投稿者「meisei」のアーカイブ

◆関西電力 闇歴史◆035◆

┌─────────────────────────────────
◆関電と元高浜町助役、癒着の闇 (2)
~金品問題発覚後も元助役側から高値で土地を賃借(2021年報道)
└─────────────────────────────────

 原発をもつ関西電力と、原発地元の実力者だった高浜町元助役森山栄治氏(19年に死去)との癒着の闇は深い。関西電力の元役員らが福井県高浜町の元助役から金品を受領する一方で、原発関連工事での便宜を図っていた。その一つとして2021年6月7日朝日新聞に報道された(→こちら)のが、「関電が元助役側から高値で土地を賃借」という問題。

 関電は2016年から、元助役関係会社の所有地を資機材置き場として高値で借りていた。それによって元助役関係会社側が得る収入は相場の2倍超。なお、関電関係者によると、社内で賃料の高さが指摘され、関電はこの賃貸借契約を2021年3月に解除したという。

 金品受領問題を調べた第三者委員会の報告書によると、関電は16年7月、森山氏が経営に関与した土木建築会社「吉田開発」の関係会社であったゴルフ練習場運営会社が所有していた町内の土地13,000 平方mの賃貸借契約を結んだ。賃料は月額120万円だった。この土地の実勢価格は当時、1平方mが約8,000円であったが、関電は20,000円と設定した。このため、関係会社側が土地を貸して得られる年間の賃料収入の利回りは、相場の5%前後を上回る約14%であったという。

 なお、この土地は、町の土地台帳によると、関電は1988年にこの土地を購入し、05年に吉田開発の関係会社に売却されたという。その後、警備会社など森山氏関係会社間で転売された。関電は売った土地を後に高値で借りたことになる。

┌─────────────
関電の原発マネー不正還流を告発する会」の
検察庁、大阪第2検察審査会あて 申入書 補充書4には
土地賃借事案の詳細な解説があります。
(電気料金値上げ時の説明とは異なり、実際には高値発注、高値賃借)

└─────────────

◆034◆ ←← 関西電力 闇歴史 →→ ◆036◆

◆関西電力 闇歴史◆034◆

┌─────────────────────────────────
◆関電と元高浜町助役、癒着の闇 (1)
~原発の残土工事で増額分を関電が負担(2021年報道)
└─────────────────────────────────
 原発をもつ関西電力と、原発地元の実力者だった高浜町元助役との癒着の闇は深い。その一つとして2021年11月10日朝日新聞に報道されたのが、「原発の残土工事で増額分を関電が負担した」という問題。関電の原発関連工事を受注した「吉田開発」(森山栄治・元町助役が経営に関与)がトラブルを起こして工事費が上がったが、その増額分は関電が自ら負担していた。

 この工事は関電の高浜原発、大飯原発の特定重大事故等対処施設(いわゆるテロ対策施設)の敷地造成などで出た残土の処分。この施設は東電福島第一原発事故後にできた新規制基準の下で再稼働に必要となったもので、関電によると残土は2013〜20年、両原発で計約220万m3生じた。

 関電関係者によると、関電はこの残土処分を準大手ゼネコンに発注し、ゼネコンは高浜町の土木建築会社「吉田開発」に下請けに出した。ゼネコンへの発注額は残土2500円/m3。ところが、吉田開発が2014年、残土を町内の山中に投棄していたことが発覚し、近隣住民とトラブルになって搬入をやめた。このトラブルのため、残土は別の場所で処分することになり、処理費が、3400円/m3 に上がった。

 処理費が上がった原因は、受注側が起こしたトラブルであって、こういう場合は新たに生じた費用は受注側が負担するのが一般的という。しかし、関電は自ら増額分を負担することをゼネコン側に申し出たとのこと。このトラブルの後、残土処分は吉田開発を介した形で地元業者が担うことになったが、間にたっただけの「吉田開発」にも取り分が確保されていた。

  • 関電→ゼネコン…当初の処理費は2500円/m3。それがトラブル後、3400円/m3にはね上がった。
  • ゼネコン→吉田開発…3400円/m3。ゼネコンは同額で下請けに出した。
  • 吉田開発→地元業者…2380円/m3。仲介した吉田開発の取り分は1020円/m3。
    (残土は2013〜20年、高浜、大飯両原発で計約220万m3)

 朝日新聞の記事によると、関西電力広報室は残土処分に関して、「個別の契約内容については回答を差し控える」。そして、関電は11日に「重大なコンプライアンス違反ではない」「問題ない」との他人事のような見解を表明している(↓下記参照)。

【m3=立法メートル】
【下図は、朝日新聞より】


┌─────────────
2021年11月11日
関西電力株式会社
残土工事に関する一部報道について(こちら
一部報道機関が、11月10日付の記事で、当社の残土工事について報じていますが、本件に関する当社のスタンスは、以下のとおりです。
<当社スタンス>
○第三者委員会には、金品受取り問題等について客観的かつ徹底的な調査をしていただきました。
○その後は、業務改善計画に基づき、外部の専門家の審査等を通じて、工事の発注や契約等に関する手続きの適切性、透明性の確保に努めております。
○重大なコンプライアンス違反事象が判明した場合には、速やかにお知らせしております。
以 上
└─────────────
┌─────────────
関電の原発マネー不正還流を告発する会」の
検察庁、大阪第2検察審査会あて 申入書 補充書4には
土砂処分事案の詳細な解説があります。
(電気料金値上げ時の説明とは異なり、実際には高値発注、高値賃借)

└─────────────

◆033◆ ←← 関西電力 闇歴史 →→ ◆035◆

◆10/25「老朽原発・美浜3 号機もう動かすな!現地行動」の報告とお礼 [付]関電あて申し入れ書

【2021年10月27日,実行委MLで配付】

報告とお礼

10.25「老朽原発・美浜3 号機もう動かすな!現地行動」に約63 人

 危険きわまりない老朽原発・美浜3 号機は、特重施設の設置が期限(10 月25 日)に間に合わなかったため、僅か3ヶ月の営業運転で、10 月23 日、停止に追い込まれました。しかも、この原発は、短期間の運転の間に、二度も重大なトラブルを起こしています。

 ①稼働して間もない7 月2 日には、事故時に蒸気発生器に給水するポンプに大きな圧力がかかる異常を発生させています。関電は、「ポンプ入り口にある金属製のフィルターに鉄さびが詰まったことが原因」としています。多量の鉄さびは、今後も、配管破損や目詰まりを引き起こしかねません。このトラブルは、老朽原発を全国に先駆けて動かそうと準備してきたにもかかわらず、鉄さびによるフィルターの目詰まりにも気づかなかった関電と規制委員会のいい加減さを物語ります。

 ②10 月6 日には、非常用ディーゼル発電機で、回転異常を示す警報が作動し、自動停止したと発表されました。この発電機は、地震などで外部電源の供給が途絶えた時に、自動的に起動して安全上重要な機器を作動させるためのものですから、少なくとも、修理が完了するまでは、原発を停止するのが企業倫理です。それでも関電は、もう1 台の発電機が正常に作動することが確認できたとして、3 号機の運転を続けました。許されることではありません。

