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◆報告とお礼~4/29、320人の参加で高浜全国集会および町内デモ

【2023年5月1日。京都キンカンほかで配付】
【PDF(チラシ)→tirasi2023-04-29[2 MB]
【PDF(関電への申入書)→tirasi2023-04-29-kanden[548 KB]

報告とお礼

320人の参加で
『関電よ 老朽原発うごかすな!』
『岸田政権の原発暴走NO!』
高浜全国集会および町内デモ

 岸田政権は、一昨年10月に決定した「エネルギー基本計画」で「原発の新増設や建て替えは想定しない」としていましたが、決定から1年も経ない昨年8月、この基本計画まで無視し、また、原発の運転期間は最大60年とした法律を蔑ろにして、「原発依存社会」への方向転換を表明しました。

 岸田政権は、①原発の停止期間を運転期間から除くことによって、原発の60年を超える運転を可能にしようとしています。しかし、世界にも、60年を超えて原発を運転した経験はありません、最古の原発でも、運転期間は53年です。

 また、②廃炉になった原発の代わりに革新型原子炉、新型小型原子炉を建設するとしていますが、これらの原子炉は、過酷事故の危険性や何万年もの保管を要する使用済み核燃料を残す点では、従来の大型原子炉と変わりません。「革新」や「小型」の言葉遊びで人々を騙そうとしているのです。

 さらに、③破綻した高速炉、60年以上も膨大な研究予算を投下し続けたにもかかわらず、いまだに実用の兆候も見えない高温ガス炉や核融合の開発を新しいテーマのごとく取り上げて、膨大な予算を投下しようとしています。

 岸田政権は、原子炉の安全対策、原子炉材料、放射性廃棄物の処理処分などの科学・技術にほとんど進歩がないにも拘わらず、原発関連大企業などの「原子力ムラ」の救済のために、原発推進を「決断と実行」(自民党ポスター)しようとしています。岸田首相がどう願望しようとも、経済的利益や政治的思惑で科学・技術が急に進歩することはありません。

 岸田政権は、「原発依存社会」に向かって、5法案(原子力基本法、電気事業法、原子炉等規制法、再処理等拠出金法、再生可能エネルギー特別措置法)を、エネルギーの安定供給、脱炭素に関わるとして、束ねて(「束ね法案」として)今開催中の通常国会に提出し、審議を尽くすこともなく、4月27日、衆議院で強行可決し、参議院に送りました。「束ね法案」は「GX脱炭素電源法」と名付けられ、原発関連法改悪をその中に紛れ込ませて(「原発」の文字を隠して)いるのです。人々を、だまし、あざむく行為です!

 この「束ね法案」では、原子力の憲法・原子力基本法(1955年に「自主・民主・公開」による原子力の平和利用と原発の安全確保をうたって制定)を改悪し、『原発活用で電力の安定供給や脱炭素社会の実現に貢献することを「国の責務」と位置付ける項目を新設するとしています。また、原発運転期間に関する規定を、環境省(規制側)所管の原子炉等規制法から削除し、経産省(利用側)所管の電気事業法に移そうとしています。福島原発事故の教訓の上に、原発の「利用と規制」を分離した経緯を無視し、運転期間の判断を利用側の経産省に委ねる改悪です。

 「原発依存社会」へ暴走する政府の先兵が関電です。関電は、運転開始後46年を超えた老朽原発・美浜3号機を運転し、48年、47年超えの老朽原発・高浜1、2号機を近々再稼働させようとし、38年、37年超えの高浜原発3、4号機の40年超え運転を原子力規制委員会に申請しています。

 しかし、関電の原発では、トラブルが頻発しています。中でも、高温・高圧水が流れる、蒸気発生器伝熱管などの一次冷却系配管の損傷の多発は深刻です。一次冷却系配管が完全破断すれば、一次冷却水が噴出し、原子炉が空焚きになり、メルトダウンに至る危険があるからです。また、去る1月30日に高浜4号機で発生した制御棒の異常挿入も、制御棒は原子炉のブレーキであるだけに、深刻です。さらに、美浜3号機でも、再稼働以来の運転期間は1年にも満たないにもかかわらず、4度ものトラブルが発生していることも見過ごせません。原発過酷事故の不安は、益々大きくなっています。

 今、電気は足りています。余っています。電力がひっ迫するのは、1年のうちの数日です。それも1日の内の数時間です。このような一時的な電力ひっ迫は、節電によって乗り切れます。電力逼迫をことさら喧伝し、負の遺産・使用済み核  燃料を増やし、過酷事故を起こしかねない原発を推進する政府や電力会社を許してはなりません。

 今こそ、目に見える行動に立たなければなりません。トラブル続きの老朽原発・美浜3号機の運転を止めさせ、老朽原発・高浜1、2号機の再稼動を阻止し、それを突破口に、原発全廃の大きなうねりを形成しましょう!

「4.29高浜全国集会」で「老朽原発うごかすな!」の決意を固め、
町内デモで高浜町民に「原発のない社会」をアピール
「前段行動」では、関電に抗議と申し入れ

 「老朽原発うごかすな!実行委員会」が、4月29日に開催した「関電よ 老朽原発うごかすな!高浜全国集会」および町内デモには約320 人が参加されました。また、この集会の前段として行われた、高浜原発周辺でのデモ行進、抗議・申し入れ集会には約200人が結集され、抗議行動の行われた北ゲート前広場は溢れかえりました。

 高浜町文化会館での全国集会では様々な地域、多様な団体からの発言がありました。
・中嶌哲演さんの「福島原発事故直後に短期間の集中審議で脱原発への道を切り開いたドイツの倫理委員会の日本版を作って、老朽原発再稼働が進む危機的な状況を打開しよう」と訴える主催者挨拶、
・若狭の原発の風下・名古屋、岐阜から大型バスで駆け付けた36人の代表の「弱い者にしわ寄せを強いる原発に抗う行動を!」との訴えに続き、
・井戸謙一弁護士の「人災は騙されたころにやってくる、今、原発に関して騙される人が増えているかもしれない。これを押し返さなければならない」とするメッセージが紹介されました。
・さらに、
「なくそう原発・核燃,あおもりネットワーク」
「とめよう!東海第二原発 首都圏連絡会」
「伊方から原発をなくす会」
「ストップ川内原発!3.11鹿児島実行委員会」
「原発賠償関西訴訟原告団」
からの挨拶(代読を含む)が続き、
・地元・若狭湾沿岸の
「原発設置反対小浜市民の会」
「福井の老朽原発訴訟の会」
「原発ゼロをめざす宮津・与謝ネットワーク」、
・労働組合関係から
「ユニオンネットワーク・京都」
「フォーラム平和関西ブロック」
「福井県労働組合総連合」
「京都地方労働組合総評議会」のご挨拶を頂きました。
・いずれにも大きな拍手がわきました。集会は、集会決議(後段参照)の採択とシュプレヒコールによって締めくくられました。

 集会では、全国ほぼ全ての原発、核施設立地で闘う皆さんから寄せられ、原発、核施設の現状、運動の様子をまとめたメッセージ集も配布されました。

 集会後は、旧街道を経由して、「老朽原発動かすな!」を訴える力強いコールを挙げながら、町内デモを敢行しました。

 デモは、狭い街道ながら、道一杯に拡がり、フランスデモの様相を呈するものとなりました。窓を開けて見ている人、玄関前で手を振ってくれる人、感謝を述べる人、声援くださる人など、今まで以上に多数の住民の、目に見える形での激励を得ることができました。反原発の願いの大きさを実感しました。

4.29「高浜全国集会」にご参加、ご支援
いただきました皆様、有難うございました

老朽原発うごかすな!実行委員会
連絡先090-1965-7102(木原)

▼音海展望台から高浜原発北門前へ

▼高浜原発北門前 抗議行動

▼4.29高浜全国集会

▼高浜町内デモ

▼2023年4月30日中日新聞

▼2023年4月30日県民福井

▼2023年4月30日しんぶん赤旗

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◆4.29「関電よ 老朽原発うごかすな!
~岸田政権の原発暴走NO!~」高浜全国集会  集会決議
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 原発は、現在科学技術で制御できる装置でないことを、発生後12年を経た福島原発事故が、大きな犠牲の上に教えています。そ原発が老朽化すれば、危険度が急増することは多くが指摘するところです。

 それでも、岸田政権は、原発運転期間は原則40年、最長でも60年とした法律を骨抜きにし、原発の60年超え運転を画策しています。しかし、世界にも、60年を超えて運転した原発はありません。最長でも、運転期間は53年です。地震、火山噴火、津波の多発する日本での60年超え運転は、無謀で、福島原発事故の犠牲と教訓を蹂躙するものです。

 さらに、岸田政権は、昨年8月、何の議論もなく唐突に、革新型原子炉、新型小型原子炉を建設する方針に転換しました。しかし、これらの原子炉は、過酷事故の危険性や何万年もの保管を要する使用済み核燃料を残す点では、従来の原子炉と変わるところがありません。

 岸田首相がいかに願望しようとも、経済的利益や政治的な思惑で、科学・技術が急に進歩することはありません。原発の老朽化を防ぐ技術や原発の安全性が急に向上することはありません。
ところで、4月15日に脱原発を完成させたドイツは、福島原発事故直後から脱原発を進め、再生可能エネルギーの割合を2割から5割に増加させています。一方、福島原発事故の当事国・日本は、原発維持に固執したため、再生可能エネルギーの割合は、1割から2割に増加させたに過ぎません。長期にわたる自公政権のエネルギー政策の失敗の結果、脱原発の流れに乗り遅れたのです。岸田政権は、その失政を取り繕うために、さらに大きな過ち「原発依存社会」に向かって暴走しています。奈落の底「原発過酷事故」に突き進んでいます。

