関西電力 闇歴史」カテゴリーアーカイブ

◆関西電力 闇歴史◆090◆

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◆「インタビュー 関西電力との50年闘争」(中嶌哲演さん)
 ~~『世界』2020年4月号(岩波書店)より
・関西電力と若狭の原発……反対派を黙らせようとした工作の数々
・反対運動に対する嫌がらせ……原発マネー・ファシズム
・地域から見た森山助役……反対運動をおさえる政治工作に関与
・原発がはらむ差別構造……若狭に突き刺さる差別の逆ピラミッド
・関西電力は今後変わるか?……カギを握るのは市民

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◆送られてきた内部告発文書
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・略
中嶌 関西電力側は、当初、問題を甘く見ていたようですが、ついにトップは辞任に追い込まれ、多くの市民から刑事告発を受けるに至っています。あの不誠実で傲慢無礼きわまる関電幹部達が辞任に追い込まれたことは、かつてない快挙といえるでしょう。内部告発者の勇気ある行動と、報道機関のジャーナリズム、そして市民の広範な運動が、この快挙をもたらしたのです。

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◆断食闘争と裁判
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・略

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◆関西電力と若狭の原発
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――福井県南部の嶺南地区、若狭湾の沿岸には、一五基もの原発がひしめき、文字通り世界一の原発集積地域となっています。

中嶌 関西電力の美浜原発は三基、高浜原発が四基、大飯原発四基、それに日本原電の敦賀原発に二基のほか、高速増殖炉もんじゅ、新型転換炉ふげんもあり、まさに「原発銀座」です。

 私が原発問題にかかわり始めたのは一九六八年で、私の住むここ小浜市で原発建設計画が表面化してからです。そのときすでに若狭では七基の原発が計画決定、建設中だったのです。一九六六年には関西電力が小浜市の内外海(うちとみ)半島の奈胡崎(なござき)に地質調査に入っていました。

 関西電力は小浜に四基の原発計画を持っていました。.私は被爆者の支援に関わっていたのですが、そこから原発誘致に反対する市民運動に関わることとなって、現在に至っています。

 かつてこの若狭は、自然はあくまで美しく、澄みきった海は夏になれば多くの海水浴客を集めて繁盛し、歴史と調和した景観は「海のある奈良」とも呼ばれたものでした。しかし、悲しいことに、この地を原発建設の適地と見た関西電力にとってみれば、そのような自然も景観も人々の営みも無に等しいものでありました。

 この五〇年間にわたって、若狭の人々は、あらゆる抵抗を押しつぶされ、脅され、懐柔され、侮辱され、事実を隠され、不和の種を地域に撒かれ、自由を奪われ、まさに国内における植民地としての位置を押し付けられてきたのでした。市民の抵抗なく原発が立地されてきたのではありません。

 そして、抵抗は現在も続いているのです。そして、その私たちの抵抗を押しつぶそうとする動きの末端に、森山元助役は存在しておりました。

 反対派を黙らせようとして行われてきた工作の数々は、まさに枚挙に暇がありません。私自身も、盗聴や尾行をはじめ、多くの妨害を経験してきました。中には直接的に命を狙われるようなこともあります。大飯原発の建設の際、用地買収には地主に土地を手放させる必要がありますが、,最後まで反対した二人のうちの一人は「住みよい町造りの会」のメンバーでした。彼が会の会議で夜遅く帰宅する際、国道二七号線から路地に入ったところで、後ろから猛スピードで車が突っ込んできて、もし側溝をまたいで民家の塀にしがみつけなかったら、そのまま轢き殺されていたでしょう。これは殺し屋を雇っての仕業ではないかと話題になりました。

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◆反対運動に対する嫌がらせ
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中嶌 小浜では請願署名その他の長年にわたる住民運動の積み重ねの上にどうにか原発建設は阻止できましたが、その過程での嫌がらせといえば、それはもう、いろいろありました。

 小浜市の対岸に位置する大飯原発3・4号機の増設をめぐって、向かいの内外海(うちとみ)半島の集落で若いお母さんに集まってもらい勉強会を開きました。私はただ話をし、数枚の資料を配ったにすぎないのですが、後日、その地区の区長のもとに警察官がやってきて、何人が集まり何を話し何を配ったか事細かに聞いたそうです。その区長から私に対し、「警察沙汰は困る。もう来ないでくれ」と電話がきたのです。せっかく勉強会を継続する話ができていたのに、それで絶たれてしまいました。

 私はすぐ小浜警察署に抗議に行ったのですが、部屋に入ろうとしたら、両側から署員に抱えられ、追い出されました。抗議の内容すら聞かない。後日、知事との交渉の際、こういうことがあったと訴えたら、「民主主義の時代にありえないことだ」と否定して、これも話をろくに聞こうとしない。

 小浜原発反対署名を市議会に提出し、ついに議会で建設断念の決着がついたあと、夜中に私のもとに電話がかかってきて、「月夜の晩ばかりあると思うなよ!」と時代がかった文句の脅迫がありました。

 しかし、高浜や敦賀など、原発現地の住民が受けた嫌がらせは、そんな生やさしいものではありません。生活の根底が脅かされるのです。高浜の老舗旅館の館主は、関西電力や町当局と穏やかな関係をもっていたのですが、批判というほどでもないちょっとした一言が関電関係者の気に障り、半年間その旅館に客を寄りつかなくさせられました。この一例だけで地域の商工業者全体への「示し」となるわけです。

 子どもを楯にとった嫌がらせは本当にたまらないものですが、親が原発に反対していると、その子どもにいじめがいく。巨大な原発を小さな町に押し付けているのですから、ことはいくらでも起きます。

 大飯原発の地元の漁村で、住民投票条例を求める署名に応じてくれた女性が、あとで娘さんの運転する車で血相を変えて事務所に飛び込んできて、「あの署名はなかったことにしてくれ」と抹消を求めたこともありました。近所の人に、「あなたのところは関電の下請けで働いている人がいるよね」と言われたのです。あとでわかったことですが、私たちが署名活動をすることが二、三日前にもれていて、関電が下請け企業に指示を出し、企業の管理職が、その地域の社員に、署名運動に応じないよう地域住民に働きかけろという業務命令を出していたのです。また別の家庭では、署名に応じてくれた妻に対して、漁業補償を得るつもりだった夫の暴力事件も起きました。

 私はこれらを、「原発マネーの支配と、それによる原発マネー・ファシズム」と言っています。札束によって言論の自由、集会の自由、署名の自由をことごとく束縛していくのです。

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◆地域から見た森山助役
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――今回、森山栄治元助役の存在が注目を浴びていますが、地域から見た場合にはどのような存在だったのでしょうか。

中嶌 関電が発注する工事の割り振りなどに介入していたとのことですが、先ほども申し上げたように、森山元助役の存在は、地域では反対運動をおさえ、反対派の町長などが当選しないよう政治的に工作することにも携わっていたと私たちは認識しています。

 反対運動の初期、一九七〇年後半、高浜3・4号機増設に反対する福井県知事あての署名に取り組んだことがあります。高浜町民からも二千数百筆ほど集まったのですが、あろうことか高浜町の職員が県に署名の閲覧を請求し、町民提出分を全部カメラに収め、署名者のうちの有力な人に圧力を加えていったのです。これは森山氏が高浜町の収入役から助役になった時代のことで、彼の指示ないし関与があったでしょう。

