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◆原発関係裁判(2)…2025年(7月末現在)の状況

(2025/8/26 現在)

┌──【目 次】────
2025年(7月末まで)の原発関係裁判の判決…7件とも敗訴
判決や決定が近い原発関係裁判…6件
結審が近い原発関係裁判…5件
原発賠償訴訟の判決…2022年以来、国の責任を認めない判決ばかり連続17件
└─────────────

【参考リンク「原発関係裁判(1)…3.11以前からの概況」こちら
【参考リンク「原発関係裁判(3)…最新の状況とこれからの運動」→こちら

◆2025年(7月末まで)の原発関係裁判の判決…7件とも敗訴

  • 鹿児島地裁…原発なくそう!九州川内訴訟。
    ・2012/05/30提訴。2025/02/21に敗訴×→福岡高裁。
    原発なくそう!九州川内訴訟
  • 福岡高裁…グリーンコープ託送料金認可取消訴訟、控訴審。
    ・2020/10/15福岡地裁提訴、2023/03/22敗訴×→福岡高裁、2025/02/26に敗訴×→最高裁。
    グリーンコープ、託送料金を問う
  • 最高裁…福島原発刑事訴訟(東電刑事裁判)。東電旧経営陣3人の刑事責任、上告審。
    ・2016/2/29東京地裁に提訴、2020/09/19敗訴×→東京高裁、2023/01/18に敗訴×→最高裁、2025/03/05に敗訴×
    福島原発刑事訴訟支援団
  • 広島地裁…伊方原発運転差止広島裁判。
    ・2016/03/11提訴、2025/03/05に敗訴×→広島高裁。
    伊方原発広島裁判原告団・応援団
  • 名古屋地裁…老朽原発40年廃炉訴訟。
    ・高浜1、2号機は2016/04/14提訴、美浜3号機は2016/12/09提訴→2025/03/14に敗訴×→名古屋高裁。
    老朽原発40年廃炉訴訟 市民の会
  • 松山地裁…伊方原発運転差止訴訟。
    ・2011/12/08提訴、2025/03/18に敗訴×→高松高裁。
    伊方原発をとめる会
  • 東京地裁…東電株主代表訴訟。東電旧経営陣5人に損害賠償請求、控訴審。
    ・2011/11/14東京地裁に提訴→2022/7/13、4人に13兆3210億円の賠償判決→東京高裁、2025/06/06に敗訴×→最高裁。
    東電株主代表訴訟

◆判決や決定が近い原発関係裁判…6件

◆結審が近い原発関係裁判…5件

  • 京都地裁…大飯原発差止訴訟。
    ・2012/11/29提訴、2025/09/25で結審。判決は2025年度中か。
    ・京都脱原発原告団。
  • 富山地裁…志賀原発株主差止訴訟。
    ・2019/06/18提訴、2025/10/01で結審。
    ・金沢地裁「志賀原発を廃炉に!訴訟」原告団の株主訴訟。なお志賀原発は北陸電力。
    志賀原発を廃炉に!訴訟 原告団ホームページ
  • 大阪高裁…大飯原発3・4号機行政訴訟、控訴審。
    ・2012/06/12大阪地裁に提訴、2020/12/04勝訴→大阪高裁。
    ・2025/11/13の第11回口頭弁論で結審か。
    ・おおい原発止めよう裁判の会(美浜の会)。
  • 大阪地裁…原発賠償 関西訴訟。
    ・2025/09/11第56回期日、2025/12/24第57回期日で結審。
    ・東日本大震災避難者の会 Thanks & Dream。
    原発賠償関西訴訟 KANSAIサポーターズ
  • 福島地裁…生業訴訟 第二陣
    ・2025/8/26に結審。→ただし期日が延期、日程は未定(2025/8/16追記)。
    生業訴訟原告団・弁護団

◆原発賠償訴訟の判決…2022年以来、国の責任を認めない判決ばかり連続17件

  • 2022/6/17最高裁が東電福島第一原発事故について国に責任がないという不当判決を出して以来、地裁、高裁で、追随する判決が例外なく連続している。
    ・詳細は → 京都脱原発原告団 > 市民運動の紹介 > 「京都原発裁判支援ネット」より
    ・2025年(7月末まで)の判決は、以下の2件。
  • 東京地裁…福島被ばく訴訟(井戸川裁判)。
    2025/07/30に東電の責任は認めるが、国の責任は認めない×判決。
    井戸川裁判(福島被ばく訴訟)を支える会
  • 横浜地裁…福島原発かながわ訴訟(第2陣)。
    2025/07/31に国の責任を認めない×判決。最高裁判決後、連続17件目。
    福島原発かながわ訴訟を支援する会

(以 上)

◆原発関係裁判(1)…3.11以前からの概況

(2025/12月末 現在)

┌──【目 次】────
[1]2011.3.11 東電福島第一原発事故以前の状況
 ◆原告側勝訴は2勝のみ、33敗
 ◆2011.3.11 以前のおもな脱原発訴訟と経過
[2]2011.3.11 東電福島第一原発事故以降~現在(2025年9月末)までの
  原発運転差止訴訟の判決や決定は、9勝 54敗!

 ◆本訴は4勝18敗、仮処分は5勝36敗
 ◆その詳細
[3]2011.3.11 東電福島第一原発事故以降の詳細
 ◆原発運転差止、事故賠償請求で多くの訴訟
 ◆原発を包囲して運転差止を求める訴訟
 ◆伊方原発をめぐる最近の訴訟
 ◆全国でさまざまな類型の訴訟
 ◆東電株主代表訴訟。東電旧経営陣5人に損害賠償請求
 ◆原発運転差止、3.11以降は、本訴で4件、仮処分で5件の勝訴
[4]原発運転差止、本訴で4件の勝訴、その内容
 ◆本訴の最初の勝利判決
 ◆本訴の2番目の勝利判決
 ◆本訴の3番目の勝利判決
 ◆本訴の4番目の勝利判決
[5]原発運転差止、仮処分で5件の勝訴、その内容
 ◆仮処分の最初の勝利決定
 ◆仮処分の2番目と3番目の勝利決定
 ◆仮処分の4番目の勝利決定
 ◆仮処分の5番目の勝利決定
[6]2023年以後の原発運転差止訴訟は、原告が19件連続敗訴!
 ◆原発運転差止訴訟も原発賠償訴訟も
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【参考リンク「原発関係裁判(2)…2025年(7月末現在)の状況 」→こちら
【参考リンク「原発関係裁判(3)…最新の状況とこれからの運動」→こちら
 
【参 考…本訴と仮処分】
本訴(本訴訟)とは…通常の裁判手続きのこと。判決がでるまでに長期にわたることもある。通常、地裁から高裁へ控訴、高裁から最高裁へ上告という三審制で、上級審の判決により、権利の内容が確定する。判決が確定するまでは、判決の効力は発生しない。原発運転差止の本訴の場合、差止の判決が出ても、電力会社が上級審に訴えれば、運転は継続される。
仮処分とは…暫定的な権利や地位を定めるだけの手続きのこと。審尋は短期間で終わることが多い。仮処分の裁判で決定(本訴の判決)があっても、権利内容は確定せず、後に本訴で異なる判断が出ることもある。最初の決定の後に保全異議審や即時抗告審などに移ると、前の決定が覆されることもある。原発運転差止の仮処分の場合、差止の決定が出ると、すぐに効力が発生するので、電力会社は、運転を止めなければならない。差止の決定が覆されると、運転を再開できる。

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[1]2011.3.11 東電福島第一原発事故以前の状況
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◆原告側勝訴は2勝のみ、33敗

  • もんじゅ控訴審…初の設置許可無効判決
    ・2003年、名古屋高裁金沢支部が、原子炉の安全審査に違法な点があるとして設置許可は無効と判決。原子力安全委員会の安全審査について「誠に無責任であり、ほとんど審査の放棄といっても過言ではない」とした。
    ・2005年最高裁で敗訴。
    ・2025/7/2、全国初の原発運転差止判決となった志賀2号炉訴訟の記録が廃棄されていたことが、金沢地裁への取材で判明。
  • 志賀2号炉訴訟…初の運転差し止め命令(井戸謙一裁判長)
    ・志賀原発2号炉運転差止請求事件(金沢地裁、井戸謙一裁判長)。
    ・2006年、耐震性の疑問により、運転中の2号機に対し運転差し止めを命令。
    ・国は、裁判で負けてからあわてて、新しい耐震指針を作成。判決から半年後に「原子力発電所の耐震設計審査指針」が改定された。
    ・裁判は、2009年高裁、2010年最高裁で敗訴。
  • 脱原発訴訟はほとんどが敗訴
    ・裁判官は「良心に従い、憲法と法律にのみ拘束される」ことが原則なのに…
    ・憲法第76条第3項…「すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。」