 今、国会では、「原発依存社会」に関かわる5法案の改悪に向けて、審議が大詰めを迎えています。このいわゆる「束ね法案」では、原子力の憲法・原子力基本法を改悪し、原発活用で電力の安定供給や脱炭素社会の実現に貢献することを「国の責務」と位置づける項目を新設するとしています。また、原発運転期間に関する規定を、原発規制側の環境省所管の原子炉等規制法から削除し、原発利用側の経産省所管の電気事業法に移そうとしています。福島原発事故の教訓の上に、原発の「利用と規制」を分離した経緯を無視し、運転期間の判断を利用側に立つ経産省にゆだねる改悪です。許してはなりません。

 一方、原発トラブルを頻発させ、原発マネー不祥事や法令違反を繰り返している関電は、反省することもなく、岸田政権の尖兵として、運転開始後46年を超えた、老朽原発・美浜3号機を運転し、48年、47年超えの老朽原発・高浜1、2号機を、6月までにも再稼動させようとしています。「原発依存社会」への暴走を先導しよういているのです。

 今こそ、「原発全廃」「原発依存社会に暴走する政府はいらない」を掲げた目に見える行動に起たなければなりません。

 本日、高浜全国集会に結集した私たちは、危険極まりない老朽原発・美浜3号機の運転、高浜1、2号機の再稼慟を阻止し、それを突破口に、原発全廃の大世論を形成し、原発のない、人の命と尊厳が大切にされる社会を実現することを決議します。

2023年4月29日
「関電よ 老朽原発うごかすな! 高浜全国集会」参加者一同

老朽原発・美浜3号機、高浜1、2号機、東海第2原発の即時廃炉を勝ち取り、
それを突破口に、核燃料、化石燃料に依存しない社会を実現しよう!
川内原発1、2号機、高浜原発3、4号機の40年超え運転を許すな!
「原発依存社会」へ暴走する岸田政権を打倒しよう!

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◆関電への申し入れ(4/29 高浜原発で提出)
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関西電力株式会社:
  取締役会長 榊原 定征 様、
  取締役社長 森望様、
  原子力事業本部長 松村 孝夫 様、
  高浜発電所長 木島 和夫 様

申し入れ書

 福島原発事故から12年が経ちましたが、避難者の多くは今でも故郷を奪われたままです。事故収束の見通しは立たず、トリチウムだけでなく、除去されなかった放射性物質を含む大量の汚染水が太平洋にたれ流されようとしています。原発過酷事故は、被害の甚大さ、事故処理の困難さなどにおいて、他の事故とは比較にならないほど深刻です。
その原発が老朽化すれば、原子炉圧力容器の脆化や配管、配線の損傷などが進み、過酷事故の危険度が急増することは多くが指摘するところです。

 また、原発を動かせば、何万年もの保管を要する使用済み核燃料がたまりますが、その永久保管はおろか、中間貯蔵すら引き受ける所もないことは、貴関西電力(関電)がよくご存じのことです。関電は、何度も「使用済み核燃料の中間貯蔵地を福井県外に探す」と、期限を切って約束しましたが、その約束を全て反故にしています。一昨年2月にも、「2023年末までに候補地を提示できなければ、老朽原発を停止する」として、福井県知事の老朽原発再稼働への同意を取り付けましたが、いまだに候補地の目途はたっていません。

 したがって、原発、とくに老朽原発を運転することが説得力を持つはずがありません。原発は、元、前原子力規制委員長も指摘するように、新規制基準に適合したからといって、安全が保障されているものではありません。
ところで、貴関電は、「原発マネー不正還流」不祥事を反省して、体制を一新したはずなのに、不祥事はその後も次々に発覚しています。

・2019年に発覚した「原発マネー不正還流」は、最悪の幹部腐敗です。役員など20名余が、高浜町の森山栄治元助役やその関連会社から計約3億6千万円の金品を平然と受け取り、しかもそれを隠そうとしてきました。その上、減額された役員報酬や追徴課税分の闇補填など、きわめて悪質です。

・2021年には、公正取引委員会が、関電のほか、中部電力と販売子会社の中部電カミライズ、中国電力、九州電力の5社に対し、独占禁止法違反のカルテルの疑いで立ち入り検査を行いました。このカルテルを主導したのは、関電とのことですが、関電は課徴金を免れています。電力システム改革が目指す自由で公正な競争を否定するものです。課徴金を免れたからと言って、責任を取らなくて良いはずはありません。

・2022年には、関電の小売部門が、子会社の関西電力送配電の情報に不正アクセスしていたという報道がありました。その後、不正閲覧は、広範に行われていたことが判明しています。経産省サイトの新電力情報の不正閲覧も指摘されています。電力システム改革の根本を否定する違法行為によって得た情報を、自社営業活動に利用することについて、何の疑問も抱かなかったのでしょうか。

・2022年には施工管理技士の国家資格の不正取得、2023年には関西電力送配電が法律で義務付けられた電圧の測定を怠り記録を捏造していたことが、報道されています。

 このように、関電は、企業倫理、法令順守の精神に著しく欠けた企業であるとの誹りは免れません。

 このような企業が、ひとたび過酷事故が起これば、極めて広範囲、長期にわたって甚大な災害をもたらす原発を「事故なく運転する」と主張しても、信用できる筈がありません。事実、過酷事故には至っていないものの、関電の原発では、トラブルが頻発しています。
なぜ、このように不祥事、約束違反、トラブルが多発するのでしょうか?

 それは、本来、現在科学技術で制御できない原発を、無理矢理稼働させようとするから、人々を欺かなければならなくなり、そこに闇の部分が発生するためではないでしょうか?

 このことを福島原発事故直後にいち早く認識したドイツは、その後、脱原発を進め、再生可能エネルギーの割合を2割から5割に増加させ、去る4月15日に脱原発を達成しています。一方、福島原発事故の当事国・日本は、原発維持に固執したため、再生可能エネルギーの割合は、1割から2割に増加させたに過ぎません。福島事故後のエネルギー政策の失敗の結果、脱原発の流れに乗り遅れたのです。岸田政権や関電はその失敗を取り繕うために、さらに大きな過ち「原発依存社会」に向かって暴走しています。奈落の底「原発過酷事故」に突き進んでいるのかも知れません。
 ところで、今、電気は足りています。余っています。電力がひっ迫するのは、1年のうちの数日です。それも1日の中の数時間です。このような一時的な電力ひっ迫は、節電によって乗り切れます。このことは昨年3月の地震と寒波に起因する東北、東京エリアでの電力不足、6月末から7月にかけての猛暑による電力不足を、節電で乗り越えた実績が証明しています。したがって、放射線被ばくを強い、子々孫々にまで負の遺産・使用済み核燃料を残す原発を稼働させる必要は全くありません。

 私たちは、貴関電も、ドイツ、イタリア、台湾と同様に一刻も早く原発と決別し、自然エネルギーの活用で世界をリードする電力会社へと脱皮されることを期待し、以下を申し入れます。

【1】危険極まりない老朽原発・美浜3号機の運転を中止し、老朽原発・高浜1、2号機の再稼働、高浜原発3、4号機の40年超え運転を断念し、これらの原発の即時廃炉を決定してください。
【2】原発を動かせば、行き場がなく、子々孫々にまで負の遺産となる使用済み核燃料が増加します。貴関電の有する全ての原発を停止し、安全な廃炉を進めてください。
【3】一刻も早く原発と決別し、核燃料、化石燃料を使わない発電に転換してください。公益事業体として、環境の保全と人類の明るい未来のために、自然エネルギーによる発電法、大容量蓄電法、省エネ技術の開発と普及に努めてください。

 なお、貴職らが、圧倒的な「老朽原発うごかすな!」の民意を蹂躙して老朽原発を稼働させ、重大事故が起こった場合、それは貴職らの故意による犯罪であり、許されるものではないことを申し添えます。

2023年4月29日
「関電よ 老朽原発うごかすな! 高浜全国集会前段行動」参加者一同
(連絡先;木原:090-1965-7102)

◆報告とお礼~3/21関電本店-4/2高浜原発リレーデモを延べ900人の参加で貫徹

【2023年4月4日。京都キンカンほかで配付】
【PDF→tirasi2023-04-04[1 MB]

報告とお礼

『老朽原発うごかすな!』
『岸田政権の「原発依存社会」への暴走を許すな!』
関電本店-高浜原発リレーデモを延べ900人の参加で貫徹

 岸田政権は、一昨年10月に決定した「エネルギー基本計画」で「原発の新増設や建て替えは想定しない」としていましたが、決定から1年も経ない昨年8月、この基本計画まで無視し、また、原発の運転期間は最大60年とした法律を蔑ろにして、「原発依存社会」への方向転換を表明しました。

 岸田政権は、①原発の停止期間を運転期間から除くことによって、原発の60年を超える運転を可能にしようとしています。しかし、世界にも、60年を超えて原発を運転した経験はありません、最古の原発でも、運転期間は53年です。なお、原発の老朽化は、停止中であっても進行します。

 また、②廃炉になった原発の代わりに革新型原子炉、新型小型原子炉を建設するとしていますが、これらの原子炉は、過酷事故の危険性や何万年もの保管を要する使用済み核燃料を残す点では、従来の大型原子炉と変わりません。「革新」や「小型」の言葉遊びで人々を騙そうとしているのです。

 さらに、③破綻した高速炉、60年以上も膨大な研究予算を投下し続けたにもかかわらず、いまだに実用の兆候も見えない高温ガス炉や核融合の開発を新しいテーマのごとく取り上げて、膨大な予算を投下しようとしています。

 岸田政権は、原子炉の安全対策、原子炉材料、放射性廃棄物の処理処分などの科学・技術にほとんど進歩がないにも拘わらず、原発関連大企業などの「原子力ムラ」の救済のために、原発推進を「決断と実行」(自民党ポスター)しようとしています。岸田首相がどう願望しようとも、経済的利益や政治的思惑で科学・技術が急に進歩することはありません。

 岸田政権は、「原発依存社会」に向かって、開会中の通常国会での関連法案改悪を目指して、5法案(原子力基本法、電気事業法、原子炉等規制法、再処理等拠出金法、再生可能エネルギー特別措置法)を、エネルギーの安定供給、脱炭素に関わるとして、束ねて(「束ね法案」として)審議しています。「束ね法案」は「GX(グリーントランスフォーメーション)脱炭素電源法」と名付けられ、原発関連法改悪をその中に紛れ込ませて(「原発」の文字を隠して)いるのです。人々を、だまし、あざむく行為です!

