口頭弁論のお知らせ,報告」カテゴリーアーカイブ

◆5/9(木)第23回口頭弁論です

【傍聴席抽選の時間について】
◆裁判所による傍聴席抽選の時間は,これまでの私ども原告団のチラシなどでは,13:10~13:25としてきましたが,最近,裁判所のホームページに公表されたところによると「13:30~13:45の間に集合場所に来られた方を対象に,リストバンド型整理券を交付,抽選の上,傍聴券を交付」となりました。13:30には裁判所におこしください。
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●裁判に参加するには●以下の三つの方法があります。

[1]原告席で参加

・法廷の中(柵の内側)の原告席に入る原告は,「原告団が」決めます。その名簿を事前に裁判所に届けています。そこで,原告席参加ご希望の方は,★4月30日(火)★を締切日としますので,◆事務局宛のメール★↓に「原告席希望」と書きお名前をご連絡ください。
kyotodatsugenpatsubengodanアットgmail.com(アット→半角@)

・合計35名ほどの原告が参加できます。
・先着順で定員になるまで募集します。

・裁判当日は,京都地裁1Fの101号法廷前に待機しています原告団世話人より,原告席の券を受け取っていただき,法廷に入ってください。

[2]傍聴席で参加

・法廷の傍聴席は88席ほどですが,こちらは「裁判所が」抽選で決めます。
・原告の方,原告でない方も,資格を問わず,誰でも応募できます。
・13:10~13:25(見込)の間に,京都地裁正面玄関前で,抽選リストバンドが配付されます。配付終了後すぐに抽選結果が発表されます。
(傍聴者が少ない場合は,抽選はありません。)

[3]模擬法廷で参加

・入廷を希望されない方,原告席や傍聴席の抽選にもれた方は,弁護団による模擬法廷にご参加ください。
・14:30開廷。京都弁護士会館(地裁構内の南東隅)地階大ホールへ。
・実際の法廷よりもわかりやすく,弁護団が解説します。
・事前に提出されている被告側書面があれば,その解説も行います。

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◆1/31 第22回口頭弁論の報告

2019/1/31の第22回口頭弁論の概略を報告します。

  • 開廷前のデモ…42名。雨の中にもかかわらず,参加者多数でした。


先頭左は弁護団の福山和人弁護士,中央はこの日陳述した西郷南海子さん,右は竹本修三原告団長。

  • デモの後,京都脱原発原告団として,京都地裁所長宛に,所持品検査を行わないようにとの申入書を提出。その後,記者クラブにも提出。
  • 全文はこちら
  • 傍聴席は希望者多数で,抽選になりました。
  • 当日開廷前に配布している原告側資料は,今回から150部に増やしましたが,残部ゼロでした。関電関係者と思われる方にも配布しています。
  • 法廷では,原告の西郷南海子さんが三人の子をもつ母親として意見陳述。「個人的にヨウ素剤を取り寄せましたが,そもそもここまでして事故に備えなければならない発電方法というのが非合理的」として「原発を擁護する理由はどこにもありません。」と結びました。くわしくは→こちら
  • 弁護団からは,まず第60準備書面で,関電の地盤モデルの二重のごまかしを明らかにしました。また,856ガルとされている大飯原発の基準地震動についても,関電地盤モデルから計算すると883ガルになるはずで,さらに大阪府北部地震を適用すると1280ガルが予想されることも明らかにしました。この数字は,破局的な破壊をもたらす基準(クリフエッジ)の1260ガルを超えてしまいます。
  • 第61準備書面では,火山影響評価に関する新知見に対して,原子力規制委員会及び関西電力が安全性を軽視していることを主張しました。
  • 本法廷と並行して開催された模擬法廷には,15名以上の参加がありました。
  • 閉廷後の報告集会は,満席でした。出口弁護団長が復帰されて挨拶がありました。
  • カンパ金額は会場で報告したとおりで,多謝。缶バッジ,クリアファイル,このあたりプレートなどの物販の売上げもありました。ご協力ありがとうございました。


閉廷後の報告集会

◆第21回口頭弁論の報告

2018/11/20,大飯原発差止訴訟[京都地裁]の第21回口頭弁論,ご参加の皆さま,たいへんご苦労様でした。お疲れさまでした。

◆法廷での原告陳述は,京丹後市の西川政治さん(丹後ふるさと病院)。病院における原子力防災について。丹後ふるさと病院は,特別養護老人ホームふるさと,介護ステーションふるさとを併設し,医療と福祉を結ぶ連携体制をとっています。
陳述の内容は→こちら

◆弁護団からの準備書面は→こちら

◆以下,写真報告です。
(1)開廷前の裁判所周辺デモ。先頭でバナーをもつのは,竹本修三原告団長(右)と,弁護団の福山和人弁護士(左)。途中では,拍手で声援を送っていただいた場面もありました。

