関西電力 闇歴史」カテゴリーアーカイブ

◆関西電力 闇歴史◆083◆

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◆さすが関電!異能の京大院卒若手社員!
 違法な就活替え玉受検で大儲け!
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 2022/11/23の報道によると、関西電力社員の田中信人容疑者(28)(大阪市北区大淀南)が、就職採用のウェブテストの「替え玉受検」事件で逮捕された。SNSで有名企業の名前を列挙し、テストの「合格」をアピールしていて、私電磁的記録不正作出・同供用容疑で警視庁に逮捕された。

 田中容疑者は京都大出身で、大学院時代に友人と共に替え玉受検を開始。数年前からはツイッターで「京都大学院卒、ウェブテスト請け負い経験4年」「通過率95%以上」などと宣伝。替え玉受検の成功実績として大手商社や広告会社、外資系コンサルタント会社などの有名企業をあげ、就活生から1件2000円で替え玉受検を請け負っていた。約4年前から4000件以上を請け負い、約1000万円の報酬を得たとみられている。

 逮捕前、マスコミ取材に対して「コネ入社や裏金入社がはびこる現状をみると、別に悪いことだとは思わない」と語っていたとの報道。コネ入社や裏金入社には、関電も入っているのか、どうか?

 関西電力のコメント。「当社社員が逮捕されたことは、大変遺憾であり、重く受け止めている。今後事実関係を確認の上、厳正に対処してまいりたい」ということで、通り一遍。

 なお、12/8には「TOEIC試験も代行受検」と報道されている。英語能力を測る「TOEIC」のオンライン受検の代行も請け負っていた、という趣旨の供述をしているという。

 2023/3/28、私電磁的記録不正作出・同供用の罪に問われた関西電力の元社員田中信人被告(28)に、東京地裁は懲役2年6月、執行猶予4年(求刑懲役2年6月)の判決。

◆082◆←←関西電力 闇歴史→→◆084◆

◆関西電力 闇歴史◆082◆

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◆青森県六ヶ所村で核燃料サイクル推進!
 関電小林庄一郎社長が電事連会長として県と村に立地を要請、
 地方を見下して尊大にふるまう(1984年)

 付(1) 電事連の核燃料サイクル、新聞広告
 付(2) 核燃料サイクルと、核のごみ

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[1] 1984年、青森県と六ヶ所村に核燃料サイクル施設立地を要請
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 電気事業連合会(電事連)が核燃料サイクル施設の建設立地を六ヶ所村と決定し、核燃料サイクル3施設の立地を青森県と六ヶ所村に受け入れを要請したのは、1984年7月27日。当時の電事連会長は、関西電力社長の小林庄一郎。

【核燃料サイクル3施設→5施設】(日本原燃株式会社、原子燃料サイクル施設概要→こちらより)
① 再処理工場…1993~未完成(1993年4月28日着工、当初完成予定は1997年)。総事業費は、当初発表されていた7600億円から、14.44兆円(2021年時点)に膨れ上がっている。2022年には26回目、2024年には27回目の竣工延期。

【参考】
核燃料サイクルとその破綻–六ヶ所再処理工場の完成延期 ◆003◆ 付 (2)
核燃料サイクル–六ヶ所再処理工場からのトリチウム排出 ◆075◆

② 低レベル放射性廃棄物埋設センター…1990年工事開始~1992年操業開始。規模は、124,672立方メートル(200リットルドラム缶 623,360本相当)。最終的には約60万立方メートル(同約300万本相当)

【参考】低レベル放射性廃棄物埋設センターでは、低レベル放射性廃棄物をコンクリートの箱で囲い、深さ約20メートルの地中に埋める。原燃は2021年に規制委から事業変更の許可を得た際、放射性物質が漏れるのを防ぐため、水を通しにくい粘土鉱物「ベントナイト」を約20~30%混ぜた土を使うとしていた。しかし、2023年、12・5%に減らす方針を示し、原子力規制庁が難色。2024年5月、割合減は原燃が撤回し中止となった。→ 資源エネルギー庁「放射性廃棄物について」こちら

③ ウラン濃縮工場…1988年工事開始~1992年操業開始。1992年に運転を開始したが、2017年9月から新規制基準に基づく安全対策工事や設備トラブルなどで生産を一時停止。当初は18年度中の運転再開を予定していたが、安全対策工事が期限までに完了せず、再開目標を5回延期していた。2023/8/25、約6年ぶりに運転を再開。
・2023/12/29に遠心分離機へのウラン(六フッ化ウラン)供給が始まったが、2024/2/6、ウラン濃縮工場で濃縮度を測定する装置2系統でいずれも異常が起き、遠心分離機へのウラン供給を停止したと発表(日本原燃)。同社は「周辺環境への影響はない」としている。原因を調査中で、再開の見込みは立っていない。同社によると、5日午後、遠心分離機から取り出したウランの濃縮度を測定する装置の警報が鳴り、保安規定で定める1日1回以上の濃縮度測定ができなくなった。遠心分離機内部のウラン回収は終了しているという。その後、4/30再開→5/13停止→7/2再開と不安定。
・日本原燃は2024/7/17、ウラン濃縮工場で放射性物質を含む液体が約1.5リットルが漏えいしたと発表。液体は床に広がらないよう設けてあるせきを越えず、周辺環境に影響はないという。けが人もいない。液体の放射能量は1立方センチメートル当たり0.03ベクレルで微量としている。

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[2] 上記3施設に加え、さらに以下 2施設が追加され、現在は 5施設
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④ 高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター
…1992年工事開始~1995年操業開始。返還廃棄物貯蔵容量…ガラス固化体 2,880本、2023/10/4、高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター(ガラス固化体受入れ建屋、ガラス固化体貯蔵建屋、ガラス固化体貯蔵建屋B棟)において、ガラス固化体貯蔵建屋の収納管排風機を除き、2系統で構成される全ての送排風機が両系統とも一時停止した(→こちら)。
⑤ MOX燃料工場…2010年工事開始~未完成。2020年12月7回目の竣工延期、完成予定は2024年度。最初に燃料が加工できるようになるのは25年度で、年間の加工可能量をプルトニウム量で原発1基分にあたる0.6トンと計画している。(MOX燃料◆003◆

【参考:小林庄一郎】
1947年 関西配電(現・関西電力送配電株式会社)に入社
1984年6月~1985年12月電気事業連合会会長
1977年に関西電力社長、1985年に会長
1987年、関電の最高実力者で代表取締役名誉会長の芦原義重氏と腹心の内藤千百里(ちもり)副社長を電撃解任(関電二・二六事件)(→◆036◆
1997年相談役、2002~15年6月顧問、2020年死去

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[3] 小林庄一郎・電事連会長の認識
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(1) 彼は、84年9月、朝日新聞青森支局のインタビューに答えて、この土地の印象を次のように語っている。佐野眞一著『日本のゴミ−豊かさの中でモノたちは』(講談社、1993、p.322-323)より。

「仙台以北は生まれて初めて行きました。六ヶ所村のむつ小川原の荒涼たる風景は関西ではちょっとみられない。やっぱりわれわれの核燃料サイクル三点セットがまず進出しなければ、開けるところではないとの認識を持ちました。日本の国とは思えないで、よく住みついてこられたと思いますね。いい地点が本土にも残っていたな、との感じを持ちました。人口稠密地区から離れ、港湾施設なんかもできつつあるし……」

「これは広いところですなぁ、私は関西ですから、非常にゴチャゴチャした海岸線…人家が急密なところばっかりありますんで、こういう土地があるというのは初めてみました。びっくりしました。良いところがありましたなぁ」

(2) また、以下は、坂本龍彦著『下北・プルトニウム半島』(朝日新聞社、1994、p.38)より
「六ヶ所村のむつ小川原の荒涼たる風景を見て、われわれの核燃料サイクル三点セットがまず進出しなければ、開ける所ではないとの認識を持った。日本の国とは思えないくらいで、よく住みついてこられた、と思う。いい地点が本土にも残っていた。人工稠密地点から外れ、港湾施設も作られつつある。」

(3) これらは、典型的な夜郎自大(やろうじだい)の発言といえる。夜郎自大とは、自分の力が大きいことを見せつけ自慢して相手を見下し、尊大に振る舞う様子。都市部の人間が地方を見るときの見下げた視線のこと。

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[4] 1985年、青森県と六ヶ所村が受入を回答
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(1) 1985年3月。電力業界が「原子力燃料サイクル基地」建設のために「日本原燃産業株式会社」を発足させる