 この「束ね法案」では、原子力の憲法・原子力基本法(1955年に「自主・民主・公開」による原子力の平和利用と原発の安全確保をうたって制定)を改悪し、原発活用で電力の安定供給や脱炭素社会の実現に貢献することを「国の責務」と位置づける項目を第2条に新設するとしています。また、原発運転期間に関する規定を、環境省(規制側)所管の原子炉等規制法から削除し、経産省(利用側)所管の電気事業法に移そうとしています。福島原発事故の教訓の上に、原発の「利用と規制」を分離した経緯を無視し、運転期間の判断を利用側の経産省に委ねる改悪です。

 「原発依存社会」へ暴走する政府の先兵が関電です。関電は、運転開始後46年を超えた、老朽原発・美浜3号機を運転し、48年、47年超えの老朽原発・高浜1、2号機を、近々(早ければ、4月末?)再稼働させようとしています。しかし、関電の原発では、トラブルが頻発しています。中でも、高温・高圧水が流れる、蒸気発生器伝熱管などの一次冷却系配管の損傷の多発は深刻です。一次冷却系配管が完全破断すれば、一次冷却水が噴出し、原子炉が空焚きになり、メルトダウンに至る危険があるからです。また、去る1月30日に高浜4号機で発生した制御棒の異常挿入も、制御棒は原子炉のブレーキであるだけに、深刻です。さらに、老朽原発・美浜3号機でも、再稼働以来1年にも満たないにもかかわらず、4度ものトラブルが発生していることも見過ごせません。原発過酷事故の不安は、ますます大きくなっています。

 今、電気は足りています。余っています。電力がひっ迫するのは、1年のうちの数日です。それも1日数時間です。このような一時的な電力ひっ迫は、節電によって乗り切れます。電力逼迫をことさら喧伝し、負の遺産・使用済み核燃料を増やし、過酷事故を起こしかねない原発を推進する政府や電力会社を許してはなりません。

 今こそ、目に見える行動に立たなければなりません。トラブル続きの老朽原発・美浜3号機の運転を止めさせ、老朽原発・高浜1、2号機の再稼動を阻止し、それを突破口に、原発全廃の大きなうねりを形成しましょう!

「3.21関電包囲大集会」
「3.21-4.2関電本店-高浜原発リレーデモ」
「13自治体への申し入れ」で
「原発のない社会」をアピール

 「老朽原発うごかすな!実行委員会」は、3月21日に開催した「関電包囲大集会」(380人参加)を旅立ちとして、関電本店(大阪)から、京都、琵琶湖東岸を経て、4月2日に高浜原発に至る230 km、13日間のリレーデモ(延べ900人が参加)を実施し、原発重大事故では避難者になりかねない沿道各地の皆様に「老朽原発即時廃炉」を訴えました。彦根では井戸謙一弁護士、米原市では平尾道雄市長より激励を頂きました。リレーデモの通過した沿線13自治体には「老朽原発運転の危険性」「原発過酷事故時の避難の困難さ」を指摘し、住民の安全・安心を守る立場にたって「原発のない社会を目指す決意」を表明するよう申し入れました。また、関電京都支店、高浜原発では、関電経営陣に「老朽原発うごかすな!」「原発全廃」を申し入れました(裏面参照)。リレーデモでは、デモを見守る数多くの皆様からご激励とご声援をいただき、「原発全廃」、とりわけ「老朽原発うごかすな!」は民意であることを再確認しました。

 なお、リレーデモに関して、「老朽原発うごかすな!リレーデモニュース」が毎日発行され、「老朽原発うごかすな!ニュース」92号~95号が発行されました。(→こちら

ご参加、ご支援いただきました皆様、
ありがとうございました。

老朽原発うごかすな!実行委員会
連絡先090-1965-7102(木原)

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◆リレーデモの記録
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▼3.21 大阪市内

▼3.22 北摂(茨木市)

▼3.24 京都市内

▼3.26 京都市内を行く街宣車

▼3.26 大津市内琵琶湖岸

▼3.27 近江八幡市内

▼3.28 南彦根駅前、井戸弁護士が激励

▼3.28 米原駅前、平尾米原市長が激励

▼3.30 長浜市内

▼4.1 小浜駅前

▼4.1 小浜駅前、中嶌哲演さんが挨拶

▼4.1 おおい町内

▼4.2 高浜原発北ゲート

▼4.2 関電への申し入れ(高浜原発で)

▼2023年4月2日福井新聞

▼2023年4月3日福井新聞

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◆関電への申し入れ(4/2 高浜原発で提出)
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関西電力株式会社:
  取締役会長 榊原 定征 様、
  取締役社長 森望様、
  原子力事業本部長 松村 孝夫 様、
  高浜発電所長 木島 和夫 様

申し入れ書

 福島原発事故から12年が経ちましたが、避難者の多くは今でも故郷を奪われたままです。事故収束の見通しは立たず、トリチウムだけでなく、除去されなかった放射性物質を含む大量の汚染水が太平洋にたれ流されようとしています。原発は、事故被害の深刻さ、事故処理の困難さなど、現在科学技術で制御できる装置ではありません。

 その原発が老朽化すれば、原子炉圧力容器の脆化や配管、配線の損傷などが進み、過酷事故の危険度が急増することは多くが指摘するところです。

 また、原発を動かせば、何万年もの保管を要する使用済み核燃料が溜りますが、その永久保管はおろか、中間貯蔵すら引き受ける所もないことは、貴関西電力(関電)がよくご存じのことです。

 さらに、昨年2月に始まったウクライナ紛争では、戦争になれば、原発は格好の攻撃目標になることが実証されました。

 それでも、岸田政権は、原発運転期間は原則40年、最長でも60年とした法律を骨抜きにし、原発の60年超え運転への道を開こうとし、今、開会中の通常国会で関連法案の改悪を画策しています。しかし、世界にも、60年を超えて運転した原発はありません、最も老朽な原発でも、運転期間は53年です。地震、火山噴火、津波の多発する日本での原発60年超え運転は、無謀で、福島原発事故の犠牲と教訓を蹂躙するものです。

 一方、貴関電は、運転開始後46年を超えた、老朽原発・美浜3号機を運転し、48年、47年超えの老朽原発・高浜1、2号機を、近々、再稼働させようとしています。しかし、関電の原発では、トラブルが頻発しています。中でも、320℃、160気圧近くの高温・高圧水が流れる、蒸気発生器伝熱管などの一次冷却系配管の損傷の多発は深刻です。これらの配管が完全に破断すれば、一次冷却水が噴出し、原子炉が空焚きになり、メルトダウンに至る危険があるからです。また、去る1月30日に高浜4号機で発生した制御棒の異常挿入も、制御棒は原子炉のブレーキであるだけに、深刻です。さらに、老朽原発・美浜3号機でも、一昨年の再稼働以来、運転期間は1年にも満たないにもかかわらず、4度ものトラブルが発生していることも見過ごせません。原発過酷事故の不安は、ますます大きくなっています。

 岸田首相や電力会社がいかに願望しようとも、政治的あるいは経済的な判断で、科学・技術が急に進歩することはありません。原発の老朽化を防ぐ技術、原発の安全性を高める技術、使用済み核燃料の処理・処分法が急に向上することはありません。急な原発推進への転換には、何の根拠もありません。

 そもそも、岸田政権の「原発依存社会」への暴走は、福島原発事故以降の政権や電力会社経営陣が、事故の教訓を生かさず、原発維持にこだわり、自然エネルギーへの全面切り替えを怠った結末です。失敗の政治、失敗の経営の「つけ」がまわったのです。日本は、太陽光にも、水にも、風にも、地熱にも恵まれています。もし、先見の明がある政権や電力会社経営陣であったなら、原発に費やされた膨大な税金や電気料金を、自然エネルギーを利用する電源、大容量の蓄電法、省エネ機器の開発と普及に回わし、今頃、核燃料、化石燃料の必要のない社会を実現し、世界をリードしていたでしょう。

 ところで、今、電気は足りています。余っています。電力がひっ迫するのは、1年のうちの数日です。それも1日数時間です。このような一時的な電力ひっ迫は、節電によって乗り切れます。このことは昨年3月の地震と寒波に起因する東北、東京エリアでの電力不足、6月末から7月にかけての猛暑による電力不足を、節電で乗り越えた実績が証明しています。したがって、放射線被ばくを強い、子々孫々にまで負の遺産・使用済み核燃料を残す原発を稼働させる必要は全くありません。

 私たち「老朽原発うごかすな!実行委員会」は、去る3月21日に開催した「関電包囲大集会」を旅立ちとして、関電本店から高浜原発に至る230 km、13日間のリレーデモを実施し、原発重大事故では避難者になりかねない沿道各地の皆様に「老朽原発即時廃炉」を訴え、本日、高浜原発に到着しました。リレーデモの通過した沿線13自治体には「老朽原発運転の危険性」「原発過酷事故時の避難の困難さ」を指摘し、住民の安全・安心を守る立場にたって「原発のない社会を目指す決意」を表明するよう申し入れました。リレーデモでは、デモを見守る数多くの皆様からご激励とご声援をいただき、「原発全廃」、とりわけ「老朽原発うごかすな!」は民意であることを再確認しました。

 以上のように、原発は、トラブルが多発し、何万年もの未来にまで負の遺産となる使用済み核燃料を残し、一旦過酷事故を起こせば、事故終息は絶望的に困難で、多くの人々の故郷と生活基盤を奪い去り、戦争になれば、格好の攻撃目標になります。原発は、人類の手に負える装置ではありません。したがって、「原発全廃!」とりわけ「老朽原発うごかすな!」は圧倒的多数の願いとなっています。