▼『原発訴訟』海渡雄一 著、岩波新書、2012年

▼『法服の王国 小説裁判官(上 下)』黒木亮 著、産経新聞出版、2016年

◆2011.3.11 以前のおもな脱原発訴訟と経過

  • 1973/ 8…愛媛県の伊方原発1号機、設置許可取り消しを求めて提訴。
    住民が初めておこした脱原発訴訟。
  • 1974/ 9…原子力船「むつ」が原子力航行試験中に放射線漏れ事故。
  • 1978/ 4伊方1号機訴訟で松山地裁が住民側敗訴の判決。
    脱原発訴訟で初の司法判断。
  • 1979/ 3…アメリカ・スリーマイル島原発事故。
  • 1984/12伊方1号機訴訟で高松高裁が控訴棄却、住民側敗訴の判決。
  • 1986/ 4…旧ソ連・チェルノブイリ原発事故。
    海外の過酷事故も“対岸の火事”で、住民側敗訴の流れが継続。
  • 1992/ 9…福井・もんじゅ訴訟で最高裁が差し戻し判決。(原告適格を認める)
  • 1992/10伊方1号機訴訟で最高裁が上告棄却。原発訴訟の審理方法と判断枠組みについて初判断。
    最高裁の初判断…裁判所が原発の安全性を直接判断することを否定して、安全審査の調査審議及び判断の不合理性のみを判断する、そしてその判断方法は、現在の科学技術水準に照らして安全審査の調査審議及び判断の過程に看過しがたい過誤欠落があるか、であるとした。
  • 1995/ 1…阪神淡路大震災。
  • 1995/12…もんじゅでナトリウム漏れ事故。
  • 1999/ 7…福井・敦賀原発で一次冷却水漏れ事故。
  • 1999/ 9…茨城県東海村のJCOで臨界事故→刑事裁判、住民健康被害訴訟。
  • 2003/ 1…もんじゅ訴訟(差し戻し控訴審)で住民側が逆転勝訴。
    初の設置許可無効判決。
  • 2004/11…東海第二原発訴訟、最高裁での住民側敗訴が確定。
    1973/10の提訴から31年1か月の審理、最長記録。
  • 2005/ 5…もんじゅ訴訟(差し戻し上告審)で住民側の逆転敗訴が確定。
  • 2006/ 3…石川・志賀原発2号機訴訟の1審で住民側が勝訴。
    初の運転差し止め命令。
  • 2011/ 3…東日本大震災が発生。東電福島第一原発で過酷事故。
    裁判は2勝のまま、東電福島第一原発事故が(>_<)

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[2]2011.3.11 東電福島第一原発事故以降~現在(2025年9月末)までの
  原発運転差止訴訟の判決や決定は、9勝 54敗!
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◆本訴は4勝18敗、仮処分は5勝36敗

  • 本訴の判決は、合計で22件。
     ・そのうち原告が勝訴したのは、4件、敗訴は18件。
  • 仮処分の決定は、合計で41件。
     ・そのうち原告が勝訴したのは、5件、敗訴は36件。

◆その詳細

  • その内訳は次の通り。なお、上関原発をめぐる訴訟は含まず。
  • (1) 福島事故以降、2023年末までの判決や決定の件数は、以下による。
    原発差止訴訟の現状と展望」神戸秀彦。法と政治 75巻1号(2024年5月)によると
    ・本訴の判決は、合計で13件。そのうち原告が勝訴したのは、4件。
    ・仮処分の決定は、合計で37件。そのうち原告が勝訴したのは、4件。
  • ただし、本項では、原告が勝訴した仮処分は、4件とはせず、5件としている。勝利件数を4件→5件としたのは、大津地裁の保全異議審決定を控訴審の判断と同列に扱い、勝利決定としたことによる。保全異議審決定は仮処分決定とは別の判断なので、勝利件数が一つ増えたことになる。原発運転差止裁判に積極的に参加、関与されている井戸謙一弁護士の指摘に従う。
  • (2) 2024年~2025年9月末までの判決や決定の件数を加える。
    ・本訴の判決は、合計で9件。すべて原告が敗訴。
    ・仮処分の決定は、合計で4件。すべて原告が敗訴。
  • (3) なお、2025年12月末まででは、後述を参照のこと。仮処分2件、本訴1件の敗訴がある。

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[3]2011.3.11 東電福島第一原発事故以降の詳細
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◆原発運転差止、事故賠償請求で多くの訴訟

  • 原発などの建設反対、運転差止
    ・全国で約40数件。→ 脱原発弁護団全国連絡会
    ・老朽原発40年廃炉訴訟。
    ・宗教者核燃裁判(六ヶ所再処理工場運転差止)。
  • 東電福島第一原発事故の避難者による集団的な賠償請求
    ・全国で約30 数件。→ 福島第一原発事故賠償訴訟一覧 (Kato Rin)
    ・国や東電の責任を追及。賠償の請求。避難の権利、被ばくをしない権利を求める。

◆原発を包囲して運転差止を求める訴訟

  • 関西電力包囲訴訟…関電はすべての裁判所の本訴、仮処分で勝訴しないと、原発を動かせない。
    ・関電の原発…福井県の大飯3、4号機、高浜1、2、3、4号機、美浜3号機の7基。
    ・福井地裁→名古屋高裁金沢支部
    ・名古屋地裁→名古屋高裁
    ・大津地裁→大阪高裁
    ・京都地裁→大阪高裁
    ・大阪地裁→大阪高裁
  • 四国電力包囲訴訟…四電はすべての裁判所の本訴、仮処分で勝訴しないと、原発を動かせない。
    ・四電の原発…愛媛県の伊方3号機のみ。
    ・松山地裁→高松高裁
    ・広島地裁→広島高裁
    ・山口地裁岩国支部→広島高裁
    ・大分地裁→福岡高裁
  • 包囲はしたけれど
    ・関電の原発も四電の原発も、仮処分で一時的に止めたことはあるが、本訴で実際に止めたことはない。
    ・地裁で勝訴した本訴の中で、高裁でも勝訴した運転差止訴訟は、まだない。

◆伊方原発をめぐる最近の訴訟

  • 4件の本訴の地裁判決のうち、3件で原告敗訴(>_<)
    ・大分県民による伊方原発差止訴訟、伊方原発を止める大分裁判の会
     大分地裁、判決は2024/3/7 、原告敗訴● →福岡高裁で控訴審
    ・伊方原発運転差止広島裁判、伊方原発広島裁判原告団・応援団
     広島地裁、判決は2025/3/5 、原告敗訴● →広島高裁で控訴審
     (仮処分では2017/12/13に広島高裁で勝訴~2018/9/25)
    ・伊方原発運転差止訴訟、伊方原発をとめる会
     松山地裁、判決は2025/3/18 、原告敗訴● →高松高裁で控訴審
    ・伊方原発3号機運転差止山口裁判、伊方原発を止める山口裁判の会
     山口地裁岩国支部、判決は2026/2/26
     (仮処分では2020/1/17に広島高裁で勝訴~2021/3/18)

◆全国でさまざまな類型の訴訟

  • 被ばくをしない権利、被ばくに対する賠償請求
    ・原発被ばく労災 損害賠償裁判(あらかぶさん裁判)。
    ・南相馬・避難20ミリシーベルト基準撤回訴訟。
    ・子ども脱被ばく裁判。
    ・福島被ばく訴訟(井戸川裁判)。
    ・NNR 国賠訴訟(No Nukes Rights、脱被ばく権)。
    ・311子ども甲状腺がん裁判。
  • 東京電力に対して
    ・東電株主代表訴訟…詳細は次項にて。
    ・福島原発刑事訴訟(東電刑事裁判)。
    ・福島農地放射性物質汚染 原状回復訴訟。
  • 関西電力に対して
    ・関電会社訴訟(株主提訴との併合)。
    ・関電株主代表訴訟(金品還流)。
    ・関電株主代表訴訟(土砂処分等高値発注)。
    ・関電カルテル株主代表訴訟。
  • その他
    ・原発メーカー訴訟。
    グリーンコープ託送料金認可取消訴訟。託送料金とは…『はとぽっぽ通信』「電気料金と原発稼働
    ・ALPS処理汚染水差止訴訟。

◆東電株主代表訴訟
 東電旧経営陣5人に損害賠償請求

  • 2011/11/14、東京地裁に提訴
    ・株主48名が旧経営陣5名に対し、22兆円の損害賠償を請求。
    ・2022/07/13勝訴判決。
    ・4人に13兆3210億円の賠償判決。史上最高。
  • 2025/06/06、控訴審、東京高裁
    ・一審判決を取消(株主の請求を棄却)。
    ・「津波は予見できなかった」として、責任を否定。
  • 上告審、最高裁
    ・審理継続中。
  • 被告となった旧経営陣
    ・勝俣恒久(元会長)、清水正孝(元社長)、武藤栄(元副社長)、武黒一郎(元副社長)。
    ・小森明生(元常務)。

◆原発運転差止、3.11以降は、本訴で4件、仮処分で5件の勝訴

  • 本訴で4件の勝訴
    ・関西電力の大飯原発(2014年、福井地裁、樋口英明裁判長)
    ・関西電力の大飯原発(2020年、大阪地裁)
    ・日本原電の東海第二原発(2021年、水戸地裁)
    ・北海道電力の泊原発(2022年、札幌地裁)
  • 仮処分で5件の勝訴
    ・関西電力の高浜3、4号機(2016年、福井地裁)
    ・関西電力の高浜3、4号機(2016年、大津地裁)
    ・関西電力の高浜3、4号機(2016年、大津地裁の保全異議審)
    ・四国電力の伊方3号機(2017年、広島高裁)
    ・四国電力の伊方3号機(2020年、広島高裁)

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[4]原発運転差止、本訴で4件の勝訴、その内容
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◆本訴の最初の勝利判決

  • 概 略
    ・関電の大飯原発(3、4号機)差止訴訟。
    ・福井地裁。2012/11/30提訴、2014/5/21判決。樋口英明裁判長。
    ・福井から原発を止める裁判の会。
    ・判決のポイント【大飯原発は地震に耐えられない、基準地震動が低すぎ】。
    ・2018年、名古屋高裁金沢支部の控訴審で敗訴。