(2) 1985年4月。県(北村正哉知事)及び村は、受入を正式に回答

【参考:日本原燃株式会社(日本原燃)】
・1980年、日本原燃サービス株式会社、核燃料サイクルの商業利用を目的に設立
・1985年、日本原燃産業株式会社、核燃料サイクル施設建設を目的に設立
・1992年、日本原燃サービス株式会社と日本原燃産業株式会社とが合併して、日本原燃株式会社となる。
・日本原燃は、六ヶ所村の核燃料サイクル5施設などを建設、運営。主要株主は、東電など大手電力9社および日本原電(→◆030◆)。会長と社長の多くが東電の出身

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[5] 2025年、高レベル放射性廃棄物の搬入30年
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(1) 高レベル放射性廃棄物が一時貯蔵のため搬入(1995年)されてから、2025/4/26で30年が経過した。県と村、事業者で結んだ協定では管理期間を「30~50年」と明記しているので、残りは20年を切る。高レベル放射性廃棄物については、管理期間に加え歴代知事が経済産業相と「青森を最終処分地にしない」との約束を交わしている。しかし、搬出先の最終処分地は決まっていない。宮下宗一郎青森県知事は、「搬出は約束ごと、果たして」と主張している(2025/4/25)。

(2) 最終処分地については「文献調査」「概要調査」「精密調査」という三つの段階を経て決定。北海道の寿都町(すっつちょう)、神恵内村(かもえないむら)で文献調査が終了し、佐賀県玄海町(げんかいちょう)で文献調査が進行中となっている。しかし、その完成までには30年程度かかるとされているので、仮に今後どこかに決まったとしても、最終処分地の完成は、1995年から50年の搬出期限(2045年)を超える可能性が高まっている。

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【付(1) 電事連の核燃料サイクル、新聞広告】
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(1) 電気事業連合会(電事連)は、早くから核燃料サイクル、プルトニウム利用を推進していた。地域独占下の個別電力会社では出しにくい全国紙への広告を、電力会社の総意として打ち出した。1983年の広告時点からすでに40年。核燃料サイクルは未だに実現していないどころか、その破綻が明白になっている。電事連としての総括はないのか。社会に向けて、きちんと発信すべきことがあるのではないか。

(2) 参考図書としては、本間龍著『原発プロパガンダ』(岩波新書、2016年)。参考サイトとしては、「天野祐吉のあんころじい」。

▼朝日新聞、1983/4/12。「着古したセーターでもちょっと手を加えれば新品同様。ウラン燃料もくり返し使えます」。この広告当時の電事連会長は、平岩外四(東電)

(↓ 文字を拡大)

▼朝日新聞、1985/7/28。「ウラン燃料は再処理をして繰り返し使える」。この広告当時の電事連会長は、小林庄一郎(関電)

(↓ 文字を拡大)

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【付(2) 核燃料サイクルと、核のごみ】
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(1) 核燃料サイクルの下で使用済み核燃料再処理すると、「核のごみ」が出てくる。それは、ガラス固化体にして地中に埋設するという。(下図→こちら、NUMO[ニューモ:原子力発電環境整備機構])による。

(2) 核のごみ(朝日新聞デジタル>トピックス>核のごみに関する最新ニュース→こちら



(3) 放射性廃棄物関連施設を巡る自治体の動向
(2023年8月19日、東京新聞)

(4)「核のごみ」最終処分場の選定手続き、及び現状(2025年10月)

(5) 高レベル放射性廃棄物放射性廃棄物の現在量(2023年3月末現在、はんげんぱつ新聞 2023年6月20日)



(6) 人工バリア
(「地層処分実規模試験施設」→こちら、北海道の幌延[ほろのべ]深地層研究センター内)

 放射性物質を地層処分するために人工的に作られたバリアのこと。ガラス固化体(ステンレス製のキャニスタ含む)、オーバーパック(ガラス固化体を格納する金属製の容器)、緩衝材(ベントナイトなど粘土鉱物)から構成される。ベントナイトとは、スメクタイトグループのモンモリロナイトを主成分とする粘土の総称。図解 →こちら

◆081◆←←関西電力 闇歴史→→◆083◆

◆関西電力 闇歴史◆081◆

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◆火力発電所で環境汚染
 舞鶴の火力発電所で、石炭が海へ落下
 赤穂の火力発電所で、環境基準超えの汚水が海へ流出
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[1] 舞鶴の石炭火力発電所で
 石炭が海へ落下(2021年2月)
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・2021年2月7日、舞鶴の石炭火力発電所(京都府舞鶴市)において、石炭船からサイロへの石炭の運搬作業中に、受入コンベア横の通路に石炭がこぼれ落ちているのを発見し、当該通路のグレーチング箇所から、一部の石炭が海(揚炭桟橋と発電所間の海上)に落下していることを確認したという。

・コンベア内に何らかの理由で石炭が多量に堆積し、溢れ、こぼれ落ちたものと推測。海に落下した石炭は少量としている。

・関電は「深くお詫び申し上げます」と陳謝。
詳しくは→こちら

・⽯炭⽕⼒発電のバイオマス混焼および専焼化はグリーンウォッシュ気候変動を加速させ、森林⽣態系を破壊する→◆095◆

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[2] 赤穂の石油火力発電所で
 環境基準超えの汚水が海へ流出(2022年7月)
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・2022年7月26日、関電の赤穂火力発電所(兵庫県赤穂市)から汚水約30立方メートルが海に流出した。

・ボイラーに送る空気を加熱するための器具を洗浄した際、排水処理装置に送水する配管の亀裂から、排水の一部が雨水系統に流出し沈砂池から海へ。作業員は流出を防ぐため、海へつながるゲートを閉めたが、付着した貝などによって完全に閉まらず、隙間から流出したという。周辺海域の鉄や亜鉛などの含有量が、一時、環境基準を超えた。

・関電は「深くおわび申し上げます」と陳謝。調査結果を県などに報告し、再発防止に努めるとしている。

・8月16日、調査結果と今後の対応などを発表。
詳しくは→こちら

◆080◆←←関西電力 闇歴史→→◆082◆

◆関西電力 闇歴史◆080◆

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◆石炭火力発電を推進する関電、
 仙台パワーステーションで、アセス逃れ、消極的な情報公開のほか、
 自己短期利益最優先、住民無視、被災地感情無視のビジネスモデル!
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・大手電力会社は地域独占体制の下(総括原価方式◆036◆)、経産省の支援により、一貫して大規模集中型の発電システムを拡大させ、固定資産と売電量を最大化させてきた。原発の増設を進めつつ、石炭火力の発電量も増加させてきた。関電も、そうした方向の一翼を担ってきた、というか、その先頭を走ってきている。

・関電の石炭火力発電の問題を告発したのが、2017年9月提訴の仙台パワーステーション(仙台PS)操業差止訴訟。周辺住民ら124人が運転の差し止めを求めた。仙台PSは、2014年9月に設立された発電会社で、1日当たり約900トンの石炭を消費し、微小粒子状物質(PM2.5)やばいじんなどを排出している。株式会社関電エネルギーソリューション(関電が100%出資する子会社)と、エネクス電力株式会社(伊藤忠商事の孫会社)が出資。2022年3月現在、仙台PSの代表は、砥山浩司 関電エネルギーソリューションの取締役執行役員電力本部長。

・仙台PS操業差止訴訟の原告でもあった明日香 壽川さん(あすか・じゅせん、東北大学教授)の『グリーンニューディール』(岩波新書)や、下記に詳しい。

【Webサイト】
仙台パワーステーション訴訟関連資料 → こちら
仙台パワーステーション操業差止訴訟 → こちら
仙台パワーステーション株式会社 → こちら
仙台パワーステーション石炭火力発電所の発電開始への抗議 → こちら
石炭火力発電所の建設 – 日本共産党 仙台市議団 → こちら

【YouTube】
よくわかる仙台パワーステーション操業差止訴訟(14分)→ こちら

・裁判の結果は、2020年10月に一審判決で敗訴、2021年4月、二審も敗訴。電力は余っており、かつ首都圏に送るのに、仙台PSは発電所として公共性を持つという判決文は間違っている。しかし、地裁判決では、情報公開への消極性など公害防止協定違反を認めた点、「被告は、本件発電所の運転を継続する限り……最善の公害防止対策を実施して良好な環境の保全に尽くすなど、環境汚染による地域住民の不安を解消するよう努める社会的責任を負うものであることを、最後に付言する」とした点などは、判決の積極面として評価できるという指摘もある。
(→ こちら