 この時の最大の山場は、一九七八年の高浜町長選挙でした。それまで「高浜の海と子どもたちを守る母の会」の反対署名や議会傍聴の取り組み、請願活動もあって関電から当時の浜田倫三町長・森山助役に流れた「黒い九億円」、実際には十数億円とも言われていますが、黒い霧を追及する町内の宣伝行動も行なっていました。そうした町民の声を背景として、慎重派の元小学校長が出馬し、一騎打ちとなりました。この方は保守ではあっても良識派で、3・4号機増設については、「まず町民の声を聞く」という態度で臨んでいました。私どもからみれば生ぬるい公約ではありますが、それでも、森山元助役たち推進派にとってみれば脅威だったでしょう。握り飯に一万円札が入っているといったうわさが飛び交う熾烈な選挙となりました。結果は、四〇〇〇票対三六〇〇票で浜田氏が五選を果たしたのですが、後日談があり、町長選の三ヵ月前に、新しく六〇〇人が高浜町民として住民票を移していたのです。関西電力や下請け企業の従業員、それに3・4号機建設が決まればそれを請け負うゼネコンの従業員たちで、それが町長選の結果を変えたわけです。森山氏はリアリストで、住民感情をリアルに認識していた。このまま町長選に突入したら危ない、負ける、と思ったのでしょう。関電に進言し、推進派の「住民」が送り込まれ、その結果、3・4号機建設に至ったのです。最近の報道で、この時期に関電トップと森山氏が会っていたということが出ていましたが、さもありなんと思います。森山氏はこうしたこともメモとして残していたようで、それを関電経営陣への脅迫にも利用していたようですから、その点もジャーナリズムには引き続き追及してほしいと思います。

 高浜町で森山氏のことを知らない人はおらず、「天皇」とも呼ばれる力をもっていました。原子力という閉鎖的で巨額のカネが飛び交う世界には、多くの「天皇」が必要となるようで、関電にも「天皇」はいたようですし、福井県の政財界に君臨する熊谷組の二代目社長・熊谷太三郎氏は「熊谷天皇」と呼ばれ、のちに参議院議員、原子力委員会の委員長も務めました。長く北陸三県の長者番付のダントツ一位。今回、森山氏の介入の中でも名前が出てきましたが、熊谷組は若狭の原発建設を支配していました。

 森山氏が関電に資金を還流させていた問題は、原発立地の現地と、それを押しつけてきた関西電力の「両極」に歪みを生んだと思っています。現地では森山氏や彼がかかわる吉田開発などの存在が現れ、もう一方では、ばらまいたカネを自分の懐に還流させる、関西電力のモラル崩壊を生じさせた。

 3・11を経て、もはや原子力産業自体が末期症状を呈しているのです。

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◆原発がはらむ差別構造
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――関西電力に対して今、言いたいことはありますか。

中嶌 モラルが地に堕ちた関西電力ですが、私は必ずしも絶対悪という全面否定はしたくないと思っています。電力会社は、形態としては私企業ではあっても、私たちの生活に必要な電力を供給する、公共的性絡を帯びている事業体です。この公共性に沿った企業運営があってしかるべきです。

 原発は負の部分が重くて大きい。若狭は、その原発を受け入れたことにより、それまで放置されつづけてきたインフラ整備は進みました。出稼ぎに出ずとも働ける場所ができました。しかしそれは麻薬的なメリットであり、地域は分断されました。

 他地域の原発も基本的には同じ構造で、自分たちが受け入れたものが何だったかを思い知らされたのが、福島の原発事故でした。

 なぜ若狭に原発が集中したのか、そこには、幾重にも重なる差別構造があります。若狭の中でも原発立地場所となったのは、半島の先端で、もともと不便をかこっていた地域でした。しかし、その若狭は、福井県にとってはどういう土地か。福井県は木ノ芽峠を境に、旧越前の嶺北地域と、主に旧若狭の嶺南とに分けられますが、一九七〇年代当蒔、福井県の人口約八〇万のうち嶺北に六五万人、嶺南は一五万人です。インフラ整備などは福井市など嶺北が優先され、嶺南は後回し。そこに一五基の原発ができたのです。明治維新で福井県が誕生して以来の「南北問題」で、若狭は本来関西とのつながりの方が強いのです。

 日本列島の中の福井県という位置、さらに、アメリカに従属的な位置に置かれている日本という構造もあります。膨大な体積の差別的な逆ピラミッドが、この小さな若狭地域に突き刺さっているといえます。

 被ばく労働者の数は、ヒロシマ・ナガサキの被爆者の数を最近、上回りました。被ばく労働者を犠牲にしながら、現代都市文明の「繁栄」はあるのです。そして何より不都合な事実は、大型原発一基でも広島に投下された原爆の一〇〇〇発分の死の灰が一年間に生まれ、長崎原爆の三〇発分のプルトニウムが生成されていることです。非常に危険な施設だからこそ、日本列島の不便をかこっていた地域に押し付けてきたのです。その構造の末端部分の不正だけが問題なのではありません。そのような不正がなければ、再稼動が、原発という存在が、許されるのでしょうか。若狭の一住民、一仏教者として声を大にして言いたいのは、このことです。

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◆関西電力は今後変わるか?
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 今回の不祥事を契機として、関西電力には変わってもらわないと困るのです。関西電力の新経営陣、いや、すべての電力会社は、真の公共的な企業として生まれ変わり、住民の声に謙虚に耳を傾け、未来のない危険な原発から脱却していかなくてはなりません。

 まず、新経営陣は、原発再稼働について、いかなる方針で臨むのか。もはや時代の趨勢は明らかであり、今回の事態を奇貨として、原発ゼロの方向へ転換すべきです。

 関電内部で内部告発があったのですから、良心的な社員もいるのです。電力会社の労働組合は原発推進の役割を果たしていますが、労組員のみなさん、こんな電力会社のままでいいんですか。

 引き続き電力会社の自浄作用にも期待をかけたいと思いますが、関西電力内部を変えること、原子力ムラを変えること、立法・行政・司法の三権を変えること、差別構造を転換していくこと、これらすべては、やはり私たち市民がどれだけ学習を深め、運動を広げて、脱原発への転換をはかっていけるかにかかっています。至難の業ですが、そうでない限り状況が自動的に変化することはありえません。

 若狭の原発が生み出す電力は、ほぼすべて、若狭の山々を切り刻むグロテスクな送電線に乗って、関西の都市部に送電されておりました。都市部の住民の方々にこそ、この若狭の問題を自分の問題として考えていただきたい。関西電力の株式の十数パーセントをもっているのは、大阪市、神戸市、京都市などの都市部の自治体です。カギを握るのは市民なのです。

◆089◆←←関西電力 闇歴史→→◆091◆

◆関西電力 闇歴史◆089◆

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◆神戸製鋼所の巨大石炭火力発電所は膨大なCO2を排出!
 その電気をほぼすべて買い取り、販売する関電は、
 石炭火力発電所の廃止に向けた行程表を作成せよ!
 神戸製鋼所を相手にした神戸石炭訴訟の判決は3月20日

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 神戸市灘区では神戸製鋼所が、2基の大型石炭火力発電所を運転中。これに加えて、新たに2基の巨大な石炭火力発電所の建設が計画され、4基になろうとしている。2022年2月から3号機が運転開始、4月から4号機が試運転を開始した。これで、神戸発電所1~4号機から年間最大1,372万t-CO2が排出されることになる。これは日本における温室効果ガス排出量(年間)の約1.3%に相当する膨大な量。大量のCO2だけでなく、PM2.5などの大気汚染物質も排出される。

 これら4基の石炭火力発電所でつくられた電気は、関西電力がほぼすべて買い取る契約になっている。

 「神戸の石炭火力発電を考える会」は、かつての大気汚染公害裁判の被告企業である神戸製鋼所、関西電力が、再び神戸の大気を汚すことは、公害地域の再生の取り組みに逆行する暴挙と批判している。大気汚染、気候変動への影響をかえりみず、新たな石炭火力発電所を稼働させようとしている神戸製鋼所、ならびに発電された電力を買取り、販売する関電に対して抗議するとともに、2030年までのできるかぎり早期に石炭火力事業から撤退することを強く求めている。

 京都市は株主提案として石炭火力の新設禁止を求めている。しかし、神戸市は名を連ねていない。関西電力の株主として、神戸市は関西電力に対し、経営方針の転換を求め、神戸発電所との受給契約の早期解消を求めるべき。また、CO2を削減し温暖化目標(世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べて1.5℃に抑える1.5℃目標)を実現するには、京都市提案のように石炭火力の新設禁止を求めるだけでは不十分。関電に対して、受給契約先の発電所を含む石炭火力発電所の廃止に向けた行程表の作成を求めることも必要となっている。

 以上、「神戸の石炭火力発電を考える会」→こちらより

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 神戸石炭訴訟…民事判決は 3/20
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 神戸石炭訴訟は、2つの訴訟からなる。→こちら