▼『私が原発を止めた理由』樋口英明(元福井地裁裁判長)著、旬報社、2021年。
原発は地震に耐えられない。

▼『ガルで見る 日本の最大地震動』伊方原発広島裁判事務局、2020年。

  • 樋口判決ハイライト
    (1) 人格権…我が国の法制下においてこれを超える価値は他にない。
    (2) 250キロメートル圏内…人格権が侵害される具体的な危険がある。
    (3) 原発の安全性…安全性、信頼性は極めて高度なものであることが必要。
    (4) 原発の稼働…憲法上は人格権の中核部分よりも劣位。
    (5) 司法の役割…具体的危険性が万がーでもあるのかを判断の対象とすべき。
    (6) 地震動への対策…想定を超える地震は大飯原発に到来する危険がある。
    (7) 電気代…人の生存権と電気代の問題を並べて論ずることは許されない。
    (8) 国富とは…豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していること。
    (9) 環境問題…環境問題を原発の運転継続の根拠とすることは甚だしい筋違い。

◆本訴の2番目の勝利判決

  • 概 略
    ・関電の大飯原発(3、4号機)差止行政訴訟。
    ・大阪地裁。2012/6/12提訴、2020/12/4判決。森鍵一裁判長。
    ・おおい原発止めよう裁判の会(美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会=美浜の会 気付)。
    ・判決のポイント【ばらつきが考慮されていないので、基準地震動が低すぎ】。
    ・大阪高裁の控訴審へ。2026/5/28、逆転敗訴。
  • 一審判決の意義
    ・福島第一原発事故をふまえた新規制基準に基づく原発設置許可を、初めて取り消した。
    ・耐震設計の目安となる基準地震動の設定で、重要な要素になる地震規模は、過去の地震データを基にした平均値よりかけ離れる「ばらつき」の可能性があるが、関電は「ばらつき」を考慮せず、規制委も何ら検討せずに許可を出した。過去の地震から導かれた経験式には「ばらつき」があるので、地震規模を推定するときには、 検討が必要 → 他の原発にもあてはまる指摘。
    ・こうした看過し難い過誤、欠落があるので、違法。
    ・ただし、規制委は2022/6/8、基準地震動等審査ガイドの「ばらつき条項」を削除すること等を決定した。

▼「ばらつき」とは
 基準地震動の設定に用いられる「入倉・三宅(いりくら・みやけ)式」は、断層面積と地震規模の関係を示す。
 大飯原発に近いFoB(エフオービー)- FoA(エフオーエイ)- 熊川(くまがわ)断層の面積は 951平方キロとされ、その面積を「入倉・三宅式」に当てはめると、地震規模、加速度は856ガルとなる。これが、大飯原発の基準地震動となっている。
 しかし、データを基にした平均値の式には、平均値からかけ離れた「ばらつき」があり、規制基準ではこの「ばらつき」も考慮しなければならないとしている。
 この「ばらつき」が10%だとすると、951平方キロの地震規模、加速度は最大で2.41倍の1150ガルに跳ね上がる。したがって、856ガルは過小となる。こうした「ばらつき」を検討をしていないのは、「看過し難い過誤、欠落」。

▼逆転敗訴の判決における「ばらつき」の扱い
大飯原発設置許可訴訟の一審許可取り消し判断を覆した大阪高裁判決は、次なる原発重大事故を準備するものである
弁護士 海渡雄一(脱原発弁護団全国連絡会共同代表)
「ばらづき条項については、同条項の挿人に際しての議論の内容等を考慮すると、経験式によって算出される数値に何らかの上乗せをする必要があるか否かを検討すべきことを意味するものとはいえないが、現在の科学技怖水準において、経!験式の有するぱらつきについての考慮は必要であり、主要なパラメータを保守的に設定することにより考慮することが必要と考えられる。」としたうえで、関西電力は、「原子力規制委員会の指摘を受けるなどして、地震モーメントに関連するパラメータを保守的に設定していることが認められ、原子力規制委員会の調査審議及び判断に不合理な点は認められない。」と判断した。

◆本訴の3番目の勝利判決

  • 概 略
    ・東海第二原発(日本原電)差止訴訟。
    ・水戸地裁。2012/7/31提訴、2021/3/18判決。前田英子裁判長。
    ・東海第二原発差止訴訟団。
    ・判決のポイント【避難計画の不備(深層防護第五層)】。
    ・東京高裁の控訴審へ。
  • 判決の意義
    ・避難計画の不備という問題を正面から取り上げ、原発の運転差止めを命じた事例は初めて。
    ・ただし、新規制基準が避難計画を含まないことそのものが不合理だとはしなかった。
    ・深層防護の第五層の防護レベル(重大事故時における避難等の被害緩和策)は、原子炉施設の安全にとって不可欠であるのに、そこが欠けているのは、人格権を侵害する具体的危険がある。
    ・国際原子力機関(IAEA)の国際基準を重視し、原発の運転差止めを認めた判決として評価に値する。

▼国際原子力機関(IAEA)の「深層防護」基準
 安全対策を耐震性など5段階に分け、ある段階で機能しなくても、次で被害を防ぐ考え方。水戸地裁の判決はその考え方に沿って、第1~4段階の安全性は認めたが、第4段階が破られて大量の放射性物質が漏れた際の第5段階である避難計画が、14自治体のうち9自治体で策定できていないと指摘した。原発から30キロ圏内の自治体には避難計画の策定が義務付けられているが、東海第二ではこの範囲に約94万人が暮らしている。

◆本訴の4番目の勝利判決

  • 概 略
    ・泊原発廃炉訴訟(北海道電力、1~3号機=停止中)。
    ・札幌地裁。2011/11/11提訴、2022/5/31判決。谷口哲也裁判長。
    ・泊原発の廃炉をめざす会。
    ・判決のポイント【津波防護施設ができてない】。
    ・札幌高裁の控訴審へ。
  • 判決の意義
    ・津波に対する安全性の基準を満たしていないことを理由として、原発の運転差止めを命じた。
    ・現在設置されている防潮堤について地盤の液状化等のおそれがないことの説明がなされておらず、津波に対する安全性を欠いていると指摘。

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[5]原発運転差止、仮処分で5件の勝訴、その内容└─────────────────────────────────

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【仮処分命令の勝利数の訂正について】
・本稿の初掲載時(2025/8/25)には、仮処分命令の勝利数について、4件7勝としていましたが、現在は、井戸謙一弁護士のご指摘に従い、5件の勝利としました(2025/9/27 改訂)。
・勝利件数が4件→5件になったのは、大津地裁の保全異議審決定を控訴審の判断と同列に扱い、勝利決定としたことによります。保全異議審決定は仮処分決定とは別の判断なので、勝利件数が一つ増えました。
・したがって、大津地裁では、仮処分決定(2016/3/9)と保全異議審決定(2016/7/12)の2件が、勝利決定となります。
・また、これまでは「執行停止申立を認めず」という判断を、勝利数にしていましたが、これはカウントから外しました。
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◆仮処分の最初の勝利決定

  • 福井地裁、樋口英明裁判長
    ・高浜3、4(関西電力)。2015/4/14。
    ・同上、関電による執行停止申立を認めず、2015/5/18。
    ・その後、福井地裁、保全異議審で決定を取消、2015/12/24。
    ・なお、本訴は、「本訴の最初の勝利判決」2014/5/21であったが、
     名古屋高裁金沢支部で敗訴。

◆仮処分の2番目と3番目の勝利決定

  • 大津地裁、稼働中の原発運転差止
    ・高浜3、4(関西電力)。2016/3/9。
  • 大津地裁、上記の保全異議審で、関電による異議を認めない決定
    ・高浜3、4(関西電力)。2016/7/12。
    ・保全異議審の決定は仮処分決定とは別の判断なので、控訴審の判断と同列に扱う。
    ・その後、大阪高裁、保全抗告審で決定を取消、2017/3/28。
    ・なお、本訴は、大津地裁の美浜、大飯、高浜原発差止訴訟。2025/12/25判決。

◆仮処分の4番目の勝利決定

  • 広島高裁、伊方の運転差止
    ・伊方3(四国電力)。
    ・広島地裁では原告敗訴であったが、
     広島高裁の即時抗告審で2018/9/30までの運転差止。2017/12/13。
    ・同上、広島高裁は四電による執行停止申立を認めず。2018/3/22。
    ・その後、広島高裁、保全異議審で決定を取消、2018/9/25。
    ・なお、本訴は広島地裁の伊方原発運転差止広島裁判。2025/3/5 原告敗訴の判決→広島高裁で控訴審。

◆仮処分の5番目の勝利決定

  • 広島高裁、伊方運転差止の2例目
    ・伊方3(四国電力)。広島高裁、2020。
    ・山口地裁岩国支部では原告敗訴であったが、
     広島高裁の即時抗告審において、本訴の判決がでるまで運転差止。2020/1/17。
    ・その後、広島高裁、保全異議審で決定を取消、2021/3/18。
    ・なお、本訴は、山口地裁岩国支部の伊方原発3号機運転差止山口裁判。2026/02/26判決。

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[6]2023年以後の原発運転差止訴訟は、
  2025年末までで原告が 19件連続敗訴!

