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◆能登半島地震をみてもまだ原発を動かすのか! 関電などへの申入書に169団体の賛同

・関西電力は、2024年元日の能登半島地震をみてもまだ原発を動かし続けています。1月18日には、能登半島地震のときにはちょうど定期点検で止まっていた美浜原発3号(運転開始後47年の老朽原発)を、予定通り再稼働させました。さらに、1月22日には、高浜原発1号機(運転開始後49年の老朽原発)で、2次系配管からの蒸気もれなどが見つかったにもかかわらず、この原発の出力を40%に抑えて運転し続け、安全軽視の原発依存体質を露呈しました。
・原発は、今すぐ止める以外に安全を確保する道はありません。志賀原発は、3つの幸運(井戸謙一弁護士、→関西電力 闇歴史◆097◆)に恵まれて、大事故の発生には至りませんでしたが、いつまでも幸運に期待することはできません。関電には、能登半島地震で起きた原発への影響を直視し、直ちにすべての原発を止めることを強く申し入れます。
 
・「使い捨て時代を考える会」では2024年元日の能登半島地震をうけ「能登半島地震が原発に与えた影響を直視し、現在稼働中の原発を即時停止させてください」との申入書を、関西電力のほか、首相、経産省、原子力規制委に提出することにしました。
・こうした意思表明は、1月の「バイバイ原発きょうと実行委員会」で発案されましたが、「使い捨て時代を考える会」で文案、賛同団体募集を行うことになったものです。
・1月下旬から団体賛同のお願いをしてきましたが、2/19までに169団体の賛同を得ました。

・提出版の申入書。ファイル名「2024-01-mousiire–kakutei.pdf」。(先にお送りしたものから、若干の字句修正、追加をしていますが、趣旨に変更はありません)
 こちら[104 KB]
・賛同団体一覧
 こちら(京都脱原発原告団 > 市民運動の紹介 > 「使い捨て時代を考える会」より)
・能登半島地震、志賀原発への影響、などについて、申入書の内容に関連する詳しい説明
 こちら(京都脱原発原告団 > 市民運動の紹介 > 関西電力 闇歴史 > ◆097◆)

◆関西電力 闇歴史◆111◆

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◆2年間で12億円の申告漏れ、特重施設の調査費などで
 追徴課税額は1億5千万円!

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 2024年1月23日の報道によれば、関電が大阪国税局の税務調査を受け、2021年3月期までの2年間に約12億円の申告漏れを指摘されていた。美浜原発3号機の「特定重大事故等対処施設(特重施設、いわゆるテロ対策施設)」を設置するための調査費用などの経費処理に問題があったとされ、過少申告加算税を含めた追徴税額は約1億5千万円で、既に納税した。

 特重施設の調査費は、19~20年度の費用約4億4千万円をまとめて経費計上した。しかし国税局は同施設は資産で、調査費を含めて取得費用は減価償却費にあたると判断。資産の耐用年数に合わせて経費を複数年度に分散して計上するよう指摘した。別に、ソフトウエアの開発費など約7億5千万円についても減価償却費に相当し、分割して計上すべきだと判断された。

 今回は美浜3号機についての課税だが、大飯や高浜はどうなっているのか、いろいろ検索してみたが、そこは不明。税務署が黙っているので、大飯や高浜は問題なかったかもしれないが、では、美浜だけなぜ??

【参考】関電の過去の所得隠し(Wikipedia 「関西電力」による)
(1) 同社所有の遊休地の取引に絡み、大阪国税局から、2008年3月期までの2年間で約6億円の所得隠しを指摘されていたことが、2009年4月17日の各新聞報道で発覚した。同社が所有権を持たない土地について、売却損益を架空計上したと判断された模様である。申告漏れの総額は約62億円に及ぶとされ、国税当局は重加算税を含め約21億円を追徴課税した。なお、同社はこの件に関して、一切公式サイト上でコメントをしていない。
(2) 2011年には、福井県美浜町などでの原子力発電所建設で生じた金属屑を、実勢価格よりも安い価格で地元業者に売却した際に、同国税局から「(課税対象となる)交際費である」とされ、2010年3月期までの5年間で約45億円の申告漏れを指摘された。

◆110◆←←関西電力 闇歴史→→◆112◆

◆能登半島地震に関連し関電などへ
「原発即時停止」の申入書、賛同団体

「能登半島地震が原発に与えた影響を直視し、現在稼働中の原発を即時停止させてください」
との申入書への賛同団体、169団体
(2/19分まで)。

・申入書→こちら[104 KB]、ファイル名「2024-01-mousiire–kakutei.pdf」。(先にお送りしたものから、若干の字句修正、追加をしていますが、趣旨に変更はありません)