(1) 一つは、神戸地裁において、石炭火力発電所の建設・稼働をすすめている神戸製鋼所に対して、建設と稼働の差し止めを求める民事訴訟。大気を汚し、地球温暖化を加速させる石炭火力発電所の建設計画に反対。2022年10月に結審、2023年3月20日(月)に判決期日を迎える。

(2) もう一つは、気候危機が深刻化するなかで、石炭火力発電所の建設を認めた国の判断・責任を問う行政訴訟。こちらは神戸地裁の敗訴判決(2021年3月15日)、大阪高裁の敗訴判決(2022年4月26日)をうけ、現在は最高裁へ上告し、審理するか否かについて検討中となっている。

 原告は、大阪高裁の控訴審判決について、CO2の大量排出という重大な人権侵害行為を、現時点では行政訴訟では一切争えないとする憲法上保障されている「裁判を受ける権利」をも侵害するものであり、PM2.5 について本件アセスで評価していない点は、環境アセスの制度の根本的欠陥を示すものと批判。

 こちらの訴訟については、この裁判で何が争われているかについて、初めて触れる方にもわかりやすく伝える必要があると考え、行政訴訟をテーマとした法廷ドラマが制作されている。

 YouTubeドラマ「温暖化で争えない?発電所稼働をめぐる国との裁判」(本編)| Kobe Climate Case, Legal Drama, No Coal Kobe → こちら

◆088◆←←関西電力 闇歴史→→◆090◆

◆関西電力 闇歴史◆088◆

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◆関電の電源構成は、原子力、石炭、石油で50%近い!
 環境汚染など汚れた電源→汚れた電気で、
 二酸化炭素も出しまくり
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原子力、石炭、石油で50%近い
被ばく、大気汚染などをまねく汚れた電源→汚れた電気
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 関電の電源構成(2021年度実績→こちら)の上位をみると、以下の通り。
1位…原子力、27.9%
2位…LNG火力、23.0%
3位…石炭火力、17.0%

・汚れた電源の原子力と石炭火力で、約45%をしめる。石油火力2.8%を加えると、50%近くになる。
・原子力は、事故を起こさなくても、トリチウムなどの放射性物質を環境に拡散させる。過酷事故を起こせば更に悲惨な結果をまねく。
・原発を運転するには、被ばく労働が必須となり、生命と健康をむしばむ。
・石炭、石油は、硫黄酸化物、窒素酸化物、PM2.5など大気汚染の元凶として、問題が大きい。

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二酸化炭素も出しまくり
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 発電方法別、二酸化炭素排出係数(kg – CO2 / kWh)…1kWhの電気をつくるために排出する二酸化炭素kgは、以下の通り。
(資源エネルギー庁、「発電燃料の燃焼直接排出」+「設備の建設など間接排出」)
・石炭火力…直接0.887+間接0.088
・石油火力…0.704+0.038
・LNG火力…0.478+0.130
・LNG火力(コンバインド)…0.408+0.111(コンバインドサイクル発電→ ◆074◆
・太陽光…0+0.053
・風力…0+0.030
・原子力…0+0.022(←核燃料製造、使用済み核燃料の処理などのCO2は??)
・地熱…0+0.015
・水力…0+0.011

 中国電力広報紙「かけはし」(397号4ページ)では、『原子力・エネルギー図面集』から作成として以下の図を掲載。数字は少し異なるが、傾向は同じ。(単位が「g – CO2 / kWh」になっている)
 

◆087◆←←関西電力 闇歴史→→◆089◆

◆関西電力 闇歴史◆番外編 003◆

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◆「関西電力 闇歴史」へのご招待
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◆万が一にも重大事故を起こしてはならない原発企業、関西電力をめぐる闇歴史の数々!を掲載しているのが、「関西電力 闇歴史」です。ことの始まりは、「老朽原発うごかすな!実行委員会」において、あまりに不祥事や非常識なことが多い関電について、悪口集をつくってはどうか、という提案があったことです。タイトルは、「黒歴史」という案もありましたが、議論の結果、「黒」の文字を避けて「闇」になりました。

◆2021年8月に、30項目あまりで公開、スタートし、2021年9月頃、紙のパンフレット形式で少部数配布したこともありました。しかし、印刷も大変ですし、在庫を管理する手間もかかります。紙に固定化しないほうが、内容の訂正、追記、新規追加などに臨機応変に対応できることから、現在はWebサイトでの掲載のみにしています。

◆闇歴史の項目数は、開始以来1年以上たち、2023年1月で、90に拡大しています。各項目、用語ごとにリンクを貼っていますが、項目が増えてきて、何処に何が書いてあるのか、編集者自身も分からなくなってきました。そこで、2022年12月に、目次ページのほかに索引ページをつくり、300程度の用語を整理しました。この索引のお陰で、訂正、追記などが抜群に楽になり、編集者自身がいちばん恩恵を被っています。

◆サイトは、[ 京都脱原発原告団>市民運動の紹介>関西電力 闇歴史>目次または索引>各項目 ]とたどっていくほか、「関西電力 闇歴史」の検索ですぐにヒットします。Googleアナリティクスでみると、京都脱原発原告団のWebサイトの中で、いつもトップページに次いで第2位の閲覧数があります。闇歴史のネタは、新聞報道のほか、過去の出来事を丁寧に調査した材料を一括提供していただいたこともあります。昔の新聞記事など、お気づきの闇歴史がありましたら、ご教示ください。

◆関西電力 闇歴史◆番外編 002◆

大規模発電は高リスク–実例とともに

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【大規模発電はリスクが多い】
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 大規模な原発や火力発電は、トラブルで停止すると、供給力が大幅に低下し、需給ひっ迫ブッラクアウト(大規模停電)をまねくリスクが大きい。大規模発電への依存は、災害により安定供給が脅かされること、燃料費高騰の影響を受けやすいこと、などのリスクもある。需給ひっ迫への対応は、再生可能エネルギーの拡大と、需要の削減、エネルギー効率化=省エネが重要。

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【大規模発電のリスク、実例】
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(1) 2022年3月22日の「電力需給ひっ迫警報」……3月16日の福島県沖の地震により、東北、東京エリアの火力発電所6基(計約330万kW)が停止。まったく別のトラブルによる磯子石炭火力発電所の停止(3/17に新1号機、3/20に新2号機が停止。各60万kW)。そこに寒波の到来が重なったことが原因。→東電管内で初めて「電力需給ひっ迫警報」。ただし、停電には至らず。

(2) 2022年6月26日の「電力需給ひっ迫注意報」……2022年5月、警報(予備率3%をきる)のほかに注意報発令(予備率5%をきる)の仕組みが導入された(「警報」の前に「注意報」を出すことになった)。そして、6月26日初めて「電力需給ひっ迫注意報」を発令。3月に発生した福島沖地震によって(上記(1)のこと)大きな被害を受けた複数の火力発電所の再稼働、修理が年内には終了しないという状況で、各地で記録上最速の「梅雨明け」となり、連日、猛暑日が発生したことが原因。ただし、停電には至らず。

【注意】初めて「電力需給ひっ迫注意報」を発令…「史上初めて」ではない。「5月に制度ができて以来初めて」という意味。前月にできた制度に基づいて発令したということ。

(3) 2021年1月の電力市場価格の異常高騰……大手電力の燃料制約(LNG・石油燃料在庫の減少により燃料を節約するために発電量を低下)。関電の原発は、高浜3、4のトラブル、大飯3、4のトラブルや定期検査で、12~1月にはすべて停止していた(美浜は再稼働前)。

(4) 2018年9月6日北海道でのブラックアウト……北海道胆振(いぶり)地方東部地震は厚真(あつま)町で最大震度7を記録。北海道で最大の石炭火力発電所である苫東(とまとう)厚真火力発電所が、震源に近いことから機器の一部が壊れ、発電を停止(1、2、4号機。計165万kW)。それが原因で、発電所の停止から、全道295万戸の停電に至った。

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【「新しい」原発の虚構】
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 政府がかかげる夢のような核融合炉、高温ガス炉、高速炉、小型モジュール炉など「新しい原発」は、極論であり、まったく論外。これらはさておいて、すでにヨーロッパで建設中とされる改良型軽水炉でも、目の前の需給ひっ迫には間に合わない。原発の建設には、20年とか長期間が必要。