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◆原発運転差止訴訟も原発賠償訴訟も

  • 2023年以後は、原発運転差止訴訟のすべての本訴、仮処分で、原告が19件連続敗訴となっている。2022年7月、岸田文雄首相は、GX実行会議の初会合を開催し、2023年2月には「GX実現に向けた基本方針」を閣議決定し、原発の新増設など原発の最大限活用を明記した。2025年2月にはエネルギー基本計画を改悪した。こうした流れが司法、原発運転差止訴訟にも及んでいる。(→ GX参考年表
  • 東京電力福島第一原発事故にかかる原発賠償訴訟において、2022/6/17の最高裁不当判決後、地裁、高裁での国の責任否定は、17判決連続という異常事態となっている(→こちら)ように、国家権力=立法行政司法三権による “原発無責任体制” ができあがっている。

▼2023年~2025年末までの原発運転差止訴訟の結果

(2023年以後の原発運転差止訴訟は、2025年末までで原告が 19件連続敗訴!)
(最後の勝訴判決は、2022年5月、泊原発運転差止の本訴。)
(以 上)

◆関西電力 闇歴史◆124◆

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◆関西電力が各方面に万博チケットを無料配布!
 原発立地地域の振興のため高浜町、おおい町、美浜町へ、
 さらに原発立地県や電力関係の報道記者へも

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 関西電力グループは、2025年国際博覧会(大阪・関西万博)の入場券20万枚を購入。関電の森望社長が2023/10/30の記者会見で明らかにした。グループ企業社員や協力企業の社員にも福利厚生の一環として配布するとしている。その後、2024/12には、5万枚の追加購入を決めた。万博運営主体の日本国際博覧会協会(万博協会)は経済界に700万枚の前売り券の購入を求めてきたが、それに応えるもの。ただし、関電が購入した25万枚の万博チケットは、グループ企業や協力企業以外にも配付されている。
 関電が購入した万博チケットの原資は、利用者が支払う電気料金だけに、勝手な使い途は許されないはず。

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◆原発立地の3町、高浜町、おおい町、美浜町へ!
 配付の目的は、原発立地地域の振興(×_×)

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 原発が立地する福井県嶺南地域では、美浜町、おおい町、高浜町の原発立地3町について、関電は原発立地地域の振興を目的に、小中学生と保護者480人を無料招待する。各町と共同でバスも運行する。さらに美浜町は独自でもバスを運行し、町内すべての小中学生が無料で会場まで往復できるようにする。

【参考】
 なお、福井県は、県内の小中高生約8万人を対象に、万博チケットを無料配布する。学校を通して入場に必要なチケットIDを配るというもので、受け取った後は都合のいい日時を選んで各自で予約する。そのため、大阪までの交通費や家族のチケットの購入費は自己負担になる。

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◆原発立地県や電力関係の報道記者へも!
 配付の目的はどこにあるのか?

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 『週刊金曜日オンライン』(2025/7/4)によれば、関電が、複数の記者クラブに所属する記者らに対し、大阪・関西万博の一日券(定価:大人7500円)を配布していた。報道機関に所属する記者の倫理が問われているし、配付した関電の意図も問われる。

 関電と報道機関との「距離の近さ」は、2012年8月3日『朝日新聞』夕刊に掲載された原発とメディアを巡る連載などで、ジャーナリズムの腐敗を示している。社会公正上、公正な意見を表明するべき記者やマスコミ機関が受け取ることは適切なのか、これは記者やマスコミ機関の報道を担うものとしての矜持に関わる。
 なお、日本新聞協会の新聞倫理綱領は、以下のように述べる。
 
「新聞は公正な言論のために独立を確保する。あらゆる勢力からの干渉を排するとともに、利用されないよう自戒しなければならない。」

▼関電京都駅前ビル、山本道子さんのFB投稿より拝借

◆123◆←←関西電力 闇歴史→→◆125◆

◆関西電力 闇歴史◆123◆

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◆高浜3号機、下請け作業員が燃料移送用のプールに転落!
 30分後に引き上げられ、腰の骨を折る重傷であったが
 被ばく線量に問題なしとして、1日も休まず出勤
【付 加圧水型原発における核燃料の交換】

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 定期点検中の高浜原発3号機で、2025年4月30日夜、下請け作業員(43歳)が燃料移送用プール(水は放射性物質を含む)へ8m転落し、30分後に引き上げられたとのこと。水深は約4メートルだったが胸元までつかった状態でとどまり、周囲にいた作業員に補助クレーンを使って救出された。水は飲んでいないという。作業員が転落した開口部は縦約1.6メートル、横約2.2メートルで、クレーン作動のために設けてあり、シートで覆われていた。作業員は歩行可能エリアではないことを認識せず、シートの下に床面があると思い込んでいて落下した。作業計画書には開口部に関する注意事項の記載はなかった。

 転落した作業員は引き上げられてからシャワーで全身洗浄。管理区域から退出した際の外部被ばく線量は0.01ミリシーベルトで、1日の計画線量0.9ミリシーベルトを下回った。内部被ばくの影響を示す実効線量も0.01ミリシーベルト未満と評価し、法令に定める線量限度の年50ミリシーベルトに比べて十分低いとした。事故当時、プールには核燃料は入っていなかった。

 関電の説明のほかには調査報道もごく少なくて、不明な点が多い。燃料移送用プールの水は汚染水だが、どのくらいのレベルなのか。転落した労働者の被ばく線量は、発表の通りかどうかは確かめようがない。転落して30分も水につかっていたのに、「水を飲んでいない」というのは、本当か。腰の骨を折る重傷なのに被ばく線量に問題なしとして、1日も休まず出勤というので、大丈夫か。原発ではこれで普通なのか。

 なお、燃料プールの水については、以下のような指摘もある。「燃料プールの水は、膨大な濃度のトリチウムを含んでいるはず。トリチウムの放射線エネルギーは小さいので、外部被曝量は多くないかもしれないが、飲んでしまったら、大変な内部被曝になるのでは。原発から排出される水のトリチウムの許容濃度は6万ベクレル/リットルとなっているが(環境中の濃度は約1ベクレル/リットル)、これは、燃料プールの水などが放出されたときに、問題にならないように恣意的に決められた値だと思われる。」

関電の説明

原子力発電所の運営状況、保全品質情報等」(2025年5月1日)によると、以下の通り。
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 高浜発電所3号機(第27回定期検査中)において、4月30日20時23分頃、原子炉格納容器(管理区域内)の燃料取替クレーンの手すりに汚染拡大防止の養生を実施していた作業員が、床面の開口部に気付かず水張り中の原子炉キャビティ※1に落水しました。このため、直ちにクレーンで作業員を引き上げました。
 作業員はシャワーによる全身洗浄等の除染を行った後、退出モニタで身体汚染がないことを確認し、管理区域から退出しました。その後、ホールボディカウンタ※2やアラーム付きデジタル線量計※3による測定の結果、異常は認められませんでした※4。

※1:料取替え時に水を満たすことにより、燃料から放出される放射線を遮へいするために設置しているプール。事象発生時は燃料装荷の準備のため、原子炉キャビティには深さ約4mの水が張られていた。
※2:体内に摂取された放射性物質の量を体外から測定する装置。
※3:作業員の管理区域立入毎の被ばく線量を測定する装置で、被ばく線量や入域時間が設定レベルに達したときにアラームが鳴る仕組みになっている。
※4:体内に摂取された放射性物質による今後50年間の実効線量(減衰や体内からの排泄等を考慮して算出される線量)は、0.01mSv未満であり、作業時の外部被ばく線量は0.01mSvであった。
この値は、法令に定めのある線量限度の年間50mSvに比べて十分低い。

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ジャーナリストの取材では

まさのあつこ 地味な取材ノート
(関電に対する質問と関電の回答。以下は上記サイトの要点のみ抜粋)
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燃料移送用プールに落下して腰を骨折。
だが、1日も休まず出勤:高浜原発3号機の下請作業
Q:8m落下する危険がある場所で命綱はしていなかったのか?
A:作業員の作業経験が浅かった。他の作業員は知っていた。
Q:「作業員はシャワーによる全身洗浄等の除染を行った後」、「身体汚染がないことを確認」したとありますが、除染前の線量は?
A:管理区域に入る時と出る時に測定しており、引き上げた直後には線量を測定していない。出ようとした時に退出モニタの警報が鳴ったので、シャワーを浴びた。
Q:以前にも同様の落水事件が起きている(2008年に大飯原発1号機で落水事故)が?
A:作業に従事し始めて4ヶ月の経験の浅い方で、この方は開口部であることを認識していなかったが、他の方は知っていた。
Q:落下された方の状況は?
A:4月30日夜間に落水して、病院に行ったのは5月1日。腰の骨を骨折。右親指打撲。4週間の治療期間だが、軽作業は可能だということで、机上の事務作業なら良いということで、5月1日から出社している。
└─────────────

【付 加圧水型原発における核燃料の交換】
・上図で原子炉容器の蓋の下部から「約8m」となっている部分まで、水で満たす。放射線遮蔽のため。
・「燃料取替クレーン」を原子炉圧力容器の上まで持ってきて上蓋を開ける。
・「核燃料」を引き上げ、吊り下げたまま適当な位置まで水中を移動させる。
・吊り下げた縦向きの「燃料棒」をキャビティ下部で横向きに寝かせる。
・以上が格納容器内の作業。それから、寝かせた燃料棒を格納容器から外に出す。
・「燃料移送管」というトンネルの中を通して「使用済燃料ピット」(プール)まで移動する。
・「使用済燃料ピット」で縦向きに戻して(立てて)保管する。
・以上のような過程、「加圧水型原発の使用済み核燃料取り出しの危険性」については、下記に解説あり。細いトンネルの脆弱性、燃料棒がトンネルを通過しているときに大地震が来たら(×_×;)などなど。
→ 広瀬隆 著『日本列島の全原発が危ない! 広瀬隆 白熱授業』p.119
DAYS JAPAN(デイズジャパン)2018年1月号増刊号
チラシ「使用済み核燃料プールが危ない」(2017年12月15日,京都キンカンで配付)


