◆関西電力 闇歴史◆071◆

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◆原発再稼働に猛進する関電、トラブル続出
 蒸気発生器伝熱管の損傷はとくに深刻
 美浜3 、高浜3、4、大飯3、4、ごとのトラブルまとめ(2022年7月)
 美浜3号機、1次冷却材ポンプ封水注入フィルタからの汚染水漏れ(2022年8月)
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▲関西電力原子力事業本部(美浜町)

【関連リンク】
・蒸気発生器伝熱管→◆021◆
・再稼働を急ぐ老朽原発で人身事故が多発(2019~21年)→◆009◆
・社長が「労災防止」を誓った3日後にも重傷労災(2020年)→◆008◆

【関電の原発の現状 一覧】

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◆美浜3号機…45年の老朽原発を 8/12 並列画策
 わずか4か月の稼働中にもトラブル
 1次冷却材ポンプ封水注入フィルタからの汚染水漏れ(2022年8月)

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(1)2021年6/23再稼働、10/25特重施設未完で停止。定検~
(2)特定重大事故等対処施設運用開始、2022年7月下旬
(3)再稼働予定は2022/8/10。並列(送電線に接続)予定は2022/8/12(10/20再稼働の予定を大幅に前倒し

(4)2021/7/3、蒸気発生器中の2次冷却水が喪失したとき、緊急給水するポンプに大きな圧力がかかるトラブル。関電は、「ポンプ入り口にある金属製のフィルターに鉄さびが詰まったことが原因」としているが、老朽原発を全国に先駆けて動かそうとして準備してきたにも拘らず、鉄さびによる目詰まりにも気づかなかったのか

(5)2021/10/6、非常用ディーゼル発電機を起動したら、中央制御室で警報が鳴り、自動停止した。保安規定では非常用ディーゼル発電機は2基がいずれも動作することが求められている。
自動調速装置に不具合があったということで交換。この自動調速装置を設置しているのは高浜1、2号と美浜3号のみで、いずれも中央制御室の制御盤のデジタル化に伴い、手動から自動化する際の作業でミスと分かった。そのミスが分かったのは、高浜2号で点検してみて、同じ事象が発生したから。
・規制委(原子力規制部検査グループ安全規制管理官、実用炉監視担当)「美浜3号は、最初は偶発的ではないかということで収めようとしていたのです。実はうちの事務所(原子力規制事務所)の方でも、これは偶発ではないだろうなと結構いろいろとああだこうだと問いかけをしていて、その間、実は関西電力の方でも、高浜2号でも試験をするので注意深く見てみようということでやったら、(美浜3号と同様に)動いているではないかという話になったということです。」規制委がいろいろ問いかけをして初めて、関電が調査に動いたということで、関電に安全第一という姿勢がみられない。

(6)2022/8/1、再稼働予定8/10の直前にトラブル。関電によると、原子炉補助建屋内で、放射性物質を含む水約7,000リットル(7立方メートル、7トン)が漏れた。放射能は220万ベクレルと推定され、外部へは漏れていないという(370万ベクレルを超えると法令上のトラブル扱いとなる)。漏えいがあったのは1次冷却水を循環させるポンプに注入する高圧の封水(「封水」とは、高温・高圧の1次冷却水を原子炉圧力容器に送るポンプから1次冷却水が外部に漏れないようにシールするためにポンプの外側に満たした高圧水のこと)を浄化するフィルターの付近。7/31の点検では漏えいは確認されていなかった。同機は10日に再稼働を予定しているが、再稼働は延期の模様。
 一次系の汚染水がもれるというのは、たいへんな深刻な事態だ。関電のプレスリリースを読んでも、なぜ一次系の汚染水が漏れたのか、理解不能。新聞記事を読んでも分からない。新聞記者は、関電の発表をそのまま垂れ流すだけでなくて、もっと大事な問題点をきちんと質問してくれないと(>_<)。
関電のプレスリリース→こちら(この件の図解は最終ページp.17、添付資料7)

(7) 上記、封水注入フィルタ室からの汚染水の漏えいは、2007年に大飯原発1号機で同じようなトラブルが起きている。関電のプレスリリースでは、2007年9月7日に、下記記載がある。
「大飯発電所1号機の原子炉手動停止に伴う点検結果について
(1次冷却材ポンプ封水注入フィルタからの水漏れの原因と対策)」
こちら

(8)その他のトラブル
・老朽美浜3号機、内部告発やトラブルが続く(2021年)→◆033◆
・関電は美浜3号機の使用済み燃料の交換可能年数を2倍に水増し(2021年)→◆031◆
・老朽美浜3号機の「フィルター目詰まり」の重大な意味(2021年)→◆025◆
・美浜原発3号機で 死亡5名、重軽傷6名の重大事故(2004年)→◆004◆

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◆高浜3号機…7/24再稼働
 相次ぐ伝熱管損傷も無視

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(1)2022年3月定検~7/23再稼働予定→ポンプのトラブル→7/24再稼働→7/26並列予定

(2)蒸気発生器伝熱管に減肉。前々回および前回の定期検査においても、同様の減肉があった。規制庁は、「次もやっぱりまだこういう事象が起きる可能性というのは否定できないという感じですよね、それは皆さんもそう思ってられますよね。」との認識で稼働を了承。原子力規制は安全最優先でなく、再稼働優先。

(3)前々回(第23回、2018年8月~)
…蒸気発生器伝熱管1本が減肉【減肉率:20%未満】。
・減肉指示のあった箇所付近にスケール(2次冷却水に含まれる鉄の微粒子が伝熱管に付着したもの)を確認。スケールの回収中に破損したため、スケール以外の異物による減肉と推定。異物は流出したものと推定。