 「老朽原発うごかすな!実行委員会」は、10 月25 日、「美浜3 号もう動かすな!現地行動」を呼びかけ、実行しました。関西、福井から参加した63 人は、美浜原発から海を隔てて望む「シーパーク丹生」で集会の後、美浜原発ゲート前を往復するデモで「老朽原発もう動かすな!」を訴えました。その後、美浜町「ハートピア」駐車場に移動の後、町内デモで関電原子力事業本部に向かい、事業本部前で45 分の抗議集会を行うとともに、関電への申入れを行いました(★裏面をご覧ください)。さらに町内デモを行い、美浜町役場前では、老朽原発再稼働に同意した美浜町を糾弾し、同意の取り消しを訴えました。町内デモでは、玄関や窓を空けて手を振られる町民、会釈をされる町民のエールに励まされました。ご参加の皆様、有難うございました。

ご参加、ご支援くださいました皆さん、
ありがとうございました。

 この他、「10.23 – 12.4 老朽原発このまま廃炉!キャンペーン期間」に協賛する行動が各地で展開されています。

 「老朽原発このまま廃炉!」の声をさらに拡大させましょう!原発の40 年超え運転を阻止すれば、2033 年に若狭から、2049 年に全国から稼働する原発がなくなります。

12月5日「老朽原発このまま廃炉!大集会inおおさか」
「10.23 – 12.4 老朽原発このまま廃炉!キャンペーン行動」で
老朽原発全廃を!

 10 月23 日に停止した美浜3 号機の特重施設の完成には約1 年を要するといわれています。一方、特重施設の設置が期限の6 月9 日に間に合わず、当面の再稼動を中止した老朽原発・高浜1、2 号機の特重施設の完成は早くても2023 年5 月、6 月頃といわれています。しかし、これらの老朽原発は、特重施設の完成後に再稼働されたとしても、2023 年末には停止に追い込まれる可能性が大です。それは、関電は「使用済み核燃料の県外中間貯蔵地を2023 年末までに探せなければ、老朽原発を停止する」と明言していますが、中間貯蔵候補地探しは至難であるからです。老朽原発停止を突破口に原発全廃に向かって大きく前進する好機です。

 ただし、10 月初めに誕生した岸田政権は、原発推進内閣、核依存内閣です。炭酸ガス排出削減を口実にして、原発の60 年運転の推進を掲げるだけでなく、80 年運転への道を開こうとしています。また、新型小型原子炉や核融合の開発を画策し、核燃料サイクルを推進しようとしています。これらの策動を葬り去るためにも今は正念場です。

 老朽原発の運転停止に追い討ちをかけ、「老朽原発そのまま廃炉」を勝ち取り、原発全廃へと前進しましょう!

 「老朽原発うごかすな!実行委員会」は、1600 人が結集した昨年9 月6 日、1300 人が結集した本年6 月6 日の「老朽原発うごかすな!大集会in おおさか」をさらに拡大し、来る12 月5 日に「老朽原発このまま廃炉!大集会inおおさか」を開催し、10 月23 日(美浜3 号機停止日)~12 月4 日を「老朽原発このまま廃炉!キャンペーン期間」として、老朽原発廃炉に向けて「やれることは全てやる」ことを決定しています。

 皆様のご賛同、ご参加をお願いします。

 老朽原発廃炉を突破口に、原発のない、人の命と尊厳が
大切にされる社会を実現しましょう!

2021年10月27日老朽原発うごかすな!実行委員会
連絡先・木原(090-1965-7102)


▼2021年10月26日県民福井朝刊

▼2021年10月26日福井新聞朝刊

▼2021年10月26日中日新聞朝刊

▼2021年10月26日毎日新聞朝刊


関西電力株式会社:
 取締役会長 榊原定征 様、
 取締役社長 森本孝 様、
 原子力事業本部長 松村孝夫 様、
 美浜発電所長 高畠勇人 様

申し入れ書

 美浜原発3 号機の特重施設設置期限日の本日、関西電力(以下関電と略)原子力事業本部前に結集した私たちは、以下の理由により、老朽原発・美浜3 号機、高浜1、2 号機をはじめとする全原発の即時廃炉を申し入れます。

①原発を動かせば、何万年もの保管を要し、子々孫々にまで負の遺産となる使用済み核燃料を生み出しますが、その処理・処分法はなく、中間貯蔵すら引き受ける場所がありません。

②政府や自治体は、私企業である電力会社が運転する原発の重大事故を想定した避難訓練を、血税を使って行っていますが、それは、原発は重大事故を起こしかねないことを政府や自治体が認めているからです。ただし、政府や自治体が実施している「避難訓練」は、僅かの人数が僅かの期間だけ参加する訓練です。政府や自治体は、原発事故では住民全員が、何年も、何十年も、あるいは永遠に故郷を奪われることをあえて無視して、「避難訓練を行った」とするアリバイ作りをしていると言っても過言ではありません。原発過酷事故時の避難は、訓練ができないほど深刻で困難なのです。

③関電の原発に関して、各種のトラブルが頻繁に発生、発覚しています。

 最近では、1 昨年10 月、高浜4 号機で、昨年2 月、高浜3 号機で蒸気発生器伝熱管の外側からの損傷・減肉が発覚しました。関電は、「持ち込まれた金属片」が配管を削ったためとしました。高浜4 号機では、昨年11 月にも蒸気発生器伝熱管の損傷・減肉が発覚しました。関電は、この損傷・減肉は、自然発生した鉄さびの塊がはがれて、伝熱管を削って生じたとしました。なお、高浜4 号機の2 次冷却系には鉄さび約2.5 トンが蓄積していると報道されています。

 蒸気発生器に関わるトラブルは、6 月23 日に再稼働した老朽原発・美浜3 号機でも早速起こっています。7 月2 日には、緊急時に蒸気発生器に給水するタービン動補助給水ポンプの点検中に、同ポンプに大きな圧力がかかるトラブルが発生しています。関電は、「ポンプ入り口にあるフィルターに鉄さびが詰まったことが原因」としています。老朽原発を全国に先駆けて動かそうとして準備してきたにも拘らず、鉄さびによる目詰まりにも気づかなかった関電と規制委員会のいい加減さを物語ります。10 月6 日には、非常用ディーゼル発電機を起動したところ、回転数異常を示す警報が作動し、自動停止したと発表されました。関電は、もう1 台の非常用発電機の正常作動を確認できたとして、原発の運転を続けました。この発電機は地震などで外部電源が途絶えた時に自動的に起動して安全上重要な機器を作動させるためのものですから、少なくとも、修理が完了するまでは、原発を停止するのが、企業倫理です。

 7 月3 日に再稼働し、7 月30 日に本格運転に入ったばかりの大飯3 号機でも、8 月4 日、タービンを回した蒸気を冷やす復水器に、海水を送る配管から水漏れが見つかりました。2系統ある配管の1 系統が雨水によって腐食し、直径4 cm の穴が開いていたのです。関電や規制委員会は、このような目視できる腐食さえ見落としているのです。

 上記の数々の配管トラブルは、若狭の原発の配管は相当危険な状況にあることを示します。老朽原発だけでなく、運転開始後40 年に満たない原発でも重大事故を起こしかねません。老朽原発の運転など、もってのほかです。