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◆住民の声(1)
 仙台パワーステーション発電所。
 電力は首都圏へ、利益は関西へ、汚れた空気だけ被災地に
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福島かずえ、2018年。The PhotoVoice Project|仙台市 → こちら

 被災地では、離れざるを得なくなったふるさと、住み慣れた地域、そして隣人との思い出を何かに残そう、新たにつなげようと今もなお、努力する人々がいる。
 一方、資本・大企業は惨事に便乗し利益をあげようと、そうした被災地の安い土地に時代遅れの石炭火力発電所を次々に建設しようと集まって来る。
 国も、石炭火力発電を原発とともにベースロード電源に位置付け後押ししている。
 仙台パワーステーション発電所は関西電力と伊藤忠商事の関連会社がつくった環境アセスメント逃れの小規模発電所。
 4キロメートル圏内には23も学校があるというのに。地元東北電力の火力発電はLNG(液化天然ガス)を燃料にしているというのに。
 遠い被災地だから、「あっちのほう」だからできることなのか…。被災地ではいっそう大きく、悲しみと怒りが渦巻いている。

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◆住民の声(2)
 仙台港の石炭火力発電所建設問題を考える会。
 悪臭・大気汚染・粉塵による窓や室内の汚れなどに悩まされる日々
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仙台港の石炭火力発電所建設問題を考える会こちら
 ↓【転載・シェア大歓迎】(2022年9/15)
 2017年10月1日、関西電力と伊藤忠商事の関連会社、仙台パワーステーション株式会社は、地域住民などによる5万近い反対署名や原告124名による提訴をあざ笑うかのように、仙台パワーステーション(仙台PS)の営業運転を開始しました。以来、多賀城市・塩釜市や仙台市宮城野区、七ヶ浜町などでは、悪臭・大気汚染・粉塵による窓や室内の汚れなどに悩まされる日々が続いています。定期点検などで1ヶ月ぐらい運転休止が続くと、床も汚れず、洗濯物も外干しできて、ホッとするという声が多く聞かれます。
この5年間、仙台PSの煙突から出る煙を見るだけで、ユウウツになる、ウンザリするという声もたくさん寄せられています。
 仙台パワーステーションの早期閉鎖を求めるとともに、レノバ社などによるバイオマス火力発電所の建設工事、住友商事によるバイオマス火力発電所の本格着工開始にも抗議します。
仙台港の空を、蒲生(がもう)の空をこれ以上汚すな!
蒲生干潟の生物・生態を脅かすな!
石炭火力で、気候危機の深刻化に加担するな!

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◆「気候ネットワーク」の報告
 仙台PSは汚染排出データの開示に転じたが
 旧式の低効率技術を採用し、汚染排出も既存発電所に比べて最大で10倍!
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気候ネットワークの報告(2016/10/12)が実情を明らかにしている → こちら

・仙台パワーステーションの発電性能は、石炭火力発電技術のうち、1950年代から導入されている、低効率で最も古い「亜臨界圧(Sub-C)」という技術。途上国でも導入すべきでないとされる旧式の技術。
・汚染排出データの窒素酸化物量とばいじん量の数字は、他の小規模石炭火力発電所(名古屋第二発電所)と比べて、それぞれ5倍、6倍。また、硫黄酸化物濃度、ばいじん濃度は、2009年より稼働している既存の石炭火力発電所(磯子発電所新2号機)の10倍、窒素酸化物濃度は8倍。

・以下の内容を含む閲覧用PDFファイル → こちら
参考:火力発電所に係る国の環境アセスメントの対象要件
参考:石炭火力発電の技術
別表:環境アセスメント逃れ小規模石炭火力発電所計画 調査対象案件

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◆火力発電にとどまらない関電の経営姿勢、
 明日香 壽川さん著『グリーンニューディール』より
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・仙台PS操業差止訴訟の訴状の主張
①大気汚染による健康被害
②地球温暖化による被害
③仙台港近くにある蒲生(がもう)干潟への悪影響

・仙台PSの発電規模は11.2万kW。環境アセスメントが必要となる規模が11.5万kW以上なので、アセス逃れが明白。アセス逃れの小規模石炭火力の建設計画は、2012年以降、日本全体で19基あった。(p.67)

・「なぜ被告だけが温室効果ガス排出などの責任を問われるのか?」(p.68)
①電気が余っている現状で首都圏に売電し(公共性なし)
②健康被害発生の蓋然性があるなかで(PM2.5被害の深刻さは基地で、仙台PS周辺地域は、米国やWHOより緩い日本のPM2.5環境基準を超える場合もあるレベルのバックグラウンド濃度)
③故意に稼働前アセス・健康調査をせず(加害責任の曖昧化)
④電力自由化便乗、自己短期利益最優先、住民無視、被災地感情無視のビジネスモデル(安い石炭で売り抜け)
⑤パリ協定遵守に不十分な日本の温暖化対策にさえ不整合(温暖化対策をほとんど考えていない)

・アセス逃れ、消極的な情報公開のほか、自己短期利益最優先、住民無視、被災地感情無視のビジネスモデルについての指摘は、火力発電のみならず、原子力発電を含む関電の経営姿勢を象徴している。

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◆石炭火力発電所のほか、
 揚水式発電所でも、水力発電所でも、風力発電所でも

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・関電が風力発電を計画→ 宮城県の計画は断念して撤回(2022年)
 宮城県知事、山形県知事「どうして関電なのか」
 宮城県知事は「誠意ない」「明確に反対」
 役場訪問の関電幹部に地元2町長は「白紙撤回を」「京都の嵐山に造ったら」
 自然環境への配慮が著しく欠如、北海道の1件も断念して撤回
 ◆066◆
・黒部川の出し平[だしだいら]ダムと宇奈月ダムの連携排砂

 富山湾にヨコエビが異常繁殖、漁業に被害か(2002年提訴)
 関電は、補償金は出しても因果関係は認めず
 ◆063◆
・芦生(あしゅう)の揚水式発電ダム計画
 
芦生の美しい自然と、対極の関電
 ~関電のダム計画、金銭で人の心を奪い取る~(~2006年)
 ◆043◆

◆079◆ ←← 関西電力 闇歴史→→◆081◆

◆関西電力 闇歴史◆078◆

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◆「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」一般負担金、
 大手電力分を合計で293億円、こっそり減額!(2022年)
 関電などは電気料金に入れて徴収済みの分を自分のポケットに!
 【付 託送料金とは】

 【付 グリーンコープ託送料金訴訟】
 【付 社会常識を覆す廃炉会計制度】
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(★印は、末尾に注釈あり)

福島第一原発事故の事故処理費★1★は、現在、4分野(廃炉、賠償、除染、中間貯蔵施設)で21.5兆円と見積もられている。そして、その多くが国民負担で回収されることになっている。

・福島第一原発事故の事故処理費のうち、賠償分は、大手電力9社と日本原電、日本原燃が「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」に毎年「一般負担金」を納めることになっている。東電だけは「特別分担金」も納める。

・一般負担金は、沖縄電力を除く大手電力9社と日本原電、日本原燃が「機構」に毎年度納付する。13~19年度は計1630億円ずつ払ってきた。

・しかし、福島第一原発事故の賠償費用が当初の想定より増えることが判明し、国は、20年度から毎月の電気料金に含まれる託送料金 ★2★ から毎年約600億円を徴収し、一般負担金に上乗せする仕組み(「賠償負担金」の徴収)を考案。つまり、原発を保有しない新電力の利用者を含め、全電力消費者に負担を求めることになった。★3★

・こうした仕組みは、過去に原価に盛り込み損ねた費用を、実際の消費の有無にかかわらず、後から請求して回収するものとなっている。普通の商行為ではあり得ない違法なやり方であるとして、グリーンコープが託送料金訴訟★4★を起こしている。

・2020年度の賠償負担金は、下期から導入したので、半分の約300億円であった。2021年度は満額の約600億円となり、電気料金に含まれる電線使用料「託送料金」に上乗せされて、徴収された。

・その結果、「機構」への納付額が増えるはずだった。しかし、2021年度の実質負担額は、前年より計293億円減額されていたことがNPO法人「原子力資料情報室」の調査で分かった。大手電力などの一般負担金が前年度の計1630億円から、計1337億円に減額されていた。また、朝日新聞の報道によれば、東電の特別負担金も100億円減額されていた。これらの減額は、公表されていなかった。会計検査院は、これらの減額について説明するように指摘している。★5★
(2021年度、各社ごとの一般負担金は → ★6★
(各社ごとの減額幅は減額前の80%。中部電力が102.8%に増額されたのは、当初の負担額設計時に浜岡1、2号機を廃炉にしていたため減額されていたのが元に戻されたためか、なぜ増額されたのか、理由が不明で、この点も大きな問題)