▲加圧水型原子炉の燃料プール(ピット)の概念図
 格納容器で青太線より上の部分は、燃料棒を出し入れするときに、点線部=使用済燃料プール水面と同一レベルまで水を張る。上図では水面が少し違っているように見えるが、同一とみなしてください。格納容器で、その水を張る部分を、原子炉ウエルという。

◆122◆←←関西電力 闇歴史→→◆124◆

◆関西電力 闇歴史◆122◆

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◆関電と地震研究者の“癒着”、研究者が原子力ムラの一端をになう!
 日本の地震研究のリーダー格であった東大名誉教授が
 関電副社長の “激励と協力を賜って” 組織した「古地震研究会」で
 若狭湾で巨大な地震や津波が起こったことはないとしている。

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 日本で古い記録に残る大地震といえば、福島第一原発事故でも注目された貞観[じょうがん]地震(869年、『理科年表』でM8.3±1/4)が代表的だが、さらに古い地震の記録もある。その一つが、701(大宝[たいほう]元)年の大宝地震で、『続日本紀』に記述されている。震源は判明していないが、現在の京都府を中心とした日本海側の地域に津波の伝承が残っている。なお、701(大宝元)年には、持統天皇のときに大宝律令ができている。

 『日本の地名 由来のウソと真相』(楠原[くすはら]佑介 著、河出書房新社)の中の、天橋立[京都府]◎天橋立という珍地名の謎を解く「沈島伝説」(p.124~131)という項目で、興味深い記載があった。
(以下、敬称略)

▼『日本の地名 由来のウソと真相

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◆沈島伝説と大宝地震
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  • 『日本の地名』では、若狭湾に冠島(大島とも、標高170 m)、沓島(くつじま、小島とも、標高70 m)という二つの島があり、現在は2.6 km離れている。しかし、この二つの島は、もともとトンボロ(陸繫砂州、りくけいさす)でつながった一つの島だったのでは。伝承によれば、701(大宝元)年の地震により島が沈み、二つの島になったという。
  • ただし『理科年表 2024』では以下のように記す。
    丹波:地[ち]震[ふる]うこと3日。被害が不明なのでMも不明。藤原京では感じなかったらしい。若狭湾内の汎海[おおしあま]郷が海に没したという「沈島伝説」は否定されている。
  • このように、現代の地震学では「沈島伝説」には根拠がなく、単なる伝説とされている。
  • ただ、興味をひくのは、関電との関係にある。長年、日本の地震研究のリーダー格であった萩原尊禮[たかひろ]東大名誉教授は「古地震研究会」によって冠島沈島伝説などを検証し、『古地震 歴史資料と活断層からさぐる』(1982年、萩原尊禮編著、東大出版会)を刊行している。その研究会には、“畏友”の吉田登[みのる]関電副社長の “激励と協力を賜った”として謝意を呈している(『古地震』p.312 あとがき)。

▼『古地震 歴史資料と活断層からさぐる

  • 『古地震』では、第Ⅱ部第6章「大宝元年の地震の虚像―若狭湾冠島・沓島の沈没」の中で「一 冠島沈没の資料吟味」「二 冠島の地学調査」で15ページにわたり、詳しく検証し、伝説に過ぎないとしている。
  • また、大宝地震については結論として「局発地震であり…大きくみても北丹後地震より一階級小さいM6.5程度であろうか」としている。なお、北丹後地震は1927年、M7.3。
     
  • 一方、『日本の地名』の著者は、その論理には問題点があると、以下のように指摘している。
     
  • その問題点(1)…大宝地震の震源の位置は、冠島のすぐ西側とか南南西8 km地点ではなく、島の東18 kmの若狭湾断層群ではないか。なお、『日本の地名』の著者は「若狭湾断層群」としているが、これは大飯原発に近い海底断層のFO-B[エフオービー]、FO-A[エフオーエイ]断層のことで、陸域の熊川[くまがわ]断層に連なっている。
  • その問題点(2)…天橋立をつくった大量の土砂は、いったいどこから運ばれたか、という問題。『古地震』は、一回の地震で島が60 mも沈降することはありえないというが、沈降したのではなく、若狭湾の二つの島の間のトンボロの土砂を津波が押し流したのではないか。『日本の地名』では「3.11の東北地方太平洋沖地震による大津波は、釜石湾口の水深60 mの海底に固定された津波防止用の防潮堤を根こそぎ覆していることからも、ありえないことではない。」としている
  • その問題点(3)…『日本の地名』では、以下のように記している。「『古地震』第Ⅱ部第6章の執筆者3名の一人はほかならぬ関西電力建設部の課長であった。前記した “激励と協力”の内実を、私は知らない。だが、こういう現象は、われわれの社会では、通常 “癒着”と呼ぶ。」と。
     なお、『日本の地名』の「『古地震』第Ⅱ部第6章の執筆者3名」の部分は、正確には、6章一の執筆者が1名、6章二が3名、というのが正確。後者の3名のうちの一人とは、同書の執筆者紹介から大長[だいちょう]昭雄とわかる。
     また、大長昭雄は「関西電力建設部の課長」と記述されているが、当時「課長」であったかどうかは確認が取れなかった。

【参考】吉田登[みのる](1908~1999年)→こちら
1951年に関電の建設部土木課長となり、その後、建設部長、取締役建設部長、常務取締役、取締役副社長として、黒部第四発電所、その後は揚水式発電所の建設に関わった。萩原東大名誉教授が “激励と協力を賜って”と『古地震』(1982年刊)に書いた当時は取締役副社長。

【参考】大長[だいちょう]昭雄(1929~?)
1963年度土木学会・奨励賞を受賞「アーチダムの基盤内の浸透流に関する実験的研究」。1979年に地震学会講演予稿集春季大会で「大宝元年(701)の地震について–史科学, 地形学および地震学上からの考察」との論文がある(『古地震』と同じ4名の共著)。『古地震』の執筆者紹介によれば、ダム工学、地震工学を専門とし、関電の建設部副調査役のほか、大阪市立大非常勤講師など。

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◆『日本の地名』…「天橋立」と「浦島伝説」
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  • 「天橋立」という地名は、若狭湾内にあって海に没したという「汎海[おおしあま]郷の土砂でできた橋立(水平に長く延びた地形)」のことではないか。汎海郷の「凡[おおし]」は官がつけた冠称で、「天橋立」とは「海[あま]郷の土砂でできた橋立」を意味するのでは。
  • 伊根町には浦島太郎伝説に関係すると考えられる神社があり、巨大津波に襲われた歴史を物語るのではないか。「浦島伝説」は単なる伝説とは片付けられないものがある。
  • ネットを検索すれば、Wikipedia(大宝地震)のほかにも、「丹後に伝わる津波伝承」「近畿北部に大津波“10m超”も(Yahoo!News.2024/11/7配信 リンク切れ)」「天橋立・舞鶴大津波 史実か(京都新聞、福井原発訴訟(滋賀)支援サイト、甲第113号証)」などの記事がヒットする。

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◆若狭湾での巨大な地震や津波は否定できても、
 関電と研究者の親密な関係は否定できない

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  • 若狭湾には関電の原発が集中している。関電が、若狭湾では巨大な地震や津波が起こったことはないという主張のために、「古地震研究会」によって手を打っていることが分かる。関電建設部の土木課長、後に取締役副社長になった人物が、日本の地震研究のリーダー格であった東大名誉教授の“畏友”となり、“激励と協力”を惜しまなかった関係には、“癒着”と指摘される要素をうかがうことができる。
  • 原発利益共同体いわゆる「原子力ムラ」の一端をになった研究者として、記録に残されるべき人物と言える。
  • 大宝地震が歴史的事実であったかどうか、どの程度の規模であったのか、若狭湾各地を大津波が襲ったのかどうか、などは、今は分からない。ただし、過去にM7クラスの地震がおこったことがないとしても、将来にも起こらないとは言えない。地震予知はできないのだから。日本海に「海域活断層」のリスクが大きいことは、2024年の能登半島地震でも明らかになっている。
  • 若狭湾における過去の地震や津波は否定できても、関電と地震研究者の過去の親密な関係は否定できない。そして、関電は現在も、若狭湾やその周辺ではM7を超える地震はないという立場をとっている。
  • しかし、もしも若狭湾のFO-B、FO-A断層とそれに連なる陸域の熊川断層、それらと共役[きょうやく]断層となる上林川[かんばやしがわ]断層などでM7クラスの地震が起こった場合、大飯原発の揺れの強さが現行の基準地震動以内に収まる保証はない。原発は「止める、冷やす、閉じ込める」ができなかった場合、どうなるか。福島第一原発事故が多大の犠牲の上に教えてくれている。原発の運転は、人格権侵害の危険性がある。

◆121◆←←関西電力 闇歴史→→◆123◆

◆関西電力 闇歴史◆121◆

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◆関電は、破綻した「使用済み燃料対策ロードマップ(工程表)」を見直したが
 「新ロードマップ」は、またしても老朽原発の運転を継続するための詭弁!
 六ヶ所再処理工場にも中間貯蔵施設にも「実効性」はない!
 関電は、使用済み燃料を乾式貯蔵施設に保管して原発延命を企む!
 【付 六ヶ所再処理工場–アクティブ試験と新規制基準】