 このような視点に立って、私たちは、貴関西電力に以下を申し入れます。

【1】危険極まりない老朽原発・美浜3号機の運転を中止し、老朽原発・高浜1、2号機の再稼働を断念し、これらの原発の即時廃炉を決定してください。
【2】原発を動かせば、行き場がなく、子々孫々にまで負の遺産となる使用済み核燃料が増加します。貴社の有する全ての原発を停止し、安全な廃炉を進めてください。
【3】一刻も早く原発と決別し、核燃料、化石燃料を使わない発電に転換してください。公益事業体として、環境の保全と人類の明るい未来のために、自然エネルギーによる発電法、大容量蓄電法、省エネ技術の開発と普及に努めてください。

 なお、昨年7月13日の東京地裁「東京電力株主代表訴訟」判決では、福島原発事故前の東電幹部の対応には「安全意識や責任感が根本的に欠如していた」と述べ、東電旧経営陣に、原発事故によって東電に与えた損害・13兆円の賠償を命じています。貴職らが、多くの危険性指摘を無視して老朽原発を稼働しようとしていることは「安全意識や責任感が根本的に欠如している」との批判を受けて当然です。圧倒的な「老朽原発うごかすな!」の民意を蹂躙して老朽原発を稼働させ、重大事故が起こった場合、それは貴職らの故意による犯罪であり、許されるものではないことを申し添えます。

2023年4月2日
「老朽原発うごかすな!
関電本店―高浜原発リレーデモ」参加者一同

◆関西電力 闇歴史◆097◆

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◆かつて関電などが計画した珠洲(すず)原発は阻止したが、
 今は志賀(しか)原発のある能登半島で大きな地震があいつぐ!
 [2] 2024/1/1には、震度7、M7.6 の能登半島地震で大災害
 【付 日本海側の大地震】
 【付 原発立地で「想定超えの揺れ」が頻発】

 [1] 2018年以来、群発地震が多発し、2023/5/5には、震度6強、M6.5 の地震
 【付 震度と長周期地震動】
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◆[2] 2024/1/1に、震度7、M7.6 の能登半島地震で大災害
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◆M7.6 の能登半島地震

・1/1の大地震の後、震度5以上の揺れが1週間以上もつづき、240人以上の死者、行方不明者、2万人を超える避難者がでている。直後には、多数の負傷者の救出が必要な状況で大混乱。珠洲市が4.5メートルの津波に襲われたのをはじめ、各地に津波が押し寄せた。大規模な火災の発生(輪島市)、家屋の倒壊(全半壊1000戸以上、住宅被害は7万棟こえ)、停電や断水や通信途絶などインフラの崩壊、山間部などで多数の地域の孤立などが発生した。深刻なのは、原発30キロ圏(約15万人)で最大8地区約400人が8日間孤立した。

・原発事故と重なった場合、即時避難は不可能であるし、倒壊もしくはその可能性のある家屋に屋内退避することもできない。土砂崩れや亀裂による段差の発生による道路の寸断(能登地方と金沢を結ぶ幹線の「のと里山海道」なども)(原発30キロ圏で道路の通行止めは16路線30か所)、のほか、空港、港湾などの交通も麻痺した。能登空港は滑走路にできた大きな亀裂を11日に応急処置し仮復旧、地震後10日たってようやく自衛隊機が離着陸できるようになった。民間機の運行再開は27日。港湾も8割が土地の亀裂、隆起などで機能を喪失した(1月末現在、県内69の漁港のうち60港で岸壁や防波堤が損傷、22漁港では海底の露出や水深の不足)。
▼しんぶん赤旗(2024年2月8日)

・観測地点によっては、11,760ガルの加速度(志賀町富来[とぎ]観測点で2828ガルを記録した地震動の加速度応答スペクトルで周期0.5秒以下の極短周期の加速度が、980ガル×12G=11,760ガル)を記録。原発が直撃されたら、どうなるのか。原発は、揺れの大きさに対して耐震設計基準が示されている一方、地盤のズレなどにより「原子炉建屋が傾いたり、損壊したりすれば壊滅的な被害となる」。配管にズレが生じると取水できず、核燃料を冷却できなくなる可能性もある。

・能登半島の北側の海岸部で3~4mもの陸地の隆起で海岸段丘が形成(志賀原発は隆起部分のわずか7kmほど南)。輪島市では約 4 m の隆起と約 1 m の西方向への変動、鹿磯[かいそ]漁港(輪島市)では 3.9 m の隆起と海岸線の海側への 250 mの移動、志賀町赤崎漁港では 0.25 m の隆起が報告されている。元東芝原発設計技術者の後藤政志氏は「メートル単位で上下や水平方向にズレが生じたら、計算するまでもなく原発はもたない」と指摘する。隆起は最大4メートルであったが、志賀原発の取水路の隆起想定は20センチ。
▼しんぶん赤旗(2024年2月18日)

・海底の断層の調査が十分に行われておらず、未知の断層(陸域の富来川南岸断層は認定されているが、それが海底にのびて志賀原発の沖合にまで至っている可能性)の指摘も。

・150キロに及ぶ震源断層とは20キロも離れた別の富来川南岸断層が連動して動いた可能性がある(約3キロにわたり最大50センチ程度の隆起と数十センチの横ずれを観測)。大きな地震の影響で付随的に動くため「お付き合い断層」ともよばれるが、約20キロも離れている例は、これまでにないという。
▼テレ朝news(2024年1月25日)

・珠洲市若山町の若山川沿いでも付随的に動いたとみられる断層が見つかっている。最大2メートルほどの段差が東西2キロにわたり確認された。調査が進めばさらに延びる可能性もあるという。能登半島をはじめ日本海の活断層にはまだ分からないことが多い。
▼東京新聞(2024年2月18日)

▼東京新聞(2024年2月18日)若山川沿いの断層

【付 日本海側の大地震】
 高浜、大飯、美浜、敦賀原発が立地する日本海側でも大震災が多発している。過去 100 年間に、新潟県から鳥取県の日本海沿岸では、マグニチュード(M)6 以上の地震が 13 回発生。M7 以上も、本年の能登半島地震の他に、次の4回が発生。
(1) 鳥取地震 1943 年 9 月 10 日 、鳥取県東部を震源とした M7.2の地震。当時の震度階級としては最大の震度 6 を記録。死者・行方不明者 1,083 人。家屋全壊 7,485 棟。
(2) 福井地震 1948 年 6 月 28 日、福井市の北北東約 10 km を震源とした M7.1 の地震。当時の震度階級としては最大の震度 6を記録。死者・行方不明者 3,728 人。家屋全壊 35,382 棟(福井市では、80%の住家が全壊)。
(3) 新潟地震 1964 年 6 月 16 日、新潟県粟島南方沖約 40 km を震源とした M7.5 の地震。死者 26 人。家屋全壊 1960 棟。石油タンク 143 基が延焼。
(4) 鳥取県西部地震 2000 年 10 月 6 日、鳥取県西部を震源としたM7.3 の地震。家屋全壊 435 棟。
【付 原発立地で「想定超えの揺れ」が頻発】
2005年以降に8回も、原発立地で「想定超えの揺れ」が頻発する“呆れた理由”
2024/3/1(科学ジャーナリスト:添田 孝史
・揺れの想定超えは、宮城県沖地震(2005年)の際に東北電力女川原発で初めて観測されて以来、志賀原発(2007)、東京電力柏崎刈羽原発(2007)、中部電力浜岡(2009)、女川・東電福島第一・日本原子力発電東海第二(2011)で起きています( ↓ 年表)。
・日本では、今世紀中には確実にやってくる南海トラフ地震、その前に増える内陸地震など、大地震が続きます。古い科学の知識で設計された原発を、どうも信頼しきれない電力会社に再稼働させるより、安くなっている再生可能エネルギーに切り替えた方が安全でしょう。

◆石川県 地域防災計画

・能登半島沖で想定される地震については、27年前に設定された能登半島北方沖を震源とするマグニチュード7.0の地震を想定。今回の地震よりも規模が小さく、「ごく局地的な災害で災害度は低い」と評価していた。
・また、被害想定も、
  死者が7人
  建物の全壊が120棟
  避難者が2781人
などと、今回の地震と比べて大幅に下回る想定となっていた。
・県の防災会議の震災対策部会で委員を務める地元の研究者からは2011年4月に、地震想定の見直しを求める意見書が県に出されていたが、県によると、見直しに着手したのは去年8月になってからであった。

◆志賀原発への影響

・地震発生以来、志賀原発をめぐる北陸電力の発表が訂正を重ねているため、経産省は正確な情報発信を指示した(1/10)。火災が発生したとの発表が取り消されたり、変圧器の油漏れの量について、訂正が重なっていた。

・なお、2026年1月までの再稼働を目指す志賀原発2号機は、敷地内の断層をめぐり、原子力規制委員会の審査が長期化。審査申請から8年半となる2023年3月にようやく「活断層ではない」と認められたばかり。2023年12月28日、経団連の十倉雅和会長が訪れ、格納容器内にまで入って視察、「一刻も早く再稼働できるよう心から願っている」と述べた。その4日後に、能登半島地震がおこっている。

・志賀原発には以下のような影響が!……(1)~(8)は、1月初~中旬の主に朝日新聞記事より

(1) 1、2号機の使用済み核燃料プールから汚染水があふれた。

(2) 1号機核燃料プールの冷却ポンプが約40分間停止した(給水停止)。原子炉内に核燃料はないが、燃料プールには1号機に672体、2号機に200体の使用済み核燃料が貯蔵され、冷却されてる。ただし、運転の停止からは13年近くがたっていることから核燃料の発する熱は大幅に下がっていて、北陸電力によると、仮に冷却が停止した場合、プールの水が蒸発する温度に上がるまでには1号機が17日間、2号機は29日間かかるとの計算。