(4)前回(第24回、2020年1月~)
…蒸気発生器伝熱管2本が減肉【最大減肉率:56%】。
・AおよびC-蒸気発生器内にガスケットフープ材(ガスケット=固定用シール、フープ=金属製薄帯板)を確認。C-蒸気発生器伝熱管の損傷原因を異物と推定。B-蒸気発生器伝熱管の損傷原因となった異物は流出したものと推定。(蒸気発生器はA~Cの3基設置されている)
【スケールに対する対策】→薬品洗浄を実施(薬液を二次系配管の中をまわし、不純物を除去してスケール付着を防ぐこと、「水質調整」)

(5)今回(第25回、2022年3月~)
…蒸気発生器伝熱管3本が減肉【最大減肉率:57%】。
・摩耗痕のあるスケールは回収できなかったが、各蒸気発生器から採取したスケールの性状、摩耗試験等の調査の結果、スケールによる減肉と推定
【スケールに対する対策】→薬品洗浄の前に小型高圧洗浄装置による洗浄を実施し、薬品洗浄を実施

(6)その他のトラブル
・6月7日、使用済み燃料ピットエリアにある監視カメラ1台の映像が映らない不具合が起き、機器を交換
・7月6日、特定重大事故等対処施設で、一部の部品が装着されていないことが判明(高浜4号機でも同様のトラブル)→◆067◆
・7月13日、原子炉容器内にある水位計で、放射性物質を含んだ水のにじみ跡を確認
・7月21日、外部電源を喪失したときなどに蒸気発生器に給水する重要な「タービン動補助給水ポンプ」(→◆025◆)周辺の床に、油約8リットルが漏れる→このため、予定の7/23に再稼働できず、7/24再稼働

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◆高浜4号機…定検中
 原因究明も対策もなく伝熱管損傷がさらに拡大

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(1)2022年6月定検~10月起動、並列予定

(2)蒸気発生器伝熱管12本が減肉。前々回および前回の定期検査においても、蒸気発生器伝熱管の減肉

(3)前々回(第22回、2019年9月~)
…蒸気発生器伝熱管5本が減肉【最大減肉率:63%】。
・A-蒸気発生器内にステンレス薄片を確認したが、摩耗痕が確認されなかったため、原因となった異物は前回の定期検査時に混入していたものと推定。なお、異物は流出したものと推定。

(4)前回(第23回、2020年10月~)
…蒸気発生器伝熱管4本が減肉【最大減肉率:36%】。
・A-蒸気発生器の減肉箇所にスケールが残存。C-蒸気発生器の減肉箇所近傍から回収したスケールにも摩耗痕を確認し、原因は、スケールによる減肉と推定
【スケールに対する対策】→薬品洗浄を実施

(5)今回(第24回、2022年6月~)
…蒸気発生器伝熱管12本が減肉【最大減肉率:49%】。
・高浜原発3、4号機で、これで連続6回、定期点検の度に配管損傷が見つかっている。原因を特定し対処することができていないので繰り返され、しかも、これまで最大5本の損傷であったものが、今回は12本にまで拡大

(6)参考サイト…蒸気発生器伝熱管の損傷について
・守田敏也さんBiog「明日に向けて」→こちら ほか
・美浜の会→こちら
・関西電力、プレスリリース→こちら
・関西電力、原子力発電について 公開情報、運転上の制限に関する情報→こちら

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◆大飯3号機…8/24に停止予定
 特定重大事故等対処施設が未完成

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(1)2020年7月定検~2021年7/3再稼働
(2)2022年8/24、特重施設未完で停止。その前日から定検とされ、12月までの予定

(3)2020年7/20、第18回定期検査のため、本日3時40分から出力降下中のところ、6時12分に原子炉炉心の出力が不均一になったことを示す警報が発信
・2013年9/2にも同様の「運転上の制限の逸脱」が発生している

(4)その他のトラブル
・配管溶接部に深い傷があっても運転継続を主張(2020年)→◆019◆
・配管に4cmの穴でも運転継続(2021年)→◆027◆

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◆大飯4号機…7/15再稼働
 配管からの水漏れも原因不明のまま

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(1)2022年3月定検~7/15再稼働

(2)2022年7月上旬に調整運転を開始し、8月上旬に定期検査を終了する予定だったが、6月24日に電動主給水ポンプミニマムフロー配管からの水漏れ(二次冷却水)が発見された。あいた穴は直径1ミリ以下。それに対応するため、定期検査期間を7月下旬に延長したが、その後、配管を取り替えて、前倒しで7月15日に再稼働した。

・厚さ17ミリの配管で水漏れが起こるには、継続的な減肉作用があったのではないかと疑われるが、原因は不明。関電は、原因として「エロ―ジョンにより浸食され、配管に微小な穴があいた」と推定しているだけ。エロ―ジョンとは「高速となった液滴が、配管の内面などに衝突したときに、局所的に大きな衝撃力を発生させ、衝突部位が侵食される現象」とのこと。

(3)電動主給水ポンプミニマムフロー配管とは……蒸気発生器に給水するポンプには、主給水ポンプと補助給水ポンプがあり、それぞれ、電動のものと、タービン動のものとがある。ミニマムフロー配管とは、ポンプの過熱や過大振動を防止するために、ポンプの最小必要流量を確保する目的で設置されている。ポンプから出た水を当該配管を通じて脱気器に戻す系統であり、通常の運転時には使用しない。恒常的には動いていなくて、原子炉起動の時にのみ使われる。