・一般負担金の額は、年度ごとに「機構」が申請し、経済産業相の認可で決定する。経産省も、強欲大手電力と共犯になって減額したわけだ。「減額しなければ電力の安定供給にも影響を与える」とは、とんだ言い草。「安定供給」というのは、総括原価方式の時代から大手電力の錦の御旗であったが、今でも通用すると思っているのか。国民に負担を強いながら、大手電力負担分を減額するのは不当としか言いようがない。

・とりわけ悪質なのは、北陸電力、中国電力、中部電力を除く大手電力6社(北海道電力、東北電力、東京電力、関西電力、四国電力、九州電力)。関電など6社は、一般負担金を電気料金の原価に含め、電力消費者の電気料金で回収している。それにもかかわらず、減額された分は、自社の利益に取り込んでいる点で、きわめて悪質。一般負担金が減額された6社の減額総額は258億円で、これが、6社の不当な利益の総額となっている。関電は当然、この中に入っている。
(北陸電力、中国電力は、一般負担金を電気料金の原価に含めていない。)
(中部電力は、一般負担金が増額されている。)

・また、上記の「一般負担金」のほか、「廃炉円滑化負担金」などをふくむ諸制度について、社会常識を覆す「廃炉会計」制度★7★であると批判されている。

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『はんげんぱつ新聞』(2022/9/20)で指摘している4つの問題点
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2022年7/4に東洋経済が「福島原発の賠償負担金、密かに軽減されていた~電気代高騰の陰で電力会社が293億円の恩恵」というニュースを報じた→こちら
  
 大手電力各社が負担している福島原発事故の損害賠償費用の一部について、きちんとした説明もないまま、負担額がひそかに軽減されていた。この事実を突きとめたのは、NPO法人・原子力資料情報室 事務局長の松久保肇さん。『はんげんぱつ新聞』の記事も松久保さん執筆で、この「関西電力 闇歴史◆078◆」も参考にしている m(_ _)m

「何が問題なのか」4つの問題点
(1) およそ通常の商行為ではありえない「過去分」を国民に負担させながら、その裏で当事者の大手電力らの負担分を軽減している。
(2) 各社ごとの減額幅は減額前の80%。ところが、中部電力が102.8%に増額された。浜岡1、2号機を廃炉にしていたため減額されていたのが元に戻されたためか。そうであれば、廃炉にペナルティーを課している。
(3) 大手6社は、一般負担金を電気料金の原価に含め、電力消費者の電気料金で回収している。それにもかかわらず、減額された分は、自社の利益に取り込んでいる。
(4) 交付国債は無金利だが、償還の際、国は銀行などから借りて機構に資金を渡す。その際の金利などは、国庫負担、つまり税金、つまり国民負担。


★1★ 福島第一原発事故の事故処理費とは、以下(1)~(4)の合計で21.5兆円。
(1)廃炉(8兆円)…東電が自分で資金を積み立てる
(2)賠償(7.9兆円)…A大手電力などの一般負担金+B東電の特別負担金でまかなう
(3)除染(4兆円)…C東電株をもつ国の認可法人が将来の株式の売却益でまかなう
(4)除染作業で出た土壌を管理する中間貯蔵施設の整備(1.6兆円)…D電源開発促進税でまかなう
ADは、国費や借金(交付国債、政府保証債など)で立て替えた後、各社負担金や税金などで「返済」することになっている。


★2★ 託送料金とは
 電気を送る際に小売電気事業者が利用する送配電網の利用料金などとして一般送配電事業者(関西電力送配電株式会社などの送配電会社)が徴収する料金。電気料金の30~40%をしめる。送配電会社は、総括原価方式◆036◆)をとっているので、すべての費用を「総括原価」とし,さらにその上に一定割合(たとえば3%)の会社利益を上乗せした金額で,料金を決めることができる。全利用者をもれなく対象とするので、法令などでいろいろな費目を付加しても、取りっぱぐれがないことをいいことに、政府が原発を支援する費目を追加して不当な国民負担を強いている。
 託送料金は、送配電会社が算定する送配電網設備の利用料金のほかに、法令などで付加される使用済燃料再処理費用電源開発促進税賠償負担金廃炉円滑化負担金などからなる。なお、「再生可能エネルギー発電促進賦課金」は、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)」によって電力会社が買取りに要した費用を、電気の利用料に応じて消費者が負担するもの。託送料金ではないが、電気料金の一部。

【レベニューキャップ制度】なお、託送料金は、2022年度末までは「総括原価方式」で決まっていたが、2023年度からは、レベニューキャップ制度に変わる。レベニューキャップ(revenue cap)は「収入上限」という意味。
 コスト削減が行われにくい総括原価方式ではなく、必要な投資の確保と、国民負担の抑制(コスト効率化)の両立が可能となる、とされる。一般送配電事業者が、目標を明確にした事業計画を策定、その実施に必要な費用を見積もって収入上限を算定して国の審査を受け、収入上限の範囲内で託送料金を設定する。収入上限の中で実績費用を少なくすれば、その分、事業者の利益が増える。この制度による託送料金は、どの送配電会社でも、低圧、高圧、特別高圧とも現行より高くなる見通し。


▲電気料金の内訳。資源エネルギー庁による→こちら


▲再生可能エネルギー発電促進賦課金 →こちら


★3★ 原子力損害賠償・廃炉等支援機構と一般負担金
 東電福島第一原発事故の膨大な損害賠償を援助するため、大手電力会社と国などが出資し、2011年9月に設立。各社が一般負担金を支払う。賠償費用の不足を補うため、経産省は20年、託送料金から一般負担金を回収できる新料金システムを認可。各社が40年間で計2兆4000億円を回収する計画で、毎年度の一般負担金に上乗せしている。


★4★ グリーンコープ託送料金訴訟 こちら
 2020/10/15、グリーンコープ(福岡を中心に大阪、兵庫、滋賀にも)は、原発にかかる「賠償負担金」と「廃炉円滑化負担金」を託送料金(電線使用料)に上乗せして回収することを認可した経済産業省令は違法であるとし、その取り消しを求めて福岡地裁に提訴(2020年9/4にその上乗せを盛り込んだ新しい託送供給約款が経済産業省によって認可され、10/1からその徴収が開始された)。その後、2023/3/22に請求棄却の判決→福岡高裁に控訴。
【地裁判決の内容】2つの負担金(賠償負担金と廃炉円滑化負担金)は公共のために電気利用者のすべてが負担するものであり、経産省の認可処分は法律の委任の範囲内のものであり、違法ではない。国が出した準備書面をそのままなぞる判決。
 なお、廃炉円滑化負担金とは、原発依存度の低減というエネルギー政策の基本方針の下、原子力発電所を円滑に廃炉するための費用を託送料金の仕組みを利用して需要家から回収するもの。発電事業者が想定よりも早期に廃炉する場合に、設備の残存簿価の一括減損等により一時的に多額の費用が生じることで廃炉判断を躊躇する可能性があったことから、費用の分割計上を可能とする「廃炉会計制度」を2013年に措置していた。当時は小売規制料金による回収を認めることが前提とされていたが、小売規制料金が原則撤廃される2020年以降、制度を安定的に継続させる観点から、2017年に託送料金の利用を可能とする制度措置(電気事業法施行規則等の省令改正)がなされた。賠償負担金・廃炉円滑化負担金に関する制度は、2020年4月より施行された。

グリーンコープの説明 こちら
・「賠償負担金」と「廃炉円滑化負担金」とはいったい何かということですけれども、実はこれは経済産業省令の中に定義規定がありまして、「賠償負担金」というのは、本来原子力損害賠償のために、各電気事業者が元々自分たちで蓄えていなければならなかったお金、法律用語としては、備えておくべきだった資金であって、それまでに備えてなかったお金をいいます。普通に常識で考えていただければ分かりますが、原価200円の魚を100円で売って、後になって元々の魚の原価は200円だったから後で100円払ってねということが、世の中の常識として通用するのかという疑問が基本的にあります。この論理だと、電気料金に関して本来200円取るべきところを経済産業省はずっと100円で認可してきた、そして後になって実は200円だったので不足分の100円を追加で取りますという論理なんですね。

・本来であれば、汚染者(加害者)負担が当然。しかし、事故を起こした東電は自力での負担が難しい(本来なら破綻)という理由で多額の税金が投入されている。
・福島第一原発事故以前に確保しておくべきだった賠償の備えを遡って回収する⇒「過去分」という理屈は通常ではあり得ない!!
・事故の賠償負担は、東電救済でしかない!!