(2)長い横断幕は,京田辺市の原告がつくったもの。


▲原告の方から送られてきた写真

(3)弁護士会館地階大ホールでの報告集会の様子。この写真のときは,模擬法廷が続いていて,すでに終了した法廷からの原告や傍聴の方が席に着いたところ。このあと,竹本修三原告団長,中島晃弁護団長代行のあいさつ,意見陳述をされた西川政治さんからの感想など,渡辺輝人弁護団事務局長からの報告,吉田明生原告団事務局長からの報告とカンパなどのお願いと続きました。その後,会場からの質問,意見,アピールなど,ひじょうに積極的な意見交換がありました。

◆報告集会では,市川章人さんらの本『原発事故 新規制基準と住民避難を考える』,若狭の原発を考える会の「原発反対」ステッカーを紹介,頒布しました。また,多額のカンパをいただき,ありがとうございました。缶バッジ,クリアファイル,このあたりプレートなども頒布しました。

◆なお,今回,傍聴席が埋まらず,関電関係と思われる傍聴も多かった模様で,この点は残念でした。原告団世話人会として今後,3000人をこえる原告にどう訴えていくか,そこが問題だと思います。12月の世話人会の議題にして検討したいと考えています。

中島晃弁護団長代行のことば
市民が傍聴席を埋めるような裁判にしないと,いけない。
裁判官がちゃんとした判決を書けるようにするのが,傍聴の市民の役割です。

◆さらに井戸謙一弁護士のことば(別の講演会にて)をかみしめる。
原発問題も,司法問題も,市民が関心を失えば終わり。
問題意識を持ち,声を上げ続ける限り,未来は開ける。
司法の存立の基礎は市民の支持
裁判官魂を刺激し続ける。

◆次回,第22回口頭弁論は,2019年1月31日14:30からです。原告の意見陳述は,「安保関連法に反対するママの会」発起人で京都市内で「原発いらないコドモデモ」を行っている西郷南海子さんの予定です。

以上,概略のご報告まで。

◆11/20の第21回口頭弁論のお知らせ

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大飯原発差止訴訟[京都地裁]の原告の皆さまへ
次回 11/20(火)の裁判期日のお知らせ
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第21回口頭弁論について

前回,9/4の口頭弁論は台風直撃で開かれませんでしたが,
次回は11/20(火)14:00 より行われますので,
多くの皆さまにご参加いただきますよう,ご案内します。

◆次回の法廷の概略…次の通りです。
前回9/4の期日が台風で開かれませんでしたので,その予定と同様です。

(1)原告の意見陳述…京丹後市の西川政治さん(丹後ふるさと病院)「病院における原子力防災」について。前回の予定が順延になったものです。丹後ふるさと病院は,特別養護老人ホームふるさと,介護ステーションふるさとを併設し,医療と福祉を結ぶ連携体制をとっています。

(2)弁護団から(予定)
①7/4名古屋高裁金沢支部の判決への批判。
②国家賠償法上の違法と損害の問題。
③地盤特性,地震についてなど関電の主張に対する反論。


11/20の裁判に参加する方法…以下,三つの方法があります。

[1] 原告席…法廷の中で柵の内側に,原告として入ります。被告の正面になります。

・原告団が氏名を裁判所に通知します。希望される場合は★11月11日(日)★までに電話,FAX,葉書などで事務局宛ご連絡ください。
・合計35名ほどの原告が参加できますので,先着順で定数に達するまで募集します。

[2] 傍聴席…法廷の中で柵の外側。88席あり,そこに入るには,裁判所が抽選を行います。

・13:20~13:35の間に,京都地裁正面玄関前で,抽選リストバンドが配布されます。
・13:35からの抽選,傍聴券の配布は,地裁の北側正面玄関前となります。
・傍聴席は,原告でない方も,誰でも抽選によって参加することができます。
・傍聴席に入ることができなかった場合は,下記の模擬法廷にご参加ください。

★傍聴におこしください★ 最近の口頭弁論では,関電の関係者と思われる傍聴希望者が20名ほど来ていて,抽選の結果,10数名が傍聴席に入っています。関電の社員に私たち原告の主張を聞いてもらうのは良いことですが,原告の皆さん,脱原発を願う支援の皆さんの傍聴機会がなくなるのは困ります。11/20の傍聴席は,脱原発の声で埋めたいと思います。原告席に参加されない場合でも,ぜひ傍聴にご参加ください。

[3] 模擬法廷…弁護団が用意します(法廷と同じ14:00開始)。

そこに参加するには,
・京都地裁の構内の南東角にある「京都弁護士会館・地階大ホール」へ,直接おこしください。
・法廷よりもわかりやすく,弁護団が解説します。
・事前に提出されている被告(国や関電)側の書面があれば,その解説も行います。


報告集会の開催

・法廷の終了後(15:00頃から)「京都弁護士会館・地階大ホール」にて報告集会を開催します。
・裁判に関するご質問なども,弁護団から説明いたします。


開廷前のデモ

・市民に脱原発を訴えるため,従来通り,12:10 までに京都弁護士会館前(京都地裁構内の南東角)に集合して裁判所周辺のデモを行います。多くの皆さまが参加されるよう,訴えます。
・スタートは12:15 です。30分程度で終わる予定です。
・デモ後に,裁判所の傍聴席の抽選に応募することができます。