④若狭の原発の耐震性は疑問です。例えば、美浜3 号機は、活断層の巣の中にあり、原発敷地内にも多数の破砕帯がありますが、耐震性の評価にあたって、震源が近くにあることの配慮はなく、地盤変位に対する考察もありません。また、地震は、通常、繰り返し襲ってきますが、地震が繰り返された場合の考慮が不十分です。さらに、美浜3 号機の基準地震動の評価は、405 ガル、750 ガル、993 ガルと増大していますが、それに見合って原発の耐震性が強化されているとは言えません。原発には、取り替えることのできない部分が多数あるからです。「当初の安全余裕の食いつぶし」といわれる所以です。

 なお、昨年12 月4 日の大阪地裁森鍵一裁判長の判決は、原発敷地での基準地震動の推定について、原子力規制委員会が採用したのは平均値であり、バラツキを考慮していないので過小評価であるとしています。この判決に基づけば、同様な方法で推定された全ての原発敷地の基準地震動も過小評価していることになります。

⑤原発電力のコストは上限を試算できないほど高額です。去る7 月に試算された2030 年の原発の1 キロワット時あたりの発電コストは、前回15 年試算時の「10.3 円以上」から「11 円台後半以上」に1 割程度上昇しています。安全対策費が、1 基当たり約1369 億円と15 年試算時の約601 億円
から倍増したためです。福島原発事故の処理費用の見積もりが15 年の「12.2 兆円以上」から「23.8 兆円以上」に膨らんだことも響いています。一方、再生可能エネルギーは技術開発や普及によるコスト低減効果を織り込み、事業用太陽光の8 円台前半~11 円台後半を筆頭に、住宅用太陽光の9 円台後半~14 円台前半、陸上風力の9 円台後半~17 円台前半などと軒並み下がり、原発の優位性は否定されています。なお、他の電源のコストの上限は算出されていますが、原発だけ上限がありません。事故処理費用がどれだけ増えるか見込みづらいためです。使用済み核燃料や放射性廃棄物の処理・保管費を含めれば、原発の発電コストは膨大になります。

⑥関電は、運転開始後40 年をはるかに超えた老朽原発の再稼働を巡って、立地自治体の議会や首長に同意を要請し、苦悩の選択を迫りました。それでも、福井県知事が4 月28 日に同意を表明した直後に、特重施設が設置期限・6 月9 日までに完成しない高浜1、2 号機の再稼働断念を発表しました。このように、関電は、自社の都合のみで、立地自治体や多くの人々を混乱に陥れています。このことと、一昨年来の原発マネー不祥事、使用済み核燃料中間貯蔵地探しに関わる再三の約束違反を考えあわせますと、関電は、企業倫理に欠け、の成算もなく約束し、それを平気で反古にする企業と言わざるを得ません。このような関電が、事故なく原発を運転できるとは考えられません。

 以上のように、原発は、使用済み核燃料の蓄積、重大事故時の避難の困難さ、トラブルの多さ、耐震性の低さ、発電コストの高さ、電力会社の企業倫理の低さ、規制委員会審査のいい加減さ、いずれの面からも、稼働を容認できる装置ではありません。原発は万が一にも重大事故を起こしてはならない装置です。即時廃炉を決断してください。

 なお、貴社が、私たちの再三の危険性指摘を無視して原発を稼働して、重大事故が起こった場合、それは貴職らの故意による犯罪であり、許されるものではないことを申し添えます。

2021 年10 月25 日
「老朽原発・美浜3 号機もう動かすな!現地行動」参加者一同
老朽原発うごかすな!実行委員会
(連絡先;木原:090-1965-7102)

◆関西電力 闇歴史◆033◆

┌─────────────────────────────────
◆老朽美浜3号機、内部告発やトラブルが続く(2021年)
└─────────────────────────────────
 運転開始から40年を超えて2021年6月23日に再稼働した関電の美浜原発3号機で、内部告発やトラブルが続いている。やろうと思えばできたバックフィットも先送りして、再稼働を優先している。安全より経済性優先の関電の経営方針は、何も変わらず一貫している。10月25日が特重施設設置期限で、それが未完成のため10月23日に「定期点検」入りと称して停止せざるを得なかった。特重施設が間に合わなかったので止まるのではなくて、定期点検のために止まるだけですと、空々しい(>_<)

(1) 杜撰な安全工事に対して内部告発

 美浜原発3号機では、杜撰な安全工事に対する内部告発があるにも関わらず、関電は問題ないとして無視し、規制委もこれに同調している。

 以下は、『はとぽっぽ通信』2021年8月第242号「老朽原発の再稼働阻止・・その危険性と知事同意後の取り組み(その①)」山本雅彦さん(敦賀市)の記事を掲載。
┌─────────────
美浜3号機の、燃料取替用水タンクの竜巻対策溶接工事の杜撰さを内部告発

 3月28日付け(2021年)滋賀民報に、美浜原発3号機の燃料取替用水タンクの竜巻対策のための鉄骨建屋の柱と梁(はり)の溶接工事に携わった吉本選(えらぶ)氏の「あまりにもずさんな工事だった」との告発記事が掲載された。その記事によれば、吉本氏は「鉄骨建屋の設計が悪く、柱と梁の溶接ができません。さらに、母材(部材)は長い間、野ざらしでひどく錆びていた」と。同氏は、工事を請け負った若狭町の建設会社の社長に、「見た目だけ溶接することはできるが強度が出ない。根本的にやり直すべき」と忠告しても「くっついていさえすればいい」と無視されたという。

 関電は、関係工事資料を確認した上で、目視点検の結果、問題は無かったと規制委員会に報告。規制委はこれを了承し、使用前検査に合格証を出そうとしている。

 しかし、これは安全対策工事に関する重要な告発である。事実とすれば、安全対策工事全体の信頼性が揺らぐ問題である。規制委は、関電の行った内部調査の報告をう呑みにするのではなく、関電に全ての情報を公開させ、第三者に該当箇所の強度確認試験を行わせるなど、規制当局としての責任を果たすべきである。
└─────────────

 なお、福井県議会議員・さとう正雄さん(共産党)が、4月19日の議会全員協議会で取り上げて、関電にただしたところ、関電側は、発注した熊谷組を信頼している、などと答えたが、実際の調査は行っていないことが明らかになった。

 オール福井反原発連絡会(原子力発電に反対する福井県民会議、福井から原発を止める裁判の会、サヨナラ原発福井ネットワーク、原発住民運動福井・嶺南センター、原発問題住民運動福井連絡会)は、5月14日に、関電の森本孝社長と福井県の杉本達治知事に対して「全ての情報公開」を申し入れている。

(2) タービン動補助給水ポンプ「フィルター目詰まり」の重大な意味

 調整運転中の7月2日、蒸気発生器に給水するためのタービン動補助給水ポンプ周辺のトラブルが起きているが、運転を継続してきた。◆025◆

(3) 非常用ディーゼル発電機が動作テスト中に自動停止

 10月6日には、非常用ディーゼル発電機が動作テスト中に自動停止するトラブルがあったと報道されている。回転数が規定よりも高く示されたために警報が作動して停止したとみられ、関電が原因を調べているが、外部への放射能の影響はないとして、運転を続けている。
 非常用発電機が故障すると、全電源喪失につながるのではないか。もう1台の同発電機が正常に作動することが確認できたため、運転を続けているというが、2台の非常用発電機が存在していることに意味があるのではないか。