・賛同団体は、以下、数字、50音順。
「NPO法人」が先頭にある団体名は、「NPO法人」を省いた50音順です。

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3.11原発いらない福島実行委員会
アイ女性会議・京都
愛知視覚障害者協議会
アジェンダ・プロジェクト
安全食品連絡会
安全なふる里を大切にする会(若狭町)
安全農産供給センター
伊方から原発をなくす会
伊方原発広島裁判原告団
伊方原発をとめる大分裁判の会
生駒革新懇
伊藤・中村・加藤九条の会
請戸川河口テントひろば
ウチら困ってんねん@京都
笑顔つながろう会
えねみら・とっとり(エネルギーの未来を考える会)
おおい原発止めよう裁判の会
おこしやすキャンプ実行委員会
女川から未来を考える会
女川原発再稼働差止訴訟原告団
核汚染水ストップ世界市民行進(GLOMA2024)
核燃サイクル阻止1万人訴訟原告団
核のごみキャンペーン関西
核の中間貯蔵施設はいらない!下北の会
関西よつ葉連絡会
環瀬戸内海会議
基地のない平和で豊かな沖縄をめざす会
キッチン・ハリーナ
九電消費者株主の会
京田辺、綴喜原発ゼロプログラムの会
きょうとグリーンファンド
京都循環経済研究所
京都脱原発原告団
京都・丹波/亀岡市民まちづくり風の会
京都反原発めだかの学校
京都・水と緑をまもる連絡会
きょうとユニオン
くらしを見つめる会
グリーン・アクション
グリーン市民ネットワーク高知
グループチャンプルー(京都)
グローバル・ジャスティス研究会
玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会
原子力災害考証館furusato運営委員会
原子力資料情報室
原子力発電に反対する福井県民会議
原発いらない金曜日郡山フリートーク集会
原発いらん!山口ネットワーク
原発知っちょる会
原発住民運動福井・嶺南センター
原発設置反対小浜市民の会
原発ゼロ・被災者支援奈良のつどい実行委員会
原発ゼロへ・生駒の会
原発ゼロ舞鶴の会
原発ゼロをめざす京都ネットワーク(京都原発ゼロネット)
原発ゼロをめざす神戸の会
原発ゼロをめざす左京の会
原発ゼロをめざす城陽の会
原発ゼロをめざす西京ネットワーク(西ゼロネット)
原発止めよう!九電本店前ひろば
原発なしで暮らしたい丹波の会
原発なしで暮らしたい宮津の会
原発の危険性を考える宝塚の会
原発賠償訴訟・京都原告団を支援する会
原発廃炉金属の再利用を監視する市民の会
原発問題住民運動福井県連絡会
原発をなくし自然エネルギーを推進する 兵庫の会
原発をなくす向日市民の会
憲法をくらしと政治にいかす 改憲NO! あいち総がかり行動
神戸学生青年センター
子どもたちに核のゴミのない寿都を!町民の会
子どもたちに未来をわたしたい・大阪の会
「子ども脱被ばく裁判」を支える会・西日本
湖北原発ゼロの会
再稼働阻止全国ネットワーク
さよならウラン連絡会
さようなら柏崎刈羽原発プロジェクト
さよなら玄海原発の会・久留米
さよなら原発小田原
さよなら原発神戸アクション
さよなら原発品川アクション
さよなら原発なら県ネット
サヨナラ原発福井ネットワーク
さよなら島根原発ネットワーク
さよならニュークス・デユッセルドルフ
三陸の海を放射能から守る岩手の会
志賀原発を廃炉に!訴訟 原告団
島根原発3号機の運転を止めさせる訴訟の会
NPO法人市民環境研究所
NPO法人市民放射能監視センター(ちくりん舎)
新空港反対東灘区住民の会
人権・平和 高槻市民交流
人民新聞
スタッフ・フォー・ワン
STOP原子力★関電包囲行動
ストップ・ザ・もんじゅ
ストップ川内原発!3.11鹿児島実行委員会
生活協同組合コープ自然派大阪
生活協同組合コープ自然派京都
生活協同組合コープ自然派しこく
生活協同組合コープ自然派奈良
生活協同組合生活クラブ京都エル・コープ
瀬戸内海の自然環境と生物資源を愛する会
脱原発アクションin香川
脱原発・滋賀☆アクション
脱原発市民ウオークin滋賀
脱原発市民ウオークinしが近江八幡2021
脱原発市民ネットワーク・徳島
脱原発ネットワーク・九州
脱原発へ!関電株主行動の会
脱原発をめざす北電株主の会
丹波自由学校
たんぽぽ舎
チェルノブイリ・ヒバクシャ救援関西
チェルノブイリ法日本版をつくる郡山の会(しゃがの会)
地球救出アクション97
NPO法人使い捨て時代を考える会
つながる、みなまたとわたし
電力労働運動近畿センター
とめよう!東海第二原発首都圏連絡会
ドルトムント独日協会
日本科学者会議京都支部
日本出版労働組合連合会京都地域協議会
日本出版労働組合連合会出版情報関連ユニオン京都支部
日本消費者連盟関西グループ
ノーニュークス・アジアフォーラム・ジャパン
NoNukes杉並
ばいばい原発 守ろう命とびわ湖 高島連絡会
浜岡原発を考える静岡ネットワーク
はんかく・女塾
反原発・かごしまネット
反原発自治体議員・市民連盟
反原発自治体議員・市民連盟関西ブロック
はんげんぱつ新聞京都支局
反戦老人クラブ・京都
ぴあ・ネット
非核の政府を求める京都の会
東日本大震災避難者の会 Thanks&Dream
避難計画を案ずる関西連絡会
広島からわずか100kmの伊方原発を止める会
ふぇみん婦人民主クラブ
福井から原発を止める裁判の会
福井原発訴訟(滋賀)を支える会
NPO法人ふくしま30年プロジェクト
福島原発事故による甲状腺被ばくの真相を明らかにする会
福島原発事故被害から健康と暮しを守る会
ふくしま・こどもキャンプ 丹後の海
福知山再生可能エネルギー市民研究会(FSK)
ふしみ「原発0」パレードの会
部落解放同盟東京都連荒川支部
ふるさとを守る高浜・おおいの会
ぶんぶんトークの会
平和・人権・環境を守る岐阜県市民の声
平和のテーブル・京都
平和フオーラムしまね
放射線被ばくを学習する会
放射能ゴミ焼却を考えるふくしま連絡会
保養の旅えんむすび
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)
みやぎ脱原発・風の会
未来への風いちから
ユナイトきょうと
ユニオンネットワーク・京都
洛南労働組合連絡会議
老朽原発うごかすな!実行委員会
老朽原発40年廃炉訴訟市民の会
ロシナンテ社
若狭の原発を考える会
若狭連帯行動ネットワーク
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◆1/8、脱原発、京都の課題を考える会