◆【取消】9/4の第21回口頭弁論のお知らせ

下記,期日は,台風接近のため 9/3に 取消となりました。
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大飯原発差止訴訟[京都地裁]の原告の皆さまへ
次回 9/4(火)の裁判期日のお知らせ
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第21回口頭弁論について

9/4(火)14:00より,京都地方裁判所において開かれます。
多くの皆さまにご参加いただきますよう,ご案内します。

◆次回の法廷の概略…次の通りです。

(1)原告の意見陳述…京丹後市の西川政治さん(丹後ふるさと病院)「病院における原子力防災」について。前回の予定が順延になったものです。丹後ふるさと病院は,特別養護老人ホームふるさと,介護ステーションふるさとを併設し,医療と福祉を結ぶ連携体制をとっています。

(2)弁護団から(予定)
①7/4名古屋高裁金沢支部の判決への批判。
②国家賠償法上の違法と損害の問題。
③地盤特性,地震についてなど関電の主張に対する反論。


9/4の裁判に参加する方法…以下,三つの方法があります。

[1] 原告席…法廷の中で柵の内側に,原告として入ります。被告の正面になります。

・原告団が氏名を裁判所に通知します。希望される場合は★8月26日(日)★までに電話,FAX,葉書などで末尾記載の事務局宛ご連絡ください。
・E-Mailでの応募と合わせて先着順とし,定数に達するまで募集します。
・合計35名ほどの原告が参加できますので,先着順で定数に達するまで募集します。

【注意】2017年に原告申込をされた方(=第六次原告)も,原告席に入ることができます。

[2] 傍聴席…法廷の中で柵の外側。88席あり,そこに入るには,裁判所が抽選を行います。

・13:20~13:35の間に,京都地裁正面玄関前で,抽選リストバンドが配布されます。
・13:35からの抽選,傍聴券の配布は,地裁の北側正面玄関前となります。
・傍聴席は,原告でない方も,誰でも抽選によって参加することができます。
・傍聴席に入ることができなかった場合は,下記の模擬法廷にご参加ください。

★傍聴におこしください★ 最近の口頭弁論では,関電の関係者と思われる傍聴希望者が20名ほど来ていて,抽選の結果,10数名が傍聴席に入っています。関電の社員に私たち原告の主張を聞いてもらうのは良いことですが,原告の皆さん,脱原発を願う支援の皆さんの傍聴機会がなくなるのは困ります。3/27の傍聴席は,脱原発の声で埋めたいと思います。原告席に参加されない場合でも,ぜひ傍聴にご参加ください。

[3] 模擬法廷…弁護団が用意します(法廷と同じ14:00開始)。

そこに参加するには,
・京都地裁の構内の南東角にある「京都弁護士会館・地階大ホール」へ,直接おこしください。
・法廷よりもわかりやすく,弁護団が解説します。
・事前に提出されている被告(国や関電)側の書面があれば,その解説も行います。


報告集会の開催

・法廷の終了後(15:00頃から)「京都弁護士会館・地階大ホール」にて報告集会を開催します。
・裁判に関するご質問なども,弁護団から説明いたします。


開廷前のデモ

・市民に脱原発を訴えるため,従来通り,12:10 までに京都弁護士会館前(京都地裁構内の南東角)に集合して裁判所周辺のデモを行います。多くの皆さまが参加されるよう,訴えます。
・出発は12:15 です。30分程度で終わる予定です。
・デモ後に,裁判所の傍聴席の抽選に応募することができます。


◆これまでの口頭弁論(第1~20回)のまとめ

①[2013年]

・第1回口頭弁論(2013年7月2日)

◆竹本修三・原告団長が「地震国日本で原発稼働は無理」と陳述。
◆原告の福島敦子さん(福島県南相馬市からの避難者)ほかの陳述。福島さんは「こどもを守ることに必死な,懸命な母親たちをどうか救ってください。こどもたちに少しでも明るい未来をどうか託してあげてください。私たち国民一人ひとりの切実な声に,どうか耳を傾けてください。大飯原発の再稼働は,現在の日本では必要ないと断罪してください。もう,私たち避難者のような体験をする人を万が一にも出してはいけないからです。司法が健全であることを信じています。日本国民は,憲法により守られていることを信じています。」と訴えました。

・第2回口頭弁論(2013年12月3日)

◆原告で,聖護院門跡の宮城泰年・門主が意見陳述。「大飯原発運転を差し止めることは,地球とそこに生きる私たち人間を含めすべての生物の安全を守ることです」と述べ,宗教者として原子力と共存することはできないこと,とりわけ日本には自然への崇拝,山岳信仰があり,本山修験宗の総本山として,山岳自然を修行道場としてきたこと,そこは多様な生物の共生と命の循環によってみんなが生きているからこそ尊い世界であり,ここに大飯原発3号機を 24 時間フル稼働させると1日で広島型原爆3発分の死の灰がつくられる,この処置のしようのないものを地中に埋めても地殻変動で出てこないとは考えられない,こんなどうしようもないものを生みだす原子力発電所の稼働は絶対認められないと,訴えました。