(3) 1、2号機の外部電源を受け入れる変圧器の油漏れが大量に発生した(当初、1号機で3600リットル、2号機で3500リットルと発表されたが、後に2号機では1万9800リットルと訂正)。原発に隣接する海面には油膜ができた。また、原発が動いていたら、電源ケーブルのスパークで火災が発生した可能性があると指摘されている。原発が停止中で、ケーブルを流れる電流量が少なかったことが幸いしたとみられる。

(4) 外部電源の一部回線(3系統5回線のうち1系統2回線)が使用不能となり(1月末でも使用不能)、完全復旧にはかなりの時間を要する見込み(1回線は変圧器の修理部品がなく最低でも半年との報道)。ただし、非常用ディーゼル発電機の燃料は7日分の備えあり。

(5) 敷地内に引き込んでいる冷却用の海水の水位が3メートル上昇した。なお、押しよせた津波の高さは3メートルあったが、原発敷地は標高11メートルにあるので、影響はなかったとしている。

(6) 周辺(おもに原発北側15~30キロ)に設置したモニタリングポスト18か所の線量計のデータが確認できなかった(モニタリングポストは能登半島全体で120か所)。通信トラブルとみられる。原発から30キロ圏は事故時にはモニタリングポストの実測値で避難するか屋内退避かの判断がなされることになっているので、線量が不明というのは、致命的な結果を招く可能性がある。

(7) 津波対策として、海水を引き込んでいる水槽の周囲に設けた高さ約4メートルの防潮壁の一部が数センチ傾いた。

(8) 1号機原子炉建屋近くで道路の段差が発生した。

【その後、非常用ディーゼル発電機】

(9) 1月17日には、試験運転を行っていた志賀原発1号機の非常用ディーゼル発電機1台が運転開始から15分後に自動停止した。試験運転は、16日に志賀町で震度5弱の揺れを観測する地震が発生したことを受けて、異常がないか確認するため、1台あたり80分間かけて行っていた。なお、1号機、2号機あわせて、ほかに4台ある非常用発電機には異常はみられなかったとのこと。北陸電は自動停止の原因について地震の復旧作業で通常とは異なる電気系統に接続した結果、電気の流れ方が変わったと説明。これに対し、原子力規制委員会の山中伸介委員長は31日の記者会見で「一種の人為的ミス。(北陸電の)検討不足、考察不足。電気回路をしっかり検討していれば防げた」と指摘した。

【その後、放射線防護施設】

(10) 志賀原発30キロ圏にあり、事故時に高齢者らが一時避難する21の放射線防護施設のうち、能登半島地震で6施設に損傷や異常が起きていた。うち2施設は使えずに閉鎖し、病院など別の2施設は患者らを移した。閉鎖した1施設は被ばくを防ぐ機能を維持できず、残る5施設も地震後、長期間、機能の確認ができなかった。断水は全21施設で起きた。(2/21共同通信→こちら
▼新潟日報(2024/2/21)より

◆基準地震動との関係

・日経新聞など…原発には施設や設備ごとに考えられる最大の揺れがあり、構造物ごとに揺れの大きさを示す加速度(ガル)を想定する。

1、2号機の原子炉建屋の基礎部分で揺れが想定を上回った。東西方向の0.47秒の周期で、1号機では918ガルの想定に対し957ガル、2号機では846ガルに対して871ガルであった。ただし規制委は、0.47秒という周期の振動は原発の安全機器が揺れやすい周期ではないとしている。北陸電力は、1号機の原子炉建屋地下で、399.3ガルを記録したと発表している。

・志賀原発の基準地震動との関係で、以下、井戸謙一弁護士のFB投稿→こちら

・志賀1,2号機とも、原子炉建屋基礎下端における東西方向の水平動が、周期0.47秒付近で1000ガル弱に達し、福島事故前の耐震バックチェック時(2006年に新耐震設計審査指針が定められたことから原子力安全・保安院の指示で北陸電力がバックチェックをした時)の基準地震動(Ss-1)を上回りました(なお、志賀1号機は廃炉が決まっていますから、これに代わる基準地震動はなく、志賀2号機は新規制基準での適合性審査に合格していませんから、新しい基準地震動は決まっていません)。……一部で超えています。たまたま、その周期付近を固有周期とする安全上重要な施設がなかったので、大事には至らなかったようです。この点からも、今回は、極めて幸運でした。

・志賀原発の基準地震動との関係で、以下、若狭連帯ネットワークの指摘。基準地震動を問題にする場合には解放基盤表面で定義された基準地震動と岩盤中(EL-10m)の地震観測記録のはぎとり解析結果とを比較するのが正しいやり方。
・はぎとり解析、はぎとり波とは→こちら

・志賀原発敷地内岩盤中地震観測記録が、周期0.4545秒で979ガル(EW方向:はぎとり解析なし)を記録し、基準地震動(耐震バックチェック時のSs-1)の同周期で969ガルを超えた(岩盤中記録をはぎとり解析すれば1.8倍程度に大きくなり広範囲の周期で基準地震動を超える)
・志賀原発北北西9kmの富来川南岸断層が連動して3km以上の地震断層が現れ、数km西のK-Net 富来観測点(志賀原発から11km北北西)で地表最大加速度2,828ガル(3成分合成値)を記録した(地震基盤波のはぎとり波は、この半分程度で1,000ガルを超える)

◆珠洲原発との関連

・さらに、建設されなかった珠洲原発との関連も、改めて注目されている。

・「幻の珠洲原発は原発集中立地計画だった、珠洲原発を阻止した人びとが日本を救った」小坂正則(脱原発大分ネットワーク「つゆくさ通信」第182号、2024年1月20日)→こちら[2 MB]

・北野進氏講演会 能登半島地震!
   (志賀原発を廃炉に!訴訟・原告団長)
   2024/2/18/14:00〜
   こちら

◆能登半島地震の教訓

・井戸謙一弁護士…3つの幸運と2つの教訓

幸運1…志賀原発は震度7を免れた。K-net富来[とぎ]観測点2828ガル、志賀原発地下2階399ガル
幸運2…志賀原発敷地は隆起を免れた
幸運3…とんでもない短周期地震動に襲われなかった~富来観測点の地震記録の特徴
教訓1地震については、まだよく分かっていない…①活断層の存否、位置、規模、②活断層の連動の可能性、地盤の隆起、③地震動の規模。
教訓2避難計画は絵に描いた餅…①屋内退避ができないこと、②交通(道路、港湾、空港)が途絶し避難ができないこと、③放射線量が分からないこと、④安定ヨウ素剤の配布ができないこと、⑤自治体の職員が被災者になってしまい住民避難対応をする余裕がないこと。

◆風力発電にも大打撃

・石川県能登地方で稼働している73基の風力発電施設すべてが、能登半島地震で運転を停止した。風車のブレード(羽根)が折れて落下したほか、施設を動かす電源が使えなくなり、半数超で運転再開の見通しが立っていないとのこと。(東京新聞、3月11日)
 
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◆[1] 2018年以来、群発地震が多発し、2023/5/5に、震度6強、M6.5 の地震
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◆関電などが計画していた珠洲(すず)原発は阻止したが、
 もしここに原発ができていたら、
 最近の群発地震、震度6強、M6.5 の地震(2023/5/5)で大丈夫か(>_<)?
 住民「揺れるたび、珠洲に原発なくてよかったと思う」
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◆珠洲原発

・珠洲原発は、石川県珠洲市に建設する計画であった原子力発電所。北陸電力、中部電力、関西電力の電力会社3社による共同開発として取り組まれたが、1975年の計画浮上から29年目の2003年12月、地元から反対運動、産業構造の変化、景気低迷などにより、電力会社側が計画を凍結した。

・中部電力は珠洲市三崎町寺家(じけ)で、関西電力は珠洲市高屋町でそれぞれ立地を計画し、北陸電力が地元の調整役を担うという役割分担の下、3電力の共同開発として進められる。1993年、寺家地点、高屋地点を特定せず、珠洲地点として135万kW級2基を建設し2014年運転開始をするとの計画で国の要対策重要電源の指定を受ける。


▲「珠洲原子力発電所計画の凍結について」(2003年12月5日)より(→ こちら)。
ただし志賀原発の位置は加筆。

・以下、計画の始まりから凍結まで。おもに関電の動き
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・1975年11月…珠洲市議会が「調査要望書」を議決。
・1976年3月…資源エネルギー庁が珠洲市高屋町と三崎町寺家の両地区で地質調査を開始。これをうけ、北陸電力、中部電力、関西電力3社は同月、共同調査のためのプロジェクトチームを編成、原子力立地に向けた調査活動を開始。
・1984年4月…電力3社が「珠洲電源開発協議会」を開設
・1988年12月…北陸電力、関西電力が珠洲市に高屋地区での立地可能性調査を申し入れ
・1989年5月…関西電力が高屋地区での立地可能性調査に着手したが、建設反対派住民が珠洲市役所内で座り込みを開始。翌月、関西電力は立地可能性調査を一時見合わせ(以後、調査再開に至らず)。
・1996年5月…1993年に実施された珠洲市長選挙の無効訴訟で最高裁が上告を棄却。推進派の当選無効が確定。
・2003年12月…電力3社が珠洲原発計画の凍結(事実上の撤退)。
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◆珠洲市で地震多発

・2023/5/5、石川県珠洲市で、★震度6強M6.5の揺れを観測する地震が発生。能登半島では2018年以来、地震回数が増加し、群発地震が継続している。珠洲市では2021年以後、M5以上の地震が4回もおきているが、今回、5/5にM6.5、その後の余震でM5.8、M4.9などを記録。火山などのないこの地域の地震は、地下の流体が原因ではないかと報道されている。
・珠洲原発建設予定地であった三崎町では、★震度5強、★長周期地震動(揺れが1往復するのにかかる時間が長い大きな揺れ)階級3 が、記録された。