大飯原発差止訴訟[京都地裁]の勝利をめざして
脱原発、京都の課題を考える会~原発事故の避難計画、京都市の電力調達~

・69名の参加で盛会でした。報告、レジメPDFへのリンクは→こちら

  • 日時…2024/1/8(月/祝)
  • 時間…13:30~16:30
  • 場所…ひと・まち交流館 京都、第4会議室
  • 課題の提起、意見交換や討論の材料として
    市川章人(京都脱原発原告団 世話人、京都自治体問題研究所・原子力災害研究会)
    「原子力災害に対する住民防護と地方自治体―変ぼうする避難退域時検査― 」
    吉田明生(京都脱原発原告団 事務局長)
    「脱原発、京都の課題」
    福山和人(京都脱原発 弁護団、京都法律事務所)
    「脱原発訴訟 弁護士が語る京都市政」
  • 主催…大飯原発差止訴訟 原告団世話人会
  • 参加費…無料
  • チラシPDFファイル…こちら[3 MB]
     

◆関西電力 闇歴史◆110◆

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経産省の電力・ガス取引監視等委員会が、関電に業務改善勧告(2023/12/26)
 関電は、卸電力取引所(JEPX)のスポット市場において
 きわめてずさんな入札業務を行い、注意義務を怠った重大な過失で
 市場価格を上昇させる重大な影響を生じさせた!
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◆関電の「過剰買い入札」と「余剰全量供出の未達」
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 関電は、日本卸電力取引所(JEPX)のスポット市場において、2022年12月26日及び2023年9月20日、21日における合計3日間、合計51.7GWh(予定の21.4倍)の「過剰買い入札」を行い、最大 30円/kWh程度 スポット約定価格を上昇させた。2023年9月21日には、「余剰全量供出の未達」(市場に出さなければならない電気の一部を供給しなかったこと。1.1GWh)があり、価格を最大 2円/kWh上昇させた。(電力・ガス取引監視等委員会→こちら
 
 関電によると、過剰買い入札はシステムの不備、余剰電力供出の未達は担当者の認識誤りが原因としている。(関電プレスリリース→こちら

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◆電取委が関電に業務改善勧告(2023/12/26)
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 関電が日本卸電力取引所(JEPX)のスポット市場への誤入札をくりかえしたことに対して、電力・ガス取引監視等委員会(電取委)は、電気事業法に基づく業務改善勧告を出した。
  
 関電には、自社が大規模発電事業者として市場に重大な影響を与えうる地位にあること、卸電力市場の信頼性を低下させうる行為を防止すべき注意義務を負うことの認識がないと指摘。役職員を含む社員の意識改革が必要と、勧告した。関電は、1月31日までに報告しなければならない。

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電取委「事案の詳細について(→こちら」より
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①【きわめてずさんな入札業務】関電は、複数回にわたって大量の過剰買い入札を行った上、同日に余剰全量を市場に供出しなかったなど、関電のスポット入札業務への対応はこれまで発生した他の誤入札事案とは同一視できない程度にずさんなものであった。

②【注意義務を怠り重大な過失】関電のスポット市場において占める売買入札量の大きさや、2021年から2023年にかけて頻発した誤入札を受けて、監視等委事務局が各社向けに注意喚起(※)を二度にわたって行っていたこと等に鑑みれば、関電には、誤入札を生じさせないように体制等を整備すべき高度の注意義務があった。それにもかかわらず、これを尽くさず、本来予定していた買い入札量の最大 21.4 倍にも及ぶ量の過剰な買い入札を行ったことには、重大な過失がある。

③【市場価格を上昇させ著しく大きな影響】過剰な買い入札によってスポット市場の約定価格を最大で約 2.5倍の価格に上昇させるなど、スポット市場に著しく大きな影響を生じさせた

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(※)2021~2023年に、電取委の事務局が各社向けに出した注意喚起の趣旨
(→こちら
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 スポット市場における意図せざる入札、誤入札は、他の入札参加者の約定機会を奪う可能性があり、市場全体の信頼を損ねる行為となる。さらに、余剰電力の処分や追加供給力の調達の必要が生じる可能性があり、多大な損失を生じさせかねい。

 こうした入札行動が繰り返される場合、市場相場を人為的に操作する行為とみなされることもある。過怠金の賦課、取引制限等の処分、電気事業法上の業務改善勧告の対象となることもある。

◆109◆←←関西電力 闇歴史→→◆111◆

◆12/20 第39回口頭弁論の報告

 2023年12月20日(水)に京都地裁で第39回口頭弁論が開かれました。
模擬法廷&報告集会は、弁護士会館の地階ホールで行いました。
参加者(弁護団、原告、傍聴など)総数は、配付資料の数から 72名。
事前のお知らせチラシ→こちら

  • 恒例の裁判所周辺デモは30人程度でしたが、賑やかでした。今後、さらに呼びかけを広げます。開廷前デモ、法廷傍聴、模擬法廷、報告集会にご参加の皆さまは、たいへん御苦労様でした。以下、吉見さん撮影。
     
    ▼開廷前のデモ

    ▼原発賠償京都訴訟の新しい幟「原発事故は国の責任!」

  • 原告席…14名で募集し、11名の申込を受け付けました。
  • 傍聴席…昨年6月よりコロナ禍による制限がなくなり、全席およそ90席が使えるようになっています。今回、抽選にはならず、傍聴席のうまり具合は4分の3程度でした。
  • この回は、美山診療所の元事務長、原龍治さんが、原発事故が起こった際の避難の困難性を陳述されました。写真などで詳細、網羅的な内容となっていて、原発事故が起こった場合、避難できないこと、被ばくを余儀なくされるを明らかにしました。弁護団からは準備書面で、原発事故の際の避難困難性について、道路の通行止めなど交通の問題過去の災害事例を徹底的に調べて、避難の困難性を主張しました。
    →原告提出の書面(原龍治さんの口頭弁論要旨、弁護団の準備書面)は→ こちら
  • 被告の関電、国からの書面などはありませんでした。
  • 閉廷後、今後の進行協議(裁判所、原告、被告の弁護団代表による)があり、来年には証人調べに入ることになったとの報告がありました。日程は弁護団全体での確認後、公表されます。2012年以来の裁判もいよいよ終盤となりました。
  • 報告集会の参加者数…およそ50名ほど。
    ▼設営した報告集会の会場(横長の「大飯原発差止訴訟」バナーは大植さんによる)