②[2014年]

・第3回口頭弁論(2014年2月19日)

◆原告の宮本憲一・元滋賀大学学長・大阪市立大学名誉教授(環境経済学)が意見陳述。「福島原発災害は史上最悪の公害。福島のこの原発災害は,2市7町3村の15万人を超える住民が放射能公害によってふるさとを追われた。足尾鉱毒事件以来最悪の公害。事故の全貌が把握できず,原因究明も終わらない,その対策の汚染水防止や除染作業もめどがたたない,経済的救済もはじまったばかり,大飯原発の運転再開は環境政策予防の原則から許されない」と述べました。

・第4回口頭弁論(2014年5月21日)

◆裁判官の交代に伴う弁論の更新。
◆竹本修三・原告団長と福島敦子さん(福島県南相馬市からの避難者)が再陳述。

・第5回口頭弁論(2014年9月30日)

◆原告の意見陳述は萩原ゆきみさん(郡山市からの避難者)と,都市計画の観点から広原盛明さん(京都府立大学元学長)。
◆萩原さんは「3.11当時福島県郡山市に在住,事故後このままでは,福島は見捨てられる,放射能にやられてしまうかも・・そんな恐怖感にも襲われ 事故の1ヶ月後 生命が危ないと夫を残し,京都へ母と子で避難。外部と内部被爆で体力が極端になくなったと」訴えました。「今でも,毎日のようにあらゆる所で福島を思い出し胸が苦しくなります。町並みを見ても,山梔子や金木犀の香りをかいでも,望郷の念はつのるばかりです。私たちは,原発事故の9年前に,夢のマイホームを建てました。両家の両親と同居を夢見てアレルゲンを抑えた建材で造った思い出深い,愛しい家を手放すのは身を切られるように辛かったです。」
◆広原さんは,2014年発表の「国土のグランドデザイン2050・・国土の長期展望」に巨大災害,原発災害に関する項目が一切ない,政府のこれらの軽視を端的に表している。このことは,原発災害については国が将来展望を描くことができない存在だということを示している。原発が「日本国土の喉元深く突き刺さった骨」であり政府は,その骨を抜くことができなくなった状態なんだ。・・私は国民の生命,身体と財産を守るために,司法が英断をもって日本の全原発の再稼働を中止することを期待している」。

③[2015年]

・第6回口頭弁論(2015年1月29日)

◆原告の意見陳述は,高浜原発から15キロに住んでいる三澤正之さん(京都府舞鶴市在住)。「避難計画が,現実に機能するとは,とても思えません。まして複合災害となれば,さらなる大混乱が考えられます。また,福島第一原発の原因究明が行われず,今なお事故が収束せず,福島県で12万人が避難している福島の現実を見れば,一旦事故が起きれば,いつ戻れるのか分からず,戻れたとしても子どもの事を考えると一緒に住めるかどうか,そして,生活基盤は失われ,仕事がなくなったとき家のローンは,これからの生活はと考えると不安は山ほどあります。」

・第7回口頭弁論(2015年5月28日)

◆原告の意見陳述は,菅(かん)野(の)千景さん(福島市からの避難者)。「2011年8月末私は二人の娘を連れて,放射能の汚染を避ける為に福島県福島市から京都へ避難しました。私は仕事を辞めてしまいましたが,夫は仕事を直ぐには辞められず1人福島に残る事になりました。引越しの荷造りをする時も,「なんでこんな事をしなければならないんだべね,誰のせいだべ,誰が悪いんだべ」と,こみ上げてくる思いに潰されそうになり,泣きながら置いてくる荷物と運び出す荷物を分けていました。」…「出発の日,夫に見送られ郡山から京都府の運行する高速バスに乗りました。普段泣いたことのない夫は顔がくしゃくしゃになるほど泣き,子ども達もバスの中でしゃくりあげて泣きながら京都へ向かいました。京都へ来てから私達は毎日電話で話しました。子ども達は「お父さん大好きだよ,無理しないでね」と父親を気遣いました。」

・第8回口頭弁論(2015年10月20日)

◆関西電力の主張に対して弁護団から反論。被告関電の主張は,新規制基準に合致する旨の主張である。しかし,同基準は安全基準ではない。原子力規制委員会の委員長田中俊一は,「原子力規制委員会の審査は安全審査ではなくて,基準の適合性の審査であり,基準の適合性は見ているが,安全だということは言わない」「基準をクリアしてもなお残るリスクというのは,現段階でリスクの低減化には努めてきたが,一般論として技術であるから,人事で全部尽くしている,対策も尽くしているとは言い切れない。自然災害についても,重大事故対策についても,不確さが伴うので,基準に適合したからといって,ゼロリスクではない」と述べている。従って,被告関電が同基準へ適合すると主張しても,本件発電所が安全であると論証したことにはならない。被告関電は,大飯原発に近い「FO-A断層,FO-B断層,熊川断層」と共役断層をなす上林川断層について,その南西端(京都府内)は不明瞭であるとして,断層の存在を明確に否定できる福知山付近まで延長して評価する。しかし,北東端(福井県側)については,延長の検討すらしていない。
◆被告関電が想定する地震の規模についての見積もりが甘すぎるという点を,竹本修三・原告団長が分かりやすく解説。