【付 震度と長周期地震動】
震度こちら
・6強…はわないと動くことができない。飛ばされることもある。固定していない家具のほとんどが移動し、倒れるものが多くなる。耐震性の低い木造建物は、傾くものや、倒れるものが多くなる。大きな地割れが生じたり、大規模な地すべりや山体の崩壊が発生することがある。
・5強…物につかまらないと歩くことが難しい。棚にある食器類や本で落ちるものが多くなる。固定していない家具が倒れることがある。補強されていないブロック塀が倒れることがある。
長周期地震動こちら
・階級3…立っていることが困難になる。キャスター付き什器が大きく動く。固定していない家具が移動することがあり、不安定なものは倒れることがある。間仕切り壁などにひび割れ・亀裂が入ることがある。

◆住民の声

珠洲原発反対の運動に取り組み、現在も志賀しか原発に反対する運動をになっている北野進さん(「志賀原発を廃炉に!訴訟」原告団長、珠洲市在住)は、Facebookで、以下のように書いている。
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・ここ2年半、ほぼ3日に1回の地震。「揺れるたび、珠洲に原発なくてよかったと思ってる」との声を聞きます。
・6日に開かれた政府の地震調査委員会臨時会後の記者会見で平田直(なおし)委員長(東京大名誉教授)は「地下では、まだ私たちの理解が及ばない現象が起きている。引き続き研究を深めていく必要がある」と述べています。
・最も心配なのは地下の流体が能登半島北部沿岸域を走る断層帯を動かすケースです。この断層帯は北陸電力の評価では96 kmとされています。この断層帯が動くと能登の住民としては想像したくもない大地震となり、志賀原発への影響も否定できません。周辺断層の活動の影響を審査する今後の規制委の審査会合に注目です。理解できないことをさも理解できているかのように議論を進め「重大な影響はなし」と結論付けることは許されません。
・ちなみに珠洲原発の計画があった当時はこの断層帯の存在は明らかにされていませんでした。関電の予定地・高屋や中電の予定地・寺家のすぐ近くを走っています。断層帯の存在がわかっていればもっと早く珠洲原発の計画は中止になっていたと思います。
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◆参考サイト

【参考サイト(1)】
関西電力の「珠洲原発」用地先行取得の舞台裏と検察OBコネクション
村山 治(朝日新聞「論座」> 法と経済のジャーナル)
2020年02月14日【シリーズ】関西電力元副社長・内藤千百里[ちもり]の証言
こちら(なお、朝日新聞「論座」サイトは2023年7月末に閉鎖、「Re:Ron」に移行)

朝日新聞「論座」 > 法と経済のジャーナル
以下、関電に関連した記事は、事件記者の目(村山 治)より。

      1. 関西電力元副社長が告白、トラブル解決で森山助役に依頼した県への圧力
        2020年03月07日
      2. 関西電力元副社長が語った中曽根、福田ら元首相への「盆暮れ」は漢方薬
        2020年03月01日
      3. 関西電力首脳から歴代首相への政治献金と原発建設ラッシュの関係は?
        2020年02月21日
      4. 関西電力の「珠洲原発」用地先行取得の舞台裏と検察OBコネクション
        2020年02月14日
      5. 関西電力と竹下蔵相、後藤田官房長官、磯田住銀会長、平和相銀事件
        2020年01月02日
      6. 関電元副社長の語る大物右翼との親密、暴力団幹部との会合
        2019年12月26日
      7. 関西電力元副社長「うるさい人が味方になったらこれはすごい」
        2019年12月19日
      8. 関電最高実力者側近だった元副社長が語る森山助役との出会いと腐れ縁
        2019年12月12日

【参考サイト(2)】
原発と関電マネー 立地「工作班」の証言
(全5回)→◆037◆
石川県・能登半島の最北端で、かつて関西電力が進めた原発計画。現地で展開された数々の「工作活動」を元社員が証言。原発立地をめぐる電力会社の水面下の動きとは。

【参考サイト(3)】
石川県珠洲群発地震と志賀原発・珠洲原発
| 2023年5月5日の地震は仮に珠洲原発が稼働中なら
| 旧耐震指針の「直下地震」タイプの可能性
└──── 今井孝司(地震がよくわかる会 → こちら
→志賀原発_諸問題(珠洲群発地震、珠洲原発、運転差し止め判決、能登半島地震等)関連記事
(同上サイト→こちら
→珠洲群発地震と志賀原発・珠洲原発
(同上サイト→こちら
  
つくづく、この地に、珠洲原発2機(135万kW)が建設されてなくてよかったと、心底思います。今回の地震の震源と建設予定地の位置を地図上にプロットしてみましたが、まさに、旧耐震指針で、直下地震として、定義したマグニチュード6.5と同じであり、距離10キロ以内でこそありませんが、10数キロであり、ほぼ、定義通りの直下地震といえるでしょう。

◆096◆←←関西電力 闇歴史→→◆098◆

◆関西電力 闇歴史◆096◆

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◆関電の全原発で、火災防護対象ケーブルの対策がなされず!(2023/3/29)
 認可された設計工事計画(設工認)に従わずに運転継続!
 数年かかる見通しの工事を怠って、規制委も関電も事態を軽視!
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◆火災防護対策の設工認違反

 福井新聞の報道「40年超運転の高浜原発1、2号機 再稼働時期が遅れる見通し 火災防護対策の指摘受け追加工事」(2023/4/25)によって、火災防護対策の設工認違反が、高浜原発1、2号機のみならず、既に再稼働している美浜原発3号機ほか、関電の全原発にも及ぶことが明らかになった。
(→こちら

 規制庁が2022年4~6月に美浜3号機を対象に行った原子力規制検査で、非常時に原子炉を冷却する補助給水ポンプ関連の火災防護対策に不備がみつかり、検査指摘事項に当たると判断。その後、高浜1、2号機でも、非常時に原子炉を安全に停止させる機器のケーブルを収納する電線管の火災防護対策が不十分だと検査官が現場確認したとのこと。以上は、2023/3/29の規制委会合で報告された。

 2023/3/29 規制委員会資料(→こちら)によれば、
 
┌─(規制委資料より)───
 令和3年度第3四半期に関西電力株式会社(以下「関西電力」という。)美浜3号機に対し、3年に1回行う火災防護の原子力規制検査(チーム検査)を実施した。検査の結果、認可を受けた設計及び工事の計画(以下「設工認」という。)に従った工事が行われず、火災防護対象ケーブルのA系とB系の系統分離1がされていないことを検査指摘事項とした(令和4年7月22日委員会報告2、重要度3:緑、深刻度4:SLIV(通知なし)。
 原子力検査官からの検査指摘事項に対し、関西電力は、是正処置として火災影響範囲(ZOI: Zone of Influence)内の火災防護対象ケーブルを収容している電線管に耐火シート等を設置する対策を行うとしていることを確認した。
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 これは明らかに「設工認」違反であり、火災防護対象ケーブルの対策がなされていないにもかかわらず、再稼働を認めていたことになる。2021/10/23、美浜3号機は特重施設が設置期限に間に合わず停止。その後、2022/8/30に再稼働している。

 とくに、美浜3号機は、火災影響範囲内の対象ケーブルの対策すらしていないことが問題。他のプラントは火災影響範囲外。しかし、対策はすることになっている。

 いずれの原発でも、「設工認」では火災防護対象ケーブルは火災影響範囲内か範囲外かを問わず、「実用発電用原子炉及びその附属施設の火災防護にかかる審査基準」(「火災防護審査基準」)に基づく「1時間耐火壁+感知自動消火設備等による火災防護対策」を行うことになっている。しかし、現実はどうか。以下のように指摘されている。
 
┌─(規制委資料より)───
関西電力美浜3号機、高浜1~4号機及び大飯3,4号機並びに九州電力川内1,2号機及び玄海3,4号機において、火災影響範囲外の電線管には「1時間耐火壁+感知自動消火設備等の火災防護対策」がなされておらず、設工認に従った系統分離対策が施工されていない。


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 上記「系統分離などがなされていなくて対策が必要なケーブルの長さ」の一覧を見ると、関電はすべての原発に及んでいて、長大になっている。しかし、関電など事業者の対応方針は、対策の実施完了までには相当の期間を要することから、実施完了までの間、本来の対策(「実用発電用原子炉及びその附属施設の火災防護に係る審査基準」)と同等水準の系統分離対策として、対象の電線管の周囲に可燃物を配置しない等の運用を組み合わせた処置を実施することで良いとしている。審査基準に適合していなくても、それと同等なら問題ないというわけだが、可燃物を放置してしまうようなミスは、2022/12/9 の高浜1、2号機の海水電解装置建屋火災事故でも起きていた(点検で使用したウエスなどが入ったビニール袋に着火したと推定→◆058◆)。そのようなことがあっても延焼しないために物理的に隔離する必要があってこその「設工認」なので、原子炉を停止して工事を行うよう求めるべきではないか。

◆設工認通りの対策を行うと、数年かかる

 3/29の規制委では、関電が最終的に設工認通りの対策を行う場合、時間がかかるので、その間、部分的な対策と可燃物を配置しない等の運用を組み合わせた対策とするとしていることについて、杉山委員が最終的とはどのくらいのスケール感なのかと質問している。それに対して、規制庁は次のように答えている(→こちら、p.30)。
 
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「○髙須原子力規制部検査グループ安全規制管理官(専門検査担当)
原子力規制庁、髙須でございます。
明に何年というのは具体的にはまだ聞いていませんけれども、数年は掛かるかなとは言っています。」
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 これでは、対策工事に数年もかかり再稼働が遅れてしまうので、意図的に工事をしなかったと言わざるをえない。いかにも原発稼働で金儲けしか頭にない関電の考えそうなこと。