 その上、建設費は、これまでの原発が多くて5000億円とされる中、ヨーロッパでは1兆円とか2兆円といわれる。電力システム改革(◆087◆)によって、総括原価方式(◆036◆)という「打ち出の小槌」のような錬金術が使えなくなった今、投資が回収できる見通しがない。原発と石炭火力にしがみつくばかりで、小売自由化による競争激化に四苦八苦している大手電力には、そんな大規模投資の余力も資金力もない。

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【再エネ中心の電力システムへ】
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 さらに言えば、わが国では電力需要は一貫して減少しているし、人口も減少していくので、危機をあおり立てるのは、政府と大手電力、原子力ムラのヒステリックな宣伝だけ。自然災害を除けば、需給ひっ迫そのものの現実性は、小さくなるばかり。

 仮に電力需給が厳しくなったとしても、これからは、供給側ではなくて、需要側の調整が重要となる。衰退産業の原発を建設している間に、再生可能エネルギーのコスト低下はすすみ、再エネ中心の電力システムが求められるようになる。広域的な電力融通、蓄電池などの技術開発、揚水式発電所の活用など、新しい方向はいっそう明らかになるだろう。

 関電の老朽原発再稼動によって「西日本壊滅」といった過酷事故が起こらない限りは、という条件付きですが(2023年1月4日)。

◆関西電力 闇歴史◆番外編 001◆

関西電力 この11年(2022年末)

————————————————<福島事故後、原発依存体質の関電は経営悪化>
2011年~…福島第一原発事故後、原発停止期間が長引き、関電は経営悪化
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2012年…5月5日、泊原発3号機が定期検査で運転停止→初めて全国の原発がすべて停止(同年7月5日に大飯3号機が再稼働されるまでの2か月間、日本は原発ゼロであった
————————————————<脱原発運動のもりあがり>
同年…7月5日、大飯3号機が、新規制基準ができていない中で再稼働→この前後から、全国各地で原発差止裁判、関電前抗議行動などがもりあがる。
【京都では】関電京都支店前では、2012年4月18日にリレー式ハンストがあり、6月29日(金)から毎週、金曜日スタンディング(キンカン)が行われるようになり、今日にいたる。なお2022年1月21日に500週目となり、2022年末の12月30日に549回目。2012年11月29日には、1107名の原告が京都地裁に大飯原発差止訴訟を提訴した
————————————————<脱原発運動に対して警察権力を使った弾圧>
同年…関電本店ビル前行動などに一連の弾圧(関西脱原発弾圧事件)◆069◆
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同年…関電東海支社ビル前行動に対する弾圧(関電東海支社事件)◆068◆
————————————————<ついに2年近く日本は原発ゼロとなる>
2013~2015年大飯4号機が2013年9月15日定期点検のため運転停止。そして、2015年8月11日に川内1号機が再稼働(新規制基準による最初の稼働)されるまで、1年11か月、日本は原発ゼロであった
————————————————<原発が動かず経営悪化、2回の電気料金の値上げへ>
2013年2015年…関電が電気料金値上げ。関電幹部、電気料金値上げ審査会合でユーザー目線欠落を露呈 ◆044◆
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2014年5/21…福井地裁で大飯3、4号機運転差止の判決(樋口英明裁判長)

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2015年4/14~2015年12/24…福井地裁の仮処分決定で高浜3、4号機がとまる(樋口英明裁判長)
————————————————<電力自由化で競争が激化し、苦境へ>
2016年…電力システム改革の第二段階。低圧までふくめた電力全面自由化が始まり、新電力や他の大手電力との競争が激化 ◆087◆
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2016年3/9~2017年3/28…大津地裁の仮処分決定で高浜3、4号機がとまる
————————————————<原発再稼動をすすめ「安価な」電気にめどをつける>
201718年…原発再稼動。高浜3、4号機が2017年7月、6月。大飯3、4号機が2018年3月、5月。
————————————————<極端な安値、値引き攻勢の営業を大展開>
2017年…安値、値引き攻勢の「取り戻し営業 ◆087◆」。その手段として、送配電部門の顧客情報を不正利用か
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2018年…電力業界は、関電の極端な安値、値引き攻勢の話題で持ちきり→不当廉売の声も
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同年…京阪電気鉄道は、2018年5月、大阪府や京都府を走る「京阪本線」の動力用の電気について、購入先を新電力のエネット(東京)から関電に切り替えた。関電の取り戻し営業が成功した例とされる ◆087◆
————————————————<極端な安値、値引き営業を沈静化するためカルテルへ>
2018年2020年カルテル(関電主導で、中部電力、中国電力、九州電力)によって極端な安値、値引き競争(原価を無視した価格競争になっていた?)の抑制に転換か ◆024◆
————————————————<コンプライアンス問題が噴出>
2019年…森山元助役との関係、原発マネー不正還流発覚 ◆072◆
————————————————
2020年…関西電力送配電株式会社が分離。関電による顧客情報への不正アクセスは継続か
————————————————
同年…原発マネー不正還流で、会社訴訟と株主訴訟が開始 ◆018◆
————————————————
同年12/4…大阪地裁で大飯3、4号機運転差止の判決(行政訴訟)
————————————————<約束違反を何度も繰り返して平気な倫理観欠如>
2021年…使用済み核燃料の県外搬出2020年末の約束を守れず。関電社長は「2023年末の期限までに計画地点を確定できない場合には、その後確定できるまでの間、美浜3号機高浜1、2号機の運転は実施しないという不退転の覚悟で臨みたいと考えております」◆012◆
————————————————
同年…送電線保安業務で架空発注のコンプライアンス違反6件が発覚 ◆032◆
————————————————<電力システム改革に敵対する違法行為–その1>
同年カルテル事件(関電主導で、中部電力、中国電力、九州電力)が発覚。関電は課徴金を免れる(2022年)◆024◆
————————————————
同年老朽美浜3号機、6月再稼働するも4か月で停止。2022年8月再稼動 ◆071-1◆
————————————————
2022年…違法な資格取得(施工管理技士)発覚、少なくとも197人 ◆022◆
————————————————<電力システム改革に敵対する違法行為–その2>
同年不正アクセス事件発覚(関電の小売部門が送配電子会社の情報に不正アクセス)◆087◆
————————————————<相変わらずの原発依存、いっそう深まる>
同年…化石燃料の費用増大で、大手電力5社(東北、北陸、中国、四国、沖縄)が次々と規制料金の値上げを申請。関電も、2023年3月期に8期ぶりに最終赤字に転落する見通し。しかし、関電は値上げを申請しないとのこと。年末現在で、関電の原発は、大飯3、4号機高浜3、4号機、老朽美浜3号機と5機がフル運転。2023年には老朽高浜1、2号機の再稼動も予定。こうした原発依存で、価格競争を乗りきる構えか。確かに、燃料費高騰で、新電力も値上げや新規契約停止などで苦しく、関電からの顧客流出は著しく少なくなっている(低圧、関電離れデータ[9]こちら)。しかし、過度の原発依存は、事故の危険性をますます大きくするのではと、ここがいちばん危惧される。(2022年12月30日)
————————————————

◆関西電力 闇歴史◆087◆

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◆関電の小売部門が送配電子会社の情報を不正閲覧
 「電力システム改革」の重要課題に違反
 関電のコンプラ意識がさらに問われる事態
 【付 電力システム改革】

(エネ庁サイトへの不正閲覧→◆100◆
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▼二つの不正閲覧

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[9] 個人情報保護委員会(個情委)が行政指導
└─────────────
・大手電力の小売部門が送配電部門の個人情報不正閲覧していた件について、個情委は個人情報保護法の規定に違反すると認定。北海道電力と東京電力を除く大手電力の小売り・送配電部門の計15社が対象。(2023/6/29)

・政府の個人情報保護委員会(個情委)は、エネ庁サイトへの不正閲覧でも、大手電力全10グループと送配電子会社など19社に対して、行政指導を行った(→◆100◆)。

┌─────────────
[8] 関電は16人を処分、送配電も8人を処分
└─────────────
・関電は、2023/5/12、業務改善計画を経済産業省に提出するとともに、森望社長ら16人の報酬を減らすなどの処分を発表。