④[2016年]

・第9回口頭弁論(2016年1月13日)

◆原告の意見陳述は,阪本みさ子さん。大飯原発から20キロ地点の東舞鶴に居住。「舞鶴市全体で住民避難のための協定を結んでいる事業者の保有台数の合計は,バス71台 ワゴン車2台 タクシー121台で,全部が一度に動けても3500人を運べるだけです。少なめに見ても20回の往復をしないと市民全員を運べません。その間,放射能を浴び続けることになるのでしょうか。全員を運ぶのに何日掛かるのでしょうか。線量が高い中,ドライバーの確保はできるのでしょうか。」
◆弁護団からは,新規制基準の基準地震動の「標準・平均値」は矛盾に満ちていることを主張。原発の基準地震動は,既往地震の平均像を基に想定されており,著しい過小評価である。

・第10回口頭弁論(2016年3月15日)

◆原告の意見陳述は,林(はやし) 森(もり)一(かず)さん。京都市左京区久(く)多(た)に生家。久多は大飯原発から約34km。「この5年の間に2回,左京区役所・下鴨警察署・左京消防署・久多の関係団体をあげての避難訓練を実施。しかし,避難訓練の結果,私の不安は増大しました。5つの町内住人全てに避難の連絡,車での避難所集合が100%出来るのか,出来たとしてそこから先の避難移動はどうなるのか」と,大きな不安を述べました
◆弁護団からは,避難困難性の敷衍(京都市左京区久多について)のほか,2015年12月24日の福井地裁異議審決定[福井地裁(林潤 裁判長)が大飯原発3,4号機及び高浜原発3,4号機運転差止仮処分について,仮処分決定を取り消し,住民側の仮処分の申立てを却下]の問題点を準備書面として提出。

・第11回口頭弁論(2016年5月16日)

◆原告の意見陳述は,大飯原発から約40kmの綾部市に住む斎藤信吾さん。由良川の水の問題,避難の問題を訴えました。「自動車を所有していませんし,通常の移動手段は,「自転車」です。仮に地震などにより,道路を通ることが出来なくなった場合,避難は不可能です。単身者ですので,同乗を頼める家族はいません。同乗させていただける知人がいれば避難できますが,緊急時に頼めるかはわかりません。自転車では,非常時用の持ち出しグッズも軽量のものしかのせることはできません。私のように障害があるものにとっては,交通渋滞などは別にして,そもそも一刻も早く避難すること自体が大変なのです。ここ数年は,夜や暗い場所での移動が困難となっています。夜間に避難することを考えるとぞっとします。」
◆弁護団からは,基準地震動以下の地震動でも大飯原発やその電源が損傷し,過酷事故に陥る可能性があること,大津地裁の高浜原発差し止めを命じる仮処分決定(2016年3月)の意義を主張しました。とくに後者は,出口治男・弁護団長が,最近の関経連関係者が語った「一地方の裁判官が勝手に原発を止めるな」のコメントを,人権の上にエネルギー政策があるのかのような不見識さだと,強く批判しました。

・第12回口頭弁論(2016年9月14日)

◆原告の意見陳述は,避難計画の問題点について栢(かや)下(した)壽(ひさし)さん(京都府南丹市)。避難計画は実効性が全く無いこと,地域の実情を把握していないことのほか,「美山町には希少生物の宝庫京都大学芦生研究林もあり,京都府指定希少野生生物25種の半数近くが生息する,西日本でも有数の自然環境に恵まれた地域である美山町を私は,誇りに思っています。仮に原発事故が起きれば,世界に誇るべき美山町の自然が失われてしまいます」と訴えました。
◆弁護団からは,被告関西電力が反論していない原告の主張について指摘しました。

・第13回口頭弁論(2016年11月28日)

◆原告の意見陳述は,池田豊さん(京都自治体問題研究所),吉田真理子さん(京都府宮津市)。
◆池田さんは,大飯原発,隣接する高浜原発をめぐる原子力防災訓練について,住民避難に関連した初動の重要性と問題点,並びにその第一線で直接避難の判断と住民の誘導をしなければならない地方自治体と自治体職員の問題について,福島の原発立地自治体での調査も踏まえて話しました。
◆吉田さんは,宮津市が2016年3月に改定した避難計画と,自分が2015年に参加した避難訓練について,問題点を指摘し,「宮津市は,日本三景天橋立を擁し,年間260万人の観光客が訪れる観光地です。海には水産資源が豊富で漁業や水産業がさかんです。農業も地元の産物がたくさんあり自然豊かな恵まれたところです。多くの高齢者は,動ける間は庭で野菜や果物を育てて,子や孫にやるのを楽しみに暮らしています。この自然を放射能で汚染されれば,賠償などできるものではありません。いくらお金を出されても謝罪していただいてもこの素晴らしい暮らしは返ってはきません。先日も先祖代々の土地を奪われ,いまだ戻れない福島県浪江町の方の話を聴きましたが,全く同じになることは明らかです。」とし,「宮津市民の宝ものである豊かな自然,住民の命と当たり前の暮らしを守るため,原子力発電の運転を差し止めてほしい」と訴えました。
◆弁護団からは,高浜原発広域避難訓練から明らかになった問題点,宮津市避難計画の問題点について,などを主張しました。