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【関連項目】
・使用済み核燃料の中間貯蔵施設をめぐる関電と福井県の動き
 (まとめ:空約束から実効性なき新ロードマップ…2025年8月まで)→◆126◆
・新旧ロードマップ図解の対照→◆119◆
・ロードマップが破綻→◆114◆
・中間貯蔵施設をめぐる空約束→◆012◆
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▼2023年10月、関電が「使用済み燃料対策ロードマップ」を示す
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 関電は、「使用済み核燃料の中間貯蔵候補地を福井県外に探す」と何度も福井県と約束しながら、すべてを反故にしてきた(◆012◆)。最近では、2023年10月、いかにも近々、青森県の六ヵ所再処理工場への搬出が可能であるかのように見せかけた「使用済み燃料対策ロードマップ」を福井県に示した。

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▼2024年8月、関電のロードマップは早くも破綻◆114◆
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 ところが、関電がロードマップで示した願望は、2024年8月、日本原燃が27回目の六ヵ所再処理工場の完成延期(約2年半)を表明した(◆003◆ 付(2))ことによって破綻。ロードマップは、老朽原発の運転を継続するための詭弁で、実現性が全くない「絵に描いた餅」であった。

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▼2024年9月、関電は2025年3月末までにロードマップを見直すと大見得を切る
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 それでも、関電は開き直って、またもや「ロードマップを本年度末(2025年3月31日)までに見直す。実効性のある見直しができなければ、老朽原発・高浜1、2号機、美浜3号機を運転しない」と大見得を切った。

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▼2025年2月、関電は福井県に「新ロードマップ」を提出◆119◆
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 関電は、2月13日、「実効性のある見直しができた」とする「新ロードマップ」を福井県に提出した。しかし、その内容は「使用済み核燃料のフランスへの搬出量を倍増させる(合計:ウラン使用済み燃料380トン、MOX使用済み燃料20トン)」とか、稼働延期を繰り返し稼働の見込みが極めて薄い再処理工場(青森県)への2028年度からの搬出(198トン)などであった。今回も、小手先の奇策、詭弁を弄して、誤魔化す内容であった。福井県外に、使用済み核燃料の中間貯蔵候補地を見つける、という約束は以前として無視されている。
【参考】2023年10月のロードマップ、2025年2月の新ロードマップの図解→◆119◆

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▼2025年3月24日、福井県も老朽原発の稼働継続を容認
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 使用済み核燃料の県外搬出を求めていたはずの杉本達治・福井県知事は、3月24日、関電が再提出した「新ロードマップ」を、「実効性があるものと判断する。」と容認した。老朽原発に対する不安が広がっている県民の意見は聞いていない。またもや、老朽原発の稼働継続のための「出来レース」をやってのけたわけである。何度、福井県民をないがしろにすれば気が済むのか。

┌─────────────
▼期限の2025年3月31日、やはり実効性のある見直しはなされず
└─────────────
 関電の森望社長は、2024年9月5日、杉本福井県知事と面談し、使用済み核燃料の県外搬出に向けた「ロードマップ」を、「本年度末までに見直す。実効性のある見直しができない場合、高浜1、2号機、美浜3号機を運転しない」と述べている。しかるに、3月31日になっても、実効性ある見直しはできていない。実効性がまるでない「新ロードマップ」で誤魔化そうとしている。関電の「新ロードマップ」は、またもやその場しのぎの空約束と約束反古を繰り返すものである。

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▼2025年3月31日、約束反故の関電糾弾、老朽原発を運転するな!の集会とデモ
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 老朽原発うごかすな!実行委員会」は、ロードマップ見直し提出期限である3月31日、美浜町の関電原子力事業本部前において「3・31使用済み核燃料の行き場はないぞ 関電は約束まもれ!美浜集会」を開き、町内デモを行った。原子力事業本部に対しては、「関電は老朽原発、高浜1、2号機、美浜3号機を運転するな!」「嘘と欺瞞の関電を許さない!」の抗議と警告を表明した文書を手渡した。右翼の集会妨害は、シュプレヒコールで反撃、約200人が参加。
  
  

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▼関電の「新ロードマップ」が既に破綻している理由
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(1) 六ヶ所再処理工場にも中間貯蔵施設にも「実効性」はない。六ヵ所再処理工場の2026年度内での竣工はきわめて困難。六ヶ所再処理工場の設計工事認可審査で耐震補強工事が必要になっても、アクティブ試験に伴う「レッドセル問題◆003◆ 付(2))」(主工程が極度に汚染され立入不可)で補強できず、不合格になる可能性がある。

(2) 仮に竣工できたとしても、高々10%操業にとどまらざるをえない。「余剰プルトニウムを持たない」との国際公約から、原子力委員会の「プルサーマルに必要な量だけ再処理認可」方針があるため。したがって使用済み燃料を再処理工場にどんどん搬出することはほぼ不可能。

(3) 関電の原発で約4分の1をしめる高燃焼度使用済み燃料は、六ヶ所再処理工場での再処理も、中間貯蔵施設への搬出もできない。使用済みMOX燃料も同様。

(4) 関電は「使用済MOX燃料の再処理実証研究」として、2027年度から使用済MOX燃料を含む400トンをフランスに搬出する計画。しかし、再処理後に生まれる高レベル廃液ガラス固化体について、関電や電事連は「高レベル廃棄物は日本に返還される」ことを認め、返還先は「今後検討する」とのみ答えている。そして青森県は、六ヶ所村では受け入れない旨を表明している(3月8日東奥日報、4月1日共同通信)。青森県が受け入れないのであれば、福井県で受け入れるのか。

【参考】森重晴雄さんのFB投稿によれば、
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・青森県民の癌患者や小児がん患者は再処理試験開始以来20年間全国ワースト1位。
・再処理施設の430トン試験処理以来、青森県の癌死亡率や小児がん発病率は何れも日本ワースト第1位。
・青森県の小児がん発生率が全国平均のなんと約27倍。
・フランスで再処理し返還された残骸にはプルトニウムなどの放射性物質が残っている。その残骸を収納した保管容器は完全に閉じ込め出来ないので僅かずつ漏れる。しかも10年に1回、保管容器の蓋と本体のあいだにあるパッキンを交換しなければならない。パッキンは10年で劣化する。保管容器は開放せざるを得ない。その時にいくらフィルターを通しても環境中に放射性物質が放出される。
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 六ヶ所再処理工場の本格操業では、年間800トンの処理量が予定されている。これまでのアクティブ試験の430トンから倍増に近い。がん発病率がどうなるのか、青森県はこれ以上放射性廃棄物を受け入れた場合のリスクを考えざるを得ないのでは。

 
【付 六ヶ所再処理工場–アクティブ試験と新規制基準】

  • アクティブ試験とは…使用済み核燃料430トンを溶解、その高レベル廃液を用いたガラス固化体の製造試験、ガラス溶融炉の安定運転性能の確認および処理能力の確認のためのテスト運転。2006年3月31日に開始。
  • 2006~08年にかけて、使用済燃料を用いたせん断、溶解処理が実施され、これに伴って、環境中にトリチウム、炭素14、クリプトン85、ヨウ素129などの放射性物質が大量に放出された。
    →原子力資料情報室…六ヶ所再処理工場の放出放射能に関する情報『アクティブ試験計画書』
  • 2007年11月、2008年10月にガラス固化設備の試験が行われた。
    ・白金族元素が炉底部に堆積して流下不調
    ・東海村に設置している実規模のモックアップ試験施設で原因究明、対策の構築
    ・モックアップ試験にて白金族元素の炉底部への堆積を防ぐことができた
  • 2012年12月~2013年5月に改善したガラス固化試験を実施
    ・安定運転の確認、2013年5月にガラス固化試験を終了
    ・事業者としての検査は終了
    ・今後、新規制基準への適合が必要。事業者自らが行う使用前事業者検査としてガラス固化試
    験を実施する必要がある。(規制当局は、事業者の活動を確認する立場)
    ・ガラス固化試験(2013年度)から六ヶ所再処理工場のガラス溶融炉は、10年以上運転していない。2013年度以降の若手社員は、使用前事業者検査で、初めてガラス固化の運転操作を行うことになる。
    ・高レベル放射性廃棄物の現在量(はんげんぱつ新聞、2023年3月末現在、【付(2) 核燃料サイクルと、核のごみ】)によれば、六ヶ所再処理工場には、ガラス固化体346本のほかに、244立方m(約460本相当)の高レベル廃液が残っている。
  • 新規制基準への適合
    ・2014年に新規制基準への適合性審査を申請
    ・2020年7月に事業変更の許可を取得
    (つまり新規制基準に沿ったさまざまな対策を反映する許可を得る)
    ・2022年12月に第1回の設計及び工事計画の認可(設工認)を取得
    ・2022年内に主要な安全対策工事をおおむね終了したとされ、2022年12月に第2回設工認、すなわち竣工に必要な「安全対策工事を進めるための設計および工事計画の認可」を申請。しかし、建物などの耐震設計に必要な「地盤モデル」の全面的な見直しなどにより、この審査が想定より大幅に遅れ、長期化している
    ・2024年8月29日、日本原燃は再処理工場の完成時期を約2年半延期し、2026年度末にすると発表。延期は27回目
  • 上記は、以下の資料ほかによる
    六ヶ所再処理工場のガラス固化試験について(2022年8月23日、日本原燃株式会社)
    再処理工場のしゅん工に向けた進捗状況(2025年3月24日時点、日本原燃株式会社)