    ▲▼原告として意見陳述をした原龍治さんの報告

  • カンパ…参加者の皆さまからカンパをいただきました。感謝いたします。
    ・金額は、その都度、会場ですぐに計算して報告できていませんが、この1年は以下の通りです。傍聴参加者の数が多いと増え、少ないと減る傾向になっています。(天候、報告集会の会場の場所なども影響すると思われます)
    ・2023年:3/2…21,683円、 6/1…44,572円、9/21…34,091円、12/20…25,631円

◆12/20 第39回口頭弁論 原告提出の書面

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【原告】裁判資料ーー今回の準備書面、意見陳述 → このページでは以下にリンクを掲載。
    前回までの準備書面、意見陳述は → こちらのページから。
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【原告】裁判資料ーー今回の証拠説明書と書証(甲号証)→ このページでは以下にリンクを掲載。
    前回までの証拠説明書と書証は → こちらのページから。
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第104準備書面[194 KB] 関係]甲第631号証の証拠説明書[90 KB]
(2023年12月13日)

甲第631号証[811 KB]…河北新報オンライン 避難計画実効性判断へ 仙台高裁控訴審・進行協議で見通し


第103準備書面[2 MB] 関係]甲第630号証の証拠説明書[83 KB]
(2023年12月14日)

甲第630号証[809 KB]…通行止め関係京都新聞記事


第102準備書面[253 KB] 関係]甲第628~629号の証証拠説明書[76 KB]
(2023年12月13日)

甲第628号証[1 MB]…原さん 陳述書(カラー)
甲第629_1号証[250 KB]…原さん 口頭弁論要旨
甲第629_2号証[6 MB]…原さん 口頭弁論要旨(カラー)


◆12/20 第39回口頭弁論のお知らせ

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・開廷時間のご注意…これまでの開廷時間は14:30でしたが、今回のみ、15:00の開廷です。
・開廷前の裁判所周辺デモを行います。
・模擬法廷、閉廷後の報告集会は、★弁護士会館★地階大ホールとなります。
(弁護士会館は、地裁構内、南東角です)
└─────────────

◆裁判所にお越しください!
・2012年11月29日提訴以来の長い裁判も、ようやく先が見えてきました。4月から裁判長が交代し、この新しい裁判長の3年の間に、判決に至る可能性もあります。
・12/20(水)は、今年最後の口頭弁論の期日となっています。裁判の内容も、すでに主張すべき点は終わりに近づいていて、証人尋問など今後の展開を検討する段階になっています。
憲法とそれを支えるべき裁判官の良心と勇気に期待して闘っていますが、裁判官を動かすのは、裁判に多くの人が注目していることを示す運動です。皆さまの、目に見える応援が力になります。12月20日には、どうぞ裁判所にお越しください。

◆原告から
・美山診療所 元事務長の原告、原 龍治さんが、原発事故避難について、医療現場に特有の問題点などについて陳述されます。

◆弁護団から
原発事故の際の避難困難性について…道路の通行止めなど交通の問題を主張します。

◆タイムテーブル

12:40…裁判所構内の南東角、弁護士会館の玄関前に集合
12:45…裁判所周辺の定例デモに出発。13:30頃まで
14:10(見込み)…傍聴券の抽選リストバンド配布開始。
 地裁北玄関前。傍聴は誰でも参加可能
14:25(見込み)…裁判所による傍聴席の抽選リストバンド配付終了
 直ちに抽選→傍聴券の配布抽選にもれた方、入廷を希望されず模擬法廷に参加される方は
 15:00までに弁護士会館(地階ホール)の模擬法廷へどうぞ
15:00…開廷、弁論開始。同時刻に模擬法廷も開始
16:15頃から…閉廷後、弁護士会館(地階ホール)で報告集会。45~60分程度

裁判に参加する方法…以下、三つの方法があります。
原告の皆さまは下記、[1] 原告席か、[2] 傍聴席か、[3] 模擬法廷のいずれかでご参加ください。
原告でない方は、[2][3]でご参加ください。

[1] 原告席…法廷の中で柵の内側に、原告として入ります。
被告「関電、国」の正面に座ります。
・原告団が氏名を裁判所に通知します。
【いつもメールによる連絡を受け取っている原告】 12/6頃にメーリングリストにより案内メールをお送りしますので、それを受信されてから、返信として申込ください。
【いつも郵送による期日案内連絡を受け取っている原告】 原告席での参加を希望される場合は、12/12(火)までに事務局宛ご連絡ください。
・コロナ以前は合計35名ほどの原告が参加できましたが、今回は、14名程度となります。
・定員に達するまで、先着順で受け付けます。

[2] 傍聴席…法廷の中で柵の外側。88席あります。
傍聴席に座るには、裁判所が抽選を行います。
傍聴希望者が少なかった場合は、抽選はありません。
・14:10~14:25(見込み)の間に、京都地裁正面玄関前で、抽選リストバンドが配布されます。
・傍聴席は、原告でない方も、誰でも抽選によって参加することができます。
・傍聴席に入ることができなかった場合、または、最初から法廷に入ることを希望されない場合は、次項に記載の模擬法廷にご参加ください。

[3] 模擬法廷…弁護団が用意します(法廷と同じ15:00開始)。そこに参加するには
★弁護士会館★地階ホールへ、直接おこしください。
・法廷よりもわかりやすく、弁護団が解説します。
・事前に提出されている被告(国や関電)側の書面があれば、その解説も行います。

◆報告集会の開催
・法廷の終了後、★弁護士会館★地階ホールにて報告集会を開催します(16:15頃から)。
・裁判の進行などを、弁護団から説明いたします。裁判に関するご質問などもどうぞ。
・コロナ禍の状況によっては、報告集会自体を取りやめる可能性もあります。その場合は、あらかじめ原告団Webサイト(「京都脱原発原告団」で検索可)に掲載します。
・電話でのお問い合わせは、090-5660-2416(吉田あて)。

◆関西電力 闇歴史◆109◆

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◆関電の “安全無視文化” は、1980年代には既に定着!
 もうけ優先の結果、関電の原発で何が起こっていたか!