⑤[2017年]

・第14回口頭弁論(2017年2月13日)

◆原告の意見陳述は,福島県から避難してきた宇野朗(さえ)子(こ)さん(現在は京都府木津川市在住)。「3月11日の夜11時頃,政府災害対策本部の情報を目にし,メルトダウンの危険性が高いと判断,避難を決めました。友人が,オムツや衣類,食料,水等を車に積みこみ,眠り始めていた子どもたちを起こして車に乗せました。真夜中に出発しました。雪のちらつく,静かな夜でした。南へ向かう国道は,地震で陥没しており不通,東北自動車道も通行止めで,私たちは西の山を越えることにしました。山は吹雪でした。真っ白な視界の中を,私たちは一睡もせず必死に車を走らせました。翌朝,会津の知人宅で休憩をとり,埼玉で被災していた夫がレンタカーで合流,私たちはそこから家族3人で避難を続けました。新潟に向かう途中で,一号機の爆発を知りました。はりつめていた糸が切れるように,私は声をあげて泣きました。新潟空港でレンタカーを乗り捨て,キャンセルのでた飛行機に飛び乗り伊丹空港へ。大阪からは新幹線で12日の深夜に広島に到着し,13日午後,山口県宇部市にある夫の実家に到着しました」と,過酷な避難体験を語りました。
◆弁護団から①コスト的に成り立たない原発事業,②世界各国における原発産業の状況,③原発御三家の東芝,三菱重工,日立,④原発は産業発展の妨げ,⑤裁判官にのぞむこと,などを主張。
◆「裁判官にのぞむこと」では,「現在の技術は,人間社会と自然環境に対して致命的かつ不可逆的な損害を齎す原発に代わる,安全なエネルギー,再生可能エネルギーの創出に成功し始めている。いまや時代は,原発を廃棄し,再生可能エネルギーによる社会の構築を図ることを求めていると言って過言ではない。本件を担当する裁判官に対しては,この時代の要求を見据えて,本件に正面から取り組んでもらいたい。元最高裁判事,故中村治朗氏が述べるように,本件は,「究極的には自己の採る見解の正否を歴史の審判にかけざるを得ない」問題の一つと言ってよいと思われるが,本件においてこそ,裁判官は,社会的葛藤の舞台において,社会的価値の実現のために積極的に機能し,自ら傍観者ではなくプレーヤーとしてプレーに参加することが求められていると確信するものである。」と主張した。

・第15回口頭弁論(2017年5月9日)

◆裁判官の交代に伴う弁論の更新で,竹本修三・原告団長,福島敦子さん(福島県南相馬市からの避難者)が再々陳述。
◆世話人の赤松純平さんが,大飯原発の地盤特性や地域特性について意見を陳述。

・第16回口頭弁論(2017年7月21日)

◆原告の意見陳述は,市川章人さん(京都自治体問題研究所)で,避難の問題について。「2015年の原子力災害対策指針の改悪で不安は一層増しました。それは,避難よりも屋内退避を強調し,さらにUPZ以遠の地域で当初予定していた放射性プルーム対策としてヨウ素剤を服用する区域PPAを廃止し,ヨウ素剤配布はやめ屋内退避で十分としたからです。」と述べました。
◆弁護団からは,上林川断層(FO-A断層,FO-B断層,熊川断層の共役断層)について,前回に続いて大飯原発の地盤特性や地域特性について(被告関電は大飯原発の地盤特性を把握していないこと),京都市原子力災害避難計画の問題点について,主張。

・第17回口頭弁論(2017年11月1日)

◆原告の意見陳述は,松本美津男さん(京都市左京区,京都障害児者の生活と権利を守る連絡会[京障連])。実際に避難訓練したり,震災の経験者から聞いた話から避難の問題について陳述しました。「私の防災訓練の体験からも障害者は大きな災害が起これば避難所にも行けないケースが続出すると考えられます。」
◆弁護団からは,原発事故の際のヒューマンエラーおよび,原発裁判に関する原子力規制委員会の「考え方」に対する反論を行いました。

⑥[2018年]

・第18回口頭弁論(2018年1月16日)