 その後、関電は、停止した非常用ディーゼル発電機は調速装置(ディーゼル機関の回転数を一定に保つ装置)に不具合のある可能性があることがわかったため、予備の調速装置に取り替え、正常に動作することを確認し、10月9日、保安規定を満足する状態に復帰したと発表。

(4) バックフィット無視など相変わらず安全より経済性優先

 以下、「老朽原発40年廃炉訴訟市民の会」のメンバーからのメールを転載。
┌─────────────
 関電が2021/10/23からの美浜3号機の定期検査について発表しました。
今後の予定として、
原子炉起動、臨界:2022年10月中旬
調整運転開始:2022年10月中旬
本格運転再開:2022年11月中旬
としています。
 美浜3号機は火山噴出規模引き上げのバックフィットが未だなされておらず基準不適合状態ですが、実は同じくバックフィットが求められている非常用ディーゼル発電機に接続される電気盤の高エネルギーアーク損傷対策もされないまま稼働しています。今回の定期検査で対策工事をするそうです。
 火山と違い、こちらは経過措置の期限が定められているのですが、今年の8/1以降の定期検査が終了するまでとなっています(規則改正は2017年)。これについては、再稼働前に福井県の原子力安全対策課に確認したところ、「電気系統はいろんなところにつながっていて、1箇所で設定値を変えても、他の箇所の設定が伴わないと問題が起きるので、全体としてやらなくてはいけないので大変さがある。」ということでしたが、すでに「(今年5月時点で)高浜3、4は対策工事が終了し、大飯3号機は対策工事中、大飯4号機は未実施」だそうですから、やろうと思えばできたものを再稼働を優先したのではないかと疑わざるを得ません。
 関電の安全より経済性優先の経営方針は何も変わらず一貫していて恐ろしいです。
└─────────────

◆032◆ ←← 関西電力 闇歴史 →→ ◆034◆

◆9/9の第30回口頭弁論の報告
 ~救援新聞より

  • 救援新聞 京都版No.1436 2021年9月25日
    橋本宏一(日本国民救援会京都府本部 事務局長)

〝原発事故はすべてを奪う″

大飯原発差止京都訴訟第 30 回口頭弁論

◆関西電力と国を相手に京都などの 3,323 人の住民が起こした大飯原発差止訴訟の第 30 回口頭弁論が9月9日京都地裁(第6民事部池田知子裁判長)101 号法廷で開かれました。コロナ禍の入場制限がされるなか、原告弁護団 10 人、原告・傍聴人約 50 人で法廷にのぞみました。今回の裁判では、原告の吉永剛志さんの意見陳述と渡辺輝人弁護団事務局長が第 84 準備書面の要旨の陳述をしました。以下はその要旨。

若狭で原発事故が起これば・・・ 吉永剛志さん

 京都市下京区に住み、NPO法人「使い捨て時代を考える会」常任事務局、会がつくる有機農産物宅配会社、「安全農産供給センター」の役員をしている。会員 1500 人程度、有機農業生産者など農業従事者とよく会う。そこで、もし若狭の原発に事故が起こったらこの農業関係者はどうなるのか考える。

 有機農業は、無農薬・無化学肥料で、多品目の栽培をする農法。自然と人体に害を与える過度な農薬と化学肥料を極力減らして地球環境にも人にも優しい農業。1970 年に始まり、当初は「変わり者」扱いされたが、市民運動の力も借りて独自に市場と流通をひらいた。市民権を得て 21 世紀には有機農業推進法も制定、政府は今年になり、50年まで有機農業のシェアを現在の 0.5 パーセントから 25 パーセントにすると発表している。府内外から有機・自然農法に興味をもった若者もふえている。

 私は、原発事故直後、つきあいのある福島の有機農家を訪ねた。いままで築いた供給ネットワークが「安全ではないから」と半分以上失われていた。放射能検査をしているにもかかわらず。安全、安心なものをつくろうと人一倍努力してきた成果がこわされた打撃は大きかった。

 もし若狭で原発事故が起こり、琵琶湖が汚染され、京都の田畑が汚染されたらどうなるか。私の訪ねた福島の農家は原発から 60 キロ圏で、若狭の原発から私のいる距離と変わらない。苦労して育てた土壌を捨てて他で農業ができようか。土づくりまで数年を要し、毎日の土の手入れで土壌を育て、野菜を売る顧客を口コミで拡大するなど長年かけた信頼があってこその有機農業。これらがすべて失われ、「残念でしたね。避難してください。逃げてください。はい、逃げました」とできるのか。

 京都の有機生産者に福島の生産者たちと同じ思いを繰り返させたくない。原発に力を入れるよりも、有機農家が動きやすく、将来性ある環境をつくることの方がよほどこれからの社会のためになる。

〝画餅(がべい)″の避難計画・・・渡辺輝人弁護士

 舞鶴市は、市域をA~Fゾーンに分けて避難計画を策定している。そのDゾーンにある明倫小学校区は、緊急時防護措置準備区域(UPZ)とされ、避難する際は必ず「避難中継所」に立ち寄ることとされている。一度に多くの住民が避難すること自体が極めて困難だが、中継所に丹波自然運動公園を指定、ここで除染を行うこととされている。だが除染の準備は整っていない。中継所の機能そのものがない。風向きにより丹波自然運動公園が高濃度の汚染スポットになるリスクも十分あり得る。さらに福知山市の三段池公園、長田野公園体育館も同様だ。

 志楽小学校区(5592 人)についても、避難が可能だとして避難先を見るに、避難先が被災していないか、避難施設が受け入れ可能かを確認してからの避難実施となる。京都市東山区、北区、中京区の避難所に分散避難となるが、居住地域と避難先が対応していない。住民がバラバラに分断されてしまう可能性が高い。

 朝来(あさご)小学校区(3189 人)、大浦小学校区(2094 人)も同様である。避難での地域の一体性などは無視される。中舞鶴小学校区(9223 人)は、人口の多い東舞鶴駅周辺を含み、避難先は左京区の大型施設。自治会ごとの対応はほとんどなく、避難所に入れるかどうかも不明確。

 「避難者受け入れ」の京都市側にそもそもの準備ができていない。例えば、元立誠小学校、元清水小学校など避難所に指定されながら校舎が解体され敷地が民間のホテルに転用されていたり、校舎そのものがホテルになっていたりする。統廃合で施設も「子ども未来館」になったり、定員増で小学校として再度開校したりしている。避難先として使用できないところも多い。

 避難者は、UPZ(30㎞)圏内に限らない。福島の場合、自主避難者も多く、この避難者にどう対応するか、舞鶴市民の数倍に当たる避難が想定されるが施設は現実にない。施設は過密で非人間的でなく、感染症の予防にも対策を立てたものでなければならない。

 京都市は、舞鶴市などからの大量の避難者がやってきた場合の公共施設の使用と、それに伴って市民が使用できなくなる事態についてまったくといってよいほど説明していない。市民とのコンセンサスを得ようとの努力もみられない。京都市民自身が避難対象となる可能性すらあり、避難計画自体が画餅に等しい。