 (1) 一次冷却水のポンプが破壊寸前!――高浜原発、大飯原発
 (2) 放射能汚染水漏れを放置――美浜原発、大飯原発
 (3) 緊急停止回路を切っての曲芸運転!――美浜原発
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◆『決定版 原発大論争!』にみる関電の “安全無視文化”
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 この闇歴史◆109◆の内容は『決定版 原発大論争! 電力会社 VS 反原発派』(別冊宝島81号、1988年9月発行、1999年12月 宝島社文庫)によるものです。

 同書は、チェルノブイリ原発事故(1986年)以来、急速に高まる国民の批判の声を封じ込めるために、電力会社が作成した『内部資料・原子力発電に関する疑問に答えて』に対して、1988年、反原発派の論客、久米三四郎、小林圭二、生越忠、堀江邦夫、西尾漠、小出裕章、藤田祐幸、槌田敦、山口俊明、高木仁三郎ら15名が反論し、推進か廃炉かの「原発論争」を巻き起こした歴史的名著です。東海村臨界事故が起こった1999年に文庫版として復刻されました。現在も、amazonなどネット通販で中古本が入手できます。

 この闇歴史◆109◆の内容は、同書の中の「第三部 経済性 電力会社 VS 河田昌東」から、“傷だらけの原発たちが告発する電力会社のコストダウンと「金儲け」”(文庫版p.278~)に従ったものです。

 その著者、河田昌東さん(かわた・まさはる、同書肩書は名古屋大学助手)は、現在、「チェルノブイリ救援・中部」でボランティアをされています(関連記事→こちら)。関電はじめ電力会社の “安全無視文化” の闇歴史がいかに根深いものか、鋭く告発しています。

 以下、河田昌東さんの了承の下に引用してまとめ、その後に該当部分を転載しています。(転載は関電以外の部分は省略。漢数字の年号は算用数字に変換)

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1980年代から原発のコストダウン、経済最優先が叫ばれる!
 「ECCS(非常用炉心冷却装置)のような過度な付属設備は除去すべき」

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 1982~83年頃から、原発のコストダウンの必要性が声高に叫ばれだした。その背景には、原発の建設費が急上昇を続ける中、初年度発電原価が石炭とあまり変わらなくなったことがある。このままでは「原発の電気は安い」という経済性神話が崩れそうになってきた。その対処として、ハード面、ソフト面で対策が検討された。

ハード面では、原発建設費のコストダウン。
・設計の合理化。日本の原発は「安全すぎる」のでムダを省く。日本原子力産業会議の有沢広巳会長(当時)は「軽水炉のECCS(非常用炉心冷却装置)のような過度な付属設備は除去すべき」と主張(1986年)。
・原発設計の標準化。
・建設工期の短縮、つまり手抜き工事のすすめ。

ソフト面では、
・過剰検査の是正、つまり手抜き検査のすすめ。
・長期サイクル運転による稼動率向上。定期点検期問をできるだけ短縮し、運転期間をできるだけ延長する。

 このように、現代に至る「安全無視、経済性優先」の“安全無視文化”の流れが1980年代から始まっている。

【注】2023/11/15、関電は、原発の利用率向上に向けて、従来より長い期間の連続運転や点検の効率化に取り組む方針を示した。連続運転については、従来より2ヵ月長い15ヵ月への変更を検討とのこと。

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★以下は『決定版 原発大論争!』~傷だらけの原発たちが告発する電力会社のコストダウンと「金儲け」~から転載。
 
 原発のコストダウンの必要性が業界で声高に叫ばれだしたのは、原発の建設費が急上昇を続ける中、初年度発電原価が石炭とあまり変わらなくなり、このままでは“原発の電気は安い”という経済性神話が崩れそうになった1982~83年頃からである。
 
 この問題に対処するため、たとえば東京電力では、1982年9月、「原子力コストダウンプロジェクトチーム」を設置し、検討を始めている。原発メーカーや電力業界のワーキンググループが考え出した原発建設費のコストダウンのための処方筆は、次の三つである。
 
コストダウンの三つの処方箋
 
 第一に、設計の合理化。その具体的内容は、耐震設計や安全設計の見直し、というもので、要するに、日本の原発は“安全すぎる”のでムダを省いて身軽にし、これによって建設費の数%は下げられる、というものである。
 
 第二に、原発設計の標準化。これまでの原発建設は、建設地の地盤や地形などの地理的条件によって基礎工事などが違い、あるいは以前につくった原発で具合の悪かったところを手直ししたりしながら、一つひとつ、手作りに近いかたちでつくられていた。その結果がコスト上昇につながっている、と言うのである。だから“標準型を決め、余分な設計変更を行なわないようにしよう”というわけだ。
 
 第三は、建設工期の短縮、つまり手抜き工事のすすめである。工期が一ヵ月短縮されれば、建設費の0.2~0.3%程度は安上がりになると試算されていた。
 
 こうしたハード面でのコストダウンを実行すると同時に、ソフト面でも、たとえば、“過剰検査の是正”、つまり“手抜き検査のすすめ”や、“長期サイクル運転による稼動率向上”などが提案されている。
 