・それからもう一つの「廃炉円滑化負担金」、こちらはもっと理解が難しい制度です。「廃炉円滑化負担金」というのは、簡単に言うと、福島第一原発事故以降、古い原子力発電所は次々と廃炉していかなければ安全性の点からも問題があるということになるわけですが、まだ償却が終わっていないもの、残存期間が残っているものは、通常であればその減価償却費を毎年の電気料金の中で回収していくということでやっていたのですが、まだ償却前の時点で廃炉にしてしまうと、未償却の分が一括して損失になる、且つそのお金の回収の目途もないということになるので、そういうことを理由として早期の廃炉を電気事業者が躊躇するのではないかということで、そのために「廃炉円滑化負担金」というものを一般の電気の使用者から回収し、原子力発電事業者に渡す制度と説明されています。廃炉の判断をするのは原子力発電事業者ですが、原子力発電事業者は判断を躊躇するかもしれないから、判断しやすいように制度をつくる。そのために普通の電気の消費者が負担するというのが、よく分かりません。

・原発廃炉を適切に進めるために必要と言う。廃炉を適切に進めることそのものは大事なこと。しかし、そのためには、かかる費用を明確にしていく必要がある。託送料金での回収では何も明らかにされない。このままでは国民に負担だけが課せられるという構造が続く。
・「原発推進」「原発優遇」があるだけ。申請されたのは全ての廃炉原発で、「想定より早く廃炉をした原発」に限られていない。電力会社によって申請額に大きな開きがあるのは、電力会社毎の廃炉費積立努力の差なのか。廃炉費を廃炉円滑化負担金に移しかえることで自社の電気料金を値下げした電力会社がある疑いもある。


★5★ 一般負担金の内訳の変遷
▼『はんげんぱつ新聞』2022/9/20による。単位:億円。2020年度は下期だけなので半額。

▼『朝日新聞』2022/11/8による。一部改変。東電の特別負担金も100億円減額されて、過去最低額になった。特別負担金が今後も400億円の場合、返済は最長で2064年度までかかり、支払利息は2388億円にのぼるという。


★6★ 経産省が認可した原子力損害賠償・廃炉等支援機構法に基づく一般負担金(2021年度)

▲東電は675.5億円、関電は397.7億円、九電は196.3億円などとなっている。負担金率は小数第三位を四捨五入。出典は → こちら(リンク切れ)


★7★ 社会常識を覆す「廃炉会計」制度
(1) 社会常識を覆す「廃炉会計」制度[134 KB]。←このPDFは、グリーンコープ共同体、「賠償負担金」と「廃炉円滑化負担金」を経済産業省令によって託送料金に上乗せするのがどうして違法、不当なのかについて(2019 年12月18日、全文はこちら)より、「廃炉会計」に関する部分を抽出したもの。全ての廃止原発施設が資産となり、使わなくなった核燃料さえ資産に加えられた。こうして、原発廃炉によって電力会社は 1 円の損失もせず、使わなくなった施設と核燃料が全部資産となって、数十年かかる廃炉作業期間中、その減価償却分を電気料金で徴収し続けられるようになった。

(2) 『原子力発電と会計制度』(金森絵里著、中央経済社、2016/3/11)は、「会計を基礎にした(原発の)電気料金」という本来の枠組みが、「電気料金を前提にした会計制度」という思考に逆転しているため、原発会計制度により算出される会計数値に歪みがもたらされている、と主張する。原発会計制度とは,「原子力発電工事償却引当金,使用済燃料再処理等(準備)引当金,原子力施設解体引当金,特定放射性廃棄物拠出金および 2013 年および 2015 年に制度化された廃炉に係る会計制度を総称」したものとして(p. ii)、以下のように指摘している(p.194)。
原発会計制度については、「一般に認められた」とはまったくいえない、電力会社のみを保護・優遇する「一般に認められない」会計である。

(3) 核燃料サイクルと再処理等拠出金法における会計問題 については→ ◆003◆


◆077◆ ←← 関西電力 闇歴史 →→ ◆079◆

◆関西電力 闇歴史◆077◆

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◆自治体が関電に電気代を過払い(2022年5月以後に報道)
 大阪府、大阪市、和歌山県などが、道路照明灯(街灯)などの料金を関電に過払い
 原因は、自治体側もしくは関電による契約変更の手続きミスか?
 原因がどうであれ、関電は使っていない電気代までとるな!
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[4] 豊中市、道路照明灯の廃止後も電気代約900万円を過払い
 関電の契約手続き漏れが原因

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 2023/7/14付報道によると、大阪府豊中市は14日、市が管理する道路照明灯について、契約を廃止した分の電気代などを関西電力に支払い続けていたと発表した。過払い額は記録が残る1992年度以降で、約900万円(84件)になる。市基盤保全課の担当者は「関西電力の契約手続き漏れが原因と考えている」と話した。再発防止策として、今後は電話ではなくインターネット上での手続きを徹底し、記録を残すという。
 内訳は、契約廃止分が約540万円(69件)、一つの照明に二つの契約があったものが約360万円(15件)。二つの契約があった約360万円のうち10年分にあたる約147万円は、返還されることで関西電力と合意したが、残りはまだ協議が続いているという。
 一方、2007年度以降に市が新設した道路照明灯の電気代約120万円(28件)が未払いになっていたこともわかった。関西電力は市に電気代を請求しないと伝えているという。

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[3] 京都市には1億円、返還
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 2023/3/14付報道によると、京都市は、道路照明灯の電気料金約1億円を関西電力に過払いしていて、関西電力側に約1億円を返還させることで合意。

 関電は返還に当たって、市に対し申請書類などの「証拠」を求めており、12年7月~22年12月分の契約変更分約8800万円(9255件)、廃止分約160万円(21件)の計約8960万円の返還で合意した。利子を含めて約1億800万円になる。市は残りの約2500万円の過払い分も返還を求めている。これについて、京都市建設企画部長は「過払いや漏れ生じている立証責任を顧客側に全部投げてきている。関電さんの姿勢というのは我々的には受け入れがたい」とのこと。関西電力は「一度に大量に届くLEDへの契約変更や、撤去による契約廃止が起きた場合にも、適切に対応して記録も残るようにしていきたい」としているが、届けがいくら大量でも「適切に対応して記録も残る」ようにすることは、当然の業務であり、今さら、何を言っているのか。

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[2] 裁判であらそう
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(1) 大阪府…2023/3/9、大阪地裁で、道路照明灯を撤去したのに電気代を支払わされ続けてきたのは不当だとして、大阪府が関西電力に約6600万円の返還(1975~2022年の支払い分)を求めた訴訟の第1回口頭弁論。府は「関電は契約廃止を確認できた。既に撤去した照明灯の電気代は不当利得にあたる」と主張。関電は「府からの通知がなければ撤去を知るすべがなく、電気が使用されていない認識はなかった」と反論。

(2) 大阪市…2023年2月の市議会定例会で、訴訟を起こすとした議案を可決。22年までに支払った計約5400万円の返還を求める方針。

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[1] 自治体が関電に電気代を過払い(2022年5~8月報道)
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(1) 大阪府…約1億円を関電側に過払い。そのうち約1700万円は返還に合意したが、残りについてはめどが立っていない。約3400万円は照明灯撤去後の解約手続きが行われたかどうかを巡って関電側と主張が対立。2022年5月報道。
(詳細…過払いは573件、計1億238万円に上り、最も古いケースは1976年から続いていた。うち188件、計2929万円は民法上、返還請求の時効にあたる10年を過ぎていたという。)
 こちら

 2022/09/21報道によると、大阪府が長年、道路照明灯の電気料金を関西電力に過払いしていた問題で、府は料金の返還を求め裁判を起こす方針を固めたとのこと。大阪府は今年5月、すでに撤去され存在していない道路照明灯など573件に関して、電気料金を無駄に支払っていたと発表。総額は約1億200万円にのぼっていた。こうした過払いは「最長で昭和50年代ごろから続いていた」としている。府は、電気契約の解除を口頭で伝えた際、関電が必要な手続きをしなかったのが原因だと主張。関電からは約1700万円が返還される予定であるが、府は残りについても返還を求めて、関電を相手取り裁判を起こす方針を固めた。28日からの府議会に、提案する予定。