裁判報告集会で決意固め合う

 裁判終了後、京都弁護士会で報告集会が開かれました。ここでは、竹本修三原告団長のあいさつ(写真)のあと、出口治男弁護団長(写真右端)もあいさつし、「病気療養でしばらく休んでいましたが、復帰しました。久しぶりに、原告吉永さんの地に足をつけたお話は力強い訴えでした。みなさんと力を合わせてがんばりたい」と語りました。ひきつづき、主張と立証をつくして、脱原発のたたかいを広げていくことを誓い合いました。

◆次回口頭弁論期日は、11 月 16 日(火)午後 2 時 30 分から、101 号法廷で。

◆関西電力 闇歴史◆032◆

┌─────────────────────────────────
◆送電線保安業務で架空発注のコンプライアンス違反  6件(2021年)
└─────────────────────────────────
 関電の100%子会社、関西電力送配電(株)でコンプライアンス違反。「送電線に近接する樹木の保安伐採業務における不適切な処理」。2021年9月14日発表。

 送電線に近接する樹木の保安伐採業務で、社内基準の補償額では承諾を得られなかった地権者に対し、伐採していない樹木も含めた補償額を払っていた。委託先の関電子会社(株式会社かんでんエンジニアリング)には伐採していない樹木を伐採したとの虚偽報告をするよう指示し過大な委託費を払っていた。架空発注となる不適切処理金額は、補償費が630万円、委託費が371万円、合計約1000万円。

 過去10年分を調査したところ、6件の同様の不適切な処理があったとのこと。アスベストの不適正処理(◆023◆)や不正資格取得(◆022◆)は10年も遡って調べていないが、なぜか今回は10年間を調査。今後、関西電力コンプライアンス委員会による調査が行われる。その委員長は、中村直人弁護士(中村・角田・松本法律事務所)他となっている。

この件に関する関電と関電送配電の報告(2021年9月14日)は→こちら

┌─────────────
◆コンプライアンス委員会の調査で、さらに20件の指摘 (2022年)
└─────────────
 その後、コンプライアンス委員会が140件の調査を行い、20件について担当者らが上限を超える支払を行ったと認定した(2022年6月14日報道)。その20件は、2011年6月から2018年4月まで、補償料計6200万円超にあたるが、その中に含まれる不適切な支出の総額は算定できないとしている。「構造的な問題」と説明されているが、電気料金で経営される公的企業とは思えない。(>_<)

→関電のプレスリリース「送電線に近接する樹木の保安伐採業務等に関する調査結果」
 2022年6月13日(こちら
→朝日「関電子会社、内規超す補償料 電線周辺の伐採20件、地権者に」(こちら
→日経「関西電力、電線周辺の伐採業務で違反 20件の不適切処理」(こちら

【付 コンプライアンス委員会と関西電力グループ行動憲章】
・関電社内のコンプライアンス委員会は、2020年4月設立。取締役会直下の委員会として組織され、委員長を含め過半数が社外委員で構成される(こちら)。中期経営計画(2021~25年)のなかで「関西電力グループ行動憲章こちら)」が確認され、第一に「1.コンプライアンスの実践・徹底」が掲げられている。下記、注あり。

  • (注)2019年に発覚した当社の役職員が福井県高浜町の元助役から多額の金品を受け取っていた件や、退任役員への報酬を巡る問題により、お客さまや社会のみなさまをはじめとした様々なステークホルダーのみなさまからの信頼を裏切り、多大なご迷惑をおかけしました。本項目は、それを踏まえたものです。

・同行動憲章ではまた「3.適正な情報開示・管理と対話」で、「社会のみなさまとのコミュニケーションを一層推進し、社会に対する説明責任を誠実に果たすことを通じて、透明性の高い開かれた事業活動を行います。」として、「(一人ひとりの行動規範)社会のみなさまとのコミュニケーションを積極的に行います」としている。
(参考 → ◆048◆◆064◆

◆031◆ ←← 関西電力 闇歴史 →→ ◆033◆

◆9/9 第30回口頭弁論の報告

2021年9月9日(木)に京都地裁で第30回口頭弁論が開かれました。

  • 模擬法廷&報告集会は、弁護士会館で行いました。
  • 開廷前の裁判所周辺デモは、コロナ緊急事態をかんがみて、中止にしました。
  • 事前のお知らせチラシ→こちら
  • 開廷は14:30より、京都地裁1階の大法廷にて。参加者は、前回同様に制約されました。原告席の原告は6名のみ(他に弁護団10名ほど)。傍聴席は半分ほどに制約され、42席ほどありましたが、リストバンド配布時点では無抽選で全員傍聴できることとなりました。その後、傍聴者が来て、最終的に残席はなくなりました。なお、関電の傍聴者が5名ほどいました。
  • 原告の意見陳述は、京都市の吉永剛志さん(使い捨て時代を考える会)。有機農業の生産者にとって原発とは何か、などの問題点を指摘しました。
  • また、弁護団より3つの準備書面が提出されました。
  • 以上、原告の意見陳述、弁護団からの準備書面は→こちら
  • 閉廷後,「弁護士会館」で報告集会が開かれ,弁護団からは準備書面の解説があり、原告団からは活動報告などを行いました。会場カンパ、感謝いたします。

出口治男弁護団長の挨拶。
報告集会で、出口治男弁護団長の挨拶。

◆9/9 第30回口頭弁論 原告提出の書面

┌─────────────────────────────────
【原告】裁判資料ーー準備書面、意見陳述こちらへ
└─────────────────────────────────
┌─────────────────────────────────
【原告】裁判資料ーー証拠説明書と書証(甲号証)→ 以下に
└─────────────────────────────────


第84準備書面[2 MB] 関係]証拠説明書 甲第592~594号証[93 KB]
(2021年9月1日)

・甲第594号証…舞鶴市原子力災害住民避難計画
 甲594-1[2 MB] 朝来小学校区(A、Bゾーン)
 甲594-2[2 MB] 大浦小学校区(A-2、Bゾーン)
 甲594-3[2 MB] 志楽小学校区(A、Bゾーン)
 甲594-4[2 MB] 新舞鶴小学校区(B、Cゾーン)
 甲594-5[2 MB] 与保呂小学校区(Cゾーン)
 甲594-6[2 MB] 中舞鶴小学校区(Cゾーン)
 甲594-7[3 MB] 倉梯第二小学校区(Cゾーン)
 甲594-8[2 MB] 倉梯小学校区(Cゾーン)
 甲594-9[3 MB] 三笠小学校区(Cゾーン)
 甲594-10[1 MB] 余内小学校区(C、Dゾーン)
 甲594-11[2 MB] 池内小学校区(C、Dゾーン)
 甲594-12[2 MB] 明倫小学校区(Dゾーン)
 甲594-13[1 MB] 中筋小学校区(Dゾーン)
 甲594-14[2 MB] 吉原小学校区(Dゾーン)
 甲594-15[2 MB] 由良川小学校区(D、Eゾーン)
 甲594-16[2 MB] 福井小学校区(D、Eゾーン)
 甲594-17[2 MB] 高野小学校区(D、Eゾーン)
 甲594-18[2 MB] 岡田小学校区(E、Fゾーン)

甲第593号証[1 MB]
令和2年舞鶴市統計書(抄)

甲第592号証[231 KB]
原子力災害対策重点区域の人口分布


★[第83準備書面[517 KB] 関係]証拠説明書 甲第591号証[84 KB]
(2021年9月1日)

甲第591号証[307 KB]
口頭弁論要旨 吉永剛志さん


第82準備書面[814 KB] 関係]
(2021年9月1日)

・証拠なし


【注】裁判資料ページ全体の構成変更にともない、第27回口頭弁論から、前回までのタイトル「原告提出の書証」を、「原告提出の書面」に変更しています。内容的には、証拠説明書と書証を掲載している点で、ほぼ同じです。(ページの上のプルダウンメニューから入る場合と、右の更新情報から入る場合と、両方に対応する形にしました。)


◆10月停止の老朽原発・美浜3号機をそのまま廃炉に

【2021年8月27日,京都キンカンで配付】

トラブル、不祥事、約束違反続きで、
企業倫理に欠ける関電が運転する老朽原発
10月停止の老朽原発・美浜3号機をそのまま廃炉に追い込み、
原発全廃に前進しよう!