 建設費のコストダウンについては、日本原子力産業会議の有沢広巳会長(当時、1988年3月死亡)が、1986年4月8日に行なわれた同会議の第19回年次大会で、「軽水炉のECCS(非常用炉心冷却装置)のような過度な付属設備は除去すべきである。ある面だけ丈夫にしても、安全上意味がなく、ムダな投資である」と所信表明し、話題になった。ところが「それからわずか18日後の4月26日、ソ連のチェルノブイリ原発事故が起こると、日本では、原発推進側から、『(ゾ連炉は)欠陥炉だ、人為ミスだ」の声に混じって、「ECCSのスイッチを切っだのはけしからん」の大合唱が起こり、この有沢発言は、いつのまにか立ち消えになってしまった。もしチェルノブイリ原発事故がなかったら、日本の原発から、ECCSは省かれていたかもしれないのだ。
 
 さて、このようなコストダウン戦略の結果、日本の原発はどのような状況下に置かれることになったか、ソフト面に焦点をあてて見よう。
 
 コスト低減のために稼動率を上げるには、定期点検期問をできるだけ短縮し、運転期間をできるだけ延長する。これが長期サイクル運転である。そのために、さまざまな無理が行なわれ、原発事故につながっている。
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“安全無視文化”のもと、関電の原発では、何が起こったか!
 (1) 一次冷却水ポンプが破壊寸前!――高浜原発、大飯原発

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・1987年7月11日、定格出力運転中の高浜原発1号機で、一次冷却水ポンプの一台が異常音をたてて大きく振動したため、原子炉が手動停止された。原因は、関電が無届けで蒸気発生器内部に金具を取り付け、それが脱落したためと分かった。はずれた金具の一部は、原子炉内に入り込み、循環したらしい。

・この金具は、定期点検の期間短縮のために設置、その後は取り外すべきところ、次の定期検査に使えるとして、そのままにされていた。定期点検をたった四日間短縮するために、関電は、高浜1、大飯1、2、美浜2、3号機など、計5基の原発に同様の金具を取り付けており、さすがの原子力安全委員会も、これら原発の即時停止と金具の取りはずしを命じた。

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★以下は『決定版 原発大論争!』~傷だらけの原発たちが告発する電力会社のコストダウンと「金儲け」~から転載。
★冷却剤ポンプ破壊寸前!――高浜原発・大飯原発

 1987年7月11日、定格出力運転中の関西電力高浜一号で、一次冷却水ポンプの一台が異常音をたてて大きく振動したため、原子炉が手動停止された。原因は、それより三ヵ月前に、関西電力が通産省に無届で、蒸気発生器内に取り付けた重さ7.8キログラムの金具が、高速水流によって振動し、ボルトや止めピンがはずれて脱落、一次冷却水ポンプに巻き込まれたためとわかった。はずれた金具の一部は、原子炉内に入り込み、循環したらしい。この事故は、あと一歩すすめば冷却剤ポンプの破壊と停止、蒸気発生器細管の破断や燃料棒破損による放射能洩れにとどまらず、原子炉制御の最後の頼みの綱である制御棒の作動妨害など、メルトダウンにも核暴走にも発展しうる重大な事故であった。
 
 関西電力は、なぜこのような金具を付けたのだろうか。それまで、定期点検の際には、燃料棒の交換と蒸気発生器の点検を、順次、別々に行なっていたのだが、これを同時並行的に行なうことで点検期間を短縮しようとしたのである。そのために、蒸気発生器の一次冷却水の出入口に臨時の隔離蓋を取り付け、原子炉内の水が蒸気発生器内に流入しないようにした。点検が終わった後、この蓋は取りはずされたが、この蓋の取付金具は、次の定期点検でも使えるように、そのまま蒸気発生器に、ボルトで取り付けられたまま残された。これがはずれたのである。
 
 高浜一号の事故から五ヵ月後の12月17日、今度は大飯一号で同様の事故が発生し、住民の不安は高まった。関西電力は、高浜一号、大飯一・二号、美浜二・三号など、計五基の原発に同様の金具を取り付けており、たび重なる事故に、さすがの原子力安全委員会も、これら原発の即時停止と金具の取りはずしを命じざるをえなかったのである。この金具は、定期点検をたった四日間短縮するためのものだったが、経済性優先のために安全性を犠牲にした典型といえる。
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“安全無視文化”のもと、関電の原発では、何が起こったか!
 (2) 放射能汚染水漏れを放置――美浜原発、大飯原発

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・1987年5月28日、美浜原発3号機は、放射能を含む一次冷却水の水漏れがひどくなって原子炉を手動停止した。以前から毎時7.7リットルも漏れていたのだが、この日、12.5リットルにまで増加したので、やむなく原子炉を止め、修理した。

・1987年6月15日、大飯原発2号機で、放射能を含む一次冷却水が毎日100リットルも漏れながら、一年以上も放置、運転が強行されていたことが発覚。定期点検入りまでに470日間の長期連続運転を達成し、日本新記録をつくったのだが、こうした長期サイクル運転の裏には、30トン以上もの放射能汚染水漏れの放置という、信じがたい事態が続いていた。

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★以下は『決定版 原発大論争!』~傷だらけの原発たちが告発する電力会社のコストダウンと「金儲け」~から転載。
★150トンの放射能汚染水漏れを放置――美浜原発・大飯原発・福島第一原発

 1987年5月28日、関西電力美浜三号は、放射能を含む一次冷却水の水漏れがひどくなって原子炉を手動停止した。パイプのパッキング不良で、だいぶ前から毎時7.7リットルも漏れていたのだが、この日、12.5リットルにまで増加したので、やむなく原子炉を止め、修理したのである。
 