◆原告の意見陳述は,高瀬光代さん(兵庫県)が,阪神淡路大震災のときの避難所に関連して原発事故の際の避難について述べました。「関西電力が大飯原発を再稼働するというのであれば,もし,事故が起きたらどうするかについて,なぜもっと責任を持たないのでしょうか。「災害対策基本法」は自然災害での自治体の責任が言われています。原発事故は,企業災害ですから原因企業が責任を持たねばならないのではないのでしょうか。避難を余儀なくされた方々に対しては,少なくともそれまでの生活と同等の生活環境を用意してしかるべきではないのでしょうか。」
◆弁護団からは,大飯原発の地盤特性について主張。関電は「ほぼ均質な地盤」であるとか,「浅部構造に特異な構造がない」と主張していますが,今回,「そういうことは到底言えない」ことを明らかにしました。関電の地震伝播速度の評価が著しく過大で,そのため地震動が著しく過小に評価されているのであって,「特異な構造は認められない」との評価の誤りを強く批判しました。関電の評価は明らかに誤りです。
◆被告関電は,基準地震動策定が「平均像」であることを認めた上で,地域特性を十分に把握できており,その地域特性に照らせば,基準地震動を超える地震発生の可能性は否定できると主張しています。しかし,主張をするばかりで保有している根拠資料すら提出せず,それどころか原発の地域特性の調査として当然になすべき重要な調査がなされないままです。また実施された調査結果が,科学技術を冒涜する所作以外の何物でもないと批判されるべきほどに,基準地震動が小さくなるよう歪めて評価されています。

・第19回口頭弁論(2018年3月27日)

◆原告の意見陳述は,小西洋一さん(京都府舞鶴市)が,現職の小学校の先生として意見陳述を行い,子供を放射能被害から守る困難さや,避難先での子供のいじめ問題等も紹介しました。全校生徒200人足らずの小学校には,市の職員配置はたった3人。でも校区内の避難想定者は3000人とのこと。子どもたちに放射能の心配のない日本を残すため原発の廃炉をと訴えました。
◆弁護団は,関電が日本海では巨大地震による大津波を警戒する必要はないとしている点に対して,竹本修三原告団長が1026年に島根県益田地方を襲った万寿(まんじゅ)津波のメカニズムを解明して,関電の津波対策の見直しを主張しました。伝承されている20mこえの津波の到来には信用性があり,関電の津波対策の不十分さを指摘しました。

・第20回口頭弁論(2018年6月5日)

◆この回は,原告の意見陳述なし。
◆弁護団からは,原発事故関連死の状況について,福島県の震災関連死の率が突出していること,行方不明者を見殺しにての避難強いられたこと,避難過程での死者の発生を述べ,過酷事故時の避難は,戦場からの退避にも比肩すべきであると主張。福島第一原発の廃炉の困難性については汚染水対策,デブリの取り出しについて,解決が困難な問題点を指摘しました。核ゴミ問題について,核燃料サイクルや高レベル放射性廃棄物の10万年単位での保存の虚構などを述べました。

◆第20回口頭弁論の報告

第20回口頭弁論にご参加の皆さまは,たいへんご苦労様でした。

今回,準備不足のため,予定していた原告の意見陳述はできませんでした。申しわけございませんでした。
弁護団からは,原発事故関連死の状況について,福島県の震災関連死の率が突出していること,行方不明者を見殺しにての避難強いられたこと,避難過程での死者の発生を述べ,過酷事故時の避難は,戦場からの退避にも比肩すべきであると主張しました。福島第一原発の廃炉の困難性については汚染水対策,デブリの取り出しについて,解決が困難な問題点を指摘しました。核のゴミ問題について,核燃料サイクルや高レベル放射性廃棄物の10万年単位での保存の虚構などを述べました。

・開廷前の恒例のデモは,51名とにぎやかでした。
・傍聴席は抽選となり,模擬法廷には,14名の参加がありました。
・クリアファイル,缶バッジ,書籍などの販売もご協力いただきました。
・閉廷後の報告集会は満席となり,カンパは会場で報告したとおりで,感謝いたします。

・今回,核廃棄物,震災関連死,廃炉問題が取り上げられたのは,たいへん良かったと思う,と言う感想が寄せられています。また,「福井から原発をなくす裁判の会」の事務局の人が原告席で参加され,報告集会では,7/4の名古屋高裁金沢支部の判決に関して報告されたのは,タイミングがピッタリでした。

 

以上,概略のご報告まで。

 

 

◆6/5の第20回口頭弁論のお知らせ

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大飯原発差止訴訟[京都地裁]の原告の皆さまへ
次回 6/5(火)の裁判期日のお知らせ
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第20回口頭弁論について

6/5(火)14:00より,京都地方裁判所において開かれます。
多くの皆さまにご参加いただきますよう,ご案内します。

次回の法廷の概略…次の通りです。

(1)原告の意見陳述…京丹後市の西川政治さん(丹後ふるさと病院)「病院における原子力防災」について。

(2)弁護団から(予定)
①福島第一原発の廃炉作業について。
②国家賠償上の違法責任について。
③原発事故関連死について


6/5の裁判に参加する方法…以下,三つの方法があります。

[1] 原告席…法廷の中で柵の内側に,原告として入ります。被告の正面になります。

・原告団が氏名を裁判所に通知します。希望される場合は★5月27日(日)★までに電話,FAX,葉書などで末尾記載の事務局宛ご連絡ください。
・E-Mailでの応募と合わせて先着順とし,定数に達するまで募集します。
・合計35名ほどの原告が参加できますので,先着順で定数に達するまで募集します。