(2) 大阪市…2020年度の1年間で約470万円の過払い。他の年度を含めた総額を調査中。2022年5月報道。
 こちら

(3) 大阪市…関電に対し必要のない支払いを続けていた契約は201件で、約4722万円。2022年7月報道。
 こちら

(4) 大阪府…漁港照明電気代、15件で130万円を過払い。撤去した照明灯の契約が残っていたり(2件、6万円)、実際よりも小さな容量での契約が可能だったために過払いになったていた(13件、約124万円)ことが原因。府は、廃止や契約の見直しは電話連絡などでしていたが、関電が必要な手続きを取っていなかったことなどが原因と考えられるとしている。2022年8月報道。
 こちら

(5) 和歌山県…1600万円を関西電力に過払い。既に撤去・移設して存在しない照明灯の契約で59件約1400万円、料金単価の安い発光ダイオード(LED)照明に付け替えた後も従来の単価で支払いを続けていたのが102件約200万円。2022年8月報道。
 こちら

(6) 堺市…道路照明灯の電気料金について、いずれも1500万円を超える過払いと未払いがあったと発表(2023/4/27)。去年までの13年間で、すでに撤去していた照明灯などの電気料金、少なくともおよそ1630万円が過払いとなっていた。撤去した際の契約の廃止や、契約料の安いLEDに交換した際の契約変更をしていなかったのが原因で、過払い分の一部は返還されることで関電と合意。また、契約そのものがなかった照明灯もあり、堺市が関西電力に対して、少なくともおよそ1540万円未払いだったことも分かった。堺市が適正な契約手続きをしなかった原因は不明で、未払い分は順次、新たな契約を進めているとのこと。

(7) その他…京都府、京都市、兵庫県、神戸市などは大丈夫か。

 自治体側の過払いが発生してしまった原因は、自治体側もしくは関電による契約変更、解除などの手続きミスと推定される。しかし、原因が自治体側にあろうと関電側にあろうと、照明灯が実際には使われていなかったり、実際よりも小さな容量で使用していたというなら、関電は、その電気代を返還すべきではないか。

 大阪府や大阪市は、返還に応じてもらえない場合は法的措置を検討するとしている。松井一郎・大阪市長は記者団に「返してもらいたいが、関電側は行政側にチェックミスがあるという。司法に判断してもらうことになる」と述べた。

 行政側にチェックミスがあるかもしれないが、それは、行政の問題であって、使っていない電気の料金を徴収しておいて、返さなくても良いということにはならないはず。関電は、使ってない電気代までとるな!

◆076◆ ←← 関西電力 闇歴史 →→ ◆078◆

◆関西電力 闇歴史◆076◆

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◆電力総連の組織内議員が原発推進
 電力総連政治活動委員会が巨額の政治資金で活動
 各電力労組の政治連盟あるいは政治活動委員会は42万人超え
 政治資金規正法違反ではないか、との指摘
 関電社員議員、関電労組政治団体に関する指摘
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◆電力総連の二人の組織内参議院議員=国民民主党が原発推進
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・電力総連(全国電力関連産業労働組合総連合)は、参議院の全国区で組織内議員を二人抱えている。2019年には、関電労組出身の浜野喜史(はまの・よしふみ)が256,928票で当選。2022年には、東電労組出身の竹詰仁(たけづめ・ひとし)が、238,956票で当選している(3期18年の小林正夫、東電労組出身から交代)。国会では、国民民主党に所属して、原発推進を主張している。

・組織内候補の選挙運動は、ひたすら全国の関連組織を回って訴える形なので、一般の有権者の目に触れる機会はほとんどない。その選挙運動の中心を担っているのは、さすがに、労働組合そのものではまずいという判断なのだろう、電力総連政治活動委員会である。

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◆電力総連政治活動委員会の政治資金収支報告書
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・総務省、2021(令和3)~2020(令和2)年受付、沖縄*2015(平成27)年をみると、その政治資金収支報告書がわかる。

・収入総額は、1億7043万6556円で、繰越額を除いた「本年の収入額」が、5855万1156円。
・収入項目別にみると、寄付が、5854万7130円で大半を占めている。
・寄付の内訳は、各電力労組の政治連盟あるいは政治活動委員会などの政治団体からのものが大半となっている。政治団体別にみると、たとえば、関西電力労働組合政治活動委員会は、958万8960円を寄付している。(他には、参院議員の個人寄付が168万円)

┌─────────────
◆各電力労組の政治連盟あるいは政治活動委員会は42万人超え
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・各電力労組の政治連盟あるいは政治活動委員会の収支報告書も、総務省のWebサイトに掲載されている(北海道電力労働組合政治連盟を除く)。
・以下、「員数(党費または会費を納入した人の数)」と「本年の収入額」を示す。データの年次はまちまち。

・北海道電力労働組合政治連盟…ここのみは掲載されていない
・東北電力労働組合政治連盟…会費を納入した個人の数、128,893人、金額、72,055,500円
・東京電力労働組合政治連盟…会費を納入した個人の数、27,539人、金額、149,628,400円
・中部電力労働組合政治連盟…会費を納入した個人の数、14,496人、金額、70,549,985円
・北陸電力労働組合政治連盟…会費を納入した個人の数、4,004人、金額、30,731,400円
・関西電力労働組合政治活動委員会…会費を納入した個人の数、17,567人、金額、49,488,800円
・中国電力労働組合政治連盟…会費を納入した個人の数、7,592人、金額、47,111,000円
・四国電力労働組合政治連盟…会費を納入した個人の数、5,139人、金額、34,352,100円
・九州電力労働組合政治活動委員会…会費を納入した個人の数、149,965人、金額、89,979,000円
・沖縄電力労働組合政治連盟…会費を納入した個人の数、1,179人、金額、1,424,000円
・日本原子力発電労働組合政治活動委員会…会費を納入した個人の数、15,013人、金額、7,506,500円
 こちら
・J-POWERグループユニオン政治活動委員会…会費を納入した個人の数、48,809人、金額、6,093,800円
 こちら
・日本原燃労働組合政治連盟…会費を納入した個人の数、2,135人、金額、6,371,400円

・以上、「員数(党費または会費を納入した人の数)」と「本年の収入額」の合計(北海道電力労働組合政治連盟を除く)は、
★会費を納入した個人の数、合計で、421,692人。
★金額、合計で、5億6517万2485円。

・九州電力労働組合政治活動委員会では、会費を納入した個人の数が149,965人であるのに対して、関西電力労働組合政治活動委員会では、17,567人と、人数のアンバランスが大きい。なお、関西電力の従業員数(2022年3月)は、連結で31,963人、関電本体で8,633人(なお、2020年3月では18,141人となっている。2022年には関西電力送配電株式会社の8,806人が連結に計上されたか)。

・直近の電力総連組織内、参議院議員の得票数、256,928票、238,956票をみれば、全国の各電力労組の政治連盟あるいは政治活動委員会の会員の半分を押さえれば(家族票もあるだろう)、当選できるような関係になっている。

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◆政治資金規正法違反ではないか、との指摘
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・人数的にも、財政的にも大きな規模の、各電力労組の政治連盟あるいは政治活動委員会には、総務大臣や選挙管理委員会に届出をする義務があり、それをしないまま収支を伴う活動をすれば政治資金規正法違反に問われるとの指摘がある。

・たとえば、関西電力労働組合政治活動委員会の政治資金収支報告書(大阪府選挙管理委員会、2021年3月10日受付)→こちら、によれば、会費を納入した個人の数、17,567人、金額、49,488,800円となっている。

・友好議員懇談会費や職場後援会活動費の支出先として、
「関労政治活動委員会大阪北地区本部」
「同大阪南地区本部」
「同兵庫地区本部」
「同姫路地区本部」
「同京都地区本部」
「同和歌山地区本部」
「同奈良地区本部」
「同滋賀地区本部」
「同若狭地区本部」
「同東海地方本部」
「同北陸地方本部」
といった名称がある。

・「関労政治活動委員会」という名称を冠している点から判断して、「関電労組政治活動委員会」の下部組織で、かつ政治団体であることは明白ではないか。

・これらの団体が、はたして政治団体として届け出されているのか。結論から言えば、選管に政治団体の届出はなし、会計責任者は「地域組織です」「政治団体というより地域組織です」と繰り返すとのこと。

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◆関電社員議員、関電労組政治団体に関する指摘
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(1)関電社員議員は近畿6府県に24人議員報酬+関電給与1千万円+関電労組献金=原発大推進
(2012/04/06)三宅勝久
こちら