◆ずさんな関電、重く受け止めない規制委

老朽原発40年廃炉訴訟市民の会(→こちら)の柴山恭子さんの指摘は的確。
 
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 岸田政権の原発回帰政策で前提とされている「厳格な」原子力規制とは、工事計画認可違反にすぐに気づけず再稼働を許し、違反に気づいても、かつ、事業者がずさんな管理運営を繰り返していても、原発を運転し続けてよいとするレベルのものでしかないことを多くの方に知っていただきたいと思います。

 また、関西電力は、4/25の福井新聞の報道を受けて即座に「当社が発表したものではない、高浜1、2号機は計画どおり再稼働できるよう取り組んでいる」などと発表しましたが、3/31に提出した工事計画変更認可申請に対し、認可はなされていません。

 4/13の審査会合で審査した記録がありましたが、火災防護基準と同等の水準と言えるかどうか説明ができていないと指摘されていました。部分的な防護対策と可燃物持ち込み防止でとりあえずの対策にしたいようですが、可燃物持ち込みについて、関電が保安規定の変更もしないとしていることについて、杉山委員から「保安規定に書かれないというのはちょっと考えられないです」「そもそも、このお話は既許可の設工認の通りになっていないということがスタートですからね。もうちょっと問題を重く受け止めていただきたいと思います。」との指摘もありました。

 いや、ですから、規制委が重く受け止めて、美浜3号機をはじめ対象全原発を停止させるべきではないですか。

 工事計画認可通りに火災防護対策工事をしていなければ合格にはならず、稼働できないはずなのに、後から未施工がわかった場合は原発を止めなくてもいいという、これが世界最高水準の厳しい原子力規制なのでしょうか。
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 なお、4/21に開催された福井県原子力安全専門委員会の資料に、本件についても出ている。
(→こちら、[4]、[5])

 また、関電の5/2のプレスリリース(→こちら)では、設工認の申請をして、以下のようになっている。
 
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当社は、3月31日に高浜発電所1、2号機電線管の火災防護(系統分離)対策に係る設計及び工事計画変更認可申請書を原子力規制委員会に提出しました。
現在、申請内容の審査中であることから、再稼動時期が高浜発電所1号機は2023年6月3日から、高浜発電所2号機は2023年7月15日からそれぞれ遅れる見通しとなりました。
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 高浜原発における追加工事は「1号機が5月中旬、2号機が6月中旬の完了」と報道されている。しかし、関電がどの程度の工事をするつもりかは不明。関電と規制委のなれ合いで、ほどほどの代替工事ですませる可能性も大きい。追加工事が完了した後、規制庁が使用前検査を実施、問題がないことを確認してから、再稼働の工程に入ることになるわけだが、遅れはどれくらいになるか、5/3 現在では不明。

◆美浜の会の要望書

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●美浜の会は、5月9日 規制委員会へ要望書 (→こちら)

関西電力、及び九州電力のすべての原発が火災防護の基準違反
基準違反と分かっていながら、安易な「是正措置」を認めることは許されない

要 望 事 項
1.安易な「是正措置」の実施を認めた 3月29日の「対応方針」を撤回すること。
関電が3月31日に提出した「火災防護対象ケーブルの系統分離対策に係る設計及び工事計画(変更)認可申請」を認可しないこと。
2.少なくとも、火災防護審査基準(2.3.1(2))の系統分離対策を実施するまで、高浜 1・2 号の再稼働を認めないこと。
3.関電と九電のすべての原発を停止させ、火災防護審査基準(2.3.1(2))の系統分離対策を実施させること。
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◆095◆←←関西電力 闇歴史→→◆097◆

◆関西電力 闇歴史◆095◆

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◆関電・舞鶴発電所でバイオマス燃料から発火、
 火災は10時間半後に鎮火、4棟全焼(2023年3月14~15日)
 【付 グリーンウォッシュ】

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 2023/3/14、夜に京都府舞鶴市千歳で発生した関西電力舞鶴発電所の火災は、バイオマス燃料の供給設備4棟延べ計約1100平方メートルを焼き、通報から約10時間半後の15日午前8時半ごろに鎮火。けが人はなかった。

 舞鶴市消防本部や関電によると、焼けたのは木質ペレットを貯蔵するバイオマスサイロ2棟と燃料を供給するベルトコンベヤーの中継所2棟。舞鶴発電所は石炭火力発電所で、木質ペレットは石炭と混ぜて燃やすという。敷地内には1、2号機(出力計180万キロワット)があり、出火当時は2号機が運転中だった。

 火災の原因について関西電力は、バイオマス燃料として使う木質ペレットが発酵して発熱しサイロにたまった一酸化炭素などの可燃性のガスに引火して自然発火したとする社内調査の結果を発表。停止していた舞鶴発電所2号機は安全性が確認されたとして、3/20に運転を再開。

【舞鶴発電所とは】
・関西電力唯一の石炭火力発電所。
・京都府舞鶴市)西端、若狭湾国定公園内に位置し、1号機は平成2004年、2号機は2010年に営業運転を開始。
・関電によれば、「石炭は、埋蔵量が豊富で安定した電力供給を支えており、バイオマス燃料の木質ペレットを混焼することで、CO2排出量を削減しながら、お客さまに品質の良い電気を届けております。」とのこと。
・石炭落下事故については→◆081◆

【バイオマス混焼および専焼化はグリーンウォッシュ】
・国際環境 NGO FoE Japan、国際環境 NGO グリーンピース・ジャパンなど、90のNGO団体は、2023年4月、石炭火力発電のバイオマス混焼および専焼化はグリーンウォッシュ、気候変動を加速させ、森林生態系を破壊する」とのNGO共同声明[384 KB]を発表している。(Webサイト→こちら
1. 気候変動を加速させる
 1) バイオマスを燃焼するとCO2が排出される
 2) 石炭火力発電所を延命させる
2. 森林生態系を破壊する

【付 グリーンウォッシュ】

 企業や組織が自らの環境配慮や持続可能性に関する取り組みを、実際よりも良い印象を与えるように宣伝や広告を行い、環境に対する社会的な責任を装ったり、事実を歪めたりする行為のこと。

 具体的には、企業が環境に配慮した取り組みを公表し、環境保護や持続可能性に対する取り組みをアピールする一方で、実際には環境に対する悪影響を持続している場合や、環境に対する取り組みが不十分であるにもかかわらず、環境に優しいイメージを持たせるために広告や宣伝を行うことがある。

 グリーンウォッシュは、企業や組織が環境に対する取り組みを真剣に行っているかどうかを客観的に評価することが難しいため、社会的な問題となっている。消費者や投資家は、企業の環境に対する取り組みを見極める際に慎重になり、環境情報を正確に評価する必要がある。また、企業や組織に対しては、環境に対する責任を真剣に持ち、透明性を持って情報を公表することが求められている。

◆094◆←←関西電力 闇歴史→→◆096◆

◆関西電力 闇歴史◆094◆

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◆関電大阪本店から高浜原発まで、老朽原発うごかすな!リレーデモ、
 関電京都で、関電と関電送配電に
 申入書を手渡しで提出(2023年3月24日)

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2023年3月24日

関西電力株式会社 取締役代表執行役社長 森 望 様
関西電力送配電株式会社 代表取締役社長 土井 義宏 様

老朽原発うごかすな!実行委員会(*別紙注1)

申 入 書

 私たちは、3月21日から、貴社関西電力の老朽原発、高浜1、2号機の再稼働に反対し、大阪の本店前から高浜原発まで230kmのリレーデモを行っています。本日、京都を通過するに当たり、下記の2点を申し入れます。

一.私たちは、すべての原発について、運転を取りやめるよう求めます。原発ではトラブルが多発しています(*別紙注2)。過酷事故の危険性があって被害が甚大になること、使用済み核燃料の処分方法がまったくないことなどから、原発の稼働は許されるものではありません。

一.とりわけ、40年超えの老朽原発(美浜3号機、高浜1、2号機)については、事故のリスクが高く、市民に被ばくを強要することになります。再稼動はもってのほかであり、直ちに廃炉にすることを求めます。

 最近、関西電力、関西電力送配電について、マスコミに報道されるニュースが目立っています。

・2019年に発覚した「原発マネー不正還流」は、最悪の幹部腐敗です。役員など20名余が、福井県高浜町の森山栄治元助役やその関連会社から計約3億6千万円の金品を受領していたとのこと。1億円を超える金品をもらっていた原発事業の幹部もいます。平然と受け取り、しかも隠そうとしてきました。その上、減額された役員報酬の闇補填、追徴課税分の闇補填など、きわめて悪質です。会社幹部としてすべきことではありません。株主訴訟では当然の追及が行われていますが、現経営陣も原告となっている会社訴訟では、腐敗した元幹部にきちんと責任をとらせるべきです。

・2021年には、公正取引委員会が、関西電力のほか、中部電力と販売子会社の中部電力ミライズ、中国電力、九州電力の5社に対し、独占禁止法違反のカルテル(不当な取引制限)の疑いで立ち入り検査を行いました。その後の報道では、このカルテルを主導したのは、関西電力とのことですが、課徴金は免除されるようです。電力システム改革がめざす自由で公正な競争を否定するのみならず、資本主義経済の基本原則を犯すような経営は許されません。課徴金を免除されるからと言って、責任をとらなくてよいはずはありません。

・2022年には、関西電力の小売部門が、子会社の関西電力送配電の情報に不正アクセスしていたという報道がありました。その後、不正閲覧は、広範に行われていたことが判明しています。経産省サイトの新電力情報の不正閲覧も指摘されています。電力システム改革の根本を否定する違法行為によって得た情報を、自社営業活動に利用することについて、何の疑問も抱かなかったのでしょうか。

・2022年から報道されている自治体の街灯電気料金過払い。京都市は、照明灯の電気料金約1億100万円を関西電力に過払いしていて、関西電力側に約1億円を返還させることで合意しました。これについて、京都市建設企画部長は「過払いや漏れ生じている立証責任を顧客側に全部投げてきている。関電さんの姿勢というのは我々的には受け入れがたい」とのこと。関西電力は「一度に大量に届くLEDへの契約変更や、撤去による契約廃止が起きた場合にも、適切に対応して記録も残るようにしていきたい」としているが、届けがいくら大量でも「適切に対応して記録も残る」ようにすることは、当然の業務であり、今さら、何を言っているのか。同様の問題は、大阪府、大阪市との間でも起こっています。

・2022年には施工管理技士の国家資格の不正取得、2023年には関西電力送配電が法律で義務付けられた電圧の測定を怠り記録を捏造した件が、報道されています。

 法令順守、コンプライアンスの精神が著しく欠けた会社には、原発をさわる資格はありません。原発は、ひとたび過酷事故が起これば、国土を喪失させるほどの甚大な災害をもたらすからです。

 関西電力は不祥事が多すぎてコンプライアンスが崩壊しています。そんな企業が原発を動かすのだから、恐ろしいこと、この上ありません。関西電力には原発を動かす資格はありません!