原発は老朽化すると危険度が急増
全原発の40年超え運転は法令違反

 福島原発事故から10年半になりますが、この事故は、原発は事故の確率が高く、現在科学技術で制御困難な装置であることを、大きな犠牲の上に教えています。その原発を長期間運転すれば、危険度はさらに高くなります。したがって、政府は、2012年6月の原子炉等規制法の改正で「原発の運転期間は40年とし、例外中の例外として20年の運転延長を一度だけ認める」と規定しました。「原発の運転期間・40年以内」は、法律で定められているのです!

 そのため、40年超えの原発は老朽原発と呼ばれています。2021年8月現在、高浜原発1号機(46年超え)、2号機(45年超え)、美浜原発3号機(44年超え)、東海第2原発(42年超え)が老朽原発です。

 原発が老朽化すれば、交換することのできない圧力容器(原子炉本体)などが脆化(ぜいか;もろくなること)し、配管が腐食などによって減肉(げんにく;やせ細ること)あるいは応力腐食割れ(腐食と引っ張る力の相乗効果で生じる亀裂)などが生じます。

 また、老朽原発では、建設時には適当とされたが、現在の基準では不適当な部分が多数あります。しかし、その全てが改善されているとは言えません。例えば、地震の大きさを過小評価していた時代に作られた構造物、配管の中には交換不可能なもの(圧力容器など)があります。

 それでも、原子力規制委員会(規制委)は、2016年、関西電力(関電)の老朽原発・高浜1、2号機、美浜3号機の運転を、拙速審議(時間、回数は通常の約半分)によって認可しました。また、2018年、日本原子力発電(日本原電)の東海第二原発の運転を認可しました。全ての40年超え老朽原発の運転認可は、明らかに法令違反です。

トラブル、人身事故、不祥事、
約束違反続きの関電が原発を運転

 関電が運転する若狭の原発では、トラブル、人身事故が頻発し、原発マネーに関わる不祥事、使用済み核燃料中間貯蔵地に関わる約束違反、などが発生・発覚しています。その中の多くは、規制委による再稼働認可審査の過程では想定されていなかったことです。

 原発の運転が、人の命や尊厳を軽視し、企業倫理をないがしろにして画策され、無責任な規制委がそれを認可していることを示しています。

 以下は、一昨年以降に発生したトラブル、人身事故、不祥事、約束違反の例です。

①トラブル

  • 高浜4号機で1昨年10月に、高浜3号機で昨年2月に、蒸気発生器伝熱管(直径約2.2cm、厚さ約1.2mm)の外側が削れて管厚が半分程度に減少していることが見つかりました。関電は、混入した「異物(金属片)」が配管を削ったためとしました。
  • 高浜4号機では、昨年11月にも蒸気発生器伝熱管の外側からの減肉・損傷が発覚しました。関電は、この減肉・損傷は、伝熱管外側に自然発生した鉄さびの塊がはがれて、伝熱管を削って生じたとしました。
  • 大飯3号機では、昨年9月、原子炉と蒸気発生器をつなぐ配管から枝分かれした直径約11cm、厚さ約14mmの配管(加圧器スプレー配管)の溶接部に、深さ約4.6mm、長さ約6.7cmの亀裂が発覚しました。原因は応力腐食割れとされています。この配管は、伝熱管に比べて格段に大きいため、破断すれば、伝熱管破断の場合よりはるかに急速、深刻な冷却材喪失を引き起こします。
  • 6月23日に再稼働した老朽原発・美浜3号機では、7月2日、緊急時に蒸気発生器に給水するタービン動補助給水ポンプの点検中に、同ポンプに大きな圧力がかかるトラブルが発生しています。関電は、「ポンプ入り口にあるフィルターに鉄さびが詰まったことが原因」としています。老朽原発を全国に先駆けて動かそうとして準備してきたにも拘らず、鉄さびによる目詰まりにも気づかなかった関電と規制委のいい加減さを物語ります。
  • 7月3日に再稼働し、7月30日に本格運転に入った大飯3号機でも、8月4日、タービンを回した蒸気を冷やす復水器に海水を送る配管から水漏れが見つかりました。2系統中の1系統の空気抜き弁枝管の付け根付近が雨水によっ腐食し、直径4cmの穴が開いていたのです。

 上記の数々の配管トラブルは、若狭の原発の配管は相当危険な状況にあることを示します。老朽原発だけでなく、運転開始後40年に満たない原発(例えば、大飯原発3号機は運転開始後29年の原発)でも重大事故を起こしかねません。老朽原発の運転など、もってのほかです。

 なお、配管トラブルの中でも、高温(約320℃)、高圧(約160気圧)の一次冷却水が流れる蒸気発生器配管の損傷は深刻です。この配管が完全に破断すれば、冷却水が噴出し、原子炉が空焚きになる可能性があるからです。

②人身事故

  • 1昨年9月、高浜1、2号機の特重施設建設用のトンネル内で溶接作業にあたっていた9人が一酸化炭素中毒で救急搬送されました。事故の起こったトンネルには外気を取り込むダクトが設置されていなかったそうです。
  • 昨年3月には、高浜原発1、2号機の敷地内にある掘削中のトンネルで、発破作業の安全監視中であった協力会社社員が、火薬を運ぶために後退してきたトラックにはねられ、亡くなられました。この社員は耳栓をし、トラックに背を向けていました。
  • その他、脚立や足場からの転落事故も多発しています(1
    昨年9月、美浜3号機:昨年4月、高浜原発1号機など)。

 これらの内、高浜、美浜の事故は、老朽原発再稼働準備中に起こったものです。老朽原発を無理矢理動かそうとして、安全な労働環境づくりを怠ったために起こった事故です。

③不祥事

 1昨年9月、関電が支払った原発関連工事費が、多額の金品として関電幹部に還流されたことが暴露され、昨年3月には、電気料金値上げ時にカットした役員報酬や役員が追加納税した税金を、退任後、関電が補填していたことが公表され、多くの怒りを買っています。しかも、これらの不祥事に関与した関電幹部のほとんどは、原発の推進に奔走した人たちです。「原発マネーの垂れ流しの中でしか維持できない原発」の全廃を求める声はさらに拡大しています。

