まで
☆ 会場…JR京都駅前 キャンパスプラザ  (4F・第二講義室)
☆ 会場費…700円をお願いします。
☆ 京都地裁での勝利をめざして脱原発の連帯を広げ、原告を拡大する総意を確認しましょう。

福井より原告団・弁護団を招きます。

  • 「福井から原発を止める裁判の会」よりの報告
    ・中嶌 哲演 原告団代表
    ・松田 正  原告団事務局長
    ・笠原 一浩 弁護団事務局長
    ・安部 剛  弁護団事務局次長
  • 京都地裁の大飯原発差止訴訟では1万人原告をめざし第三次原告の募集中です。
  • 京都脱原発弁護団からも、京都地裁の裁判の状況を報告します。
  • 京都地裁では2012年11月29日に1107名の原告で第一次提訴を行い、その後、2013年12月3日に856名で第二次提訴を行いました。その結果、現在の原告総数は1963名です。さらに大きな1万人原告の声で、原発再稼働を許さず、すべての原発廃炉をめざしましょう。

この集会の報告など

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福井からおこしの方の紹介

わざわざ福井から京都に来て,報告をしてくれる四人衆とは?

その一人目。まず,この人がいなくちゃ,話が始まらない。

「福井から原発を止める裁判の会」の原告団代表の中嶌哲演さんは,真言宗御室派・明通寺の住職。お坊さんは説教がしごと。福井県小浜市で原発反対運動を貫いて云十年。ついに,小浜市に原発を作らせなかった立役者 (^o^)  しかし,法廷の被告にも礼を欠かさない。そして,ベジタリアン。

その二人目。原告団をまとめるのが,事務局長。

同会の事務局長の松田正さんは,福井県坂井市で印刷・出版業を営む。片田舎 (失礼 m(_ _)m  出版の中心東京とは遠い地ながら,連れ合いとお2人で零細企業を経営し,奮闘。もんじゅ事故があったときには,「大事なことはみんなで決めよう,県民投票条例」に取り組んできた団塊世代。

三人目と四人目は,優秀な弁護士。

同会の弁護団からは,弁護団事務局長の笠原一浩さん,弁護団事務局次長の安部剛さんのお二人。ともに弁護士 (当たり前 (^ ^;; 新進気鋭の弁護団を率いて,画期的な判決を導いた。最近は,脱原発弁護団の全国連絡会ができて,書面を参考することがしやすくなったといわれるが,ご苦労はなみたいていではなかったはず。

6/28(土)は,京都駅前ビックカメラ向かいのキャンパスプラザ京都へ!
何が何でも13:30に開会に,間に合わせよう!

京都キンカンで弾けているバイバイ原発の皆さんや,京都脱原発原告団の世話人衆が協力してお世話させていただきます。参加費700円は,福井からお越しの四人衆の話で軽くペイするはずだ。

お待ちしております! (声を大きくして) お越しやす!

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大飯原発3,4号機 運転差止請求事件
福井地裁2014年5月21日
判決ハイライト(抜粋)

  • 人格権について
    個人の生命,身体,精神及び生活に関する利益は,各人の人格に本質的なものであって,その総体が人格権であるということができる。人格権は憲法上の権利であり,また人の生命を基礎とするものであるがゆえに,我が国の法制下においてはこれを超える価値を他に見出すことはできない。
  • 250キロメートル圏内について
    原子力委員会委員長が福島第一原発から 250 キロメートル圏内に居住する住民に避難を勧告する可能性を検討したのであって,チェルノブイリ事故の場合の住民の避難区域も同様の規模に及んでいる。…250 キロメートルという数字は緊急時に想定された数字にしかすぎないが,だからといってこの数字が直ちに過大であると判断することはできないというべきである。…原告らのうち,大飯原発から250キロメートル圏内に居住する者は,本件原発の運転によって直接的にその人格権が侵害される具体的な危険があると認められる。
  • 原発の安全性について
    原子力発電所に求められるべき安全性,信頼性は極めて高度なものでなければならず,万一の場合にも放射性物質の危険から国民を守るべく万全の措置がとられなければならない。
  • 原発の稼働について
    原子力発電所の稼動は法的には電気を生み出すための一手段たる経済活動の自由に属するものであって,憲法上は人格権の中核部分よりも劣位に置かれるべきものである。
  • 司法の役割について
    原子力発電技術の危険性の本質及びそのもたらす被害の大きさは,福島原発事故を通じて十分に明らかになったといえる。本件訴訟においては,本件原発において,かような事態を招く具体的危険性が万がーでもあるのかが判断の対象とされるべきであり,福島原発事故の後において,この判断を避けることは裁判所に課された最も重要な責務を放棄するに等しい。
  • 基準地震動について
    大飯原発には1260ガルを超える地震は来ないとの確実な科学的根拠に基づく想定は本来的に不可能である。1260ガルを超える地震は大飯原発に到来する危険がある。この地震大国日本において,基準地震動を超える地震が大飯原発に到来しないというのは根拠のない楽観的見通しにしかすぎない。
  • 電気代について
    被告は本件原発の稼動が電力供給の安定性,コストの低減につながると主張するが,当裁判所は,極めて多数の人の生存そのものに関わる権利と電気代の高い低いの問題等とを並べて論じるような議論に加わったり,その議論の当否を判断すること自体,法的には許されないことであると考えている。
  • 国富について
    コストの問題に関連して国富の流出や喪失の議論があるが,たとえ本件原発の運転停止によって多額の貿易赤字が出るとしても,これを国富の流出や喪失というべきではなく,豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり,これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失である。
  • 環境問題について
    被告は,原子力発電所の稼動がCO2排出削減に資するもので環境面で優れている旨主張するが,原子力発電所でひとたび深刻事故が起こった場合の環境汚染はすさまじいものであって,福島原発事故は我が国始まって以来最大の公害,環境汚染であることに照らすと,環境問題を原子力発電所の運転継続の根拠とすることは甚だしい筋違いである。