森 望   (取締役代表執行役社長)  月額報酬50% 3か月※
稲田 浩二 (取締役代表執行役副社長) 月額報酬30% 3か月
西澤 伸浩 (取締役代表執行役副社長) 月額報酬30% 3か月
松村 幹雄 (代表執行役副社長[ソリューション本部長]) 月額報酬50% 3か月
槇山 実果 (執行役常務[ソリューション本部長代理]) 月額報酬30% 3か月
宮本 信之 (執行役常務[総務室担当]) 月額報酬20% 2か月
荒木 誠  (執行役常務[経営企画室、IT戦略室担当]) 月額報酬20% 2か月
池田 雅章 (執行役常務[コンプライアンス推進室、経営監査室担当]) 月額報酬20% 2か月
高西 一光 (執行役常務[エネルギー需給本部長]) 月額報酬20% 1か月
杉本 康  (取締役監査委員会委員) 月額報酬10% 3か月
島本 恭次 (取締役監査委員会委員) 月額報酬10% 3か月
 上記の他、本件に関係する執行役員ならびに従業員(合計5名)についても、社内規程に基づき厳正に対処します。
※本件に関し、本年3月から6か月間、月額報酬の50%を自主返上中であり、上記処分を超える期間については、引き続き自主返上とします。
 なお、榊原 定征(取締役会長)から月額報酬の20% 3か月を、自主返上する旨の申出があり、受理しました。

【参考】2023年6月の「第99回  定時株主総会 招集ご通知」より

・関西電力送配電も、8人を処分。

土井 義宏 (代表取締役社長) 月額報酬50%、3か月※
白銀 隆之 (取締役副社長執行役員) 月額報酬30%、3か月
大川 博己 (取締役常務執行役員) 月額報酬30%、3か月
高市 和明 (常務執行役員) 月額報酬30%、3か月
津田 雅彥 (常任監査役) 月額報酬10%、3か月
戸田 誠一郎 (常任監查役) 月額報酬10%、3か月
 上記の他、本件に関係する執行役員ならびに従業員(合計2名)についても、社內規程に基づき厳正に対処します。
※本件に関し、本年4月から3か月間、月額報酬の50%を自主返上中であり、既返上分は自主返上の扱いとします。

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[7] 関電は短期間の営業自粛
└─────────────

・新電力顧客情報の不正閲覧をめぐり、関西電力は3/24から4/30まで電気・ガスの販売で営業活動を初めて全面自粛すると発表。
・関電は4月中に不正に関する社内調査結果をまとめる予定だったが、4月17日に経産省から業務改善命令を受け、5月12日までに内部統制の強化策などを含む業務改善計画を公表することを求められている。そのため、営業自粛期間を報告提出まで延長した。
・ただし不祥事の続出で露呈したコンプライアンス(法令順守)意識の欠如が短期間で改善されるかは疑問。顧客からの契約申し込みは受け付けるなど、甘い形式的な自粛。

営業目的の閲覧が多数…なお、4/19、関電は、2019年11月からの約3年間で、社員62人が新電力の家庭向け契約5万4774件の顧客情報を営業目的で閲覧していたと明らかにした。このうち4000件近くは、閲覧後に契約が関西電力に切り替わっていた。2月の公表時点では、営業活動に使っていたのは社員35人で4332件と説明していた。また企業向けの契約でも、社員ら2千人超が1万940件の情報を不正閲覧していたことが新たに発覚した。

┌─────────────
[6] 経産省、関電に業務改善命令
└─────────────
・経産省は、2/21、関電に対してコンプライアンスなどについて、緊急点検を指示した。
・電力・ガス取引監視等委員会は、経産省に対してカルテルや不正閲覧問題で該当する電力各社に業務改善命令などをだすよう勧告。
・これをうけた経産省は、2023/4/3、業務改善命令に係る弁明の機会の付与を通知。4/17、関西電力と関西電力送配電などに対し「業務改善命令」を出した。電気事業法に基づく行政処分としては、最上級に厳しい処分。関電の不正閲覧は、2022年12月までの約3年で、関電の社員と委託先の社員、計約1600人が、「新電力」の顧客情報約15万3000契約分にのぼることが判明。不正閲覧は常態化していた。関電に業務改善命令が出されたのは、原発マネー不正還流◆018◆)による金品受領問題に関連して出された2020年3月以来。つまり、関電は、3年間で2度の業務改善命令を受ける事態。参考→◆024◆
   
・業務改善命令…関西電力、関西電力送配電、中国電力ネットワーク、九州電力、九州電力送配電の5社。
・業務改善勧告…東北電力、四国電力など。故意に閲覧できるようにしていた関電より、悪質性は低いと判断。
・業務改善指導…沖縄電力など。

【自治体の処分】
・大阪府は2023/4/24、関西電力を2024/2/1まで「入札参加停止」とした。関電はすでにカルテルの問題をめぐり、大阪府から「入札参加停止」措置を受けていて、4/3以降、府の入札に参加できなくなっていて、今回は不正閲覧問題を受け、「措置が延長された形」。

┌─────────────
[5] 不正閲覧が拡大
└─────────────
過去3年分(2019年11月~2022年12月)を調査……関西電力送配電と関西電力は、新電力の顧客情報を不正に閲覧していた問題で新たな調査結果を発表(2023年2月17日)。関西電力送配電は、託送システムへのログ件数の調査期間を、記録が残る過去3年分まで拡大。その結果、非公開情報を閲覧した関電社員は委託先職員を含め1606人で、契約数は15万3095件に上ることが新たに判明した。社員35人がオール電化の営業に使ったという。
・経済産業省は2月21日、関電に対し法令順守などに関する緊急指示を出し、資源エネルギー庁長官が経産省内で関電の森望社長に手渡した。

┌─────────────
[4] 大手電力、各社で同じ違法行為がまん延
└─────────────
・大手電力による顧客情報の不正アクセスは、関西電力のほかに、東北電力、中部電力、中国電力、四国電力、九州電力でも報告されている。
・電力・ガス取引監視等委員会(電取委)は、大手電力に遠慮して、監視の役割を果たしていない。

┌─────────────
[3] 子会社「関電システムズ」からも不正に情報入手
└─────────────
 関西電力は2022年10月まで4年半の間、システムの運営などを委託する子会社「関電システムズ」に依頼し、競合する新電力の顧客氏名や、スイッチング(契約切り替え)情報などを不正に入手していた。子会社側は関電の求めに応じ、送配電のシステムから共有を禁じられているライバル社の情報を渡していた。(2022/1/17 報道)

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[2] 電取委への報告で明らかな法令無視の姿勢
└─────────────
 関西電力は、2023/1/13、社員および委託先社員を対象にしたアンケート調査の結果を発表。電力・ガス取引監視等委員会に報告書を提出。2022年9月から12月にかけての3か月間で、社員および委託先社員730人によるライバル関係にある新電力の顧客情報への不正なアクセスは、あわせて1万4657契約とのこと。このうち関西電力社員239人の4割が「電気事業法上の問題になり得る」と認識していた。社員30人が「関電として提案活動を行うため」と「オール電化」の営業活動に利用していた。関電の松村幹雄副社長は記者会見で「電力の公正な競争を揺るがすことと認識している」と謝罪した。「事業活動よりコンプライアンスを優先するという意識徹底が不十分であった」と。

・関電の「新電力顧客情報の取扱いに係る調査結果の報告について(電力・ガス取引監視等委員会からの報告徴収への報告)2023/1/13」→こちら

┌─────────────
[1] 不正アクセス事件とカルテル事件
└─────────────
 関電の小売部門が子会社の送配電会社「関西電力送配電株式会社」の情報に不正アクセスしていたという報道があった(2022年12月27日)。この不正アクセス事件は、カルテル事件(◆024◆)と並んで、関電の「電力システム改革」無視、法令無視、倫理観欠如の姿を明らかにしている
【参考】森と暮らすどんぐり倶楽部 ブログ「関電  新電力の顧客情報不正閲覧!」→こちら