以 上

別紙注1、注2[525 KB]

◆093◆←←関西電力 闇歴史→→◆095◆

◆関西電力 闇歴史◆093◆

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◆関西電力送配電、電圧測定怠り記録を捏造、虚偽報告
 経産省が詳細報告求める(2023年3月)

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◆怠慢、捏造、虚偽報告
「使い方がわからなかった」として、虚偽データを報告
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・経産省は2023/3/14、関西電力送配電株式会社が法律で義務付けられた電圧の測定を怠り、記録を捏造していたと発表。問題があったのは、関西電力送配電の一部営業所。経産省は電気事業法に基づき報告を求め、ほかの送配電会社などでも同様の事案がないか、確認を始めた。

・電気の安定供給を確保するため、電気事業法では送配電会社に対し、電圧と周波数を測定し、記録を保管することを義務付けている。違反した場合は30万円以下の罰金が科される。作業は年1回行う必要があるが、関電送配電の営業所の一つが2020年度から3年間、約120か所の家庭を対象に測定していなかった。本店には虚偽の結果を報告していた。問題の営業所では、毎年1回、120程度の家庭を抽出し、その電圧を測定すべきところ、実際は行わずに虚偽の数値を本店に報告していた。不正は確認できる限りでは2020年度から始まっていた。

・関電送配電によると、測定を担当していた社員は「報告書を作成するシステムの使い方がわからず、上司に聞くこともできなかった」と話しているという。関電送配電は「定期電圧測定に対する知識の付与や、業務の進捗状況の管理方法が不十分だった」「報告書の様式が不適切に作成できる仕様になっていた」としていて、これらの調査結果と再発防止策を3/22、経済産業省に報告した。この報告内容は、信じられないレベル。

・関電は不祥事が多すぎてコンプライアンスが崩壊している。そんな企業が原発を動かすのだから、恐ろしいこと、この上ない。

◆092◆←←関西電力 闇歴史→→◆094◆

◆3/2 第36回口頭弁論の報告

 2023年3月2日(木)に京都地裁で第36回口頭弁論が開かれました。
模擬法廷&報告集会は、ハートピア京都で行いました。
事前のお知らせチラシ→こちら

  • 今回、1年ぶりに開廷前の裁判所周辺デモを行いました。参加者は、20名とやや少なめでしたが、今後は、さらに呼びかけを広げます。
  • 開廷前デモ、法廷傍聴、報告集会にご参加の皆さまは、たいへん御苦労様でした。
  • 原告席…14名の申込を受け付けました。この回から人数が多くなりました。
  • 傍聴席…昨年6月よりコロナ禍による制限がなくなり、全席およそ90席が使えるようになったのですが、傍聴希望者の方が少なくて抽選にはなりませんでした。
  • 原告の意見陳述…舞鶴市に在住の添田光子さん。原発事故が起こったときの避難の困難性、ヨウ素剤配布の問題などを具体的に主張しました。→こちら[231 KB]
  • 弁護団の準備書面…原告第99準備書面-過酷事故発生時の公務員の被ばく労働の問題-を提出、要旨を陳述しました。→こちら[318 KB]
    ・第1 自治体職員の被ばくを前提にした住民避難計画は法令上実施不可能であること
    ・第2 避難計画実施以後のメンタル疾患の恐れ
    ・第3 被告らの責任放棄の結果であること
  • 報告集会…意見陳述をされた添田光子さんの発言があり、弁護団および原告団からの報告がありました。
  • カンパ…参加者の皆さまからカンパをいただきました。感謝いたします。


▲報告集会にて

◆3/2 第36回口頭弁論 原告提出の書面

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【原告】裁判資料ーー今回の準備書面、意見陳述 → このページで以下に掲載。
    前回までの準備書面、意見陳述は → こちらのページから。
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【原告】裁判資料ーー今回の証拠説明書と書証(甲号証)→ このページで以下に掲載。
    前回までの証拠説明書と書証は → こちらのページから。
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【参考】
・今回、被告–国 が第5準備書面、書証などを提出しています → こちら
・今回、被告–関電 が第38準備書面、書証などを提出しています → こちら
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★[第100準備書面[206 KB] 関係]証拠説明書甲第627号証[73 KB]
(2023年2月20日)

甲第627号証[231 KB]…口頭弁論要旨【添田光子さん】

★[第99準備書面[318 KB] 関係]証拠説明書甲第620~626号証[185 KB]
(2023年2月17日)

甲第626号証[620 KB]…自治体職員のメンタルヘルス 原発被災自治体職員の意識調査から – 特集 – 情報労連リポート
甲第625号証[3 MB]…東日本大震災の被災地で・・・自治体職員の心理的ストレス
甲第624号証[23 KB]…舞鶴原子力災害時職員行動マニュアル(抄)
甲第623号証[5 MB]…京都府緊急時モニタリング実施要領(抄)※証拠化は印字20頁のみ
甲第622号証[1 MB]…京都府地域防災計画原子力対策編(令和4年6月9日修正)(抄)京都府防災会議 ※証拠化は印字47頁のみ
甲第621号証[2 MB]…舞鶴市原子力災害住民避難計画(平成31年3月19日)(抄)証拠化は印字11~14頁
甲第620号証[1 MB]…防災基本計画(令和4年6月)(抄)中央防災会議 ※証拠化は印字271~279頁及び285~287頁

◆3/2 第36回口頭弁論のお知らせ

・電話、FAX、葉書による連絡で原告席参加を希望される場合(郵送希望原告に登録されている場合)は、案内の郵便を発送しましたので、その案内にしたがって申込ください。
・メールによる参加申込は、2月16日のメーリングリストによる案内を受信されてから申込ください。
・今回、以下の点にご注意ください。
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・前回に続き、開廷前の裁判所周辺デモを行います。
・模擬法廷、閉廷後の報告集会は、★ハートピア京都★となります。
(ハートピア京都は、地下鉄烏丸線・丸太町駅のすぐ上です)
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◆特別のお願い
傍聴席の制限は解除されています。可能な範囲で多くの皆さまの傍聴ご参加をお待ちしていますが、無理をされないようにお願いします。
発熱や風邪のような症状のある方、体調不良の方は、参加をお控えください。マスク着用をお願いします。咳エチケットの励行をお願いします。また、消毒液が用意されていますので、お使いください。
・模擬法廷&報告集会の会場入口では、念のための連絡用として、氏名と電話番号をご記入ください。2週間程度で廃棄します。

◆タイムテーブル
12:10…裁判所構内の南東角、弁護士会館の玄関前に集合
12:15…裁判所周辺の定例デモに出発。13:00頃まで
13:25(見込み)…傍聴券の抽選リストバンド配布開始。地裁北玄関前。傍聴は誰でも参加可能
13:40(見込み)…裁判所による傍聴席の抽選リストバンド配付終了。直ちに抽選→傍聴券の配布。抽選にもれた方、入廷を希望されず模擬法廷に参加される方は14:30までに★ハートピア京都★の模擬法廷へどうぞ
14:30…開廷、弁論開始。同時刻に★ハートピア京都★で模擬法廷も開始
15:45頃から…閉廷後、★ハートピア京都★で報告集会。30~60分程度

裁判に参加する方法…以下、三つの方法があります。
原告の皆さまは下記、[1] 原告席か、[2] 傍聴席か、[3] 模擬法廷のいずれかでご参加ください。
原告でない方は、[2][3]でご参加ください。

[1] 原告席…法廷の中で柵の内側に、原告として入ります。
被告「関電、国」の正面に座ります。
・原告団が氏名を裁判所に通知します。希望される場合は、郵送の案内またはメーリングリストにしたがって、事務局宛ご連絡ください。
・コロナ以前は合計35名ほどの原告が参加できましたが、今回は、14名程度となります。
・定員に達するまで、先着順で受け付けます。

[2] 傍聴席…法廷の中で柵の外側。88席あります。
傍聴席に座るには、裁判所が抽選を行います。
・13:25~13:40(見込み)の間に、京都地裁正面玄関前で、抽選リストバンドが配布されます。
・傍聴席は、原告でない方も、誰でも抽選によって参加することができます。
・傍聴席に入ることができなかった場合、または、最初から法廷に入ることを希望されない場合は、次項に記載の模擬法廷にご参加ください。

[3] 模擬法廷…弁護団が用意します(法廷と同じ14:30開始)。そこに参加するには
★ハートピア京都★へ、直接おこしください。
・法廷よりもわかりやすく、弁護団が解説します。
・事前に提出されている被告(国や関電)側の書面があれば、その解説も行います。

◆報告集会の開催
・法廷の終了後、★ハートピア京都★にて報告集会を開催します(15:45頃から16:30頃まで)。
・裁判の進行などを、弁護団から説明いたします。裁判に関するご質問などもどうぞ。
・コロナ禍の状況によっては、報告集会自体を取りやめる可能性もあります。その場合は、あらかじめ原告団Webサイト(「京都脱原発原告団」で検索可)に掲載します。
・電話でのお問い合わせは、090-5660-2416(吉田あて)。


(原発関連裁判、詳しくは→こちら