 1987年6月15日、関西電力大飯二号で、放射能を含む一次冷却水が毎日100リットルも漏れながら、一年以上も放置され、運転が強行されていたことが発覚した。関西電力は水漏れを知りながら、2月からの定期点検時までこれを隠し続けていたのである。実は、大飯二号は、この2月定期点検入りまでに470日間の長期連続運転を達成し、日本新記録をつくったのだが、こうした長期サイクル運転の裏には、30トン以上もの放射能汚染水漏れの放置という、信じがたい事態が続いていたのである。
 
 1986年、東京電力福島第一原発二号で定格出力運転中、10月9日から一次冷却水漏れが始まり(毎分約4リットル、一時間約240リットル)、しだいに増加し続けたが、東電は25日間も運転を続行し、11月3日になってようやく原子炉を止めた。原因は、再循環系配管の溶接部に「振動によるひび割れが生じたためであった。この問に漏れた放射能汚染水は、何と150トンにも及んだ。
 
 このひび割れは、パイプの破断と一次冷却水喪失による炉心空だきへと進む可能性があり、非常に重大な事故である。これとまったく同じ事故が、前年7月29日、日本原電の東海第二原発で起こったのだが、電力会社はこの教訓を生かさず、点検を怠っていた結果、同じことを繰り返したのである。
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“安全無視文化”のもと、関電の原発では、何が起こったか!
 (3) 緊急停止回路を切っての曲芸運転!――美浜原発

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・1986年8月2日、美浜原発1、2号機は、落雷によるタービン停止で、原子炉も緊急自動停止することになっていたのに、停止させなかった。緊急停止(スクラム)回路を切って、出力低下(7%まで)のまま、各種機器を大急ぎで点検、操作し、再び出力を回復させるという、曲芸運転をやってのけた。その操作は、警報を鳴らし、点滅する約100個のアラーム・ライトの一つ一つに対応するものであった。操作を誤れば、暴走事故につながりかねない綱渡り、曲芸としか言いようがなかった。
(このあたりは前掲書『決定版 原発大論争!』文庫版のp.19あたりも参考にしています)

・わずか3か月前に起こったチェルノブイリ原発事故が、緊急停止回路を切っての出力低下試験中に発生したことの教訓はどこに行っていたのか。

・しかし、このはなれ技というべき操作をした運転員は、会社から、よくやったと表彰され、金一封をもらっている。原発は止めると、再起動まで時間がかかるし、その間のコストも大きくなることから、原発は止めないことが、電力会社の儲けそのものに直結する。運転の継続を最優先した、恐ろしい安全無視!

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★『決定版 原発大論争!』~傷だらけの原発たちが告発する電力会社のコストダウンと「金儲け」~から転載。
★緊急停止回路を切っての曲芸運転!――美浜原発

 1986年8月2日、日本原電敦賀一号と関西電力美浜一、ニ号から送電を受けている変電所に落雷があり、変電所からの送電がストップした。そのため、負荷を失った上記三発電所のタービンが自動停止した。それに伴い、原子炉も緊急自動停止することになっていた(安全審査資料)のだが、この時、敦賀一号はスクラムしたのに、美浜一、二号はなぜかスクラムせず、出力低下(7%まで)のまま、各種機器を大急ぎで点検し、再び出力を回復させるというはなれ技をやってのけたのである
 
 この時は、当然、タービン停止で発せられるスクラム信号回路を切っていたはずである。この操作をした運転員は、会社から、よくやったとほめられ金一封をもらったとのこと。それというのも、原子炉はいったん停止すると、燃料棒内にキセノン毒が溜まり、数日間は運転が再開できないので、会社にとっては大損害を与えるからである。一旦止めれば数億円の損害を出す、と言われる原発を、いかに止めないかは、電力会社にとって死活問題なのである。
 
 このような緊急停止回路を切っての曲芸運転がいかに危険かは、この事故のたった三ヵ月前に起こったチェルノブイリ原発事故で証明ずみのはずだ。その“意図的操作ミス”を片方で大声であげつらいながら、他方では、このような危険を冒しているのである。チェルノブイリの運転員と美浜の運転員の違いは、「結果良ければすべて良し」ということだけなのだ。
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関電では、事故の日常化、原因を究明しない杜撰な体質がめだっている!
 「金だけ、今だけ、自分だけ」という“安全無視文化”は根深い!

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 関電の原発トラブルは、現在も相変わらず続いている。たとえば、蒸気発生器細管の損傷は、高浜原発3、4号機で、定期検査ごとに連続して発見されている(→◆071-2◆)。しかし、関電は、抜本的な原因究明をせずに、原因を推定したとして運転を再開、継続している。蒸気発生器細管の損傷は、大事故にもつながりかねない大きな問題であるにもかかわらず、規制委も関電の言い分をそのまま認めている。「金だけ、今だけ、自分だけ」という関電の“安全無視文化”は根深い。

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★以下は『決定版 原発大論争!』~傷だらけの原発たちが告発する電力会社のコストダウンと「金儲け」~から転載。
★稼動率競争で傷だらけの原発たち

 以上述べてきたように、日本の原発は今、炉型の違いを問わず、傷だらけの状態で運転されており、言わば、事故の日常化現象が起こってきている。1970年に大阪万博ではじめて原子の灯をともして以来、18年(88年当時)がたち、部品の劣化による事故があちこちで頻繁に起こるようになっているにもかかわらず、今や石油にさえ追い抜かれてしまった発電コスト低減のために、電力各社は少々の事故が起こっても原子炉を止めず、運転を続けながら修理する、などの稼動率競争に明け暮れているのである。
 
 無理やり運転と同時に、事故隠しも少なくない。監督官庁であるはずの通産省(資源エネルギー庁)が、電力会社に対して事故隠しを指示している事実さえ明らかにされ、地元の人びとの怒りをかっている。
 
 1986年11月27日、衆議院科学技術委員会で明らかにされたところによると、1986年の9月16日に起きた敦賀一号のECCSの高圧注水系配管からの水漏れ事故について、資源エネルギー庁は日本原電に対し「非公開とすること」を要求していた。これも、公開によって批判が高まり、原子炉を停止せざるをえなくなる事態を避けたい、という意図のあらわれである。
 