 報道では、関電とライバル関係にある新電力の情報が筒抜けだった可能性があり、不正アクセスが常態化していた恐れもあるとされている。電気事業法が禁止する行為として、電力・ガス取引監視等委員会は両社に報告を求める通知を出した。経済産業省は、今回の事態を重くみて、他の大手電力9社についても同様の問題がないかを速やかに調査、経産相は、調査結果を踏まえ適切な対応を取るとのこと。

 しかし、大手電力の意向に沿ってすすめてきた「電力システム改革」の当然の結末の一つだろう。カルテル事件でも、電力・ガス取引監視等委員会(電取委)はその不法行為を見逃していたことになる。どうして電取委は、カルテルにも気づかず、送配電部門の中立性確保ができていないことにも気づかなかったのか。

 新電力の関係者は「やっぱり」「今さら」「氷山の一角」と言うだろう。新電力と契約している客の名前や連絡先、電気の使用量などの情報が関電にもれていれば、関電の小売営業はひじょうに助かるはずだ。関電は、とくに高圧、特別高圧で新電力に流れた顧客を取り返す「取り戻し営業」に力を入れている。

【取り戻し営業】

・いったん関電から離脱して新電力に移った顧客を、再び、関電の契約に引き戻すという,関電の営業政策。とくに、法人の大口顧客の流出に対して、値下げを含めた「取り戻し営業」を強化。
・京阪電気鉄道は、2018年5月、大阪府や京都府を走る「京阪本線」の動力用の電気について、購入先を新電力のエネット(東京)から関電に切り替えた。関電の取り戻し営業が成功した例とされる。
・岩根茂樹社長(2018年当時)は、昨秋(2017年秋)以降の営業の動向について「企業向けでは顧客の取り戻しが離脱を少し上回るようになった」と言っている。
(産経新聞→こちら
安値、値引き攻勢「取り戻し営業」からカルテルへ◆024◆
「関西電力 闇歴史」番外編(1)関西電力 この11年(2022年末)こちら

【関電社内のコンプライアンス感覚】

・ 関電のプレスリリース(→こちら)によると、「本件は、12月9日、当社社員が新電力顧客情報を閲覧できることに気付き、12月13日に関西電力送配電株式会社に照会し、判明したもの」となっている。

「電力システム改革」の中でもっとも重要な課題に関して、当該の電力従業員らは何も知らないのか。知っていても、素知らぬ顔をしていたのか、あきれかえって、言うべき言葉もない。コンプライアンスは、お題目ではない。日々、職場の中で実践されるべき課題なのに、関電とは、何という会社か…分かっていることだが、改めて怒りがこみあがるニュースだ。

・電力システム改革の中で最重要課題の一つとも言える「送配電部門の中立性確保」について、一人の「当社社員」以外、関電社員は何も知らないのか。「12月6日から12日までの1週間で少なくとも329人の関電の営業部門の社員が1327件の顧客情報にアクセス」と報道されている。329人は、何を考えていたのか。自分の営業成績だけか。「行為規制」を知らなかったとしても、知ってて無視したとしても、重大な違反行為だ。

・知らなかったとしても、知っていても無視し続けてきたとしても、関電社内のコンプライアンス感覚がまったく最低レベルであることを示して余りある事態だ。

・オンラインコメント…「当時新電力として事業に携わっていましたが、高圧(事業用)以上の案件で旧電力からの契約切替の話が進むと、急にその需要家(顧客候補)に旧電力からの営業攻勢として大幅な値引き提案が入りご破産になることが多々ありました。この問題は公平な競争環境の構築による顧客メリットを大きく阻害しています。」
「関電の社員であれば電気事業法を理解しているはずであり、少なくとも一人ぐらいは問題視し、早期に対策(閲覧禁止)を取ったはずです。一人もそれに気づかない、気付いたとしても対策を取らない社員ばかりであるということは信じられません。関電を含め電力関係会社の情報管理能力およびその倫理観を含めて、再教育する必要があるでしょう。」

関電の広報には「厳格な情報遮断」を記載】

・「発送電分離は、小売全面自由化と並ぶ電力システム改革の大きなポイント」として、その「中立性の確保に向けて」の項目では、「日本では中立性を確保する方法として、送配電を行う会社を電力会社とは切り離し別会社とし……両者の間で厳格な情報遮断等を行うというものになります。」とある。

・言葉が踊っているだけ。「厳格な情報遮断」が聞いて呆れる。表面を取り繕うだけで、まるで内容がなく、社外向けの建前広報だけ。

【大手電力は解体して再編を】

・大手電力の権益温存をはかって進められている「電力システム改革」は、カルテル事件、今回の不正アクセス事件で、その限界が明らかになった。

・ 関電の発電部門、小売部門、送配電部門は、それぞれ完全に独立した別の会社にすべきだ(所有権分離)。9電力会社の地域独占の送配電会社は、統合して、全国単一の送配電網に整備すべきだ。
関電解体!

┌─────────────
【付 電力システム改革】
└─────────────

(1) 2012年以来の「電力システム改革」とは
・第一段階…電力広域的運営推進機関(OCCTO、オクト)の設置(2015年度~)
・第二段階…小売全面自由化(2016年度~)
・第三段階…送配電部門の中立化=法的分離(2020年度~)、
 料金規制の撤廃(2020年度からは実施予定であったが、新電力未成長により未実施)

(2) 電力の小売自由化の中で、常に指摘されているのが、全面自由化後も日本の発電所の約80%を大手電力が所有しており、発電分野での競争が働かない状況が続いている点である。このため、大手電力が自社小売部門(もしくはグループの小売会社)と新電力を差別せず、公平に扱うこと「内外無差別」(「大手電力の発電部門と小売部門の相対取引」と、「大手電力と新電力との間の相対取引」とのイコールフッティングが担保されていること)が実現されない。そして、もう一つ、常に議論されてきたのが「送配電部門の中立性確保」の必要性。

【参考】内外無差別と常時BU
 北海道電力は2023/11/2、2024年度は新電力への常時バックアップ常時BU)を行わないと発表した。23年度年間物の電力の相対卸取引で、自社の小売部門と新電力を差別せず公平に扱ったこと(内外無差別◆102◆)を電力・ガス取引監視等委員会(電取委)が認めたため。2023/10に改定の「適正な電力取引についての指針(適取ガイドライン)」(→こちら)に、監視委が内外無差別性を確認すれば常時BUを行う必要はないとしたことを踏まえた措置。
 なお、常時BUとは、新電力が需要家に電力を供給する際に、大手電力(旧一般電気事業者)から継続的に電力を購入するしくみのこと。新電力が新しく参入する際に、ベースとなる電源供給量が足りないことや、新電力がベース電源となる発電所を新たに建設するのはコスト面で厳しく、参入の大きな障壁となるため、大手電力から一定量の電力を継続的に卸売りしてもらうしくみ。適取ガイドラインに基づく。

(3)  2003年…「送配電部門の中立性確保」のために「会計分離」が実施される。
(例)関電の中で、送配電部門とその他の部門の会計を分ける。しかし、送配電部門の中立性確保が不十分との指摘が絶えなかった。
(例)関電など大手電力の小売部門と送配電部門が共同して、新電力の小売営業を妨害するようなこと。

(4) 2020年…送配電部門の「法的分離」が実施される。ただし、この分離では、資本関係は維持される。
そこで、送配電会社の中立性、独立性を保つために「行為規制」が課されている。
(例)送配電部門を完全に独立した別会社にする「所有権分離」がもっとも厳格な制度であるが、関西電力送配電株式会社は関電の100%子会社。大手電力に配慮した政策。


▲資源エネルギー庁資料(→こちら)による。

(5) 行為規制…大手電力と新電力が、送配電網を公平に利用できるようにするための規制。会計分離以来、重要課題であったはずなのに、関電社員にはこれがまるで頭に入っていない。
・送配電部門(送配電会社)が託送業務を通じて知りえた情報の、目的外利用の禁止
・送配電部門(送配電会社)と発電・小売部門(親会社)との内部相互補助の禁止
・託送業務について、親会社と新電力との間での差別的取扱の禁止
・送配電会社と親会社で、取締役・執行役の兼職を禁止