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【参考(1)】
◆003◆ MOX燃料、核燃料サイクルなど
【付(2) ◆核燃料サイクルとその破綻–六ヶ所再処理工場の完成延期】…六ヶ所再処理工場は完成延期を重ねている。レッドセル問題とは。処理できない使用済み核燃料(使用済みMOX燃料、高燃焼度燃料の使用済みウラン燃料)。
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【参考(2)】
◆082◆
核燃料サイクル5施設(青森県六ヶ所村)…日本原燃株式会社の①再処理工場、②低レベル放射性廃棄物埋設センター、③ウラン濃縮工場、④高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター、⑤MOX燃料工場
【付(1) 電事連の核燃料サイクル、新聞広告】
【付(2) 核燃料サイクルと、核のごみ】…ガラス固化体、核のごみ、最終処分場、高レベル放射性廃棄物の現在量(はんげんぱつ新聞、2023年3月末現在)、人工バリアなどについて。
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▼乾式貯蔵施設の建設へ
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 六ヶ所再処理工場中間貯蔵施設も、もはや満杯に近い関電の使用済み核燃料の解決策にはならない。結局、関電の使用済み燃料は、乾式貯蔵施設に保管され続けることになるのでは。福井県の原発サイトに建設されようとしている乾式貯蔵施設を、今後、長期にわたる使用済み核燃料の保管場所にしようというのが、関電の狙い。乾式貯蔵施設が「円滑な搬出のために必要」という関電の説明は、虚言。乾式貯蔵施設が、原発延命のために使われることがいよいよ明らかになっている。

 2025年3月26日、高浜原発の乾式貯蔵施設について、原子力規制委員会は計画に問題はないとして、審査に事実上、合格したことを示す審査書案をとりまとめた。

 杉本福井県知事はこれまで、「新ロードマップ」の実効性が確認できなければ、老朽原発の運転は認められず、乾式貯蔵施設建設の事前了解はあり得ないと発言してきた。しかし、「新ロードマップ」を容認した現在、規制委の審査合格後には、乾式貯蔵施設建設の事前了解に踏み込む可能性が高まってきた。

◆120◆←←関西電力 闇歴史→→◆122◆

◆関西電力 闇歴史◆120◆

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◆大飯原発3号機、人為ミスで放射性のガス漏れ(>_<)
 たまたま無人だったが、
 危険な原発を扱っているのに
 扱いがあまりにも安易すぎ(怒)

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 2025/3/6、関西電力は、稼働中の大飯原発3号機の排気筒から放射性ガスが漏えいしたと発表。原因は、工事担当者らの認識不足という。中央制御室の運転員が必要な連絡を受けていなかったため、配管の弁を開いたこととみられる。

 関電によると、2月27日午前、廃棄物処理建屋のガス分析装置室にある装置を取り換えのため外した際、工事担当者が弁による遮断が必要なことを認識しておらず、中央制御室の運転員に連絡しなかった。工事担当者の上司も確認しなかった。運転員が別の作業で午後0時49分から18分間弁を開いた結果、ガス分析装置室にあるダクトを通じて排気筒から放射性ガスが漏えいした。

 なお、関電のプレスリリースは、以下の通り。
「今回排気筒から排出された放射性気体廃棄物(以下、ガス)の放射能量は、約1.38×109 Bqと評価しており、保安規定に基づく発電所の放出管理目標値(1.0×1015 Bq/年)に比べ十分低く、周辺環境への影響はありません。また、大飯発電所周辺に設置している環境放射線モニタリングポストの指示値に有意な変化は認められず、その他のプラントパラメータや運転状況にも異常はありませんでした。」

 当時、この場所は無人だったというが、もしも作業員がいたら、どうなっていたのか。危険な原発を扱っているのに扱いがあまりにも安易すぎる。

◆119◆←←関西電力 闇歴史→→◆121◆

◆関西電力 闇歴史◆119◆

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◆関電が「使用済み核燃料の県外搬出に向けたロードマップ」の
 実効性のある見直しをできない以上、老朽原発は止めるべき!
 2024年度末までが見直しを約束した期限のはず!
 【付 福井県議会あて陳情書(老朽原発うごかすな!実行委員会)】

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【関連項目】
・使用済み核燃料の中間貯蔵施設をめぐる関電と福井県の動き
 (まとめ:空約束から実効性なき新ロードマップ…2025年8月まで)→◆126◆
・新ロードマップ→◆121◆
・ロードマップが破綻→◆114◆
・中間貯蔵施設をめぐる空約束→◆012◆
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▼2023年10月のロードマップ…実効性のなかったことは明白。
(関西電力が示した「使用済み核燃料の県外搬出に向けたロードマップ」、関電資料

▼破綻した上記ロードマップに代わる2025年2月の新ロードマップ…これに実効性があるのか。
(関西電力が示した「使用済み核燃料の県外搬出に向けたロードマップ」、関電資料

 関西電力は「使用済み核燃料の中間貯蔵候補地を福井県外に探す」と何度も福井県と約束しながら、全てを反故にしています。2024年8⽉に再処理工場の完成延期が発表され「工程表=ロードマップ」は完全に破綻しました。関電は「2024年度末までに実効性のある工程表の⾒直しができなければ老朽原発を止める」としています。2025年2月に再提出された新ロードマップも、前回同様に実効性はありません。関電は約束どおり、冷却系配管の腐食、減肉、圧力容器の脆化が進んだ危険極まりない老朽原発を即時停止すべきです。

【参考】関電「使用済燃料対策ロードマップ」に実効性なし
 ・末田一秀さんによるyoutube解説
【参考】3/31(月)使用済み核燃料の行き場はないぞ 関電は約束まもれ!美浜集会
 ・時間…13:00~、集会後に町内デモ(~15:30)
 ・場所…関電原子力事業本部前(福井県美浜町/JR美浜駅から徒歩3分)
 ・主催…老朽原発うごかすな!実行委員会

◆114◆ 関電のロードマップが破綻!
◆012◆ 関電の中間貯蔵施設をめぐる動き
(16) 関電は福井県内に使用済み核燃料の中間貯蔵施設「乾式貯蔵施設」の建設へ(2024年2月)
(13) 関電の「使用済み核燃料の県外搬出に関するロードマップ」(2023年10月)
(12) 上関町に中間貯蔵施設を(2023年8月)
(8) 電事連「むつ市の中間貯蔵施設を全国の電力会社で共同使用」を検討
(7)~ 杉本達治 知事(2019年~)
(3)~(6) 西川一誠 知事(2003~2019年)のとき
(1)~(2) 栗田幸雄 知事(1987~2003年)のとき

 以下、2025年2月12日に「老朽原発うごかすな!実行委員会」が福井県議会に提出した陳情書が、その場しのぎの空約束と約束反古を繰り返している関電の姿を明らかにしています。なお、同実行委は、3月31日に「使用済み核燃料の行き場はないぞ 関電は約束まもれ!美浜集会」を予定しています。

 関電の森望社長は「本年度末(2025年3月末)までに実効性のある新たな(使用済み核燃料対策)工程表を提示できない場合には、40年超運転の原発3基の運転は実施しないという不退転の覚悟で臨みます。」と言明しています(2024 年9 月5 日)。

【付 福井県議会あて陳情書】

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福井県議会議長
宮本 俊 様

老朽原発うごかすな!実行委員会
連絡先;木原 壯林(090-1965-7102)

陳情書

 「使用済み核燃料の県外搬出に関するロードマップ」の実効性のある見直しができない関西電力(関電)に、危険極まりない老朽原発の廃炉を実行するよう求めて下さい

 県議会議長、県議会議員の皆様には、弛まぬ福井県政へのご尽力に、敬意を表します。

 さて、関電は、1昨年10月10日、使用済み核燃料の福井県外搬出に関するロードマップを発表し、杉本達治福井県知事は、わずか3日後にこれを容認しています。関電は、このロードマップの中に、青森県の核燃料再処理工場の活用、中間貯蔵施設の確保を盛り込み、いかにも近々使用済み核燃料の福井県外搬出が可能であるかのように見せかけています。

 しかし、このロードマップは、日本原燃が、昨年8月23日、「核燃料再処理工場の完成目標を2026年度内に変更する」と、27回目の完成延期(約2年半)を表明したことによって破綻しました。

 それでも、関電の森望社長は開き直って、9月5日、杉本福井県知事と面談し、使用済み核燃料の県外搬出に向けた「ロードマップ」を、「本年度末までに見直す。実効性のある見直しができない場合、高浜1、2号機、美浜3号機を運転しない」と述べています。しかし、現在までに、「使用済み核燃料の行き場」に関して、その場しのぎの空約束と約束反古を繰り返してきた関電の言動は、信用できるものではありません。今回も「使用済み核燃料のフランスへの搬出を若干上乗せする」などの小手先の奇策で誤魔化すと危惧されます。

 なお、再処理工場の稼働は極めて困難であること、例え稼働したとしても過酷事故の確率が高いことは、多くが指摘するところです。また、関電は、再処理できない高燃焼度の使用済み核燃料および使用済みMOX燃料も抱えています(これらは、今後増大します)。

 したがって、使用済み核燃料の行き場はなく、福井県内に永久あるいは長期保管される可能性は大と言わざるを得ません。関電は、約束通り老朽原発・高浜1、2号機、美浜3号機の廃炉を実行し、使用済み核燃料の発生源・原発の全廃に向かうべきです。

 このような状況に鑑み、福井県議会に以下を陳情いたします。

陳情項目

[1]関電に、「本年度末までに、ロードマップの実効性のある見直しができない場合、高浜1、2号機、美浜3号機を運転しない」との約束を即時履行させてください。このとき、「実効性のある見直し」とは、「関電の保有する、あるいは今後発生させる使用済み核燃料の全ての県外搬出が見通せるもの」であることです。