 関電は、原発マネーに関わる不祥事発覚後も、原発の運転を継続し、危険極まりない老朽原発まで再稼働させました。関電は、不祥事を反省して役員人事を刷新したとしていますが、関電が企業体質を抜本的に改善したとするには程遠い状態にあります。例えば、関電は、去る2月、「競争入札を経ない発注(特命発注)により、地元企業の活用に努める」として、美浜町長の美浜3号機再稼働への同意を取り付けました。これは、関電の経営体質は、「人事刷新」によても全く変わっていないことを物語るものです。公共性が高く、税金に準じる性質を持つ電気料金で運営される電力会社が、特命発注の乱発など許されるはずがありません。

④約束違反

 関電は、2017年11月「2018年末までに、使用済み核燃料の中間貯蔵候補地を福井県外に探す」と明言し、西川前福井県知事の大飯原発再稼働への同意を取り付けました。しかし、関電は、この約束をホゴにし、候補地提示期限を「2020年末まで」と再約束して、原発の運転を継続し、使用済み核燃料を増やし続けました。

 さらに、関電は、本年2月、再約束期限を2023年末へとまたも先送りし「この期限が守られなければ老朽原発を停止する」として、老朽原発再稼働への福井県知事の同意を取り付けました。この先送りは、むつ市の中間貯蔵施設の共同利用の可能性を拠り所にしたものですが、宮下むつ市長はこれを否定し、猛反発しています。

 このように、関電は、何の成算も無く「空約束」し、平気でそれをホゴにする、企業倫理のかけらも持ち合わせない企業です。原発を安全に運転できるはずがありません。

自社都合で人々や自治体をもて遊ぶ、
企業倫理に欠ける関電

 関電は、老朽原発・美浜3号機を、6月23日に再稼動させました。一方、特重施設(いわゆるテロ対策施設)の設置が期限の6月9日に間に合わなかった老朽原発・高浜、2号機の当面の再稼動を中止しました。

 この再稼働を巡って、関電は、立地自治体の議会や首長に同意を要請し、苦悩の選択を迫りました。それでも、福井県知事が4月28日に同意を表明した直後の30日、2週間後の5月12日に、突然、高浜2号機、1号機の再稼働断念を発表しました。

 このように、関電は、自社の都合のみで、立地自治体や多くの人々を混乱に陥れているのです。企業倫理に欠け、私利私欲に走る傲慢企業と言わざるを得ません。

 2017年12月、関電は、福井県やおおい町に相談することなく、突然かつ勝手に大飯原発1、2号機の廃炉を決めました。これも関電の傲慢さを示す例です。このような事態が生じるのであれば、原発立地自治体は、その将来設計を描けなくなります。原発立地町は、突然の原発廃止のように、相互信頼を顧みない関電や国であっても、その意向に逆らわず、今でも原発政策を続けています。

トラブル、不祥事を起こし、企業倫理に
欠けるのは関電だけではない

 四国電力の伊方原発では、昨年だけでも、制御棒が誤って抜かれた状態が約7時間続き、使用済み燃料プール内で燃料落下を示す信号が発信し、原発内のほぼ全ての電源が一時喪失するなど、深刻なトラブルが起こり、また、重大事故対応のために宿直していた社員が2年間で5回も無断外出して、会社のガソリンチケットを無断で使っていたことが発覚しています。

 東京電力の柏崎刈羽原発では、テロ対策工事や火災対策工事が多くの箇所で未完了にも拘わらず工事完了と報告していたことが暴露されています。同原発では重要施設への出入りに使用するIDカードの不正使用も行われていました。

 日本原電敦賀原発では、敷地直下を通る活断層に関わるデータの改ざんや記載ミスが明らかになっています。

 このように、原発を運転する電力会社の企業倫理は、救いようがないほど、地に落ちてます。

原発マネーにすがる自治体議員や首長

 翻(ひるがえ)って、関電と政府の意を汲み、原発マネーにしがみつく高浜町、美浜町の議会と町長は、昨年11月から本年2月にかけて、老朽原発再稼働への同意を表明しました。また、杉本福井県知事は、国から5年間で1原発最大25億円の交付金(高浜、美浜の2原発で計50億円)を引きだし、経産大臣の「原子力を持続的に活用する」との言質を取り付け、4月28日、再稼働同意を発表しました。

 結局、原発立地自治体は、「自治体住民の安全・安心の保全が地方自治の基本」であることを忘れ、住民の安心・安全を犠牲にして、原発マネーを得ようとし、政府は、税金によって立地自治体を買収して、老朽原発再稼働を強行しようとしたのです。

避難訓練を行わなければならないほど
危険な施設は原発だけ

 政府や自治体は、原発重大事故を想定した避難訓練を行っています。それは、原発は重大事故を起こしかねないことを、政府や自治体が認めているからです。ただし、政府や自治体で考えている「避難計画」では、わずかの期間だけ避難することになっていて、避難に要するバスの台数も避難する場所も全く足りません。政府や自治体は、原発重大事故では、住民の多くが何年も、何十年も、あるいは永遠に故郷を奪われることをあえて無視して、「避難訓練を行った」とするアリバイ作りをしているのです。

 若狭の原発から100km圏内には、76万人が住む福井県のみならず、257万人、141万人が住む京都府、滋賀県の全域、大阪府、兵庫県、奈良県、岐阜県、愛知県の多くの部分が含まれます。若狭の原発で重大事故が起こったとき、これらの地域の何100万人もが避難対象になりかねません。避難は不可能です。重大事故では、至近にある琵琶湖(美浜原発から28km)が汚染され、関西1400万人以上の飲用水が奪われます。若狭湾が汚染され、観光や漁業が壊滅します。

原発のない若狭は実現できる!

 いま、脱原発・反原発は圧倒的な民意です。老朽原発の運転に反対する声はさらに大きく、運転を認める声などほとんどありません。

 原発の40年超え運転と新設を阻止すれば、美浜町からは即時、高浜町からは4年後に、おおい町からは12年後に、敦賀市からは6年後に、稼働する原発が無くなります。若狭の原発は2033年に、全国の原発は2049年にゼロになります。原発反対の行動が高揚すれば、もっと早く原発をなくすことも可能です。

原発全廃に前進の好機

 6月23日に再稼働した美浜3号機は、特重施設の完成が期限(10月25日)に間に合わず、わずか3ヶ月の営業運転で停止に追い込まれます。美浜3号機、高浜1、2号機の特重施設の完成は早くても2022年9月頃、2023年5月、6月頃といわれています。

 ところで、これらの老朽原発は、特重施設の完成後に再稼働されたとしても、2023年末には停止に追い込まれる可能性が大です。それは、関電が「使用済み核燃料の県外中間貯蔵地を2023年末までに探せなければ、老朽原発を停止する」と明言していますが、中間貯蔵候補地探しは至難であるからです。老朽原発停止を突破口に原発全廃に向かって大きく前進する好機です。

原発ゼロ基本法案を実現し、
原発に依存しない若狭を!

 原発地元の自治体や経済界は、脱原発をしたら地域経済が成り立たなくなると宣伝しています。

 しかし、国会の経産常任委員会に付託された「原発ゼロ基本法案」では、
①全ての原発の速やかな停止→廃止、
②電気需要量の削減、
③再生可能エネルギー電気供給量の増加を謳うとともに、
④原発を停・廃止する「事業者への支援、周辺地域の雇用・経済対策」を行うための「法制上、財政上、税制上、または、金融上の措置」を条文として要求しています。「原発ゼロ基本法案」が施行されれば、原発に頼らない地域の構築に向かって踏み出すことができます。

 3年余りも棚ざらしのこの法案の審議を要求し、経済的不安をも克服して、脱原発社会を目指しましょう!