(6) つまり、関電の場合では、以下の通り。
関西電力株式会社…発電部門、小売部門からなる。小売部門は、自社の顧客情報はもっているが、新電力顧客情報は知りうる立場にない、アクセスすることができないのが建前。

関西電力送配電株式会社…関電の100%子会社で、地域独占の送配電部門。関電エリア全体の顧客情報をもつが、親会社と情報が遮断されていることになっている。

(7)「発送電分離」の陰で進む大手電力会社による新電力潰しの実態
こちら(2020/4/24)

◆086◆←←関西電力 闇歴史→→◆088◆

◆関西電力 闇歴史◆086◆

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◆老朽高浜1、2号機の再稼働にむけて
 燃料プールの「過度に保守的な」安全策を廃止し「現実的な評価」へ
 2022年12月21日、中性子吸収体の廃止などを規制委が許可
└─────────────────────────────────
┌─────────────
・関電の主張
└─────────────
 高浜発電所1、2号炉の使用済燃料ピットでは、燃料の使用状態に応じて保管エリアを設定する(燃焼度3段階別)とともに、大部分の燃料に中性子吸収体の存在を考慮しなければならないことになっている。保管エリアを三つに区分する現状で、今後、再稼働するとなると、燃料棒の配置がうまくいかなくなる。中性子吸収体も必要となるが、手持ちでは不足しているし、新しい中性子吸収体の製造には時間も費用もかかる。燃料の再配置入れ替えによる作業員の被曝も増える。そこで、燃焼度や、中性子吸収体の存在を考慮しなくてもよい管理に移行したい。


▲縛りの大きい変更前(現状)と自由になる変更後。関電の資料より。こうすることによって、使用済み核燃料の貯蔵スペースを増やすことができる点が、大きな目的とみられる。

┌─────────────
・規制委の説明
└─────────────
 これまでこういうプールの臨界安全を考えるときに、プール中の水密度を連続的に変化させて、全ての状態で臨界条件をクリアしている(臨界に達しないようにしている)という、そういう条件で判定していた。しかし、これは「過度に保守的」であった。そのため、今回、初めて「現実的な評価」を行って、燃料プールでは、「中性子吸収体の設置」並びに「燃料体の配置制限」、この二つを廃止することになった。

┌─────────────
・安全対策に無駄はない
└─────────────
 保守的」とは「より安全側にたつ」ということ。電力会社が好んで使う言葉だが、「過度に保守的」となると「無駄で無意味な」という意味になる。そこまで安全を考える必要はない、という主張になる。目的は、使用済み核燃料の保存スペースを増やすことにある。安全対策で入れてあるものは取り外すべきではない。

┌─────────────
・参考など
└─────────────
・高浜発電所の原子炉設置変更許可について→ こちら
(1、2号機の使用済燃料ピット保管時の燃料の管理方法の変更)
(関電資料、2022年12月21日)

・令和4年度原子力規制委員会 第39回会議議事録 令和4年9月21日→ こちら

【参考】
・加圧水型原発の燃料集合体では、燃料棒の間に適当な間隔で制御棒が入るようになっていて、1本の燃料集合体となる。サイズは、およそ 21cm×21cm×4.2m。
・使用済み燃料になった場合は、制御棒の場所に中性子吸収棒をさしこんで、臨界状態にならないようにしている。サイズは、およそ 15cm×15cm×4.0m。
・中性子吸収棒(一つの燃料集合体に差し込む中性子吸収棒は20本あってまとめられていて、それが中性子吸収体という)とは →(関電資料→ こちら )。制御棒と中性子吸収棒の仕様は、全く同一。中性子吸収材は、銀80%、インシジウム15%、カドミウム5%の合金(とっても高価そう(^o^)
 

◆085◆←←関西電力 闇歴史→→◆087◆

◆関西電力 闇歴史◆085◆

┌─────────────────────────────────
◆シビアアクシデント対策は、放水砲とシルトフェンス!
 放水砲とシルトフェンスで放射能の拡散を防げるか??
 「格納容器の破損」「炉心を損傷するような重大事故」対応??

└─────────────────────────────────

・大気への放射能放出抑制→放水砲(大型の放水銃)
・海洋への放射能拡散抑制→シルトフェンス(放射性物質吸着剤をつけたカーテン)

【放水砲】
・格納容器に水をかけて、放出される目に見えない放射性物質を打ち落とすというわけか?
放水砲で落とすことができても、できなくても、極度の汚染は免れないのでは?
格納容器が破損してしまったような事態のとき、損傷筒所へ放水するという(関電 原子力ライブラリ)が、こんな放水砲が本当に有効なのか?

【シルトフェンス】(下の絵は→こちら を開いて「放射性物質の拡散抑制」をクリック)
・半減期が8日のヨウ素をフェンス内で閉じ込める作戦とのこと。根本的に放出をとめてる訳ではないので、たいして意味はない。どこから漏れてるかもわからない。
・たいそうな名前が付いていても、単なる布切れのカーテン。海底からすべてをカバー出来るわけもなく、隙間もある。波もなく、潮の満ち引きもなく、海底が平坦で、土砂には隙間もない、そんな場所が、この地球上に存在するのか。
・シルトフェンスなんか張ってるときか?
トットと逃げるときでは?

┌─────────────
関電は京都地裁「大飯原発差止訴訟」で
放射性物質の異常放出が生じる危険性はない、と断言
└─────────────
・「本件発電所において重大事故等が発生し、放射性物質の異常放出等が生じて原告らの人格権などが侵害される具体的危険性が認められることはない。」
・「周辺環境に放射性物質が大量に放出されることはなく、原告らの人格権等が侵害される具体的危険性が認められることない。」
・関電のこのような主張(関電提出の第20、31準備書面)は、まさに「安全神話」そのもの。ここには、福島第一原発事故の反省にたち、「原子炉」の安全だけでなく、「周辺住民」の安全を重視するという姿勢がまったくない。
・この姿勢こそが被告関電の本質。(原告第95準備書面)

┌─────────────
「格納容器の破損」「炉心を損傷するような重大事故」も想定していると言いつつ
基本的に、「原発安全神話」と「放射能安全神話」の世界
└─────────────
「原発安全神話」…関電は、原発で過酷事故が起こる可能性に向きあっていない。原発は安全、事故は起きないという「お花畑」で、「原発安全神話」にひたりきっている。
「放射能安全神話」…関電は、放射能の異常放出は起きないし、放出は少量なので、そんな放射能はたいして危険ではない、と考えている。福島第一原発事故の後に広められている「放射能安全神話」にほかならない。

┌─────────────
「放射性物質が大量に放出されない」前提で、形だけの訓練
訓練は、いかにも形だけ、ちゃち
└─────────────
・しかし、周辺住民には、「格納容器の破損」「炉心を損傷するような重大事故」も想定して訓練をしているという、ポーズが求められるため、形だけの訓練を行って宣伝している。
・あくまで「周辺環境に放射性物質が大量に放出されることはない」という前提にたっての訓練。
・したがって、そうした訓練に実効性があるとは考えられない。
・自治体の避難訓練が、「日帰りピクニック」に終わっているのと同じ。
・関電のシビアアクシデント対策の中心は、放水砲とシルトフェンスであるが、このほかに、瓦礫撤去の大型ブルドーザーとか、「格納容器の破損防止、水素爆発防止対策」のため、水素を酸素と結合させたり、燃焼させて減少させる装置(イグナイタ。ライターみたいな点火装置。格納容器の中に設置)もある。いざというとき、きちんと機能して、水素爆発を防止できるかどうか、火遊びでなければ良いが??