(2)「原発推進」関電労組政治団体が“資金洗浄”使途不明4163万円、正体不明の無届団体通じ
(2012/04/17)三宅勝久
こちら

(3)関西電力、赤字転落も「待遇変化なし」嵐の過ぎ去りを待つ日々
(2012/05/17)ココで働け取材班
こちら

(4)政治資金規正法違反の疑いも――関電労組政治団体に使途不明金
週刊金曜日オンライン2012年6月1日号(2012/06/12)三宅勝久
こちら

(5)関電労組政治団体の違法行為や電力会社社員議員を許すな!
『原発を止める55の方法』(宝島社、2012年10月発行)、三宅勝久
・脱原発への道として、関西電力労組団体の規制法違反を告発する、“給料二重取り”の議員に投票しない、原発企業の天下り官僚を辞めさせる、を挙げている。

(6)原発大推進の連合「関電労組」政治団体に不正会計発覚、使途不明金6千万円超に
(2014/01/27)三宅勝久
こちら

(7)「関電労組」政治団体が無届け組織に多額支出――6000万円超が使途不明に
週刊金曜日オンライン2014年2月24日号
こちら

(8)311以降も続く電力9社の「ステルス式」献金2012年までの3年で自民団体に1億4300万円貢ぐ
(2014/08/16)三宅勝久
こちら

(9)◆2017◆原発大推進の「関電労組」系政治団体が無届団体に違法な闇支出を続行、使途不明金は過去8年で9400万円に――NHKは放送できず
(2017/08/01)三宅勝久
こちら

◆075◆ ←← 関西電力 闇歴史 →→ ◆077◆

◆関西電力 闇歴史◆071–7◆高浜原発2号機

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◆高浜原発2号機–トラブルまとめ
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┌─────────────
[1] 高浜原発2号機「2018~22年度のトラブル」
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(以下、詳しくは → Ver5_kanden_trouble_2018-22[151 KB]
【高浜2】
・2021/8/18…高浜2、安全対策工事における協力会社作業員の負傷(入院1か月)、足場開口部から転落→◆009◆(6)
【高浜1、2】
・高浜1、2号機の2019~22年のトラブル→高浜1(◆071–6◆
・高浜1、2号機の再稼動…別記項目へのリンク→高浜1(◆071–6◆

┌─────────────
[2] 関西電力「高浜発電所2号炉 高経年化技術評価書(40年目)
 2014年11月」
(→こちら)からみた高浜原発2号機 事故・故障等一覧
└─────────────


・高浜2号機のトラブルはひじょうに多い。「原子炉自動停止」や「蒸気発生器伝熱管の損傷」が目立つ。それぞれの内容は調査が必要。
・「高経年化対策に関する報告書」の一覧 →こちら

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原発再稼働に猛進する関電、トラブル続出
「2018~22年度のトラブル 一覧表」、「関電の原発の稼働状況 一覧表」 → ◆071◆

・美浜原発3号機のトラブル → ◆071-1◆
・高浜原発1号機のトラブル → ◆071-6◆
・高浜原発2号機のトラブル → ◆071-7◆(このページ)
・高浜原発3号機のトラブル → ◆071-2◆
・高浜原発4号機のトラブル → ◆071-3◆
・大飯原発3号機のトラブル → ◆071-4◆
・大飯原発4号機のトラブル → ◆071-5◆
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◆関西電力 闇歴史◆071–6◆高浜原発1号機

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◆高浜原発1号機–トラブルまとめ
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▲高浜原発。手前が1、2号機。奥が3、4号機。

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[7] 蒸気漏れで出力を40%に抑制
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・2024年1月22日、高浜原発1号機で配管(原子炉格納容器外のタービン建屋「給水ブースターポンプ」付近)から蒸気が漏れる不具合が見つかったと発表した。ポンプは3台あり通常は2台を稼働し、蒸気発生器への給水ポンプを補助する役割。配管は放射性物質を含まない冷却水などが循環する「2次系」の施設にあり、環境への影響はないという。当面、配管への負荷を減らすため、通常の40%の出力で発電する。
・関電によると、最初に蒸気漏れが発見されたのは、発電用の蒸気発生器に高温の水を送る補助的な配管3本のうち1本。21日午後11時25分頃に点検中の職員が発見した。さらに22日午前5時ごろ、別のポンプで、冷却水が通常よりも多く漏れていることが新たに確認された。ポンプは残り1つあるが、2つのポンプを止めて点検するため冷却水の供給が減ることから、22日午前9時すぎから出力を通常の40%まで下げた。
・高浜原発1号機は、2024年で運転開始から50年となり、廃炉になっていないものとしては国内で最も古い原発で、東京電力・福島第一原発の事故のあとおよそ12年にわたり運転を停止していたが、2023年7月に再稼働した。
・2/6の関電のプレスリリースによると、原因が分かったとして、出力を100%に戻すとのこと。→こちら。新聞報道では、2/8に100%復帰。

▼関電のプレスリリースより

▼福井県の原子力安全対策課 …高浜発電所1号機の出力降下について(給水ブースタポンプの調査状況)(2024年1月31日)。図解が詳しい→ こちら

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[6] 50年超え60年運転へ、保安規程の変更を申請
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・関電は、2023年11月2日、50年超え運転にむけて、運用体制などを定めた保安規程の変更を、規制委に申請した。運転開始から60年時点でも問題なく運転できるとしている。50年超え運転に向けた申請は、初めて。
・高浜1号機は国内で最も古い原発。2023年7月に再稼働。2024年11月に運転開始から50年を迎える。
・原発の運転期間は、福島第一原発事故をうけて「原則40年、最長60年」となっていたが、岸田政権は2023年5月に、60年運転を可能とする法律「GX(グリーントランスフォーメーション)脱炭素電源法」を作っていて、2025年6月に全面施行される予定。

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[5] 運転上の制限逸脱
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・2023/7/28に再稼働した老朽原発・高浜1号機で、8/15、「格納容器内高レンジエリアモニタ(高レンジ)CH4故障」警報、保安規定の運転上の制限逸脱が発生。格納容器内高レンジエリアモニタ※1は、事故時の格納容器の放射線量率を確認するために設置されている。
 以下、関電のプレスリリース。
・格納容器内高レンジエリアモニタ(高レンジ)の関連機器を調査した結果、当該モニタから中央制御室に指示値を伝送する回路に瞬時的な電圧の変動を確認しました。この電圧変動は、回路の構成部品の一部に一時的な不具合が発生したことによるものと推定し、それらを予備品に取り替え、健全性に問題がないことを確認したことから、8/22、15時00分に保安規定の運転上の制限を満足する状態に復帰しました。
※1:事故時の格納容器の放射線量率を確認するために設置しているモニタ。高浜発電所1号機の高レンジエリアモニタ(高レンジ)は、CH3とCH4の2台があり、そのうち1台(CH4)で指示値の低下を確認したもの。

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[4] 火災報知器の場所が工事計画と異なる位置に
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・高浜1、2号機をめぐっては、規制委が2023年3月、火災防護対策が不十分だと指摘。関電が追加工事を終え、5月15日から規制委の使用前検査を受けたところ、火災感知機が工事計画と異なる4か所に設置されていたことが新たにわかった。
・6/1の報道では、火災検知器4基が工事計画と異なる位置に設置されていることが分かった。その後、関電が調べたところ、この4か所を含めて約90か所で、再び追加工事が必要であることが分かった。
・関電は6/1、高浜原発1、2号機の再稼働時期が「未定」と発表した。「火災防護対策に係る対応のため」としている。当初は1号機を6月3日、2号機を7月15日から再稼働させる予定だったが、原子力規制委員会の指摘を受けて5月に「遅れる見通し」に変更していた。

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[3] 2018~22年度のトラブル
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(以下、詳しくは→ Ver5_kanden_trouble_2018-22[151 KB]
【高浜1】
・2018/10/6…高浜1、格納容器上部遮蔽設置工事における協力会社作業員の負傷、鉄材が落下し作業員に
・2020/4/11…高浜1、安全対策工事で協力会社作業員が脚立から転落→◆009◆(4)
・2021/12/1…高浜1、事故対応訓練中の協力会社作業員の負傷(入院2か月)、移動したホースが当たった
【高浜1、2】
・2019/9/19…高浜1、2、安全対策工事で協力会社作業員のCO中毒、9人が搬送、換気が不十分→◆009◆(1)
・2020/3/13…高浜1、2、安全対策工事で協力会社作業員がトラックにひかれて死亡、トラックが誘導なくバック→◆009◆(3)
・2021/10/19…高浜1、2、深夜のタワークレーン解体作業で重傷→◆009◆(7)
・2022/1/31…高浜1、2、アスファルト固化建屋で火災、溶接補修で養生シート発火
・2022/12/9…高浜1、2、海水電解装置建屋で火災。分電盤の母線に取り付けられた接地器具に過電流が流れ、接地器具の被覆から発火