[2]関電は、「使用済み核燃料の搬出の円滑化」を口実に「乾式貯蔵施設」を建設しようとしています。しかし、今までの搬出の実績からして、「乾式貯蔵施設」はなくても、使用済み核燃料は搬出できます。「乾式貯蔵施設」の建設は、永久あるいは長期福井県内貯蔵への道を開くことになりかねません。「乾式貯蔵施設」の建設を認めないでください。

[3]高浜原発1号機は運転開始後すでに50年を超え、高浜2号機、美浜3号機も、もうすぐ50年超えの「超老朽原発」です。老朽原発では、圧力容器の脆化、配管の腐食、減肉、電源ケーブルの劣化が進んでいます。また、老朽原発には、建設時には適当とされたが、現在の基準では不適当と考えられる部分が多数ありますが、全てが見直され、改善されているとは言えません。例えば、地震の大きさを過小評価していた時代に作られた構造物の中で交換不可能なもの(圧力容器など)があります。関電に、危険極まりない「超老朽原発」の即時廃炉を求めて下さい。

[4]私たち「老朽原発うごかすな!実行委員会」は、福井県内だけでなく、関西、中部など全国の会員で成り立っています。そこで、福井県外の住民の立場から、福井県議会に以下をお願いいたします。

 原発および使用済み核燃料保管施設が過酷事故を起こせば、その被害は、福井県内だけでなく、広く関西、中部などにおよぶことは、福島原発事故の教訓から容易に推測されます。例えば、京都府や滋賀県の大部分は若狭の原発から70km以内にあり、高浜原発、大飯原発は福井県庁のある福井市より近距離にあるのみならず、特に冬場は、若狭の風下になります。
 したがって、福井県議会や福井県知事の決断は、福井県外の多くの住民の命と生活に関わります。福井県議会は、周辺府県の住民の「原発のない、自然エネルギーのみで成り立つ社会」を求める声にも十分に耳をお貸し下さい。

2025年2月12日

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◆118◆←←関西電力 闇歴史→→◆120◆

◆関西電力 闇歴史◆118◆

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◆佐高信『徹底抗戦』(旬報社、2020年)より
 (1) 関西電力と原発推進の異常識
 (2) 関西電力の「二・二六事件」
 (3) 関西電力の反原発町長暗殺指令
 (4) 電力総連の責任も重い
 (5) 新“原発文化人”佐藤優
    高木仁三郎さんが語る「少なからぬ誘惑」の一つ
 (6) 札つきでない不良

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(1) 関西電力と原発推進の異常識(p.74)

  • 関電美浜原発2号機、蒸気発生器伝熱管の破断→緊急炉心冷却装置(ECCS)が作動した事故(1991年2月9日)に関連して、飯田孝三・副社長の言動……資源エネルギー庁に呼ばれて指示を受けたときは神妙であったが、直後の記者会見では反発して居直った。それを知ったエネ庁が態度を硬化させると、あわてて謝罪し釈明した。佐高は「反発」がホンネで、「釈明」がタテマエであるとして「電力会社は役所と会社の悪い点を併せ持っている。」と書く。
  • 佐高信『佐高信の辛口100社事典』(七つ森書館)
  • 関電美浜原発2号機の事故について→ 関西電力 闇歴史◆002◆

(2) 関西電力の「二・二六事件」(p.76)

  • 芦原義重・代表取締役相談役名誉会長と腹心の内藤千百里[ちもり]・副社長らの取締役退任決議(1987年2月26日)。「小林(庄一郎・会長)によるクーデターと言われたが、起爆剤は『朝日ジャーナル』の奥村レポートだった。」
  • 奥村宏『関西電力 暗黒大陸』(朝日ジャーナル、1986年9月12日号)
  • 清水一行『小説財界』(集英社文庫)。内藤は藤井、芦原は芦塚として登場。
  • 関電のカネと社内権力抗争→ 関西電力 闇歴史◆036◆

(3) 関西電力の反原発町長暗殺指令(p.78)

  • 原発を積極的に推進しなかった今井理一・高浜町長(当時)の暗殺計画。「関電と警察がつるんで臭いものにフタをしようとしたのだろう。」
  • 斎藤真『関西電力反原発町長暗殺指令』(宝島社)
  • 関電のKという首脳の依頼→ 関西電力 闇歴史◆005◆

(4) 電力総連の責任も重い(p.156)

  • 2019年に森山栄治・高浜町元助役と関電幹部との間の原発マネー不正還流(→◆018◆)が発覚した。「関西電力のとてつもない腐敗について、それを知った監査役が公表しなかったことが問題になった。しかし、チェックできなかった責任は労働組合の方が大きいだろう。……関電労組を含む電力総連の幹部たちは果たして恥を知っているだろうか。」
  • 田中稔『忖度と腐敗』(第三書館)
  • 電力総連について→ 関西電力 闇歴史◆076◆

(5) 新 “原発文化人” 佐藤優(p.162)

  • 内藤千百里[ちもり]元関西電力副社長が朝日新聞の取材に対し、少なくとも1972年から18年間、歴代現職内閣総理大臣7人(田中角栄・三木武夫・福田赳夫・大平正芳・鈴木善幸・中曽根康弘・竹下登)に「盆暮れのあいさつ」として年2回1000万円ずつ政治献金する慣行があったと証言した。
  • これに対し佐高信は「私はこれは表の額に過ぎないだろうと思う。なぜなら、…… 選挙応援の額でさえケタ違いだからである」と書いている。札びらで頬をたたくやり方は「高木仁三郎のような筋金入りの反対派にさえ試みられた。」として、その額は3億円とのことで、高木はその著書で「現在だったら100億円くらいに相当しようか」と注釈をつけている。
  • 佐高信『原発文化人50人斬り』(光文社智恵の森文庫)
  • 高木仁三郎『市民科学者として生きる』(岩波新書)
  • 朝日新聞(2014年7月28日)の紙面→ 関西電力 闇歴史◆036◆

【参考】『原発文化人50人斬り』佐高信 著、毎日新聞社(2013/6)で簡単に紹介して書かれていた内容を、元の『市民科学者として生きる』高木仁三郎 著、岩波新書(1999/9)で探してみた。
高木仁三郎さんが語る「少なからぬ誘惑」の一つ
第8章 わが人生にとっての反原発(p.211~212)
┌─────────────(以下引用)
その一方で、少なからぬ誘惑もあった。ひとつだけ、エピソードを書いておこう。スリーマイル島の原発事故があり、原子力資料情報室の活動が多少世間的に注目され始めた頃のことだろうか。ある原子力の業界誌の編集長兼発行人にあたる人がひょっこり訪ねて来た。産業界寄りとはいえ、一応ジャーナリストだから取材だろうと思って気軽に会った。
ところが彼は思いがけないことを切り出した。「あなたの活動はすばらしい。日本のエネルギーの未来を切り開く作業だ。私はあなたに惚れた。ついては、一席設けるからゆっくり話をしたい。具体的な構想もある」。
もう十年後だったらともかく、当時は私はこういうことにまったく慣れていなかったし、酒を飲まないから「一席」はいつも苦手である。 むげに断わる話でもないと思ったので、忙しさを口実にして、後日、昼間の喫茶店で彼にもう一度会った。
彼は単刀直入に切り出した。「将来の日本のエネルギー政策を検討する政策研究会をやりたい。今の原子力べったりのエネルギー政策では駄目だ。電力会社や通産省の内部の若手にもそう思っている人がいる。そういう人を集めるから、あなたが研究会を主宰してくれないか。私はX社のY会長と親しいから、とりあえず三億円をすぐにでも使える金として用意してもらった。彼もあなたの活動に惚れこんでいる。これは、あなたが自由に使える金だ。どうだろう、Y氏に会ってくれないか」。
当時の資料室は火の車で、三〇万円ですらとびつきたい状況だったから、「三億円あったら、一生資料室は金の苦労をしないで済むのではないか。Y氏も財界のリベラル派として知られる人だし」などと一分くらいのうちは頭を働かせた。しかし、その編集長氏の言う、研究会の性格とか「通産省や電力会社の若手」にリアリティーが感じられなかった。これは、彼らの側の私をとりこむための誘惑に違いなかった。それにしても、「一時金」が三億円とは! しばらく考えさせてくれと言って別れ、それ以上はもう会わずに、電話で断った。誰にも相談しなかった。
三億円(現在だったら一〇〇億円くらいに相当しようか)という話は、後にも先にもこの時限りだが、もう少し少額の金にまつわる話はいくつかあった。幸か不幸か、私はお金にはまるで鈍感な方だったので、その種の話に心をそそられることはついぞなかった。しかし、もう少し私がひっかかりやすい、巧妙な手口(私の嘘をつくような誘い方)だったら、私は本当に大丈夫だったろうか。後でそんな思いも残った。いずれにしても、これも一つの学習にはなった。
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(7) 札つきでない不良(p.176)

  • 佐高信は、東京電力元会長勝俣恒久や関西電力前会長の八木誠の方が「札のついていないもっとも危険な不良」としている。「森山栄治を極悪人にし、八木や前社長の岩根茂樹は自分たちを被害者のように装ったこともあったが、恐るべき、あるいはコッケイな倒錯である。」
  • 原発マネー不正還流→ 関西電力 闇歴史◆018◆

◆117◆←←関西電力 闇歴史→→◆119◆