┌─────────────
本当はどうか?
どちらにしろ、関電の姿勢には大きな問題!
└─────────────
シビアアクシデントはないと思っているなら、訓練は、実のないものになるだろう。

「本当はこんなことは必要ないんだ」と思っていたら、まともな訓練ができるはずがない。現実に、シビアアクシデント対策の放射性物質の拡散抑制は、放水砲とシルトフェンスという、きわめて不十分でいい加減な対処にとどまっている。そういうところをみると、こちらが関電の本心のように見える。シビアアクシデントはないと思っていても、起こった場合を想定しておくのが深層防護だから(前段否定:前の層が万全であっても、失敗するとして対策を取る。後段否定:後の層が万全であっても、頼らない。)訓練をしても良いのだが、放水砲とシルトフェンスでは、余りにも頼りない、いい加減な訓練ではないか。

シビアアクシデントがあると思っているなら、法廷で、嘘を言っていることになる。

関電もシビアアクシデントは起こる前提に立ちながら、しかし、福島ほどの事故にはならないとか、「放射能安全神話」に浸っている可能性もあるように見える。この場合、法廷でのウソは許しがたい。

・形だけの訓練をしているか、法廷で嘘をついているか、どちらか。

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以下、Webサイトで大宣伝の放水砲とシルトフェンス
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Webサイトで宣伝の「放射性物質の拡散抑制」とは
放水砲とシルトフェンス(>_<)
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・放射性物質の拡散抑制は、放水砲とシルトフェンスだけ。
・関電の訓練では、敷地外への放射性物質の拡散抑制として、陸では放水砲、海ではシルトフェンスが登場している。
・これは、関電に限らず、すべての大手電力に共通。

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(1) 放水砲とシルトフェンスで、放射性物質の拡散抑制【その1】
 関西電力の地域交流誌「越前若狭のふれあい」特別号No.27(平成26年6月4日現在)
こちらより
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▲陸では放水砲、海ではシルトフェンス

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(2) 放水砲とシルトフェンスで、放射性物質の拡散抑制【その2】
 →滋賀県資料より。関電提供の写真。こちら
 →長浜市の資料より。関電提供の写真。こちら
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(3) 放水砲で、放射性物質の拡散抑制【その1】
 関電HOME>事業概要>原子力発電について>あくなき安全性の追求>安全対策>万が一の重大事故に備えた技術力の向上と体制の整備
 こちらより
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▲どこにあるのか見えない放射能を打ち落とすのか。
仮に打ち落としたとして、その放射能は、地表に拡散される。

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(4) 放水砲で、放射性物質の拡散抑制【その2】
 関電HOME>事業概要>原子力発電について>あくなき安全性の追求>安全対策>様々なリスクへ備える安全対策
 こちらより
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▲左下のヘリコプターの写真は、別サイトによれば「ヘリコプターで資機材を運搬」となっている。
関電HOME>事業概要>原子力発電について>あくなき安全性の追求>安全対策>万が一の重大事故に備えた技術力の向上と体制の整備。→こちらより
さらに、別サイトによれば、「当社提供のヘリによる避難訓練」となっている。→こちらより


▲発電所外に置いてある資機材を運搬
計測器類、放射線防護服、防護用全面マスクなど。
ただし、ヘリコプターは、気象条件によっては飛べなくなるし、
離着陸の場所も限定される。
▼ヘリによる避難訓練

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(5) 放水砲で、放射性物質の拡散抑制【その3】
 こちらより
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(6) 放水砲で、放射性物質の拡散抑制【その4】
 放水砲に水を送るのは、大容量ポンプ車
 関電HOME>事業概要>原子力発電について>あくなき安全性の追求>安全対策>万が一の重大事故に備えた技術力の向上と体制の整備
 こちらより
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(7) 放水砲で、放射性物質の拡散抑制【その5】
 大地震による美浜原発3号機の事故を想定…住民避難の訓練も実施 原子力総合防災訓練(2022年11月5日)
 → YouTube こちらより
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(8) 使用済燃料ピットでの大規模漏えいを仮定
 こちらより
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 「基準地震動にも耐える構造・強度であるが、敢えてピットが損傷することを仮定」との断り書きあり。

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◆関西電力 闇歴史◆084◆

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◆美浜3号機…建設時、生コンに大量加水、強度検査も不正
 設計基準強度を下回る可能性があるも、関電は否定
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 2022/12/11現在、老朽原発美浜3号機の運転禁止仮処分の決定は、12/19(月)か12/20(火)に出されることが確定してきた。美浜3号機には数々の問題点が指摘されてきた(◆071-1◆)が、さらに、シャブコンの問題もある。

(1) 2000/2/18、朝日新聞の報道の概略は、以下の通り。

・美浜3号機は、1972年7月に着工、1976年12月に営業運転を開始。
・工事関係者の話や内部資料によると、美浜3号機の建設工事で、生コンクリートを型枠に流し込む際、余分な水を加える手抜き工事が日常化していた。
・加水は、コンクリートの早期劣化を引きおこすが、コンクリートが流れやすくなるので、流し込む際の作業効率を高めることができる。当時は、ポンプ車で生コンを型枠に流し込む工法が普及したばかりで、ポンプ車の性能不足から、長さ数10m~100mの配管がしばしば詰まって作業が中断したという。
・こうした加水の結果、関電が定めた設計基準強度を下回る場所がある可能性を否定できない。

・関電によると、現場では関電、大手ゼネコンの技術者計30人が交替で指導、監理にあたっていたという。関電は現場で生コンを抜き取って検査していたというが、「目を盗んで水を入れていた」と証言している。

(2) 2000/2/19、朝日新聞の報道の概略は、以下の通り。

・2/18、記者会見した関電の担当者は、「考えられない」という説明を繰り返した。
・生コン会社は「加水はないと確信」という。
・美浜町の山口治太郎町長は「現在の強度が保証されているなら、よし、としないと」。

(3) 2000/2/21、朝日新聞の報道の概略は、以下の通り。

・生コンへの余分な加水、強度試験に使う検体のすり替えは、今も続いている。
・強度不足のデータは破棄されて、別のデータが記録に残されるという。

(4)『工学倫理はペイするか : 美浜原発3号機のコンクリート大量加水事件をめぐって(<特集>工学倫理を考える)』羽地, 亮 1-Dec-2000 京都大学文学部哲学研究室紀要, 3: 48-57
こちら

【参考:シャブコン】
・生コンクリートに適切な量を超えた水を加えたものを、俗に「シャブコン」という。
・通常の生コンだと、流し込んだ際に「すきま」ができやすいので、それを防ぐためには、かき回して押し込むことが必要となる。しかし、シャブコンなら、そういった作業の必要もなく手間がかからないから、安上がりに仕上げることができる。シャブコンの下と上では、強度に差が出る。水が多い生コンでは、重い砂利は下に沈みやすく、砂利のない上の方はただのモルタルになるので、強度に差が出る。
・ネットでは「水増ししたセメントを打設する業者なのでコンクリが乾こうが乾くまいが関係ないです、完成直後は見た目変わらないので発覚もほとんどしません。材料費節約+工期短縮のメリットは素人さんの想像以上にでかい」とのこと。
・「麻薬のコンクリート」なので、覚醒剤シャブになぞらえて「シャブコン」。水がジャブジャブ入ったコンクリートという意味で、「ジャブコン」ともいわれる。

(5) 国会でもシャブコンの追及、吉井英勝議員

・2000-02-22 第147回国会 衆議院 予算委員会
まず、関電美浜原発三号機で、生コンに加水するというシャブコンが使用されたことは事実なのかどうか。それから、テストピースのすりかえでコンクリートの強度データが偽造されていたものがあるということ、これについて事実なのかどうか。これを通産省の方から伺いたいと思います。

・2000-02-24 第147回国会 衆議院 商工委員会
先日も取り上げましたが、関電美浜三号機で、しゃぶしゃぶの生コンクリート、いわゆるシャブコンと言われる加水したもの、それからテストピースのすりかえでコンクリート強度データが偽造されていたという問題とか、MOX燃料のデータの偽造の問題(◆003◆)などですが、当初、関電の数度の調査でも、MOX燃料データ改ざんについていえば、問題なしとしてきたデータにも捏造があったということが明らかになったわけです。

・2000-02-24 第147回国会 衆議院 商工委員会
二つの問題がありまして、MOX燃料の方と、それからいわゆるシャブコンという問題ですが、シャブコンということだけじゃなしに、テストピースそのもののすりかえ等がよくやられているというのを生コン業界の方から私は聞いております。ですから、今おっしゃったのはあくまでも書類チェックなんです。書類チェックだけではそれは確認できないということなんです。

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