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[2] 関西電力「高浜発電所1号炉 高経年化技術評価書(40年目)
 2013年11月」
(→こちら)からみた高浜原発1号機 事故・故障等一覧
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・高浜1号機のトラブルはひじょうに多い。初期には「原子炉自動停止」が目立つ。それぞれの内容は調査が必要。
・「高経年化対策に関する報告書」の一覧 →こちら

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[1] 老朽高浜1、2号機の再稼動…別記項目へのリンク
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・高浜1、2号機…2021年再稼働できず ◆013◆
・高浜1、2号機運転延長審査 ◆047◆
・高浜1、2号機…火災が発生 ◆058◆
・高浜1、2号機再稼働のデタラメ-その1~3 ◆058◆
・高浜1、2号機再稼働のデタラメ-その1 ◆014◆
・高浜1、2号機再稼働のデタラメ-その2 ◆013◆

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原発再稼働に猛進する関電、トラブル続出
「2018~22年度のトラブル 一覧表」、「関電の原発の稼働状況 一覧表」 → ◆071◆

・美浜原発3号機のトラブル → ◆071-1◆
・高浜原発1号機のトラブル → ◆071-6◆(このページ)
・高浜原発2号機のトラブル → ◆071-7◆
・高浜原発3号機のトラブル → ◆071-2◆
・高浜原発4号機のトラブル → ◆071-3◆
・大飯原発3号機のトラブル → ◆071-4◆
・大飯原発4号機のトラブル → ◆071-5◆
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◆関西電力 闇歴史◆075◆

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◆ビーチが素晴らしい高浜町、「ブルーフラッグ」の認証をうける
 地元の喜びは当然ですが、
 将来とも美しい自然環境を生かしていくには、原発廃炉が必須では?
★何故かここで場違いに自慢してはしゃぐ関電、
 「安全な」原発のそばで遊んでね、と言いたいのか?
★高浜原発沖合の海水からはトリチウムが検出され、
 そのトリチウム濃度は全国平均よりはるかに高い。
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◆高浜町の若狭和田ビーチが「ブルーフラッグ」の認証
 地元の喜びは当然ですが
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・国際環境教育基金 FEE Japan は、水質、環境マネジメント、 環境教育、安全とサービスについての基準を達成したビーチに対し「ブルーフラッグ」の認証を行っています。そして、高浜町の若狭和田ビーチがそれらを達成したビーチとして、日本(アジア)で初めて認証されました。白い砂浜と、遠浅で海の底まで透き通るほどキレイな海水!

・2018年8月18日、「原発うごかすな!実行委員会@関西・福井」が、公開質問状の回答受け取りに高浜町役場に行ったときも、担当者がとても嬉しそうに話していました。ビーチクリーンや環境教育などをすすめている町としては、当然だと思います。原発立地の高浜町、おおい町、美浜町の3町の回答の中で、原発なきあとの町の産業振興について、水産業の六次産業化、UターンやIターンなどについて、いちばん具体的な回答をしたのは、高浜町だと思いました。

・しかし、「ブルーフラッグ」はちょっと待ってください。認定のための33の基準の中に、原発との隣接、事故の危険性、放射能汚染の恐れなどの項目はありません。そして、原発事故はいつおこるか分かりません。高浜のビーチで遊んでいたら突如、避難が必要といったことになるかもしれないのです。認証には「半径250km以内に原発がないこと」といった基準が必要ではないでしょうか。大腸菌の心配はなくても、放射能汚染の危険性があるところを認証することは、問題があります。「ブルーフラッグ」の権威を損なうものではないでしょうか。
(2018年8/18には、FEE Japan に基準を検討するようにという意見をメール送信済み)

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◆高浜原発から排出されるトリチウム
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・トリチウムは、原子が小さいので、除去設備をすり抜ける。ステンレスの管からも漏れていく(水素は鉄をすり抜ける)ので、排出量が多い。加圧水型の高浜原発などからは、年間18兆~83兆ベクレルを放出している。
(東京新聞2021年4月14日→こちら

【参考】青森県の日本原燃六ヶ所再処理工場(六ヶ所村)は、2006年から2008年にかけてトリチウムを海洋放出していた。放出量の合計は約2150兆ベクレルだが、2007年10月には、1ヶ月で約523兆ベクレルを放出した(福島第一原発のタンク内の処理水総量約860兆ベクレルの約2.5倍)。
 国立がん研究センターが発表した2014年の都道府県別のがん死亡率は、青森県が2004年から11年連続1位で、2位は3年連続で北海道。2021年の調査では、また北海道が2年連続2位。(最近では青森県が順位を下げ、秋田県が1位に浮上)
→核燃料サイクルとその破綻–六ヶ所再処理工場の完成延期 ◆003◆ 付 (2)
→核燃料サイクル–その立地【核燃料サイクル3施設→5施設】◆082◆

『原発は事故がなくても危険 知られざる“トリチウムの健康被害” 安全の保障もないのに再稼働』(京都・市民放射能測定所、2018年)より、「原発・核燃料再処理施設と白血病との関連」(森永 徹)
 
・原発からは、さまざまな経路で放射性物質が外に出ている。とりわけ、通常運転でもトリチウムは大量に放出されている。玄海原発がもっとも多く、白血病との関連が強く疑われている。大飯原発も放出が多い。高浜原発沖合の海水からはトリチウムが検出され、そのトリチウム濃度は全国平均よりはるかに高い。
・安全審査によるトリチウムの排出基準は、規制値ではなく、単なる指標なので、薄めればどれだけ放出しても良い。事実上垂れ流し放題。

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◆何故かここで場違いに自慢してはしゃぐ関電、
 「安全な」原発のそばで遊んでね、と言いたいのか?
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若狭高浜町のビーチがブルーフラッグ認証を受けたことを自慢して、はしゃいでいるのが関電。
関電、関係ないでしょ。
関西電力グループの公式Facebookページ(2016年7月11日)→こちら
 
・「美しい海に魅せられて移住者が増えるほどの若狭和田ビーチ。今年の夏は、この美しい海でゆったりとした時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。」

・「美しい海」は、別に関電に作ってもらったものではありません。
それどころか、「美しい海」を台無しにする可能性を有しているのが、関電です。
・高浜町の人口は、以下の通り。移住者が増えているのは、「若狭和田ビーチ」??
 2000年…12,119人
 2005年…11,630人
 2010年…11,062人
 2015年…10,596人
 2020年…10,326人

・「ゆったりとした時間」を過ごしていて、突然、原発事故が起こったらどう避難するの??
「高浜町原子力災害住民避難計画について」→こちら

和田地区(下図中の赤い )は、高浜原発、大飯原発のUPZ圏内だが、両方のPAZ圏にも近い。

・海水浴客の避難は、どうなっているのだろうか。若狭高浜観光協会が、(1) 観光客への広報協力、(2) 旅館及び観光業者への周知協力を行うことになっているようだが。そして、「観光客など一時的に滞在する者については、動揺や混乱を招かぬよう、広報車、同報系の防災行政無線、携帯端末の緊急速報メール機能等を活用して、迅速かつ的確に情報を提供できるよう、情報伝達手段の確立を図る。」となっています。が、情報を伝達すれば、避難の必要性はありませんと言っても、通用するかどうか。とりわけ7~8月の海水浴シーズンなら、我先に県外に避難、脱出しようとする自家用車で、道路の大混乱が目に見えるようだ。直ちに避難すべきPAZ圏内の住民にも悪影響を与えるに相違ない。

・原発を廃炉にして、安心して遊べるビーチを提供することこそ、高浜町の進むべき道ではないでしょうか。

▲高浜原発と大飯原発のPAZ圏外の中央地点あたりにある赤い が 和田地区。両原発が同時にトラブルに見舞われた場合は、逃げ場がない。

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◆美浜原発に隣接する美浜町の水晶浜は、
 樋口健二さんの写真で紹介されたことも
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▲amazonサイトより『増補新版 樋口健二報道写真集成 日本列島1966-2012』。 2012/5/31発行。表紙写真は、美浜原発に隣接する水晶浜海水浴場。美浜原発のうち、手前の1、2号機は廃炉になったが、奥の老朽原発 3号機は現役。この写真のような風景は、2022年にも見られた。

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