重大事故が起こる前に
原発を全廃しましょう!

12月5日開催の
「老朽原発このまま廃炉!大集会inおおさか」
に総結集を!


2021年8月30日
老朽原発うごかすな!実行委員会
連絡先;木原(090-1965-7102)


◆関西電力 闇歴史◆031◆

┌─────────────────────────────────
◆関電は美浜3号機の使用済み燃料の交換可能年数を2倍に水増し(2021年)
└─────────────────────────────────
サヨナラ原発福井ネットワーク、若狭連帯行動ネットワークは、 2021年7月2日、福井県の杉本達治知事に対して、「-終局迫る原発、原発依存県政からの脱却を急げ!- 関電は、美浜3号機の使用済み燃料の交換可能年数を2倍に水増ししている!!」との申し入れを行った。

 再稼働された老朽原発の美浜3号機について、「実際には、3号プールは3.6回、4.8年で満杯になるところ、廃炉になった1・2号機のプールの空きを3号機用に使い、緊急時に炉心燃料をプールへ移せない恐ろしい状態にしている。いずれも、禁じ手を使うことを前提にした水増しで、許せない!」
「耐震性のない1・2号プールで使用済み燃料の長期保管は危険!!。3号プールに入れて保管すべき!」

【参考サイト】
(1)関電は、美浜3号機の使用済み燃料の交換可能年数を2倍に水増ししている!(2021.7.2 福井県との交渉、サヨナラ原発福井ネットワーク、若狭連帯行動ネットワーク)
こちら

(2)再稼働に備えて、美浜 3 号機のプールを空けるため、保管していた 1・2 号機分の使用済み燃料を急いで 1・2 号のプールに移動(戻)していた!
こちら

【申入書の要約と全文】
申入れの要約
「実際には、3号プールは3.6回、4.8年で満杯になるところ、廃炉になった1・2号機のプールの空きを3号機用に使い、緊急時に炉心燃料をプールへ移せない恐ろしい状態。 いずれも、禁じ手を使うことを前提にした水増しで、許せない!」 「耐震性のない1・2号プールで使用済み燃料の長期保管は危険!!。3号プールに入れて保管すべき!」
******* (以下、申入れ文)
福井県知事 杉本達治様

2021年7月2日

-終局迫る原発、原発依存県政からの脱却を急げ!-
関電は、美浜3号機の使用済み燃料の交換可能年数を2倍に水増ししている!!

サヨナラ原発福井ネットワーク
連絡先:若泉政人

 4月13日の交渉で網本課長は「美浜3号機には1・2号機の使用済み燃料は入っていないので、交換年数は9年と理解している」と答えました。福井県の「発電所の運転・建設年報(令和2年10月)」によれば、たしかに、使用済燃料貯蔵設備増強工事 (平成13年8月完成) を実施し、貯蔵容量が424体から1,118体となっています。

 しかし実際には、美浜3号では、床固定ラックでは基準地震動Ssを満たさないため、補助建屋基礎補強工事とラック取り換えが必要となり、国内初のフリースタンディングラックを導入した2020年4月竣工後は、貯蔵容量は1,118体から809体に減少しています。 関電は、美浜3号プールに貯蔵されていた1・2号の使用済み燃料150体を2016年度内に廃止予定の(耐震基準を満たしていない)1・2号プールへ戻すという本来やってはならない禁じ手を用いたのです。それでも、貯蔵容量から1炉心(157体)+1交換分(52体)を引いた管理容量は600体。すでに2019年度末の貯蔵本数は412体で、余裕容量は600―412=188体しかありません。つまり、あと3.6回で管理容量に達し、燃料交換は4回しかできません。にもかかわらず、関電は交換可能年数を9年と2倍も水増ししているのです。

 また、高浜1・2号機を稼働させ、高浜3・4号機とあわせて4機が稼働すれば、1~4号機のプールが供用されるため、貯蔵容量4,386体から管理容量3,550体を引いた余裕は715体で、1~4号の平均燃料交換回数は3.4回すなわち4,2年で満杯となります。 関電は、2023年末に中間貯蔵施設の建設候補地が決まらなければ、稼働している老朽原発(美浜3号機、高浜1,2号機)を停止させると杉本知事に「約束」しましたが、「この3機を稼働させても4回しか燃料交換できないが、2023年末までならあと2回は交換できてその間は稼げる」との打算で「約束」したのでしょう。使用済み燃料の行き場がない状況に何らの打開策もみえないまま稼働を認めた福井県は、さらに多くの行き場のない使用済み燃料を生み出させる手助けをすることになりました。末代にまでわたる県民へのこの罪はかぎりなく深く重いものです。

次に、具体的に質問します。

① 県が「9年分の燃料交換が可能と理解している」、その算定根拠を示してください。1・2号プールにはまだ102本の空き容量がありますが、これは使えないはずです。なぜなら福島みずほ事務所からの質問に対して規制庁は「2016年度内に1・2号プールへ150体を戻したことは廃止措置中のことだから問題ない」と回答しましたが、その際にわざわざ「原子力規制庁としては、廃止措置計画認可後に、御指摘のような使用済燃料の号機間輸送は実施されていないと承知しています。」と付け加えざるをえませんでした。 関電には、仮に1・2号プール102本分の空き容量を使えたとしても、それでも不足する空き容量を調達できるウルトラF級の隠し玉でもあるのでしょうか。

② 県も令和2年の「運転・建設年報」に1,118体と記載していますが、フリースタンディングラック導入により貯蔵容量が1,118体から809体に減少している事実をご存じなかったのでしょうか。であれば、県民の生命と財産を守るべき県の責務を果たせていないことになります。

③ 5月26日、「美浜1・2号機プールは、基準地震動変更に伴う補強工事を受けておらず、使用済み燃料の長期間保管は認められないと考えるが」の問いに県は「発電所の安全規制は、国が一元的な責任を有しており、国が責任をもって県民、国民の懸念に答える必要がある」とまるで他人事のようにFAX回答されました。耐震基準を満たさぬ脆弱な1・2号プールにあえて使用済み燃料を戻して保管しているなどというゆゆしき事実を知れば、ほとんどの県民が大きな懸念を抱くはずです。国のみならず県の責任も問われていると考えますが如何か。

④ MOX使用済み燃料の再処理を2030年代後半の実現を目標に進めると経産省は〈大本営〉発表をしていますが、余剰プルトニウムの削減問題が足かせとなり、規制庁は六ケ所村の再処理工場の稼働に制限をかけている状況です。その上さらに余剰プルトニウムを上乗せするだけの第二再処理工場など建設運転される見込みなどありえないことは誰の目にも明白です。しかも、予定地すら決まっていません。また、MOX使用済み燃料はプールで90年以上冷却しなければ、乾式容器に入れることができません。このまま高浜が最終処分地になることを承知で県は高浜3・4号機の稼働を認めておられるのでしょうか。

以上

◆030◆ ←← 関西電力 闇歴史 →→ ◆032◆