 このように、事故の日常化と事故隠しの体質は、すでに確証された厳然たる事実として、我われの目の前に明らかにされている。安全性を「犠牲にしたコストダウンはあり得」ないという電事連の主張のデタラメさを、原発そのものが、自らの事故史によって激しく告発し続けているのである。
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◆108◆←←関西電力 闇歴史→→◆110◆

◆関西電力 闇歴史◆108◆

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◆関電などによるバイオマス発電事業が破綻(2022年12月)
 結局、発電事業は大東建託に事業譲渡(2023年7月)
 関電の電源構成→原発は20.3%だが、
        →太陽光0.3%、地熱、風力、バイオマスは各0.0%
 【付 RE100 】
 【付 関電の電源構成】

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(1) 2013年12月9日、兵庫県森林組合連合会(県森連)、公益社団法人兵庫みどり公社、ならびに関西電力は、兵庫県、兵庫県朝来(あさご)市と協働で、朝来市における木質バイオマス事業計画を本格的に検討していくことに合意、協定を結んだ。

・未利用木材(間伐材)の搬出から乾燥、燃料チップ製造、燃料チップを活用した発電までを官民協働で行う今回の事業スキームは、「兵庫モデル」といわれ、国内初の取組み。地元の間伐材の有効活用が期待された。関西電力グループにおいては、初めての木質バイオマス燃料専燃発電所。2030年までに50万kW程度の再生可能エネルギー電源を開発することを目標とした。

(2) 2016年から、バイオマス発電事業を開始。年間の発電量は3700万kWh。ただし、当初から赤字が続いた。関電の発電所は、子会社の関電エネルギーソリューション。

【参考】 関電サイト(→こちら)より、兵庫県朝来市における木質バイオマス事業の概要。

(3) 2022年末に破綻。兵庫県森林組合連合会(県森連)が2022年11月に事業撤退を申し出て、関西電力は、2022年12月24日に発電停止。協定は2022年12月25日付けで解約された。5者の協定により、県内の未利用木材=間伐材を搬出し、燃料チップの製造及びバイオマス発電までを行う事業に取り組んできたが、木材価格の高騰「ウッドショック」の影響で燃料となる木材チップの確保が困難となったという。県森連は関電側から損害賠償を請求される可能性を想定し、2022年11月、大阪地裁に特定調停を申し立てた。関電は事業の譲渡を検討。

(4) 2023年7月6日、大東建託(株)は、関電エネルギーソリューション、兵庫県森林組合連合会と、間伐材などを燃料にした朝来バイオマス発電所と、間伐材などの供給センターの事業譲渡契約を締結。2024年度中の再稼働をめざしている。

【参考】大東建託のWebサイト(→こちらこちらも)より。当社は、RE100に加盟し2040年までに、事業活動で消費する電力を100%自社発電の再生可能エネルギーにすることを目標として掲げています。今後は、本発電所で発電した再生可能エネルギーを利用することで、当社グループにおける再生可能エネルギーの国内導入率は50%に達する見込みです。

【付 RE100 】
Renewable Energy 100%、アールイー100。企業が自らの事業の使用電力を100%再エネで賄うことを目指す国際的なイニシアティブ(リーダーシップ)。世界や日本の企業が参加。世界的に有名な加盟企業としては、AppleやGoogle、Microsoftやスターバックス、IKEAやネスレなどが名を連ねている。
「RE100とは?日本企業一覧・取り組み事例やメリットをわかりやすく紹介」→こちら
「RE100とは?意味・読み方や国内外の加盟企業をわかりやすく解説」
(環境価値証書についても)→こちら

(5) 2023年10月19日、新聞報道によれば、衆議院議員(兵庫5区)と県議が代表理事を務める兵庫県森林組合連合会(県森連)に、県が貸し付けた9億円が回収困難となっている。県森連の財政状況が悪化しているとの指摘がある中、県が貸付額を増やしていたことがわかったという。バイオマス発電事業が県森連の資金繰りを悪化させたとみられている。

【付 関電の電源構成】(→こちら
・関電の電源構成は、火力と原子力が中心となっている。LNG火力が第1位で22.3%、続いて、原子力20.3%、石炭火力19.5%となり、この三者で計62.1%をしめる。
・再生可能エネルギーの割合は、大規模水力8.8%を除けば、ごく小さい。とくに、太陽光0.3%、地熱風力バイオマスは各0.0%。この四者で計0.3%にとどまるのは、お粗末としか言いようがない。
・関電の風力発電事業→◆066◆
(2022年度実績)(以下、グラフ及び注記は関電サイトより)


[グラフの注記]
※1 この電気のうち、非化石証書を使用していない部分は、再生可能エネルギーとしての価値やCO2ゼロエミッション電源としての価値は有さず、火力発電なども含めた全国平均の電気のCO2排出量を持った電気として扱われます。
※2 当社がこの電気を調達する費用の一部は、当社のお客さま以外の方も含め、電気をご利用のすべての皆様から集めた賦課金により賄われており、この電気は再生可能エネルギーとしての価値を有さず、CO2排出量については、火力発電なども含めた全国平均の電気のCO2排出量を持った電気として扱われます。
※3 この電気には、水力、火力、原子力、FIT電気、再生可能エネルギーなどが含まれます。
※4 この電気には、他社から調達している電気の一部で発電所が特定できないもの等が含まれます。
注1) 四捨五入の関係で合計が100%にならないことがあります。
注2) 経済産業省の制定する「電力の小売営業に関する指針(2023年4月)」に基づき、算定・公表しています。
注3) 当社は再エネ指定の非化石証書の購入により、実質的に、再生可能エネルギー電気の割合の向上をはかります。

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