【注意】2017年に原告申込をされた方(=第六次原告)も,原告席に入ることができます。

[2] 傍聴席…法廷の中で柵の外側。88席あり,そこに入るには,裁判所が抽選を行います。

・13:20~13:35の間に,京都地裁正面玄関前で,抽選リストバンドが配布されます。
・13:35からの抽選,傍聴券の配布は,地裁の北側正面玄関前となります。
・傍聴席は,原告でない方も,誰でも抽選によって参加することができます。
・傍聴席に入ることができなかった場合は,下記の模擬法廷にご参加ください。

★傍聴におこしください★ 最近の口頭弁論では,関電の関係者と思われる傍聴希望者が20名ほど来ていて,抽選の結果,10数名が傍聴席に入っています。関電の社員に私たち原告の主張を聞いてもらうのは良いことですが,原告の皆さん,脱原発を願う支援の皆さんの傍聴機会がなくなるのは困ります。3/27の傍聴席は,脱原発の声で埋めたいと思います。原告席に参加されない場合でも,ぜひ傍聴にご参加ください。

[3] 模擬法廷…弁護団が用意します(法廷と同じ14:00開始)。

そこに参加するには,
・京都地裁の構内の南東角にある「京都弁護士会館・地階大ホール」へ,直接おこしください。
・法廷よりもわかりやすく,弁護団が解説します。
・事前に提出されている被告(国や関電)側の書面があれば,その解説も行います。


報告集会の開催

・法廷の終了後(15:00頃から)「京都弁護士会館・地階大ホール」にて報告集会を開催します。
・裁判に関するご質問なども,弁護団から説明いたします。


開廷前のデモ

・市民に脱原発を訴えるため,従来通り,12:10 までに京都弁護士会館前(京都地裁構内の南東角)に集合して裁判所周辺のデモを行います。多くの皆さまが参加されるよう,訴えます。
・出発は12:15 です。30分程度で終わる予定です。
・デモ後に,裁判所の傍聴席の抽選に応募することができます。


◆第19回口頭弁論の報告

3/27(火),京都地裁,大飯原発差止訴訟の第19回口頭弁論。開廷前の恒例裁判所周辺デモは,55名の参加。裁判所周辺のしだれ桜が咲き始めていて,春の雰囲気いっぱいでした。

法廷の原告席は30数名の原告と10数名の弁護団ですし詰め状態。傍聴席の応募もたくさんあって抽選になりました。傍聴席にあたらなかった方は,すみませんでしたm(_ _)m

弁護団は,関電が日本海では巨大地震による大津波を警戒する必要はないとしている点に対して,竹本修三原告団長(京大名誉教授)が1026年に島根県益田地方を襲った万寿(まんじゅ)津波のメカニズムを解明して,関電の津波対策の見直しを主張しました。伝承されている20mこえの津波の到来には信用性があり,関電の津波対策の不十分さを指摘しました。

また,大飯原発などの避難計画についても不十分さを指摘しました。舞鶴市の小学校の先生が意見陳述を行い,子供を放射能被害から守る困難さや避難先での子供のいじめ問題等も紹介しました。全校生徒200人足らずの小学校には,市の職員配置はたった3人。でも校区内の避難想定者は3000人とのこと。子どもたちに放射能の心配のない日本を残すため原発の廃炉をと訴えました。

閉廷後,弁護士会館で報告集会。多くのご参加,ありがとうございました。再稼働が進む関電の原発に対して,法廷闘争そして市民運動をいっそう大きくしていきたいと思います。

なお,今日,第六次原告53名の追加提訴を行い,これまでの原告総数は,3323名となりました。原告募集はこれで終了します。

【これまでの概略】

京都地裁の大飯原発差止訴訟は,関電の設定する基準地震動への疑問と,事故が起こった際の避難困難性について,着々と主張を積み重ねています。

被告関西電力は,基準地震動策定が「平均像」であることを認めた上で,地域特性を十分に把握できており,基準地震動を超える地震発生の可能性は否定できると主張しています。しかし,主張をするばかりで保有している根拠資料すら提出せず,それどころか原発の地域特性の調査として当然になすべき重要な調査がなされないままです。また実施された調査結果は「科学技術を冒涜する所作」(つまり改ざんです)以外の何物でもないと言えるほどに,基準地震動が小さくなるよう歪めて評価していることを明らかにしました。

また,昨年末,関西電力が経済的合理性から老朽大飯原発1・2号機の廃炉決定をしたことは,私たちの勝利といえます。安全対策費が膨大になり,ペイしなくなったのです。

私たちは,原発の科学的技術的な課題(安全性),倫理的問題(将来への核のゴミつけ回し,電力多消費型社会への批判)を追及しつつ,経済合理性からみても原発が産業として成立しないことなどを追及しています。